JP2000001331A - 液晶ディスプレイ基板用ガラス - Google Patents

液晶ディスプレイ基板用ガラス

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JP2000001331A
JP2000001331A JP16317598A JP16317598A JP2000001331A JP 2000001331 A JP2000001331 A JP 2000001331A JP 16317598 A JP16317598 A JP 16317598A JP 16317598 A JP16317598 A JP 16317598A JP 2000001331 A JP2000001331 A JP 2000001331A
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mol
substrate
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Masato Goto
正人 後藤
Jishin Murakami
次伸 村上
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Avanstrate Inc
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NH Techno Glass Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Si膜の線膨張係数と近似する線膨張係数を
有し、かつ、TFT方式の液晶ディスプレイの基板とし
て使用可能な歪点、TFTの製造工程で多用されるフッ
酸および硝酸に対する良好な耐薬品性、実用的な熔融
性、および実用的な成形性を有するとともに、有害物質
を含まない液晶ディスプレイ基板用ガラスを提供する。 【解決手段】 モル%で、SiO2 65〜70%、B2
3 8%以上12%未満、Al23 9〜13%、M
gO 0〜5%、CaO 3〜7%、SrO 1%以上
3%未満およびBaO 1〜5%を含有し、かつこれら
の合計含有量が93%以上で、SrOとBaOの合計含
有量が2〜6%であり、さらにSnO20〜2%および
Sb23 0.01〜1%を含有し、かつSnO2とS
23の合計含有量が2%以下である液晶ディスプレイ
基板用ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイ基
板用ガラスに関し、さらに詳しくは、特に薄膜トランジ
スタ(TFT)方式の電界効果トランジスタを用いたア
クティブマトリクス駆動方式の汎用液晶ディスプレイに
用いる基板用として好適な液晶ディスプレイ基板用ガラ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、CRT(カソード
レイチューブ、ブラウン管)に比べて消費電力が低く、
低電圧で駆動させることができ、軽量化や薄型化が容易
である等の利点を有している。中でも、TFT方式の電
界効果トランジスタを用いたアクティブマトリクス駆動
方式の液晶ディスプレイは、非常に多くの走査電極を設
けることができるために画素の高密度化や高精細化が容
易であり、デューティー比が高く、かつ透過表示が可能
なため、CRTに代わるフルカラーディスプレイとして
注目されている。
【0003】前記TFTは、透明基板上にSi膜を成膜
した後、フォトリソグラフィーに基づくパターニング工
程を繰り返し行うことにより形成される。このため、T
FTが形成される透明基板には、TFTの材料の線膨張
係数に近似する線膨張係数を有すること以外に、耐熱性
に優れること、化学的耐久性に優れること等が要求され
ている。このような要求に応えるべく、線膨張係数、耐
熱性、化学的耐久性に優れ、TFT方式の液晶ディスプ
レイの基板として使用可能な歪点、実用的な熔融性、実
用的な成形性を有する液晶ディスプレイ基板用ガラスに
関しては、例えば特許番号第2644622号公報に開
示されている。
【0004】ここで述べたように、液晶ディスプレイ基
板用ガラスとしては、実用的な熔融性が要求されてお
り、特に、清澄性が重要とされている。このため、汎用
の液晶ディスプレイ基板として多用されているバリウム
硼珪酸無アルカリガラスの製造においては、その成分に
おいて清澄剤として一般的にAs23を添加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】バリウム硼珪酸無アル
カリガラスの製造において、液晶ディスプレイ基板用の
ガラスとしては、比較的厳しい清澄性が要求されてい
る。すなわち、液晶ディスプレイ基板用のガラスとして
は、その内部に微細な泡の存在が認められていない。こ
のため、このガラス内部の泡を抑える清澄剤として好適
なAs23がガラス成分の一つとして添加されている。
【0006】しかしながら、上記As23は有害であっ
て、これを成分の一つとして加えることによって、液晶
ディスプレイ用基板自体が有害な物質を含むことになっ
てしまう。よって、液晶ディスプレイ用基板の廃棄処理
などの際や製造現場での安全面など環境汚染上重要な問
題となってきており、清澄剤としてAs23の使用を継
続することが困難になってきた。しかしながら、As2
3の使用を単に停止して液晶ディスプレイ基板用のガ
ラスを製造すると泡が増加し、液晶ディスプレイ基板用
のガラスとして使用不可能な品質になる。
【0007】したがって本発明の目的は、Si膜の線膨
張係数と近似する線膨張係数を有し、かつ、TFT方式
の液晶ディスプレイの基板として使用可能な歪点、TF
Tの製造工程で多用されるフッ酸および硝酸に対する良
好な耐薬品性、実用的な熔融性、および実用的な成形性
を有しつつ、有害物質を除去したTFT方式の汎用液晶
ディスプレイの基板用として好適な、液晶ディスプレイ
基板用ガラスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有害物質
を含まず、かつTFT方式の汎用液晶ディスプレイの基
板用として好適なガラスを開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、清澄剤としてSb23またはSb23とSnO2
を含有する特定の組成のガラスが、前記目的に適合しう
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、モル%で、SiO2
65〜70%、B23 8%以上12%未満、Al2
3 9〜13%、MgO 0〜5%、CaO 3〜7
%、SrO 1%以上3%未満およびBaO 1〜5%
を含有し、かつこれらの合計含有量が93%以上で、S
rOとBaOの合計含有量が2〜6%であり、さらにS
nO2 0〜2%およびSb23 0.01〜1%を含
有し、かつSnO2とSb23の合計含有量が2%以下
であることを特徴とする液晶ディスプレイ基板用ガラス
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の液晶ディスプレイ基板用
ガラスにおいては、SiO2の含有量は65〜70モル
%の範囲である。この含有量が65モル%未満ではガラ
スの歪点が低くなりすぎるし、70モル%を超えると粘
性が高くなって、熔融性が低下する。B23の含有量は
8モル%以上、12モル%未満の範囲である。この含有
量が8モル%未満では粘性が高くなって熔融性が低下す
るとともに、ガラスの耐フッ酸性が低下するし、12モ
ル%以上ではガラスの歪点が低くなりすぎる上、耐硝酸
性が低下する。
【0011】また、Al23の含有量は9〜13モル%
の範囲である。この含有量が9モル%未満ではガラスの
歪点が低くなりすぎるし、13モル%を超えるとガラス
の耐失透性が低下するとともに、ガラス表面が白濁しや
すくなる。MgOの含有量は0〜5モル%の範囲であ
る。このMgOは、ガラスの熱膨張係数と粘性とを低下
させる成分として、アルカリ土類金属酸化物中で最も効
果的な成分であるが、その含有量が5モル%を超えると
ガラスの耐失透性が低下する。
【0012】CaOは、上記MgOとほぼ類似した作用
を有し、その含有量は3〜7モル%の範囲である。Ca
Oの含有量が3モル%未満ではガラスの熱膨張係数と粘
性を低下させる効果が不充分であるし、7モル%を超え
るとガラスの耐失透性が低下する。
【0013】一方、SrOおよびBaOは共に、ガラス
の耐失透性を向上させるのに効果的な成分であって、S
rOの含有量は1モル%以上3モル%未満の範囲であ
り、BaOの含有量は1〜5モル%の範囲である。Sr
Oの含有量あるいはBaOの含有量が1モル%未満では
ガラスの耐失透性が充分に向上しない。またSrOの含
有量が3モル%以上であったり、BaOの含有量が5モ
ル%を超えると粘性が高くなり、熔融性が低下するとと
もに、ガラスの歪点が低下し、かつ熱膨張係数が大きく
なる。なお、SrOとBaOとの合計含有量は2〜6モ
ル%の範囲であり、合計含有量がこの範囲にあれば、両
成分の作用が効果的に発揮される。
【0014】また、前記各成分の合計含有量は93モル
%以上であることが必要である。各成分の含有量が前述
の範囲内にあっても、これらの成分の合計含有量が93
モル%未満では所望の物性が得られない。このように、
各成分の含有量及びその合計含有量を上述のように規定
することにより、TFTを構成する物質の線膨張係数と
近似する線膨張係数を有し、かつTFT方式の液晶ディ
スプレイの基板として使用可能な歪点を有するガラス、
すなわち、100〜300℃における平均線膨張係数が
34×10-7〜40×10-7-1で、歪点が630℃以
上であるガラスを得ることができる。そして、このガラ
スは、熔融性および成形性に優れたガラスである。
【0015】本発明のガラスにおいては、清澄剤とし
て、SnO2を0〜2モル%およびSb23を0.01
〜1モル%の割合で含有することが必要である。SnO
2は、1350〜1600℃程度の比較的高温で有効に
働く清澄剤であるが、清澄作用を十分に発揮させるに
は、比較的長時間を必要とする特性がある。そして、こ
れを液晶ディスプレイ基板用ガラスに含有させる場合
は、2モル%以下の範囲で選ばれる。つまり、SnO2
を大量に添加すると、液相温度が上がり成形時のトラブ
ルとなるため、成形法に応じた添加量が必要になるの
で、上記量が適切である。
【0016】一方、Sb23は、1100〜1400℃
程度の比較的低温で有効に働く清澄剤として少なくとも
0.01モル%以上必要な成分であるが、白金坩堝や通
電装置等の熔融装置を損傷させるため、これを液晶ディ
スプレイ基板用ガラスに含有させる場合は、1モル%以
下にすべきである。
【0017】そして、前記Sb23とSnO2を適量ず
つ配合することにより、熔解ガラスが熔解槽および清澄
槽内を通過する際に、比較的低温の部分から高温部分ま
で清澄作用を受けることができる。つまり、SnO2
Sb23を加えることにより、熔解槽もしくは清澄槽の
高温部分に熔解ガラスが滞在する時間が短い場合でもS
23による清澄作用を受け、平均的に泡品質の高いガ
ラスが得られる。
【0018】なお、上記SnO2とSb23の合計含有
量は2モル%以下である。この合計含有量が2モル%を
超えると歪点が低下しすぎるなどの不都合が生じる。本
発明の液晶ディスプレイ基板用ガラスにおいては、必要
により、前記各成分以外に、ZnO、PbO、La23
およびZrO2の中から選ばれる少なくとも1種を5モ
ル%以下の割合で含有させることができる。そして上記
各成分の含有量は、ZnO 0〜2モル%、PbO 0
〜1モル%、La23 0〜1モル%およびZrO2
0〜1モル%である。
【0019】ZnOは得られるガラスの膨張係数を上げ
ずに粘性を低下させ、かつ耐失透性を向上させる成分と
して効果的であるが、得られるガラスの歪点を低下させ
ると共に耐硝酸性を低下させる成分でもあるため、含有
させる場合は2モル%以下の範囲で選定される。
【0020】PbOは得られるガラスの耐失透性を向上
させる成分として効果的であるが、得られるガラスの歪
点を低下させるとともに、熔解時の粘性を上げる成分で
もあるため、含有させる場合は1モル%以下の範囲で選
定される。
【0021】La23は得られるガラスの歪点を低下さ
せずに耐失透性を向上させる成分として効果的である
が、高価であると共に、得られるガラスの耐硝酸性を低
下させる成分でもあるため、含有させる場合は1モル%
以下の範囲で選定される。
【0022】ZrO2は、得られるガラスの歪点を上
げ、耐フッ酸性および耐硝酸性を向上させる成分として
効果的であるが、得られるガラスの耐失透性を低下させ
る成分でもあるため、含有させる場合は1モル%以下の
範囲で選定される。
【0023】本発明の液晶ディスプレイ基板用ガラス
は、各成分の原料として、ガラスの原料として一般に使
用される酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等を用い、
これらの原料を所定の酸化物換算組成となるような割合
で秤量・混合した後、通常のガラス熔融装置を用いて1
500〜1650℃程度で熔融し、脱泡、均質化を行っ
てから所定の形状に成形、徐冷することにより得られ
る。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、各例で得られたガラスの特性
として、清澄性、平均線膨張係数、歪点、粘度、耐フッ
酸性、耐硝酸性および耐失透性を求めた。測定方法は下
記のとおりである。
【0025】(1)清澄性 液晶ディスプレイ基板用ガラスを作成する際に、200
mlの白金坩堝にて熔融を行うとともに1600℃での熔
融時間を約3時間とした場合、ガラス内部において目視
確認できる範囲で数えたガラス1g当たりの泡数で清澄
性を評価する。 (2)平均線膨張係数 100〜300℃における平均線膨張係数(α100300
で示す)を測定する。単位は×10-7-1である。 (3)粘度 1500℃における粘度を測定する。単位はポアズであ
る。 (4)耐フッ酸性 25℃の5重量%HF水溶液に3時間浸漬した後に乾燥
させ、浸漬前後のガラスの重量減で耐フッ酸性を評価す
る。単位はmg/cm2・hrである。 (5)耐硝酸性 80℃の30重量%HNO3水溶液に3時間浸漬した後
に乾燥させ、浸漬前後のガラスの重量減で耐硝酸性を評
価する。単位は×10-2mg/cm2・hrである。 (6)耐失透性 ガラス約100gを容量100ccの白金坩堝に入れ、こ
の白金坩堝に白金製の蓋をして1100℃で24時間放
置し、放置後のガラス内部における結晶(失透)発生有
無を顕微鏡観察して、その耐失透性を評価する。
【0026】実施例1 原料として、珪石粉、硼酸、アルミナ、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、炭酸バリウ
ム、酸化錫及び酸化アンチモンを用い、これらを酸化物
換算量で表1に示す組成となるような割合で混合した
後、1600℃で熔融し、脱泡、均質化を行ってから板
状に成形、徐冷して、120×150×5mmの板状を呈
する液晶ディスプレイ基板用ガラスを得た。得られたガ
ラスの特性を表1に示す。
【0027】本実施例においては、清澄性を確保するた
めに、酸化錫及び酸化アンチモンの2種類の清澄剤を用
いている。すなわち、液晶基板用ガラスを作成する際
に、酸化剤として例えば硝酸塩を添加することで、低温
時にガラス原料の融液中Sb23が酸素を吸収してSb
25に変化し、温度が上昇し1100〜1400℃にな
ると熱分解して酸素を発生し、この酸素の大きな泡が液
面へ上昇する。この際、該泡がガラス中の微細な泡と結
合もしくは吸収して上昇し、ガラス中に存在する微細な
泡を減少させる。さらに、ガラス中に溶存するガス成
分、例えばCO2、N2、SO2、H2O等を、前記酸素の
泡中に拡散させることで、ガラス中の過飽和ガス成分を
減少させる。このようにして、Sb23とSnO2を適
量ずつ添加することで、1100〜1600℃の広範囲
な温度域で清澄作用が発揮され、液晶ディスプレイ基板
用ガラスの清澄性が確保された。また、この熱分解温度
の違いにより、比較的温度の上がりにくい設備において
は、Sb23を多くし、温度の上げ易い設備に於いて
は、SnO2を多くすることで、清澄剤としての効果を
より大きくすることができる。
【0028】実施例2〜5 原料として珪石粉、硼酸、アルミナ、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、炭酸バリウ
ム、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を用い、これ
らを酸化物換算量で表1、表2に示す組成となるような
割合で混合した後、1600℃で熔融し、脱泡、均質化
を行ってから板状に成形、徐冷して、実施例1と同一形
状の液晶ディスプレイ基板用ガラスを得た。得られたガ
ラスの特性を表1、表2に示す。
【0029】比較例1 表2に示すように、TFT方式の液晶ディスプレイ用基
板として多用されているバリウム硼珪酸無アルカリガラ
スに類似する組成のガラスを得た。ただし、清澄剤とし
て亜砒酸を使用しているので、このガラスは有害物As
23を含有しているという点で環境上の問題とはなって
いるが、物性上は良好な特性を示すガラスである。得ら
れたガラスの特性を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1、表2から明らかなように、実施例1
〜5で得られた本発明の液晶ディスプレイ基板用ガラス
のα100300は36×10-7〜40×10-7-1であ
り、Si膜の線膨張係数と近似している。また、各ガラ
スの歪点はいずれも630℃以上であり、TFT方式の
液晶ディスプレイの基板として使用可能なものである。
【0033】また、1500℃における粘度はいずれの
ガラスでも103ポイズ未満であり、実用的な熔融性を
有していることが分かる。さらに、5重量%HF水溶液
に浸漬した場合の重量減が(8〜10mg/cm2・hr)、
30重量%HNO3水溶液に浸漬した場合の重量減が
(7×10-2〜11×10-2mg/cm2・hr)であり、そ
れぞれ、耐フッ酸性および耐硝酸性に優れていることが
分かる。なお、5重量%HF水溶液による処理中および
30重量%HNO3水溶液による処理中のいずれにおい
ても、ガラス表面が白濁する現象は見られなかった。ま
た、いずれのガラスにおいても、1100℃で24時間
放置した後に結晶の発生は認められなかった。このこと
から各ガラスの失透温度は1100℃未満であり、実用
的な成形性を有していることが分かる。
【0034】一方、比較例1のバリウム硼珪酸無アルカ
リガラスは、耐フッ酸性、耐硝酸性、熔融性、成形性、
歪点、α100300は問題ないが、実施例1〜5で得られ
た本発明の液晶ディスプレイ基板用ガラスに比べると、
亜砒酸をガラス成分として含有しているという点で環境
問題の点で劣っており、この亜砒酸は今後ガラスの一成
分として使用し難い。すなわち、実施例1〜5で得られ
た本発明の液晶ディスプレイ基板用ガラスについては、
特に有害物質を含んでいないために、製造現場に有毒な
物質を放置する必要がない上に、今後も製品として開発
が注目されている液晶ディスプレイ基板用ガラスの廃棄
においても有毒な廃棄物を排出することもなくなり、現
在注目されている環境問題の一要因を排除することがで
きるだけでなく、物理的特性の良い液晶ディスプレイ基
板用ガラスを得ることができる。
【0035】ここで、実施例1〜5においては、Zn
O、PbO、La23、ZrO2が添加されていない
が、実施例1〜5に示す液晶ディスプレイ基板用ガラス
においてこれらを添加することは可能である。そして、
これらを液晶ディスプレイ基板用ガラスに添加すること
によって、それぞれの成分の長所を更に生かした物理的
特性が得られることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】本発明の液晶ディスプレイ基板用ガラス
は、Siの線膨張係数と近似する線膨張係数を有し、か
つ、TFT方式の液晶ディスプレイ基板として使用可能
な歪点、TFTの製造工程で多用されるフッ酸及び硝酸
に対する良好な耐薬品性を有するとともに、環境上有害
な物質は含まれておらず、かつ実用的な熔融性および実
用的な成形性を有している。したがって、本発明を実施
することにより、TFT方式の汎用液晶ディスプレイ基
板として好適な、液晶ディスプレイ基板用ガラスを提供
することが可能となる。しかも、本発明おいては、ガラ
ス製造工程においても有害な物質を必要としないため、
環境を考慮した液晶ディスプレイ基板用ガラスとして、
今後のニーズの高まる液晶ディスプレイを含むコンピュ
ータ産業、通信産業、電子産業等において大いに寄与す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 316 G09F 9/30 316 Fターム(参考) 2H090 JB02 JD08 JD18 4G062 AA18 BB01 BB05 CC10 DA06 DB03 DB04 DC03 DC04 DD01 DE01 DE02 DE03 DF01 DF02 DF03 EA01 EB01 EC01 ED01 ED02 ED03 EE03 EF03 EG03 FA01 FA10 FB01 FC01 FC02 FD01 FE01 FE02 FE03 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FK02 FK03 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM27 NN34 5C094 AA01 AA33 AA36 AA60 BA03 BA43 CA19 EB02 FB02 GB10 JA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル%で、SiO2 65〜70%、B2
    3 8%以上12%未満、Al23 9〜13%、M
    gO 0〜5%、CaO 3〜7%、SrO1%以上3
    %未満およびBaO 1〜5%を含有し、かつこれらの
    合計含有量が93%以上で、SrOとBaOの合計含有
    量が2〜6%であり、さらにSnO2 0〜2%および
    Sb23 0.01〜1%を含有し、かつSnO2とS
    23の合計含有量が2%以下であることを特徴とする
    液晶ディスプレイ基板用ガラス。
  2. 【請求項2】 さらに、モル%で、ZnO、PbO、L
    23およびZrO2の中から選ばれる少なくとも1種
    を5%以下の割合で含有し、かつ各成分の含有量が、Z
    nO 0〜2%、PbO 0〜1%、La23 0〜1
    %およびZrO2 0〜1%である請求項1に記載の液
    晶ディスプレイ基板用ガラス。
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