JP2000001109A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2000001109A JP10169715A JP16971598A JP2000001109A JP 2000001109 A JP2000001109 A JP 2000001109A JP 10169715 A JP10169715 A JP 10169715A JP 16971598 A JP16971598 A JP 16971598A JP 2000001109 A JP2000001109 A JP 2000001109A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半径100mのコーナーを200km/h以
上の高速で旋回走行するような高速旋回性能の確保を可
能にした空気入りタイヤの提供。 【解決手段】 この空気入りタイヤは、ビード部1にお
けるビードコア2のタイヤ軸方向内側域からタイヤ半径
方向内側域にかけてのビードトウ部4からタイヤ内壁面
に沿う領域に、JIS−A硬度90°〜99°の補強ゴ
ム層を配設すると共にこの補強ゴム層の外側を高強度、
高弾性率の有機繊維コードからなるチェーファーで被覆
し、さらに、前記補強ゴム層のビードコア内側面からビ
ードトウ部先端までのタイヤ軸方向幅L2 がビードコア
のタイヤ軸方向最大幅L1 に対する比L2 /L1 を0.
5〜1.0、ビードトウ部先端部のタイヤ内壁面側チェ
ーファーとビードシート側チェーファーとのなす角度θ
をθ≧60°、前記補強ゴム層のリム径相当位置からの
高さHの前記最大幅L1 に対する比H/L1 を1.0よ
り大としてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速走行時の旋回
性能を向上させた空気入りタイヤに関し、特にレース用
として好適な空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の高性能化に伴い高速走行時
のタイヤの旋回性能の一層の向上が要望されている。す
なわち、車両が高速走行しながら旋回するときには旋回
外側のタイヤに過大な横力が作用し、車両外側のサイド
部とビード部がタイヤ内側に倒れ込み、これによって旋
回性能が制限されてしまう。
【0003】従来、上記のような旋回時のビード部の倒
れ込みを防止して高速走行時の旋回性能を高めるため
に、1本巻きスチールビードコアを使用すると共にビー
ドトウ部にJIS−A硬度80°〜98°のゴムストッ
クを配置し、このゴムストックの外表面に有機繊維コー
ドのチェーファーを配したビード部構造が提案されてい
る(特開平6-227216号公報) 。
【0004】しかしながら、このビード部構造では、最
近における一層の高速化に要望されている、例えば半径
100mのコーナーを200km/hの速度で走行する
場合においての操縦安定性能の確保は不可能になってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半径
100mのコーナーを200km/h以上の高速で旋回
走行するような高速旋回性能の確保を可能にした空気入
りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、左右一対のビ
ード部のビードコアにカーカス層が装架され、トレッド
部においてカーカス層の外側にベルト層がタイヤ1周に
亘って配置された空気入りタイヤにおいて、前記ビード
部におけるビードトウ部からタイヤ内壁面に沿う領域
に、JIS−A硬度90°〜99°の補強ゴム層を配設
すると共に該補強ゴム層の外側をタイヤ内壁面からビー
ドシートにかけて強度0.25KN/コード以上、弾性
率20KN/mm2 以上の有機繊維コードからなるチェ
ーファーで被覆し、さらに、前記補強ゴム層のビードコ
ア内側面からビードトウ部先端までのタイヤ軸方向幅L
2 がビードコアのタイヤ軸方向最大幅L1 に対する比L
2 /L1 、ビードトウ部先端部のタイヤ内壁面側チェー
ファーとビードシート側チェーファーとのなす角度θ、
前記補強ゴム層のリム径相当位置からの高さHの前記最
大幅L1 に対する比H/L1 を、それぞれ下記の関係に
したことを特徴とする。
【0007】0.5≦L2 /L1 ≦1.0 60°≦θ 1.0<H/L1 このように補強ゴム層を配設すると共にその補強ゴム層
をチェーファーで被覆し、さらに、比L2 /L1 、角度
θ、比H/L1 を定めたたため、半径100mのコーナ
ーを200km/h以上の高速で旋回走行しても、ビー
ドトウ部が高い圧縮強度を発揮してタイヤサイド部の大
変形を抑制するので、旋回性能を向上させることが可能
となる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1にレース用タイヤとして本発
明の空気入りタイヤを構成するビード部について、その
片側の子午線方向断面を例示する。図1に示すようなビ
ード部1は左右両側に対をなして設けられ、そこに埋設
されたビードコア2に2枚のカーカス層31 、32 が装
架されている。最内カーカス層31 は、その端部がビー
ドコア2の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻
き上げられ、カーカス層31 の端部はビードフィラー8
のほぼ中間部に位置する。一方、最外カーカス層32
カーカス層31 の巻き上げ部に沿ってその巻き上げ部の
外側に配置され、ビードトウ部4の先端に至っている。
トレッド部においてはこれらカーカス層31 、3 2 、の
外側に、複数枚のベルト層がタイヤ1周に亘って配置さ
れている(図示せず)。71 、72 は、ナイロン繊維コ
ード、ポリエステル繊維コードなどの一般の有機繊維コ
ードからなる補強層である。
【0009】ビードトウ部4からタイヤ内壁面に沿う領
域には、JIS−A硬度90°〜99°の補強ゴム層が
配設されている。JIS−A硬度90°未満ではビード
トウ部4が柔らか過ぎて高速旋回性能の向上をはかるこ
とができなくなり、一方、JIS−A硬度99°超では
ビード部剛性が高くなり過ぎてリム組みが困難になると
共にビードトウ欠け、ビード部のリムへの座りの悪化な
どが生じてしまう。
【0010】補強ゴム層6の外側(補強ゴム層6のタイ
ヤ軸方向内側面およびラジアル方向内側面)は、タイヤ
内壁面10からビードシート11にかけて強度0.25
KN/コード以上、弾性率20KN/mm2 以上の有機
繊維コードからなるチェーファー13で被覆している。
チェーファー13を構成する有機繊維コードは、強度
0.25KN/コード以上、弾性率20KN/mm2
上の高強度、高弾性率のものであって、例えば、芳香族
ポリアミド繊維コード、炭素繊維、ガラス繊維などであ
る。このうち、芳香族ポリアミド繊維コードを用いるの
が好ましい。また、このような有機繊維コードは、太さ
720d/2以上、好ましくは太さ1000d/2〜1
500d/2であって、チェーファーを構成する際のコ
ード打ち込み本数(エンド数)が29本/50mm以
上、好ましくは40本〜60本/50mmであるのがよ
い。さらに、チェーファーにおいては、有機繊維コード
がタイヤ周方向に対し20°〜90°で傾斜しているの
が好ましい。
【0011】補強ゴム層6の大きさとしては、補強ゴム
層6のビードコア内側面からビードトウ部先端までのタ
イヤ軸方向幅L2 が、ビードコア2のタイヤ軸方向最大
幅L 1 に対する比L2 /L1 、ビードトウ部先端部のタ
イヤ内壁面10側チェーファーとビードシート11側チ
ェーファーとのなす角度θ、補強ゴム層6のリム径相当
位置からの高さHの前記最大幅L1 に対する比H/L1
が、それぞれ下記の関係にある。
【0012】0.5≦L2 /L1 ≦1.0 60°≦θ 1.0<H/L12 /L1 が0.5未満では補強ゴム層(ビードトウ
部)の幅が狭すぎて実質的に旋回性能の向上をはかるこ
とができなくなり、一方、L2 /L1 が1.0を超える
と補強ゴム層(ビードトウ部)の幅が大きくなりすぎて
ビード部とリムとの嵌合性が悪化してしまう。また、角
度θが60°未満では補強ゴム層6の容量が減少するの
で補強ゴム層6の圧縮強度が小さくなって旋回性能が悪
くなる。θが80°を超えると補強ゴム層6の容量が大
きくなるのみで旋回性能の向上は望めない。したがっ
て、角度θは60°〜80°であるのがよい。H/L1
が1.0以下では、補強ゴム層6の容量が減少して補強
ゴム層6の圧縮強度が小さくなる。また、2.0を超え
ると圧縮強度がほぼ飽和する。したがって、H/L
1 は、1.0〜2.0の範囲にするとよい。
【0013】
【実施例】 タイヤサイズ 340/40 ZR13を同じくする
下記の本発明タイヤ1および従来タイヤ1を作製し、こ
れらのタイヤにつき、高速走行時の旋回性能を評価し
た。この結果を表1に示す。
【0014】本発明タイヤ1 図1に示すビード部構造を有する。ビードコア2は1本
巻きスチールビードコア。補強ゴム層6は下記内容のゴ
ム組成物からなる。補強ゴム層6の硬さは、JIS−A
硬度91°である。チェーファー13は太さ1000d
/2のアラミド繊維コード(芳香族ポリアミド繊維コー
ド)からなる。エンド数41本/50mm。アラミド繊
維コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度45°。 L2 /L1 =0.5。角度θ=60°。H/L1 =1.
5。
【0015】従来タイヤ1 チェーファー13を太さ840d/2の66ナイロン繊
維コードで構成すると共に、L2 /L1 =2.0、角度
θ=60°、H/L1 =3.0であることを除いて本発
明タイヤ1に同じ。高速走行時の旋回性能 :旋回性能試験は、一周が4.4
kmの半径100mのコーナーを有する試験コースで車
両を走行させた際のラップタイムと、半径100mのコ
ーナーの通過速度によって評価した。評価車両は3リッ
トルの競技専用車である。この結果を従来タイヤ1を1
00とする指数で示す。指数値の大きい方が旋回性能に
優れている。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、本発明タイヤ1
は従来タイヤ1に比して旋回性能に優れていることが判
る。
【0018】 上記の本発明タイヤ1につき、θ=6
0°、H/L1 =1.5に設定すると共に、L2 /L1
を0.25、0.5、0.75、1.0と変化させて、
高速走行時の旋回性能を同様に評価した。この結果を図
2に示す。図2では、上記の従来タイヤ1を100とす
る。図2から判るように、L2 /L1 =0.5〜1.0
の範囲で旋回性能が高い。
【0019】 上記の本発明タイヤ1につき、L2
1 =0.5、H/L1 =1.5に設定すると共に、θ
を50°、60°、70°、80°、90°と変化させ
て、高速走行時の旋回性能を同様に評価した。この結果
を図3に示す。図3では、上記の従来タイヤ1を100
とする。図3から判るように、θ=60°〜80°の範
囲で旋回性能が高い。
【0020】 上記の本発明タイヤ1につき、L2
1 =0.5、θ=60°に設定すると共に、H/L1
を0.5、1.0、1.5、2.0、と変化させて、高
速走行時の旋回性能を同様に評価した。この結果を図4
に示す。図4では、上記の従来タイヤ1を100とす
る。図4から判るように、1.0<H/L1 の範囲で旋
回性能が高い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ビ
ード部におけるビードトウ部からタイヤ内壁面に沿う領
域に、JIS−A硬度90°〜99°の補強ゴム層を配
設すると共にその補強ゴム層を高強度、高弾性率の有機
繊維コードからなるチェーファーで被覆し、さらに、比
2 /L1 、角度θ、比H/L1 を定めたたために、半
径100mのコーナーを200km/h以上の高速で旋
回走行するような高速旋回性能の確保を可能にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤのビード部の一例の子
午線方向断面図である。
【図2】幅L2 /L1 と高速走行時の旋回性能との関係
図である。
【図3】角度θと高速走行時の旋回性能との関係図であ
る。
【図4】高さH/L1 と高速走行時の旋回性能との関係
図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 ビードコア 31 、32 カー
カス層 4 ビードトウ部 6 補強ゴム層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のビード部のビードコアにカー
    カス層が装架され、トレッド部においてカーカス層の外
    側にベルト層がタイヤ1周に亘って配置された空気入り
    タイヤにおいて、前記ビード部におけるビードトウ部か
    らタイヤ内壁面に沿う領域に、JIS−A硬度90°〜
    99°の補強ゴム層を配設すると共に該補強ゴム層の外
    側をタイヤ内壁面からビードシートにかけて強度0.2
    5KN/コード以上、弾性率20KN/mm2 以上の有
    機繊維コードからなるチェーファーで被覆し、さらに、
    前記補強ゴム層のビードコア内側面からビードトウ部先
    端までのタイヤ軸方向幅L2 がビードコアのタイヤ軸方
    向最大幅L1 に対する比L2 /L1 、ビードトウ部先端
    部のタイヤ内壁面側チェーファーとビードシート側チェ
    ーファーとのなす角度θ、前記補強ゴム層のリム径相当
    位置からの高さHの前記最大幅L1 に対する比H/L1
    を、それぞれ下記の関係にした空気入りタイヤ。 0.5≦L2 /L1 ≦1.0 60°≦θ 1.0<H/L1
  2. 【請求項2】 前記チェーファーを構成する有機繊維コ
    ードは太さ720d/2以上であって、エンド数29本
    /50mm以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記有機繊維コードは芳香族ポリアミド
    繊維コードである請求項1又は2記載の空気入りタイ
    ヤ。
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