JP2000002144A - 内燃機関の制御方法および制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の制御方法および制御装置におい
て、車両の運転者に別の設定可能手段を提供することで
ある。 【解決手段】 内燃機関の制御方法であって、内燃機関
に供給すべき燃料量を動作特性に依存して設定し、所定
の最大値に制限する方法において、最大値を運転者意志
に依存して設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の制御方
法であって、内燃機関に供給すべき燃料量を動作特性に
依存して設定し、所定の最大値に制限する方法および装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】内燃機関を制御するためのこのような方
法および装置は、ＤＥ−ＯＳ２８２０８０７（ＵＳ４３
５７９２０）から公知である。ここに記載された方法で
は、内燃機関に供給される燃料量が所定の最大値に制限
される。この燃料量は、動作特性量に依存して設定する
ことができる。このことは、許容されない高い排ガス放
出を回避し、内燃機関を過負荷から保護するために行わ
れる。

【０００３】さらに、車両速度および／または車両に装
備された内燃機関の回転数を制御するための方法および
装置が公知である。ここでは運転者は所望の速度、また
は車両速度制限の場合には車両速度に対する最大値を設
定することができ、これに基づいて車両速度が制限され
るか、または制御される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、内燃
機関の制御方法および制御装置において、車両の運転者
に別の設定可能手段を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題は本発明によ
り、最大値を運転者意志に依存して設定することによっ
て解決される。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の利点は、運転者が内燃機
関の燃料消費に対する値を設定できることである。

【０００７】自動車では、運転者は所望の走行速度およ
び／または許容最大走行速度を設定することができる。
走行速度制御器または走行速度制限器は内燃機関を、調
整された走行速度を上回らないようにおよび／または下
回らないように制御する。

【０００８】さらに自動車には、運転者に燃料消費を指
示する指示手段が装備されている。以下に説明する本発
明の手段によって、運転者は上回るべきでない燃料消費
に対する値を設定することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の手段をディーゼル内燃機関の
実施例で説明する。しかし本発明の手段は、ディーゼル
内燃機関に制限されるものではなく、他の内燃機関、特
に外部点火式内燃機関に使用することもできる。

【００１０】図１では１００により調整器が示されてい
る。この調整器は、内燃機関に供給すべき燃料量を定め
る。ここでは調整器は例えば電磁弁であり、噴射持続時
間および／または噴射開始を定める。

【００１１】この調整器には、最小選択部１１０の出力
信号が印加される。最小選択部の第１の入力側には運転
者希望量ＭＷが入力される。この運転者希望量ＭＷは量
設定部１２０により生成される。量設定部１２０はアク
セルペダル位置発生器１３０の出力信号ＦＰと、回転数
発生器１３５の出力信号Ｎを処理する。量設定部１２０
によりさらに図示しない信号を処理することもできる。

【００１２】例えば回転数信号Ｎはさらに第１の特性マ
ップ１４０と第２の特性マップ１４５に供給される。第
１の特性マップ１４０の出力信号ＭＧ１と第２の特性マ
ップ１４５の信号ＭＧ２は、アクセルペダル位置信号Ｆ
Ｐと同じように、最大値設定部１５０に供給される。最
大値設定部１５０は付加的に操作素子１５５の出力信号
ＷＨを処理する。最大値設定部１５０は最小選択部１１
０の第２の入力側に信号ＭＧを供給する。

【００１３】この装置は次のように動作する。通常のよ
うに、量設定部１２０はアクセルペダル位置ＦＰと内燃
機関の回転数Ｎに基づいて、運転者希望量ＭＷを出力す
る。最小選択部１１０は運転者希望量ＭＷを最高許容値
ＭＧに制限する。このような装置は従来技術から公知で
ある。限界値は通常は、少なくとも内燃機関の回転数Ｎ
に基づいて設定される。このことは、内燃機関に供給さ
れる燃料量は動作特性量に依存して設定されることを意
味する。さらに内燃機関に供給される燃料量は所定の最
大値に制限することができる。

【００１４】本発明では少なくとも２つの特性マップ１
４０と１４５が設けられており、これら特性マップは異
なる最大値を設定する。第１の最大値ＭＧ１は通常に設
定される最大値に相応する。第２の最大値ＭＧ２は、最
小の燃料消費量につながる最大値に相応する。本発明に
よれば、操作素子１５５の位置に依存して第１または第
２の最大値が選択され、最小選択部１１０に供給され
る。

【００１５】このことは、運転者は、異なる燃料消費量
に結び付く異なる特性マップ間を切り換えられることを
意味する。さらにこれは、内燃機関の燃費を運転者によ
り操作素子１５５を介して所定の限界内で設定できるこ
とを意味する。

【００１６】所定の動作状態のときにはこの機能が作用
しないようにすると有利である。すなわち第１の最大値
ＭＧ１は操作素子１５５の位置に依存しないで選択され
る。

【００１７】本発明の手段の構成が図２に示されてい
る。ステップ２００でプログラムフローがスタートす
る。このステップではアクセルペダル位置ＦＰが検出さ
れる。続く問い合わせ部２１０で、アクセルペダル位置
ＦＰが閾値よりも大きいか否かが検査される。大きくな
ければ、問い合わせ部２２０でアクセルペダル位置ＦＰ
の変化ＡＦＰが第２の閾値ＳＷ２より大きいか否かが検
査される。大きければ、アクセルペダル位置ＦＰが第１
の閾値ＳＷ１よりも大きい場合と同じようにステップ２
３０で最大値ＭＧ１が選択される。アクセルペダル位置
の変化ＡＦＰが第２の閾値ＳＷ２より小さければ、ステ
ップ２４０で操作素子ＷＨの位置が問い合わされる。続
いてステップ２５０で、最小選択部１１０に供給される
制限値ＭＧが、操作素子ＷＨの位置、第１の最大値ＭＧ
１および／または第２の最大値ＭＧ２の関数として求め
られる。

【００１８】このことを次式にしたがって行うと特に有
利である。

【００１９】ＭＧ＝ＭＧ２＋ＷＨ（ＭＧ１−ＭＧ２） この実施例では量ＷＨが操作素子の位置に相応する。こ
の量は、値０と１との間を操作素子の位置に依存してと
ることができる。操作素子１５５が、信号ＷＨが値０と
なる位置をとると、特性マップ１４５が選択される。こ
のことは、制限値ＭＧ２が燃料量を制限するために使用
されることを意味する。操作素子１５５が、信号ＷＨが
値１となる位置をとると、特性マップ１４０が使用され
る。このことは、制限値ＭＧ１が燃料量を制限するため
に使用されることを意味する。中間位置では相応の中間
値が使用される。

【００２０】ステップ２３０および２５０に続いて、ス
テップ２６０で通常の燃料調量が行われる。

【００２１】２つの問い合わせ部２１０と２２０はまと
めて、またはそれぞれ個別に実現することができる。と
りわけ有利には、２つの問い合わせ部の代わりにいわゆ
るキックダウン関数を実現する。すなわち運転者がアク
セルペダルを完全に踏み込むと直ちに、相応の信号を送
出するスイッチが操作され、第１の特性マップの出力信
号ＭＧ１が作用するようにする。

【００２２】本発明の装置の別の構成が図３に示されて
いる。すでに図２と図１に示した要素には図３でも相応
する参照符号が付してある。この構成では、２つの特性
マップ１４０と１４５の出力信号は切替手段３００に供
給され、切替手段３００は、２つの特性マップを選択的
に最小選択部１１０と接続する。切替手段３００の制御
は、制御部３１０によりアクセルペダル位置および操作
素子１５５の位置に依存して行われる。

【００２３】この装置では、操作素子１５５の位置に依
存して選択的に第１または第２の特性マップの出力信号
が最小選択部１１０に供給される。図２に相応して、ア
クセルペダル位置またはアクセルペダル位置変化に対す
る閾値を上回る場合には、第１の特性マップの値が選択
される。

【００２４】図４には例として、例えばディーゼル機関
の最高許容燃料量を制限するための１次元特性マップが
回転数の関数として示されている。実線により、通常動
作に対する制限量ＭＧ１が示されている。これは特性マ
ップ１４０に相応する。破線により低燃料消費に対する
制限量ＭＧ２が示されている。この特性マップは特性マ
ップ１４５に相応する。一点鎖線により最小燃料消費に
対する特性マップが示されている。

【００２５】特性マップからわかるように、例えば特性
マップ１４５に相応する破線の特性マップでは、同じ回
転数の場合に通常動作に対する特性マップの場合よりも
比較的に少ない燃料量が許容される。同じ回転数におけ
る量ゼロへの制御は、通常動作に対する特性マップ１４
０の場合と同じように行われる。

【００２６】一点鎖線により示された特性マップでは、
回転数が同じ場合に比較的に少ない燃料量が許容され、
さらに燃料量を０に低減する制御が、通常動作に対する
特性マップの場合よりも低い回転数で行われる。第２の
特性マップは比較的に低い制御回転数を有する。

【００２７】第２の特性マップ１４５では、最大値が同
じ回転数で低減するか、および／または比較的に低い制
御回転数を設定することができる。

【００２８】別の構成が図５に示されている。すでに前
に図で示した要素には図５でも相応する参照符号が付し
てある。

【００２９】特性マップ１４０の出力信号は、結合点１
４８を介して最小選択部１１０に供給される。結合点１
４８の第２の入力側には補正値設定部１４６の出力信号
が印加される。補正値設定部は、操作素子１５５の信
号、回転数センサ１３５の信号およびアクセルペダル位
置の信号を処理する。

【００３０】この実施例は、他の実施例とは実質的に次
の点で異なる。すなわちここでは、通常の制限値が記憶
されている１つの特性マップだけが設けられている。特
性マップから読み出される値は、操作素子の位置および
／または別の動作特性量、例えば回転数Ｎおよび／また
は噴射すべき燃料量ＱＫまたはこれら量に相応する量に
依存して、加算的および／または乗算的に補正される。

【００３１】このことは、通常の特性マップ値が運転者
意志に依存して、値０から１をとることのできる係数に
よって乗算できることを意味する。択一的にまたは補充
的に、特性マップ値を運転者意志に依存する値だけ減少
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置のブロック回路図である。

【図２】本発明の方法のフローチャートである。

【図３】本発明の装置の詳細を示すブロック回路図であ
る。

【図４】回転数についての燃料量を示す特性マップの線
図である。

【図５】本発明の別の実施例のブロック回路図である。

【符号の説明】

１００ 調整器 １１０ 最小選択部 １２０ 量設定部 １３０ アクセルペダル位置発生器 １３５ 回転数発生器 １４０ 第１の特性マップ １４５ 第２の特性マップ

フロントページの続き (72)発明者 マーティン ルント ドイツ連邦共和国 マルクグレーニンゲン パペルヴェーク ９

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の制御方法であって、内燃機関
   に供給すべき燃料量を動作特性に依存して設定し、所定
   の最大値に制限する方法において、 最大値を運転者意志に依存して設定する、ことを特徴と
   する、内燃機関の制御方法。
2. 【請求項２】 少なくとも第１の最大値と第２の最大値
   を設定する、請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 運転者意志に依存して最大値を、第１お
   よび第２の最大値に基づいて設定する、請求項１または
   ２記載の方法。
4. 【請求項４】 少なくとも２つの最大値を設定し、運転
   者意志に依存して当該最大値間を切り換える、請求項１
   から３までのいずれか１項記載の方法。
5. 【請求項５】 所定の動作状態が存在するとき、噴射す
   べき燃料量を第１の最大値に制限する、請求項１から４
   までのいずれか１項記載の方法。
6. 【請求項６】 第２の最大値は比較的に小さい値をと
   り、比較的に低い燃料消費に結び付く、請求項１から５
   までのいずれか１項記載の方法。
7. 【請求項７】 少なくとも１つの最大値が設定され、該
   最大値は運転者意志に依存して補正可能である、請求項
   １記載の方法。
8. 【請求項８】 内燃機関の制御装置であって、制限手段
   を有し、 該制限手段は、動作特性量に依存して最大値を設定し、
   内燃機関に供給すべき燃料量を最大値に制限する形式の
   装置において、 最大値を運転者意志に依存して設定する手段が設けられ
   ている、ことを特徴とする、内燃機関の制御装置。