JP2004319180A - 画像表示装置の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐圧特性に優れ、表示性能および信頼性の向上した画像表示装置を製造可能な画像表示装置の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】前面基板11および背面基板の少なくとも一方の基板と処理電極34とを対向させ、少なくとも一方の基板と処理電極とを相対移動させる。相対移動の間、相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子56a、56bを、基板の表面と処理電極とが対向していない位置で基板の表面に交互に接触させて電位を印加し、この基板と処理電極との間に電界を印加して基板の表面全体を電界処理する。
【選択図】 図4
【解決手段】前面基板11および背面基板の少なくとも一方の基板と処理電極34とを対向させ、少なくとも一方の基板と処理電極とを相対移動させる。相対移動の間、相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子56a、56bを、基板の表面と処理電極とが対向していない位置で基板の表面に交互に接触させて電位を印加し、この基板と処理電極との間に電界を印加して基板の表面全体を電界処理する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向配置された一対の基板を備えた画像表示装置の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の画像表示装置として、電子放出素子を多数並べ、蛍光面と対向配置させた平面型の画像表示装置の開発が進められている。電子放出素子には様々な種類があるが、いずれも基本的には電界放出を用いており、これらの電子放出素子を用いた表示装置は、一般に、フィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)と呼ばれている。FEDの内、表面伝導型電子放出素子を用いた表示装置は、表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)とも呼ばれているが、本願においてはSEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
【0003】
FEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部同士を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。真空容器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これらの基板の間には複数の支持部材が配設されている。
【0004】
前面基板の内面には赤、青、緑の蛍光体層を含む蛍光面が形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起して発光させる電子を放出する多数の電子放出素子が設けられている。また、多数の走査線および信号線がマトリックス状に形成され、各電子放出素子に接続されている。蛍光面にはアノード電圧が印加され、電子放出素子から出た電子ビームがアノード電圧により加速されて蛍光面に衝突することにより、蛍光体が発光し映像が表示される。
【0005】
更に、FEDは、外囲器内部の残留ガス及び各基板の放出ガスを吸着するため、ゲッターと呼ばれるガス吸着特性を持った金属が蛍光面のメタルバック上に蒸着(ゲッターフラッシュ)されている。
【0006】
このようなFEDでは、前面基板と背面基板との隙間を1〜3mm程度に設定することができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)と比較して、大幅な軽量化、薄型化を達成することができる。
【0007】
上記のように構成されたFEDにおいて、実用的な表示特性を得るためには、通常のCRTと同様の蛍光体を用い、更に、蛍光体の上にメタルバックと呼ばれるアルミ薄膜を形成した蛍光面を用いることが必要となる。この場合、蛍光面に印加するアノード電圧は最低でも数kV、できれば10kV以上にすることが望まれる。
【0008】
しかし、前面基板と背面基板との間の隙間は、解像度や電子放出効率の特性などの観点からあまり大きくすることはできず、1〜3mm程度に設定する必要がある。従って、FEDでは、前面基板と背面基板との小さい隙間に強電界が形成されることを避けられず、両基板間の放電(絶縁破壊)が問題となる。
このような放電破壊への対策の一環として、例えば特許文献1に記載されたような技術が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251797号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、FEDにおいては放電対策が重要であるが、放電が起きないようにする目的で、アノード電圧を下げたり、前面基板と背面基板とのギャップを大きくしたりすると、輝度や解像度などの性能を犠牲にせざるをえず、製品として望まれる性能を満たすことが困難となる。従って、性能の高いFEDを実現するために、より耐圧を高くすることができる技術が強く望まれている。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、その目的は、耐圧が高く、表示性能および信頼性に優れた画像表示装置を製造することが可能な画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
検討の結果、放電対策として、FEDを構成する基板に電界を印加することで放電源となる微粒子等を除去する処理が有効であることが結果わかった。本明細書では、このような基板に電界を印加することで耐圧を向上させるための処理を、耐圧処理と称することとし、これに対応し、耐圧処理方法、耐圧処理装置という用語を用いる。また、電界を印加するプロセスを特に区別して電界処理と称する。耐圧処理とは電界処理をその主要原理とする一連の処理のことである。この処理においては、基板と対向面との間で放電を起こすことは必ずしも必要ではない。ただ、単純に放電を起こすと基板にダメージが入ってしまうが、ダメージを十分小さくできれば放電を起こすようにしても良い。
【0013】
耐圧処理が有効であるとはいえ、その具体的な方法についてはさまざまなバリエーションがありえ、未だ最適な方法が確立していない。最も単純な形態は、被処理基板である前面基板または背面基板と同程度のサイズの処理電極を用い、被処理基板に電界を印加するというものであるが、これだと、処理電極の重量が非常に大きくなる、電極の最適化をする上でサイズが大きいことが制約になる等の問題がある。
【0014】
そこで、この発明の形態に係る画像表示装置の製造方法は、蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の表面とこの基板よりも幅の狭い処理電極とを対向させ、上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが互いに隙間を置いて対向した状態で、上記少なくとも一方の基板と処理電極とを相対移動させ上記少なくとも一方の基板の表面を上記処理電極により走査し、上記相対移動の間、上記相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子を、上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが対向していない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に交互に接触させて電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加して上記少なくとも一方の基板を電界処理することを特徴としている。
【0015】
また、この発明の態様に係る画像表示装置の製造装置は、蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造装置において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と対向して配置され、上記少なくとも一方の基板よりも幅の短い処理電極と、上記少なくとも一方の基板と上記処理電極とを互いに対向した状態で相対移動させる移動機構と、上記相対移動の方向において上記処理電極の幅よりも広い間隔を置いて設けられているとともに、それぞれ上記少なくとも一方の基板に接触可能な接触位置と上記少なくとも一方の基板から離間する退避位置との間を移動可能に設けられた複数の接触端子と、上記少なくとも一方の基板と処理電極との相対移動の間、上記複数の接触端子を交互に接触位置へ移動させ、上記少なくとも一方の基板と処理電極とが重ならない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に接触させる駆動機構と、上記接触端子を介して上記少なくとも一方の基板に電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加する電界印加部と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
上記のように構成された画像表示装置の製造方法および製造装置によれば、基板と処理電極とを隙間を置いて対向させ、これらの基板および処理基板を相対的に移動させながら処理電極と基板との間に電界を印加し、基板の前面を電界処理している。相対移動の間、基板と処理電極とが対向しない位置で、基板の表面に接触端子を交互に接触させて電位を印加することにより、接触端子が処理電極と干渉することなく、また、接触端子と処理電極との間で放電が発生することなく、基板の前面を電界処理することが可能となる。これにより、基板に残留した異物、突起等を除去し、放電発生の要因を取り除くことができる。従って、上記基板を用いることにより、耐圧特性に優れ、表示性能および信頼性の向上した画像表示装置を製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置の製造方法および製造装置について詳細に説明する。
始めに、本製造方法および製造装置により製造される画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0018】
図1および図2に示すように、このFEDは、絶縁基板としてそれぞれ板厚が1〜3mm程度の矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−4Pa程度の高真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0019】
接合部材として機能する側壁13は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材25により、前面基板11の周縁部および背面基板12の周縁部に封着され、これらの基板同志を接合している。
【0020】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0021】
図2および図3に示すように、前面基板11の内面の表示領域上には、蛍光面として、赤、緑、青の蛍光体層16とマトリックス状の黒色遮光層17とを有した矩形状の蛍光体スクリーン15が形成されている。蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなる矩形状のメタルバック20が形成され、更に、メタルバックに重ねてゲッター膜22が形成されている。メタルバック20はアノード電極として機能する。
【0022】
なお、黒色遮光層17は、メタルバック20の周縁部外側に沿って設けられた第1枠部17a、および封着材25の内周縁に沿って設けられた第2枠部17bを含んでいる。また、図3に示すように、前面基板11の内面には、第1枠部17aに重ねて複数、例えば、2つの電極23a、23bが形成されている。ここでは、電極23a、23bは、第1枠部17aの1つの長辺の両端部にそれぞれ形成され、メタルバック20の1つの長辺側の両端部に電気的に接続されている。これにより、それぞれ接触部として機能する電極23a、23bは、前面基板11の長軸方向に沿って互いに離間して位置している。電極23a、23bは、例えば、第1枠部17a上に塗布した銀ペーストを焼成することにより形成されている。
【0023】
図1および図2に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0024】
このようなFEDにおいて、画像を表示する場合、メタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0025】
次に、上記のように構成されたFEDの製造装置および製造方法について説明する。図4ないし図6に示すように、製造装置は、真空処理槽で構成された真空チャンバ30を備え、この真空チャンバには、内部を真空排気する排気ポンプ32が接続されている。
【0026】
真空チャンバ30内には、第1処理電極34、第2処理電極36、およびゲッター装置38が設けられている。第1および第2処理電極34、36は、それぞれ細長い矩形状に形成され、ほぼ水平に、かつ、隙間をおいて並んで設けられている。第1および第2処理電極34、36は、それぞれ処理対象となる基板の所定方向の長さ、ここでは、長軸方向の長さよりも短い幅Wと、基板の幅よりも大きな長さLとを有している。第1および第2処理電極34、36の幅Wは、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の距離dよりも短く形成されている。
【0027】
第1および第2処理電極34、36は、それぞれ接地電位に接続されている。そして、真空チャンバ30内には、第1および第2処理電極34、36を支持しているとともに水平方向に沿って往復移動させる移動機構50、52が設けられている。
【0028】
真空チャンバ30内において、第1および第2処理電極34、36間にはゲッター蒸着位置40が規定され、このゲッター蒸着位置40の上方にゲッター装置38が配置されている。ゲッター装置38は、ゲッター蒸着位置40に向かって開放したカバー42、カバー内の底部に設けられたゲッター材44、およびゲッター材を加熱する加熱機構45を備えている。加熱機構45としては、高周波加熱方式あるいは抵抗加熱方式の加熱機構を用いることができる。
【0029】
また、真空チャンバ30内には、処理対象となる基板を第1処理電極34と対向する第1電界処理位置、上記ゲッター蒸着位置40、および第2処理電極36と対向する第2電界処理位置の間で搬送する基板搬送機構54が設けられている。
【0030】
更に、真空チャンバ30内には、第1電界処理位置に搬送された基板にそれぞれ接触可能な一対の接触端子56a、56b、および第2電界処理位置に搬送された基板にそれぞれ接触可能な一対の接触端子58a、58bが設けられている。接触端子56a、56bには、これらの接触端子に電圧を印加する電源46aが接続され、また、接触端子58a、58bには、これらの接触端子に電圧を印加する電源46bが接続されている。電源46a、46bは電圧印加部を構成している。
【0031】
図5および図6に示すように、接触端子56a、56bは、第1処理電極34の移動方向に沿って互いに離間して配置され、その間隔dは、第1処理電極34の幅Wよりも大きく、また、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0032】
接触端子56a、56bの各々は、第1電界処理位置に搬送された基板の表面に接触可能な接触位置と、基板から離間するとともに第1処理電極34の移動経路内から退避する退避位置と、の間を移動可能に支持されている。本実施の形態では、接触端子56a、56bの各々は、接触位置において、第1電界処理位置に搬送された前面基板11の電極23a、23bにそれぞれ接触可能に設けられている。また、製造装置は、接触端子56a、56bをそれぞれ接触位置と退避位置との間で移動させる駆動機構60を備えている。
【0033】
同様に、接触端子58a、58bは、第2処理電極36の移動方向に沿って互いに離間して配置され、その間隔は、第2処理電極36の幅Wよりも大きく、また、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0034】
接触端子58a、58bの各々は、第2電界処理位置に搬送された基板の表面に接触可能な接触位置と、基板から離間するとともに第2処理電極36の移動経路内から退避する退避位置と、の間を移動可能に支持されている。本実施の形態では、接触端子58a、58bの各々は、接触位置において、第2電界処理位置に搬送された前面基板11の電極23a、23bにそれぞれ接触可能に設けられている。また、製造装置は、接触端子58a、586bをそれぞれ接触位置と退避位置との間で移動させる駆動機構を備えている。
【0035】
次に、上記製造装置により基板を処理する方法について説明する。ここでは、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20が形成された前面基板11を処理する場合について説明する。
【0036】
図4および図6に示すように、まず、排気ポンプ32により真空チャンバ30内を所望の真空度まで真空排気し、真空チャンバ内を真空雰囲気とする。続いて、真空チャンバ30内に前面基板11を搬入し、第1電界処理位置に設置する。この第1電界処理位置において、前面基板11は、メタルバック20側の表面が第1処理電極34と所望の隙間、例えば、2mm程度の隙間を置いて対向配置される。また、前面基板11は、その長軸方向が第1処理電極34の移動方向と一致した状態で配置される。更に、第1処理電極34は、前面基板11の長軸方向一端部、例えば、左端部の表面と対向する初期位置に移動させておく。
【0037】
次に、一対の電極の内、第1処理電極34から離れて位置している接触端子56aを接触位置に移動させ、前面基板11の一方の電極23aに接触させる。すなわち、処理電極34と対向せず重なっていない領域に位置した電極23aに接触端子56aを接触させる。これにより、前面基板11のメタルバック20は、電極23a、接触端子56aを介して電源46aと電気的に接続される。なお、他方の接触端子56bは、退避位置に移動させておく。
【0038】
この状態で、電源46からメタルバック20に電圧を印加する。これにより、前面基板11と第1処理電極34との間に電界が発生し、第1処理電極と対向している前面基板11の表面領域が電界処理される。
【0039】
電界を発生させた後、移動機構50を駆動し、第1処理電極34を前面基板11のメタルバック20と所定の隙間を置いて対向した状態で、前面基板の長軸方向に沿ってその左端部から右端部に向かって一定の速度で移動させる。このように、前面基板11および第1処理電極34を相対的に移動させ、前面基板11の表面を電界処理しながら、第1処理電極によって前面基板表面を走査する。
【0040】
図7に示すように、第1処理電極34が前面基板11の電極23bと対向および重ならない位置まで移動した後、電極23aと重なる位置まで移動する前に、他方の接触端子56bを退避位置から接触位置に移動させ電極23bに接触させ、その後、接触端子56aを接触位置から退避位置に移動させる。こうすることで、メタルバック20に連続的に電圧を印加して前面基板11の表面を連続的に電界処理することができる。
【0041】
その後、第1処理電極34が前面基板11の表面右端を越え、前面基板外まで移動した時点で、第1処理電極を停止するとともにメタルバック20への電圧印加を停止する。これにより、前面基板11の表面全域を電界処理し、前面基板上に残留していた異物等の放電源を除去する。
【0042】
そして、電界処理が終了した後、基板搬送機構54により前面基板11を第1電界処理位置からゲッター蒸着位置40へ移動させる。なお、本実施の形態では、第1処理電極34を前面基板11表面の左端から右端へ片道だけ走査する構成としたが、上記と同様の方法により、第1処理電極34を往復移動させ、前面基板11の左端を越え前面基板外まで移動させた後に停止する構成としてもよい。この場合、電界処理が完了した前面基板11は、第1処理電極34の下を通過することなくゲッター蒸着位置40に移動することが可能となる。
【0043】
ゲッター蒸着位置40において、前面基板11はそのメタルバック20側の表面が上を向いた状態でゲッター装置38のカバー42の下部開口と対向する。この状態で、カバー42の底部に設けられたゲッター材44を加熱機構45により加熱して蒸発させ、ゲッターフラッシュを行う。これにより、前面基板11のメタルバック20上にゲッターを蒸着しゲッター膜22を形成する。
【0044】
ゲッター膜22の成膜後、基板搬送機構54により前面基板11をゲッター蒸着位置40から第2電界処理位置に搬送する。第2電界処理位置において、前面基板11は、図4に示すように、ゲッター膜22側の表面が第2処理電極36と所望の隙間を置いて対向配置される。この際、第2処理電極36は、前面基板11の長軸方向一端部、例えば、左端部の表面と対向する初期位置に移動させておく。
【0045】
次に、一対の電極の内、第2処理電極34から離れて位置している接触端子58aを接触位置に移動させ、前面基板11の一方の電極23aに接触させる。すなわち、第1処理電極34と対向せず重なっていない領域に位置した電極23aに接触端子58aを接触させる。これにより、前面基板11のメタルバック20は、電極23a、接触端子58aを介して電源46bと電気的に接続される。なお、他方の接触端子58bは、退避位置に移動させておく。
【0046】
この状態で、電源46からメタルバック20に電圧を印加する。これにより、前面基板11と第2処理電極36との間に電界が発生し、第2処理電極と対向している前面基板11の表面領域が電界処理される。
【0047】
電界を発生させた後、移動機構52を駆動し、第2処理電極36を前面基板11のゲッター膜22と所定の隙間を置いて対向した状態で、前面基板の長軸方向に沿ってその左端部から右端部に向かって一定の速度で移動させる。これにより、前面基板11および第2処理電極36を相対的に移動させ、前面基板11の表面を電界処理しながら、第2処理電極によって前面基板表面を走査する。
【0048】
第2処理電極36が前面基板11の電極23bと重ならない位置まで移動した後、電極23aと重なる位置まで移動する前に、他方の接触端子58bを退避位置から接触位置に移動させ電極23bに接触させ、その後、接触端子58aを接触位置から退避位置に移動させる。こうすることで、メタルバック20に連続的に電圧を印加して前面基板11の表面を連続的に電界処理することができる。
【0049】
その後、第2処理電極36が前面基板11の表面右端を越え、前面基板外まで移動した時点で、第2処理電極を停止するとともに電圧印加を停止する。これにより、ゲッター蒸着工程で新たに発生した耐圧劣化要因を除去する。
【0050】
その後、基板搬送機構54により前面基板11を第2電界処理位置から真空チャンバ30内の他の位置へ移動させる。なお、本実施の形態では、第2処理電極36を前面基板11表面の左端から右端へ片道だけ走査する構成としたが、上記と同様の方法により、第2処理電極36を往復移動させ、前面基板11の左端を越えた前面基板外まで移動させた後に停止する構成としてもよい。この場合、電界処理が完了した前面基板11は、第2処理電極36の下を通過することなく移動することが可能となる。
【0051】
一方、配線21および電子放出素子18等が形成された背面基板12をゲッター蒸着を除いて上記と同様の工程により電界処理する。ただし、背面基板12の電界処理は少なくとも1回行えばよい。
【0052】
そして、電界処理された前面基板11および背面基板12を大気に晒すことなく真空雰囲気中に維持した状態で図示しない封着位置へ搬送し、ここで互いに封着して真空外囲器10を形成する。これにより、FEDが完成する。なお、基板の封着は、上述した電界処理と同一の真空チャンバ内、あるいは、真空状態で連通した他の真空チャンバ内のいずれで行ってもよい。
【0053】
上記のように構成された製造方法および製造装置によれば、真空チャンバへ投入される前に前面基板11、背面基板12に付着した粉塵などの異物および前面基板、背面基板の生産過程で形成された不要な突起などを除去することができる。また、これらの基板を真空チャンバへ投入した後、ゲッター蒸着工程で発生した塵や真空チャンバ内の浮遊物質等の基板に付着した塵、埃等の異物を除去することができる。これにより、放電発生のトリガを取り除き、耐圧特性の向上したFEDを得ることができる。そして、前面基板、背面基板の電界処理、およびゲッター蒸着処理を真空チャンバ内で行った後、これらの基板を大気に晒すことなく真空外囲器を形成することにより、大気中の粉塵などが基板に再付着する恐れがなく、初期放電および長期に渡る放電の抑制を実現することができる。
【0054】
また、複数の接触端子を、基板と処理電極とが対向せず重ならない位置で基板に交互に接触させて電位を印加することにより、処理電極による電界処理時、接触端子が邪魔になることがなく、基板の全面を効率良く電界処理することが可能となる。
【0055】
その結果、放電に伴う蛍光面や電子放出素子の破壊、劣化、更には、駆動回路の破壊を防止し、FEDの信頼性向上および長寿命化を図ることができる。同時に、アノード電位を高く設定することが可能となり、高輝度で表示性能の高いFEDを得ることができる。
【0056】
上述した実施の形態では、処理電極をゲッター装置38の前後にそれぞれ設ける構成としたが、図8に示す第2の実施の形態のように、処理電極を1個としても実施可能である。この場合、上述した実施の形態と同様の方法により、処理電極34を用いて前面基板11の電界処理を行った後、前面基板をゲッター蒸着位置40に搬送しゲッター蒸着を行なう。その後、ゲッター膜22の形成された前面基板11を再び処理電極34と対向する位置に戻し電界処理を行う。
このような構成によれば、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるとともに、製造装置の簡略化を図ることができる。
【0057】
また、図9に示す第3の実施の形態のように、処理電極34を1個とし、ゲッター膜を形成した後にのみ、前面基板11を処理電極34と対向する電界処理位置に搬送し、第1の実施の形態と同様の方法により、前面基板の電界処理を行う構成としてもよい。この場合においても、最終的に真空外囲器内に露出して背面基板12と対向するゲッター膜22を電界処理することにより、ゲッター膜に付着した粉塵などの異物および製造過程で形成された不要な突起などを除去することができる。その結果、FEDの耐圧特性を充分に向上させることが可能となる。
あるいは、処理電極を1つとし、ゲッター膜蒸着前にのみ電界処理を行う構成としてもよく、この場合でも耐圧特性の向上を図ることができる。
【0058】
更に、上述した実施の形態では、基板の上方に配置されたゲッター材を用いて、上から下に向かってゲッターフラッシュする構成としたが、図10に示す第4の実施の形態のように、ゲッター材を基板の下方に配置し、下から上に向かってゲッターフラッシュを行う構成とすることもできる。この場合、ゲッターフラッシュに伴い発生する粉塵等が基板側に付着することが防止される。また、ゲッターフラッシュの方向は、上下方向に限らず、他の方向からでも実施可能であることは言うまでもない。
【0059】
なお、上述した第2ないし第4の実施の形態において、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
その他、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態において、基板側を固定とし処理電極を移動させる構成としたが、逆に、処理電極を固定とし基板側を移動させることにより、処理電極と基板とを相対的に移動させる構成としてもよい。
【0061】
また、接触部として、メタルバックと導通した複数の電極を前面基板の表面に設け、これらの電極に対して接触端子を交互に接触させる構成としたが、電極を設けることなく、メタルバック自体を接触部として、接触端子を直接メタルバックに接触させる構成としても良い。更に、基板における複数の接触部は、相対移動方向に沿って処理電極の幅以上離間していれば良く、基板の一辺の両端部に限らず、基板の一辺中央部と一端部とに設け、あるいは、対角方向に離間した2つの角部に設けてもよい。なお、例えば、基板の長辺部に長細い電極を設け、それらがすべて接触部になりうるようにすることも可能である。この場合、形態上は、接触部が離間しているようにはなっていないが、実際に接触をすることになる場所を接触部と見なす。
【0062】
上述した実施の形態では、前面基板および背面基板の両方を真空雰囲気中で電界処理する構成としたが、少なくとも一方の基板を電界処理することによっても耐圧特性の向上した画像表示装置を得ることができる。
【0063】
また、真空中の方が高い電圧を印加できる点や封着と一貫して処理ができる点で好適ではあるが、真空中であることが必ずしも必要なわけではなく、大気中で処理を行うことでもある程度の効果が期待できることを確認している。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、長寿命で耐圧特性に優れ、信頼性の向上した高性能の画像表示装置を製造可能な製造方法、および製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法および製造装置により製造されるFEDの一例を示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】上記FEDの前面基板を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図5】上記製造装置における接触端子部分を概略的に示す図。
【図6】上記製造装置における前面基板の電界処理工程を示す平面図。
【図7】上記製造装置における前面基板の電界処理工程を示す平面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、
12…背面基板、 15…蛍光体スクリーン、
18…電子放出素子、 20…メタルバック、
22…ゲッター膜、 23a、23b…電極、
30…真空チャンバ、 34…第1処理電極(処理電極)、
36…第2処理電極、 38…ゲッター装置、
44…ゲッター材、 46a、46b…電源、
50、52…移動機構、 56a、56b、58a、58b…接触端子、
60…駆動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向配置された一対の基板を備えた画像表示装置の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の画像表示装置として、電子放出素子を多数並べ、蛍光面と対向配置させた平面型の画像表示装置の開発が進められている。電子放出素子には様々な種類があるが、いずれも基本的には電界放出を用いており、これらの電子放出素子を用いた表示装置は、一般に、フィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)と呼ばれている。FEDの内、表面伝導型電子放出素子を用いた表示装置は、表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)とも呼ばれているが、本願においてはSEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
【0003】
FEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部同士を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。真空容器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これらの基板の間には複数の支持部材が配設されている。
【0004】
前面基板の内面には赤、青、緑の蛍光体層を含む蛍光面が形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起して発光させる電子を放出する多数の電子放出素子が設けられている。また、多数の走査線および信号線がマトリックス状に形成され、各電子放出素子に接続されている。蛍光面にはアノード電圧が印加され、電子放出素子から出た電子ビームがアノード電圧により加速されて蛍光面に衝突することにより、蛍光体が発光し映像が表示される。
【0005】
更に、FEDは、外囲器内部の残留ガス及び各基板の放出ガスを吸着するため、ゲッターと呼ばれるガス吸着特性を持った金属が蛍光面のメタルバック上に蒸着(ゲッターフラッシュ)されている。
【0006】
このようなFEDでは、前面基板と背面基板との隙間を1〜3mm程度に設定することができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)と比較して、大幅な軽量化、薄型化を達成することができる。
【0007】
上記のように構成されたFEDにおいて、実用的な表示特性を得るためには、通常のCRTと同様の蛍光体を用い、更に、蛍光体の上にメタルバックと呼ばれるアルミ薄膜を形成した蛍光面を用いることが必要となる。この場合、蛍光面に印加するアノード電圧は最低でも数kV、できれば10kV以上にすることが望まれる。
【0008】
しかし、前面基板と背面基板との間の隙間は、解像度や電子放出効率の特性などの観点からあまり大きくすることはできず、1〜3mm程度に設定する必要がある。従って、FEDでは、前面基板と背面基板との小さい隙間に強電界が形成されることを避けられず、両基板間の放電(絶縁破壊)が問題となる。
このような放電破壊への対策の一環として、例えば特許文献1に記載されたような技術が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251797号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、FEDにおいては放電対策が重要であるが、放電が起きないようにする目的で、アノード電圧を下げたり、前面基板と背面基板とのギャップを大きくしたりすると、輝度や解像度などの性能を犠牲にせざるをえず、製品として望まれる性能を満たすことが困難となる。従って、性能の高いFEDを実現するために、より耐圧を高くすることができる技術が強く望まれている。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、その目的は、耐圧が高く、表示性能および信頼性に優れた画像表示装置を製造することが可能な画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
検討の結果、放電対策として、FEDを構成する基板に電界を印加することで放電源となる微粒子等を除去する処理が有効であることが結果わかった。本明細書では、このような基板に電界を印加することで耐圧を向上させるための処理を、耐圧処理と称することとし、これに対応し、耐圧処理方法、耐圧処理装置という用語を用いる。また、電界を印加するプロセスを特に区別して電界処理と称する。耐圧処理とは電界処理をその主要原理とする一連の処理のことである。この処理においては、基板と対向面との間で放電を起こすことは必ずしも必要ではない。ただ、単純に放電を起こすと基板にダメージが入ってしまうが、ダメージを十分小さくできれば放電を起こすようにしても良い。
【0013】
耐圧処理が有効であるとはいえ、その具体的な方法についてはさまざまなバリエーションがありえ、未だ最適な方法が確立していない。最も単純な形態は、被処理基板である前面基板または背面基板と同程度のサイズの処理電極を用い、被処理基板に電界を印加するというものであるが、これだと、処理電極の重量が非常に大きくなる、電極の最適化をする上でサイズが大きいことが制約になる等の問題がある。
【0014】
そこで、この発明の形態に係る画像表示装置の製造方法は、蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の表面とこの基板よりも幅の狭い処理電極とを対向させ、上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが互いに隙間を置いて対向した状態で、上記少なくとも一方の基板と処理電極とを相対移動させ上記少なくとも一方の基板の表面を上記処理電極により走査し、上記相対移動の間、上記相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子を、上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが対向していない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に交互に接触させて電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加して上記少なくとも一方の基板を電界処理することを特徴としている。
【0015】
また、この発明の態様に係る画像表示装置の製造装置は、蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造装置において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と対向して配置され、上記少なくとも一方の基板よりも幅の短い処理電極と、上記少なくとも一方の基板と上記処理電極とを互いに対向した状態で相対移動させる移動機構と、上記相対移動の方向において上記処理電極の幅よりも広い間隔を置いて設けられているとともに、それぞれ上記少なくとも一方の基板に接触可能な接触位置と上記少なくとも一方の基板から離間する退避位置との間を移動可能に設けられた複数の接触端子と、上記少なくとも一方の基板と処理電極との相対移動の間、上記複数の接触端子を交互に接触位置へ移動させ、上記少なくとも一方の基板と処理電極とが重ならない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に接触させる駆動機構と、上記接触端子を介して上記少なくとも一方の基板に電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加する電界印加部と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
上記のように構成された画像表示装置の製造方法および製造装置によれば、基板と処理電極とを隙間を置いて対向させ、これらの基板および処理基板を相対的に移動させながら処理電極と基板との間に電界を印加し、基板の前面を電界処理している。相対移動の間、基板と処理電極とが対向しない位置で、基板の表面に接触端子を交互に接触させて電位を印加することにより、接触端子が処理電極と干渉することなく、また、接触端子と処理電極との間で放電が発生することなく、基板の前面を電界処理することが可能となる。これにより、基板に残留した異物、突起等を除去し、放電発生の要因を取り除くことができる。従って、上記基板を用いることにより、耐圧特性に優れ、表示性能および信頼性の向上した画像表示装置を製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置の製造方法および製造装置について詳細に説明する。
始めに、本製造方法および製造装置により製造される画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0018】
図1および図2に示すように、このFEDは、絶縁基板としてそれぞれ板厚が1〜3mm程度の矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−4Pa程度の高真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0019】
接合部材として機能する側壁13は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材25により、前面基板11の周縁部および背面基板12の周縁部に封着され、これらの基板同志を接合している。
【0020】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0021】
図2および図3に示すように、前面基板11の内面の表示領域上には、蛍光面として、赤、緑、青の蛍光体層16とマトリックス状の黒色遮光層17とを有した矩形状の蛍光体スクリーン15が形成されている。蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなる矩形状のメタルバック20が形成され、更に、メタルバックに重ねてゲッター膜22が形成されている。メタルバック20はアノード電極として機能する。
【0022】
なお、黒色遮光層17は、メタルバック20の周縁部外側に沿って設けられた第1枠部17a、および封着材25の内周縁に沿って設けられた第2枠部17bを含んでいる。また、図3に示すように、前面基板11の内面には、第1枠部17aに重ねて複数、例えば、2つの電極23a、23bが形成されている。ここでは、電極23a、23bは、第1枠部17aの1つの長辺の両端部にそれぞれ形成され、メタルバック20の1つの長辺側の両端部に電気的に接続されている。これにより、それぞれ接触部として機能する電極23a、23bは、前面基板11の長軸方向に沿って互いに離間して位置している。電極23a、23bは、例えば、第1枠部17a上に塗布した銀ペーストを焼成することにより形成されている。
【0023】
図1および図2に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0024】
このようなFEDにおいて、画像を表示する場合、メタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0025】
次に、上記のように構成されたFEDの製造装置および製造方法について説明する。図4ないし図6に示すように、製造装置は、真空処理槽で構成された真空チャンバ30を備え、この真空チャンバには、内部を真空排気する排気ポンプ32が接続されている。
【0026】
真空チャンバ30内には、第1処理電極34、第2処理電極36、およびゲッター装置38が設けられている。第1および第2処理電極34、36は、それぞれ細長い矩形状に形成され、ほぼ水平に、かつ、隙間をおいて並んで設けられている。第1および第2処理電極34、36は、それぞれ処理対象となる基板の所定方向の長さ、ここでは、長軸方向の長さよりも短い幅Wと、基板の幅よりも大きな長さLとを有している。第1および第2処理電極34、36の幅Wは、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の距離dよりも短く形成されている。
【0027】
第1および第2処理電極34、36は、それぞれ接地電位に接続されている。そして、真空チャンバ30内には、第1および第2処理電極34、36を支持しているとともに水平方向に沿って往復移動させる移動機構50、52が設けられている。
【0028】
真空チャンバ30内において、第1および第2処理電極34、36間にはゲッター蒸着位置40が規定され、このゲッター蒸着位置40の上方にゲッター装置38が配置されている。ゲッター装置38は、ゲッター蒸着位置40に向かって開放したカバー42、カバー内の底部に設けられたゲッター材44、およびゲッター材を加熱する加熱機構45を備えている。加熱機構45としては、高周波加熱方式あるいは抵抗加熱方式の加熱機構を用いることができる。
【0029】
また、真空チャンバ30内には、処理対象となる基板を第1処理電極34と対向する第1電界処理位置、上記ゲッター蒸着位置40、および第2処理電極36と対向する第2電界処理位置の間で搬送する基板搬送機構54が設けられている。
【0030】
更に、真空チャンバ30内には、第1電界処理位置に搬送された基板にそれぞれ接触可能な一対の接触端子56a、56b、および第2電界処理位置に搬送された基板にそれぞれ接触可能な一対の接触端子58a、58bが設けられている。接触端子56a、56bには、これらの接触端子に電圧を印加する電源46aが接続され、また、接触端子58a、58bには、これらの接触端子に電圧を印加する電源46bが接続されている。電源46a、46bは電圧印加部を構成している。
【0031】
図5および図6に示すように、接触端子56a、56bは、第1処理電極34の移動方向に沿って互いに離間して配置され、その間隔dは、第1処理電極34の幅Wよりも大きく、また、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0032】
接触端子56a、56bの各々は、第1電界処理位置に搬送された基板の表面に接触可能な接触位置と、基板から離間するとともに第1処理電極34の移動経路内から退避する退避位置と、の間を移動可能に支持されている。本実施の形態では、接触端子56a、56bの各々は、接触位置において、第1電界処理位置に搬送された前面基板11の電極23a、23bにそれぞれ接触可能に設けられている。また、製造装置は、接触端子56a、56bをそれぞれ接触位置と退避位置との間で移動させる駆動機構60を備えている。
【0033】
同様に、接触端子58a、58bは、第2処理電極36の移動方向に沿って互いに離間して配置され、その間隔は、第2処理電極36の幅Wよりも大きく、また、前面基板11に設けられた電極23a、23b間の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0034】
接触端子58a、58bの各々は、第2電界処理位置に搬送された基板の表面に接触可能な接触位置と、基板から離間するとともに第2処理電極36の移動経路内から退避する退避位置と、の間を移動可能に支持されている。本実施の形態では、接触端子58a、58bの各々は、接触位置において、第2電界処理位置に搬送された前面基板11の電極23a、23bにそれぞれ接触可能に設けられている。また、製造装置は、接触端子58a、586bをそれぞれ接触位置と退避位置との間で移動させる駆動機構を備えている。
【0035】
次に、上記製造装置により基板を処理する方法について説明する。ここでは、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20が形成された前面基板11を処理する場合について説明する。
【0036】
図4および図6に示すように、まず、排気ポンプ32により真空チャンバ30内を所望の真空度まで真空排気し、真空チャンバ内を真空雰囲気とする。続いて、真空チャンバ30内に前面基板11を搬入し、第1電界処理位置に設置する。この第1電界処理位置において、前面基板11は、メタルバック20側の表面が第1処理電極34と所望の隙間、例えば、2mm程度の隙間を置いて対向配置される。また、前面基板11は、その長軸方向が第1処理電極34の移動方向と一致した状態で配置される。更に、第1処理電極34は、前面基板11の長軸方向一端部、例えば、左端部の表面と対向する初期位置に移動させておく。
【0037】
次に、一対の電極の内、第1処理電極34から離れて位置している接触端子56aを接触位置に移動させ、前面基板11の一方の電極23aに接触させる。すなわち、処理電極34と対向せず重なっていない領域に位置した電極23aに接触端子56aを接触させる。これにより、前面基板11のメタルバック20は、電極23a、接触端子56aを介して電源46aと電気的に接続される。なお、他方の接触端子56bは、退避位置に移動させておく。
【0038】
この状態で、電源46からメタルバック20に電圧を印加する。これにより、前面基板11と第1処理電極34との間に電界が発生し、第1処理電極と対向している前面基板11の表面領域が電界処理される。
【0039】
電界を発生させた後、移動機構50を駆動し、第1処理電極34を前面基板11のメタルバック20と所定の隙間を置いて対向した状態で、前面基板の長軸方向に沿ってその左端部から右端部に向かって一定の速度で移動させる。このように、前面基板11および第1処理電極34を相対的に移動させ、前面基板11の表面を電界処理しながら、第1処理電極によって前面基板表面を走査する。
【0040】
図7に示すように、第1処理電極34が前面基板11の電極23bと対向および重ならない位置まで移動した後、電極23aと重なる位置まで移動する前に、他方の接触端子56bを退避位置から接触位置に移動させ電極23bに接触させ、その後、接触端子56aを接触位置から退避位置に移動させる。こうすることで、メタルバック20に連続的に電圧を印加して前面基板11の表面を連続的に電界処理することができる。
【0041】
その後、第1処理電極34が前面基板11の表面右端を越え、前面基板外まで移動した時点で、第1処理電極を停止するとともにメタルバック20への電圧印加を停止する。これにより、前面基板11の表面全域を電界処理し、前面基板上に残留していた異物等の放電源を除去する。
【0042】
そして、電界処理が終了した後、基板搬送機構54により前面基板11を第1電界処理位置からゲッター蒸着位置40へ移動させる。なお、本実施の形態では、第1処理電極34を前面基板11表面の左端から右端へ片道だけ走査する構成としたが、上記と同様の方法により、第1処理電極34を往復移動させ、前面基板11の左端を越え前面基板外まで移動させた後に停止する構成としてもよい。この場合、電界処理が完了した前面基板11は、第1処理電極34の下を通過することなくゲッター蒸着位置40に移動することが可能となる。
【0043】
ゲッター蒸着位置40において、前面基板11はそのメタルバック20側の表面が上を向いた状態でゲッター装置38のカバー42の下部開口と対向する。この状態で、カバー42の底部に設けられたゲッター材44を加熱機構45により加熱して蒸発させ、ゲッターフラッシュを行う。これにより、前面基板11のメタルバック20上にゲッターを蒸着しゲッター膜22を形成する。
【0044】
ゲッター膜22の成膜後、基板搬送機構54により前面基板11をゲッター蒸着位置40から第2電界処理位置に搬送する。第2電界処理位置において、前面基板11は、図4に示すように、ゲッター膜22側の表面が第2処理電極36と所望の隙間を置いて対向配置される。この際、第2処理電極36は、前面基板11の長軸方向一端部、例えば、左端部の表面と対向する初期位置に移動させておく。
【0045】
次に、一対の電極の内、第2処理電極34から離れて位置している接触端子58aを接触位置に移動させ、前面基板11の一方の電極23aに接触させる。すなわち、第1処理電極34と対向せず重なっていない領域に位置した電極23aに接触端子58aを接触させる。これにより、前面基板11のメタルバック20は、電極23a、接触端子58aを介して電源46bと電気的に接続される。なお、他方の接触端子58bは、退避位置に移動させておく。
【0046】
この状態で、電源46からメタルバック20に電圧を印加する。これにより、前面基板11と第2処理電極36との間に電界が発生し、第2処理電極と対向している前面基板11の表面領域が電界処理される。
【0047】
電界を発生させた後、移動機構52を駆動し、第2処理電極36を前面基板11のゲッター膜22と所定の隙間を置いて対向した状態で、前面基板の長軸方向に沿ってその左端部から右端部に向かって一定の速度で移動させる。これにより、前面基板11および第2処理電極36を相対的に移動させ、前面基板11の表面を電界処理しながら、第2処理電極によって前面基板表面を走査する。
【0048】
第2処理電極36が前面基板11の電極23bと重ならない位置まで移動した後、電極23aと重なる位置まで移動する前に、他方の接触端子58bを退避位置から接触位置に移動させ電極23bに接触させ、その後、接触端子58aを接触位置から退避位置に移動させる。こうすることで、メタルバック20に連続的に電圧を印加して前面基板11の表面を連続的に電界処理することができる。
【0049】
その後、第2処理電極36が前面基板11の表面右端を越え、前面基板外まで移動した時点で、第2処理電極を停止するとともに電圧印加を停止する。これにより、ゲッター蒸着工程で新たに発生した耐圧劣化要因を除去する。
【0050】
その後、基板搬送機構54により前面基板11を第2電界処理位置から真空チャンバ30内の他の位置へ移動させる。なお、本実施の形態では、第2処理電極36を前面基板11表面の左端から右端へ片道だけ走査する構成としたが、上記と同様の方法により、第2処理電極36を往復移動させ、前面基板11の左端を越えた前面基板外まで移動させた後に停止する構成としてもよい。この場合、電界処理が完了した前面基板11は、第2処理電極36の下を通過することなく移動することが可能となる。
【0051】
一方、配線21および電子放出素子18等が形成された背面基板12をゲッター蒸着を除いて上記と同様の工程により電界処理する。ただし、背面基板12の電界処理は少なくとも1回行えばよい。
【0052】
そして、電界処理された前面基板11および背面基板12を大気に晒すことなく真空雰囲気中に維持した状態で図示しない封着位置へ搬送し、ここで互いに封着して真空外囲器10を形成する。これにより、FEDが完成する。なお、基板の封着は、上述した電界処理と同一の真空チャンバ内、あるいは、真空状態で連通した他の真空チャンバ内のいずれで行ってもよい。
【0053】
上記のように構成された製造方法および製造装置によれば、真空チャンバへ投入される前に前面基板11、背面基板12に付着した粉塵などの異物および前面基板、背面基板の生産過程で形成された不要な突起などを除去することができる。また、これらの基板を真空チャンバへ投入した後、ゲッター蒸着工程で発生した塵や真空チャンバ内の浮遊物質等の基板に付着した塵、埃等の異物を除去することができる。これにより、放電発生のトリガを取り除き、耐圧特性の向上したFEDを得ることができる。そして、前面基板、背面基板の電界処理、およびゲッター蒸着処理を真空チャンバ内で行った後、これらの基板を大気に晒すことなく真空外囲器を形成することにより、大気中の粉塵などが基板に再付着する恐れがなく、初期放電および長期に渡る放電の抑制を実現することができる。
【0054】
また、複数の接触端子を、基板と処理電極とが対向せず重ならない位置で基板に交互に接触させて電位を印加することにより、処理電極による電界処理時、接触端子が邪魔になることがなく、基板の全面を効率良く電界処理することが可能となる。
【0055】
その結果、放電に伴う蛍光面や電子放出素子の破壊、劣化、更には、駆動回路の破壊を防止し、FEDの信頼性向上および長寿命化を図ることができる。同時に、アノード電位を高く設定することが可能となり、高輝度で表示性能の高いFEDを得ることができる。
【0056】
上述した実施の形態では、処理電極をゲッター装置38の前後にそれぞれ設ける構成としたが、図8に示す第2の実施の形態のように、処理電極を1個としても実施可能である。この場合、上述した実施の形態と同様の方法により、処理電極34を用いて前面基板11の電界処理を行った後、前面基板をゲッター蒸着位置40に搬送しゲッター蒸着を行なう。その後、ゲッター膜22の形成された前面基板11を再び処理電極34と対向する位置に戻し電界処理を行う。
このような構成によれば、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるとともに、製造装置の簡略化を図ることができる。
【0057】
また、図9に示す第3の実施の形態のように、処理電極34を1個とし、ゲッター膜を形成した後にのみ、前面基板11を処理電極34と対向する電界処理位置に搬送し、第1の実施の形態と同様の方法により、前面基板の電界処理を行う構成としてもよい。この場合においても、最終的に真空外囲器内に露出して背面基板12と対向するゲッター膜22を電界処理することにより、ゲッター膜に付着した粉塵などの異物および製造過程で形成された不要な突起などを除去することができる。その結果、FEDの耐圧特性を充分に向上させることが可能となる。
あるいは、処理電極を1つとし、ゲッター膜蒸着前にのみ電界処理を行う構成としてもよく、この場合でも耐圧特性の向上を図ることができる。
【0058】
更に、上述した実施の形態では、基板の上方に配置されたゲッター材を用いて、上から下に向かってゲッターフラッシュする構成としたが、図10に示す第4の実施の形態のように、ゲッター材を基板の下方に配置し、下から上に向かってゲッターフラッシュを行う構成とすることもできる。この場合、ゲッターフラッシュに伴い発生する粉塵等が基板側に付着することが防止される。また、ゲッターフラッシュの方向は、上下方向に限らず、他の方向からでも実施可能であることは言うまでもない。
【0059】
なお、上述した第2ないし第4の実施の形態において、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
その他、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態において、基板側を固定とし処理電極を移動させる構成としたが、逆に、処理電極を固定とし基板側を移動させることにより、処理電極と基板とを相対的に移動させる構成としてもよい。
【0061】
また、接触部として、メタルバックと導通した複数の電極を前面基板の表面に設け、これらの電極に対して接触端子を交互に接触させる構成としたが、電極を設けることなく、メタルバック自体を接触部として、接触端子を直接メタルバックに接触させる構成としても良い。更に、基板における複数の接触部は、相対移動方向に沿って処理電極の幅以上離間していれば良く、基板の一辺の両端部に限らず、基板の一辺中央部と一端部とに設け、あるいは、対角方向に離間した2つの角部に設けてもよい。なお、例えば、基板の長辺部に長細い電極を設け、それらがすべて接触部になりうるようにすることも可能である。この場合、形態上は、接触部が離間しているようにはなっていないが、実際に接触をすることになる場所を接触部と見なす。
【0062】
上述した実施の形態では、前面基板および背面基板の両方を真空雰囲気中で電界処理する構成としたが、少なくとも一方の基板を電界処理することによっても耐圧特性の向上した画像表示装置を得ることができる。
【0063】
また、真空中の方が高い電圧を印加できる点や封着と一貫して処理ができる点で好適ではあるが、真空中であることが必ずしも必要なわけではなく、大気中で処理を行うことでもある程度の効果が期待できることを確認している。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、長寿命で耐圧特性に優れ、信頼性の向上した高性能の画像表示装置を製造可能な製造方法、および製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法および製造装置により製造されるFEDの一例を示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】上記FEDの前面基板を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図5】上記製造装置における接触端子部分を概略的に示す図。
【図6】上記製造装置における前面基板の電界処理工程を示す平面図。
【図7】上記製造装置における前面基板の電界処理工程を示す平面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る製造方法および製造装置を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、
12…背面基板、 15…蛍光体スクリーン、
18…電子放出素子、 20…メタルバック、
22…ゲッター膜、 23a、23b…電極、
30…真空チャンバ、 34…第1処理電極(処理電極)、
36…第2処理電極、 38…ゲッター装置、
44…ゲッター材、 46a、46b…電源、
50、52…移動機構、 56a、56b、58a、58b…接触端子、
60…駆動機構
Claims (12)
- 蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の表面とこの基板よりも幅の狭い処理電極とを対向させ、
上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが互いに隙間を置いて対向した状態で、上記少なくとも一方の基板と処理電極とを相対移動させ上記少なくとも一方の基板の表面を上記処理電極により走査し、
上記相対移動の間、上記相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子を、上記少なくとも一方の基板の表面と処理電極とが対向していない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に交互に接触させて電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加して上記少なくとも一方の基板を電界処理することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 上記電界処理を真空中で行うことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造装置。
- 真空雰囲気中で、ゲッターフラッシュにより上記前面基板の蛍光面側にゲッター膜を形成した後、この前面基板に対して上記電界処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記電界処理を行った後、上記封着の前に、真空雰囲気中で、ゲッターフラッシュにより上記前面基板の蛍光面側にゲッター膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法
- 真空雰囲気中で、上記電界処理を行った後、上記前面基板の蛍光面側にゲッターフラッシュによりゲッター膜を形成し、このゲッター膜の形成された前面基板に対し再び上記電界処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
- 蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造方法において、
真空雰囲気中で、ゲッターフラッシュにより上記前面基板の蛍光面側にゲッター膜を形成し、
真空雰囲気中で、上記前面基板のゲッター膜側とこの前面基板よりも幅の狭い処理電極とを対向させた状態で、上記前面基板と処理電極とを相対移動させ、上記前面基板のゲッター膜側表面全体を上記処理電極により走査し、
上記相対移動の間、上記相対移動の方向に沿って互いに離間した複数の接触端子を、上記前面基板と処理電極とが対向していない位置で上記前面基板のゲッター膜側表面に交互に接触させて電位を印加し、上記前面基板と処理電極との間に電界を印加して上記前面基板を電界処理し、
上記電界処理の後、上記前面基板と背面基板とを真空雰囲気中に維持した状態で互いに封着することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造方法において、
真空雰囲気中で、上記前面基板の蛍光面側とこの前面基板よりも幅の狭い処理電極とを対向させた状態で、上記前面基板と処理電極とを相対移動させ、
上記相対移動の間、上記相対移動の方向に沿って互いに離間して設けられた複数の接触端子を、上記前面基板と処理電極とが重ならない位置で上記前面基板に交互に接触させて電位を印加し、上記前面基板と処理電極との間に電界を印加して上記前面基板を電界処理し、
上記電界処理された前面基板の蛍光面側にゲッターフラッシュによりゲッター膜を形成し、
上記ゲッター膜の形成された前面基板を真空雰囲気中に維持した状態で、前記背面基板と封着することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 真空雰囲気中で、上記ゲッター膜の形成された前面基板に対し再び上記電界処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記少なくとも一方の基板の表面に上記相対移動の方向に沿って上記処理電極の幅よりも互いに離間した複数の接触部を設け、上記相対移動の間、上記複数の接触端子を上記基板の複数の接触部に交互に接触させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 蛍光面が形成された前面基板と、複数の電子放出素子が設けられた背面基板とを備えた画像表示装置の製造装置において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と対向して配置され、上記少なくとも一方の基板よりも幅の短い処理電極と、
上記少なくとも一方の基板と上記処理電極とを互いに対向した状態で相対移動させる移動機構と、
上記相対移動の方向において上記処理電極の幅よりも広い間隔を置いて設けられているとともに、それぞれ上記少なくとも一方の基板に接触可能な接触位置と上記少なくとも一方の基板から離間する退避位置との間を移動可能に設けられた複数の接触端子と、
上記少なくとも一方の基板と処理電極との相対移動の間、上記複数の接触端子を交互に接触位置へ移動させ、上記少なくとも一方の基板と処理電極とが重ならない位置で上記少なくとも一方の基板の表面に接触させる駆動機構と、
上記接触端子を介して上記少なくとも一方の基板に電位を印加し、上記少なくとも一方の基板と処理電極との間に電界を印加する電界印加部と、
を備えた画像表示装置の製造装置 - 真空チャンバ中に設けられていることを特徴とする請求項10記載の画像表示装置の製造装置。
- 上記真空チャンバ内に設けられ上記少なくとも一方の基板にゲッター膜を形成するゲッター装置を備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置の製造装置。
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JP2006308350A (ja) * | 2005-04-27 | 2006-11-09 | Alps Electric Co Ltd | 静電容量型圧力センサ及びその製造方法 |
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2003
- 2003-04-14 JP JP2003109413A patent/JP2004319180A/ja not_active Abandoned
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