JP2010274796A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2010274796A
JP2010274796A JP2009129552A JP2009129552A JP2010274796A JP 2010274796 A JP2010274796 A JP 2010274796A JP 2009129552 A JP2009129552 A JP 2009129552A JP 2009129552 A JP2009129552 A JP 2009129552A JP 2010274796 A JP2010274796 A JP 2010274796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
vehicle
reinforcing layer
pneumatic tire
cord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009129552A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Koide
征史 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2009129552A priority Critical patent/JP2010274796A/ja
Publication of JP2010274796A publication Critical patent/JP2010274796A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビード部2o,2i、カーカス12並びにビードフィラー9o,9iを具え、ベルト11およびトレッド7を配置し、サイド部10o,10iを具えた空気入りタイヤ1であって、少なくとも車両装着時に外側となるサイド部10oに、ベルト11の幅方向端15oとビードフィラー9oのタイヤ径方向最外側端16oとに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層8oを具え、車両外側のサイド補強層のコード14oは、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コードとの交点における該円周Oの法線の、該円周O外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜していることを特徴とした、空気入りタイヤ1を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤに関するものである。
車両がコーナリングをする際、ハンドル操作により舵角を与えられた空気入りタイヤは、車両の進行方向と空気入りタイヤの向きとの間に角度差、いわゆるスリップアングル(SA)を生じ、横力を発生させる。車両は、空気入りタイヤが発生させるこの横力により、モーメントを受けて方向転換することができる。尚、図1は、車両コーナリング時の空気入りタイヤの転動の様子を示す斜視図である。
通常、小スリップアングルの領域においては、横力はこのスリップアングルの大きさに比例する。そのため、車両のコーナリング性能を向上させる方法として、タイヤのトレッド部にあるベルトの面内せん断剛性を増大させ、ベルトの面内曲げ変形を抑制することにより、タイヤが路面に追従するのを抑え、より大きなスリップアングルを得る方法が知られている。
しかし、車両のコーナリング時には、横力の着力中心がタイヤの中心よりも後方に位置するため、上記のような面内せん断変形を生じさせる力の他に、タイヤの姿勢角を路面と同方向に戻そうとする向きのモーメント、いわゆるセルフアライニングトルクが生じることが通例である。
このモーメントは、タイヤにねじれ変形を生じさせてスリップアングルを減少させるため、コーナリング時におけるタイヤの横力を低下させ、操縦安定性能を損ねる原因となる。これに対し、従来のようにタイヤトレッド部にあるベルトの面内せん断剛性を増大させるのみでは、タイヤのたわみ変形までも抑制して接地面積を減少させ、逆に操縦安定性能を損ねる結果となる。
また、例えば、特許文献1では、タイヤのサイドウォール部に補強層を具えたタイヤを記載しているが、このタイヤは、車両制動時の操縦安定性能の向上を図ったものであり、特に、コーナリング時の操縦安定性能を向上させるためには、より詳細なタイヤの設計が必要である。
特開2001−10313号公報
従って、本発明は、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
発明者らは、空気入りタイヤの操縦安定性能の向上を図る手法について、鋭意検討したところ、コーナリング時にコーナーの外側となるタイヤが路面より受ける、タイヤを実際の進行方向に戻そうとするモーメント、いわゆるセルフアライニングトルクの発生方向に対するタイヤのねじれ剛性を増大させることが効果的であることを知見し、本発明を完成するに到った。
即ち、上記課題を満たす本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該ビード部にビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーを具え、該カーカスのクラウン部の径方向外側にベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドと該ビード部との間にサイド部を具えた空気入りタイヤであって、
少なくとも車両への装着時に該車両の外側となるサイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
車両への装着時に該車両の外側となる側のサイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜していることを特徴とした空気入りタイヤ。
ここで、「前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る」とは、当該サイド補強層のタイヤ径方向最外側端が、前記ベルトの幅方向端よりもタイヤ幅方向内側に位置し、且つ、当該サイド補強層のタイヤ径方向最内側端が、前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端よりもタイヤ径方向内側に位置している状態を言う。
(2)車両への装着時に該車両の内側となるサイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
車両への装着時に該車両の内側となる側のサイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対方向に傾斜していることを特徴とした上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記サイド補強層のタイヤ径方向最外側端と前記ベルトの幅方向端とのタイヤ幅方向距離は、5mm以内である、上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記サイド補強層のタイヤ径方向最内側端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とのタイヤ径方向距離は、5mm以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、30〜50°である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記サイド補強層は、有機繊維から成るコードを有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記サイド補強層は、カーボン繊維から成るコードを有する上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
(8)前記サイド補強層は、芳香族ポリアミドから成るコードを有する上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
(9)前記サイド補強層は、ガラス繊維から成るコードを有する上記(1)〜(5)に記載の空気入りタイヤ。
(10)前記カーカスは、熱収縮性を持った材料から成るプライコードを有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明により、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
舵角を与えた際の空気入りタイヤの挙動を示す斜視図である。 本発明による空気入りタイヤの一実施形態(イ)の幅方向断面図である。 本発明による空気入りタイヤの一実施形態(ロ)の幅方向断面図である。 車両に装着した本発明による空気入りタイヤの実施形態(イ,ロ)の転動を、車両の外側から見たときの様子を示す側面図である。 車両に装着した本発明による空気入りタイヤの効果的な実施形態(イ,ロ)の転動を、車両の内側から見たときの様子を示す側面図である。 比較例としての空気入りタイヤの幅方向断面図である。 従来例としての空気入りタイヤの幅方向断面図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明による空気入りタイヤの一実施形態(イ)の幅方向断面図である。図2に示す空気入りタイヤ1は、一対のビード部2o,2i間にトロイダル状に跨るカーカス12を骨格とし、ビード部2o,2iのビードコア3o,3iからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー9o,9iを具え、カーカス12のクラウン部の径方向外側にベルト11およびトレッド7を順に配置し、トレッド7とビード部2o,2iとの間にサイド部10o,10iを具える。
尚、図示例では、前記カーカス12はラジアル、即ちタイヤの赤道Cに直交する複数のプライコードを持った2層のカーカス層4aおよび4bから成る。また、図示例では、前記ベルト11は、傾斜ベルト層5aおよび5bを有し、傾斜ベルト層5aおよび5bのタイヤ径方向外側にスパイラル補強層6を配置して成る。傾斜ベルト層5aおよび5bは、互いのプライコードがタイヤの赤道面Cに対して対象な傾斜角となるよう積層配置される。スパイラル補強層6は、相互に平行に引き揃えた有機繊維コードを一体的にゴム被覆してなるリボン状ストリップを螺旋巻回することにより成型される。
ここで、本発明による空気入りタイヤ1は、少なくとも車両への装着時に該車両の外側となるサイド部10oに、前記ベルト11の幅方向端15oと前記ビードフィラー9oのタイヤ径方向最外側端16oとに跨る複数本のコード14oのゴム引き布から成るサイド補強層8oを具えており、車両への装着時に該車両の外側となる側のサイド補強層8oの各コード14oは、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14oとの交点における該円周Oの法線nの、該円周Oに対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜していることが肝要である。
ここで、「前記ベルト11の幅方向端15oと前記ビードフィラー9oのタイヤ径方向最外側端16oとに跨る」とは、図示例のように、当該サイド補強層8oのタイヤ径方向最外側端17oが、ベルト11の幅方向端15oよりもタイヤ幅方向内側に位置し、且つ、当該サイド補強層8oのタイヤ径方向最内側端18oが、ビードフィラー9oのタイヤ径方向最外側端16oよりもタイヤ幅方向内側に位置している状態を言う。
車両の外側となるサイド部10oに、上記のサイド補強層8oを配設することにより、コーナリング時にコーナー外側のタイヤが受けるモーメント方向に対する、タイヤのねじれ剛性を増大させることができる。即ち、セルフアライニングトルクによるタイヤのねじれ変形を低減し、スリップアングルの減少を抑えることにより、タイヤの操縦安定性能を向上することが可能である。
また、図示例における空気入りタイヤ1は、車両への装着時に該車両の内側となるサイド部10iに、前記ベルト11の幅方向端15iと前記ビードフィラー9iのタイヤ径方向最外側端16iとに跨る複数本のコード14iのゴム引き布から成るサイド補強層8iを具えており、該サイド補強層8iの各コード14iは、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14iとの交点における該円周外側の法線nに対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対方向に傾斜している。
本発明による空気入りタイヤ1は、図示例のように、車両への装着時に該車両の内側となるサイド部10iに、上記のサイド補強層8iを具えることが好ましい。
図示例のように、車両の内側となるサイド部10iに、上記のサイド補強層8iを配することにより、コーナリング時にコーナー外側のタイヤが受けるモーメント方向に対する、タイヤのねじれ剛性をさらに増大させ、より効果的にねじれ変形を低減することができる。従って、操縦安定性能をさらに向上させることが可能である。
尚、本発明の空気入りタイヤは、車両の内側となるサイド部10iに、上記のサイド補強層8iを配することにより、構造上、車両の左右いずれの側の車輪に装着すべきかが定まる。即ち、図2に示す空気入りタイヤ1は、車両の右側の車輪に装着した際にのみ本発明の効果を得ることができるため、車両右側装着用の一実施形態(イ)である。
一方、図3に示す空気入りタイヤ100は、本発明による空気入りタイヤにおいて、車両左側装着用の一実施形態(ロ)である。即ち、図3に示す空気入りタイヤ100は、図2に示す空気入りタイヤ1の構造と鏡対称の構造を有するため、車両の左側の車輪に装着した際にのみ本発明の効果を得ることができる。空気入りタイヤ100は、図2に示す空気入りタイヤ1のサイド補強層8o,8iのコード14o,14iの傾斜を、前記法線に対して反対の傾斜とすることによって得ることができる。
さらに、本発明では、前記サイド補強層8o,8iのタイヤ径方向最外側端17o,17iと前記ベルト11の幅方向端15o,15iとのタイヤ幅方向距離tは、5mm以内であることが好ましい。
サイド補強層8o,8iに配設したコードの傾斜角は、ベルト11におけるベルト層に配設したコードの傾斜角と異なっているため、両者の重なり合う部分の面積を大きくし過ぎると、タイヤのショルダ部に、サイド補強層8o,8iの面内せん断剛性による影響が生じる可能性がある。しかし、両者の重なり合う部分の面積を適度に小さく、具体的には、サイド補強層8o,8iのタイヤ径方向最外側端17o,17iと前記ベルト11の幅方向端15o,15iとのタイヤ幅方向距離を5mm以内とすることにより、その可能性を排除することができ、より安全に本発明の効果を得ることができる。
加えて、本発明では、前記サイド補強層8o,8iのタイヤ径方向最内側端18o,18iと前記ビードフィラー9o,9iのタイヤ径方向最外側端16o,16iとのタイヤ径方向距離sは、5mm以上であることが好ましい。
通常、空気入りタイヤのビード部2o,2iは比較的硬質のゴム素材によって構成される場合が多く、タイヤの転動による変形量が少ない。そのため、このビード部は、サイド補強層8o,8iの面内せん断剛性による影響を受けることは無い。一方、このサイド補強層8o,8iをよりビード部に深く重ねることにより、サイド補強層とビード部とがより強固に結合し、タイヤのねじれ剛性を確保することができるので好ましい。サイド補強層8o,8iとビードフィラー9o,9iとの重なり幅sを5mm以上とすれば、サイド補強層は、十分強固にビード部と結合する。そのため、本発明においては、重なり幅sは5mm以上であることが好ましい。
さらに、図示例では、車両への装着時に該車両の外側となる側のサイド補強層8oの各コード14oは、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14oとの交点における該円周Oの法線nの、該円周外側部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に角度θoで傾斜しており、車両への装着時に該車両の内側となる側のサイド補強層8iの各コード14iは、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14iとの交点における該円周Oの法線nの、該円周外側部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に角度θiで傾斜している。
ここで、本発明においては、前記角度θoおよびθiは、30°≦θo≦50°,30°≦θi≦50°であることが好ましい。θoおよびθiを上記の角度の範囲におくことにより、セルフアライニングトルクの方向に対するねじれ剛性を最も強くさせることが可能である。これは、前記角度θoおよびθiが上記範囲内にあるとき、コードの弾性率がタイヤのねじれに対して最も効果的に作用するためである。
加えてまた、本発明では、前記サイド補強層8o,8iは、有機繊維から成るコード14o,14iを有することが好ましく、より好ましくは、カーボン繊維または芳香族ポリアミドから成る、コード14o,14iを有する。
有機繊維、芳香族ポリアミドおよびガラス繊維から成るコードは、一般的に引張変形に対する弾性率が大きい。従って、上記材料から成るコード14o,14iをサイド補強層8o,8iに設けることによって、タイヤのねじれ剛性は、より優れたものとなる。また、上記材料は、圧縮変形に対しては弾性率がそれほど大きくなく柔軟であるため、走行に必要なタイヤの変形を阻害しにくい。そのため、他性能との両立に便利である。
また、本発明では、前記サイド補強層8o,8iは、ガラス繊維から成るコード14o,14iを有することが好ましい。ガラス繊維は、上記材料と同様に引張変形に対する弾性率が大きい。そのため、ガラス繊維から成るコード14o,14iをサイド補強層8o,8iに設けることによって、上記同様、タイヤのねじれ剛性を増大させることが可能である。
また、本発明では、前記カーカス12は、熱収縮性を持った材料から成るプライコードを有することが好ましい。熱収縮性を持った材料から成るプライコードをタイヤのカーカス12に設けることによって、車両の走行時の温度上昇に伴って前記プライコードが強度を増し、操縦安定性能を向上させるためである。
以上に、車両右側装着用の空気入りタイヤの一実施形態(イ)の構造を基にして本発明を説明したが、上述したように、本発明は、図3に示した空気入りタイヤ100のように、車両左側装着用とすることもできる。空気入りタイヤ1の構造と空気入りタイヤ100の構造とは、鏡対称である。
図4は、図2に示す車両右側装着用の空気入りタイヤ1および図3に示す車両左側装着用の空気入りタイヤ100の転動の様子を、車両の外側から見たときの様子を示す側面図である。また、図5は、本発明の好ましい実施形態としての上記空気入りタイヤ1および空気入りタイヤ100の転動の様子を、車両の内側から見たときの様子を示す側面図である。
図4を見れば、車両装着外側のサイド補強層の各コード14oは、上記空気入りタイヤ1および空気入りタイヤ100のいずれにおいても、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14oとの交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜していることがわかる。
また、図5を見れば、車両装着内側のサイド補強層の各コード14iは、本発明の好ましい実施形態の上記空気入りタイヤ1および空気入りタイヤ100のいずれにおいても、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14iとの交点における該円周Oの法線nの、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対の方向に傾斜していることがわかる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。尚、図6は、比較例としての空気入りタイヤの幅方向断面図であり、図7は、従来例としての空気入りタイヤの幅方向断面図である。図6に示す空気入りタイヤ200は、ビードフィラー9のみに重なってベルト11に跨らないサイド補強層8をタイヤ両側に具えており、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。また、図7に示す空気入りタイヤ300は、サイド補強層を具えておらず、それ以外の構造は、図2に示した空気入りタイヤ1の構造と等しい。
図2および図3に示す構造に従い、タイヤサイズ245/45R18(タイヤの外径677mm、リム幅8.5インチ×リム径18インチ)とした乗用車用の高性能タイヤにつき、本発明による発明例タイヤ1〜10および比較例タイヤ1を製作した。また、同一サイズの乗用車用高性能タイヤにつき、図6に示す構造の比較例タイヤ2および図7に示す構造の従来例タイヤを製作した。その際、発明例タイヤおよび比較例タイヤの各タイヤについて、補強層に配するコードの角度、材質および補強層の幅を種々に変化させた。上記各タイヤの諸元を表1に示す。
ここで、表1に記載の発明例タイヤ10を除く上記各タイヤは、直径0.5mmのナイロンコードを有する2層のカーカス層4a,4bを具え、発明例タイヤ10においては、直径0.9mmのポリケトン繊維コードを有する2層のカーカス層4a,4bを具える。前記カーカス層4a,4bは、いずれもラジアル、即ち、赤道に対する傾斜角が90度であり、ビードコア3を経由して折り返される。タイヤのクラウン部(トレッド部7)を補強する2枚の傾斜ベルト層5a,5bは、直径0.18mmのスチールを3本撚り合わせた、いわゆる1×3タイプのコードを、赤道方向に対して40°の角度で互いに交差させて配置したものである。コードの打ち込み数は、35本/50mmである。
トレッド幅TWは245mmであり、下層の傾斜ベルト層5aの幅は240mm、上層の傾斜ベルト層5bの幅は220mmである。この傾斜ベルト層5a,5bのタイヤ径方向外側にはスパイラル補強層6が配置されており、スパイラル補強層6は、直径0.7mmの撚った芳香族ポリアミド(商品名ケブラー)を、打ち込み数50本/50mmで配置している。前記ケブラーの撚り数は、30回/100mm(コードの長さ100mmの中に30回の撚りがあるとの意)である。スパイラル補強層6の幅は250mmであり、全層について1層で形成されている。また、スパイラル補強層6の製造は、ケブラーコードを平行に2本並べて未加硫ゴムで覆いストリップ状として、これをタイヤ成型時に傾斜ベルト層の上に巻きつけて製造した。尚、トレッド部7には、所定の溝が配置されている。
尚、表1に示した「サイド補強層に用いたコードの角度」は、各コード14o,14iが、タイヤの回転軸を中心とする円周Oと該コード14o,14iとの交点における該円周Oの法線nの、該円周外側部分に対してのコード14の傾斜角であり、法線nから車両前進時のタイヤ回転方向への傾斜を正とする。即ち、この値が負である場合、上記コード14が、上記法線nに対して車両前進時のタイヤの回転方向と反対の方向に傾斜していることを示す。
また、表1における「サイド補強層の材質」の欄の記載については、以下に詳細に示す通りである。
〈ナイロン〉
直径0.7mmのナイロンコードを打ち込み数55本/50mmで配置しており、ナイロンコードにおけるナイロン繊維撚り数は、50回/100mmである。
〈カーボン繊維〉
直径0.1mmのカーボン繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
〈アラミド〉
直径0.9mmのアラミド繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、アラミド繊維コードにおけるアラミド繊維撚り数は30回/100mmである。
〈ガラス繊維〉
直径0.1mmのガラス繊維のモノフィラメントを250本/50mmで配置している。
発明例タイヤ10におけるカーカスの材料としては、直径0.9mmのポリケトン繊維コードを打ち込み数35本/50mmで配置しており、ポリケトン繊維コードにおけるポリケトン繊維の拠り数は30回/100mmである。
尚、各サイド補強層のゴムシートはベルトコーティングゴムと同質のものである。
さらに、表1における「サイド補強層の幅」の欄の記載については、以下に詳細に示す通りである。
〈ベルトからビード〉
図2および図3に示すタイヤのサイド補強層8o,8iの構造であり、前記距離tは、t=5mmであり、前記距離sは、s=25mmである。
〈サイドからビード〉
図6に示すタイヤのサイド補強層8の構造であり、該サイド補強層8のタイヤ径方向最外側端は、ベルト11の幅方向端からカーカス層4a,4b上の経路長さで10mm外側にある。サイド補強層8のタイヤ径方向内側端は、ビードフィラー9のタイヤ径方向最外側端よりもタイヤ径方向に25mm内側にある。
かくして得られたタイヤをリム組みし、後輪駆動のスポーツタイプの車両に装着した後、熟練ドライバーによるテストコース走行を実施した。限界時の操縦安定性能を調査するために激しい走行を行い、最高時速は200km/hに達した。その際の操縦安定性能能を、10点満点で評価した。表1にその試験結果を示す。
Figure 2010274796
比較例タイヤ1は、車両外側の補強層のコードの傾斜角を負とし、車両内側の補強層のコードの傾斜角を正としたタイヤの一例である。表1より、比較例タイヤ1は、従来例タイヤよりも、操縦安定性能に劣ることがわかる。これは、車両外側の補強層のコードの傾斜角を負としたことにより、コーナリング時にコーナー外側のタイヤが受けるモーメント方向に対するねじれ剛性が低下したためである。
比較例タイヤ2は、図6に示すように、タイヤ両側の補強層8のタイヤ径方向最外側端が、ベルト11の幅方向端に重なっていないタイヤの一例である。比較例タイヤ2については、従来例タイヤに対比した操縦安定性能能の向上を知見することができなかった。これは、前記補強層8のタイヤ径方向最外側端が、ベルト11の幅方向端に重なっていないため、タイヤのねじれ剛性が十分に向上しなかったためである。
発明例タイヤ1は、本発明に従うタイヤの一例であり、車両両側の補強層8o,8iにつき、コードの傾斜角を正としたタイヤである。表1より、発明例タイヤ1は、上記従来例タイヤおよび比較例タイヤ1,2に比べ、操縦安定性能に優れていることがわかる。これは、車両外側の補強層のコードの傾斜角を正としたことにより、コーナリング時にコーナー外側のタイヤが受けるモーメント方向に対するねじれ剛性を効果的に増大させることができたためである。
発明例タイヤ2〜6は、本発明に従うタイヤの例であり、車両外側の補強層8oのコードの傾斜角を正とし、車両内側の補強層のコードの傾斜角を負とし、上記各コードの傾斜角を種々に変化させたタイヤである。表1より、発明例タイヤ2〜6は、上記従来例タイヤおよび比較例タイヤ1,2に比べ、格段に操縦安定性能に優れていることがわかる。また、発明例タイヤ6は、上記発明例タイヤ1よりも操縦安定性能に優れていることがわかる。これは、車両内側の補強層のコード傾斜角を負としたことにより、さらに、上記のねじれ剛性が増大したためである。
また、表1より、各コードの傾斜角θoおよびθiが、θo=40°,θi=−40°に近いほど、タイヤの操縦安定性能が向上することがわかる。特に、前記角度θoおよびθiを、30°≦θo≦50°,30°≦θi≦50°とした発明例タイヤ4〜6は、格段に操縦安定性能に優れていた。これは、θoおよびθiを上記範囲におくことにより、コードの弾性率が、タイヤのねじれに対して最も効果的に作用したためである。θo=40°,θi=−40°とした発明例タイヤ6は、発明例タイヤ2〜6の中で最も操縦安定性能に優れていた。
以上の結果から、本発明においては、前記角度θoおよびθiは、30°≦θo≦50°,30°≦θi≦50°であることが好ましいと言える。
発明例タイヤ7〜9は、発明例タイヤ6と同一の構造につき、サイド補強層の材質を種々に変化させたものである。表1より、サイド補強層にカーボン繊維から成るコードを有する発明例タイヤ7、サイド補強層にアラミド、即ち芳香族ポリアミドから成るコードを有する発明例タイヤ8、並びに、サイド補強層にガラス繊維から成るコードを有する発明例タイヤ9は、サイド補強層にナイロンコードを使用した発明例タイヤ6に対し、いずれも操縦安定性能に優れている。
これは、一般的に引張変形に対する弾性率が大きい上記材料をコードとし、サイド補強層8o,8iに設けたことによって、タイヤのねじれ剛性をさらに向上させることができたためである。以上の結果から、本発明においては、前記サイド補強層8o,8iは、カーボン繊維または芳香族ポリアミド或いはガラス繊維から成るコードを有することが好ましいと言える。
発明例タイヤ10は、発明例タイヤ6と同一の構造につき、カーカス層の材質をポリケトン繊維、即ち、熱収縮性を持った材料としたものである。表1より、カーカス層にポリケトン繊維、即ち、熱収縮性を持った材料から成るコードを有する発明例タイヤ10は、カーカス層にナイロンコードを使用した発明例タイヤ6よりも操縦安定性能に優れていることがわかる。
これは、上記熱収縮性を持った材料から成るコードが、車両の走行によるタイヤの温度上昇に伴って収縮して引張強度を増すことによって、タイヤのねじれ剛性を増大させるためである。以上の結果より、本発明においては、前記カーカス12は、熱収縮性を持った材料から成るコードを有することが好ましいと言える。
以上の結果から、本発明により、操縦安定性能に優れた空気入りタイヤを提供することが可能であると言える。
C タイヤの赤道
θ 補強層コードの傾斜角
O 円周
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 ビードコア
4 カーカス層
4a カーカス層(内側)
4b カーカス層(外側)
5 傾斜ベルト層
5a 傾斜ベルト層(最大)
5b 傾斜ベルト層
6 スパイラル補強層
7 トレッド部
8 サイド補強層
8o サイド補強層(車両外側)
8i サイド補強層(車両内側)
9 ビードフィラー
10 サイド部
10o サイド部(車両外側)
10i サイド部(車両内側)
11 ベルト
12 カーカス
13 リム
14 サイド補強層のコード
14o サイド補強層のコード(車両外側)
14i サイド補強層のコード(車両内側)
15 ベルト端
16 ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端
17 サイド補強層のタイヤ径方向最外側端
17o サイド補強層のタイヤ径方向最外側端(車両外側)
17i サイド補強層のタイヤ径方向最外側端(車両内側)
18 サイド補強層のタイヤ径方向最内側端
18o サイド補強層のタイヤ径方向最内側端(車両外側)
18i サイド補強層のタイヤ径方向最内側端(車両内側)

Claims (10)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該ビード部にビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーを具え、該カーカスのクラウン部の径方向外側にベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドと該ビード部との間にサイド部を具えた空気入りタイヤであって、
    少なくとも車両への装着時に該車両の外側となるサイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
    車両への装着時に該車両の外側となる側のサイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向に傾斜していることを特徴とした空気入りタイヤ。
  2. 車両への装着時に該車両の内側となるサイド部に、前記ベルトの幅方向端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とに跨る複数本のコードのゴム引き布から成るサイド補強層を具え、
    車両への装着時に該車両の内側となる側のサイド補強層の各コードは、タイヤの回転軸を中心とする円周と該コードとの交点における該円周の法線の、該円周外側の部分に対して、車両前進時のタイヤ回転方向と反対方向に傾斜していることを特徴とした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイド補強層のタイヤ径方向最外側端と前記ベルトの幅方向端とのタイヤ幅方向距離は、5mm以下である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイド補強層のタイヤ径方向最内側端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向最外側端とのタイヤ径方向距離は、5mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイド補強層のコードの前記法線に対する傾斜角は、30〜50°である、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイド補強層は、有機繊維から成るコードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイド補強層は、カーボン繊維から成るコードを有する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイド補強層は、芳香族ポリアミドから成るコードを有する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記サイド補強層は、ガラス繊維から成るコードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記カーカスは、熱収縮性を持った材料から成るコードを有する請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2009129552A 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ Withdrawn JP2010274796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129552A JP2010274796A (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129552A JP2010274796A (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010274796A true JP2010274796A (ja) 2010-12-09

Family

ID=43422169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009129552A Withdrawn JP2010274796A (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010274796A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014069719A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP2017202754A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014069719A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP2017202754A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2017195889A1 (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
CN109070639A (zh) * 2016-05-12 2018-12-21 横滨橡胶株式会社 充气轮胎
US11135876B2 (en) 2016-05-12 2021-10-05 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire
CN109070639B (zh) * 2016-05-12 2023-09-05 横滨橡胶株式会社 充气轮胎

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1837205B1 (en) Pneumatic tire
JP4829895B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP4535460B2 (ja) 自動二輪車用空気入りラジアルタイヤ
WO2016067513A1 (ja) 乗用車用空気入りタイヤ
JP4698525B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5294396B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4677116B2 (ja) 二輪車用ラジアルタイヤ
JP2008265411A (ja) 空気入りタイヤ
JP5770847B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2010274799A (ja) 空気入りタイヤ
JP2008143347A (ja) 空気入りタイヤ
JP4978087B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2010274796A (ja) 空気入りタイヤ
US20110073232A1 (en) Motor vehicle tire
EP0549311A1 (en) Motorcycle radial tyre
JP5293015B2 (ja) レーシングカート用バイアスタイヤ
JP3843182B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5788217B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2003011614A (ja) 二輪車用タイヤ
JP2005231558A (ja) カート用空気入りタイヤ
JP2008254532A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010247698A (ja) ランフラットタイヤ
JP5013522B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006315523A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006069338A (ja) ラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120807