JP2000003532A - 真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体及びその製造方法並びに商品の真贋判定方法 - Google Patents

真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体及びその製造方法並びに商品の真贋判定方法

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JP2000003532A
JP2000003532A JP10181560A JP18156098A JP2000003532A JP 2000003532 A JP2000003532 A JP 2000003532A JP 10181560 A JP10181560 A JP 10181560A JP 18156098 A JP18156098 A JP 18156098A JP 2000003532 A JP2000003532 A JP 2000003532A
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Shinji Nakamura
伸司 中村
Goro Fujiki
五郎 藤木
Koji Akita
耕司 秋田
Kazumi Nakamura
一美 中村
Yorozu Ueno
萬 上野
Kanji Kayanuma
完治 茅沼
Kazunori Namiki
和則 並木
Kenji Narisawa
賢司 成澤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不法なコピー商品であるか、真正商品である
かを容易に判定でき、かつ偽造が極めて困難な真正商品
表示像投影データ記録済光記録媒体及びその製造方法並
びに商品の真贋判定方法を提供する。 【解決手段】 単色光線9が照射されたとき、その透過
回折光又は反射回折光が真正商品であることを示す所定
画像7を投影するようにホログラムパターンをCGH5
として記録しておき、検査時にこのCGHに単色光を照
射して所定が像が再生されるかどうかを目視にて確認す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真正商品と偽造商
品の判別のための記録媒体及びその製造方法並びに商品
の真贋判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クレジットカードや、銀行のキャッシュ
カードなどの偽造やその不正な使用の発生を防止する目
的でホログラムによる像などをかかるカードに付着させ
たものが実用されている。これらのホログラムは白色光
の干渉による単一ホログラム映像を目視により認識する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるホログラムによ
る像を商品の真贋判定、すなわち真正商品か、何等オー
ソライズされていない者による偽造品かを判断するため
に応用する方法もあるが、この場合、製造者マークなど
の単一ホログラム映像しか認識することができない。例
えばクレジットカード会社、キャッシュカード会社や銀
行特有のパターンのみを商品の識別証として応用できる
に過ぎない。また、そのホログラムパターンは占有面積
が大きく、その位置が容易に判明してしまう。これら
は、識別証の偽造などへの手がかりをも与えるものであ
る。また、肉眼で目視して画像が見えるホログラムは、
比較的容易に疑似の像を製造することが可能であり、偽
造品の製造を完全に防止することは不可能であった。し
たがって、本発明は不法なコピー商品であるか、真正商
品であるかを容易に判定でき、かつ偽造が極めて困難な
真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体及びその製
造方法並びに商品の真贋判定方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では単色光が照射されたとき、その透過回折
光又は反射回折光が真正商品であることを示す所定画像
を投影するようにホログラムパターンをCGHとして記
録しておき、検査時にこのCGHに単色光を照射して所
定画像が再生されるかどうかを目視にて確認するように
したものである。
【0005】すなわち、本発明によれば、単色光が照射
されたとき、その透過回折光又は反射回折光が真正商品
であることを示す所定画像を投影するよう構成されたホ
ログラムパターンがCGHとして記録されている真正商
品表示像投影データ記録済光記録媒体が提供される。
【0006】また、本発明によれば、所定の金型を用い
て合成樹脂により上記真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造された
CGHの原盤を用いて製造される成形用スタンパを、前
記金型内にクランプした後、射出成形、又は圧縮成形又
はシート成形することを特徴とする真正商品表示像投影
データ記録済光記録媒体の製造方法が提供される。さら
に、本発明によれば、所定の金型を用いて合成樹脂によ
り上記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を成
形するにあたり、あらかじめ製造されたCGHの原盤を
用いて製造される成形用スタンパを、前記金型内に接着
剤で貼り付けた後、射出成形、又は圧縮成形又はシート
成形することを特徴とする真正商品表示像投影データ記
録済光記録媒体の製造方法が提供される。
【0007】また、本発明によれば、上記真正商品表示
像投影データ記録済光記録媒体の前記ホログラムパター
ンに単色光を照射し、その透過回折光又は反射回折光に
より投影される所定の映像パターンを目視認識すること
で前記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体が付
属する商品が真正商品か否かを判断する真贋判定方法が
提供される。
【0008】なお、上記CGHが少なくとも4値のCG
Hであることは好ましい態様である。また、上記ホログ
ラムパターンに単色光を照射したとき、その透過回折光
又は反射回折光により投影される映像パターンは商品の
著作権者、製造者、販売者、商品に関する情報の記録内
容の少なくとも1つを示す文字及び/又はマークを含む
よう、あらかじめ前記ホログラムパターンが構成されて
いることは好ましい態様である。さらに、上記ホログラ
ムパターンは前記真正商品表示像投影データ記録済光記
録媒体の所定の位置に形成されるとともに、その近傍に
肉眼では同様に見える疑似ホログラムが形成され、前記
ホログラムパターンの位置を肉眼にて認識困難とするこ
とは好ましい態様である。また、上記真正商品表示像投
影データ記録済光記録媒体を当該商品に取り付けるため
の取り付け手段をさらに有することは好ましい態様であ
る。
【0009】また、上記真正商品表示像投影データ記録
済光記録媒体の製造方法で所定の金型を用いて合成樹脂
成形により上記真正商品表示像投影データ記録済光記録
媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造されたCGH
の原盤を用いて製造される成形用スタンパを、前記金型
内に接着剤又はロウ付け(主として金属ロウ)で貼り付
けた後、射出成形又は押出し成形することは好ましい態
様である。また、前記成形用スタンパが数値演算によっ
て生成されたCGHパターンをICプロセスによって原
盤を製造し、その原盤を用いて作成されるものであるこ
とは好ましい態様である。
【0010】また、上記真贋判定方法において、前記単
色光がコヒーレントな光であることは好ましい態様であ
る。
【0011】本発明は、演算によって生成するCGH作
成方法及びその成形方法によってホログラムパターンが
成形されている商品識別体に単色光又はコヒーレントな
光をホログラムに照射し透過回折光又は反射回折光によ
る再生パターンを生成することを特徴とするものであ
る。CGHによれば、ホログラムパターン面積は1mm
四方でも可能であり、またどのような投射パターンがど
この位置に成形されているかを肉眼認識することは困難
である。またその再生投射パターンの情報量も飛躍的に
多くすることが可能である。また、このCGHの演算生
成、ICプロセス、成形原盤製造による製造法は多大な
設備等を必要とし、偽造は困難である。
【0012】本発明では透過又は反射回折光により所定
のパターンを投影するよう構成されたホログラムパター
ンをCGHにより商品識別体の所定の場所に成形してお
き、単色光を照射し、その結果、所定の再生映像パター
ンが投影されるか否かにより真贋を判定するようにした
ものである。これによって、商品が真正であるかの判別
を店頭等にて行うことが出来る。また偽造品等の税関で
の通過防止に寄与できる。
【0013】なお本発明では識別の対象を商品としてい
るが、本明細書における「商品」とは、必ずしも商取引
される商品のみならず、購入された後の物品や、必ずし
も商取引されない法人又は個人の所有物、絵画、骨董
品、遺跡発掘品など真正なものとそうでないものの識別
の必要なあらゆる有体物をいうものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施の形態について説明する。 図1は本発明に
係る真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の好ま
しい実施の形態を商品としてのバッグに適用した場合の
斜視図である。本発明による真正商品表示像投影データ
記録済光記録媒体(本願では単に識別体ともいう)1、
2はネームタグと同様な形状であり、識別の対象である
被識別商品であるハンドバッグ3に取り付けられた様子
が示されている。識別体1、2にはホログラムパターン
としのCGH(コンピュータ・ジェネレイテッド・ホロ
グラム)5、6が成形されている。単色光を発光する光
線照射器4から単色光線9を識別体1又は2に成形され
たCGH5又は6に照射し、再生映像パターン7を得
る。8は成形された5又は6のCGHの顕微鏡写真であ
り、その拡大写真は図17に示されている。識別体1は
商品の機能を構成する機能構成体としての例であり、こ
の例の場合はバッグのファスナーのつまみを構成してい
る。一方、識別体2は商品の機能を構成するものではな
く、ネームタグなどのタグとしての例である。
【0015】図2は本発明の実施の形態をより詳細に示
す斜視図である。識別体10に、レーザー光発生器12
にて発生した単色光線11を照射している様子が示され
ている。成形されたCGH13に単色光線11が照射さ
れると、その透過光により映像14が後方の壁などの物
体に再生される。図2の例では、識別体10に目視にて
認識できる文字「V」のロゴ15が成形されている。図
3はこの文字「V」のロゴ16が印刷で作成されたもの
を示す斜視図である。原理的には図3も図2と同様であ
る。図3において識別体17に単色光線18を発生する
光源19からの単色光線18が照射される様子が示され
ている。識別体17にはCGH20が成形されていて、
ここに単色光線が照射されると、透過回折光により映像
が後方の壁などの物体に再生される。22は文字「V」
のロゴ16の未印刷部分である。
【0016】図4は図2のA−A断面図である。部材2
3に成形された文字「V」のロゴ24の凹部にCGH2
5が成形されている。部材23は成形可能な合成樹脂で
構成されている。具体的には、ポリカーボネート、アク
リルなどを好適に用いることができる。図5は図3のB
−B断面図である。部材26に印刷された文字「V」の
印刷膜部27とCGH28が成形される。このCGH2
8の上に部材26とは屈折率の異なる材料29がコーテ
ィングされている。CGH28は部材26の反対側に成
形してもよい。このときには、コーティングもこのCG
H上に施す。この方が印刷膜部27の保護にもなる。
【0017】図6の実施の形態は図4の構造を改良し、
CGH32が露出することを防止しレプリカを困難とし
たものである。A部材30にCGH32を成形し、この
A部材30をB部材31で封着したものである。A部材
30とB部材31は同質材であることが封着性を高める
意味で望ましい。なお、封着部33が設けられるが、封
着は熱封着、又は溶剤による溶解封着がある。
【0018】図7の実施の形態は識別体36の一部に正
規のCGH34と、その近傍に疑似CGH35を形成
し、肉眼ではどれが正規のCGH34であることが判明
困難としたものである。この例では、正規のCGH34
を除くV字の部分すべてに疑似CGH35が形成されて
いる。肉眼では正規のCGH34と疑似CGH35は、
いずれもすりガラス状に見えるだけであり、その境界も
不明であり、どこに正規のCGH34が存在するのか目
視しただけではわからない。したがって、CGHの存在
自体が容易には認識できず、不正を試みる者による偽造
のチャンスを減少させ、結果としてセキュリティを高め
ることが可能となる。光源37で発生する単色光線38
を正規のCGH34に照射したときには、正規の識別再
生映像39が投射される。一方、光源40で発生する単
色光線41を疑似CGH35に照射したときには、正規
の識別再生映像とは異なる再生映像42が投射される。
どこに正規のCGH34を配置するかは自由に選択、変
更でき、この位置情報そのものをセキュリティとするこ
とも可能となる。なお、本実施の形態の場合は、真正商
品か否かを判断するための検査を行う者、すなわち、流
通業者や、販売者などがあらかじめ正規のCGH34の
位置を知っているものとする。
【0019】CGHの位置情報をセキュリティとする具
体例について説明する。図18は識別体の位置情報と識
別体ホルダーの位置指定機能を組み合わせることによ
り、所定の再生映像を得ることができる例を示すための
読取り装置の斜視図である。図18は正規CGH106
A、106Bと疑似CGH108が混在して、すりガラ
ス状に視覚認識ができる”B”の文字が形成されている
識別体104を想定し、同識別体104を識別体ホルダ
102に取り付けている状態を示している。識別体の位
置を規定する識別体ホルダ108は光源100を備えて
おり、識別体104を同ホルダ102に当てがうことで
1つの正規CGH106Aに光線を照射することがで
き、所定の映像である文字”A”112をスクリーン1
10上に再生することを可能としている。図中98は、
光源100からの単色光線である。図19は識別体10
4を反転して識別体ホルダ102に取り付けた状態を示
すための読取り装置の斜視図である。この場合、正規C
GH106Bに光線が照射され、所定の映像である文
字”C”114をスクリーン110上にを再生する。こ
れらの文字”A”、”B”、”C”の関連づけから真正
品であるか否かの識別が可能となる。このようにCGH
の位置を対象に、鍵と鍵穴の関係によるセキュリティ性
を構成することが可能となる。また、識別体のCGH位
置情報と識別体ホルダ102の位置指定情報は組み合わ
せ変更することも可能である。
【0020】ホログラムパターンは干渉縞のパターンで
あるが、ここで干渉縞について説明する。ホログラムパ
ターンは回折格子の一態様であり、原理説明のために回
折格子について検討する。図8はこの回折格子を示す。
回折格子のピッチをp(43)、回折格子44の凹凸段
差をd(45)とする。使用光の波長をλとすると、回
折光角度θの関係は以下のようになる。
【0021】
【数1】 ±N sin θ =λ/p (1) Nは0を含む自然数
【0022】で表される。N=0のときは0次回折光又
はDC光と呼ばれる、非回折光である。一方、±Nのと
きは通常の光学系(対称な光学系)ではその回折光量は
等しい。Nの増加により高次な回折光の光量は減少す
る。今、照射する光線をコヒーレントなレーザービーム
として、N=1のみを考慮とすると回折格子からは3本
の光束が発生することになる。この回折光からある距離
の所にスクリーンを置けば、3点の明点が見られる。こ
のときの明点及び暗部のコントラストは回折格子の凹凸
段差による。今、回折格子部材の屈折率をn1(4
5)、空気の屈折率をn0(46)とすると、図8にお
ける光A(47)と光B(48)の位相差はdx(n1
−n0)に比例する。回折効率は位相差180度が最大
となるので、透過型の場合一般的に、この回折格子の深
さdは
【0023】
【数2】 d0=λ/{2x(n1−n0)} (2)
【0024】となる。但し、このd0は厳密なものでは
ない、現実にはコントラストを犠牲にするならd0はこ
の値の近傍であればよい。今、光源の波長をλ=600
nm、回折格子(44)の素材をポリカーボネートとし
て、n1=1.6、空気の屈折率n0=1とすると
【0025】
【数3】 d0=500nm (3)
【0026】となる。このように、平行な回折格子であ
れば1次元的な回折光が発生する。本発明では、平行な
回折格子を1つでなく、回折格子を含む平面内で回転さ
せた他の回折格子を組み合わせれば容易に2次元的に明
点を配置させることが可能となる。この回折光が2次元
的に配置されるように、コンピュータを用いて演算を行
い、この回折させるパターンであるホログラムを生成し
ている。これをCGH(Computer Gener
ated Hologram)と呼んでいる。本発明で
用いるホログラムとしては例えば、月刊誌「Oプラス
E」(株式会社 新技術コミュニケーションズ発行;N
o.204;196年11月号)を用いることができ
る。
【0027】ここで前述の図8の説明によるCGHは凹
凸段差が1つのものである。段差が1つであることから
2値のCGHと呼ばれる。前述の説明から、この2値の
CGHで再生される映像パターンは0次光(DC光)を
中心として対称な2つのパターンを投影する。これを図
示したものが図9である。図9において、49は単色光
(例としてレーザビーム)を発生する光源から2値のC
GH50に照射された光線51はスクリーン52に再生
映像パターン53を生成する。再生される映像53は0
次光54に対して点対称なパターンを形成する。図9の
例では文字”A”のパターンが明点で形成される。
【0028】図10は4値のCGHにより再生される映
像パターンを示す模式図である。図10において、単色
光を発生する光源55から識別体58に設けられた4値
CGH56に照射された光線57はスクリーン59に再
生映像パターン60を生成する。再生された映像パター
ン60は0次光61に点対称ではないパターンを形成す
ることができる。図10の例では文字”V”のパターン
が明点で形成される。
【0029】図9、図10で示される再生映像は明点の
集合であり、この光情報が正規の画像と一致するか否か
を目視にて判別して、真正商品が偽造品かの識別を行う
ことが可能となる。自由度が要求されるロゴ等のデザイ
ンなどでは4値であるCGHが望ましいことは明らかで
ある。4値以上のCGHであればこの機能を得ることは
可能であるが、あまり大きな数値のCGHはICプロセ
スが複雑となる欠点がある。
【0030】この4値CGHの電子顕微鏡写真を図11
に示す。(a)は1650倍、(b)は5500倍にそ
れぞれ拡大したものである。この4値CGHパターンの
段差が3つあることがわかる。同様に2値の顕微鏡写真
を図12に示す。図12は1300倍に拡大したもの
で、この2値CGHパターン段差は1つである。
【0031】図13の(a)は4値CGHの凹凸段差の
深さに対する光の位相関係を示したものである。図13
の(b)の段差に対する光の位相差は90度毎になる。
この関係と式(1)の関連から、光の波長λ=600n
m、ポリカーボネートの屈折率n1=1.6、空気のそ
れをn0=1であり、今、光源の波長をλ=600n
m、成形されたCGH(62)の素材をポリカーボネー
トとして、n1=1.6、空気の屈折率n0=1とする
と各段差d1(63)は d1=250nm となる。よって、4値CGHの全深さd2(64)は d2=3xd1=750nm となる。
【0032】図14は2値CGH(65)の段差d0
(66)と光の位相関係を示したものである。すなわ
ち、前者が(b)に、後者が(a)に示されている。こ
のときの段差の値は前述の通りである。上記実施の形態
は、透過回折光により画像を投影する例を示している
が、光を反射させる構造とし、反射回折光により画像を
投影するよう構成することも可能である。
【0033】図15は本発明者らが本発明に先立って開
発し、特許出願(特願平8−317053号)したCG
Hを利用した光記録媒体原盤の製造方法、光記録媒体へ
の情報の記録方法及び光記録媒体の製造装置並びに製造
方法を模式的に示すブロック図である。この例は、カー
ド型の光記録媒体としてのプリペイドカード90を製造
するものである。このプリペイドカード90には複数の
記録部分88が設けられ、配列されている。今、この記
録部分88の1つ1つに文字の情報を記録するものとす
ると、文字情報の信号が入力端子IN1に供給され、画
像信号化回路70に入力される。画像信号化回路70は
入力されたデジタル信号のコード情報で表された文字を
2次元のドットパターンの画像信号に(後述する図16
の入力データ)に変換する。
【0034】この信号はスイッチ72又はマルチプレク
サを介して数値演算装置74に供給される。数値演算装
置74は所定のアルゴリズムを用いて2次元画像のドッ
トパターンの画像信号から干渉光を照射することなくホ
ログラムの干渉縞パターン(ホログラム干渉図形)を得
るための数値を作成する。図16は2次元画像からホロ
グラムの干渉縞パターンを得る手順を示す図である。数
値演算装置としては好ましくは高速演算可能なコンピュ
ータを用いる。図11の(a)、(b)及び、図12
は、水平、垂直方向又は斜め方向に特定のパターンで配
列された格子を作成し、その回折光が2次元的に配列さ
れるように、コンピュータを用いて演算を行いCGHを
完成させたものの一例を示す写真である。なお、図11
の例は、4値のCGHであり、図11の(b)は図11
の(a)の拡大したものである。図12の2値CGHと
比較すると製造がより困難であり、偽造や海賊版対策と
して有効である。
【0035】なお、数値演算装置74は後述の描画装置
である電子ビーム露光装置78の解像度に応じた座標デ
ータを出力するように構成されている。また、描画を実
際に行う前に、数値演算で得られた座標データフィード
バックして入力データと比較して、両者間の誤差を低減
すべく複数回の再演算を行う。
【0036】数値演算装置74の出力信号はエンコーダ
76にて所定のフォーマットの信号とされ、電子ビーム
露光装置78に入力される。電子ビーム露光装置78は
本来ICやLSIを製造するときに回路配置パターンを
描画するために用いられるものであり、ここでは図16
に示した干渉縞のパターン(出力データ)をレチクルと
呼ばれる一次記録媒体80上に描画するために用いられ
る。なお、この一次記録媒体80は最終製品である光記
録媒体90と識別するため一次又は二次記録媒体とい
う。一次記録媒体としてはガラスなどの基板の上に感光
性樹脂であるフォトレジストを塗布したものを用いる。
この一次記録媒体を用い、ステッパで露光し、シリコン
又は水晶ウエハー等の二次元記録原盤を作成する。この
工程は一般的なICプロセスと同一である。2値CGH
用二次原盤はエッチングプロセスが一回、4値CGH用
二次原盤は3回のエッチングプロセスによって作成され
る。この二次原盤から成形用スタンパを作成し、成形器
によって商品識別体が作成される。成形用スタンパによ
る成形は射出成形、圧縮成形及びシート成形として用い
る。
【0037】なお、所定の金型を用いて合成樹脂により
真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を成形する
にあたり、あらかじめ製造されたCGHの原盤を用いて
製造される成形用スタンパを、金型内にクランプした
後、射出成形、又は圧縮成形又はシート成形することが
できる。また、他の方法として、所定の金型を用いて合
成樹脂成形により真正商品表示像投影データ記録済光記
録媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造されたCG
Hの原盤を用いて製造される成形用スタンパを、金型内
に接着剤で貼り付けた後、射出成形、又は圧縮成形又は
シート成形することができる。
【0038】本発明の真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体及びその製造方法並びに真贋判定方法は上記
の構成であり、CGHが所定の位置に形成されているの
で、有効な偽造品対策となる。海賊版等の不正品を製造
使用とするものは、あらかじめ定められたマークなどを
投影するよう構成されたCGHをかなり大掛かりな描画
装置及び成形装置を用いて製造しなければならず、相当
の設備投資を余儀なくされ、不正商品製造による金銭的
メリットが無くなる。
【0039】上記実施の形態では、CGHに照射される
光線がCGHの形成される合成樹脂基板を透過する場合
について説明したが、CGHの底面あるいは、背面に反
射膜を設けることにより、反射型として構成することも
可能である。かかる反射型では、照射光は反射膜にて反
射して、再生映像は反射光により付近の壁面、机上など
に結像する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ホ
ログラムパターンを所定の位置に成形し、単色光の所定
波長の光線を照射して、その結果所定の映像が投影され
るか否かにより容易に商品の真贋の判定を行うことが可
能となり、偽造品などの不正商品の発見や製造への抑止
効果が期待できる。購入する消費者にとっては真正の商
品であることを認識でき、かつ販売店も真正品の販売を
保証できる。また、税関においては不正商品輸入持ち込
み防止に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体の好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体の4値CGHのホログラム再生映像の投射例
を示す斜視図である。
【図3】本発明による真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体の4値CGHのホログラム再生映像の投射例
を示す斜視図である。
【図4】図2のA−A線における光記録識別体の断面図
である。
【図5】図3のB−B線における光記録識別体の断面図
である。
【図6】本発明による真正商品表示像投影データ記録済
光記録媒体の断面図である。
【図7】 本発明による真正商品表示像投
影データ記録済光記録媒体の好ましい実施形態のホログ
ラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図8】回折格子による回折原理を示す模式図である。
【図9】2値CGHのホログラム再生映像の投射例を示
す斜視図である。
【図10】4値CGHのホログラム再生映像の投射例を
示す斜視図である。
【図11】4値CGHパターンの2つの異なる倍率での
電子顕微鏡写真である。
【図12】2値CGHパターンの顕微鏡写真である。
【図13】4値CGHの凹凸段差の深さに対する光の位
相関係を示したものである。
【図14】2値CGHの凹凸段差の深さに対する光の位
相関係を示したものである。
【図15】CGHを利用した光記録媒体原盤の製造方
法、光記録媒体への情報の記録方法及び光記録媒体の製
造装置並びに製造方法を模式的に示すブロック図であ
る。
【図16】2次元画像からホログラムの干渉縞パターン
を得る手順を示す図である。
【図17】図1に示したホログラムの干渉縞パターンの
拡大写真である。
【図18】本発明の記録媒体を用いて真贋を判別するた
めの装置の使用例を示す斜視図である。
【図19】図18の装置において、図18での本発明の
記録媒体とは記録媒体が反転した状態で使用する例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1、2 識別体(真正商品表示像投影データ記録済光記
録媒体) 3 商品 4 光源 5、6 CGH 7 再生画像 9 単色光線
フロントページの続き (72)発明者 秋田 耕司 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 中村 一美 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 上野 萬 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 茅沼 完治 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 並木 和則 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 成澤 賢司 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 Fターム(参考) 2K008 AA04 AA13 CC01 GG05 HH19 5D029 PA01 TA23 5D119 BA02 EA10 5D121 AA03 JJ05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単色光が照射されたとき、その透過回折
    光又は反射回折光が真正商品であることを示す所定画像
    を投影するよう構成されたホログラムパターンがCGH
    として記録されている真正商品表示像投影データ記録済
    光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記CGHが少なくとも4値のCGHで
    あることを特徴とする請求項1記載の真正商品表示像投
    影データ記録済光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ホログラムパターンに単色光を照射
    したとき、その透過回折光又は反射回折光により投影さ
    れる映像パターンは商品の著作権者、製造者、販売者、
    商品に関する情報の記録内容の少なくとも1つを示す文
    字及び/又はマークを含むよう、あらかじめ前記ホログ
    ラムパターンが構成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の真正商品表示像投影データ記録済光記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ホログラムパターンは前記真正商品
    表示像投影データ記録済光記録媒体の所定の位置に形成
    されるとともに、その近傍に肉眼では同様に見える疑似
    ホログラムが形成され、前記ホログラムパターンの位置
    を肉眼にて認識困難とした請求項3記載の真正商品表示
    像投影データ記録済光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記真正商品表示像投影データ記録済光
    記録媒体を当該商品に取り付けるための取り付け手段を
    さらに有する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の
    真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体。
  6. 【請求項6】 所定の金型を用いて合成樹脂により請求
    項1ないし5のいずれか1つに記載の真正商品表示像投
    影データ記録済光記録媒体を成形するにあたり、あらか
    じめ製造されたCGHの原盤を用いて製造される成形用
    スタンパを、前記金型内にクランプした後、射出成形、
    又は圧縮成形又はシート成形することを特徴とする真正
    商品表示像投影データ記録済光記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1つに記載
    の真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の前記ホ
    ログラムパターンに単色光を照射し、その透過回折光又
    は反射回折光により投影される所定の映像パターンを目
    視認識することで前記真正商品表示像投影データ記録済
    光記録媒体が付属する商品が真正商品か否かを判断する
    真贋判定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502198A (ja) * 2000-06-28 2004-01-22 テサ アクチエンゲゼルシャフト 物品識別のための方法
JP2012515363A (ja) * 2009-01-14 2012-07-05 コミサリア ア エナジー アトミック エ オックス エナジーズ オルタネティヴ 1組の製品に印を付ける装置及び方法

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