JP2000000088A - グルタミナ―ゼ活性が増強された微生物培養物及びその利用 - Google Patents

グルタミナ―ゼ活性が増強された微生物培養物及びその利用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルタミナーゼ活性が増強された微生物培養
物とその調製方法を提供すると共に、該微生物培養物を
用いた蛋白質加水分解物の製造方法と該方法により得ら
れる蛋白質加水分解物を提供すること。 【解決手段】 グルタミナーゼ産生能を有する微生物の
培養中のカタボライトリプレッションを解除すること並
びに必要により培養中期に窒素源を供給することを特徴
とするグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物の
調製方法;該方法で調製される微生物培養物;該微生物
培養物を、蛋白質分解酵素の存在下、無塩もしくは食塩
濃度3%(重量/容量)以下の条件下で蛋白質に作用さ
せることを特徴とする蛋白質加水分解物の製造方法並び
に該方法により製造される蛋白質加水分解物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルタミナーゼ活
性が増強された微生物培養物の調製方法に関し、詳しく
はグルタミナーゼ産生能を有する微生物の培養中のカタ
ボライトリプレッションを解除すること並びに必要によ
り培養中期に窒素源を補給することによって、グルタミ
ナーゼ活性が増強された微生物培養物を調製する方法に
関する。また、本発明は、グルタミナーゼ活性が増強さ
れた微生物培養物、該微生物培養物を用いた蛋白質加水
分解物の製造方法及び該製造方法により得られる蛋白質
加水分解物に関する。この蛋白質加水分解物は、グルタ
ミン酸含有量が高いために呈味力が強く、調味料として
の利用価値が高い。
【0002】
【従来の技術】グルタミナーゼは、生物界に広範に分布
する酵素であり、L−グルタミンに作用し、アミド基を
加水分解してL−グルタミン酸とアンモニアに分解する
酵素である。L−グルタミン酸を水酸化ナトリウムまた
は炭酸ナトリウムで中和することによって得られるL−
グルタミン酸ナトリウムは、あらゆるうま味の基本物質
である。この物質の最大の用途は調味料で、家庭用のみ
ならず加工食品の製造になくてはならない添加物であ
る。
【0003】また、これまでに知られている天然調味料
の製造は、蛋白質の分解を経て行われるものが主流であ
った。天然調味料と称されるもののうち、分解型天然調
味料には酸分解型と酵素分解型がある。酸分解型調味料
には、大豆、小麦などの植物性蛋白質を原料として得ら
れるHydrolyzed Vegetable Proteinとゼラチン、乳カゼ
インなどの動物性蛋白質を原料として得られるHydrolyz
ed Animal Protein があり、その主成分であるアミノ酸
組成は原料により大きく異なり、呈味、甘味などに影響
を及ぼす。例えば、脱脂大豆の塩酸分解法で得られる分
解液は、分解率(フォルモール態窒素/総窒素)が70
%以上、グルタミン酸遊離率(グルタミン酸/総窒素)
が1.2と高く、うま味の点においては極めて優れてい
る。
【0004】しかしながら、一般に塩酸分解法により蛋
白質加水分解物を得る場合、100℃で1〜2日間とい
う反応条件を要するが、このような高温で長時間の反応
は、エネルギー消費量が大きい。さらに、酸による蛋白
質の加水分解は簡便であるけれども、異臭の発生やアミ
ノ酸の過剰分解、中和のために高塩分となる等の欠点が
ある。その上、近年、酸分解法では人体に有害なモノク
ロロプロパノールやジクロロプロパノール等のクロロヒ
ドリンが生成することが指摘されており、食品素材とし
て問題になりつつある。
【0005】一方、酵素的にアミノ酸液を製造する方法
は、古くから多々試みられており、複雑な基質をアミノ
酸にまで分解するために複合酵素系を必要とし、通常そ
の目的を達成するためにはアスペルギルス・オリーゼ
(Aspergillus oryzae)を中心とする麹菌を用いてい
る。この方法で製造されるアミノ酸液の代表的なものと
しては醤油が挙げられる。醤油は、蛋白質原料を加熱処
理し、これに麹菌を繁殖させた後、食塩水中にて発酵、
熟成させることにより製造される。しかしながら、この
方法も多大の労力と時間を要するにも関わらず、アミノ
酸遊離率が低く、特に大豆蛋白質中に最も多量含有さ
れ、かつ呈味性に重要なグルタミン酸の遊離率が低いと
いう欠点がある。
【0006】このように蛋白質の酵素分解により製造さ
れる調味料は、近年欧州を中心にその需要が増加しつつ
あるものの、モノクロロヒドロキシプロパノール類及び
ジクロロプロパノール類を含まず、塩酸分解に匹敵する
旨味の強い調味料は存在しなかった。醤油製造において
グルタミン酸が不足する原因として、麹菌のグルタミナ
ーゼ活性の不足が挙げられる。そこで、固体培養におい
てプロテアーゼ高活性株とグルタミナーゼ高活性株との
細胞融合による高活性菌株の造成も行われている(S.Us
hijima, T.Nakadai: Agric. Biol. Chem., 51,(4),1051
(1987); S.Ushijima,T.Nakadai, K.Uchida: Agric. Bi
ol. Chem., 51(10),2781 (1987); S.Ushijima, T.Nakad
ai, K.Uchida: 醤研,17,(3),89 (1991),特公平 3-7327
1号公報、特公平 3-68672号公報)。
【0007】また、多くの酵素系が、消費速度の速い炭
素源によって、その酵素の生合成が阻害されるカタボラ
イトリプレッションを受けることが知られている(Auns
trp,K et al: “Microbial Technology" Vol.1(2nd edi
tion), Academic Press, NewYork,282(1979))。アスペ
ルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)では
プロリン代謝系酵素やアルコール利用系酵素での研究
が、アスペルギルス・オリーゼではタカアミラーゼ遺伝
子発現制御の研究が進んでおり、creA遺伝子産物である
creA蛋白質が、様々な酵素の合成の負の調整を行ってい
ることが知られている(塚越規弘:化学と生物,32(1),4
8 (1994))。
【0008】しかしながら、アスペルギルス・ニジュラ
ンスにおいて、培養時の窒素源がアンモニウムの場合、
グルタミナーゼの生産が抑制されるという報告のみで、
麹菌や酵母のグルタミナーゼがカタボライトリプレッシ
ョンを受けるという報告は無い。さらに、各菌株の液体
培養におけるグルタミナーゼに関しては以下のような報
告があるのみである。アスペルギルス・オリーゼ及びア
スペルギルス・ソーヤの液体培養におけるリン酸1カリ
ウム添加による菌体内グルタミナーゼ生産量の向上(山
崎達雄、稲森和夫、内田一生:醤研,22,(1),13 (199
6))、バチルス・リケニホルミス(Bacillus lichenifo
rmis)におけるグルタミンによるグルタミナーゼの誘
導、グルコースによる阻害(Cook.William R, Hoffman.
Joshua H, Bernlohr.Robert W : J.Bacteriol.,148
(1),365 (1981))、シュードモナス・ボレオポリス(Ps
eudomonas boreopolis) におけるグルタミンによるグル
タミナーゼの誘導(Berezov.T.T,Khisamov.G.Z, Evsee
v.L.P, Zanin.V.A: Byull. Eksp. Biol. Med.,76(10),
54(1973))、エシェリチア・コリ(Escherichia coli
におけるグルタミンによるグルタミナーゼ生産阻害(Va
rricchio, Frederick: Arch. Mikrobiol.,81(3),234 (1
972)) 、シュードモナス・フルオレッセンス (Pseudomo
nas fluorescens)におけるクエン酸、コハク酸、α−ケ
トグルタル酸添加によるグルタミナーゼ生産の減少(Ni
kolaev.A.Ya, Sokolov.N.N, Mardashev.S.R: Biokhimiy
a,36(3),643(1971))などである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、アスペルギルス属に属する微生物や酵母を含めた真
菌類のグルタミナーゼ生産の向上法に関しては殆ど報告
がない。従って、本発明の目的は、第1にグルタミナー
ゼ活性が増強された微生物培養物の調製方法を提供する
ことであり、さらに該グルタミナーゼ活性が増強された
微生物培養物、該微生物培養物を用いた蛋白質加水分解
物の製造方法、該方法により得られる蛋白質加水分解物
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、微生物の培養中の
カタボライトリプレッションを解除し、かつ必要により
培養中期に窒素源を供給することによりグルタミナーゼ
生産が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0011】請求項1記載の本発明は、グルタミナーゼ
産生能を有する微生物の培養中のカタボライトリプレッ
ションを解除すること並びに必要により培養中期に窒素
源を供給することを特徴とするグルタミナーゼ活性が増
強された微生物培養物の調製方法である。請求項2記載
の本発明は、カタボライトリプレッションの解除を、培
養中に炭素源を連続的又は間欠的に供給することにより
行う請求項1記載の方法である。請求項3記載の本発明
は、グルタミナーゼ産生能を有する微生物が、麹菌又は
酵母である請求項1記載の方法である。
【0012】請求項4記載の本発明は、請求項1記載の
方法により調製されるグルタミナーゼ活性が増強された
微生物培養物である。請求項5記載の本発明は、請求項
4記載のグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物
を、無塩もしくは食塩濃度3%(重量/容量%)以下の
条件で蛋白質に作用させることを特徴とする蛋白質加水
分解物の製造方法である。請求項6記載の本発明は、微
生物培養物を蛋白質に作用させる際に、当初通気及び攪
拌を行いながら15〜39℃の温度範囲で反応を行い、
次いで通気を停止して40〜60℃の温度範囲で反応を
行うことを特徴とする請求項5記載の蛋白質加水分解物
の製造方法である。
【0013】請求項7記載の本発明は、請求項5又は6
記載の方法により製造される蛋白質加水分解物である。
請求項8記載の本発明は、下記の特徴を有する蛋白質加
水分解物である。 (a)小麦グルテンを原料とする。 (b)全固形分中のグルタミン酸含有量がグルタミン酸
ナトリウムとして16〜36(重量/重量)%である。 (c)全固形分中の全窒素含有量が8〜13%(重量/
重量)である。 (d)全固形分中の総アミノ酸含有量が40〜72%
(重量/重量)である。 (e)全固形分中の食塩含有量が14%(重量/重量)
以下である。 (f)全固形分中の還元糖含有量が5%(重量/重量)
以下である。 (g)モノクロロヒドロキシプロパノール類及びジクロ
ロプロパノール類を含まない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いる微生物は、グルタ
ミナーゼ産生能を有する微生物であり、例えば前記した
ような、麹菌や酵母の他に、バチルス属微生物、シュー
ドモナス属微生物、エシェリチア属微生物などが挙げら
れる。これらの中では、麹菌が好適である。麹菌として
は、アスペルギルス・オリーゼ、アスペルギルス・ソー
ヤ等で代表される黄麹菌が好ましい。また、酵母として
は、ブレラ・デルキシーなどが用いられる。
【0015】本発明において使用する培地は、上記微生
物が生育し得るものであればよく、一般的に炭素源、窒
素源、補助因子などを含むものである。培地中の炭素源
については、グルコース、マルトース、フラクトース、
シュクロース等のような微生物による資化速度の速い炭
素源の場合、これらによるカタボライトリプレッション
を解除する目的から、培養中は低濃度に保つように供給
する必要がある。具体的には、培養液中の炭素源濃度
が、炭素源の供給を連続的に行う場合には、0.5%
(重量/容量)以下、好ましくは0.2%(重量/容
量)以下、間欠的に行う場合には、1.2%(重量/容
量)以下、好ましくは0.5%(重量/容量)以下にな
るように供給すべきである。なお、グルコースはデンプ
ンの加水分解物、シュクロースはモラセスのような形態
であってもよい。一方、ラクトース、マンニトール、ソ
ルボース等の微生物による資化速度が比較的遅い炭素源
に関しては、培養初期から通常量供給してもカタボライ
トリプレッションが発生することはない。それ故、これ
らは培養初期に0.5〜3.0%(重量/容量)、好ま
しくは1.0〜2.0%(重量/容量)を培地に添加す
る。上記の炭素源は単独で用いる他、2種以上を組み合
わせて用いても良い。このようにして、微生物の培養中
のカタボライトリプレッションを解除することによりグ
ルタミナーゼ生産を向上させ、高収率でグルタミナーゼ
を製造することができる。
【0016】培地中の窒素源の好適な例としては、硝酸
ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫
酸アンモニウム等の無機窒素源、カザミノ酸、ポリペプ
トン、バクトペプトン、大豆蛋白質、分離大豆蛋白質、
脱脂大豆、カゼイン等の有機窒素源、L−グルタミン酸
ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−プロ
リン、L−アラニン、グリシン、L−グルタミン等のア
ミノ酸類が挙げられる。特に、培養中期にこのような窒
素源を供給することにより、グルタミナーゼ生産をさら
に上昇させることができる。添加する窒素源の量は、
0.1〜2.0%(重量/容量)、好ましくは0.5〜
1.0%(重量/容量)である。上記の窒素源は単独で
用いる他、2種以上を組み合わせて用いても良い。な
お、アンモニウム及びグルタミンを窒素源として使用す
る場合、グルタミナーゼの生産が抑制されることがある
が、少量ずつ添加を行うことにより生産抑制を回避する
ことができる。
【0017】さらに、補助因子としては、硫酸マグネシ
ウム7水和物、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素1
ナトリウム、リン酸水素1カリウム、リン酸水素2カリ
ウム、肉エキス、塩化カリウム、コーンスティープリカ
ーなどがあり、これらを適宜選択して使用する。これら
の添加量について述べると、例えば硫酸マグネシウムを
約0.5%(重量/容量)、リン酸水素1カリウムを約
0.5%(重量/容量)用いることが最適である。
【0018】さらに、初発の培養条件は、通常の好気的
培養条件でよく、pH4.5〜9.0、好ましくはpH
5.5〜8.5、温度15〜40℃、好ましくは25〜
35℃が適当である。また、攪拌数や通気量について
は、培養環境を好気的に保つことができる条件であれば
いかなる条件でも差し支えない。本発明の方法に従って
微生物を培養することにより、グルタミナーゼ活性は通
常の約2〜32倍に向上し、高収率でグルタミナーゼを
製造することができる。従って、本発明において「グル
タミナーゼ活性が増強された」という表現は、該活性が
グルコースを初発濃度で1.5%(重量/容量)含有す
る培地で培養中に炭素源を供給することなく培養したと
きに得られる該活性の約2倍以上、好ましくは約5倍以
上に増強されていることを意味する。また、麹菌などを
用いて調味料を製造する場合、本発明の方法を適用する
ことによって、培養液中のグルタミナーゼ生産量が向上
し、高品質の製品を効率よく大量に製造することができ
る。
【0019】このようにして得られた高グルタミナーゼ
活性を有する微生物培養物は、蛋白質分解酵素の存在
下、蛋白質に作用させることにより、旨みの強い加水分
解物を得ることができる。使用する蛋白質分解酵素とし
ては、市販の酵素製剤でよく、細胞壁分解酵素等他の酵
素を含むものであっても構わない。また、精製した酵素
も使用することができる。特に、グルタミナーゼ活性を
増強させる微生物として麹菌を使用する場合、麹菌自ら
が蛋白質分解酵素を生産するため、培養物中にグルタミ
ナーセ活性と蛋白質分解酵素活性の両方が含まれてお
り、蛋白質分解酵素を外から添加する必要は必ずしもな
い。
【0020】本発明の高グルタミナーゼ活性を有する微
生物培養物を作用させる蛋白質としては、例えば大豆、
小麦、小麦グルテン、コーンミール、ミルクカゼイン、
フィッシュミール等であり、更に脱脂大豆あるいは膨化
や可溶化等の加工をされた種々の蛋白質、あるいはこれ
らの種々の蛋白原料からの分離蛋白質でもよい。特に、
小麦グルテン等のグルタミンを多く含む蛋白質は、高グ
ルタミナーゼ活性を有する微生物培養物を作用させるの
に適している。また、高グルタミナーゼ活性を有する微
生物培養物を蛋白質に作用させる条件について述べる
と、例えば0.2〜50%、好ましくは1〜20%の濃
度の原料に高グルタミナーゼ活性を有する微生物培養物
を蛋白質分解酵素存在下で混合し、5〜60℃、好まし
くは30〜50℃にて、4時間〜10日間、好ましくは
10時間〜5日間反応させればよい。なお、上記の蛋白
原料には、澱粉等の炭水化物が含まれることがあり、反
応中に加水分解されてグルコース等の還元糖が生成する
ことがある。製造される蛋白加水分解物に還元糖が残存
すると、褐変を起こす原因となるため、還元糖の量を反
応生成物中の全固形分に対し5%(重量/重量)以下、
好ましくは3%(重量/重量)以下、さらに好ましくは
1.5%(重量/重量)以下に調整することが望まし
い。具体的には、まず、通気及び攪拌を行いながら15
〜39℃、好ましくは25〜38℃の温度範囲で反応を
行い、還元糖を資化させた後、通気を停止して40〜6
0℃、好ましくは41〜50℃の温度範囲で反応を行っ
たのち反応を終了させることにより、反応生成物中の還
元糖の量を低減することができる。反応温度を移行させ
る時点は、反応開始後、全反応時間の10〜60%を経
過した時点である。
【0021】蛋白質の加水分解反応は、無塩もしくは食
塩濃度3%(重量/容量)以下の低塩条件下で行う。蛋
白分解酵素及びグルタミナーゼは食塩により活性が阻害
されることがあり、食塩濃度が低い方が反応速度が向上
するので好ましい。但し、反応中、防腐の目的で少量の
エタノール、食塩を添加してもよい。反応終了後、未反
応の原料蛋白質、菌体などの不溶物は遠心分離や濾過
等、従来の分離法を用いて除去すればよい。また、必要
に応じて、固液分離後の液体区分を減圧濃縮、逆浸透法
などにより濃縮してもよい。特に、pHをアルカリ性に調
整した後、減圧下で濃縮を行うことにより、反応液中に
含まれるアンモニア含量を低減することができる。本発
明者らの知見によれば、グルタミン含量の高い小麦グル
テンを原料として使用した場合、蛋白質加水分解物中の
アンモニアが他原料由来のものと比べて多くなり、これ
が最終生産物の褐変を引き起こしている。従って、蛋白
質加水分解物からアンモニア含量を低減するすることが
望ましい。アンモニア含量は、全固形分中のアンモニア
態窒素量/全窒素量が0.35(重量/重量)以下、好
ましくは0.15(重量/重量)以下となるようにすれ
ばよい。更に、濃縮物は凍結乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥
等の乾燥処理により、粉末化又は顆粒化することができ
る。かくして外部からグルタミン酸ナトリウムを添加す
ることなく、グルタミン酸ナトリウム含有量が高く呈味
性の強い蛋白質加水分解物を得ることができる。
【0022】上記のようにして得られる蛋白質加水分解
物は、塩酸分解物とは異なり、モノクロロヒドロキシプ
ロパノール類及びジクロロプロパノール類を含まない。
これは、エキストレルーオカラムにより抽出し、フェニ
ルホウ酸による誘導体をガスクロマトグラフィー質量分
析法(GC−MS法)で検出する方法(牛島ら、食衛誌
36,3,360-364,1995)によって検出限界以下であること
により確認することができる。なお、モノクロロヒドロ
キシプロパノール類には、3-chloro-1,2-propandiol 、
2-chloro-1,3-propandiol 、ジクロロプロパノール類に
は、1,3-dichloro-2-propanol 、2,3-dichloro-1-propa
nol がある。上記の方法によるこれらの物質のの検出限
界は、液体試料では0.005ppm、粉末試料では0.0
5ppmである。
【0023】本発明の蛋白質加水分解物を各種食品(小
麦粉使用製品、即席食品類、農産・畜産・水産加工品、
乳製品、油脂類、冷凍食品、基礎及び複合調味料、菓子
類、嗜好飲料類、その他の食品)へ添加することによ
り、うま味の強化、甘味の強化、濃厚感・伸びの付与、
まろやかさの付与、風味の増強、塩味・酸味の緩和、異
風味のマスキング等の効果がある。特に、・醤油存在下
での甘味、まろやかさ、濃厚感の付与、・肉製品の異風
味のマスキング及び肉風味の増強、・ポーク、チキン、
ビーフ、魚介、野菜エキス併用時の風味増強、・香辛料
存在下での香辛料風味の増強及び辛味のエンハンスの効
果が強い。本発明の蛋白質加水分解物は、風味が弱く、
色が淡く、かつグルタミン酸ナトリウム含有量が高いの
で、食品のもとの風味を変えたり、色を強めることな
く、上記の効果を高めたり、うま味の強化が可能であ
る。また、核酸等の他のうま味成分や酵母エキス、蛋白
加水分解物との併用により、更にうま味・こく味の強い
食品の製造が可能となる。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明す
る。しかし、これらの実施例は本発明を限定するもので
はない。なお、アスペルギルス・オリーゼ(ATCC
11494)は、American Type Culture Collection
(12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852-
1776, U.S.A.)発行のカタログに、アスペルギルス・ソ
ーヤ(JCM 2250)及びブレラ・デルキシー(J
CM 5280)は、理化学研究所微生物系統保存施設
(埼玉県和光市広沢2−1)発行のカタログにそれぞれ
掲載されており、請求により分譲を受けることができ
る。
【0025】なお、実施例中におけるグルタミナーゼ活
性の測定法は以下の通りである。グルタミナーゼ活性
は、ヒドロキシルアミン存在下の酵素反応で生成するγ
−グルタミルヒドロキサム酸を定量するハートマンらの
変法(Hartman,S.C.: J. Biol. Chem., 243,853-863(19
68))に従い測定した。具体的には、試薬A(0.4M
トリスアミノメタン、0.2M 塩酸ヒドロキシルアミ
ン(pH7.0))と試薬B(100mM L−グルタ
ミン、20mM 還元グルタチオン(pH7.0))と
の等量混合液1mlに培養液200μlを加え、37℃
で1時間インキュベートする。次に、反応停止及び発色
のために、(1)3N 塩酸、(2)12% トリクロ
ロ酢酸及び(3)5% 塩化第二鉄6水和物を0.1N
塩酸溶液に溶解した溶液のそれぞれの等量混合液1m
lを加えて攪拌し、この反応液上清の525nmでの吸
光度を測定して酵素活性を求めた。なお、上記条件下に
おいて1分間に1μgのγ−グルタミルヒドロキサム酸
を生成させる酵素活性を1単位(U)とした。
【0026】実施例1 アスペルギルス・オリーゼを用
いたグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物の製
造 ラクトース又はグルコース1.5%、ポリペプトン1.
5%、硫酸マグネシウム7水和物0.5%、塩化カリウ
ム0.25%、リン酸水素1ナトリウム0.25%を含
む培地(pH無調整)2Lを総容量5Lのジャーファー
メンターに張り込み、オートクレーブ殺菌後、アスペル
ギルス・オリーゼ(ATCC 11494)を常法通り
接種した。なお、この際に接種する麹菌の形態は任意で
あり、胞子であっても、菌糸であっても差し支えない。
その後、温度30℃、攪拌数600rpm、通気量1/
2vvmにて48時間培養を行った。培養終了後、培養
物のグルタミナーゼ活性を測定した。その結果、培養液
のグルタミナーゼ生産量は、培地の炭素源が資化速度の
速いグルコースの場合、0.057(u/ml)であっ
たが、資化速度の遅いラクトースの場合は、0.185
(u/ml)であり、グルコースを用いたときと比べて
3倍以上のグルタミナーゼ生産量を示した。すなわち、
資化速度の遅い炭素源であるラクトースを用いることに
より、カタボライトリプレッションが解除され、生産量
が向上したわけである。
【0027】さらに、炭素源としてラクトースを使用し
た場合、培養中期にL−グルタミン酸ナトリウム1水和
物1.0%を添加して培養を継続することにより、グル
タミナーゼ生産量は0.401(u/ml)に向上し
た。以上の結果から、ラクトースを炭素源として用い、
かつ培養中期に窒素源であるL−グルタミン酸ナトリウ
ム1水和物1.0%を添加して培養を継続することによ
り、グルタミナーゼ生産量を約7倍に上昇させることが
できた。
【0028】実施例2 アスペルギルス・オリーゼを用
いたグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物の製
造 マンニトール又はシュクロース1.5%、ポリペプトン
1.5%、硫酸マグネシウム7水和物0.5%、塩化カ
リウム0.25%、リン酸水素1ナトリウム0.25%
を含む培地(pH無調整)2Lを総容量5Lのジャーフ
ァーメンターに張り込み、オートクレーブ殺菌後、アス
ペルギルス・オリーゼ(ATCC 11494)を常法
通り接種した。なお、この際に接種する麹菌の形態は任
意であり、胞子であっても、菌糸であっても差し支えな
い。その後、温度30℃、攪拌数600rpm、通気量
1/2vvmにて48時間培養を行った。培養終了後、
培養物のグルタミナーゼ活性を測定した。その結果、培
養液のグルタミナーゼ生産量は、培地の炭素源が資化速
度の速いシュクロースの場合、0.011(u/ml)
であったが、資化速度の遅いマンニトールの場合は、
0.148(u/ml)であり、シュクロースを用いた
ときと比べて13倍以上のグルタミナーゼ生産量を示し
た。すなわち、資化速度の遅い炭素源であるマンニトー
ルを用いることにより、カタボライトリプレッションが
解除され、生産量が向上したわけである。
【0029】さらに、炭素源としてマンニトールを使用
した場合、培養中期にL−グルタミン酸ナトリウム1水
和物1.0%を添加して培養を継続することにより、グ
ルタミナーゼ生産量は0.331(u/ml)に向上し
た。以上の結果から、マンニトールを炭素源として用
い、かつ培養中期に窒素源であるL−グルタミン酸ナト
リウム1水和物1.0%を添加して培養を継続すること
により、グルタミナーゼ生産量を約30倍に上昇させる
ことができた。
【0030】実施例3 アスペルギルス・ソーヤを用い
たグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物の製造 培地A(グルコース1.5%、ポリペプトン1.5%、
硫酸マグネシウム7水和物0.5%、塩化カリウム0.
25%、リン酸水素1ナトリウム0.25%(pH無調
整))又は培地B(ポリペプトン1.5%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.5%、塩化カリウム0.25%、リ
ン酸水素1ナトリウム0.25%(pH無調整))2L
を総容量5Lのジャーファーメンターに張り込み、オー
トクレーブ殺菌後、アスペルギルス・ソーヤ(JCM
2250)を常法通り接種した。なお、この際に接種す
る麹菌の形態は胞子であっても、菌糸であっても差し支
えない。その後、温度30℃、攪拌数600rpm、通
気量1/2vvmにて34時間培養を行った。培地Bで
発酵を開始するジャーファーメンターについては、グル
コースを0.2%以下に保つべく連続添加するものと、
同じくグルコースを0.2%以下に保つべく連続添加す
ると共に、培養中期である培養開始17時間目に窒素源
であるL−グルタミン酸ナトリウム1水和物1.0%を
添加するものの合計2基のジャーファーメンターを用意
した。
【0031】培養終了後、培養物のグルタミナーゼ活性
を測定した。その結果、培地Aで培養した培養液のグル
タミナーゼ生産量は0.002(u/ml)、培地Bで
グルコースを0.2%以下に保つべく連続添加した培養
液のグルタミナーゼ生産量は0.022(u/ml)、
培地Bでグルコースを0.2%以下に保つべく連続添加
し、培養17時間目にL−グルタミン酸ナトリウム1水
和物1.0%を添加して培養した培養液のグルタミナー
ゼ生産量は0.064(u/ml)を示した。以上の結
果から、資化速度の速いグルコースを培養開始時から高
濃度に添加して培養を行った場合のグルタミナーゼ生産
量に比べ、グルコースを低濃度で連続添加し、カタボラ
イトリプレッションを解除したものは、グルタミナーゼ
生産量が約11倍向上した。さらに培養中期にL−グル
タミン酸ナトリウム1水和物を添加して培養することに
より、麹菌のグルタミナーゼ生産量は32倍に向上する
ことがわかった。
【0032】実施例4 酵母を用いたグルタミナーゼ活
性が増強された微生物培養物の製造法 培地A(グルコース1.5%、バクトペプトン0.5
%、麦芽エキス0.3%、酵母エキス0.3%(pH無
調整))又は培地B(バクトペプトン0.5%、麦芽エ
キス0.3%、酵母エキス0.3%(pH無調整))2
Lを総容量5Lのジャーファーメンターに張り込み、オ
ートクレーブ殺菌後、ブレラ・デルキシー(JCM 5
280)を常法通り接種した。その後、温度25℃、攪
拌数800rpm、通気量1/2vvmにて55時間培
養を行った。培地Bにて発酵を開始するジャーファーメ
ンターは、グルコースを0.05%以下に保つべく連続
添加するものと、同じくグルコースを0.05%以下に
保つべく連続添加すると共に、培養中期の培養24時間
目に窒素源であるL−グルタミン酸ナトリウム1水和物
1.0%を添加するジャーファーメンターの2基を用意
した。
【0033】培養終了後、培養物のグルタミナーゼ活性
を測定した。その結果、培地Aで培養した培養液のグル
タミナーゼ生産量は0.121(u/ml)、培地Bで
グルコースを連続添加した培養液のグルタミナーゼ生産
量は0.252(u/ml)、培地Bでグルコースを連
続添加し、培養24時間目にL−グルタミン酸ナトリウ
ム1水和物1.0%添加して培養した培養液のグルタミ
ナーゼ生産量は0.486(u/ml)を示した。以上
のことから、資化速度の速いグルコースを培養開始時か
ら高濃度に添加して培養を行った際のグルタミナーゼ生
産量に比べ、カタボライトリプレッションを解除すべく
グルコースを低濃度で連続添加したものはグルタミナー
ゼ生産量が2.1倍向上した。さらに培養中期にL−グ
ルタミン酸ナトリウム1水和物を供給することにより、
グルタミナーゼ生産量は4倍に向上することがわかっ
た。
【0034】実施例5 以下の操作は無菌的に行った。オートクレーブ処理した
5%小麦グルテン(商品名:アジプロンG2:味の素
(株)製)溶液20mlに、実施例2記載のマンニトー
ルを炭素源としたアスペルギルス・オリーゼ(ATCC
11494)の培養物10mlを混合し、40℃で1
0時間、24時間、4日間、10日間反応させた。ま
た、実施例1記載のシュークロースを炭素源としたとき
のアスペルギルス・オリーゼの培養物10mlを用いた
ものを比較対照として同様に実施した。これらの反応物
の上清について全窒素量(T−N)、遊離グルタミン酸
量の測定を行った。グルタミン酸含量は酵素法により、
また全窒素量はケルダール法により求めた。これらの分
析値及びグルタミン酸量と全窒素量から求めたグルタミ
ン酸遊離率(グルタミン酸量/全窒素量)を第1表に示
す。第1表に示した通り、マンニトールを炭素源とした
ときのアスペルギルス・オリーゼの培養物を用いた小麦
グルテン分解液のグルタミン酸遊離率は、シュークロー
スを炭素源としたときよりも明らかに高い値であった。
また、それらの分解液は強い呈味を有していた。
【0035】
【表1】第1表 小麦グルテン分解液のグルタミン酸
遊離率比較
【0036】実施例6 以下の培養、分解反応は無菌的に行った。分離大豆蛋白
(商品名:アジプロンE3、味の素(株)製)1.5
%、硫酸マグネシウム7水和物0.5%、塩化カリウム
0.25%及びリン酸水素ナトリウム0.25%を含む
培地(pH無調整)2Lを総容量5Lのジャーファーメ
ンターに張り込み、オートクレーブ殺菌し、アスペルギ
ルス・オリーゼ(ATCC 11494)を常法通り接
種した。培養は、温度30℃、攪拌数600rpm、通
気量1/2vvmにて行った。培養中、グルコース溶液
を全添加量が1.5%(重量/容量)となるように、ま
た培養液中のグルコース濃度が0.5%を超えないよう
に間欠的に4回に分けて供給した。また、培養中期には
L−グルタミン酸ナトリウム0.5%を添加して培養を
継続し、48時間で培養を終了した。この培養物1Lと
5%小麦グルテン(商品名:アジプロンG2、味の素
(株)製)分散液2Lをオートクレーブ殺菌したものを
混合し、小型ジャーファーメンターで通気攪拌を行いな
がら、35℃で8時間反応させたのち、通気を停止し、
45℃で16時間分解反応を行った。この分解液をヌッ
チェを用いて固液分離した後、濾液のアンモニア濃度と
等モル量の水酸化ナトリウムを添加してエバポレーター
で濃縮し、アンモニアを除去した。濃縮液に塩酸を添加
してpH7.0とし、80℃で20分間加熱殺菌を行っ
た。冷却後、ヌッチェを用いて澱引きし、ディスク式の
スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、噴霧乾燥品を
得た。噴霧乾燥品の全窒素量、アンモニア態窒素量、食
塩含量、遊離アミノ酸量及び還元糖量を測定した。食塩
含量は塩化物含量より算出し、遊離アミノ酸量はアミノ
酸分析により測定した。また、還元糖はレーマンショー
ル法によりグルコース換算値として求めた。これらの分
析値を第2表、第3表に示す。第3表に示した通り、グ
ルタミナーゼ活性の高いアスペルギルス・オリーゼの培
養物を用いて小麦グルテンを加水分解することにより、
噴霧乾燥品としてグルタミン酸(グルタミン酸ナトリウ
ムとして)を29.9%(重量/重量)、全窒素量を
9.1%(重量/重量)、総アミノ酸量を55.4%
(重量/重量)含む呈味力の強い蛋白質加水分解物を製
造することができた。
【0037】
【表2】第2表 噴霧乾燥品のアミノ酸遊離量と遊離率
【0038】
【表3】第3表 噴霧乾燥品の分析値 *ク゛ルタミン酸ナトリウムとして
【0039】
【発明の効果】本発明により、グルタミナーゼ活性が増
強された微生物培養物が提供される。この微生物培養物
を用いることによって、蛋白質加水分解物を効率よく製
造することができる。得られた蛋白質加水分解物は、グ
ルタミン酸含有量が高いため、呈味力が強く、調味料と
しての利用価値が高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 9/80 C12R 1:69) (C12N 9/80 C12R 1:66)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタミナーゼ産生能を有する微生物の
    培養中のカタボライトリプレッションを解除すること並
    びに必要により培養中期に窒素源を供給することを特徴
    とするグルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物の
    調製方法。
  2. 【請求項2】 カタボライトリプレッションの解除を、
    培養中に炭素源を連続的又は間欠的に供給することによ
    り行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 グルタミナーゼ産生能を有する微生物
    が、麹菌又は酵母である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法により調製されるグ
    ルタミナーゼ活性が増強された微生物培養物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のグルタミナーゼ活性が増
    強された微生物培養物を、蛋白質分解酵素の存在下、無
    塩もしくは食塩濃度3%(重量/容量)以下の条件下で
    蛋白質に作用させることを特徴とする蛋白質加水分解物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 微生物培養物を蛋白質に作用させる際
    に、当初通気及び攪拌を行いながら15〜39℃の温度
    範囲で反応を行い、次いで通気を停止して40〜60℃
    の温度範囲で反応を行うことを特徴とする請求項5記載
    の蛋白質加水分解物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の方法により製造さ
    れる蛋白質加水分解物。
  8. 【請求項8】 下記の特徴を有する蛋白質加水分解物。 (a)小麦グルテンを原料とする。 (b)全固形分中のグルタミン酸含有量がグルタミン酸
    ナトリウムとして16〜36(重量/重量)%である。 (c)全固形分中の全窒素含有量が8〜13%(重量/
    重量)である。 (d)全固形分中の総アミノ酸含有量が40〜72%
    (重量/重量)である。 (e)全固形分中の食塩含有量が14%(重量/重量)
    以下である。 (f)全固形分中の還元糖含有量が5%(重量/重量)
    以下である。 (g)モノクロロヒドロキシプロパノール類及びジクロ
    ロプロパノール類を含まない。
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