WO2024147239A1 - 二次電池用電解液および二次電池 - Google Patents

二次電池用電解液および二次電池

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大輔 森
愛子 金澤
義明 鈴木
有理 中山
秀樹 川▲崎▼
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株式会社村田製作所
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Abstract

二次電池は、正極と、負極と、マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含む電解液とを備える。環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、その単環または二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、その二環式縮合環は、ベンゼン環を含まない。単環を構成する複数の炭素原子の数が7個以下である場合における炭素間二重結合の数は、偶数個である。単環を構成する複数の炭素原子の数が8個以上である場合における炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である。二環式縮合環における炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である。

Description

二次電池用電解液および二次電池
 本技術は、二次電池用電解液および二次電池に関する。
 携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度が得られる電源として二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極、負極および電解液(二次電池用電解液)を備えており、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。
 具体的には、マグネシウムの析出溶解を利用して充放電反応が進行する二次電池において、電解液がアントラセンなどの不飽和炭化水素骨格を有する化合物を含んでいる(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第2020/090946号パンフレット
 二次電池の電池特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
 優れた電池特性を得ることが可能である二次電池用電解液および二次電池が望まれている。
 本技術の一実施形態の二次電池用電解液は、マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含むものである。環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、その単環または二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、その二環式縮合環は、ベンゼン環を含まない。単環を構成する複数の炭素原子の数が7個以下である場合における炭素間二重結合の数は、偶数個である。単環を構成する複数の炭素原子の数が8個以上である場合における炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である。二環式縮合環における炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である。
 本技術の一実施形態の二次電池は、正極と負極と電解液とを備え、その電解液が上記した本技術の一実施形態の二次電池用電解液の構成と同様の構成を有するものである。
 ここで、「単環」は、複数の炭素原子により構成された1個の炭素環である。また、「二環式縮合環」は、複数の炭素原子により構成されると共に2個の炭素環が互いに縮合された環であり、上記したように、ベンゼン環を含んでいない。なお、単環および二環式縮合環の詳細に関しては、後述する。
 本技術の一実施形態の二次電池用電解液および二次電池は、その二次電池用電解液がマグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含んでおり、その環状不飽和炭化水素化合物が単環または二環式縮合環を含んでおり、その単環または二環式縮合環が2個以上の炭素間二重結合を含んでおり、その二環式縮合環がベンゼン環を含んでおらず、その炭素間二重結合の数に関して上記した条件が満たされているので、優れた電池特性を得ることができる。
 なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
図1は、本技術の一実施形態における二次電池の構成を表す斜視図である。 図2は、図1に示した電池素子の構成を表す断面図である。 図3は、試験用の二次電池の構成を表す断面図である。
 以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
 
 1.二次電池用電解液
  1-1.構成
  1-2.製造方法
  1-3.作用および効果
 2.二次電池
  2-1.構成
  2-2.動作
  2-3.製造方法
  2-4.作用および効果
 3.二次電池の用途
 
<1.二次電池用電解液>
 まず、本技術の一実施形態の二次電池用電解液(以下、単に「電解液」と呼称する。)に関して説明する。
 ここで説明する電解液は、電気化学デバイスである二次電池に用いられる。ただし、電解液は、二次電池以外の他の電気化学デバイスに用いられてもよい。他の電気化学デバイスの具体例は、一次電池およびキャパシタなどである。
<1-1.構成>
 電解液は、液状の電解質であり、電解質塩および添加剤を含んでいる。
[電解質塩]
 電解質塩は、マグネシウム塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
 マグネシウム塩の具体例は、塩化マグネシウム(MgCl2 )、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4 2 )、硝酸マグネシム(Mg(NO3 2 )、硫酸マグネシム(MgSO4 )、酢酸マグネシウム(Mg(CH3 COO)2 )、トリフルオロ酢酸マグネシウム(Mg(CF3 COO)2 )、テトラフルオロホウ酸マグネシウム(Mg(BF4 2 )、テトラフェニルホウ酸マグネシウム(Mg(B(C6 5 4 2 )、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム(Mg(PF6 2 )、ヘキサフルオロヒ酸マグネシウム(Mg(AsF6 2 )、ビス(ヘキサメチルジシラジド)マグネシウム(Mg[N(Si(CH3 3 2 2 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム(Mg[N(CF3 SO2 2 2 およびビス[テトラ(ヘキサフルオロイソプロピル)]ホウ酸マグネシウム(Mg[B(OCH(CF3 2 4 2 )などである。
 電解液中における電解質塩の含有量(mol/l(=mol/dm3 ))は、特に限定されないため、任意に設定可能である。ただし、ここで説明した電解質塩の含有量は、後述する溶媒に対する電解質塩の含有量である。
[環状不飽和炭化水素化合物]
 添加剤は、環状不飽和炭化水素化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
 この環状不飽和炭化水素化合物は、単環化合物および縮合環化合物のうちの一方または双方を含んでいる。単環化合物の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。同様に、縮合環化合物の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
(単環化合物)
 単環化合物は、複数の炭素原子により構成された単環を含んでいる。この単環は、上記したように、複数の炭素原子により構成された1個の炭素環であり、より具体的には、その複数の炭素原子が1個の環を形成するように互いに結合された炭化水素環である。
 このため、複数の炭素原子と共に炭素原子以外の原子が1個の環を形成するように互いに結合された複素環は、ここで説明する単環から除かれる。なお、炭素原子以外の原子の具体例は、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子および硫黄原子などである。
 この単環は、2個以上の炭素間二重結合(>C=C<)を含んでいる。この2個以上の炭素間結合は、単環を構成しているため、その単環の一部である。よって、単環を構成している炭素原子に不飽和炭化水素基(炭素間二重結合を含む基)が結合されている場合には、その炭素間二重結合は、単環の一部でないため、ここで説明する炭素間二重結合から除かれる。
 単環の種類は、2個以上の炭素間二重結合を含んでいる1個の炭化水素環であれば、特に限定されないため、その単環を構成する複数の炭素原子の数は、特に限定されない。
 このため、単環は、三員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=3個)でもよいし、四員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=4個)でもよいし、五員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=5個)でもよいし、六員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=6個)でもよいし、七員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=7個)でもよいし、八員環(単環を構成する複数の炭素原子の数=8個)でもよい。もちろん、単環は、複数の炭素原子の数が9個以上である環でもよい。
 また、単環を構成する2個以上の炭素間二重結合の配置は、特に限定されない。
 このため、単環は、2個以上の炭素間二重結合が炭素間単結合(≡C-C≡)を介して交互に配置されている完全共役系でもよいし、2個以上の炭素間二重結合が炭素間単結合を介して交互に配置されていない非完全共役系でもよい。単環が非完全共役系である場合には、2個以上の炭素間二重結合の配置は、任意に設定可能である。
 ただし、単環を構成する炭素間重結合の数は、その単環を構成する複数の炭素原子の数に応じて、所定の値となるように設定されている。
 具体的には、単環を構成する複数の炭素原子の数が7個以下である場合における炭素間二重結合の数は、奇数個ではなく偶数個である。これに対して、単環を構成する複数の炭素原子の数が8個以上である場合における炭素間二重結合の数は、奇数個でもよいし、偶数個でもよい。すなわち、単環化合物が含んでいる炭素間二重結合の数(奇数個または偶数個)は、単環を構成する複数の炭素原子の数に応じて異なっている。
 単環化合物の具体例は、以下で説明する通りである。
 単環を構成する複数の炭素原子の数が7個以下である場合における単環化合物の具体例は、シクロテトラジエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=4個、炭素間二重結合の数=2個)およびシクロペンタジエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=5個、炭素間二重結合の数=2個)などである。
 よって、ベンゼン(単環を構成する複数の炭素原子の数=6個、炭素間二重結合の数=3個)およびシクロヘプタトリエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=7個、炭素間二重結合の数=3個)などは、ここで説明する単環化合物の具体例から除かれる。
 単環を構成する複数の炭素原子の数が8個以上である場合における単環化合物の具体例は、シクロオクタテトラエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=8個、炭素間二重結合の数=4個)、シクロオクタトリエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=8個、炭素間二重結合の数=3個)、シクロテトラデカヘプタエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=14個、炭素間二重結合の数=7個)およびシクロオクタデカノナエン(単環を構成する複数の炭素原子の数=18個、炭素間二重結合の数=9個)などである。
(縮合環化合物)
 縮合環化合物は、複数の炭素原子により構成された二環式縮合環を含んでいる。この二環式縮合環は、上記したように、複数の炭素原子により構成されると共に2個の炭素環が互いに縮合された環であり、より具体的には、その複数の炭素原子が2個の環を形成するように互いに結合された炭化水素環である。
 このため、複数の炭素原子と共に炭素原子以外の原子が2個の環を形成するように互いに結合された複素環は、ここで説明する二環式縮合環から除かれる。なお、炭素原子以外の原子に関する詳細は、上記した通りである。
 ただし、二環式縮合環は、ベンゼン環を含んでいない。すなわち、二環式縮合環では、上記したように、2個の炭素環が互いに縮合されているが、その2個の炭素環のうちのいずれの炭素環も、ベンゼン環ではない。
 この二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含んでいる。この2個以上の炭素間結合は、二環式縮合環を構成しているため、その二環式縮合環の一部である。よって、二環式縮合環を構成している炭素原子に不飽和炭化水素基(炭素間二重結合を含む基)が結合されている場合には、その炭素間二重結合は、ここで説明する炭素間二重結合から除かれる。
 二環式縮合環の種類は、2個以上の炭素間二重結合を含んでいると共に2個の環が互いに縮合されている炭化水素環であれば、特に限定されないため、その二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数は、特に限定されない。
 このため、二環式縮合環は、三員環同士の縮合間(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=4個)でもよいし、三員環と四員環との縮合環(二環式縮合環を複数の構成する複数の炭素原子の数=5個)でもよいし、四員環同士の縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=6個)でもよいし、四員環と五員環との縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=7個)でもよいし、五員環同士の縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=8個)でもよいし、五員環と六員環との縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=9個)でもよい。
 また、二環式縮合環は、六員環同士の縮合間(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=10個)でもよいし、六員環と七員環との縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=11個)でもよいし、七員環同士の縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=12個)でもよいし、七員環と八員環との縮合環(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=13個)でもよいし、八員環同士の縮合環(二環式縮合環を複数の構成する複数の炭素原子の数=14個)でもよい。
 もちろん、二環式縮合環は、上記した一連の縮合環以外の縮合環でもよい。
 また、二環式縮合環を構成する2個以上の炭素間二重結合の配置は、特に限定されない。
 このため、二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合が炭素間単結合を介して交互に配置されている完全共役系でもよいし、2個以上の炭素間二重結合が炭素間単結合を介して交互に配置されていない非完全共役系でもよい。二環式縮合環が非完全共役系である場合には、2個以上の炭素間二重結合の配置は、任意に設定可能である。
 二環式縮合環を構成する炭素間重結合の数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。具体的には、炭素間二重結合の数は、奇数個でもよいし、偶数個でもよい。すなわち、縮合環化合物が含んでいる炭素間二重結合の数(奇数個または偶数個)は、二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数に依存せずに、任意に設定可能である。
 縮合環化合物の具体例は、五員環同士の縮合間であるペンタレン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=8個、炭素間二重結合の数=4個)、五員環と八員環との縮合間であるアズレン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=11個、炭素間二重結合の数=5個)および七員環同士の縮合環であるヘプタレン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=12個、炭素間二重結合の数=6個)などである。
 よって、2個の六員環であるシクロヘキサンとベンゼンとの縮合環であるテトラリン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=10個、炭素間二重結合の数=3個)、2個の六員環であるベンゼン同士の縮合環であるナフタレン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=10個、炭素間二重結合の数=5個)および3個の六員環であるベンゼン同士の縮合環であるアントラセン(二環式縮合環を構成する複数の炭素原子の数=14個、炭素間二重結合の数=7個)などは、ここで説明する縮合環化合物の具体例から除かれる。
(含有量)
 電解液中における環状不飽和炭化水素化合物の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。この環状不飽和炭化水素化合物は、上記したように、単環化合物だけを含んでいてもよいし、縮合環化合物だけを含んでいてもよいし、その単環化合物および縮合環化合物の双方を含んでいてもよい。
 なお、電解液中における環状不飽和炭化水素化合物の有無を調べると共に、その電解液中における環状不飽和炭化水素化合物の含有量を測定する場合には、既存の分析方法のうちのいずれか1種類または2種類以上を用いて電解液を分析する。分析方法の種類は、特に限定されないが、具体的には、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、核磁気共鳴分光法(NMR)およびガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)などである。
(理由)
 電解液が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいるのは、マグネシウムの析出溶解を利用した酸化還元反応が安定に進行しやすくなるからである。これにより、電解液を用いた二次電池では、充放電反応が安定かつ継続的に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が減少しにくくなる。
 詳細には、電解液が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいる場合には、電解液が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいない場合と比較して、マグネシウムの析出溶解反応の進行時において、そのマグネシウムの活性が向上する。これにより、マグネシウムの析出溶解を利用した酸化還元反応が進行しやすくなるため、電解液を用いた二次電池では、充放電反応が進行しやすくなる。
 なお、電解液が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいない場合は、電解液が添加剤を含んでいない場合および電解液が添加剤として環状不飽和炭化水素化合物の代わりに他の化合物を含んでいる場合である。他の化合物の具体例は、上記したアントラセンなどである。
 しかも、環状不飽和炭化水素化合物は、還元状態においてジアニオン化するため、電解液中において電気化学的に安定な活性種となる。この活性種は、電解液中において分解されにくいため、その活性種の寿命は、酸化還元反応が繰り返されても長期化する。
 これにより、電解液を用いた二次電池では、充放電時において負極(後述するマグネシウム含有材料)の表面に被膜が形成されても、電気化学的に安定な活性種が被膜を継続的に除去する。すなわち、電気化学的に安定な活性種は、充放電が繰り返されてもマグネシウムの活性を維持する機能を果たす。よって、充放電が繰り返されてもマグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応がより進行しやすくなる。
 これらのことから、電解液が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいると、その電解液を用いた二次電池では、マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が安定かつ継続的に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が減少しにくくなる。
(好適な構成)
 中でも、環状不飽和炭化水素化合物は、単環を含んでいることが好ましく、すなわち縮合環化合物よりも単環化合物を含んでいることが好ましい。マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が十分に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が十分に減少しにくくなるからである。
 この単環は、特に、2個以上の炭素間二重結合が炭素間単結合を介して交互に配置されている完全共役系であることが好ましく、より具体的には、4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンを含んでいることが好ましい。還元状態において環状不飽和炭化水素化合物が芳香族性を示すからである。これにより、環状不飽和炭化水素化合物に由来する活性種が電気化学的により安定化するため、その環状不飽和炭化水素化合物の寿命がより長期化する。ただし、上記したように、4の倍数個の炭素原子を有していないベンゼンなどは、ここで説明するアヌレンから除かれる。
 ここで、「4の倍数個」とは、いわゆる4n個(nは、1以上の整数である。)を意味しており、その4の倍数個の具体例は、4個、8個、12個などである。このため、いわゆる4n+2個(nは、1以上の整数である。)の炭素原子を有するベンゼン(炭素原子の数=6個)などは、4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンに該当しない。4n+2個の炭素原子を有するベンゼンなどは、還元状態に限らずに通常の分子状態においても芳香族性を示す。
 この4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンは、特に、シクロオクタテトラエンを含んでいることが好ましい。環状不飽和炭化水素化合物に由来する活性種が電気化学的に著しく安定化するため、その環状不飽和炭化水素化合物の寿命が著しく長期化するからである。
[溶媒]
 なお、電解液は、さらに、溶媒のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。溶媒の種類は、特に限定されないが、具体的には、非水溶媒(有機溶剤)である。非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。
 非水溶媒の種類は、特に限定されないが、中でも、その非水溶媒は、エーテル化合物を含んでいることが好ましい。電解質塩がエーテル化合物により分散または溶解されやすくなるため、電解液の状態が安定化するからである。
 このエーテル化合物は、エーテル結合(-O-)を含む化合物である。なお、エーテル化合物は、鎖状でもよいし、環状でもよい。また、エーテル結合の数は、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。
 エーテル化合物の具体例は、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどである。
<1-2.製造方法>
 電解液を製造する場合には、溶媒に電解質塩および添加剤(環状不飽和炭化水素化合物)を添加する。これにより、溶媒中において電解質塩および環状不飽和炭化水素化合物が分散または溶解されるため、電解液が完成する。
<1-3.作用および効果>
 この電解液によれば、その電解液が電解質塩および添加剤を含んでおり、その電解質塩がマグネシウム塩を含んでおり、その添加剤が環状不飽和炭化水素化合物を含んでいる。
 この場合には、上記したように、マグネシウムの析出溶解を利用した酸化還元反応が進行しやすくなると共に、環状不飽和炭化水素化合物に由来する活性種が析出溶解反応の進行時においてマグネシウムの活性を維持する。これにより、電解液を用いた二次電池では、充放電反応が安定かつ継続的に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が減少しにくくなる。よって、優れた電池特性を有する二次電池を実現することができる。
 特に、環状不飽和炭化水素化合物が単環を含んでおり、すなわち環状不飽和炭化水素化合物が単環化合物を含んでいれば、マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が十分に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が十分に減少しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
 この場合には、単環が4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンを含んでいれば、環状不飽和炭化水素化合物に由来する活性種が電気化学的により安定化する。よって、活性種の寿命がより長期化するため、さらに高い効果を得ることができる。
 中でも、アヌレンがシクロオクタテトラエンを含んでいれば、環状不飽和炭化水素化合物に由来する活性種が電気化学的に著しく安定化する。よって、活性種の寿命が著しく長期化するため、著しく高い効果を得ることができる。
 また、電解液がさらにエーテル化合物を含んでいれば、その電解質塩がエーテル化合物により分散または溶解されやすくなる。よって、電解液の状態が安定化するため、より高い効果を得ることができる。
<2.二次電池>
 次に、電解液を用いた本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
 ここで説明する二次電池は、マグネシウムの析出溶解を利用して充放電反応が進行するため、その充放電反応を利用して電池容量が得られる二次電池である。
 より具体的には、以下で説明する二次電池は、正極が硫黄含有材料を含んでいると共に、負極がマグネシウム含有材料を含んでいるため、いわゆるマグネシウム硫黄二次電池である。この二次電池では、負極においてマグネシウムが析出溶解されると共に、正極においてマグネシウムがイオン状態で吸蔵放出される。なお、硫黄含有材料およびマグネシウム含有材料の詳細に関しては、後述する。
<2-1.構成>
 図1は、二次電池の斜視構成を表していると共に、図2は、図1に示した電池素子20の断面構成を表している。ただし、図1では、外装フィルム10と電池素子20とが互いに分離された状態を示していると共に、XZ面に沿った電池素子20の断面を破線で示している。
 この二次電池は、図1および図2に示したように、外装フィルム10と、電池素子20と、正極リード31と、負極リード32と、封止フィルム41,42とを備えている。
 ここで説明する二次電池は、可撓性(または柔軟性)を有する外装フィルム10を外装部材として用いたラミネートフィルム型の二次電池である。
[外装フィルム]
 外装フィルム10は、図1に示したように、電池素子20が内部に収納された状態において封止された袋状の構造を有している。これにより、外装フィルム10は、後述する正極21、負極22、セパレータ23および電解液を収納している。
 ここでは、外装フィルム10は、1枚のフィルム状の部材であり、折り畳み方向Fに折り畳まれている。この外装フィルム10には、電池素子20を収容するための窪み部10U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
 具体的には、外装フィルム10は、融着層、金属層および表面保護層が内側からこの順に積層された3層のラミネートフィルムであり、その外装フィルム10が折り畳まれた状態において、互いに対向する融着層のうちの外周縁部同士が互いに融着されている。融着層は、ポリプロピレンなどの高分子化合物を含んでいる。金属層は、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。表面保護層は、ナイロンなどの高分子化合物を含んでいる。
 ただし、外装フィルム10の構成(層数)は、特に、限定されないため、1層または2層でもよいし、4層以上でもよい。
[電池素子]
 電池素子20は、外装フィルム10の内部に収納されている発電素子である。この電池素子20は、図1および図2に示したように、正極21、負極22、セパレータ23および電解液(図示せず)を含んでいる。
 ここでは、電池素子20は、いわゆる巻回電極体である。すなわち、正極21および負極22は、セパレータ23を介して互いに対向しながら、巻回軸Pを中心として巻回されている。この巻回軸Pは、図1に示したように、Y軸方向に延在する仮想軸である。
 電池素子20の立体的形状は、特に限定されない。ここでは、電池素子20は、扁平状の立体的形状を有しているため、巻回軸Pと交差する電池素子20の断面(XZ面に沿った断面)の形状は、長軸J1および短軸J2により規定される扁平形状である。
 長軸J1は、X軸方向に延在する仮想軸であり、短軸J2の長さよりも大きい長さを有している。短軸J2は、X軸方向と交差するZ軸方向に延在する仮想軸であり、長軸J1の長さよりも小さい長さを有している。ここでは、電池素子20の立体的形状は、扁平な円筒状であるため、その電池素子20の断面の形状は、扁平な略楕円形状である。
(正極)
 正極21は、マグネシウムをイオン状態で吸蔵放出する正極活物質を含んでおり、その正極活物質は、硫黄含有材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。正極21においてマグネシウムがイオン状態で吸蔵放出されやすくなるため、そのマグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が進行しやすくなるからである。
 この硫黄含有材料は、硫黄を構成元素として含む材料である。すなわち、硫黄含有材料は、硫黄の単体でもよいし、硫黄の合金でもよいし、硫黄の化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよい。なお、硫黄の単体の純度は、特に限定されないため、その硫黄の単体は、任意量の不純物を含んでいてもよい。
 硫黄の合金に構成元素として含まれる金属元素の種類は、任意の金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。硫黄の化合物は、炭素、酸素およびハロゲンなどの非金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでおり、そのハロゲンの具体例は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などである。
 中でも、正極活物質は、硫黄の単体を含んでいることが好ましい。マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が十分に進行しやすくなるからである。図2では、正極21が硫黄の単体を含んでいる場合を示している。
 なお、ここでは具体的に図示しないが、正極21は、正極集電体および正極活物質層を含んでいてもよい。
 正極集電体は、正極活物質層を支持する導電性の支持体であり、その正極活物質層が設けられる一対の面を有している。この正極集電体は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、ニッケルなどである。
 正極活物質層は、正極集電体により支持されており、正極活物質である硫黄含有材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層は、さらに、正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
 正極活物質層は、正極集電体の両面に設けられていてもよいし、正極集電体の片面だけに設けられていてもよい。正極活物質層の形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
 正極結着剤は、フッ素系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂およびスチレンブタジエン共重合ゴムなどの樹脂材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。フッ素系樹脂の具体例は、ポリフッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンなどである。
 なお、正極結着剤は、導電性高分子化合物でもよい。導電性高分子化合物の具体例は、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンなどであり、それらの2種類以上の共重合体でもよい。この導電性高分子化合物は、無置換でもよいし、任意の1種類または2種類以上の官能基により置換されていてもよい。
 正極導電剤は、炭素材料、金属材料および導電性高分子化合物などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
 炭素材料の具体例は、黒鉛(天然黒鉛および人造黒鉛)、炭素繊維、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブなどである。炭素繊維は、気相成長炭素繊維(VGCF)などである。カーボンブラックは、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。カーボンナノチューブは、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)およびマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)などであり、そのマルチウォールカーボンナノチューブは、ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)などである。金属材料の具体例は、ニッケルなどである。
(負極)
 負極22は、負極活物質であるマグネシウム含有材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が進行しやすくなるからである。
 このマグネシウム含有材料は、マグネシウムを構成元素として含む材料である。すなわち、マグネシウム含有材料は、マグネシウムの単体でもよいし、マグネシウムの合金でもよいし、マグネシウムの化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよい。なお、金属マグネシウムの純度は、特に限定されないため、その金属マグネシウムは、任意量の不純物を含んでいてもよい。
 マグネシウムの合金に構成元素として含まれる金属元素(マグネシウムを除く。)の種類は、任意の金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。マグネシウムの化合物は、炭素、酸素、硫黄およびハロゲンなどの非金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでおり、そのハロゲンの具体例は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などである。
 中でも、負極活物質は、マグネシウムの単体を含んでいることが好ましい。マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が十分に進行しやすくなるからである。図2では、負極22がマグネシウムの単体を含んでいる場合を示している。
 なお、負極22は、正極21の構成と類似する構成を有していてもよい。すなわち、ここでは具体的に図示しないが、負極22は、負極集電体および負極活物質層を含んでいてもよい。
 負極集電体は、負極活物質層を支持する導電性の支持体であり、その負極活物質層が設けられる一対の面を有している。この負極集電体は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、ニッケルなどである。
 負極活物質層は、負極集電体により支持されており、負極活物質であるマグネシウム含有材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層は、さらに、負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
 負極活物質層は、負極集電体の両面に設けられていてもよいし、負極集電体の片面だけに設けられていてもよい。負極活物質層の形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
 負極結着剤に関する詳細は、正極結着剤に関する詳細と同様であると共に、負極導電に関する詳細は、正極導電剤に関する詳細と同様である。
(セパレータ)
 セパレータ23は、図2に示したように、正極21と負極22との間に介在する絶縁性の多孔質膜であり、その正極21と負極22との短絡を防止しながらマグネシウムをイオン状態で通過させる。このセパレータ23は、ポリエチレンなどの高分子化合物を含んでいる。
(電解液)
 電解液の構成は、上記した通りである。すなわち、電解液は、電解質塩であるマグネシウム塩および添加剤である環状不飽和炭化水素化合物を含んでいる。
[正極リード]
 正極リード31は、図1および図2に示したように、正極21に接続されている正極配線であり、外装フィルム10の外部に導出されている。なお、正極21が正極集電体を含んでいる場合には、正極リード31は正極集電体に接続される。この正極リード31は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、アルミニウムなどである。なお、正極リード31の形状は、薄板状および網目状などのうちのいずれかである。
[負極リード]
 負極リード32は、図1および図2に示したように、負極22に接続されている負極配線であり、外装フィルム10の外部に導出されている。なお、負極22が負極集電体を含んでいる場合には、負極リード32は負極集電体に接続される。ここでは、負極リード32の導出方向は、正極リード31の導出方向と同様の方向である。この負極リード32は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、銅などである。なお、負極リード32の形状に関する詳細は、正極リード31の形状に関する詳細と同様である。
[封止フィルム]
 封止フィルム41は、外装フィルム10と正極リード31との間に挿入されていると共に、封止フィルム42は、外装フィルム10と負極リード32との間に挿入されている。ただし、封止フィルム41,42のうちの一方または双方は、省略されてもよい。
 封止フィルム41は、外装フィルム10の内部に外気などが侵入することを防止する封止部材である。この封止フィルム41は、正極リード31に対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物を含んでおり、その高分子化合物の具体例は、ポリプロピレンなどである。
 封止フィルム42の構成は、負極リード32に対して密着性を有する封止部材であることを除いて、封止フィルム41の構成と同様である。すなわち、封止フィルム42は、負極リード32に対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物を含んでいる。
<2-2.動作>
 この二次電池は、電池素子20において、以下のように動作する。
 放電時には、負極22においてマグネシウム含有材料が溶解するため、電解液中にマグネシウムが溶出されると共に、そのマグネシウムが正極21においてイオン状態で吸蔵される。一方、充電時には、正極21から電解液中にマグネシウムがイオン状態で放出されると共に、そのマグネシウムが負極22において析出する。
<2-3.製造方法>
 二次電池を製造する場合には、以下で説明する一例の手順により、正極21および負極22を準備したのち、その正極21、負極22および電解液を用いて二次電池を組み立てる。
 以下では、硫黄含有材料として硫黄の単体(硫黄粉末)を用いると共に、マグネシウム含有材料としてマグネシウムの単体(金属マグネシウム)を用いる場合に関して説明する。なお、電解液の製造手順に関しては、既に説明したので、以下では、その電解液の製造手順に関する説明を省略する。
[正極の準備]
 最初に、正極活物質(硫黄含有材料である硫黄粉末)、正極結着剤および正極導電剤を互いに混合させることにより、正極合剤とする。続いて、溶媒に正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。この溶媒は、水性溶媒でもよいし、有機溶剤でもよい。最後に、正極集電体の両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層を形成する。こののち、ロールプレス機などを用いて正極活物質層を圧縮成形してもよい。この場合には、正極活物質層を加熱してもよいし、圧縮成形を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成されるため、正極21が作製される。
[負極の準備]
 負極22として、負極活物質(マグネシウム含有材料である金属マグネシウム)を準備する。この金属マグネシウムとしては、マグネシウム箔を用いる。
[二次電池の組み立て]
 最初に、溶接法などの接合法を用いて、正極21に正極リード31を接続させると共に、溶接法などの接合法を用いて、負極22に負極リード32を接続させる。
 続いて、セパレータ23を介して正極21および負極22を互いに積層させたのち、その正極21、負極22およびセパレータ23を巻回させることにより、巻回体(図示せず)を形成する。続いて、プレス機などを用いて巻回体を押圧することにより、扁平形状となるように巻回体を成形する。この成形後の巻回体は、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子20の構成と同様の構成を有している。
 続いて、窪み部10Uの内部に巻回体を収容したのち、外装フィルム10(融着層/金属層/表面保護層)を折り畳むことにより、その外装フィルム10同士を互いに対向させる。続いて、熱融着法などの接着法を用いて、互いに対向する融着層のうちの2辺の外周縁部同士を互いに接合させることにより、袋状の外装フィルム10の内部に巻回体を収納する。
 最後に、袋状の外装フィルム10の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などの接着法を用いて、互いに対向する融着層のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに接合させる。この場合には、外装フィルム10と正極リード31との間に封止フィルム41を挿入すると共に、外装フィルム10と負極リード32との間に封止フィルム42を挿入する。
 これにより、巻回体に電解液が含浸されるため、巻回電極体である電池素子20が形成される。よって、袋状の外装フィルム10の内部に電池素子20が封入されるため、二次電池が完成する。
<2-4.作用および効果>
 この二次電池によれば、その二次電池が電解液を備えており、その電解液が上記した構成を有している。この場合には、上記した理由により、充放電反応が安定かつ継続的に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が減少しにくくなるため、優れた電池特性を得ることができる。
 特に、正極21が硫黄含有材料を含んでいると共に、負極22がマグネシウム含有材料を含んでいれば、マグネシウムの析出溶解を利用した充放電反応が十分に進行しやすくなると共に、充放電が繰り返されても電池容量が十分に減少しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、硫黄含有材料が硫黄の単体を含んでいると共に、マグネシウム含有材料がマグネシウムの単体を含んでいれば、充放電反応がより進行しやすくなると共に、電池容量がより減少しにくくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
 また、二次電池がマグネシウム硫黄二次電池であれば、マグネシウムの析出溶解を利用して十分な電池容量が得られるため、より高い効果を得ることができる。
<3.二次電池の用途>
 二次電池の用途(適用例)は、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、電子機器および電動車両などにおいて、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、主電源から切り替えられる電源でもよい。
 二次電池の用途の具体例は、以下で説明する通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオおよび携帯用情報端末などの電子機器である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。電子機器などに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用または産業用のバッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。これらの用途では、1個の二次電池だけが用いられてもよいし、2個以上の二次電池が用いられてもよい。
 電池パックは、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、駆動用電源として二次電池を用いて走行する車両であり、その二次電池以外の他の駆動源を併せて備えたハイブリッド自動車でもよい。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に蓄積された電力を利用して、家庭用の電気製品などを使用可能である。
 本技術の実施例に関して説明する。
 以下で説明するように、電解液および二次電池を製造したのち、その電解液の物性および二次電池の電池特性を評価した。
<実施例1,2および比較例1~4>
 まず、以下で説明する手順により、電解液を製造したのち、その電解液の物性を評価した。
[電解液の製造]
 溶媒(エーテル化合物であるジエチレングリコールジメチルエーテル(DGDE),富山薬品工業株式会社製)に電解質塩(マグネシウム塩)および添加剤(環状不飽和炭化水素化合物であるシクロオクタテトラエン(COT),東京化成工業株式会社製)を添加したのち、その溶媒を撹拌した。これにより、電解液が調製された。
 電解質塩としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウム(MgTFSI2 ,富山薬品工業株式会社製)と塩化マグネシウム(MgCl2 ,シグマアルドリッチ社製)との混合物を用いた。この場合には、電解液中におけるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムの含有量を溶媒に対して0.2mol/l(=0.2mol/dm3 )としたと共に、電解液中における塩化マグネシウムの含有量を溶媒に対して0.2mol/lとした。
 また、電解質塩としては、塩化マグネシウムを単独で用いた。この場合には、電解液中における塩化マグネシウムの含有量を溶媒に対して0.4mol/lとした。
 電解液中におけるシクロオクタテトラエンの含有量は、溶媒に対して0.05mol/lとした。
 なお、比較のために、添加剤を用いなかったことを除いて同様の手順により、電解液を調製した。また、比較のために、添加剤として環状不飽和炭化水素化合物の代わりに他の化合物(アントラセン(ANT),東京化成工業株式会社製)を用いたことを除いて同様の手順により、電解液を調製した。
 電解液の調整後、ICP発光分光分析法を用いて電解液を分析した結果、電解質塩の含有量および添加剤(環状不飽和炭化水素化合物または他の化合物)の含有量が上記した通りであることを確認した。
[物性の評価]
 物性として酸化還元特性を評価したところ、表1に示した結果が得られた。
 酸化還元特性を評価する場合には、最初に、電解液中に作用極(白金)、参照極(マグネシウム)および対極(マグネシウム)を浸漬させた。続いて、常温環境中(温度=25℃)において、サイクリックボルタンメトリー法を用いて電位と電流との相関関係(サイクリックボルタモグラム)を測定した。この場合には、掃引速度=25mV/秒、電位範囲=-2V~2V、サイクル数=10サイクルとした。最後に、サイクリックボルタモグラムに基づいて、酸化還元特性を評価するための指標である酸化還元反応の進行の可否を判定した。
 表1に示した「酸化還元反応」の欄では、以下で説明する傾向を示している。
 「可」は、マグネシウムの析出時だけでなくマグネシウムの溶解時においても活性を示したため、酸化還元反応が進行したことを表している。すなわち、電解液を用いた二次電池において、充放電反応が進行することを表している。
 一方、「不可」は、マグネシウムの溶解時において活性を示さなかったため、酸化還元反応が十分に進行しなかったことを表している。すなわち、電解液を用いた二次電池において、充放電反応が進行しないことを表している。
[考察]
 表1に示したように、酸化還元反応の進行の可否は、電解液の構成に応じて変動した。
 具体的には、添加剤を用いなかった場合(比較例1,2)には、酸化還元反応の進行の可否に差異が発生した。すなわち、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムと塩化マグネシウムとの混合物を用いた場合(比較例1)には、酸化還元反応が進行した。しかしながら、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムだけを用いた場合(比較例2)には、酸化還元反応が進行しなかった。
 また、添加剤として他の化合物(アントラセン)を用いた場合(比較例3,4)においても同様に、酸化還元反応の進行の可否に差異が発生した。すなわち、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムと塩化マグネシウムとの混合物を用いた場合(比較例3)には、酸化還元反応が進行した。しかしながら、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムだけを用いた場合(比較例4)には、酸化還元反応が進行しなかった。
 よって、添加剤を用いなかった場合(比較例1,2)および添加剤として他の化合物(アントラセン)を用いた場合(比較例3,4)には、電解質塩の種類に依存して、酸化還元反応の進行の可否に差異が発生した。
 これに対して、添加剤として環状不飽和炭化水素化合物(シクロオクタテトラエン)を用いた場合(実施例1,2)には、酸化還元反応の進行の可否に差異が発生しなかった。すなわち、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムと塩化マグネシウムとの混合物を用いた場合(実施例1)は、酸化還元反応が進行した。また、電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドマグネシウムだけを用いた場合(実施例2)においても同様に、酸化還元反応が進行した。
 よって、添加剤として環状不飽和炭化水素化合物を用いた場合(実施例1,2)には電解質塩の種類に依存せずに、酸化還元反応が安定に進行した。
<実施例3および比較例5,6>
 次に、以下で説明する手順により、二次電池を製造したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[二次電池の製造]
 ここでは、電池特性の評価として簡易評価を行うために、試験用の二次電池を作製した。図3は、試験用の二次電池(コイン型のマグネシウム硫黄二次電池)の断面構成を表している。
 以下では、試験用の二次電池の構成に関して説明したのち、その試験用の二次電池の製造手順を説明する。
(試験用の二次電池の構成)
 この試験用の二次電池は、図3に示したように、試験極51と、対極52と、セパレータ53と、外装カップ54と、外装缶55と、ガスケット56と、電解液(図示せず)とを備えている。
 試験極51は、外装カップ54に収容されていると共に、対極52は、外装缶55に収容されている。試験極51および対極52は、セパレータ53を介して互いに積層されていると共に、電解液は、試験極51、対極52およびセパレータ53のそれぞれに含浸されている。外装カップ54および外装缶55は、ガスケット56を介して互いに加締められているため、試験極51、対極52およびセパレータ53は、外装カップ54および外装缶55により封入されている。
(試験用の二次電池の製造手順)
 試験用の二次電池の製造手順は、以下で説明する通りである。
(試験極の作製)
 最初に、正極活物質(硫黄含有材料である硫黄粉末)10質量部と、正極結着剤(ポリテトラフルオロエチレン,AGC株式会社製)30質量部と、正極導電剤(ケッチェンブラック,ライオン株式会社製のECP600JD)60質量部とを互いに混合させることにより、合剤とした。続いて、ロールプレス機を用いて合剤を圧縮成形することにより、合剤シート(厚さ=100μm)を形成した。最後に、円盤状(直径=15mm)となるように合剤シートを打ち抜いた。これにより、試験極51が作製された。
(対極の準備)
 対極52(マグネシウム含有材料である金属マグネシウム)として円盤状のマグネシウム板(厚さ=200μm,直径=16mm,純度=99.9%,リカザイ株式会社製)を準備した。
(電解液の準備)
 上記した実施例1および比較例1,3の電解液を準備した。
(試験用の二次電池の組み立て)
 最初に、外装カップ54に試験極51を収容したと共に、外装缶55に対極52を収容した。続いて、電解液が含浸されたセパレータ53(厚さ=200μmであるグラスファイバー,株式会社アドバンテック製のGC50)を介して、外装カップ54に収容された試験極51と、外装缶55に収容された対極52とを互いに積層させた。この場合には、正極活物質層がセパレータ53を介して対極52と対向するように、試験極51を配置した。最後に、試験極51および対極52がセパレータ53を介して互いに積層されている状態において、ガスケット56を介して外装カップ54および外装缶55を互いに加締めた。これにより、外装カップ54および外装缶55に試験極51および対極52が封入されたため、試験用の二次電池が完成した。
[電池特性の評価]
 電池特性としてサイクル特性を評価したところ、表2に示した結果が得られた。
 サイクル特性を評価する場合には、最初に、試験用の二次電池の状態を電気化学的に安定化させるために、常温環境中(温度=25℃)において試験用の二次電池を2サイクル充放電させた。
 続いて、同環境中において試験用の二次電池を1サイクル充放電させることにより、放電容量(3サイクル目の放電容量)を測定した。続いて、同環境中において試験用の二次電池を7サイクル充放電させることにより、放電容量(10サイクル目の放電容量)を測定した。
 最後に、容量維持率(%)=(10サイクル目の放電容量/3サイクル目の放電容量)×100という計算式に基づいて、サイクル特性を評価するための指標である容量維持率を算出した。
 なお、放電時には、0.1mAの電流で電圧が0.8Vに到達するまで定電流放電したと共に、充電時には、0.1mAの電流で電圧が2.4Vに到達するまで定電流充電した。
[考察]
 表2に示したように、容量維持率は、電解液の構成に応じて大きく変動した。
 具体的には、電解液が添加剤として環状不飽和炭化水素化合物(シクロオクタテトラエン)を含んでいる場合(実施例3)には、電解液が添加剤を含んでいない場合(比較例5)および電解液が添加剤として他の化合物(アントラセン)を含んでいる場合(比較例6)と比較して、容量維持率が増加した。
 特に、電解液が添加剤として環状不飽和炭化水素化合物を含んでいる場合には、溶媒がエーテル化合物(ジエチレングリコールジメチルエーテル)を含んでいると、十分な容量維持率が得られた。
[まとめ]
 表1および表2に示した結果から、電解液がマグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含んでいると、高い容量維持率が得られた。よって、サイクル特性が改善されたため、優れた電池特性が得られた。
 以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
 具体的には、二次電池の電池構造がラミネートフィルム型およびコイン型である場合に関して説明した。しかしながら、二次電池の電池構造は、特に限定されないため、円筒型、角型およびボタン型などでもよい。
 また、電池素子の素子構造が巻回型である場合に関して説明した。しかしながら、電池素子の素子構造は、特に限定されないため、積層型および九十九折り型などでもよい。この積層型では、正極および負極が互いに積層されていると共に、九十九折り型では、正極および負極がジグザグに折り畳まれている。
 本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。
 なお、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
 
<1>
 正極と、
 負極と、
 マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含む電解液と
 を備え、
 前記環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、
 前記単環または前記二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、
 前記二環式縮合環は、ベンゼン環を含まず、
 前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が7個以下である場合における前記炭素間二重結合の数は、偶数個であり、
 前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が8個以上である場合における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個であり、
 前記二環式縮合環における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である、
 二次電池。
<2>
 前記環状不飽和炭化水素化合物は、前記単環を含む、
 <1>に記載の二次電池。
<3>
 前記単環は、4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンを含む、
 <2>に記載の二次電池。
<4>
 前記アヌレンは、シクロオクタテトラエンを含む、
 <3>に記載の二次電池。
<5>
 前記正極は、硫黄含有材料を含み、
 前記負極は、マグネシウム含有材料を含む、
 <1>ないし<4>のいずれか1つに記載の二次電池。
<6>
 前記硫黄含有材料は、硫黄の単体を含み、
 前記マグネシウム含有材料は、マグネシウムの単体を含む。
 <5>に記載の二次電池。
<7>
 前記電解液は、さらに、エーテル化合物を含む、
 <1>ないし<6>のいずれか1つに記載の二次電池。
<8>
 マグネシウム硫黄二次電池である、
 <1>ないし<7>のいずれか1つに記載の二次電池。
<9>
 マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含み、
 前記環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、
 前記単環または前記二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、
 前記二環式縮合環は、ベンゼン環を含まず、
 前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が7個以下である場合における前記炭素間二重結合の数は、偶数個であり、
 前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が8個以上である場合における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個であり、
 前記二環式縮合環における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である、
 二次電池用電解液。

Claims (9)

  1.  正極と、
     負極と、
     マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含む電解液と
     を備え、
     前記環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、
     前記単環または前記二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、
     前記二環式縮合環は、ベンゼン環を含まず、
     前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が7個以下である場合における前記炭素間二重結合の数は、偶数個であり、
     前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が8個以上である場合における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個であり、
     前記二環式縮合環における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である、
     二次電池。
  2.  前記環状不飽和炭化水素化合物は、前記単環を含む、
     請求項1に記載の二次電池。
  3.  前記単環は、4の倍数個の炭素原子を有するアヌレンを含む、
     請求項2に記載の二次電池。
  4.  前記アヌレンは、シクロオクタテトラエンを含む、
     請求項3に記載の二次電池。
  5.  前記正極は、硫黄含有材料を含み、
     前記負極は、マグネシウム含有材料を含む、
     請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6.  前記硫黄含有材料は、硫黄の単体を含み、
     前記マグネシウム含有材料は、マグネシウムの単体を含む。
     請求項5に記載の二次電池。
  7.  前記電解液は、さらに、エーテル化合物を含む、
     請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8.  マグネシウム硫黄二次電池である、
     請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9.  マグネシウム塩および環状不飽和炭化水素化合物を含み、
     前記環状不飽和炭化水素化合物は、複数の炭素原子により構成された単環または二環式縮合環を含み、
     前記単環または前記二環式縮合環は、2個以上の炭素間二重結合を含み、
     前記二環式縮合環は、ベンゼン環を含まず、
     前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が7個以下である場合における前記炭素間二重結合の数は、偶数個であり、
     前記単環を構成する前記複数の炭素原子の数が8個以上である場合における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個であり、
     前記二環式縮合環における前記炭素間二重結合の数は、奇数個または偶数個である、
     二次電池用電解液。
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