JP2000001445A - ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法 - Google Patents
ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法Info
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Abstract
のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を製造する方法
を提供する。 【解決手段】 高沸成分を含有する下記一般式(1) 【化1】 (上記一般式中、nは3〜8の整数、Xはハロゲン原
子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲン原子をそ
れぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキルスチレン
誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留するω−ハロ
ゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。
Description
ば医薬や農薬を製造する上で重要な有機中間体であるω
−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法に関す
る。詳しくは副生するポリマーを効率よく除去すること
のできるω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
法に関する。
導体は、種々の機能剤の原料として使用されている。例
えば、医薬(例えば、コレステロール低減剤)、農薬中
間体原料、イオン交換樹脂、イオン交換膜、イオン交換
繊維、固相合成用担体、コンビナトリアル合成用担体、
クロマトグラフィー用(カラム充填剤)担体、キレート
樹脂、固定化担体、機能性膜、吸着剤、高性能ポリマ
ー、感光性材料、電導性材料、シランカップリング剤等
が挙げられる。
に関しては、多くの提案がなされている。例えば特開平
4−349941号公報には、クロロメチルスチレン
(CMS)のグリニャール試薬(ビニルベンジルマグネ
シウムハライド)に1,(ω−1)−ジハロゲノアルカ
ンを作用させ、ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を
合成する方法が、また、J. of Polymer Science and Po
lymer Chemistry Edition,20巻、1982年 P30
15には、クロロスチレンを原料とした3−ブロモプロ
ピルスチレンの合成法が開示されている。
ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体は得られるが、目
的物のポリマー、ω−ハロゲノアルキルスチレンポリマ
ーがある程度副生する。反応で副生したポリマーを除去
する方法としては、通常、カラムクロマトグラフィーや
真空蒸留により精製する方法が知られており、これらの
方法でも副生ポリマーを除去してハロゲノアルキルスチ
レン誘導体を高純度で得ることができる。 例えばカラ
ムクロマトグラフィー精製では、ポリマー成分は吸着さ
れるため、溶離した溶液中にはポリマーは含まれない。
また真空蒸留精製の場合、通常ポリマー成分はモノマー
より沸点が高いため、釜残として最後まで残り簡単に除
去することができる。
する場合には多大の費用(溶媒、充填剤、時間)がかか
る。一方、真空蒸留は、ハロゲノアルキルスチレン誘導
体を少量取得する場合には可能である。しかし、ハロゲ
ノアルキルスチレンの以下のような性質、つまり、ス
チレン誘導体の沸点が比較的高い、スチレン誘導体の
熱重合性が高い、末端官能基の熱安定性に問題があ
る、等の性質により、大量に目的物を得るには、(バッ
チ式)真空蒸留法は好ましくない。
法はハロゲノアルキルスチレン誘導体のような重合性モ
ノマーを、短い滞留時間で処理するには適している。し
かしながら薄膜蒸留法においてもスチレン誘導体とその
ポリマーを分離する工程では、蒸留条件によっては、缶
出成分(釜残)にスチレン誘導体が含まれないため、缶
出成分の流動性を失い乾固し、ワイパーの攪拌が続けら
れなくなる。また遠心式薄膜蒸留法でも、濃縮されたポ
リマーで遠心盤上に液膜が形成しにくくなり、分離性が
低下し、蒸留が困難になる。
純度のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体を製造する
ことは困難であった。本発明は上記実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、ω−ハロゲノアルキルスチ
レンを製造する方法において、副生するポリマー等の高
沸成分を効率よく除去し、ω−ハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体を安価で効率的に製造する方法を提供すること
にある。
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ω−ハロゲノア
ルキルスチレン誘導体の製造方法において、化学的に安
定な高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留精製を行うことによ
り、釜残成分の流動性を保ちながら、ω−ハロゲノアル
キルスチレン誘導体を高純度で回収できることを見い出
して本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、高沸成
分を含有する下記一般式(1)
ハロゲン原子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲ
ン原子をそれぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキ
ルスチレン誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留す
ることを特徴とするω−ハロゲノアルキルスチレン誘導
体の製造方法、に存する。
本発明におけるω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体と
は、
ンを有する直鎖状アルキルスチレン誘導体である。式中
の、メチレン鎖数nは3〜8の整数である。式(1)で
表される化合物としては、例えば、ブロモプロピルスチ
レン、ヨードプロピルスチレン、クロロブチルスチレ
ン、ブロモブチルスチレン、クロロペンチルスチレン、
ヨードペンチルスチレン、クロロヘキシルスチレン、ブ
ロモヘキシルスチレン、ブロモオクチルスチレン等が挙
げられる。
49941号公報に開示されている方法等により製造す
ることができる。例えば、クロロメチル化した母体モノ
マー(例えばクロルメチルスチレン)に、グリニャール
法により、ポリアルキレンジハライドを反応させる方
法、またはクロル化した母体モノマー(クロルスチレ
ン)にグリニャール法によりポリアルキレンジハライド
を反応する方法等である。これらの方法により得られる
反応物には、目的物のω−ハロゲノアルキルスチレン誘
導体とともに、目的物のポリマー、即ちω−ハロゲノア
ルキルスチレンポリマー等の高沸成分が相当量含有され
る。
た目的生成物であるハロゲノアルキルスチレン誘導体と
副生物であるポリマー等の高沸成分を含有する反応混合
物を、薄膜蒸留によりハロゲノアルキルスチレン誘導体
を含む溶液とポリマー等の高沸成分とを分離する工程を
必須とする。そしてこの薄膜蒸留の際に、薄膜装置の蒸
発面で常に液膜が形成できるよう、薄膜装置の蒸発面の
塗れ剤として、高沸点溶媒を添加し薄膜蒸留することを
特徴とするものである。
下の条件を満たすことが好ましい。 高沸点溶媒の沸点が高いこと(少なくとも目的物のス
チレン誘導体よりも沸点が高いこと)、薄膜蒸留温度
・条件(滞留時間)で熱媒体が分解し、更に低沸点化合
物が生成しないこと、室温でも粘度が低いこと、ポ
リマー成分と熱媒体との相溶性がよいこと、高沸点溶
媒が安価であること、焼却処分する場合には、高沸点
溶媒の構成元素はC、H、Oから成ること(程度にもよ
るが少量のハロゲンを含んでいても良い)等である。
への高沸点溶媒を混入率を低く抑えるため、高沸点溶媒
の沸点はハロゲノアルキルスチレン誘導体中よりはるか
に高いことが望ましく、通常300℃以上である。
は、高沸成分を除去する際の薄膜蒸留温度(真空度によ
り異なるが、約70℃〜180℃)で高沸点媒体が分解
してはならない。は、高沸点媒体を取り扱う際、粘度
が低い方が作業性がよく、ハロゲノアルキルスチレン誘
導体を含む濃縮液と混合したとき、溶液の粘度を低くす
るためにも、高沸点溶媒の粘度はできる限り低いことが
好ましい。また高沸成分の薄膜蒸留後釜残の粘度を下げ
るためにも高沸点溶媒の粘度が低いことが好ましい。例
えば、25℃における粘度が1000cp以下であるこ
とが望ましい。
レン誘導体を含む濃縮液を混合したとき、ポリマー成分
が析出/沈殿しないように、ポリマー成分に対して相溶
性が高くなければならない。例えば、グリセリンエステ
ル、ポリグリコール、セルロース、ポリビニルアルコー
ル等は、極性が高く、これらを添加すると沈殿が析出す
る。は、ハロゲノアルキルスチレン誘導体を安価に製
造するため、重要である。は、高沸成分の薄膜蒸留後
の釜残は、燃焼処分される。焼却処分を考え、リン原
子、硫黄、窒素原子、ケイ素原子の他、金属原子を含ま
ないことが望ましい。更に、ハロゲノアルキルスチレン
誘導体にはハロゲン原子が含まれるが、高沸点溶媒はハ
ロゲン原子を含まないことが望ましい。従って、高沸点
溶媒の構成元素は炭素原子、水素原子、必要に応じて酸
素原子であることが望ましい。
熱媒体として使用されているSKオイル(例えば、綜研
化学(株)製、商品名:ネオSKオイル1400(沸点
391℃、粘度15cp/40℃)、SKオイルL−4
00(沸点440℃、粘度159cp/0℃)、プラス
チックの可塑剤として添加されているフタル酸ジオクチ
ル(沸点386℃)、フタル酸ジイソノニル(粘度55
cp/25℃)、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジイソデシル(沸点420℃)、フタル酸ジイソト
リデシル(沸点250℃/2mmHg)、フタル酸ブチ
ルベンジル(沸点370℃)等のフタル酸ジエステル
類、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル(沸点
430℃)等のトリメリット酸系可塑剤、リン酸トリク
レシル(沸点420℃、粘度57cp/25℃)、リン
酸トリス−2−エチルヘキシル(沸点220〜250℃
/5mmHg)、リン酸トリクロロエチル(沸点210
〜220℃/20mmHg、粘度35cp/25
℃))、リン酸トリフェニル(沸点260℃/20mm
Hg)等のリン酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アジピン酸ジオクチル(沸点335℃)、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジオク
チル(沸点377℃)、マレイン酸ジ−2−エチルヘキ
シル(沸点195−207℃/5mmHg、粘度17c
p/23℃)等の脂肪酸二塩基酸エステル類、アセチル
リシノール酸ブチル等のオキシ酸エステル、その他、塩
素化パラフィン、塩素化ビフェニル、ジノニルナフタリ
ン等が挙げられる。この中で、フタル酸ジアルキルの可
塑剤が好ましい。例えば、フタル酸ジイソデシル(DI
DP)、フタル酸ジイソトリデシル(DTDP)、リン
酸トリクレシル等が挙げられる。
の分子量により異なるが、含まれるポリマーの重量を基
準に、50重量%〜1000重量%が好ましい。更に
は、100重量%〜400重量%が好ましい。高沸点溶
媒の量が少なすぎる場合には薄膜装置の攪拌が困難にな
ったり、缶出液(釜残)の管が閉塞したりする。反対に
熱媒体が多すぎる場合には、ハロゲノアルキルスチレン
誘導体の生産効率が低下するばかりでなく、回収率も低
下する。
・ポリマー成分を除去する際に存在すればよく、その添
加時点は特に限定されない。例えば高沸成分を最初に除
去する場合には、この薄膜蒸留の開始時に高沸点溶媒を
添加する必要がある。逆に、軽沸成分(溶媒・過剰に使
用した増炭剤等)を最初に除去し、高沸成分の除去を薄
膜蒸留の最終段階においてする場合には、最初から添加
しておいても良いが、高沸成分の除去の際に添加すれば
よい。本発明における薄膜蒸留において、滞留時間は、
一般に数秒〜5分、好ましくは数秒〜2分程度である。
また真空度は0.1〜10mm/Hg、好ましくは0.
1〜2mm/Hg程度であり、温度は80〜200℃程
度である。。
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
ート、水銀温度計、温度計用熱電対、攪拌羽根を備えた
ジャケット付き3L反応缶に金属マグネシウム140.
9g(5.40グラム原子、1.45当量/ClSt)
を入れ、乾燥窒素ガスで充分置換し、ジャケット温度を
20℃に設定した。一方、枝管付き等圧滴下ロートに乾
燥脱気THF865g(3.0当量/ClSt)と乾燥
脱気トルエン921g(2.5当量/ClSt)、乾燥
脱気クロロスチレン(ClSt)(4−クロロスチレン
のみ 554g(4.0モル)の溶液を調製した。最
初、乾燥THF40mlを張り、ClStのTHF−T
L溶液30mlを滴下し、ここに1,2−ジブロモエタ
ンを0.3ml滴下すると、溶液が発泡しエチレンが発
生すると同時に、溶液の温度が急激に上昇し、一時的に
38℃まで達した。数分後、溶液は淡灰緑色になり、更
に10分後には暗緑色溶液となった。反応溶液が25〜
29℃になるように3時間かけ連続的に滴下した。滴下
終了後、内温が27℃になるようにジャケット温度を調
整し、グリニャール試薬を滴下した。滴下終了後、3時
間攪拌すると、原料のクロロスチレンは0.1%以下
(HPLC分析)にまで減少した。調製したClStの
グリニャール試薬を10℃まで冷却し、第2工程のグリ
ニャール反応に用いた。
ムロー冷却管、水銀温度計、温度記録計用熱電対、攪拌
羽根、グリニャール溶液滴下管を備えたジャケット付き
5L反応缶を乾燥窒素で置換した。この中へ、THF1
15g(0.4当量/ClSt)、触媒Li2 CuCl
4 13.3g(0.06モル、1.5モル%/ClSt)を
入れ溶解すると、濃オレンジ色透明溶液となった。更
に、1,4−ジブロモブタン3454g(16.0モ
ル、4.0当量/ClSt)を加え10℃まで冷却し
た。この中へ、左記に調製したグリニャール試薬を、内
温が10℃を越えないようゆっくり3時間かけて滴下し
た。グリニャール試薬を約20ml滴下すると、溶液は
濃オレンジ色から淡黄色溶液、更に無色透明溶液になっ
た。更に滴下を続けると、緑色から暗(黒)緑色透明溶
液になった。滴下終了後、15℃で1時間攪拌し反応を
終了した。熟成後、溶液中にメタノール20mlを滴下
し、反応を完結した。目的物の4−(4−ブロモブチ
ル)スチレンの収率は84%であった。他の成分は、
4,4−ジビニルビフェニル0.2%、1,4−ジビニ
ルフェニルブタン6.8%、スチレン2%、ポリマー
(ポリブロモブチルスチレン)約4%であった。脱塩水
を加え静置分液し、水相を除去した。減圧下、反応で使
用した溶媒のTHF、トルエン、及び反応で一部生成し
たスチレンを除去した。この濃縮液を、薄膜蒸留で更に
精製した。
型 伝熱表面積:0.034m2 )に、この濃縮液を3
00g/hrで供給し、75℃/5〜10mmHgで
1,4−ジブロモブタンを除去した。1回目の薄膜製造
で4−(4−ブロモブチル)スチレンを52%まで濃縮
した。更に、この濃縮液を400g/hrで供給し、7
0℃/1〜2mmHgで1,4−ジブロモブタンを除去
した。4−(4−ブロモブチル)スチレンを82%まで
濃縮した。更に3回目の薄膜製造は、67℃/0.5〜
0.8mmHgで300g/hrで供給し、91%まで
濃縮し4−(4−ブロモブチル)スチレン890gを得
た。溶液は粘調な溶液になった。
(C13ジエステル)(花王製;ビニサイザー20)1
05gを室温で添加し溶解した。濃縮液を160℃/
0.5mmHgの蒸留条件で、200g/hrで供給し
薄膜製造した。留出成分は、4−(4−ブロモブチル)
スチレン760g、ジビニルフェニルブタン10.5
g、1,4−ジブロモブタン23g、フタル酸ジイソト
リデシル0.7gを得た。缶出成分は、フタル酸ジイソ
トリデシル101g、4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン0.6g、ジビニルフェニルブタン21.1g、4−
(4−ブロモブチル)スチレンポリマー65gであっ
た。分析は以下のように行った。
tsil ODS−2、溶離液:80%MeOH水溶
液、流速:2.00ml/min、検出器:UV254nm、
カラム温度:25℃
た。Inertsil ODS−2、溶離液:100%
MeOH水溶液、流速:1.00ml/min、検出器:UV
254nm、カラム温度:25℃
レットパッカード)又はDB−1(J&W)(ID0.
25mmX30m)、50℃(3min 保持)→10
℃/min→280℃(3min保持)、検出器:FI
D、流速2.00ml/min、スプリット比;1/5
0、定流量プログラム
た。DB−1(J&W)(ID 0.25mmX30
m)、300(3min 保持)→5℃/min→35
0℃(10min保持)、検出器:FID、流速2.0
0ml/min、スプリット比;1/50、定流量プロ
グラム
タンの代わりに1−ブロモ−3−クロロプロパン126
0g(2.0当量/ClSt)を用いた以外は、同様に
反応を行った。目的物の4−(3−ブロモプロピル)ス
チレンの収率は65%であった。脱塩水を加え静置分液
し、水相を除去した。減圧下、反応で使用した溶媒のT
HF、トルエン、及び反応で一部生成したスチレンを除
去した。この濃縮液を、薄膜蒸留で更に精製した。
に供給し、50℃/5mmHgで1−ブロモ−3−クロ
ロプロパンを除去した。2回目の薄膜蒸留の条件は、供
給速度350g/hrで50℃/2mmHg、3回目の
薄膜蒸留条件は45℃/0.8mmHgで300g/h
rで供給し、74%まで濃縮し、620gを得た。溶液
は粘調な溶液になった。
(C13ジエステル)(花王製 ビニサイザー20)2
50gを室温で添加し、溶解した。濃縮液を140℃/
0.5mmHgの蒸留条件で、200g/hrで供給し
薄膜製造した。留出成分は、4−(3−クロロプロピ
ル)スチレン440g、1−ブロモ−3−クロロプロパ
ン8g、フタル酸ジイソトリデシル0.4gを得た。缶
出成分は、フタル酸ジイソトリデシル241g、4−
(3−クロロプロピル)スチレン0.6g、ジビニルビ
フェニル1.1g、4−(3−クロロプロピル)スチレ
ンポリマー142gであった。
ンの代わりに1,6−ジブロモヘキサン4879g(5
当量/ClSt)を用いた以外は、同様に反応を行っ
た。1,6−ジブロモヘキサンを除去するため、薄膜蒸
留は、1回目、90℃/5mmHg、2回目85℃/2
mmHg、3回目は75℃/0.7mmHgで薄膜蒸留
した。 高沸成分は、フタル酸ジイソトリデシル(C1
3ジエステル)(花王製 ビニサイザー20/協和発酵
製)170gを室温で添加し、180℃/0.5mmH
gの蒸留条件で、濃縮液を200g/hrで供給し薄膜
精製した。留出成分は、4−(6−ブロモヘキシル)ス
チレン854g、フタル酸ジイソトリデシル(DTDP)0.
4gを得た。
ー)を除去するための薄膜蒸留の検討を行った。濃縮液
の組成は、4−(4−ブロモブチル)スチレン74%、
ジビニルフェニルブタン7%、ポリマー19%である。
この缶出成分の濃縮液800gに対し、高沸点溶媒(ネ
オSK−オイル1400綜研化学製)350gを添加
し、表−1〜表−2に示す温度で薄膜蒸留の検討を行っ
た。真空度は0.8〜1.0mmHgの範囲内で検討し
た。高沸点溶媒として、表−1はDTDP、表−2はD
IDP、表−3はネオSK−オイル1400をそれぞれ
用いた薄膜蒸留の検討結果を示す。表内には、軽沸成分
(留出成分側)の製品(4−(4−ブロモブチル)スチ
レン)の回収率と缶出成分(高沸成分側)への製品(4
−(4−ブロモブチル)スチレン)の混入率を示した。
留条件の検討を行った。真空度は、0.8mmHg〜
1.0mmHgとした。薄膜蒸留温度を140℃に設定
し、高沸点溶媒使用することなく濃縮液を供給したとこ
ろ、30分後には、薄膜蒸留装置内部で異常音(最初は
カタカタ・・、次第にガタンガタン…と言う音)が発生
し始め下部でポリマーが析出した。更に続けると一部冷
却管にポリマーが付着し始め、流出成分中に製品が混入
し始めた。更に1時間蒸留を続けるとポリマーが蒸発面
下部で析出し、ワイパーが攪拌できなくなり薄膜蒸留を
停止した。
レン誘導体の製造方法によれば、副生するポリマーを効
率よく除去し、目的物であるω−ハロゲノアルキルスチ
レン誘導体を、安価、高収率で製造することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 高沸成分を含有する下記一般式(1) 【化1】 (上記一般式中、nは3〜8の整数、Xはハロゲン原
子、Rは水素原子、アルキル基或いはハロゲン原子をそ
れぞれ表す)で表されるω−ハロゲノアルキルスチレン
誘導体を、高沸点溶媒の存在下に薄膜蒸留することを特
徴とするω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
法。 - 【請求項2】 高沸点溶媒が、沸点が300℃以上、粘
度が25℃で1000cp以下であるものである請求項
1に記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造
方法。 - 【請求項3】 高沸点溶媒が、炭素原子、水素原子及び
酸素原子を構成元素とするものである請求項1または2
に記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方
法。 - 【請求項4】 高沸点溶媒の添加量が、含有されるポリ
マーに対して50〜1000重量%である請求項1〜3
のいずれかに記載のω−ハロゲノアルキルスチレン誘導
体の製造方法。 - 【請求項5】 高沸点溶媒が、フタル酸ジイソトリデシ
ル(DTDP)である請求項1〜4のいずれかに記載の
ω−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 高沸点溶媒が、フタル酸ジイソデシル
(DIDP)である請求項1〜4のいずれかに記載のω
−ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。 - 【請求項7】 高沸点溶媒が、ジベンジルトルエン誘導
体である請求項1〜4のいずれかに記載のω−ハロゲノ
アルキルスチレン誘導体の製造方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2003183192A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | (3−アルケニル)−4−クロロベンゼン化合物の製造方法 |
JP2009520753A (ja) * | 2005-12-23 | 2009-05-28 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 純粋な形態のα−キラルクロロメチル化合物の製造方法 |
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1998
- 1998-06-12 JP JP16507798A patent/JP3915253B2/ja not_active Expired - Fee Related
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