JP2020071280A - 感光性樹脂組成物および電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような再度の光照射/加熱の目的の1つとして、パターン中に残存する未分解の感光剤(光によって酸を発生する化合物等)をできる限り分解し、後の工程でアウトガスが極力発生しないようにすることが挙げられる(特に、感光性樹脂組成物がポジ型である場合、パターン中には、多くの感光剤が残存している)。
とりわけ、感光性樹脂組成物が接着用途に用いられる場合、接着後にアウトガスが発生すると、接着安定性の点で問題がある。よって、上記のような再露光や加熱により、感光剤を十分に分解させることが好ましい。
具体的には、パターンの加熱などを行った場合、パターンの硬化反応がさらに進行しうる。これにより、パターンが硬くなりすぎて(パターンを構成する樹脂膜の弾性率が大きくなりすぎて)、所望の接着強度が得られなくなる傾向にある。
アルカリ可溶性樹脂と、感光剤と、以下一般式(1)で表される化合物とを含む、感光性樹脂組成物
が提供される。
nは、2以上であり、
複数のR1は、それぞれ独立に、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、
複数のXは、それぞれ独立に、カーボネート基(−O−(C=O)−O−)、エステル基(−COO−または−OCO−)およびエーテル基(−O−)からなる群より選ばれるいずれかであり、
R2は、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。
前記感光性樹脂組成物により、基板表面に感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂膜を現像してパターニングされた樹脂膜を得る現像工程と、
前記パターニングされた樹脂膜を少なくとも加熱して、前記樹脂膜中に残存する感光剤を分解する感光剤分解工程と、
前記パターニングされた樹脂膜と、電子素子とを密着させ、加熱して接着する接着工程と
をこの順に含む、電子デバイスの製造方法
が提供される。
図面中の各要素については適宜符号を表示する。ただし、一度説明した要素については符号を省略する場合がある。
図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、感光剤と、以下一般式(1)で表される化合物とを含む。
nは、2以上であり、
複数のR1は、それぞれ独立に、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、
複数のXは、それぞれ独立に、カーボネート基(−O−(C=O)−O−)、エステル基(−COO−または−OCO−)およびエーテル基(−O−)からなる群より選ばれるいずれかであり、
R2は、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。
「接着」のメカニズムは一般に複雑であるが、接着に供される樹脂膜が「柔軟である」ことは、特に、機械的結合(アンカー効果)の点で、接着性を高める傾向に働くと考えられる。
つまり、再露光や加熱の条件が同一であれば、本実施形態の感光性樹脂組成物により形成されたパターン(樹脂膜)は、一般式(1)で表される化合物を含まない感光性樹脂組成物で形成されたパターン(樹脂膜)と比べて、強い接着性を有すると考えられる。
すなわち、本実施形態の感光性樹脂組成物によりパターン(樹脂膜)を形成し、それを電子素子等の接着に適用することで、従来と同程度かそれ以上の接着性を得つつ、アウトガスを一層低減することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含む。
アルカリ可溶性樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、アクリル系/メタアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、この前駆体を脱水閉環して得られる樹脂、等が挙げられる。
1種のみのアルカリ可溶性樹脂を用いてもよいし、2種以上のアルカリ可溶性樹脂を併用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂が環状オレフィン構造を有するモノマーに由来する構造単位を含むことで、得られる樹脂膜の耐熱性が向上する。これは、各種加熱を伴う電子デバイス製造への適用に望ましい性質である。
アルカリ可溶性樹脂が環状酸無水物構造を有するモノマーに由来する構造単位を含むことで、現像性(アルカリ現像液に対する溶解性)を高められる傾向にある。
以下、アルカリ可溶性樹脂が含むことができる構造単位について説明する。
環状オレフィン構造を有するモノマーに由来する構造単位としては、下記一般式(a1)で示される、ノルボルネン系モノマー由来の構造単位が、好ましく挙げられる。
一般式(a1)中、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子、または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。
R6〜R9は、好ましくは、それぞれ独立して水素、ハロゲン原子、または炭素数1〜10の有機基であり、より好ましくは、それぞれ独立して水素、ハロゲン原子、または炭素数1〜3の有機基であり、さらに好ましくは、それぞれ独立して水素、ハロゲン原子、または炭素数1の有機基である。
R6〜R9を構成する有機基(例えば炭素数1〜30の有機基)は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R6〜R9のうち、任意の2つが互いに結合して、アルキリデン基、単環又は多環構造を形成してもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、ビニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基等が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、エチリデン基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルカリル基としては、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環または多環のものが挙げられる。
ヘテロ環構造を含む基としては、例えば、エポキシ基を含む基、オキセタニル基を含む基等が挙げられる。
エポキシ基を含む基としては、例えば、上述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基またはシクロアルキル基に対して、エポキシ基、グリシジル基またはグリシジルオキシ基(グリシドールのOH基から水素を除いた基)が置換した基が挙げられる。
オキセタニル基を含む基としては、例えば、上述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基またはシクロアルキル基に対して、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのOH基から水素を除いた基が置換した基が挙げられる。
カルボキシ基を含む基としては、例えば、上述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基またはシクロアルキル基に対して、カルボキシ基が置換した基が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂が環状オレフィン構造を有するモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有比率は、樹脂中の全構造単位を基準として、例えば5〜90mol%、好ましくは10〜80mol%である。
アルカリ可溶性樹脂が、環状酸無水物構造を有するモノマーに由来する構造単位を含むことで、特にアルカリ現像液に対する樹脂の溶解性を高めることができる。つまり、現像性を向上させることができる。
一般式(a2−1)および一般式(a2−2)中、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、ビニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基等が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、エチリデン基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルカリル基としては、例えば、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、一般式(a2−1)、(a2−2)、(a2−3)または(a2−4)により示される構造単位のうち、1種のみを含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
(i)まず、一般式(a2−3)で表される構造単位をアルカリ可溶性樹脂中に導入する。
(ii)その後、その構造単位を適当な手段・条件で開環させる。
アルカリ可溶性樹脂が環状酸無水物構造を有するモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有比率は、樹脂中の全構造単位を基準として、例えば10〜80mol%、好ましくは20〜60mol%である。
一態様として、アルカリ可溶性樹脂は、以下一般式(a3)で表される、マレイミド系モノマーに由来する構造単位を含むことが好ましい。
一般式(a3)中、R17は、水素原子または炭素数1〜30の有機基である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、エチリデン基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルカリル基としては、例えば、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
なお、R17に含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
アルカリ可溶性樹脂がマレイミド系モノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有比率は、樹脂中の全構造単位を基準として、例えば10〜80mol%、好ましくは20〜60mol%である。
アルカリ可溶性樹脂は、公知の高分子合成技術、具体的には公知のラジカル重合に関する技術を適用して製造することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光剤を含む。これにより、露光と現像を経ることで「パターン」を形成することが可能となる。
感光剤としては、例えば、キノンジアジド化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、ジヒドロピリジン化合物などを挙げることができる。
また、nは、1〜5の整数である。
Qとしては、下記式(a)または(b)を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の透明性を向上することができる。したがって、感光性樹脂組成物の外観をよくすることができる。
感光剤の量については、組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量を100質量部としたとき、10〜80質量部であることが好ましく、15〜50質量部であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物を実用上適当な感度に調整できる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、一般式(1)で表される化合物を含む。
nは、2以上であり、
複数のR1は、それぞれ独立に、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、
複数のXは、それぞれ独立に、カーボネート基(−O−(C=O)−O−)、エステル基(−COO−または−OCO−)およびエーテル基(−O−)からなる群より選ばれるいずれかであり、
R2は、炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。
推測であるが、Xがカーボネート基であることで、特に化合物全体として適度な柔軟性を有することになると思われる。また、Xがカーボネート基であると、特に、通常の接着温度において適度な柔軟性が発現しやすいとも推測される。そして、一層の接着性向上やアウトガス低減効果が得られると考えられる。
化合物の入手の容易性や、適度な柔軟性などの観点からは、R1の炭素数は、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜6である。R2の炭素数も同様である。
炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、例えば、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−C(CH3)2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−C(CH3)2−CH2−などを挙げることができる。
特に好ましくは、R1は、−(CH2)5−または−(CH2)6−である。R2についても同様である。
一般式(1)で表される化合物としてこのようなものを採用することで、前述の「柔軟性」のメカニズムによる効果を一層得やすいと考えられる。
なお、ポリエーテルジオールとしては、いわゆるポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールの中から、両末端が水酸基であるものを適宜用いることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、架橋剤を含む。これにより、例えば、感光性樹脂組成物により電子デバイス中に永久膜を形成する場合、その永久膜を十二分に硬化させることができる。
架橋剤が1分子中に含む架橋性基の数は、通常2〜8、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。この数を適切に選択することで、樹脂膜中の架橋構造を制御することができ、より良好な機械物性の膜を得ることが期待できる。
架橋性基としては、アルコキシメチル基および/またはメチロール基、エポキシ基および/またはオキセタニル基、イソシアネート基、マレイミド基などが挙げられる。
このような架橋剤を用いることで、接着力を一層高めることができる傾向にある。これの詳細なメカニズムは定かでない。しかし、おそらくは、エポキシ基やオキセタニル基の反応性ないし反応温度が関係していると考えられる。具体的には、パターンに対する再度の光照射/加熱の後(パターンを接着に供する直前)においても、一部のエポキシ基またはオキセタニル基は未反応のまま残存し、その残存した基が接着に寄与するため、接着力が一層高まるものと考えられる。
また、例えばアルカリ可溶性樹脂がアルカリ可溶性基としてカルボキシ基を有する場合、そのカルボキシ基とエポキシ基/オキセタニル基が反応(架橋)し、樹脂膜の機械強度や接着強度が一層高くなるとも考えられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)エチル]フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、α−2,3−エポキシプロポキシフェニル−ω−ヒドロポリ(n=1〜7){2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2,3−エポキシプロポキシフェニレン}、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
例えば、1,4−ビス{[(3−エチルー3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられる。
感光性樹脂組成物が架橋剤を含む場合、その量は、組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量を100質量部としたとき、10〜100質量部であることが好ましく、25〜75質量部であることがより好ましい。これにより、他の性能を十分に得つつ、適度な硬化性、良好な接着性などを得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、フェノール化合物を含む。
フェノール化合物が有するフェノール性水酸基(酸性度が比較的高い)の存在により、現像液としてアルカリ水溶液を用いたときの感度の向上、残渣の低減などの効果を得ることができる。
また、感光剤としてキノンジアジド系化合物を用いた場合、これとフェノール化合物がアゾカップリング反応しうる。これにより、現像時の膜減りを低減したり、解像度を向上させたりすることができるとも考えられる。
低分子のフェノール化合物としては、ビフェノール、4−エチルレソルシノール、2−プロピルレソルシノール、4−ブチルレソルシノール、4−ヘキシルレソルシノール、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジヒドロキシジフェニルジスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ジフェノール、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、2,2’−エチレンジオキシジフェノール、3,3’−エチレンジオキシジフェノール、1,5−ビス(o−ヒドロキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フロログルシド、α、α、α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン等を挙げることができる。
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂等を挙げることができる。
感光性樹脂組成物がフェノール化合物を含む場合、その量は、組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量を100質量部としたとき、1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。これにより、他の性能を十分に得つつ、フェノール化合物を用いることによる効果も適度に得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、カップリング剤を含む。これにより、感光性樹脂組成物で形成された樹脂膜やパターンの、基板との密着性を高めることができる。
カップリング剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、酸無水物官能型シラン、スルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。特に、エポキシシラン(1分子中に、エポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)、または、酸無水物官能型シラン(1分子中に、酸無水物基と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)が好ましい。
感光性樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、その量は、組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量を100質量部としたとき、0.5〜20質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。これにより、他の性能とのバランスを取りつつ、密着性を十分に得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含んでもよい。これにより、感光性樹脂組成物を基板上に塗布した際の厚みの均一性を向上させうる。
界面活性剤の市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F−251、F−253、F−281、F−430、F−477、F−551、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−560、F−561、F−562、F−563、F−565、F−568、F−569、F−570、F−572、F−574、F−575、F−576、R−40、R−40−LM、R−41、R−94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD 100 TS、SD 670、SD 850、SD 860、SD 882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、その量は、組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量を100質量部としたとき、0.005〜1質量部であることが好ましく、0.02〜0.5質量部であることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、溶剤を含む。別の言い方としては、本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、上記の各成分を溶剤に溶解または分散したものである。溶剤により、感光性樹脂組成物を樹脂膜に形成しやすくなる。
感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、その量は特に限定されないが、組成物中の不揮発成分の濃度が例えば10〜70質量%、好ましくは15〜60質量%となるような量で使用される。溶剤の量を適当に調整することで、例えば感光性樹脂組成物を基板上に塗布して製膜する際の膜厚を調整することができる。
感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成し、その感光性樹脂膜をパターン露光し、そしてアルカリ現像液等の現像液で現像することで、パターン(パターニングされた樹脂膜)を形成することができる。
また、そのパターニングされた樹脂膜と、電子素子とを密着させ、加熱して接着することにより、電子デバイスを製造することができる。換言すると、本実施形態の感光性樹脂組成物は、電子デバイス中の永久膜を形成するために好適に用いることができる。
念のため述べておくが、以下で説明する方法は、あくまで例であり、本実施形態の感光性樹脂組成物は種々の方法に適用することができる。
まず、図1(i)に示されるように、基板1の表面に、感光性樹脂組成物による感光性樹脂膜2を形成する。
基板1は、未加工の基板であっても、電極や素子が表面に形成された基板であってもよい。接着性の向上のために表面処理さていてもよい。なお、図1(i)における基板1には、後の接着工程で接着される電子素子4の形状に合わせたくぼみが設けられている。
基板1の表面に塗布された感光性樹脂組成物の乾燥は、典型的にはホットプレート、熱風、オーブン等で加熱処理することで行われる。加熱温度は、通常80〜140℃、好ましくは90〜120℃である。また、加熱の時間は、通常30〜600秒、好ましくは30〜300秒程度である。
パターン露光は、図1(ii)に示されるように、活性光線を、フォトマスク3を介するなどして感光性樹脂膜2に当てることで行うことができる。
活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが挙げられる。波長でいうと200〜500nmの光が好ましい。パターンの解像度や取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましく、特にi線が好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパーが好ましい。
露光の光量は、感光性樹脂膜中の感光剤の量などにより適宜調整すればよい。典型的には100〜500mJ/cm2程度である。
露光された感光性樹脂膜2を、適当な現像液により現像することで、パターン2Bを得ることができる(図1(iii))。
現像工程では、適当な現像液を用いて、例えば浸漬法、パドル法、スプレー法などの方法を用いて現像を行うことができる。現像により、感光性樹脂膜の露光部(ポジ型の場合)又は未露光部(ネガ型の場合)が溶出除去され、パターン2Bが得られる。
アルカリ水溶液として具体的には、(i)水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ水溶液、(ii)エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン水溶液、(iii)テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などが挙げられる。
有機溶剤として具体的には、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)や酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、等が挙げられる。
現像液には、例えばメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤などが添加されていてもよい。
例えば、現像の後、リンス液により基板1および/またはパターン2Bを洗浄してもよい。リンス液としては、例えば蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
現像工程の後に得られたパターン2B(パターニングされた樹脂膜)を、少なくとも加熱(場合によってはは加熱および露光)することで、パターン2B中に残存する感光剤を分解することができる(図1(iv))。この工程を行うことで、後述の接着工程の後に発生するアウトガスを低減することができる。これは、接着の安定性や、電子デバイスの信頼性の点で重要である。
露光の光量は、残存する感光剤の量などにより適宜調整すればよい。典型的には300〜1000mJ/cm2程度である。
なお、感光剤分解工程において、加熱と露光の両方を行う場合、これらを同時に行ってもよいし、別々に(逐次的に)行ってもよい。
例えば、感光剤分解工程を経たパターン2B(樹脂膜)に対し、電子素子4を接触させ、そして加熱しながら押圧する。これにより、基板1と電子素子4とを、パターン2B(樹脂膜)により接着することができる(図1(v))。
特に図1(v)に示される態様において、電子素子4は、凸部を有している。また、ここでの凸部の大きさは、隣接して存在するパターン2B間の「すき間」および基板1上の「くぼみ」の幅と略一致している。よって、電子素子4の凸部がパターン2B間の「すき間」に入るように電子素子4を載置し、その後加熱押圧することで、基板1と電子素子4とをパターン2B(樹脂膜)を介して接着しつつ、電子素子4の凸部において基板1−電子素子4間の電気的接続を図ることもできる。
押圧の圧力は、通常0.05〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPa、より好ましくは0.2〜2.5MPaである。
加熱押圧の時間は、通常0.5〜60秒、好ましくは0.2〜10秒である。
電子素子4の側にパターン2Bを設ける方法は、基板1にパターン2Bを設ける方法と同様である。
接着工程の後、得られた接着構造を加熱する工程を行ってもよい(図1(vi))。例えば、上記の接着工程で得られた接着構造を、適当なステージに載せるなどして、熱を加えることができる。
また、加熱時間は、通常0.5〜300分、好ましくは1〜270分、より好ましくは3〜240分である。
感光性樹脂組成物を調製するための素材として、以下を準備した。
A−1〜A−3:以下に示されるもの
B−1:以下化学式で表される化合物(3つのRのうち、平均0.5個がHである。)
C−1:以下化学式で表される化合物
D−1:ETERNACOLL PH−100(宇部興産社製、以下化学式で表される構造、分子量:約1000、20℃で液状)
E−1またはE−2:以下化学式で表される化合物
F−1:以下化学式で表される化合物
G−1:メガファックR−41(DIC社製、含フッ素基・親油性基含有オリゴマー)
撹拌機と冷却管を備えた適切なサイズの反応容器を準備した。この容器に、無水マレイン酸(MA、122.4g、1.25mol)、2−ノルボルネン(NB、117.6g、1.25mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、50.0mmol)を投入し、そしてメチルエチルケトン(MEK、150.8g)およびトルエン(77.7g)に溶解させた。
この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。
その後、この溶解液に対して、MEK(320g)を加え、さらにその後、これを、水酸化ナトリウム(12.5g、0.31mol)、ブタノール(463.1g、6.25mol)、トルエン(480g)の懸濁液に加え、45℃で3時間混合した。
そして、この混合液を40℃まで冷却し、ギ酸(88質量%水溶液、49.0g、0.94mol)で処理してプロトン付加し、その後、MEKおよび水を加え、水層を分離することで、無機残留物を除去した。次いで、メタノール、ヘキサンを加え有機層を分離することで未反応モノマーを除去した。さらに、PGMEAを添加し、系内のメタノール及びブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより、20重量%のポリマー溶液1107.7gを得た。
ポリスチレンを標準物質としたGPC測定によると、得られたポリマー(アルカリ可溶性樹脂)の重量平均分子量Mwは13700、数平均分子量Mnは7400であった。
密閉可能な反応容器内に、メチルグリシジルエーテルノルボルネン45.1g(250mmol)、2−ノルボルネン23.5g(250mmol)、マレイン酸水素1−ブチル51.7g(300mmol)、および無水マレイン酸24.5g(250mmol)を計量して投入した。さらに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)12.1g(53mmol)を溶解させたPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)105gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。
次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン202gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄し、さらにその後、30℃にて16時間真空乾燥させ、環状オレフィン樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を得た。
樹脂の収得量は101g、収率は70%であった。また、ポリスチレンを標準物質としたGPC測定によると、重量平均分子量Mwは6300であった。
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸30.4g(220mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン57.7g(320mmol)、マレイミド24.3g(250mmol)、およびシクロヘキシルマレイミド44.8g(250mmol)を計量して投入した。さらに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)12.0g(52mmol)を溶解させたPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)113gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去し、その後、容器を密閉し、70℃で16時間反応させた。
次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン200gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサンに注ぎ、ポリマーを析出させた。その後、ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄し、さらにその後、30℃にて16時間真空乾燥させ、環状オレフィン樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を得た。
樹脂の収得量は126g、収率は80%であった。また、ポリスチレンを標準物質としたGPC測定によると、重量平均分子量Mwは8500であった。
後掲の表1に量の各素材を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて、不揮発成分が33質量%の溶液を得た。その後、孔径0.2μmのナイロンフィルターで濾過した。以上により感光性樹脂組成物を得た。
以下手順により接着強度評価用のサンプルを作製した。
厚さ0.725mmのシリコンウエハ上に、実施例及び比較例の感光性樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、3.5μm厚の樹脂膜を形成した。
(2)プリベーク工程
上記の樹脂膜が形成されたウエハを、ホットプレートを用いてプリベークした。プリベークは110℃で3分間行った。
(3)現像工程
上記プリベークしたウエハ上の樹脂膜を、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド中に30秒間浸漬した。その後、純水で洗浄し、スピンにより乾燥を行った。
(4)感光剤分解工程
上記ウエハ上の樹脂膜を、N2雰囲気下で、表1に記載の温度(130℃、150℃または170℃)で30分の加熱処理を行った。これにより樹脂膜中の感光剤を分解した。
(5)接着工程
以下手順により、接着構造を得た。
まず、上記の樹脂膜を有するウエハを、ダイシングソーを用いて切り出し、10mm×10mm角の正方形の評価用基板(下チップ)を作成した。また、別途、5mm×5mm、厚み200μmのシリコンウエハ(上チップ)を準備した。
次に、下チップを、樹脂膜がある面を上にして、フリップチップボンダーの下ステージ上に静置した。このときの下ステージの温度は30℃に設定した。
その次に、上チップを、200℃に加熱したボンディングヘッドでピックアップし、下チップの樹脂膜と上チップとが密着するように、フリップチップボンダーの下ステージ上に静置された下チップの上に載せ、温度200℃、時間10秒、圧力25Nの条件で加熱・押圧した。
その後、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、200℃、90分の条件で硬化し、接着強度評価用のサンプルを得た。
ここで、「25N」とは、5mm×5mmの上チップに対して25Nの力をかけたということであり、単位面積あたりの力(すなわち圧力)としては、1N/mm2すなわち1MPaである。
上記の接着強度評価の際のサンプルの一部(具体的には上記(4)感光剤分解工程の終了後のサンプル)を用いて熱重量測定を行い、重量減少を測定することで、アウトガス評価を行った(重量減少≒アウトガス量とみなした)。
・装置:示差熱熱重量同時測定装置 STA 7200RV(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・条件:サンプル5mgを計量し、30〜500℃の温度領域で、10℃/minの昇温速度で重量減少を測定した。そして、200℃時点での重量減少により、アウトガス性能を評価した。
・○(良い):200℃時点での重量減少が1%未満
・△(普通):200℃時点での重量減少が1%以上4%未満
・×(悪い):200℃時点での重量減少が4%以上
しかしながら、感光剤分解工程を150℃または170℃(比較的高温)で行った場合には、一般式(1)で表される化合物を含む実施例1〜5の感光性樹脂組成物は高い接着強度(40kgf/25mm2超)を維持し、また、アウトガス量は十分に少なかった。一方、一般式(1)で表される化合物を含まない比較例1の感光性樹脂組成物によっては、そもそも「接着」を行うことができなかった。
2 感光性樹脂膜
2B パターン(パターニングされた樹脂膜)
3 フォトマスク
4 電子素子
Claims (12)
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記一般式(1)において、複数のXのうち少なくとも1つがカーボネート基である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記一般式(1)で表される化合物は、20℃で液状である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに架橋剤を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項4に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記架橋剤は、エポキシ基および/またはオキセタニル基を有する架橋剤を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂の量を100質量部としたとき、前記一般式(1)で表される化合物の量は、10〜80質量部である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂は、環状オレフィン構造を有するモノマーに由来する構造単位、および/または、環状酸無水物構造を有するモノマーに由来する構造単位を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤は、キノンジアジド系化合物を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、フェノール化合物を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、溶剤を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
電子デバイス中の永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物により、基板表面に感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂膜を現像してパターニングされた樹脂膜を得る現像工程と、
前記パターニングされた樹脂膜を少なくとも加熱して、前記樹脂膜中に残存する感光剤を分解する感光剤分解工程と、
前記パターニングされた樹脂膜と、電子素子とを密着させ、加熱して接着する接着工程と
をこの順に含む、電子デバイスの製造方法。
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