JP2004071294A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】真空外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12を有している。前面基板には蛍光体スクリーン15が形成され、背面基板上には、蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する複数の電子放出素子18が設けられている。蛍光体スクリーンは、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層16と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層17と、を有し、また、黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねてゲッタ膜22が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】真空外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12を有している。前面基板には蛍光体スクリーン15が形成され、背面基板上には、蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する複数の電子放出素子18が設けられている。蛍光体スクリーンは、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層16と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層17と、を有し、また、黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねてゲッタ膜22が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置、特に、対向配置された前面基板および背面基板を備えた画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。例えば、放電現象による蛍光体の発光を利用したプラズマディスプレイ(PDP)や、主として電界による電子放出を利用したフィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)が知られている。
【0003】
これらの画像表示装置は、基本構成として、所定の間隔をおいて対向配置された前面基板および背面基板を備え、これらの基板は周辺部を互いに接合することにより外囲器を構成している。そして、これらの画像表示装置は、前面基板と対向基板と背面基板との間の空間、すなわち外囲器内部を高い真空度に維持することで良好な画像表示を可能としている。
【0004】
長期間に渡って外囲器内を高真空度に維持するため、外囲器内にはガスを吸着するゲッタ材が設けられ重要な役割を果たしている。従来、ゲッタ材のガス吸着特性を向上させるため、真空処理装置内でゲッタ材を前面基板または背面基板の内面、あるいはその他の構造物に蒸着し、両基板を真空中で封着して外囲器を形成する方法が提案されている。
【0005】
特開平8−22785号公報には、非表示部へゲッタ被着することで装置内部を高真空に維持し、表示の安定化を図る技術が開示されている。しかしながら、この場合、装置内部の高真空を長期にわたり維持し、更なる輝度寿命の安定維持を計るためには、ゲッタ被着量をふやす必要がある。
【0006】
また、外囲器内の真空雰囲気を改善する目的から、ゲッタ膜を前面基板の全面に形成する構成や、前面基板に形成された蛍光体層上に重ねてゲッタ膜を形成する構成が提案されている。ゲッタ膜をより広い面積に形成することで、良好なガス吸着特性を得ることができ、画面周辺部にのみゲッタ膜を形成する場合と比較して画像表示装置の寿命を大幅に延ばすことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子線によって発光する蛍光体層上にゲッタ膜を設けた場合、発光効率が低下し、輝度の低下から良好な表示性能を得ることが困難となる。また、輝度の低下を避けるためにゲッタ材の使用量を減らすことも可能であるが、この場合、表示性能は改善されるものの、ゲッタ膜による充分なガス吸着を行うことが困難となる。そのため、画像表示装置を構成する外囲器内の真空度が短時間で悪化し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが困難となっていた。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、対向配置された前面基板および背面基板を有し、内部が真空に排気された真空外囲器と、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層と、を有し上記前面基板の内面に設けられた蛍光体スクリーンと、上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねて上記前面基板の内面に形成されたゲッタ膜と、上記背面基板の内面上に設けられ、それぞれ上記蛍光体層に向けて電子を放出する複数の電子放出素子と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層とを有する蛍光体スクリーンが設けられた前面基板と、および前面基板に対向配置されているとともに蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有する真空外囲器を具備した画像表示装置の製造方法において、
蛍光体スクリーンが設けられた前面基板を真空雰囲気中に配置し、真空雰囲気中でゲッタ材を加熱して蒸発させ、上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねてゲッタ膜を形成し、真空雰囲気中で、上記ゲッタ膜の形成された前面基板および電子放出素子が設けられた上記背面基板を互いに封着して上記真空外囲器を形成することを特徴としている。
【0011】
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、ゲッタ膜を蛍光体スクリーンの非発光部に重ねて、つまり、黒色遮光層および各蛍光体層の電子線の当たらない領域に形成している。そのため、ゲッタ膜の表面積を充分に確保し、ゲッタ膜のガス吸着機能を充分に発揮することができる。また、ゲッタ膜は蛍光体スクリーンの非発光部のみに重ねて形成されているため、蛍光体層の発光効率を低下させることがなく、高輝度の画像表示装置を実現することができる。従って、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置およびその製造方法について詳細に説明する。ここでは、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、FEDは、絶縁基板としてそれぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜3mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−7Torr程度の真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0014】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0015】
図2および図3に示すように、前面基板11の内面上には、画像表示面として蛍光体スクリーン15が形成されている。この蛍光体スクリーン15は、マトリックス状に形成された黒色遮光層17と、それぞれ黒色遮光層の間に形成されたドット状の赤、緑、青の蛍光体層16とを有している。なお、黒色遮光層17および蛍光体層16はそれぞれストライプ状に形成してもよい。
【0016】
蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が全面に渡って形成されている。更に、メタルバックに重ねてゲッタ膜22が形成されている。ゲッタ膜22はマトリックス状に形成され、蛍光体スクリーン15の非発光部に重ねて、すなわち、黒色遮光層17および蛍光体層16の周縁部で電子ビームの当たらない領域に重ねて設けられている。
【0017】
ここで、各蛍光体層16の周縁部で電子ビームの当たらない領域とは、例えば、蛍光体層の周縁部から約20μmまでの範囲を言う。これらの領域は電子ビームが当たらないため発光せず、画像表示の輝度には影響を与えない。また、ゲッタ膜22は約500Å以上の膜厚に形成されている。
【0018】
図1および図2に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0019】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0020】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。図4に示すように、FEDの製造に用いる製造装置は、真空処理槽で構成された真空チャンバ30を備え、この真空チャンバには、内部を10−5Pa程度の高真空に排気する排気ポンプ32が接続されている。
【0021】
真空チャンバ30内の下部にはステージ34が設けられ、このステージ上に、被処理部材としての前面基板11が載置されている。また、真空チャンバ30内の上部にはゲッタ装置36が設けられ、ステージ34と対向している。ゲッタ装置36は、下方に向かって開口したほぼ箱状のカバー38と、カバー38内の天井壁に取り付けたれたゲッタ材40と、を備えている。更に、ゲッタ装置36は、ゲッタ材40を加熱する加熱機構42を備えている。加熱機構42としては、高周波加熱方式あるいは抵抗加熱方式の加熱機構を用いることができる。
【0022】
ゲッタ材40としては、例えば、BaAl4粉末とNi粉末との熱反応でBaを真空蒸着する反応型ゲッタを用いることができる。カバー38はガラスなどの絶縁体で形成され、高周波が印加されないよう工夫している。
【0023】
次に、上記製造装置により前面基板11にゲッタ膜22を形成する方法について説明する。この場合、予め、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20が形成された前面基板11を用意しておく。また、メタルバック20上には、前述したマトリックス状のゲッタ膜を形成するための図示しないマスクを形成しておく。この際、マスクは、各蛍光体層16の周縁部を除いた部分、つまり、発光領域を覆うように形成する。
【0024】
続いて、図3に示すように、排気ポンプ32により真空チャンバ30内を所望の真空度まで真空排気する。その後、真空チャンバ30内に前面基板11を搬入し、メタルバック20側の表面全体がゲッタ装置36と対向するように配置する。なお、前面基板11およびゲッタ材40については、予め所定温度に加熱して脱ガス処理を行っておくことが望ましい。
【0025】
次に、真空チャンバ30内で、図示しない処理電極等を用いて前面基板11の耐圧処理を行った後、加熱機構45によりゲッタ材40をその蒸発温度以上の温度まで加熱して蒸発させ、前面基板11のメタルバック20上に真空蒸着する。これにより、メタルバック20およびマスクに重ねてゲッタ膜22が形成される。その後、前面基板11上のマスクを除去することにより、マトリックス状のゲッタ膜22が得られる。
【0026】
一方、配線21および電子放出素子18等が形成されているとともに側壁13が封着された背面基板12を用意しておく。そして、前面基板11を真空雰囲気中に維持したまま、同一の真空チャンバ30内あるいは別の真空チャンバ内で前面基板11と背面基板12とを側壁13を介して封着する。これにより、FEDが得られる。
【0027】
上記のように構成されたFEDを動作させて表示特性を評価した。その結果、以下の表1に示す通り、蛍光体スクリーンの全面を覆うようにゲッタ膜を形成したFEDと比較して、本実施の形態に係るFEDは大幅に輝度が向上した。また、FEDの動作を継続し、ライフ10000Hr以上経過した時点で再度表示特性を評価した。その結果、輝度は初期値からの劣化は見られず、良好な表示性能を維持することができた。
【0028】
【表1】
【0029】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、前面基板11に設けられたゲッタ膜22は、マトリックス状に形成され蛍光体スクリーン15の非発光部に重ねて、つまり、黒色遮光層17および蛍光体層の電子ビームの当たらない領域に重なるように限定して形成されている。そのため、ゲッタ膜22の表面積を充分に確保し、ゲッタ膜のガス吸着機能を充分に発揮することができる。また、ゲッタ膜22は蛍光体スクリーン15の非発光部のみに重ねて形成されているため、蛍光体層の発光効率を低下させることがなく、高輝度のFEDを実現することができる。更に、ゲッタ膜は任意の厚さに形成することが可能であり、外囲器内を長時間に渡って良好な真空雰囲気に維持可能な量のゲッタを使用することができる。従って、長期間に渡って高い表示性能を維持可能なFEDを得ることができる。
【0030】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、各構成要素の寸法、材料等は、上述の実施の形態で示した数値、材料に限定されることなく、必要に応じて種々選択可能である。また、蛍光体スクリーンの蛍光体層および黒色遮光層をそれぞれストライプ形状とした場合、これに対応して、ゲッタ膜もストライプ状に形成され、黒色遮光層および各蛍光体層の電子ビームの当たらない周縁部に重ねて設けられる。この場合においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ゲッタ材による輝度の低下を招くことなく、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDを示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】メタルバックを省略した状態の上記FEDの蛍光体スクリーンおよびゲッタ膜を拡大して示す平面図。
【図4】上記FEDの製造に用いる製造装置を示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
13…側壁
15…蛍光体スクリーン
16…蛍光体層
17…黒色遮光層
18…電子放出素子
20…メタルバック
22…ゲッタ膜
30…真空チャンバ
40…ゲッタ材
42…加熱機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置、特に、対向配置された前面基板および背面基板を備えた画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。例えば、放電現象による蛍光体の発光を利用したプラズマディスプレイ(PDP)や、主として電界による電子放出を利用したフィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)が知られている。
【0003】
これらの画像表示装置は、基本構成として、所定の間隔をおいて対向配置された前面基板および背面基板を備え、これらの基板は周辺部を互いに接合することにより外囲器を構成している。そして、これらの画像表示装置は、前面基板と対向基板と背面基板との間の空間、すなわち外囲器内部を高い真空度に維持することで良好な画像表示を可能としている。
【0004】
長期間に渡って外囲器内を高真空度に維持するため、外囲器内にはガスを吸着するゲッタ材が設けられ重要な役割を果たしている。従来、ゲッタ材のガス吸着特性を向上させるため、真空処理装置内でゲッタ材を前面基板または背面基板の内面、あるいはその他の構造物に蒸着し、両基板を真空中で封着して外囲器を形成する方法が提案されている。
【0005】
特開平8−22785号公報には、非表示部へゲッタ被着することで装置内部を高真空に維持し、表示の安定化を図る技術が開示されている。しかしながら、この場合、装置内部の高真空を長期にわたり維持し、更なる輝度寿命の安定維持を計るためには、ゲッタ被着量をふやす必要がある。
【0006】
また、外囲器内の真空雰囲気を改善する目的から、ゲッタ膜を前面基板の全面に形成する構成や、前面基板に形成された蛍光体層上に重ねてゲッタ膜を形成する構成が提案されている。ゲッタ膜をより広い面積に形成することで、良好なガス吸着特性を得ることができ、画面周辺部にのみゲッタ膜を形成する場合と比較して画像表示装置の寿命を大幅に延ばすことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子線によって発光する蛍光体層上にゲッタ膜を設けた場合、発光効率が低下し、輝度の低下から良好な表示性能を得ることが困難となる。また、輝度の低下を避けるためにゲッタ材の使用量を減らすことも可能であるが、この場合、表示性能は改善されるものの、ゲッタ膜による充分なガス吸着を行うことが困難となる。そのため、画像表示装置を構成する外囲器内の真空度が短時間で悪化し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが困難となっていた。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、対向配置された前面基板および背面基板を有し、内部が真空に排気された真空外囲器と、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層と、を有し上記前面基板の内面に設けられた蛍光体スクリーンと、上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねて上記前面基板の内面に形成されたゲッタ膜と、上記背面基板の内面上に設けられ、それぞれ上記蛍光体層に向けて電子を放出する複数の電子放出素子と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層とを有する蛍光体スクリーンが設けられた前面基板と、および前面基板に対向配置されているとともに蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有する真空外囲器を具備した画像表示装置の製造方法において、
蛍光体スクリーンが設けられた前面基板を真空雰囲気中に配置し、真空雰囲気中でゲッタ材を加熱して蒸発させ、上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねてゲッタ膜を形成し、真空雰囲気中で、上記ゲッタ膜の形成された前面基板および電子放出素子が設けられた上記背面基板を互いに封着して上記真空外囲器を形成することを特徴としている。
【0011】
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、ゲッタ膜を蛍光体スクリーンの非発光部に重ねて、つまり、黒色遮光層および各蛍光体層の電子線の当たらない領域に形成している。そのため、ゲッタ膜の表面積を充分に確保し、ゲッタ膜のガス吸着機能を充分に発揮することができる。また、ゲッタ膜は蛍光体スクリーンの非発光部のみに重ねて形成されているため、蛍光体層の発光効率を低下させることがなく、高輝度の画像表示装置を実現することができる。従って、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置およびその製造方法について詳細に説明する。ここでは、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、FEDは、絶縁基板としてそれぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜3mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−7Torr程度の真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0014】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0015】
図2および図3に示すように、前面基板11の内面上には、画像表示面として蛍光体スクリーン15が形成されている。この蛍光体スクリーン15は、マトリックス状に形成された黒色遮光層17と、それぞれ黒色遮光層の間に形成されたドット状の赤、緑、青の蛍光体層16とを有している。なお、黒色遮光層17および蛍光体層16はそれぞれストライプ状に形成してもよい。
【0016】
蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が全面に渡って形成されている。更に、メタルバックに重ねてゲッタ膜22が形成されている。ゲッタ膜22はマトリックス状に形成され、蛍光体スクリーン15の非発光部に重ねて、すなわち、黒色遮光層17および蛍光体層16の周縁部で電子ビームの当たらない領域に重ねて設けられている。
【0017】
ここで、各蛍光体層16の周縁部で電子ビームの当たらない領域とは、例えば、蛍光体層の周縁部から約20μmまでの範囲を言う。これらの領域は電子ビームが当たらないため発光せず、画像表示の輝度には影響を与えない。また、ゲッタ膜22は約500Å以上の膜厚に形成されている。
【0018】
図1および図2に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0019】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0020】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。図4に示すように、FEDの製造に用いる製造装置は、真空処理槽で構成された真空チャンバ30を備え、この真空チャンバには、内部を10−5Pa程度の高真空に排気する排気ポンプ32が接続されている。
【0021】
真空チャンバ30内の下部にはステージ34が設けられ、このステージ上に、被処理部材としての前面基板11が載置されている。また、真空チャンバ30内の上部にはゲッタ装置36が設けられ、ステージ34と対向している。ゲッタ装置36は、下方に向かって開口したほぼ箱状のカバー38と、カバー38内の天井壁に取り付けたれたゲッタ材40と、を備えている。更に、ゲッタ装置36は、ゲッタ材40を加熱する加熱機構42を備えている。加熱機構42としては、高周波加熱方式あるいは抵抗加熱方式の加熱機構を用いることができる。
【0022】
ゲッタ材40としては、例えば、BaAl4粉末とNi粉末との熱反応でBaを真空蒸着する反応型ゲッタを用いることができる。カバー38はガラスなどの絶縁体で形成され、高周波が印加されないよう工夫している。
【0023】
次に、上記製造装置により前面基板11にゲッタ膜22を形成する方法について説明する。この場合、予め、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20が形成された前面基板11を用意しておく。また、メタルバック20上には、前述したマトリックス状のゲッタ膜を形成するための図示しないマスクを形成しておく。この際、マスクは、各蛍光体層16の周縁部を除いた部分、つまり、発光領域を覆うように形成する。
【0024】
続いて、図3に示すように、排気ポンプ32により真空チャンバ30内を所望の真空度まで真空排気する。その後、真空チャンバ30内に前面基板11を搬入し、メタルバック20側の表面全体がゲッタ装置36と対向するように配置する。なお、前面基板11およびゲッタ材40については、予め所定温度に加熱して脱ガス処理を行っておくことが望ましい。
【0025】
次に、真空チャンバ30内で、図示しない処理電極等を用いて前面基板11の耐圧処理を行った後、加熱機構45によりゲッタ材40をその蒸発温度以上の温度まで加熱して蒸発させ、前面基板11のメタルバック20上に真空蒸着する。これにより、メタルバック20およびマスクに重ねてゲッタ膜22が形成される。その後、前面基板11上のマスクを除去することにより、マトリックス状のゲッタ膜22が得られる。
【0026】
一方、配線21および電子放出素子18等が形成されているとともに側壁13が封着された背面基板12を用意しておく。そして、前面基板11を真空雰囲気中に維持したまま、同一の真空チャンバ30内あるいは別の真空チャンバ内で前面基板11と背面基板12とを側壁13を介して封着する。これにより、FEDが得られる。
【0027】
上記のように構成されたFEDを動作させて表示特性を評価した。その結果、以下の表1に示す通り、蛍光体スクリーンの全面を覆うようにゲッタ膜を形成したFEDと比較して、本実施の形態に係るFEDは大幅に輝度が向上した。また、FEDの動作を継続し、ライフ10000Hr以上経過した時点で再度表示特性を評価した。その結果、輝度は初期値からの劣化は見られず、良好な表示性能を維持することができた。
【0028】
【表1】
【0029】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、前面基板11に設けられたゲッタ膜22は、マトリックス状に形成され蛍光体スクリーン15の非発光部に重ねて、つまり、黒色遮光層17および蛍光体層の電子ビームの当たらない領域に重なるように限定して形成されている。そのため、ゲッタ膜22の表面積を充分に確保し、ゲッタ膜のガス吸着機能を充分に発揮することができる。また、ゲッタ膜22は蛍光体スクリーン15の非発光部のみに重ねて形成されているため、蛍光体層の発光効率を低下させることがなく、高輝度のFEDを実現することができる。更に、ゲッタ膜は任意の厚さに形成することが可能であり、外囲器内を長時間に渡って良好な真空雰囲気に維持可能な量のゲッタを使用することができる。従って、長期間に渡って高い表示性能を維持可能なFEDを得ることができる。
【0030】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、各構成要素の寸法、材料等は、上述の実施の形態で示した数値、材料に限定されることなく、必要に応じて種々選択可能である。また、蛍光体スクリーンの蛍光体層および黒色遮光層をそれぞれストライプ形状とした場合、これに対応して、ゲッタ膜もストライプ状に形成され、黒色遮光層および各蛍光体層の電子ビームの当たらない周縁部に重ねて設けられる。この場合においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ゲッタ材による輝度の低下を招くことなく、長期間に渡って高い表示性能を維持可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDを示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】メタルバックを省略した状態の上記FEDの蛍光体スクリーンおよびゲッタ膜を拡大して示す平面図。
【図4】上記FEDの製造に用いる製造装置を示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
13…側壁
15…蛍光体スクリーン
16…蛍光体層
17…黒色遮光層
18…電子放出素子
20…メタルバック
22…ゲッタ膜
30…真空チャンバ
40…ゲッタ材
42…加熱機構
Claims (6)
- 対向配置された前面基板および背面基板を有し、内部が真空に排気された真空外囲器と、
複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層と、を有し上記前面基板の内面に設けられた蛍光体スクリーンと、
上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねて上記前面基板の内面に形成されたゲッタ膜と、
上記背面基板の内面上に設けられ、それぞれ上記蛍光体層に向けて電子を放出する複数の電子放出素子と、
を備えた画像表示装置。 - 上記黒色遮光層およびゲッタ膜はそれぞれマトリックス状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記蛍光体スクリーンのほぼ全面に重ねて形成されたメタルバックを備え、上記ゲッタ膜は上記メタルバックに重ねて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 複数色隙間を置いて形成された蛍光体層と蛍光体層の間に形成された黒色遮光層とを有する蛍光体スクリーンが設けられた前面基板と、および前面基板に対向配置されているとともに蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有する真空外囲器を具備した画像表示装置の製造方法において、
蛍光体スクリーンが設けられた前面基板を真空雰囲気中に配置し、
真空雰囲気中でゲッタ材を加熱して蒸発させ、上記黒色遮光層および各蛍光体層の発光領域を除く端縁部に重ねてゲッタ膜を形成し、
真空雰囲気中で、上記ゲッタ膜の形成された前面基板および電子放出素子が設けられた上記背面基板を互いに封着して上記真空外囲器を形成することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 上記ゲッタ材として、反応型ゲッタを使用することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記蛍光体スクリーンにおける各蛍光体層の発光領域をマスクにより覆った状態で、上記蛍光体スクリーン上にゲッタ膜を形成し、上記マスクを除去した後、上記前面基板と背面基板とを封着することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置の製造方法。
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WO2006011481A1 (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 平面型表示装置 |
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-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002227502A patent/JP2004071294A/ja active Pending
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