JP2000001445A - ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法 - Google Patents

ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法

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JP2000001445A JP16507798A JP16507798A JP2000001445A JP 2000001445 A JP2000001445 A JP 2000001445A JP 16507798 A JP16507798 A JP 16507798A JP 16507798 A JP16507798 A JP 16507798A JP 2000001445 A JP2000001445 A JP 2000001445A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生するポリマーを効率よく除去し、高純度
のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を製造する方法
を提供する。 【解決手段】 高沸成分を含有する下記一般式(1) 【化1】 (上記一般式中、nは3〜8の整数、Xはハロゲン原
子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲン原子をそ
れぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキルスチレン
誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留するω−ハロ
ゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性材料、例え
ば医薬や農薬を製造する上で重要な有機中間体であるω
−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法に関す
る。詳しくは副生するポリマーを効率よく除去すること
のできるω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ω−ハロゲノアルキルスチレン誘
導体は、種々の機能剤の原料として使用されている。例
えば、医薬(例えば、コレステロール低減剤)、農薬中
間体原料、イオン交換樹脂、イオン交換膜、イオン交換
繊維、固相合成用担体、コンビナトリアル合成用担体、
クロマトグラフィー用(カラム充填剤)担体、キレート
樹脂、固定化担体、機能性膜、吸着剤、高性能ポリマ
ー、感光性材料、電導性材料、シランカップリング剤等
が挙げられる。
【0003】ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造法
に関しては、多くの提案がなされている。例えば特開平
4−349941号公報には、クロロメチルスチレン
(CMS)のグリニャール試薬(ビニルベンジルマグネ
シウムハライド)に1,(ω−1)−ジハロゲノアルカ
ンを作用させ、ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を
合成する方法が、また、J. of Polymer Science and Po
lymer Chemistry Edition,20巻、1982年 P30
15には、クロロスチレンを原料とした3−ブロモプロ
ピルスチレンの合成法が開示されている。
【0004】しかしながら、この製造法では、目的物の
ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体は得られるが、目
的物のポリマー、ω−ハロゲノアルキルスチレンポリマ
ーがある程度副生する。反応で副生したポリマーを除去
する方法としては、通常、カラムクロマトグラフィーや
真空蒸留により精製する方法が知られており、これらの
方法でも副生ポリマーを除去してハロゲノアルキルスチ
レン誘導体を高純度で得ることができる。 例えばカラ
ムクロマトグラフィー精製では、ポリマー成分は吸着さ
れるため、溶離した溶液中にはポリマーは含まれない。
また真空蒸留精製の場合、通常ポリマー成分はモノマー
より沸点が高いため、釜残として最後まで残り簡単に除
去することができる。
【0005】しかしながら、カラム精製では大量に製造
する場合には多大の費用(溶媒、充填剤、時間)がかか
る。一方、真空蒸留は、ハロゲノアルキルスチレン誘導
体を少量取得する場合には可能である。しかし、ハロゲ
ノアルキルスチレンの以下のような性質、つまり、ス
チレン誘導体の沸点が比較的高い、スチレン誘導体の
熱重合性が高い、末端官能基の熱安定性に問題があ
る、等の性質により、大量に目的物を得るには、(バッ
チ式)真空蒸留法は好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、薄膜蒸留
法はハロゲノアルキルスチレン誘導体のような重合性モ
ノマーを、短い滞留時間で処理するには適している。し
かしながら薄膜蒸留法においてもスチレン誘導体とその
ポリマーを分離する工程では、蒸留条件によっては、缶
出成分(釜残)にスチレン誘導体が含まれないため、缶
出成分の流動性を失い乾固し、ワイパーの攪拌が続けら
れなくなる。また遠心式薄膜蒸留法でも、濃縮されたポ
リマーで遠心盤上に液膜が形成しにくくなり、分離性が
低下し、蒸留が困難になる。
【0007】上述した通り公知の方法では、効率よく高
純度のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を製造する
ことは困難であった。本発明は上記実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、ω−ハロゲノアルキルスチ
レンを製造する方法において、副生するポリマー等の高
沸成分を効率よく除去し、ω−ハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体を安価で効率的に製造する方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ω−ハロゲノア
ルキルスチレン誘導体の製造方法において、化学的に安
定な高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留精製を行うことによ
り、釜残成分の流動性を保ちながら、ω−ハロゲノアル
キルスチレン誘導体を高純度で回収できることを見い出
して本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、高沸成
分を含有する下記一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】(上記一般式中、nは3〜8の整数、Xは
ハロゲン原子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲ
ン原子をそれぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキ
ルスチレン誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留す
ることを特徴とするω−ハロゲノアルキルスチレン誘導
体の製造方法、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体と
は、
【0012】
【化3】
【0013】上記一般式(1)で表される末端にハロゲ
ンを有する直鎖状アルキルスチレン誘導体である。式中
の、メチレン鎖数nは3〜8の整数である。式(1)で
表される化合物としては、例えば、ブロモプロピルスチ
レン、ヨードプロピルスチレン、クロロブチルスチレ
ン、ブロモブチルスチレン、クロロペンチルスチレン、
ヨードペンチルスチレン、クロロヘキシルスチレン、ブ
ロモヘキシルスチレン、ブロモオクチルスチレン等が挙
げられる。
【0014】これらのスチレン誘導体は、特開平4−3
49941号公報に開示されている方法等により製造す
ることができる。例えば、クロロメチル化した母体モノ
マー(例えばクロルメチルスチレン)に、グリニャール
法により、ポリアルキレンジハライドを反応させる方
法、またはクロル化した母体モノマー(クロルスチレ
ン)にグリニャール法によりポリアルキレンジハライド
を反応する方法等である。これらの方法により得られる
反応物には、目的物のω−ハロゲノアルキルスチレン誘
導体とともに、目的物のポリマー、即ちω−ハロゲノア
ルキルスチレンポリマー等の高沸成分が相当量含有され
る。
【0015】本発明においては、上記方法により得られ
た目的生成物であるハロゲノアルキルスチレン誘導体と
副生物であるポリマー等の高沸成分を含有する反応混合
物を、薄膜蒸留によりハロゲノアルキルスチレン誘導体
を含む溶液とポリマー等の高沸成分とを分離する工程を
必須とする。そしてこの薄膜蒸留の際に、薄膜装置の蒸
発面で常に液膜が形成できるよう、薄膜装置の蒸発面の
塗れ剤として、高沸点溶媒を添加し薄膜蒸留することを
特徴とするものである。
【0016】この目的を達成するため、高沸点溶媒は以
下の条件を満たすことが好ましい。 高沸点溶媒の沸点が高いこと(少なくとも目的物のス
チレン誘導体よりも沸点が高いこと)、薄膜蒸留温度
・条件(滞留時間)で熱媒体が分解し、更に低沸点化合
物が生成しないこと、室温でも粘度が低いこと、ポ
リマー成分と熱媒体との相溶性がよいこと、高沸点溶
媒が安価であること、焼却処分する場合には、高沸点
溶媒の構成元素はC、H、Oから成ること(程度にもよ
るが少量のハロゲンを含んでいても良い)等である。
【0017】は、ハロゲノアルキルスチレン誘導体中
への高沸点溶媒を混入率を低く抑えるため、高沸点溶媒
の沸点はハロゲノアルキルスチレン誘導体中よりはるか
に高いことが望ましく、通常300℃以上である。
は、高沸成分を除去する際の薄膜蒸留温度(真空度によ
り異なるが、約70℃〜180℃)で高沸点媒体が分解
してはならない。は、高沸点媒体を取り扱う際、粘度
が低い方が作業性がよく、ハロゲノアルキルスチレン誘
導体を含む濃縮液と混合したとき、溶液の粘度を低くす
るためにも、高沸点溶媒の粘度はできる限り低いことが
好ましい。また高沸成分の薄膜蒸留後釜残の粘度を下げ
るためにも高沸点溶媒の粘度が低いことが好ましい。例
えば、25℃における粘度が1000cp以下であるこ
とが望ましい。
【0018】は、高沸点溶媒とハロゲノアルキルスチ
レン誘導体を含む濃縮液を混合したとき、ポリマー成分
が析出/沈殿しないように、ポリマー成分に対して相溶
性が高くなければならない。例えば、グリセリンエステ
ル、ポリグリコール、セルロース、ポリビニルアルコー
ル等は、極性が高く、これらを添加すると沈殿が析出す
る。は、ハロゲノアルキルスチレン誘導体を安価に製
造するため、重要である。は、高沸成分の薄膜蒸留後
の釜残は、燃焼処分される。焼却処分を考え、リン原
子、硫黄、窒素原子、ケイ素原子の他、金属原子を含ま
ないことが望ましい。更に、ハロゲノアルキルスチレン
誘導体にはハロゲン原子が含まれるが、高沸点溶媒はハ
ロゲン原子を含まないことが望ましい。従って、高沸点
溶媒の構成元素は炭素原子、水素原子、必要に応じて酸
素原子であることが望ましい。
【0019】以上の条件を満たすものとして、反応器用
熱媒体として使用されているSKオイル(例えば、綜研
化学(株)製、商品名:ネオSKオイル1400(沸点
391℃、粘度15cp/40℃)、SKオイルL−4
00(沸点440℃、粘度159cp/0℃)、プラス
チックの可塑剤として添加されているフタル酸ジオクチ
ル(沸点386℃)、フタル酸ジイソノニル(粘度55
cp/25℃)、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジイソデシル(沸点420℃)、フタル酸ジイソト
リデシル(沸点250℃/2mmHg)、フタル酸ブチ
ルベンジル(沸点370℃)等のフタル酸ジエステル
類、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル(沸点
430℃)等のトリメリット酸系可塑剤、リン酸トリク
レシル(沸点420℃、粘度57cp/25℃)、リン
酸トリス−2−エチルヘキシル(沸点220〜250℃
/5mmHg)、リン酸トリクロロエチル(沸点210
〜220℃/20mmHg、粘度35cp/25
℃))、リン酸トリフェニル(沸点260℃/20mm
Hg)等のリン酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アジピン酸ジオクチル(沸点335℃)、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジオク
チル(沸点377℃)、マレイン酸ジ−2−エチルヘキ
シル(沸点195−207℃/5mmHg、粘度17c
p/23℃)等の脂肪酸二塩基酸エステル類、アセチル
リシノール酸ブチル等のオキシ酸エステル、その他、塩
素化パラフィン、塩素化ビフェニル、ジノニルナフタリ
ン等が挙げられる。この中で、フタル酸ジアルキルの可
塑剤が好ましい。例えば、フタル酸ジイソデシル(DI
DP)、フタル酸ジイソトリデシル(DTDP)、リン
酸トリクレシル等が挙げられる。
【0020】高沸点溶媒の添加量は、副生するポリマー
の分子量により異なるが、含まれるポリマーの重量を基
準に、50重量%〜1000重量%が好ましい。更に
は、100重量%〜400重量%が好ましい。高沸点溶
媒の量が少なすぎる場合には薄膜装置の攪拌が困難にな
ったり、缶出液(釜残)の管が閉塞したりする。反対に
熱媒体が多すぎる場合には、ハロゲノアルキルスチレン
誘導体の生産効率が低下するばかりでなく、回収率も低
下する。
【0021】本発明において高沸点溶媒は、オリゴマー
・ポリマー成分を除去する際に存在すればよく、その添
加時点は特に限定されない。例えば高沸成分を最初に除
去する場合には、この薄膜蒸留の開始時に高沸点溶媒を
添加する必要がある。逆に、軽沸成分(溶媒・過剰に使
用した増炭剤等)を最初に除去し、高沸成分の除去を薄
膜蒸留の最終段階においてする場合には、最初から添加
しておいても良いが、高沸成分の除去の際に添加すれば
よい。本発明における薄膜蒸留において、滞留時間は、
一般に数秒〜5分、好ましくは数秒〜2分程度である。
また真空度は0.1〜10mm/Hg、好ましくは0.
1〜2mm/Hg程度であり、温度は80〜200℃程
度である。。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明の具体的な態様を
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0023】実施例1 4−(4−ブロモブチル)スチレンの製造 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロ
ート、水銀温度計、温度計用熱電対、攪拌羽根を備えた
ジャケット付き3L反応缶に金属マグネシウム140.
9g(5.40グラム原子、1.45当量/ClSt)
を入れ、乾燥窒素ガスで充分置換し、ジャケット温度を
20℃に設定した。一方、枝管付き等圧滴下ロートに乾
燥脱気THF865g(3.0当量/ClSt)と乾燥
脱気トルエン921g(2.5当量/ClSt)、乾燥
脱気クロロスチレン(ClSt)(4−クロロスチレン
のみ 554g(4.0モル)の溶液を調製した。最
初、乾燥THF40mlを張り、ClStのTHF−T
L溶液30mlを滴下し、ここに1,2−ジブロモエタ
ンを0.3ml滴下すると、溶液が発泡しエチレンが発
生すると同時に、溶液の温度が急激に上昇し、一時的に
38℃まで達した。数分後、溶液は淡灰緑色になり、更
に10分後には暗緑色溶液となった。反応溶液が25〜
29℃になるように3時間かけ連続的に滴下した。滴下
終了後、内温が27℃になるようにジャケット温度を調
整し、グリニャール試薬を滴下した。滴下終了後、3時
間攪拌すると、原料のクロロスチレンは0.1%以下
(HPLC分析)にまで減少した。調製したClStの
グリニャール試薬を10℃まで冷却し、第2工程のグリ
ニャール反応に用いた。
【0024】グリニャール反応用に窒素ガス導入管、ジ
ムロー冷却管、水銀温度計、温度記録計用熱電対、攪拌
羽根、グリニャール溶液滴下管を備えたジャケット付き
5L反応缶を乾燥窒素で置換した。この中へ、THF1
15g(0.4当量/ClSt)、触媒Li2 CuCl
4 13.3g(0.06モル、1.5モル%/ClSt)を
入れ溶解すると、濃オレンジ色透明溶液となった。更
に、1,4−ジブロモブタン3454g(16.0モ
ル、4.0当量/ClSt)を加え10℃まで冷却し
た。この中へ、左記に調製したグリニャール試薬を、内
温が10℃を越えないようゆっくり3時間かけて滴下し
た。グリニャール試薬を約20ml滴下すると、溶液は
濃オレンジ色から淡黄色溶液、更に無色透明溶液になっ
た。更に滴下を続けると、緑色から暗(黒)緑色透明溶
液になった。滴下終了後、15℃で1時間攪拌し反応を
終了した。熟成後、溶液中にメタノール20mlを滴下
し、反応を完結した。目的物の4−(4−ブロモブチ
ル)スチレンの収率は84%であった。他の成分は、
4,4−ジビニルビフェニル0.2%、1,4−ジビニ
ルフェニルブタン6.8%、スチレン2%、ポリマー
(ポリブロモブチルスチレン)約4%であった。脱塩水
を加え静置分液し、水相を除去した。減圧下、反応で使
用した溶媒のTHF、トルエン、及び反応で一部生成し
たスチレンを除去した。この濃縮液を、薄膜蒸留で更に
精製した。
【0025】ワイプレン(神鋼パンテック製、2−03
型 伝熱表面積:0.034m2 )に、この濃縮液を3
00g/hrで供給し、75℃/5〜10mmHgで
1,4−ジブロモブタンを除去した。1回目の薄膜製造
で4−(4−ブロモブチル)スチレンを52%まで濃縮
した。更に、この濃縮液を400g/hrで供給し、7
0℃/1〜2mmHgで1,4−ジブロモブタンを除去
した。4−(4−ブロモブチル)スチレンを82%まで
濃縮した。更に3回目の薄膜製造は、67℃/0.5〜
0.8mmHgで300g/hrで供給し、91%まで
濃縮し4−(4−ブロモブチル)スチレン890gを得
た。溶液は粘調な溶液になった。
【0026】この濃縮液に、フタル酸ジイソトリデシル
(C13ジエステル)(花王製;ビニサイザー20)1
05gを室温で添加し溶解した。濃縮液を160℃/
0.5mmHgの蒸留条件で、200g/hrで供給し
薄膜製造した。留出成分は、4−(4−ブロモブチル)
スチレン760g、ジビニルフェニルブタン10.5
g、1,4−ジブロモブタン23g、フタル酸ジイソト
リデシル0.7gを得た。缶出成分は、フタル酸ジイソ
トリデシル101g、4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン0.6g、ジビニルフェニルブタン21.1g、4−
(4−ブロモブチル)スチレンポリマー65gであっ
た。分析は以下のように行った。
【0027】・HPLC分析;ODSカラム:Iner
tsil ODS−2、溶離液:80%MeOH水溶
液、流速:2.00ml/min、検出器:UV254nm、
カラム温度:25℃
【0028】なお、可塑剤DTDPは次の条件で行っ
た。Inertsil ODS−2、溶離液:100%
MeOH水溶液、流速:1.00ml/min、検出器:UV
254nm、カラム温度:25℃
【0029】・GC分析;GCカラムHP−1(ヒュー
レットパッカード)又はDB−1(J&W)(ID0.
25mmX30m)、50℃(3min 保持)→10
℃/min→280℃(3min保持)、検出器:FI
D、流速2.00ml/min、スプリット比;1/5
0、定流量プログラム
【0030】なお、可塑剤DTDPは次の条件で行っ
た。DB−1(J&W)(ID 0.25mmX30
m)、300(3min 保持)→5℃/min→35
0℃(10min保持)、検出器:FID、流速2.0
0ml/min、スプリット比;1/50、定流量プロ
グラム
【0031】実施例2 4−(3−クロロプロピル)スチレンの製造 実施例−1において、増炭剤として1,4−ジブロモブ
タンの代わりに1−ブロモ−3−クロロプロパン126
0g(2.0当量/ClSt)を用いた以外は、同様に
反応を行った。目的物の4−(3−ブロモプロピル)ス
チレンの収率は65%であった。脱塩水を加え静置分液
し、水相を除去した。減圧下、反応で使用した溶媒のT
HF、トルエン、及び反応で一部生成したスチレンを除
去した。この濃縮液を、薄膜蒸留で更に精製した。
【0032】この濃縮液を400g/hrで薄膜蒸留器
に供給し、50℃/5mmHgで1−ブロモ−3−クロ
ロプロパンを除去した。2回目の薄膜蒸留の条件は、供
給速度350g/hrで50℃/2mmHg、3回目の
薄膜蒸留条件は45℃/0.8mmHgで300g/h
rで供給し、74%まで濃縮し、620gを得た。溶液
は粘調な溶液になった。
【0033】この濃縮液に、フタル酸ジイソトリデシル
(C13ジエステル)(花王製 ビニサイザー20)2
50gを室温で添加し、溶解した。濃縮液を140℃/
0.5mmHgの蒸留条件で、200g/hrで供給し
薄膜製造した。留出成分は、4−(3−クロロプロピ
ル)スチレン440g、1−ブロモ−3−クロロプロパ
ン8g、フタル酸ジイソトリデシル0.4gを得た。缶
出成分は、フタル酸ジイソトリデシル241g、4−
(3−クロロプロピル)スチレン0.6g、ジビニルビ
フェニル1.1g、4−(3−クロロプロピル)スチレ
ンポリマー142gであった。
【0034】実施例3 4−(6−ブロモヘキシル)スチレンの製造 実施例1において、増炭剤として1,4−ジブロモブタ
ンの代わりに1,6−ジブロモヘキサン4879g(5
当量/ClSt)を用いた以外は、同様に反応を行っ
た。1,6−ジブロモヘキサンを除去するため、薄膜蒸
留は、1回目、90℃/5mmHg、2回目85℃/2
mmHg、3回目は75℃/0.7mmHgで薄膜蒸留
した。 高沸成分は、フタル酸ジイソトリデシル(C1
3ジエステル)(花王製 ビニサイザー20/協和発酵
製)170gを室温で添加し、180℃/0.5mmH
gの蒸留条件で、濃縮液を200g/hrで供給し薄膜
精製した。留出成分は、4−(6−ブロモヘキシル)ス
チレン854g、フタル酸ジイソトリデシル(DTDP)0.
4gを得た。
【0035】実施例4 以下の缶出成分の濃縮液を用いて、高沸成分(ポリマ
ー)を除去するための薄膜蒸留の検討を行った。濃縮液
の組成は、4−(4−ブロモブチル)スチレン74%、
ジビニルフェニルブタン7%、ポリマー19%である。
この缶出成分の濃縮液800gに対し、高沸点溶媒(ネ
オSK−オイル1400綜研化学製)350gを添加
し、表−1〜表−2に示す温度で薄膜蒸留の検討を行っ
た。真空度は0.8〜1.0mmHgの範囲内で検討し
た。高沸点溶媒として、表−1はDTDP、表−2はD
IDP、表−3はネオSK−オイル1400をそれぞれ
用いた薄膜蒸留の検討結果を示す。表内には、軽沸成分
(留出成分側)の製品(4−(4−ブロモブチル)スチ
レン)の回収率と缶出成分(高沸成分側)への製品(4
−(4−ブロモブチル)スチレン)の混入率を示した。
【0036】比較例1 実施例4で使用した缶出成分の濃縮液を用いて、薄膜蒸
留条件の検討を行った。真空度は、0.8mmHg〜
1.0mmHgとした。薄膜蒸留温度を140℃に設定
し、高沸点溶媒使用することなく濃縮液を供給したとこ
ろ、30分後には、薄膜蒸留装置内部で異常音(最初は
カタカタ・・、次第にガタンガタン…と言う音)が発生
し始め下部でポリマーが析出した。更に続けると一部冷
却管にポリマーが付着し始め、流出成分中に製品が混入
し始めた。更に1時間蒸留を続けるとポリマーが蒸発面
下部で析出し、ワイパーが攪拌できなくなり薄膜蒸留を
停止した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明方法のω−ハロゲノアルキルスチ
レン誘導体の製造方法によれば、副生するポリマーを効
率よく除去し、目的物であるω−ハロゲノアルキルスチ
レン誘導体を、安価、高収率で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 直子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 渡辺 純哉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB46 AB84 AD11 AD40 BB11 BB17 BD10 EA21 EB26 EB34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高沸成分を含有する下記一般式(1) 【化1】 (上記一般式中、nは3〜8の整数、Xはハロゲン原
    子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲン原子をそ
    れぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキルスチレン
    誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留することを特
    徴とするω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 高沸点溶媒が、沸点が300℃以上、粘
    度が25℃で1000cp以下であるものである請求項
    1に記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 高沸点溶媒が、炭素原子、水素原子及び
    酸素原子を構成元素とするものである請求項1または2
    に記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 高沸点溶媒の添加量が、含有されるポリ
    マーに対して50〜1000重量%である請求項1〜3
    のいずれかに記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 高沸点溶媒が、フタル酸ジイソトリデシ
    ル(DTDP)である請求項1〜4のいずれかに記載の
    ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 高沸点溶媒が、フタル酸ジイソデシル
    (DIDP)である請求項1〜4のいずれかに記載のω
    −ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 高沸点溶媒が、ジベンジルトルエン誘導
    体である請求項1〜4のいずれかに記載のω−ハロゲノ
    アルキルスチレン誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009520753A (ja) * 2005-12-23 2009-05-28 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 純粋な形態のα−キラルクロロメチル化合物の製造方法

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