JP2000001467A - (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法 - Google Patents

(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000001467A
JP2000001467A JP17973998A JP17973998A JP2000001467A JP 2000001467 A JP2000001467 A JP 2000001467A JP 17973998 A JP17973998 A JP 17973998A JP 17973998 A JP17973998 A JP 17973998A JP 2000001467 A JP2000001467 A JP 2000001467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glyceryl ether
poly
sulfate
group
ether sulfate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17973998A
Other languages
English (en)
Inventor
Mineko Horibe
峰子 堀部
Hiroyuki Oshita
博幸 尾下
Toshio Takahashi
俊夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP17973998A priority Critical patent/JP2000001467A/ja
Publication of JP2000001467A publication Critical patent/JP2000001467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2級水酸基のみが選択的に硫酸化された構造
の(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2、n及びmは前記と同じ意味を有し、
3及びR4は同一又は異っていてもよく、脂肪族基又は
芳香族基を示す。)で表される硫酸シリルエステルに脱
硫酸剤を反応させてその第1級水酸基に結合している硫
酸基を選択的に脱硫酸化することを特徴とする(ポリ)
グリセリルエーテル硫酸塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アニオン活性剤と
して有用な(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩は、
アニオン性界面活性剤として広く利用されている。例え
ば、中村正樹らの「科学と工業」、66(9)、400
〜403(1992)には、高純度に調製されたドデシ
ルグリセリルエーテルモノ硫酸塩の液体石鹸への応用例
が記載されており、特公昭59−15159号公報や特
開平7−53990号公報には、(ポリ)グリセリルエ
ーテル硫酸塩混合物の洗浄剤組成物への応用例が記載さ
れている。(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩の工業的
製造法については、特公昭59−15159号公報及
び、特表平5−507473号公報に記載されている。
例えば、特公昭59−15159号公報には、SO3
スやクロロスルホン酸等の硫酸化剤と不活性溶媒に溶か
した(ポリ)グリセリルエーテル混合物とをモル比1:
1〜1:1.15の範囲で混合し、−15〜75℃で反
応させる方法が記載されている。また、特表平5−50
74公報には、グリセリルエーテルをSO3ガスによっ
て硫酸化した後、水性塩基で中和する方法が記載されて
いる。これらの方法は、いずれもSO3ガス等の反応性
の高い硫酸化剤を用い、その硫酸化剤の反応性をコント
ロールすることで硫酸化反応を行っているが、このよう
な反応では、その硫酸化は(ポリ)グリセリルエーテル
中に存在する反応性の高い1級水酸基に対して優先して
起こり、反応性の低い2級水酸基のみが選択的に硫酸化
された化合物は得られない。一方、硫酸化糖の有機塩基
塩を該当有機塩基の存在下に、N,O−ビストリメチル
シリルアセトアミド類と反応させることにより、硫酸化
糖の第1級水酸基に結合している硫酸基を選択的に脱硫
酸する方法がある(特開平5−230090号公報)。
しかし、グリセリルエーテル硫酸有機塩基塩の場合に
は、収率良く第1級水酸基に結合している硫酸基を脱硫
酸し、2級水酸基のみが選択的に硫酸化された構造の
(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩を得ることはできな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2級水酸基
のみが選択的に硫酸化された構造の(ポリ)グリセリル
エーテル硫酸塩及びその製造方法を提供することをその
課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、下記一般式(1)
【化1】 (式中、R1は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル又はアルケニル基を示し、R2は炭素数2又は3の
アルキレン基を示し、nは平均重合度で1〜10の数を
示し、mは平均重合度で0〜20の数を示し、Xは塩形
成性陽イオンを示す)で表される(ポリ)グリセリルエ
ーテル硫酸塩が提供される。また、本発明によれば、前
記一般式(1)で表される(ポリ)グリセリルエーテル
硫酸塩を製造する方法において、下記一般式(2)
【化2】 (式中、R1、R2、n及びmは前記と同じ意味を有し、
3及びR4は同一又は異っていてもよく、脂肪族基又は
芳香族基を示す。)で表される硫酸シリルエステルに脱
硫酸剤を反応させてその第1級水酸基に結合している硫
酸基を選択的に脱硫酸化することを特徴とする(ポリ)
グリセリルエーテル硫酸塩の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)及び(2)にお
いて、R1は炭素数6〜22、好ましくは8〜18の直
鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示
す。R1の具体例としては、例えば、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、ミリスチル、ペンタデシル、ヘプタデシル、パルミ
チル、ステアリル、ベヘニル、2−エチルヘキシル、ヘ
キセニル、ヘプテニル、オクチニル、ノネニル、デセニ
ル、ウンデセニル、ドデセニル、ミリステニル、ペンタ
デセニル、パルミテニル、オレイル、リノール、リノレ
ニル、アラキジル、2−エチルヘキセニル等が挙げられ
る。R2としては、エチレン(−C24−)又はプロピ
レン(−C36−)が挙げられる。R3 3Si及びR4 3
iとしては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ト
リイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、
ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルエチルシリル、
t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリ
ル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、ジフェ
ニルメチルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリル
等が挙げられ、好ましくはトリメチルシリルである。n
はグリセリンの平均重合度を示し、1〜10、好ましく
は1〜5の数を示す。mはオキシアルキレン(−CR2
−)の平均重合度を示し、0〜20、好ましくは0〜8
の数を示す。Xは塩形成陽イオンを示すが、このような
ものには、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカ
リ金属の陽イオン;カルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類金属の陽イオン;アンモニウムイオン、炭素数
2〜3のヒドロキシアルキル基を有するモノー、ジー又
はトリヒドロキシルアルキルアンモニウムイオン;炭素
数1〜4のアルキル基を有する置換アンモニウムイオ
ン;塩基性アミノ酸から誘導されたアンモニウムイオン
等が含有される。
【0006】尚、本明細書で示す、(ポリ)グリセリル
エーテル及び(ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩は、モ
ノグリセリル基を含む製品又はポリグリセリル基を含む
製品あるいはそれら両方を含む製品を意味する。
【0007】本発明において反応原料として用いる前記
一般式(2)の硫酸シリルエステルは、下記一般式
(3)
【化3】 (式中、R1は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル又はアルケニル基を示し、R2は炭素数2又は3の
アルキレン基を示し、nは平均重合度で1〜10の数を
示し、mは平均重合度で0〜20を示す)で表される
(ポリ)グリセリルエーテルに対してSO3ガスやクロ
ロスルホン酸等の硫酸化剤を反応させた後、トリメチル
クロロシラン等のシリル化剤を反応させることによって
得ることが出来る。クロロスルホン酸やトリメチルクロ
ロシランの使用量は、前記一般式(3)の全水酸基のモ
ル量に対し、1.0〜20倍モル、好ましくは1.0〜
5倍モル、より好ましくは1.0〜2.0倍モルの割合
である。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜7
0℃である。反応時間は1〜24時間、好ましくは1〜
5時間である。また、反応は必要に応じ、溶媒の存在下
で実施することができる。溶媒としては、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアシド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒド
ロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等の非プロト
ン性溶媒;ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素
系溶媒等をあげることができる。
【0008】また、前記一般式(3)の(ポリ)グリセ
リルエーテルは、従来公知の方法により製造することが
できる。例えば、下記一般式(4)
【化4】 (式中、R1、R2及びmは前記と同じ意味を有する)で
表される(ポリ)グリシジルエーテルに、水、グリセリ
ン又はポリグリセリンを酸触媒又は塩基触媒の存在下で
反応させることにより得ることができる。前記ポリグリ
セリンとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、テト
ラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、
ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリ
ン、デカグリセリン等を好ましいものとして示すことが
できる。
【0009】前記反応は、20〜150℃、好ましくは
40〜100℃で行われる。また、この反応は、必要に
応じ、溶媒の存在下で実施することができる。溶媒とし
ては、t−ブタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒
の使用が好ましい。前記グリシジルエーテルとグリセリ
ン又はポリグリセリンとを反応させる場合、グリセリン
又はポリグリセリンの使用割合は、グリシジルエーテル
1モル当リ、1〜100モル、好ましくは1〜20モル
の割合である。反応生成物中に含まれる過剰のグリセリ
ン又はポリグリセリンは液液抽出法、晶析法、蒸留法等
で除去することができ、これによリ高純度の(ポリ)グ
リセリルエーテルを得ることができる。
【0010】前記一般式(3)の(ポリ)グリセリルエ
ーテルは、下記一般式(5)
【化5】 R1(OR2)m−Y (5) (式中、R1、R2及びmは前記と同じ意味を有し、Yは
ハロゲン原子又は−OSO3X(Xは前記と同じ意味を
有する)を示す)で表される化合物とグリセリン又はポ
リグリセリンとを塩基触媒の存在下で反応させることに
よっても得ることができる。この反応は、100〜25
0℃、好ましくは120〜200℃で実施される。ま
た、この反応は、必要に応じ、溶媒の存在下で実施する
ことができる。溶媒としては、ジメチルイミダゾリジノ
ン(DMI)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ
メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)等の極性溶媒が好ましく用いられる。グリ
セリン又はポリグリセリンの使用割合は、前記一般式
(5)の化合物1モル当リ、1〜100モル、好ましく
は1〜20モルの割合である。反応生成物に含まれる過
剰のグリセリン又はポリグリセリンは、液液抽出法、結
晶化法、蒸留法等で除去することができ、これによリ、
高純度の(ポリ)グリセリルエーテルを得ることができ
る。
【0011】モノグリセリルエーテル(一般式(3)に
おいて、n=1)は、グリセリンと低級アルキルケトン
とを酸触媒の存在下で反応させて得られる下記一般式
(6)
【化6】 (式中、R5及びR6は、メチル、エチル、プロピル等の
低級アルキル基を示す)で表されるグリセリンケタール
に、前記一般式(5)の化合物を反応させ、得られた化
合物を加水分解させることによって得ることができる。
グリセリンケタールと前記一般式(5)の化合物との反
応は、100〜250℃、好ましくは120〜200℃
で実施される。反応時間は1〜20時間である。グリセ
リンケタールの使用割合は、前記一般式(5)の化合物
1モル当リ、0.1〜10モル、好ましくは0.2〜1
モルの割合である。前記グリセリンケタールと前記一般
式(5)の化合物との反応では、下記一般式(7)
【化7】 (式中、R1、R2、R5、R6及びmは、前記と同じ意味
を有する)で表される化合物が生成されるが、このもの
は加水分解反応によリモノグリセリルエーテルを与え
る。この加水分解反応は、酸触媒の存在下、有機溶媒
(THFやDMF等)と水との混合液を加水分解剤とし
て用い、20〜100℃で実施される。
【0012】本発明において、前記一般式(2)で表さ
れる硫酸シリルエステルの脱硫酸化に用いられる脱硫酸
化剤には、シリルアミドやシリルアミンが包含される。
このようなシリルアミド、シリルアミンとしては、N,
O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,O−
ビス(トリメチルシリル)トリフロロアセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,
O−ビス(トリメチルシリル)ジフロロアセトアミド、
N,O−ビス(トリメチルシリル)モノフロロアセトア
ミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス
(トリメチルシリル)尿素、(ジエチルアミノ)トリメ
チルシラン、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシ
ラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラ
ン、メチル−N−トリメチルシリルカーバメート、ノナ
メチルトリシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジ
シラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、3
−トリメチルシリル−2−オキサゾリジノン、アリロキ
シトリメチルシラン、N−メチル−N−トリメチルシリ
ルトリフルオロアセトアミド等があげられる。
【0013】本発明により、前記一般式(1)の(ポ
リ)グリセリルエーテル硫酸塩を製造するには、前記一
般式(2)の硫酸シリルエステルとシリルアミドやシリ
ルアミン等の脱硫酸化剤とを反応させる。脱硫酸化剤の
使用量は、第一級水酸基に結合している硫酸基の全モル
量に対し、1.0〜40.0倍モル、好ましくは、1.
0〜20.0倍モル、より好ましくは、1.0〜5.0
倍モルである。反応温度は40〜150℃、好ましくは
50〜100℃である。反応時間は1〜24時間、好ま
しくは、1〜4時間である。また、反応は、必要に応
じ、溶媒の存在下で実施することができる。溶媒として
は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,
N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン(TH
F)、1,4−ジオキサン等の非プロトン性溶媒;ヘキ
サン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;塩化メ
チレン、クロロホルム等のハロゲン化溶媒;ピリジン、
トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基
を挙げることができる。
【0014】続いて反応液中に、アルカリ性物質、例え
ば、NaHCO3、NaOH、KOH等を加えることに
より反応を停止させ、反応生成物からそれに含まれてい
る溶媒等を除去することにより、目的の(ポリ)グリセ
リルエーテル硫酸塩を得ることができる。この反応で得
られた反応生成物は、必要に応じ、クロマトグラフィー
法、抽出法等により精製することができる。
【0015】本発明により得られる(ポリ)グリセリル
エーテル硫酸塩は、(ポリ)グリセリルエーテルの2級
水酸基のみが選択的に硫酸化された構造を持つもので、
1級水酸基が硫酸化された構造の(ポリ)グリセリルエ
ーテル硫酸塩の含有量は、0〜5モル%、特に0〜2モ
ル%である。従って、本発明で得られる(ポリ)グリセ
リルエーテル硫酸塩は、その2級水酸基が選択的に硫酸
化された構造を有することから、優れた水溶性、起泡力
と泡安定性を示す。さらに、無臭という特徴も有する。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0017】参考例1 (ドデシルグリセリルエーテル(試料A)の合成)グリ
セリン100g(1.08mol)、メチルエチルケト
ン157.0g(2.18mol)、硫酸1.0g
(0.2mol)及びヘキサン200mlを反応器とし
ての500ml四つロフラスコに入れ、反応温度85℃
にて共沸脱水にて副生する水分を除去しながら、10時
間反応させた後、炭酸水素ナトリウム2.6gを加えて
反応停止させ、濾過、溶媒留去によリ、2−メチル−2
−エチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール15
9gを得た。更に、得られた2−メチル−2−エチル−
1,3−ジオキソラン−4−メタノール159gに、ド
デシル硫酸ナトリウム313.6g、水酸化ナトリウム
56.7gを、窒素気流下、150℃で10時間反応さ
せた。反応液に、硫酸16.0gを加えて中和処理を行
い、更に、薄膜蒸留処理を行うことによリ、収率95%
で、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−
4−メチルドデシルエーテル325gを得た。更に、2
−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−メ
チルドデシルエーテル325gにグリセリン95.2
g、硫酸0.95gを加え、70℃で3時間、3トール
の圧力下で加溶媒分解反応を行い、得られた生成物を、
中和し、溶媒留去、蒸留処理を経て、ドデシルグリセリ
ルエーテル255.6gを得た(収率95%)。
【0018】参考例2 (デシルグリセリルエーテル硫酸シリルエステルの合
成)デシルグリセリルエーテル(11.6g、50.0
mmol)、ジクロロメタン20mLを100mLナス
型フラスコに量り取り、クロロ硫酸(14.0g、12
0mmol)とジクロロメタン20mLの混合溶液をゆ
っくりと滴下した。この時発生した塩化水素ガスは、窒
素ガスで系内より追い出し、アルカリトラップで中和し
た。30分間撹拌した後、ジクロロメタン20mLを反
応溶液に加え、引き続きクロロトリメチルシラン(1
9.5g、180mmol)とジクロロメタン5mLの
混合溶液を滴下した。この時に発生した塩化水素ガスも
先と同様の方法で処理した。50℃で2.5時間撹拌し
た後、アスピレーターで溶媒を留去し、減圧下、80℃
で1時間乾燥することにより、収率97%でデシルグリ
セリルエーテル硫酸シリルエステル(n−C1021OC
2CH(OSO3SiMe3)CH2−OSO3SiM
3)26.0gを得た。1 HNMRスペクトル(δ;CDCl3):0.42
(s、18H,SiCH3)0.85(t、3H、C
3)、1.24(m、14H、CH2)1.53(m、
2H、CH2CH2O)、3.45(t、2H、CH2
2O)、3.69(d、2H、OCH2CH)、4.3
8(dd、1H、CH2OS)、4.48(dd、1
H、CH2OS)、4.83(m、1H、CH)
【0019】参考例3 (ドデシルグリセリルエーテル硫酸シリルエステルの合
成)ドデシルグリセリルエーテル(13.0g、50.
0mmol)、ジクロロメタン20mLを100mLナ
ス型フラスコに量り取り、クロロ硫酸(14.0g、1
20mmol)とジクロロメタン20mLの混合溶液を
ゆっくりと滴下した。この時発生した塩化水素ガスは、
窒素ガスで系内より追い出し、アルカリトラップで中和
した。30分間撹拌した後、ジクロロメタン20mLを
反応溶液に加え、引き続きクロロトリメチルシラン(1
9.5g、180mmol)とジクロロメタン5mLの
混合溶液を滴下した。この時に発生した塩化水素ガスも
先と同様の方法で処理した。50℃で2.5時間撹拌し
た後、アスピレーターで溶媒を留去し、減圧下、80℃
で1時間乾燥することにより、収率99%でドデシルグ
リセリルエーテル硫酸シリルエステル(n−C1225
CH2CH(OSO3SiMe3)CH2−OSO3SiM
3)28.0gを得た。
【0020】実施例1 (デシルグリセリルエーテル−2−硫酸ナトリウム塩の
合成)n−C1021OCH2CH(OSO3SiMe3
CH2OSO3SiMe3(2.68g、5.00mmo
l)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
(2.03g、10.0mmol)、アセトニトリル5
mLを50mLナス型フラスコに量り取り、95℃で2
時間還流した。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で
中和し、酢酸エチルで洗浄した。低沸点物を減圧留去
後、真空乾燥しn−C1021OCH2CH(OSO3
a)CH2OSO3Naとn−C1021OCH2CH(O
SO3Na)CH2OHの混合物である白色固体を得た。
逆層シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒H2O:
MeOH:5:5〜3:7)で精製することにより、収
率80%で純粋なデシルグリセリルエーテル−2−硫酸
ナトリウム1.34g塩を得た。1 HNMR(δ;D2O):0.89(t、3H、C
3)、1.30(br、14H、CH2)、1.59
(br、2H、CH2CH2O)、3.53(m、2H、
CH2O)、3.78(dd、1H、CH2OSO3
a)、3.85(dd、1H、CH2OSO3Na)、
4.51(m、1H、CH)。13CNMR(δ;D
2O):14.6、23.5、26.7、30.0、3
1.3、32.8、61.9、69.8、72.6、7
9.2。
【0021】実施例2 (ドデシルグリセリルエーテル−2−硫酸ナトリウム塩
(試料B)の合成)n−C1225OCH2CH(OSO3
SiMe3)CH2OSO3SiMe3(2.82g、5.
00mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)ア
セトアミド(2.03g、10.0mmol)、アセト
ニトリル5mLを50mLナス型フラスコに量り取り、
95℃で2時間還流した。反応終了後、水酸化ナトリウ
ム水溶液で中和し、酢酸エチルで洗浄した。低沸点物を
減圧留去後、真空乾燥しn−C1225OCH2CH(O
SO3Na)CH2OSO3Naとn−C1225OCH2
H(OSO3Na)CH2OHの混合物である白色固体を
得た。逆層シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒H
2O:MeOH:5:5〜3:7)で精製することによ
り、収率80%で純粋なドデシルグリセリルエーテル−
2−硫酸ナトリウム1.45g塩を得た。1 HNMR(δD2O):0.90(t、3H、C
3),1.31(br、18H、CH2),1.61
(br、2H、CH2CH2O),3.52(m、2H、
CH2O),3.71、(d、2H、CH2O),3.7
5(dd、1H、CH2OSO3Na),3.85(d
d、1H、CH2OSO3Na),4.51(m、1H、
CH)。13CNMR(δD2O):14.6,23.
5,26.7,30.0,30.3,30.4,30.
7,32.8,61.9,69.8,72.6,79.
【0022】比較例1 (ドデシルグリセリルエーテル硫酸ナトリウム塩(試料
C)の合成)ドデシルグリセリルエーテル(13.0
g、50.0mmol)、ジクロロメタン10mLを1
00mLナス型フラスコに量り取り、氷浴下で激しく撹
拌しながら、クロロ硫酸(5.8g、50mmol)と
ジクロロメタン10mLの混合溶液をゆっくりと滴下し
た。この時発生した塩化水素ガスは、窒素ガスで系内よ
り追い出し、アルカリトラップで中和した。1時間撹拌
した後、反応液に氷冷した水酸化ナトリウム水溶液を加
えて中和し、溶液から溶媒を除去すると、白色固体が得
られた。ここで得られた硫酸ナトリウム塩の組成を1
NMRスペクトルにより分析した結果、1級水酸基のみ
が硫酸化されたドデシルグリセリルエーテル硫酸ナトリ
ウム塩と、1級、2級両水酸基が硫酸化されたドデシル
グリセリルエーテルジ硫酸ナトリウム塩が生成してお
り、2級水酸基のみが硫酸化されたドデシルグリセリル
エーテル−2−硫酸ナトリウム塩の生成は1モル%以下
であった。
【0023】比較例2 (ドデシルグリセリルエーテル−2−硫酸ナトリウム塩
の合成)ドデシルグリセリルエーテル(20.8g、8
0mmo1)、ジクロロメタン80mLを100mLナ
ス型フラスコに量り取り、激しく撹拌しながら、クロロ
硫酸(23.0g、197mmol)をゆっくり滴下し
た。その際発生する塩化水素ガスは、窒素ガスで系内よ
り追い出し、アルカリトラップで中和した。2時間撹拌
した後、反応液にピリジン(18.7g、236mmo
l)をゆっくり滴下し、さらに30分撹拌した。この溶
液から溶媒を留去後、真空乾燥し白色固体のドデシルグ
リセリルエーテルジ硫酸ピリジン塩を得た。続いて、5
0mLナス型フラスコに、このドデシルグリセリルエー
テルジ硫酸ピリジン塩(1.2g、2.0mmol)
と、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
(0.8g、4.0mmol)、アセトニトリル2mL
を量り取り95℃で2時間還流した。反応終了後、水酸
化ナトリウム水溶液で中和し、低沸点物を減圧留去後、
真空乾燥し白色固体を得た。この白色固体を1HNMR
で分析した結果、主生成物は、1級、2級水酸基に結合
した硫酸基が共に脱硫酸化を受けたドデシルグリセリル
エーテルであることが判明した。
【0024】応用例1 前記で得た試料A、B、Cについてその水溶性、起泡性
を以下のように評価した。その結果を表1に示す。 (水溶性)試料で1重量%水溶液を作り、25℃水浴に
て恒温に保った後、目視で評価した。 ○:完全に溶解している △:一部析出している ×:完全に不溶 (起泡力能の測定)試料を0.9重量%水溶液20ml
を100mlエプトン管に入れ、25℃水浴にて恒温に
保った後、10秒間に20回振とうした後、30秒後の
泡容積(ml)を測定した。 (匂いの評価)人の官能により評価した。
【0025】
【表1】 1)過飽和状態で測定
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、(ポリ)グリセリルエ
ーテルの水酸基に結合している性質の異なる硫酸基を、
第1級水酸基及び第2級水酸基の違いを認識して脱硫酸
化することにより、従来知られていない、第2級水酸基
が選択的に硫酸化された構造の(ポリ)グリセリルエー
テル硫酸塩を高純度でかつ収率よく得るこどができる。
本発明により得られた(ポリ)グリセリルエーテル硫酸
塩は、その構造的特徴により、水溶性、起泡力にすぐれ
ており、無臭のアニオン性界面活性化剤として各種の用
途に供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月22日(1998.9.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明において反応原料として用いる前記
一般式(2)の硫酸シリルエステルは、下記一般式
(3)
【化3】 (式中、Rは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル又はアルケニル基を示し、Rは炭素数2又は3の
アルキレン基を示し、nは平均重合度で1〜10の数を
示し、mは平均重合度で0〜20を示す)で表される
(ポリ)グリセリルエーテルに対してSOガスやクロ
ロスルホン酸等の硫酸化剤を反応させた後、トリメチル
クロロシラン等のシリル化剤を反応させることによって
得ることが出来る。クロロスルホン酸やトリメチルクロ
ロシランの使用量は、前記一般式(3)の全水酸基のモ
ル量に対し、1.0〜20倍モル、好ましくは1.0〜
5倍モル、より好ましくは1.0〜2.0倍モルの割合
である。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜7
0℃である。反応時間は1〜24時間、好ましくは1〜
5時間である。また、反応は必要に応じ、溶媒の存在下
で実施することができる。溶媒としては、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒド
ロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等の非プロト
ン性溶媒;ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素
系溶媒等をあげることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、(ポリ)グリセリルエ
ーテルの水酸基に結合している性質の異なる硫酸基を、
第1級水酸基及び第2級水酸基の違いを認識して脱硫酸
化することにより、従来知られていない、第2級水酸基
が選択的に硫酸化された構造の(ポリ)グリセリルエー
テル硫酸塩を高純度でかつ収率よく得るこができる。
本発明により得られた(ポリ)グリセリルエーテル硫酸
塩は、その構造的特徴により、水溶性、起泡力にすぐれ
ており、無臭のアニオン性界面活性化剤として各種の用
途に供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 俊夫 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB68 AB70 AC41 4J005 AA06 AA11 BD06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される(ポリ)グ
    リセリルエーテル硫酸塩。 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル又はアルケニル基を示し、R2は炭素数2又は3の
    アルキレン基を示し、nは平均重合度で1〜10の数を
    示し、mは平均重合度で0〜20の数を示し、Xは塩形
    成性陽イオンを示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル又はアルケニル基を示し、R2は炭素数2又は3の
    アルキレン基を示し、nは平均重合度で1〜10の数を
    示し、mは平均重合度で0〜20の数を示し、Xは塩形
    成性陽イオンを示す)で表される(ポリ)グリセリルエ
    ーテル硫酸塩を製造する方法において、下記一般式
    (2) 【化2】 (式中、R1、R2、n及びmは前記と同じ意味を有し、
    3及びR4は同一又は異っていてもよく、脂肪族基又は
    芳香族基を示す。)で表される硫酸シリルエステルに脱
    硫酸化剤を反応させてその第1級水酸基に結合している
    硫酸基を選択的に脱硫酸化することを特徴とする(ポ
    リ)グリセリルエーテル硫酸塩の製造方法。
JP17973998A 1998-06-11 1998-06-11 (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法 Pending JP2000001467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17973998A JP2000001467A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17973998A JP2000001467A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000001467A true JP2000001467A (ja) 2000-01-07

Family

ID=16071029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17973998A Pending JP2000001467A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000001467A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018181906A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 ダイキン工業株式会社 アルキル硫酸エステル又はその塩
US11279814B2 (en) 2017-03-31 2022-03-22 Daikin Industries, Ltd. Production method for fluoropolymer, surfactant for polymerization, and use of surfactant

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018181906A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 ダイキン工業株式会社 アルキル硫酸エステル又はその塩
JPWO2018181906A1 (ja) * 2017-03-31 2019-07-25 ダイキン工業株式会社 アルキル硫酸エステル又はその塩
US11279814B2 (en) 2017-03-31 2022-03-22 Daikin Industries, Ltd. Production method for fluoropolymer, surfactant for polymerization, and use of surfactant
US11999681B2 (en) 2017-03-31 2024-06-04 Daikin Industries, Ltd. Alkyl sulfate ester or salt of same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pilcher et al. Utilization of tetrabutylammonium triphenylsilyldifluoride as a fluoride source for nucleophilic fluorination
US5489701A (en) Process for the preparation of silane polysulfides
JPH0463879B2 (ja)
JP2003138004A (ja) ポリエチレングリコール部分を有するポリマーの実質上単分散である混合物を合成する方法
BRPI0408662B1 (pt) processo para a produção de mercaptosilanos bloqueados
EP0031991B1 (en) Method of preparing propane sulfonates
EP3539968B1 (en) Novel trityl protecting agent
BRPI0614900A2 (pt) processo para a produção de organoalcoxi-silanos a partir de ácidos ou cianatos orgánicos e haloalquilalcoxisilanos
WO2018009375A1 (en) Method of synthesizing near ir, closed chain sulfo-cyanine dyes
JP2000001467A (ja) (ポリ)グリセリルエーテル硫酸塩及びその製造方法
CA2012902C (en) Process for synthesis of acylamino organosilicon compounds
US4861907A (en) Process for synthesis of acylamino silicon compounds
EP1604968A1 (en) Acetylene alcohols having a fluoroalkyl group and methods for preparing the same
JPWO2003027126A1 (ja) チオシアナト基含有オルガノアルコキシシランの製造方法
US5936111A (en) Fluorinated amide compounds with a phenyl-Si-unsaturated group
JP3194581B2 (ja) ジベレリン分離法
JPH06228161A (ja) イソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの製造方法
JPH05306290A (ja) (メタ)アクリル官能基含有有機珪素化合物の製造方法
KR100448211B1 (ko) 시티딘유도체의 제조방법
JP6066621B2 (ja) アグリコン転位抑制効果を持つ無臭チオール誘導体
JPH0395192A (ja) アゾ化合物
JPH02292269A (ja) 活性アミド化合物
JPH03264545A (ja) 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法
SU740784A1 (ru) Способ получени 2-галогенвинилоксиорганосиланов
JPH08325226A (ja) ビタミンd3 誘導体の製造法