JP2005044529A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】封着作業を迅速かつ安定して行うことができる画像表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12を有し、前面基板および背面基板の周辺部同士は封着層21を介して互いに接合されている。外囲器には、封着層に通電するための電極30と、封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材40と、が取付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12を有し、前面基板および背面基板の周辺部同士は封着層21を介して互いに接合されている。外囲器には、封着層に通電するための電極30と、封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材40と、が取付けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、対向配置されているとともに周縁部同士が封着された一対の基板を備えた平面型の画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な画像表示装置が開発されている。このような画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などがある。
【0003】
例えばFEDやSEDでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
【0004】
また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体に電子放出素子から放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
【0005】
このようなFEDやSEDでは、表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
【0006】
例えば、上記のようなFEDにおいて、外囲器を構成する前面基板および背面基板を矩形枠状の側壁を介して接合するために様々な製造方法が検討されている。一般的には、2枚の基板と側壁との間にフリットガラスなどの焼結材料を充填し、炉中で加熱、焼結させ、基板と側壁とを結合させて外囲器を形成する。基本的な手順の一例としては、予め背面基板に側壁を溶着したものを準備し、更にこれと前面基板を溶着する。
【0007】
しかしながら、フリットガラスを焼結する場合には不要なガスが発生する。そして、このガスは、溶着後、密閉された外囲器の内部に残留し、後に外囲器内部を高真空に排気する際の障害となる。そこで、前面基板と側壁との間に比較的低温で溶融するインジウム等の低融点金属封着材料を充填し、導電性封着材料に通電しそのジュール熱により導電性封着材料自身を発熱、溶解させ、基板を接合する方法(以下、通電加熱と称する)が検討されている。(例えば、特許文献1参照)この方法によれば、基板の冷却に膨大な時間を費やす必要がなく、短時間で基板を接合し外囲器を形成する事が可能となる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−319346号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の接合方法によれば、外囲器内部を過剰に温度上昇させることがなく、ゲッターの吸着能力が維持され、外囲器内部を高真空度に維持し、かつ熱的劣化などに起因する画像劣化を防止する効果がある。しかしながら、通電加熱の場合、導電性封着材料に安定した電流を流す必要がある。電流値が安定しない場合には外囲器個々により導電性封着材料の溶解にかかる時間が異なり、安定した基板結合が出来なくなる。導電性封着材料を加熱し過ぎると、その熱により基板に亀裂が発生する。逆に十分に溶解していない場合、基板の結合が不十分になり、その後の排気工程で外囲器の真空を保てない等の問題が発生する。また、溶融した導電性封着材の一部が通電用の電極あるいは接合部の側壁から外部に流出する現象が生じる。溶融した低融点金属材料が電極から流出した場合は問題とならないが、接合部の側壁から流出した場合、流出低融点金属材料が映像信号を入力するための引き出し線に接触してショートする虞がある。
【0010】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、封着作業を迅速かつ安定して行うことが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、前記外囲器内に設けられた複数の画素と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えている。
【0012】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に上記電極および流出補助部材を取り付け、上記前面基板および背面基板を対向配置し、上記封着層を介して上記前面基板および背面基板を接触させるとともに、上記電極および流出補助部材を上記封着層に接触させ、上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合するとともに、溶融した封着材の一部を上記流出補助部材から外囲器の外部に流出させることを特徴としている。
【0013】
上述のような画像表示装置およびその製造方法によれば、前面基板および背面基板を有した外囲器を接合する際、溶融した封着材の流出を制御することができ、安定して接合を行うことが可能になる。これらにより安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明に係る画像表示装置をFEDに適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。背面基板12は前面基板11よりも大きな寸法に形成されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【0016】
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の上記一辺と平行な方向に延在しているとともに、この一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック17およびバリウムからなるゲッター膜15が形成されている。
【0017】
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。そして、背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
【0018】
上記のように構成されたFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。電子放出素子から放出される電子ビームは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
【0019】
蛍光体スクリーン16には高電圧が印加されるため、前面基板11、背面基板12、側壁18、および支持部材14用の板ガラスには、高歪点ガラスが使用されている。後述するように、背面基板12と側壁18との間は、フリットガラス等の低融点ガラス19によって封着されている。また、前面基板11と側壁18との間は、導電性を有する低融点封着材としてインジウム(In)を含んだ封着層21によって封着されている。
【0020】
FEDは、複数、例えば、一対の電極30を備え、これらの電極は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。
【0021】
図5に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能な装着部32、装着部に並んで位置し封着層に対する電流の通路となる胴体部34、胴体部の延出端に位置し封着層に接触可能な接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。胴体部34は帯状に形成され、装着部32から斜め上方に傾斜して延びている。これにより、接触部36は、鉛直方向に沿って、装着部32および胴体部34接触部36よりも高く位置している。
【0022】
図1ないし図3に示すように、各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。そして、各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し電気的に導通している。また、胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
【0023】
更に、背面基板12には、複数、例えば12個の流出補助部材40が取り付けられている。これらの流出補助部材40は、図6に示すように、導電部材として厚さ0.2mmの銅板を加工してクリップ状に形成されている。すなわち、流出補助部材40は断面がほぼU字形状となるように折り曲げられ、背面基板12に流出補助部材を固定する役割をもつ取り付け部41、封着材としてのインジウムが流れる通路となる胴体部42、インジウムに対して接触する接触部43を有している。接触部43は先端から2mmの長さの範囲を水平になるように折り曲げ成形し、且つ、背面基板12のインジウムとの間に空隙を有するように胴体部42及び取り付け部14を折り曲げ成形している。
【0024】
図1および図2に示すように、これらの流出補助部材40は、背面基板12の各辺に3個ずつ取り付けられ、所定の間隔をおいて配置されている。また、各流出補助部材40は、背面基板12の周縁部に位置した配線23を避けて配置されている。
【0025】
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成する。この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスとを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを形成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック17を形成する。
【0026】
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
【0027】
その後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板12表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。更に、背面基板12表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。
【0028】
続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。次いで、図7(a)、7(b)に示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定幅および所定厚さに塗布し封着層21aを形成する。同様に、前面基板11の側壁18と対向する封着面にインジウムを所定幅および所定厚さで矩形枠状に塗布し、封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
【0029】
続いて、図2に示したように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、各電極30は、接触部36が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、一対の電極間で並列に通電される封着層21a、21bの各々の通電経路はその長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
【0030】
次に、複数の流出補助部材40を背面基板12の各辺部に取り付ける。この際、背面基板12の各辺に、例えば3つ流出補助部材40を装着し、各辺の中央付近に等間隔をおいて配置する。また、各流出補助部材40は、背面基板12の周縁部に引出された配線23を避ける位置に取り付ける。この時、各流出補助部材400は、接触部43が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。
【0031】
電極30および流出補助部材40を装着した後、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図8に示す真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。また、真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
【0032】
所定間隔離間して対向配置された前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
【0033】
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を350〜400℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
【0034】
なお、ベーキング工程において、加熱により封着層21a、21bは一旦溶融して流動性を有するが、各電極30の接触部36および各流出補助部材40の接触部43は封着層21a、21bに接触することなく隙間を置いて対向している。そのため、溶融したインジウムが電極30あるいは流出補助部材40を通して背面基板12の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
【0035】
ベーキングおよび電子線洗浄された前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、メタルバック17の外側にゲッター膜27としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
【0036】
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。図9に示すように、この組立室105において、前面基板11および背面基板12は、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
【0037】
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。それにより、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとを互いに接触させるとともに、各電極30の接触部36および流出補助部材40の接触部43を封着層21a、21bの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、封着層に対して一層良好な接触および通電状態を得ることができる。
【0038】
この状態で、図10に示すように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子50を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に加熱溶融させることができる。
【0039】
溶融したインジウムは温度上昇の早い電極30付近に向かって流れ出していく。背面基板12の各辺の中心付近から電極30付近に向かって流出したインジウムの一部は、辺上に取り付けられた流出補助部材40の接触部43から胴体部42へと流れ出し、外囲器10の外方へ導かれる。これにより、溶融インジウムが配線23上へ流れ出して配線同士がショートすること防いでいる。
【0040】
上記のようにインジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。以後、外囲器10は後工程に搬送され所望の工程が施される。これにより、FEDが完成する。
なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば一対の電極30および各流出補助部材40を切除してもよい。
【0041】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、通電加熱時、背面基板に装着された電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
【0042】
ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、基板全体を低温に維持しながら、封着作業を短時間でかつ安定して行うことができる。同時に、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことが可能となる。
【0043】
封着前の状態において、電極の接触部および流出補助部材の接触部は、封着層に接触することなく封着層と隙間を置いて対向している。そのため、ベーキング工程等において、封着材が溶融した場合でも、この溶融した封着材が電極および流出補助部材を通して外部に流出すること防止できる。また、通電加熱工程において、溶融したインジウムを各流出補助部材40から積極的に外囲器の外側、つまり、配線23の外側へ流出させている。そのため、封着層を全周に渡って均一な厚さに維持できるとともに、封着材の流出に起因する配線23のショート等を防止することが可能となる。
以上のことから、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0045】
流出補助部材40の形状は上述した実施の形態に限定されることなく、種々変更可能である。例えば、流出補助部材40は、図11(a)に示すように、帯状の細長い板材を折り曲げて形成してもよく、あるいは、図11(b)に示すように、封着材の流出をガイドするガイド壁44を胴体部42の両側縁に立設してもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態において、流出補助部材40はクリップ状の装着部41を一体に備えた構成としたが、図12および図13に示すように、接触部43、胴体部42、基台部45を備えた構成とし、装着部として機能する別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
【0047】
なお、図11ないし図13に示す実施の形態において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
流出補助部材40は銅板に限らず、他の材料により構成してもよい。上記実施の形態では、背面基板12の辺部に12個の流出補助部材を取り付け、基板同士を加圧後に封着層と接触する構成としたが、これに限らず前面基板側にも複数個の流出補助部材を取り付け、それぞれの流出補助部材から封着材を流出させるようにしてもよい。また、流出補助部材40は、封着層の各辺部に設ける構成としたが、これに限らず、封着部および基板のコーナ部に設けてもよい。この場合、電極30は基板のいずれかの辺部に設けられる。
【0049】
その他、低融点導電材料はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよく、In、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属を用いることができる。さらに、真空外囲器の外形状や支持部材構成が上記実施例に限られるものでないことはいうまでもなく、マトリックス型の黒色光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を黒色光吸収層に対して位置決めして封着するような例であってもよい。また、電子放出素子が、pn型の冷陰極素子であってもよいし表面伝導型の電子放出素子であってもよい。上記実施の形態では真空雰囲気での封着について述べたが、その他の雰囲気の環境において本発明を適用することも可能である。本発明は、外囲器内部が高真空でなくともよく、PDPやLCDについても適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、封着作業を迅速かつ安定して行うことができるとともに、封着材の流出に起因した配線のショート等を防止することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFED全体を示す斜視図。
【図2】上記FEDの内部構成を示す斜視図。
【図3】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図4】上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
【図5】上記FEDの電極を示す斜視図。
【図6】上記FEDの流出補助部材を示す斜視図。
【図7】上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
【図8】上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
【図9】インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
【図10】上記FEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
【図11】上記補助流出部材の変形例をそれぞれ示す斜視図。
【図12】この発明の他の実施の形態に係るFEDの流出補助部材を示す斜視図。
【図13】上記他の実施の形態に係る製造方法において、流出補助部材を背面基板に取り付けた状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、
14…支持部材、 16…蛍光体スクリーン、 18…側壁、
21、21a、21b…封着層、 22…電子放出素子、
30…電極、 40…流出補助部材、 41…装着部、
42…胴体部、 43…接触部、 100…真空処理装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、対向配置されているとともに周縁部同士が封着された一対の基板を備えた平面型の画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な画像表示装置が開発されている。このような画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などがある。
【0003】
例えばFEDやSEDでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
【0004】
また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体に電子放出素子から放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
【0005】
このようなFEDやSEDでは、表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
【0006】
例えば、上記のようなFEDにおいて、外囲器を構成する前面基板および背面基板を矩形枠状の側壁を介して接合するために様々な製造方法が検討されている。一般的には、2枚の基板と側壁との間にフリットガラスなどの焼結材料を充填し、炉中で加熱、焼結させ、基板と側壁とを結合させて外囲器を形成する。基本的な手順の一例としては、予め背面基板に側壁を溶着したものを準備し、更にこれと前面基板を溶着する。
【0007】
しかしながら、フリットガラスを焼結する場合には不要なガスが発生する。そして、このガスは、溶着後、密閉された外囲器の内部に残留し、後に外囲器内部を高真空に排気する際の障害となる。そこで、前面基板と側壁との間に比較的低温で溶融するインジウム等の低融点金属封着材料を充填し、導電性封着材料に通電しそのジュール熱により導電性封着材料自身を発熱、溶解させ、基板を接合する方法(以下、通電加熱と称する)が検討されている。(例えば、特許文献1参照)この方法によれば、基板の冷却に膨大な時間を費やす必要がなく、短時間で基板を接合し外囲器を形成する事が可能となる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−319346号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の接合方法によれば、外囲器内部を過剰に温度上昇させることがなく、ゲッターの吸着能力が維持され、外囲器内部を高真空度に維持し、かつ熱的劣化などに起因する画像劣化を防止する効果がある。しかしながら、通電加熱の場合、導電性封着材料に安定した電流を流す必要がある。電流値が安定しない場合には外囲器個々により導電性封着材料の溶解にかかる時間が異なり、安定した基板結合が出来なくなる。導電性封着材料を加熱し過ぎると、その熱により基板に亀裂が発生する。逆に十分に溶解していない場合、基板の結合が不十分になり、その後の排気工程で外囲器の真空を保てない等の問題が発生する。また、溶融した導電性封着材の一部が通電用の電極あるいは接合部の側壁から外部に流出する現象が生じる。溶融した低融点金属材料が電極から流出した場合は問題とならないが、接合部の側壁から流出した場合、流出低融点金属材料が映像信号を入力するための引き出し線に接触してショートする虞がある。
【0010】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、封着作業を迅速かつ安定して行うことが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、前記外囲器内に設けられた複数の画素と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えている。
【0012】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に上記電極および流出補助部材を取り付け、上記前面基板および背面基板を対向配置し、上記封着層を介して上記前面基板および背面基板を接触させるとともに、上記電極および流出補助部材を上記封着層に接触させ、上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合するとともに、溶融した封着材の一部を上記流出補助部材から外囲器の外部に流出させることを特徴としている。
【0013】
上述のような画像表示装置およびその製造方法によれば、前面基板および背面基板を有した外囲器を接合する際、溶融した封着材の流出を制御することができ、安定して接合を行うことが可能になる。これらにより安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明に係る画像表示装置をFEDに適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。背面基板12は前面基板11よりも大きな寸法に形成されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【0016】
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の上記一辺と平行な方向に延在しているとともに、この一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック17およびバリウムからなるゲッター膜15が形成されている。
【0017】
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。そして、背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
【0018】
上記のように構成されたFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。電子放出素子から放出される電子ビームは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
【0019】
蛍光体スクリーン16には高電圧が印加されるため、前面基板11、背面基板12、側壁18、および支持部材14用の板ガラスには、高歪点ガラスが使用されている。後述するように、背面基板12と側壁18との間は、フリットガラス等の低融点ガラス19によって封着されている。また、前面基板11と側壁18との間は、導電性を有する低融点封着材としてインジウム(In)を含んだ封着層21によって封着されている。
【0020】
FEDは、複数、例えば、一対の電極30を備え、これらの電極は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。
【0021】
図5に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能な装着部32、装着部に並んで位置し封着層に対する電流の通路となる胴体部34、胴体部の延出端に位置し封着層に接触可能な接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。胴体部34は帯状に形成され、装着部32から斜め上方に傾斜して延びている。これにより、接触部36は、鉛直方向に沿って、装着部32および胴体部34接触部36よりも高く位置している。
【0022】
図1ないし図3に示すように、各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。そして、各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し電気的に導通している。また、胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
【0023】
更に、背面基板12には、複数、例えば12個の流出補助部材40が取り付けられている。これらの流出補助部材40は、図6に示すように、導電部材として厚さ0.2mmの銅板を加工してクリップ状に形成されている。すなわち、流出補助部材40は断面がほぼU字形状となるように折り曲げられ、背面基板12に流出補助部材を固定する役割をもつ取り付け部41、封着材としてのインジウムが流れる通路となる胴体部42、インジウムに対して接触する接触部43を有している。接触部43は先端から2mmの長さの範囲を水平になるように折り曲げ成形し、且つ、背面基板12のインジウムとの間に空隙を有するように胴体部42及び取り付け部14を折り曲げ成形している。
【0024】
図1および図2に示すように、これらの流出補助部材40は、背面基板12の各辺に3個ずつ取り付けられ、所定の間隔をおいて配置されている。また、各流出補助部材40は、背面基板12の周縁部に位置した配線23を避けて配置されている。
【0025】
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成する。この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスとを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを形成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック17を形成する。
【0026】
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
【0027】
その後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板12表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。更に、背面基板12表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。
【0028】
続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。次いで、図7(a)、7(b)に示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定幅および所定厚さに塗布し封着層21aを形成する。同様に、前面基板11の側壁18と対向する封着面にインジウムを所定幅および所定厚さで矩形枠状に塗布し、封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
【0029】
続いて、図2に示したように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、各電極30は、接触部36が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、一対の電極間で並列に通電される封着層21a、21bの各々の通電経路はその長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
【0030】
次に、複数の流出補助部材40を背面基板12の各辺部に取り付ける。この際、背面基板12の各辺に、例えば3つ流出補助部材40を装着し、各辺の中央付近に等間隔をおいて配置する。また、各流出補助部材40は、背面基板12の周縁部に引出された配線23を避ける位置に取り付ける。この時、各流出補助部材400は、接触部43が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。
【0031】
電極30および流出補助部材40を装着した後、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図8に示す真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。また、真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
【0032】
所定間隔離間して対向配置された前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
【0033】
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を350〜400℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
【0034】
なお、ベーキング工程において、加熱により封着層21a、21bは一旦溶融して流動性を有するが、各電極30の接触部36および各流出補助部材40の接触部43は封着層21a、21bに接触することなく隙間を置いて対向している。そのため、溶融したインジウムが電極30あるいは流出補助部材40を通して背面基板12の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
【0035】
ベーキングおよび電子線洗浄された前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、メタルバック17の外側にゲッター膜27としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
【0036】
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。図9に示すように、この組立室105において、前面基板11および背面基板12は、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
【0037】
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。それにより、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとを互いに接触させるとともに、各電極30の接触部36および流出補助部材40の接触部43を封着層21a、21bの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、封着層に対して一層良好な接触および通電状態を得ることができる。
【0038】
この状態で、図10に示すように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子50を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に加熱溶融させることができる。
【0039】
溶融したインジウムは温度上昇の早い電極30付近に向かって流れ出していく。背面基板12の各辺の中心付近から電極30付近に向かって流出したインジウムの一部は、辺上に取り付けられた流出補助部材40の接触部43から胴体部42へと流れ出し、外囲器10の外方へ導かれる。これにより、溶融インジウムが配線23上へ流れ出して配線同士がショートすること防いでいる。
【0040】
上記のようにインジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。以後、外囲器10は後工程に搬送され所望の工程が施される。これにより、FEDが完成する。
なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば一対の電極30および各流出補助部材40を切除してもよい。
【0041】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、通電加熱時、背面基板に装着された電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
【0042】
ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、基板全体を低温に維持しながら、封着作業を短時間でかつ安定して行うことができる。同時に、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことが可能となる。
【0043】
封着前の状態において、電極の接触部および流出補助部材の接触部は、封着層に接触することなく封着層と隙間を置いて対向している。そのため、ベーキング工程等において、封着材が溶融した場合でも、この溶融した封着材が電極および流出補助部材を通して外部に流出すること防止できる。また、通電加熱工程において、溶融したインジウムを各流出補助部材40から積極的に外囲器の外側、つまり、配線23の外側へ流出させている。そのため、封着層を全周に渡って均一な厚さに維持できるとともに、封着材の流出に起因する配線23のショート等を防止することが可能となる。
以上のことから、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0045】
流出補助部材40の形状は上述した実施の形態に限定されることなく、種々変更可能である。例えば、流出補助部材40は、図11(a)に示すように、帯状の細長い板材を折り曲げて形成してもよく、あるいは、図11(b)に示すように、封着材の流出をガイドするガイド壁44を胴体部42の両側縁に立設してもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態において、流出補助部材40はクリップ状の装着部41を一体に備えた構成としたが、図12および図13に示すように、接触部43、胴体部42、基台部45を備えた構成とし、装着部として機能する別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
【0047】
なお、図11ないし図13に示す実施の形態において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
流出補助部材40は銅板に限らず、他の材料により構成してもよい。上記実施の形態では、背面基板12の辺部に12個の流出補助部材を取り付け、基板同士を加圧後に封着層と接触する構成としたが、これに限らず前面基板側にも複数個の流出補助部材を取り付け、それぞれの流出補助部材から封着材を流出させるようにしてもよい。また、流出補助部材40は、封着層の各辺部に設ける構成としたが、これに限らず、封着部および基板のコーナ部に設けてもよい。この場合、電極30は基板のいずれかの辺部に設けられる。
【0049】
その他、低融点導電材料はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよく、In、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属を用いることができる。さらに、真空外囲器の外形状や支持部材構成が上記実施例に限られるものでないことはいうまでもなく、マトリックス型の黒色光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を黒色光吸収層に対して位置決めして封着するような例であってもよい。また、電子放出素子が、pn型の冷陰極素子であってもよいし表面伝導型の電子放出素子であってもよい。上記実施の形態では真空雰囲気での封着について述べたが、その他の雰囲気の環境において本発明を適用することも可能である。本発明は、外囲器内部が高真空でなくともよく、PDPやLCDについても適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、封着作業を迅速かつ安定して行うことができるとともに、封着材の流出に起因した配線のショート等を防止することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFED全体を示す斜視図。
【図2】上記FEDの内部構成を示す斜視図。
【図3】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図4】上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
【図5】上記FEDの電極を示す斜視図。
【図6】上記FEDの流出補助部材を示す斜視図。
【図7】上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
【図8】上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
【図9】インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
【図10】上記FEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
【図11】上記補助流出部材の変形例をそれぞれ示す斜視図。
【図12】この発明の他の実施の形態に係るFEDの流出補助部材を示す斜視図。
【図13】上記他の実施の形態に係る製造方法において、流出補助部材を背面基板に取り付けた状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、
14…支持部材、 16…蛍光体スクリーン、 18…側壁、
21、21a、21b…封着層、 22…電子放出素子、
30…電極、 40…流出補助部材、 41…装着部、
42…胴体部、 43…接触部、 100…真空処理装置
Claims (13)
- 前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、前記外囲器内に設けられた複数の画素と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えた画像表示装置。
- 上記流出補助部材は、上記封着層に接触した接触部と、上記接触部から上記外囲器の外側に向かって延出した胴体部と、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に取り付けられた装着部と、を有し、上記接触部は、鉛直方向に沿って上記胴体部よりも高く位置している画像表示装置。
- 上記流出補助部材は、金属板を折り曲げて形成されている請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 上記封着層はほぼ矩形枠状に形成され、上記流出補助部材は、上記封着層の各辺毎に少なくとも1つずつ設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 上記封着層はほぼ矩形枠状に形成され、上記流出補助部材は、上記封着層の各コーナ部に設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 上記電極は上記封着層に対して対称な位置に複数個設けられ、それぞれ上記封着層に電気的に接続されている請求項4又は5に記載の画像表示装置。
- 上記流出補助部材の接触部およびその近傍領域に導電性材料が充填されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 上記封着材および導電性材料はInあるいはInを含む合金のいずれかを含んでいる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に上記電極および流出補助部材を取り付け、
上記前面基板および背面基板を対向配置し、
上記封着層を介して上記前面基板および背面基板を接触させるとともに、上記電極および流出補助部材を上記封着層に接触させ、
上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合するとともに、溶融した封着材の一部を上記流出補助部材から外囲器の外部に流出させる画像表示装置の製造方法。 - 前面基板およびこの前面基板に対向配置された背面基板を有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に通電するための電極と、上記封着層に接触して設けられ溶融した封着材の一部を外囲器の外部に流出させる流出補助部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記封着層に接触可能な接触部および上記接触部から上記外囲器の外側に向かって延出した胴体部を具備した流出補助部材と、電極とを用意し、
上記封着層に対し上記接触部が隙間を置いた状態で上記流出補助部材を上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に取り付けるとともに、上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に上記電極を取り付け、
上記流出補助部材の上記接触部と上記封着層との隙間を維持した状態で、上記前面基板および背面基板を対向配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板の少なくとも一方を加圧し、上記封着層を介して上記前面基板および背面基板を接触させるとともに、上記流出補助部材の接触部および電極を上記封着層に接触させ、
上記加圧した状態で、上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合するとともに、溶融した封着材の一部を上記流出補助部材から外囲器の外部に流出させる画像表示装置の製造方法。 - 上記封着材は、InまたはInを含む合金であることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記流出補助部材の接触部に予めInあるいはInを含む合金を塗布した後、上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に上記電極を取り付ける請求項9ないし11のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
- 真空雰囲気中で上記封着層を通電加熱する請求項9ないし12のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
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JP2003200013A JP2005044529A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 画像表示装置およびその製造方法 |
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JP2009181840A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Sony Corp | 平面型表示装置 |
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- 2003-07-22 JP JP2003200013A patent/JP2005044529A/ja active Pending
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