JPH11191503A - 抵抗器及びこれを用いた陰極線管用電子銃 - Google Patents
抵抗器及びこれを用いた陰極線管用電子銃Info
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- JPH11191503A JPH11191503A JP9359782A JP35978297A JPH11191503A JP H11191503 A JPH11191503 A JP H11191503A JP 9359782 A JP9359782 A JP 9359782A JP 35978297 A JP35978297 A JP 35978297A JP H11191503 A JPH11191503 A JP H11191503A
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Abstract
り、寿命が長く小型化が図れる抵抗器、及びこの抵抗器
を備えた陰極線管用電子銃を提供する。 【解決手段】 基板6上に、ナトリウム濃度が50pp
m以下である導電膜からなる抵抗パターン5が形成され
て成る抵抗器2、及びこの抵抗器2を備えて成る陰極線
管用電子銃1を構成する。
Description
ーバーコートガラスを塗布して成る抵抗器、及びこれを
用いた陰極線管用電子銃、並びに抵抗器の製造方法に係
わる。
高解像度化の要求が非常に高まっている。
電界拡張レンズ(EFEAL:Extended Field Ellipti
cal Aperture Lens )構造の電子銃31が開発され、商
品化されてきている(SID '97 DIGEST p347-350(1997)
参照)。
緑G、青Bの3色に対応する電子ビームを発生させる3
つの陰極K、電子ビームを加速及び制御する各電極即ち
第1電極G1 、第2電極G2 、第3電極G3 、第4電極
G4 、第5電極G5 、後述の中間電極GM、第6電極G
6 、及びコンバージェンスカップ35を有し、電子銃3
1の長手方向と略平行に抵抗器32が取り付けられて成
る。図3中33はステム、34はステムピンである。
来のフォーカス電圧(例えば6kV)とアノード電圧
(例えば27kV)の中間の電圧(例えば14kV)を
印加する新規の電極が必要になる。そこで、陽極側の第
6電極G6 とフォーカス電極である第5電極G5 との間
に中間電極GMを設けている。EFEAL型構造の電子
銃31では、第5電極G5、中間電極GM、第6電極
が、図示しないがそれぞれ3つの電子ビームに対応した
ビーム透過孔を有する電界補正電極板を内部に有し、各
電極G5 ,GM,G6が断面長円形の筒体とされてい
る。
14kVの中間の電圧を印加することにより、中間電極
GMの電界補正電極板(図示せず)のビーム透過孔への
電界のしみ込みで電子ビームの形状やコンバージェンス
を制御して、これらを最適化することができる。
を供給するステムピン34から供給できる電圧は、ピン
間の耐電圧特性から10kV程度が限界である。従っ
て、中間電極GMに例えば14kV等の中間電圧を供給
するために、ステムピン34からの低い電圧と、陽極側
の高い電圧の間を接続して分圧する、抵抗器32が不可
欠となっている。
ある。図4Aに断面図、図4Bに平面図を示す。この抵
抗器32は、例えばアルミナ等のセラミック基板36の
片面に、導電膜を所定のパターンに塗布形成した抵抗パ
ターン37が印刷焼成されている。そして、抵抗パター
ン37の上及びセラミック基板36の裏面には、抵抗パ
ターン37を保護するためのオーバーコートガラス38
が形成されて抵抗器32が構成されている。
パターン37が形成された面を電子銃31側、反対側の
面を外側、即ち陰極線管のネックガラス側として電子銃
31に取り付けられる。
アノード電圧例えば、25〜32kV程度の高圧が印加
され、右端のアース電極部41は接地されるか、又は陰
極線管外部の外付け抵抗に接続される。図3の電子銃3
1では、高圧電極部39がコンバージェンスカップ35
に接続され、アース電極部41がステムピン34を通じ
て接地され、中間電極部40が中間電極GMに接続され
る。
る内部分割抵抗器(IBR:InnerBreeder Resisto
r)、IMR(Inner Middle voltage breeder Resisto
r)、IFR(Inner Focus breeder Resistor)等があ
り、上述の中間電極GMへの中間電圧の供給の他にも、
陰極線管の電子銃のコンバーゼンス特性を得るためのコ
ンバーゼンス電圧の供給、陰極線管の電子銃のフォーカ
ス電圧の供給、さらにはテレビ受像機のフォーカスコン
トローラ等にも用いられる。
うな抵抗器32の場合、動作中にナトリウムのイオンマ
イグレーションによるデンドライト(Dendrite)の成長
が発生し、抵抗パターン37間が導通してしまうことが
あった。
ートガラス38とセラミック基板36との界面におい
て、オーバーコートガラス38のエッジの部分から抵抗
パターン37に向かってデンドライト42の成長が生じ
る。
に説明することができる。図5に示すように、オーバー
コートガラス、セラミック基板及び抵抗パターン中に不
純物として含まれるNa2 Oからナトリウム原子がイオ
ン化し、ナトリウムイオンNa+ が発生する。このナト
リウムイオンNa+ が、電位勾配に沿ってイオンマイグ
レーションを起こし、陰極側(低電位側)Kに移動す
る。さらに、陰極側Kで周りの酸化物から酸素を奪っ
て、酸化ナトリウムNa2 Oの層として析出し、陰極側
Kから陽極側(高電位側)Aに向かって酸化ナトリウム
Na2 Oから成るデンドライト42が成長していく。
の動作中に進行すると、前述のように抵抗パターン37
間の導通が生じる。例えば図4Bの場合、本来は中間電
極部40から14kVを供給してきたものが、低電圧側
の抵抗パターン37が短絡して実質的抵抗が短くなるこ
とにより、中間電極GMの電位が15kV等の電圧に上
がってしまいフォーカスの不良を起こしてしまう。
銃31等のように、電気的、機械的に過酷な条件下で抵
抗器が使用される要求が高まり、抵抗パターン間導通の
問題が深刻化されている。また、電子銃31の小型化を
図ろうとすると、抵抗器32において抵抗パターン37
の間隔が狭くなり、短絡が生じやすくなるため、電子銃
31の小型化が難しかった。
いては、抵抗パターン間の短絡を抑制することにより、
寿命が長く小型化が図れる抵抗器、及びこの抵抗器を備
えた陰極線管用電子銃を提供するものである。
上に、ナトリウム濃度が50ppm以下である導電膜か
らなる抵抗パターンが形成されて成るものである。
トリウム濃度が50ppm以下である導電膜からなる抵
抗パターンが形成されて成る抵抗器を備えて成るもので
ある。
らなる抵抗パターンのナトリウム濃度を50ppm以下
とすることにより、抵抗パターン間等における、ナトリ
ウムイオンの移動によるデンドライトの成長を低減する
ことができる。
ば、その所要の電極に所要の電圧を印加するための抵抗
器において、その導電膜からなる抵抗パターンのナトリ
ウム濃度を50ppm以下とすることにより、オーバー
コートガラスと抵抗パターンとの間等における、ナトリ
ウムイオンの移動によるデンドライトの成長を低減する
ことができ、所要の電圧の変動が抑えられる。
濃度が50ppm以下である導電膜からなる抵抗パター
ンが形成された抵抗器である。
ppm以下である導電膜からなる抵抗パターンが形成さ
れて成る抵抗器を備えて成る陰極線管用電子銃である。
示す。図1Aに断面図、図1Bに平面図を示す。この抵
抗器2は、絶縁基板6、例えばアルミナ基板等のセラミ
ック基板の片面に、導電膜、例えばPb2 Ru2 O7 を
主体とした導電膜を所定のパターンに塗布形成した抵抗
パターン5が印刷焼成等により形成されている。この抵
抗パターン5は、これに含まれるナトリウム濃度が50
ppm以下に設定される。
するための端子となる低圧電極部9が形成され、抵抗パ
ターン5の他端には、高電圧を供給するための端子とな
る高圧電極部7が形成され、抵抗パターンの中間には、
分圧された中間の電圧が得られる端子となる中間電極部
8が形成される。そして、抵抗パターン5の上(図1A
では絶縁基板6の両面)には、抵抗パターン5を保護す
るためのオーバーコートガラス4が、例えば焼成によっ
て所定の厚み、例えば数10〜数100μmの厚みで形
成されて抵抗器2が構成されている。
例えばアース電圧を供給し、高圧電極部7に高圧を供給
することにより、中間電極部8からアース電圧と高圧と
の中間の電圧が取り出される。
について、さらに詳述する。上述のオーバーコートガラ
スのエッジ部分から抵抗パターンに向かう成長の場合の
他に、直接に抵抗パターン相互間、中間電極部と抵抗パ
ターン間、及び低圧電極部と抵抗パターン間において
も、条件によっては前述のデンドライト10成長の現象
が起こりうる。
1に示すイオン移動の式によって説明することができ
る。
E/dx・f(dT/dx) JNa:Na+ イオンの移動 A0 :定数 NNa:単位堆積当たりのNa原子数(atoms/cm3 ) Q :活性化エネルギー(eV) k :ボルツマン乗数 T :動作温度(K) dE/dx :電位勾配 f(dT/dx):温度勾配dT/dxの関数
イグレーションを抑制してDendrite成長を抑えるには、
以下のような対策が考えられる。 (1)単位体積当たりのナトリウム原子数(ナトリウム
濃度)NNaを減らす。 (2)電位勾配dE/dxを緩やかにする。 (3)動作温度T及び温度勾配dT/dxを抑える。 (4)抵抗パターン5間の距離を広げ、デンドライトに
よる抵抗パターン5間の短絡を生じにくくする。
xを大きくする、また(4)は抵抗パターン5間を広げ
ることから、いずれも抵抗器2を大きく形成することが
必要になる。これにより、抵抗器全体の大きさに制約が
生じる等の短所が生じる。
大きくする必要がなく、後述する例えば陰極線管に内蔵
する小型の抵抗器2に適した手法である。
E/dx等他の条件が同じ(一定)であれば、ナトリウ
ムイオンの移動JNaは、ナトリウム濃度NNaに比例する
ことがわかる。
ーコートガラス4のナトリウム濃度NNaを低減すること
により、数1よりナトリウムイオンの移動JNaも低減さ
れる。ナトリウムイオンの移動JNaが低減されると、デ
ンドライト10の成長が抑制されるため、抵抗パターン
5間の導通を抑制し、これにより抵抗器2の寿命を長く
することができる。
ーコートガラス4、絶縁基板6、及び抵抗パターン5の
材料のそれぞれにおいてナトリウム濃度を低減すること
によって効果が期待できる。特にその中でも、オーバー
コートガラス4のナトリウム濃度は、通常1000pp
mと高く、これを500ppm以下にすることで、ナト
リウムイオンの移動JNaを低減させ、デンドライトの成
長を抑制して、抵抗パターン5間の導通に至るまでの時
間を大幅に伸ばすことができる。
れば、オーバーコートガラス4のナトリウム濃度を50
0ppm以下にすることにより、デンドライトの成長を
抑制し、抵抗パターン5間の導通を抑制することができ
るので、抵抗器2の寿命を長くすることができる。ま
た、抵抗器2を大きくしなくても抵抗パターン5間の導
通を抑制できるため、従来よりも、抵抗器2の小型化を
図ることが可能になる。
うにして製造することができる。まず、絶縁基板6、例
えばアルミナ等のセラミック基板に、導電ペースト、例
えば金ペースト等の電極材を焼き付けて、高圧電極部
7、中間電極部8、低圧電極部9を形成する。その後、
導電膜のペースト、例えばPb2 Ru2 O7 等の導電膜
のペーストを、所定のパターンで印刷塗布し、溶剤を蒸
発させた後に、焼成して抵抗パターン5を形成する。さ
らに、上述のオーバーコートガラス4用のペーストを抵
抗パターン5上に印刷塗布する。尚、図1の場合は、絶
縁基板6の裏面にも塗布する。そして、ペーストを乾燥
した後に焼成することにより、抵抗パターン5を被覆し
てオーバーコートガラス4を形成することができる。こ
のようにして、抵抗器2を構成することができる。
えば中間電極への中間電圧の供給、電子銃のフォーカス
電極へのフォーカス電圧の供給、電子銃のコンバージェ
ンス特性を得るためのコンバージェンス電圧供給用等の
抵抗器、さらにテレビ受像機のフォーカスコントローラ
用の抵抗器にも適用することができる。
る陰極線管用電子銃の概略構成を示す。この図2は、前
述のEFEAL型の電子銃に適用した場合を示してい
る。
G、青Bの3色に対応する電子ビームを発生させる3つ
の陰極K、電子ビームを加速及び制御する各電極即ち第
1電極G1 、第2電極G2 、第3電極G3 、第4電極G
4 、第5電極G5 、中間電極GM、第6電極G6 、及び
コンバージェンスカップ12を有して成る。図2中10
はステム、11はステムピンである。第5電極G5 にフ
ォーカス電圧が、第6電極G6 にアノード電圧が、また
中間電極GMにフォーカス電圧とアノード電圧の中間の
電圧が供給されて、ここに共有電界拡張レンズが構成さ
れる。
述の図3の電子銃31と同様に、第5電極G5 、中間電
極GM、第6電極G6 が、図示しないがそれぞれ3つの
電子ビームに対応したビーム透過孔を有する電界補正電
極板を内部に有し、各電極G5 ,GM,G6 が断面長円
形の筒体とされている。
に図1で示した抵抗器2から中間電圧を供給するため
に、電子銃1の片側に抵抗器2が配置される。
が形成された面を外側、即ち陰極線管のネックガラス
側、反対側の面を電子銃1側として電子銃1に取り付け
られる。
ード電圧、例えば、25〜32kV程度の高圧が印加さ
れ、右端の低圧電極部9はアース電極部となり、接地さ
れるか、又は陰極線管外部の外付け抵抗に接続される。
図2の電子銃1では、抵抗器2の高圧電極部7がコンバ
ージェンスカップ12に接続され、アース電極部9がス
テムピン11を通じて接地され、中間電極部8が中間電
極GMに接続される。
ォーカス電圧とアノード電圧の中間の電圧、例えば高圧
の半分程度の14kVの中間電圧が取り出されて、電子
銃1の中間電極GMに供給される。
が長く小型化を図ることができる抵抗器2を備えて構成
することにより、中間電極GMへの中間電圧の変動が抑
えられ、陰極線管の故障を低減し、また陰極線管の小型
化、長寿命化、高信頼性化を図ることができる。また、
抵抗器2が小型化されるので、電子銃の設計に制約が生
じにくい。
抗器2の中間電極部8から供給するようにした電子銃、
コンバージェンス電圧を上述の抵抗器2の中間電極部8
から供給するようにした電子銃にも適用できる。図1の
抵抗器2を電子銃のフォーカス電圧用抵抗とする場合
は、例えば高圧の25%前後、電子銃のコンバーゼンス
電圧用抵抗とする場合は、例えば、95%前後の電圧が
夫々中間電極部8から取り出される。
述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
による抵抗パターンのナトリウム濃度を50ppm以下
とすることにより、デンドライトの成長を抑制して、抵
抗膜の抵抗パターン間の導通が生じるまでの時間を長く
することができる。従って、抵抗器の寿命を延ばすこと
ができる。
きくしなくても抵抗パターン間の導通を抑制できるた
め、従来よりも、抵抗器の小型化を図ることが可能にな
る。
ば、寿命が長く小型化を図ることができる抵抗器を備え
ることにより、陰極線管の故障を低減し、また陰極線管
の小型化も図ることができる。
る。 A 断面図である。 B 平面図である。
(平面図)である。
(平面図)である。
る。 A 断面図である。 B 平面図である。
5…抵抗パターン、6…セラミック基板、7…高圧電極
部、8…中間電極部、9…アース電極部、10…ステ
ム、11…ステムピン、12…コンバージェンスカッ
プ、31…電子銃、32…抵抗器、33…ステム、34
…ステムピン、35…コンバージェンスカップ、36…
セラミック基板、37…抵抗パターン、38…オーバー
コートガラス、39…高圧電極部、40…中間電極部、
41…アース電極部、42…デンドライト(dendrit
e)、G1 …第1電極、G2 …第2電極、G3 …第3電
極、G4 …第4電極、G5 …第5電極、G6 …第6電
極、GM…中間電極
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に、ナトリウム濃度が50ppm
以下である導電膜からなる抵抗パターンが形成されて成
ることを特徴とする抵抗器。 - 【請求項2】 基板上にナトリウム濃度が50ppm以
下である導電膜からなる抵抗パターンが形成されて成る
抵抗器を備えて成ることを特徴とする陰極線管用電子
銃。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359782A JPH11191503A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 抵抗器及びこれを用いた陰極線管用電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359782A JPH11191503A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 抵抗器及びこれを用いた陰極線管用電子銃 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11191503A true JPH11191503A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18466266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9359782A Abandoned JPH11191503A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 抵抗器及びこれを用いた陰極線管用電子銃 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11191503A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009152464A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Hitachi Ltd | 厚膜抵抗体 |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP9359782A patent/JPH11191503A/ja not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009152464A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Hitachi Ltd | 厚膜抵抗体 |
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