WO2024143467A1 - ペリクル膜、ペリクル、露光原版、及び露光装置 - Google Patents
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Definitions
- Semiconductor elements are manufactured through lithography.
- lithography exposure light emitted from an exposure device is irradiated onto a mask on which a circuit pattern is drawn, thereby transferring the circuit pattern to photoresist.
- a pellicle is attached to the mask to protect it from dust, etc.
- the pellicle has a frame and a pellicle film that is attached to the frame so as to cover the opening formed by the frame.
- Patent Document 1 discloses a pellicle membrane containing carbon nanotubes with a diameter of 0.8 to 6 nm, a length of 10 ⁇ m to 10 cm, and a carbon content of 98 mass% or more.
- an object of the present invention is to provide a pellicle film that is easy to make uniform in thickness within the plane, and as a result, easy to realize uniformity in the transmittance of EUV light.
- Another object of the present invention is to provide a pellicle, an exposure master, and an exposure apparatus that have such a pellicle film.
- a pellicle membrane for use in EUV lithography comprising: The pellicle membrane has a bundle including a plurality of carbon nanotubes (CNTs); A pellicle membrane comprising a bundle, the flattening ratio ⁇ (t1-t2)/t1 ⁇ calculated from the major axis (t1) and minor axis (t2) of the bundle being 0.10 to 0.90 when the bundle is cut at a plane intersecting the extension direction of the CNTs.
- the bundle comprises an inorganic material layer comprising an inorganic oxide and/or an inorganic nitride.
- the frame may have any external and internal shape for attaching the pellicle film and for enclosing the circuit pattern depicted on the mask 4.
- the frame is constructed as a single unit, but may also be constructed so as to be separable.
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Abstract
面内の厚みが均一になり易く、その結果、EUV光の透過率の均一性を実現し易いペリクル膜を提供する。 EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜12であって、ペリクル膜12は、複数のカーボンナノチューブ(CNT)23を含むバンドル21を有する。ここで、ペリクル膜12は、CNTの延在方向に交わる面でバンドル21を切断したとき、バンドルwqの長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である該バンドル21を含む。
Description
本発明は、ペリクル膜、ペリクル、露光原版、及び露光装置に関する。
半導体素子は、リソグラフィを経て製造される。リソグラフィでは、露光装置から放出される露光光が、回路パターンが描画されたマスクに照射され、これにより、回路パターンがフォトレジストに転写される。このとき、マスクの防塵等のため、マスクにペリクルが装着される。ペリクルは、フレームと、フレームによって形成される開口を塞ぐように該フレームに設けられるペリクル膜と、を有する。
パターンの微細化への要求から、次世代のリソグラフィ技術として、EUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィが注目されている。EUVリソグラフィでは、露光光として、従来の露光光(例えば、ArFエキシマレーザ光)よりも短波長である、EUV光が用いられる。EUV光の照射による温度上昇に耐えるため、EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜には、高い耐熱性が求められる。
ここで、耐熱性に優れた材料であるカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称する場合がある。)を含むペリクル膜が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、径が0.8~6nm、長さが10μm~10cm、かつ、カーボン含有量が98質量%以上のCNT、を含むペリクル膜が開示されている。
従来、EUV光の透過率の均一性を実現し易いペリクル膜を提供する点について、改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、面内の厚みが均一になり易く、その結果、EUV光の透過率の均一性を実現し易いペリクル膜を提供することである。また、本発明の目的は、かかるペリクル膜を有する、ペリクル、露光原版、及び露光装置を提供することである。
そこで、本発明の目的は、面内の厚みが均一になり易く、その結果、EUV光の透過率の均一性を実現し易いペリクル膜を提供することである。また、本発明の目的は、かかるペリクル膜を有する、ペリクル、露光原版、及び露光装置を提供することである。
本発明の一態様は以下のとおりである。
[1]
EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜であって、
前記ペリクル膜は、複数のカーボンナノチューブ(CNT)を含むバンドルを有し、
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、前記バンドルの長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である該バンドルを含む、ペリクル膜。
[2]
前記バンドルは、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む無機材料層を備える、項目1に記載のペリクル膜。
[3]
前記ペリクル膜は、前記バンドルの最外周に前記無機材料層を有する、項目2に記載のペリクル膜。
[4]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層が、前記バンドルの全体を囲む、項目2又は3に記載のペリクル膜。
[5]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層の厚さが0.5~8.0nmである該無機材料層を含む、項目2~4のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[6]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記バンドルの長径(t1)が5.0~40.0nm、短径(t2)が2.0~20.0nmである、項目1~5のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[7]
露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の屈折率(ni)と、露光波長13.5nmにおける前記CNTの屈折率(nc)と、の比(ni/nc)が、0.95~1.05である、項目2~6のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[8]
露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の消光係数(ki)が、0.05以下である、項目2~7のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[9]
前記無機材料層を構成する無機材料が、
ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、モリブデン(Mo)、ケイ素(Si)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)から成る群より選択される少なくとも一つの、酸化物及び/又は窒化物を含む、項目2~8のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[10]
EUV光の透過率が90%以上である、項目1~9のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[11]
フレームと、
フレームによって形成される開口を塞ぐように前記フレームに設けられる、項目1~10のいずれか1項に記載のペリクル膜と、
を備える、ペリクル。
[12]
マスクと、前記マスクに装着される項目11に記載のペリクルと、を備える、露光原版。
[13]
EUV光を放出する光源と、
前記EUV光が照射される、項目12に記載の露光原版と、
を備える、露光装置。
[1]
EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜であって、
前記ペリクル膜は、複数のカーボンナノチューブ(CNT)を含むバンドルを有し、
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、前記バンドルの長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である該バンドルを含む、ペリクル膜。
[2]
前記バンドルは、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む無機材料層を備える、項目1に記載のペリクル膜。
[3]
前記ペリクル膜は、前記バンドルの最外周に前記無機材料層を有する、項目2に記載のペリクル膜。
[4]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層が、前記バンドルの全体を囲む、項目2又は3に記載のペリクル膜。
[5]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層の厚さが0.5~8.0nmである該無機材料層を含む、項目2~4のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[6]
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記バンドルの長径(t1)が5.0~40.0nm、短径(t2)が2.0~20.0nmである、項目1~5のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[7]
露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の屈折率(ni)と、露光波長13.5nmにおける前記CNTの屈折率(nc)と、の比(ni/nc)が、0.95~1.05である、項目2~6のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[8]
露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の消光係数(ki)が、0.05以下である、項目2~7のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[9]
前記無機材料層を構成する無機材料が、
ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、モリブデン(Mo)、ケイ素(Si)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)から成る群より選択される少なくとも一つの、酸化物及び/又は窒化物を含む、項目2~8のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[10]
EUV光の透過率が90%以上である、項目1~9のいずれか1項に記載のペリクル膜。
[11]
フレームと、
フレームによって形成される開口を塞ぐように前記フレームに設けられる、項目1~10のいずれか1項に記載のペリクル膜と、
を備える、ペリクル。
[12]
マスクと、前記マスクに装着される項目11に記載のペリクルと、を備える、露光原版。
[13]
EUV光を放出する光源と、
前記EUV光が照射される、項目12に記載の露光原版と、
を備える、露光装置。
本発明によれば、面内の厚みが均一になり易く、その結果、EUV光の透過率の均一性を実現し易いペリクル膜を提供することができる。また、本発明によれば、かかるペリクル膜を有する、ペリクル、露光原版、及び露光装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「実施形態」と称する。)について、図面を参照しつつ説明する。本明細書中、各数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わされてよく、また、実施例に示された値に置き換えられてよい。本明細書中、「~」を用いて示される数値範囲は、特に断りのない限り、「~」の前後に記載された数値をその範囲内に含む。本明細書中、「工程」の語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合でも、工程の機能が達成されれば、本用語に含まれる。図面に示される各部の、縮尺、形状及び長さ等は、明確性を更に図るため、誇張して示されている場合がある。
実施形態1
[露光装置及び露光原版]
図1は、本実施形態における、露光装置1及び露光原版2の構成例を示す模式図である。露光装置1は、EUV光を放出する光源3と、EUV光が照射される露光原版2と、を備えている。露光原版2は、マスク4と、マスク4に装着されるペリクル5と、を備えている。露光装置1は、照明光学系6と、投影光学系7と、ステージ8と、を更に備えている。
[露光装置及び露光原版]
図1は、本実施形態における、露光装置1及び露光原版2の構成例を示す模式図である。露光装置1は、EUV光を放出する光源3と、EUV光が照射される露光原版2と、を備えている。露光原版2は、マスク4と、マスク4に装着されるペリクル5と、を備えている。露光装置1は、照明光学系6と、投影光学系7と、ステージ8と、を更に備えている。
露光装置1は、いわゆる反射型の装置であり、このような装置はEUVリソグラフィに適している。露光装置1では、光源3から放出されたEUV光が、照明光学系6で集光され、ペリクル5を透過してマスク4に照射される。そして、マスク4で反射されたEUV光が、再びペリクル5を透過して、投影光学系7により、ステージ8上のフォトレジスト(図示せず)に導かれる。
露光装置1及び露光原版2では、ペリクル5を用いている。このため、EUV光の照射により水素ラジカルが発生する場合でも、その水素ラジカルによるペリクル膜の劣化を好適に抑制できる。これにより、ペリクル膜に要求される各種特性(耐熱性、EUV光の高透過性、等)を長期に亘って保持することができる。上記のため、露光装置1及び露光原版2によれば、パターンの微細化への要求に好適に応えることができる。
[ペリクル]
〔概略構成〕
図2(a)及び(b)は、本実施形態におけるペリクル5の構成例を示す模式図である。ペリクル5は、フレーム11と、フレーム11によって形成される開口Opを塞ぐように該フレーム11に設けられるペリクル膜12と、を備えている。ペリクル5は、マスク4に描写される回路パターン(図示せず)を覆うように、マスク4に装着される。
〔概略構成〕
図2(a)及び(b)は、本実施形態におけるペリクル5の構成例を示す模式図である。ペリクル5は、フレーム11と、フレーム11によって形成される開口Opを塞ぐように該フレーム11に設けられるペリクル膜12と、を備えている。ペリクル5は、マスク4に描写される回路パターン(図示せず)を覆うように、マスク4に装着される。
ペリクル膜12の厚さは、EUVリソグラフィに好適に用いる観点から、好ましくは10~200nm、より好ましくは10~100nm、更に好ましくは10~50nmである。
〔フレーム〕
フレーム11は、一対の長辺と、一対の短辺と、を備えており、これらの長辺及び短辺により、長方形形状の開口Opが形成されている。長辺と短辺は、いずれも略直方体形状であり、このため、フレーム11は、4面(一端面11A、その一端面11Aとは反対側の他端面11B、内周面1C、及び、その内周面1Cとは反対側の外周面1D)を有している。ここでは、フレーム11の一端面11Aに、ペリクル膜12が設けられている。図中、一端面11Aとペリクル膜12とは直接に接している。ただし、EUVリソグラフィに悪影響を与えない範囲で、一端面11Aとペリクル膜12との間に他の部材(例えば、接着剤層)が介在してよい。
フレーム11は、一対の長辺と、一対の短辺と、を備えており、これらの長辺及び短辺により、長方形形状の開口Opが形成されている。長辺と短辺は、いずれも略直方体形状であり、このため、フレーム11は、4面(一端面11A、その一端面11Aとは反対側の他端面11B、内周面1C、及び、その内周面1Cとは反対側の外周面1D)を有している。ここでは、フレーム11の一端面11Aに、ペリクル膜12が設けられている。図中、一端面11Aとペリクル膜12とは直接に接している。ただし、EUVリソグラフィに悪影響を与えない範囲で、一端面11Aとペリクル膜12との間に他の部材(例えば、接着剤層)が介在してよい。
開口Opの面積は、EUVリソグラフィに好適である観点から、適宜設定することができる。開口Opの面積が小さい場合、ペリクル膜12の撓みを防止し易く、開口Opが大きい場合、マスク4に描写される回路パターンを囲み易い。
フレーム11は、例えば、チタン、β型チタン合金、及び炭素材料等を含んで構成される。なかでも、チタン合金が好ましく、特に、β型チタン合金がより好ましい。これによれば、フレーム11に柔軟性を付与し易いため、ペリクル5をマスク4に装着したときのマスク4の歪みを抑制し易い。また、フレーム11の高強度化も行い易い。
〔マスク粘着層、及び剥離フィルム〕
フレーム11は、該フレーム11をマスク5に貼り付けるための粘着層(マスク粘着層)を備えてよい。図中、フレーム11は、ペリクル膜12が設けられる面(一端面11A)とは反対側の面(他端面11B)に、マスク粘着層13を備えている。マスク粘着層13は、例えば、アクリル系、ゴム系、ビニル系、エポキシ系、及びシリコーン系等の接着剤を含んで構成される。なかでも、アクリル系又はシリコーン系の接着剤が好ましい。マスク粘着層13の厚さは、例えば、0.1~1.0mmである。
フレーム11は、該フレーム11をマスク5に貼り付けるための粘着層(マスク粘着層)を備えてよい。図中、フレーム11は、ペリクル膜12が設けられる面(一端面11A)とは反対側の面(他端面11B)に、マスク粘着層13を備えている。マスク粘着層13は、例えば、アクリル系、ゴム系、ビニル系、エポキシ系、及びシリコーン系等の接着剤を含んで構成される。なかでも、アクリル系又はシリコーン系の接着剤が好ましい。マスク粘着層13の厚さは、例えば、0.1~1.0mmである。
ペリクル5は、マスク粘着層13を備える場合、そのマスク粘着層13の粘着面に積層される剥離フィルム14(ライナー)を更に備えてよい。剥離フィルム14は、ペリクル5の保管時又は輸送時に、マスク粘着層13の粘着力の劣化を抑制する。ペリクル5のマスク4への装着時に、マスク粘着層13から剥離フィルム14を剥離しうることで、マスク粘着層13の粘着面を露出させることができる。
剥離フィルム14の厚さは、例えば、30~200μmであり、例えば、ポリエステル等の樹脂から構成される。剥離性の向上のため、剥離フィルム14の表面に、離型処理(例えば、シリコーン層又はフッ素層を設ける処理)が施されてよい。
[ペリクル膜]
〔概略構成〕
図3(a)~(b)、及び図4(a)~(b)は、ペリクル膜12を構成するバンドル21の構成例を示す図である。このうち、図3(a)は、バンドル21の構成例を模式的に示す斜視図であり、複数のCNT23を含むバンドル21の周囲に無機材料層22が配される態様が示されている。また、図3(b)は、バンドル21によって構成される網目構造の一例を示すSEM写真であり、図4(a)~(b)は、バンドル21の断面構造の一例を示すTEM写真である。
〔概略構成〕
図3(a)~(b)、及び図4(a)~(b)は、ペリクル膜12を構成するバンドル21の構成例を示す図である。このうち、図3(a)は、バンドル21の構成例を模式的に示す斜視図であり、複数のCNT23を含むバンドル21の周囲に無機材料層22が配される態様が示されている。また、図3(b)は、バンドル21によって構成される網目構造の一例を示すSEM写真であり、図4(a)~(b)は、バンドル21の断面構造の一例を示すTEM写真である。
本実施形態の一態様は、EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜12であって、ペリクル膜12は、複数のCNT23を含むバンドル21を有し、バンドル21は、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む無機材料層22を備える(例えば、図3(a)参照)。
上記ペリクル膜12によれば、EUV光の照射により水素ラジカルが発生する場合でも、その水素ラジカルによるCNT23の劣化を好適に抑制できる。これにより、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する高透過性、等)を長期に亘って保持することができ、かつ、高透過率で透過率の均一性が高いペリクル膜を提供し易い。
上記ペリクル膜12によれば、EUV光の照射により水素ラジカルが発生する場合でも、その水素ラジカルによるCNT23の劣化を好適に抑制できる。これにより、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する高透過性、等)を長期に亘って保持することができ、かつ、高透過率で透過率の均一性が高いペリクル膜を提供し易い。
〔EUVリソグラフィ用途〕
EUVリソグラフィは、露光光としてEUV光を用いるリソグラフィであり、例えば、露光装置1により行われる。EUVリソグラフィでは、従来の露光光よりも短波長であるEUV光が、例えば水素雰囲気下において、ペリクル膜12に照射される。ペリクル膜12は、EUV光の透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、更に好ましくは95%以上である。これによれば、EUVリソグラフィを好適に実施し易い。
EUVリソグラフィは、露光光としてEUV光を用いるリソグラフィであり、例えば、露光装置1により行われる。EUVリソグラフィでは、従来の露光光よりも短波長であるEUV光が、例えば水素雰囲気下において、ペリクル膜12に照射される。ペリクル膜12は、EUV光の透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、更に好ましくは95%以上である。これによれば、EUVリソグラフィを好適に実施し易い。
〔バンドル〕
(CNT)
バンドル21は、例えば、複数のCNT23を含む束である。その束の最外に配されるCNT23の外周面が連なることで、バンドル21の外周面が形成されている。バンドル21を構成するCNT23は、
単層構造を有するCNT(シングルウォールナノチューブ;SWCNT)、
二層構造を有するCNT(ダブルウォールナノチューブ;DWCNT)、又は
三層以上の多層構造を有するCNT(マルチウォールナノチューブ;MWCNT)
のいずれでもよい。層構造における積層数が少なければ、ペリクル膜12の薄膜化を図り易い。
(CNT)
バンドル21は、例えば、複数のCNT23を含む束である。その束の最外に配されるCNT23の外周面が連なることで、バンドル21の外周面が形成されている。バンドル21を構成するCNT23は、
単層構造を有するCNT(シングルウォールナノチューブ;SWCNT)、
二層構造を有するCNT(ダブルウォールナノチューブ;DWCNT)、又は
三層以上の多層構造を有するCNT(マルチウォールナノチューブ;MWCNT)
のいずれでもよい。層構造における積層数が少なければ、ペリクル膜12の薄膜化を図り易い。
CNT23の長さは、好ましくは10μm未満である。比較的短いCNT23を含むことで、そのペリクル膜12における、CNT23の端部の数が多くなる。この場合、CNT23の端部が、他のCNT23に巻き付いた態様を好適に得ることができ、これにより、ペリクル膜12の膜強度の向上を図り易くなる。また、CNTは、炭素純度が99.5%以上であることが好ましい。これによれば、不純物による悪影響を抑制し易く、よって、EUV光に対する透過性の向上を図り易い。
(網目構造)
バンドル21は、所定方向に延在しており、これらの複数のバンドル21が、ペリクル膜12において網目構造を形成している。図3(b)中、網目の間に隙間が形成されている。図3(b)中、白色で表される部分が、バンドル21及び無機材料層22に相当し、黒色で表される部分が、バンドル21間の隙間に相当する。
バンドル21は、所定方向に延在しており、これらの複数のバンドル21が、ペリクル膜12において網目構造を形成している。図3(b)中、網目の間に隙間が形成されている。図3(b)中、白色で表される部分が、バンドル21及び無機材料層22に相当し、黒色で表される部分が、バンドル21間の隙間に相当する。
(無機材料層)
無機材料層22は、バンドル21の外周面を覆うように設けられている。無機材料層22は、その無機材料層22より内部のCNT23を好適にバリアする。従って、ペリクル膜12において、バンドル21の最外周に無機材料層22を有することが好ましい。これによれば、水素ラジカルによるCNT23の劣化を好適に抑制し易い。
無機材料層22は、バンドル21の外周面を覆うように設けられている。無機材料層22は、その無機材料層22より内部のCNT23を好適にバリアする。従って、ペリクル膜12において、バンドル21の最外周に無機材料層22を有することが好ましい。これによれば、水素ラジカルによるCNT23の劣化を好適に抑制し易い。
無機材料層22は、バンドル21の最外周上に、該最外周に接するように配されてよく、任意の他の層を介して配されてよく、また、所定の隙間を設けて配されてよい。無機材料層22は、一層でもよく、複数層でもよい。無機材料層22は、原子層堆積法(ALD)に基づき、バンドル21の外周面に対して無機材料を暴露することで実現し易い。
無機材料層22は、単層構造を有してもよいし、2層以上の複数層構造を有してもよい。単層構造であれば、網目構造の低密度化を図り易くなる。他方、2層以上の複数層構造であれば、各層による機能を発揮させ、各種の特性に優れた無機材料層22を得易くなる。2層以上の複数層構造は、例えば、異なる無機材料をALDに適用することで得ることができる。
(屈折率)
露光波長13.5nmにおける無機材料層22の屈折率(ni)と、露光波長13.5nmにおけるCNT23の屈折率(nc)と、の比(ni/nc)が、0.95~1.05であることが好ましい。これによれば、EUV光に対する無機材料の屈折率が、EUV光に対するCNT23の屈折率に近い態様を実現でき、この場合、無機材料層22でのEUV光の散乱を好適に抑制できるため、EUV光に対する高透過性を実現し易い。
露光波長13.5nmにおける無機材料層22の屈折率(ni)と、露光波長13.5nmにおけるCNT23の屈折率(nc)と、の比(ni/nc)が、0.95~1.05であることが好ましい。これによれば、EUV光に対する無機材料の屈折率が、EUV光に対するCNT23の屈折率に近い態様を実現でき、この場合、無機材料層22でのEUV光の散乱を好適に抑制できるため、EUV光に対する高透過性を実現し易い。
(消光係数)
露光波長13.5nmにおける無機材料層22の消光係数(ki)が、0.05以下であることが好ましい。これによれば、EUV光のエネルギーが無機材料に吸収されるのを好適に抑制でき、そのため、EUV光に対する耐劣化性を実現し易い。
露光波長13.5nmにおける無機材料層22の消光係数(ki)が、0.05以下であることが好ましい。これによれば、EUV光のエネルギーが無機材料に吸収されるのを好適に抑制でき、そのため、EUV光に対する耐劣化性を実現し易い。
(無機材料)
無機材料層22は、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む。このような無機材料層22は、その内部のCNT23を、EUV光の照射により発生し得る水素ラジカルからバリアする。このことは、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する透過性、等)を長期に亘って保持できることにつながる。更に、これらの無機材料は、CNT23に比べて、EUV光に対する耐劣化性を有するため、EUV光からバンドル21を好適にバリアし易い。よって、この場合、EUV光に対する耐劣化性をも実現し易い。
無機材料層22は、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む。このような無機材料層22は、その内部のCNT23を、EUV光の照射により発生し得る水素ラジカルからバリアする。このことは、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する透過性、等)を長期に亘って保持できることにつながる。更に、これらの無機材料は、CNT23に比べて、EUV光に対する耐劣化性を有するため、EUV光からバンドル21を好適にバリアし易い。よって、この場合、EUV光に対する耐劣化性をも実現し易い。
無機材料は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、モリブデン(Mo)、ケイ素(Si)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)、から成る群より選択される少なくとも一つの、酸化物及び/又は窒化物を含む材料であることが好ましい。これによれば、EUV光に対する耐劣化性と、EUV光に対する高透過性と、の両立を図り易くなる。また、これらの材料であれば、公知の薄膜形成技術を用いて上記表面処理を行い易い。ここでの薄膜形成技術としては、例えば、原子層堆積法(ALD:Atomic layer deposition)が挙げられる。
上記の好ましい無機材料を例示すると、以下のとおりである。
酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ジルコニウム(ZrN及び/又はZr3N4)、
酸化ニオブ(Nb2O5)、窒化ニオブ(NbN)、
酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、
酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウム(HfN)、
酸化ランタン(La2O3)、窒化ランタン(LaN)、
酸化モリブデン(MoO3)、窒化モリブデン(MoN)、
酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、
酸化イットリウム(Y2O3)、窒化イットリウム(YN)
酸化チタン(TiO2)、窒化チタン(TiN)
酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ジルコニウム(ZrN及び/又はZr3N4)、
酸化ニオブ(Nb2O5)、窒化ニオブ(NbN)、
酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、
酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウム(HfN)、
酸化ランタン(La2O3)、窒化ランタン(LaN)、
酸化モリブデン(MoO3)、窒化モリブデン(MoN)、
酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、
酸化イットリウム(Y2O3)、窒化イットリウム(YN)
酸化チタン(TiO2)、窒化チタン(TiN)
ALDは、有機金属材料ガスと、酸化性ガス又は反応性窒素ガスと、を交互に反応させる手法であるため、無機材料は、ALDを好適に実現する観点から、金属酸化物、又は窒化物が好ましい。また、無機材料は、水素雰囲気下でEUV光が照射されることで発生する水素ラジカルへの耐性の観点から、酸化物、又は窒化物が好ましい。
無機材料層22は、上記屈折率の観点からは、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、又は酸化モリブデンが好ましい。
また、無機材料層22は、上記消光係数の観点からは、無機材料は、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。
また、無機材料層22は、上記消光係数の観点からは、無機材料は、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。
無機材料は、1種又は複数種を用いてよい。無機材料は、上記材料以外の無機材料(他の無機材料)を含んでよい。他の無機材料は、酸化物及び窒化物でなくてよい。このような他の無機材料としては、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)等が挙げられる。無機材料の総量に対して、他の無機材料は、10質量%以下でよく、5質量%以下でよく、1質量%以下でよく、0質量%でよい。また、無機材料の総量に対して、他の無機材料は、10質量%以下でよく、5質量%以下でよく、1質量%以下でよく、0質量%でよい。
(断面)
CNT23の延在方向に交わる面でバンドル21を切断することで、所定の断面が得られる(例えば、図4(a)~(b)参照)。このとき、バンドル21の長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である上記バンドル21を含む。これによれば、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する高透過性、等)を長期に亘って保持し易い。
CNT23の延在方向に交わる面でバンドル21を切断することで、所定の断面が得られる(例えば、図4(a)~(b)参照)。このとき、バンドル21の長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である上記バンドル21を含む。これによれば、ペリクル膜12に要求される各種特性(耐熱性、EUV光に対する高透過性、等)を長期に亘って保持し易い。
長径(t1)、短径(t2)は、切断面におけるバンドルが楕円形状であると仮定したとき、数学的に導かれる長径、及び短径である。長径(t1)と短径(t2)は、交点Pにおいて直交する。長径(t1)及び短径(t2)は、実施例に記載の手法に基づいて測定される。
扁平率の下限値としては、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.45以上、特に好ましくは0.60以上である。また、扁平率の上限値としては、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下、特に好ましくは0.80以下である。扁平率が大きいことは、断面の扁平度合いが大きいことを意味し、本実施形態では、所定の画像観察で得られるバンドルの多く(例えば、80%以上)が、ペリクル膜12の面方向に長径(t1)が沿い、ペリクル膜12の厚さ方向に短径(t2)が沿うような楕円形状である。この形状により、面内の厚みが均一になり易く、このため、透過率の均一性を実現し易い。
長径(t1)及び短径(t2)は、ペリクル膜12の作製工程でのCNT分散液の塗布条件、CNT分散液を含む塗膜の乾燥条件、ペリクル膜12への張力の掛け度合い、等により調整可能である。扁平率の大きい(断面形状が楕円である)バンドル11を得るには、例えば、ウエットプロセスでの分散剤の種類、及び量を選択することが好ましい。
CNT23の延在方向に交わる面でバンドル21を切断したとき、バンドル21の長径(t1)が5.0~40.0nmであることが好ましく、長径(t1)の下限値としては、好ましくは10.0nm以上、より好ましくは13.0nm以上、さらに好ましくは15.0nm以上、特に好ましくは20.0nm以上である。また、長径(t1)の上限値としては、好ましくは40.0nm以下、より好ましくは35.0nm以下、さらに好ましくは30.0nm以下、特に好ましくは28.0nm以下である。また、短径(t2)が2.0~20.0nmであることが好ましく、短径(t2)の下限値としては、好ましくは2.0nm以上、より好ましくは5.0nm以上、さらに好ましくは6.0nm以上、特に好ましくは8.0nm以上である。また、短径(t2)の上限値としては、好ましくは20.0nm以下、より好ましくは18.0nm以下、さらに好ましくは16.0nm以下、特に好ましくは14.0nm以下である。これによれば、本発明の効果が得られ易く、更に、網目構造の強度を確保し易いうえ、ペリクル膜の薄膜化も実現し易い。
CNT23の延在方向に交わる面でバンドル21を切断したとき、無機材料層22が、バンドル21の全体を囲むことが好ましい。これによれば、無機材料層22が、バンドル21を全周方向からバリアし易くなる。同様の観点から、一態様において、バンドル21の延在方向に交わる面で切断した切断面の少なくとも一つにおいて、無機材料層22が、バンドル21の全体を囲むことが好ましい。
CNT23の延在方向に交わる面でバンドル21を切断したとき、無機材料層22の厚さが0.5~8.0nmである該無機材料層22を含むことが好ましい。更に0.5~5.0nm、特には1.0~3.5nmが特に好ましい。これによれば、本発明の効果が得られ易く、更に、網目構造の強度を確保し易いうえ、ペリクル膜の薄膜化も実現し易い。このような無機材料層22の厚さは、無機材料層22としての機能を果たし得る部分の厚さに相当し、例えば、透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による取得画像により解析可能である。
[ペリクル膜の製造方法]
CNT膜の成膜プロセスには、ウエットプロセスと、ドライプロセスと、がある。「ウエットプロセス」は、CNT分散液を利用するプロセスを指し、ドライプロセスは、分散液を利用しないプロセスを指す。ここでは、ウエットプロセスを例に挙げて説明する。
CNT膜の成膜プロセスには、ウエットプロセスと、ドライプロセスと、がある。「ウエットプロセス」は、CNT分散液を利用するプロセスを指し、ドライプロセスは、分散液を利用しないプロセスを指す。ここでは、ウエットプロセスを例に挙げて説明する。
一態様において、ペリクル膜の作製方法は、
CNTを含む分散液を基板に塗布し、塗膜を作製する工程(工程1)と、
塗膜を乾燥することで、CNTを含む膜を基板上に作製する工程(工程2)と、
CNTを含む膜が作製された基板上を水に浸漬させ、CNTを含む膜を回収する工程(工程3)と、
CNTを含む膜を加熱する工程(工程4)と、
CNTを含む膜を表面処理することで、複数のCNTを含むバンドル21に無機材料層22を配する工程(工程5)と、を有する。
CNTを含む分散液を基板に塗布し、塗膜を作製する工程(工程1)と、
塗膜を乾燥することで、CNTを含む膜を基板上に作製する工程(工程2)と、
CNTを含む膜が作製された基板上を水に浸漬させ、CNTを含む膜を回収する工程(工程3)と、
CNTを含む膜を加熱する工程(工程4)と、
CNTを含む膜を表面処理することで、複数のCNTを含むバンドル21に無機材料層22を配する工程(工程5)と、を有する。
(工程1)
工程1では、CNTを含む分散液を基板に塗布し、塗膜を作製する。CNTを含む分散液は、溶媒に分散剤を溶解した溶液に対して、所定の方法により合成したCNTを分散させて調製することができる。溶媒としては、表面張力が50.00mN/m以上の溶媒が好ましく、表面張力が60.00mN/m以上の溶媒がより好ましく、表面張力が70.00mN/m以上の溶媒がより好ましい。具体的な溶媒としては、水溶液{水と、水以外の溶媒(その他の溶媒)と、を含む溶液}、又は水(表面張力:72.75mN/m)が好ましく、水が特に好ましい。バンドルの扁平率には、CNTを含む分散液の溶媒の表面張力が寄与するものと考えられ、具体的には後述する塗膜の乾燥において、溶媒の表面張力に起因して応力が発生し、結果、バンドルの扁平率が上昇しやすくなるものと考えられる。なお、溶媒が、水とその他の溶媒を含む水溶液である場合、水溶液における水の含有量は、好ましくは50容積%以上、より好ましくは70容積%以上、さらに好ましくは80容積%以上、特に好ましくは90容積%以上である。分散剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、フラビン誘導体、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
基板としては、ガラス基板等を使用することができる。
CNTを含む分散液の塗布方法としては、スピンコートを使用することができ、スピンコートの回転数は、通常300rpm以上、好ましくは600rpm以上、より好ましくは1000rpm以上とすることができる。また、スピンコートの回転時間は、通常3秒以上、好ましくは5秒以上、より好ましくは15秒以上とすることができる。
工程1では、CNTを含む分散液を基板に塗布し、塗膜を作製する。CNTを含む分散液は、溶媒に分散剤を溶解した溶液に対して、所定の方法により合成したCNTを分散させて調製することができる。溶媒としては、表面張力が50.00mN/m以上の溶媒が好ましく、表面張力が60.00mN/m以上の溶媒がより好ましく、表面張力が70.00mN/m以上の溶媒がより好ましい。具体的な溶媒としては、水溶液{水と、水以外の溶媒(その他の溶媒)と、を含む溶液}、又は水(表面張力:72.75mN/m)が好ましく、水が特に好ましい。バンドルの扁平率には、CNTを含む分散液の溶媒の表面張力が寄与するものと考えられ、具体的には後述する塗膜の乾燥において、溶媒の表面張力に起因して応力が発生し、結果、バンドルの扁平率が上昇しやすくなるものと考えられる。なお、溶媒が、水とその他の溶媒を含む水溶液である場合、水溶液における水の含有量は、好ましくは50容積%以上、より好ましくは70容積%以上、さらに好ましくは80容積%以上、特に好ましくは90容積%以上である。分散剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、フラビン誘導体、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
基板としては、ガラス基板等を使用することができる。
CNTを含む分散液の塗布方法としては、スピンコートを使用することができ、スピンコートの回転数は、通常300rpm以上、好ましくは600rpm以上、より好ましくは1000rpm以上とすることができる。また、スピンコートの回転時間は、通常3秒以上、好ましくは5秒以上、より好ましくは15秒以上とすることができる。
(工程2)
工程2では、工程1で得られた塗膜を乾燥することで、CNTを含む膜を基板上に作製する。乾燥は、例えば、窒素雰囲気下で、加熱処理炉等を用いて行うことができる。乾燥温度は、例えば、800~1400℃であり、900~1300℃であり、また、1000~1200℃である。
工程2では、工程1で得られた塗膜を乾燥することで、CNTを含む膜を基板上に作製する。乾燥は、例えば、窒素雰囲気下で、加熱処理炉等を用いて行うことができる。乾燥温度は、例えば、800~1400℃であり、900~1300℃であり、また、1000~1200℃である。
(工程3)
工程3では、工程2を経た後の基板(基板上にCNTを含む膜が作製された該基板)を水に浸漬させ、CNTを含む膜を回収する。回収は、所定の枠を用いて、CNTを含む膜を水中から掬い上げる手法を採用できる。
工程3では、工程2を経た後の基板(基板上にCNTを含む膜が作製された該基板)を水に浸漬させ、CNTを含む膜を回収する。回収は、所定の枠を用いて、CNTを含む膜を水中から掬い上げる手法を採用できる。
(工程4)
工程4では、工程3で回収した、CNTを含む膜を加熱する。例えば、減圧又は真空雰囲気下で、真空炉等を用いて行うことができる。乾燥温度は、例えば、200~600℃であり、300~500℃であり、また、350~450℃である。工程S1において、分散剤を含む分散液を用いた場合、本工程において回収される、CNTを含む膜に分散剤が残留する場合があるが、本工程における加熱により、かかる分散剤の量を低減することができる。
工程4では、工程3で回収した、CNTを含む膜を加熱する。例えば、減圧又は真空雰囲気下で、真空炉等を用いて行うことができる。乾燥温度は、例えば、200~600℃であり、300~500℃であり、また、350~450℃である。工程S1において、分散剤を含む分散液を用いた場合、本工程において回収される、CNTを含む膜に分散剤が残留する場合があるが、本工程における加熱により、かかる分散剤の量を低減することができる。
(工程5)
工程5では、工程4後のCNTを含む膜(すなわち、該膜のバンドルの外周)を表面処理することで、バンドル21に無機材料層22を配する。表面処理としては、例えば、原子層堆積法(ALD)に基づき、バンドル21の外周面に対して無機材料原料を暴露する手法が挙げられる。無機材料の種類、及び無機材料の厚さは、ALDに適用する無機材料の種類、及びALDによる堆積量を調整することで、制御することができる。
工程5では、工程4後のCNTを含む膜(すなわち、該膜のバンドルの外周)を表面処理することで、バンドル21に無機材料層22を配する。表面処理としては、例えば、原子層堆積法(ALD)に基づき、バンドル21の外周面に対して無機材料原料を暴露する手法が挙げられる。無機材料の種類、及び無機材料の厚さは、ALDに適用する無機材料の種類、及びALDによる堆積量を調整することで、制御することができる。
[ペリクルの製造方法]
ペリクルは、上記ペリクル膜12を用い、常法により得ることができる。
すなわち、
ペリクル膜12を用意する工程(工程11)、及び
用意したペリクル膜12を、フレーム11によって形成される開口Opを塞ぐように、該フレーム11に貼り付ける工程(工程12)、を含む。
ペリクルは、上記ペリクル膜12を用い、常法により得ることができる。
すなわち、
ペリクル膜12を用意する工程(工程11)、及び
用意したペリクル膜12を、フレーム11によって形成される開口Opを塞ぐように、該フレーム11に貼り付ける工程(工程12)、を含む。
上記工程11及び工程12の後、又は、上記工程11及び工程12の間に、必要により、例えば、
フレーム11に、マスク粘着層13及び剥離フィルム14を設ける工程、
フレーム11の通気孔にフィルターを設ける工程、を有してよい。
フレーム11に、マスク粘着層13及び剥離フィルム14を設ける工程、
フレーム11の通気孔にフィルターを設ける工程、を有してよい。
他の実施形態
本発明は、実施形態1及び2のみに限定されず、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、実施形態1及び2のみに限定されず、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
フレームは、ペリクル膜を張り付けるための、また、マスク4に描写される回路パターンを囲むための、任意の外形及び内形を有してよい。フレームは、一体的に構成されているが、分割可能に構成されてもよい。
ペリクル膜は、フレームに圧着されてよく、また、所定の粘着層(膜粘着層)を介して、フレームにペリクル膜を張り付けてよい。ペリクル11は、フレームの内周面11Cに、所定の粘着層を備えてよい。ペリクル11は、該ペリクル11をマスク4に取り付けるための、治具等の機械的手段を有することができ、この場合、マスク粘着層13及び剥離フィルム14は省略可能である。
実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。
[ペリクル膜の作製]
〔実施例1〕
CNT1gと、分散剤としてのドデシル硫酸ナトリウム1gと、を水500mLに加え、マグネチックスターラーで、回転数300rpmで、1.5時間に亘って撹拌し、懸濁液を得た。その後、懸濁液を、2時間に亘って超音波により分散させる処理を行った。処理の間は、懸濁液の液温が30℃を超えないよう、適宜水冷した。以上より、CNT分散液を得た。得られたCNT分散液を脱泡し、分散液を得た。
〔実施例1〕
CNT1gと、分散剤としてのドデシル硫酸ナトリウム1gと、を水500mLに加え、マグネチックスターラーで、回転数300rpmで、1.5時間に亘って撹拌し、懸濁液を得た。その後、懸濁液を、2時間に亘って超音波により分散させる処理を行った。処理の間は、懸濁液の液温が30℃を超えないよう、適宜水冷した。以上より、CNT分散液を得た。得られたCNT分散液を脱泡し、分散液を得た。
得られた分散液をガラス基板にスピンコート(回転数1200rpm及び15秒)し、乾燥させた。これにより、ガラス基板上に、厚さ80nmのCNT膜を得た。ガラス基板を水に浸漬させることでCNT膜をガラス基板から剥離し、CNT膜を枠で掬い取ることで、CNT自立膜を得た。
得られたCNT自立膜を真空炉において400℃で加熱し、ドデシル硫酸ナトリウムを低減させた。その後、ALDに基づき、CNT自立膜に対して二酸化ケイ素(SiO2)を暴露した。これにより、実施例1のペリクル膜を得た。
〔実施例2〕~〔実施例7〕
各種の原料、及び物性を表のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の手法により、ペリクル膜を得た。このうち、実施例7では、ALDを行わなかった。
各種の原料、及び物性を表のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の手法により、ペリクル膜を得た。このうち、実施例7では、ALDを行わなかった。
〔比較例1〕
CNT分散液として、ZEONANO(登録商標)03DS―NP―RD(日本ゼオン社製、ZEONANO(登録商標)SG101の0.3%N-メチルメチルピロリドン分散液)を使用した以外は、実施例1と同様の手法でペリクル膜を得た。N-メチルピロリドンの表面張力は41mN/mである。
CNT分散液として、ZEONANO(登録商標)03DS―NP―RD(日本ゼオン社製、ZEONANO(登録商標)SG101の0.3%N-メチルメチルピロリドン分散液)を使用した以外は、実施例1と同様の手法でペリクル膜を得た。N-メチルピロリドンの表面張力は41mN/mである。
[ペリクル等の作製]
Tiフレームの一端面に、実施例及び比較例のペリクル膜を熱圧着し、また、他端面に、アクリル系のマスク粘着層を設けることで、ペリクルを作製することができた。また、実施例のペリクルについて、常法により、露光原版、及び露光装置を好適に得ることができた。
なお、上記Tiフレームとして、外寸40mm×35mm、内寸30mm×25mm、及び高さ3mmであるフレームを用いた。
Tiフレームの一端面に、実施例及び比較例のペリクル膜を熱圧着し、また、他端面に、アクリル系のマスク粘着層を設けることで、ペリクルを作製することができた。また、実施例のペリクルについて、常法により、露光原版、及び露光装置を好適に得ることができた。
なお、上記Tiフレームとして、外寸40mm×35mm、内寸30mm×25mm、及び高さ3mmであるフレームを用いた。
[物性評価]
〔EUV透過率〕
ニュースバルBL-10(兵庫県立大学構内)にて、波長13.5nmのEUV光を照射することで、EUV透過率を測定した。ビームサイズは、1.0mm×0.06mmであった。透過率が90%以上であれば○、90%未満であれば×と評価した。
〔EUV透過率〕
ニュースバルBL-10(兵庫県立大学構内)にて、波長13.5nmのEUV光を照射することで、EUV透過率を測定した。ビームサイズは、1.0mm×0.06mmであった。透過率が90%以上であれば○、90%未満であれば×と評価した。
〔透過率均一性〕
上記〔EUV透過率〕に記載の手法を採用し、サンプルの中央部を短辺方向にスキャンした。透過率の最も高い部分と低い部分の差が、0.8%未満であれば○、0.8~1.2%であれば△、1.2%超えであれば×と評価した。
上記〔EUV透過率〕に記載の手法を採用し、サンプルの中央部を短辺方向にスキャンした。透過率の最も高い部分と低い部分の差が、0.8%未満であれば○、0.8~1.2%であれば△、1.2%超えであれば×と評価した。
〔散乱〕
ニュースバルBL-10(兵庫県立大学構内)にて、波長13.5nmのEUV光を照射し、それにより得られる散乱光をCCD画像として取得し、これを解析した。散乱光は、±6°以内の散乱光を算出した。散乱光は0.4%未満であれば○、0.4%以上であれば×と評価した。
ニュースバルBL-10(兵庫県立大学構内)にて、波長13.5nmのEUV光を照射し、それにより得られる散乱光をCCD画像として取得し、これを解析した。散乱光は、±6°以内の散乱光を算出した。散乱光は0.4%未満であれば○、0.4%以上であれば×と評価した。
〔EUV水素耐性〕
ニュースバルBL-9(兵庫県立大学構内)にて実施した。サンプルをチャンバーにセットし、真空引き後、20Paの水素を導入し、波長13.5nmのEUV光を、強度14W/cm2、かつ積算光量140kJ/cm2で照射した。
照射試験後、サンプルを目視確認し、シワなく膜形状を保持できていれば○、シワが入っていれば△、破損していれば×と評価した。
ニュースバルBL-9(兵庫県立大学構内)にて実施した。サンプルをチャンバーにセットし、真空引き後、20Paの水素を導入し、波長13.5nmのEUV光を、強度14W/cm2、かつ積算光量140kJ/cm2で照射した。
照射試験後、サンプルを目視確認し、シワなく膜形状を保持できていれば○、シワが入っていれば△、破損していれば×と評価した。
〔バンドルの長径(t1)及び短径(t2)〕
実施例及び比較例のペリクル膜を、シリコンダミー基板に貼り合わせた後、FIB加工を実施し、これにより、断面観察用のサンプルを作製した。作製したサンプルを透過電子顕微鏡(TEM)であるJEOL製JEM-F200にて観察した。加速電圧は200kVとした。TEMにより得られる画像では、無機材料部分が濃く撮影されるので、色の濃い部分を無機材料層とした。無機材料層の境界があいまいな場合については、画像処理ソフトで2値化し、境界線を明確化した。
実施例及び比較例のペリクル膜を、シリコンダミー基板に貼り合わせた後、FIB加工を実施し、これにより、断面観察用のサンプルを作製した。作製したサンプルを透過電子顕微鏡(TEM)であるJEOL製JEM-F200にて観察した。加速電圧は200kVとした。TEMにより得られる画像では、無機材料部分が濃く撮影されるので、色の濃い部分を無機材料層とした。無機材料層の境界があいまいな場合については、画像処理ソフトで2値化し、境界線を明確化した。
図5(a)~(b)は、図4(a)~(b)に示す断面について、そのバンドル21の長径(t1)及び短径(t2)の測定手法を示すTEM写真である。図5中、断面画像が二値化処理されており、無機材料層22が黒色、その内部のCNT23が白色で示されて
いる。バンドル21を横切る直線で、境界から境界の長さが最も長いものを長軸とし、その長さを長径(t1)とした。また、長軸の垂直二等分線をバンドル21の内部に引くとき、この線分の長さを短径(t2)とした。得られる長径(t1)及び短径(t2)を用いて、扁平率{(t1-t2)/t1}が算出される。
いる。バンドル21を横切る直線で、境界から境界の長さが最も長いものを長軸とし、その長さを長径(t1)とした。また、長軸の垂直二等分線をバンドル21の内部に引くとき、この線分の長さを短径(t2)とした。得られる長径(t1)及び短径(t2)を用いて、扁平率{(t1-t2)/t1}が算出される。
本発明は、ペリクル膜、ペリクル、露光原版、及び露光装置に関する分野に利用することができる。
1 :露光装置
2 :露光原版
3 :光源
4 :マスク
5 :ペリクル
6 :照明光学系
7 :投影光学系
8 :ステージ
11 :フレーム
11A:一端面
11B:他端面
11C:内周面
11D:外周面
12 :ペリクル膜
21 :バンドル
22 :無機材料層
23 :カーボンナノチューブ(CNT)
t1 :長径
t2 :短径
P :長径及び短径の交点
2 :露光原版
3 :光源
4 :マスク
5 :ペリクル
6 :照明光学系
7 :投影光学系
8 :ステージ
11 :フレーム
11A:一端面
11B:他端面
11C:内周面
11D:外周面
12 :ペリクル膜
21 :バンドル
22 :無機材料層
23 :カーボンナノチューブ(CNT)
t1 :長径
t2 :短径
P :長径及び短径の交点
Claims (13)
- EUVリソグラフィに用いられるペリクル膜であって、
前記ペリクル膜は、複数のカーボンナノチューブ(CNT)を含むバンドルを有し、
前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、前記バンドルの長径(t1)、及び短径(t2)から算出される扁平率{(t1-t2)/t1}が0.10~0.90である該バンドルを含む、ペリクル膜。 - 前記バンドルは、無機酸化物及び/又は無機窒化物を含む無機材料層を備える、請求項1に記載のペリクル膜。
- 前記ペリクル膜は、前記バンドルの最外周に前記無機材料層を有する、請求項2に記載のペリクル膜。
- 前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層が、前記バンドルの全体を囲む、請求項2に記載のペリクル膜。 - 前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記無機材料層の厚さが0.5~8.0nmである該無機材料層を含む、請求項2に記載のペリクル膜。 - 前記CNTの延在方向に交わる面で前記バンドルを切断したとき、
前記バンドルの長径(t1)が5.0~40.0nm、短径(t2)が2.0~20.0nmである、請求項1又は2に記載のペリクル膜。 - 露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の屈折率(ni)と、露光波長13.5nmにおける前記CNTの屈折率(nc)と、の比(ni/nc)が、0.95~1.05である、請求項2に記載のペリクル膜。
- 露光波長13.5nmにおける前記無機材料層の消光係数(ki)が、0.05以下である、請求項2に記載のペリクル膜。
- 前記無機材料層を構成する無機材料が、
ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、モリブデン(Mo)、ケイ素(Si)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)から成る群より選択される少なくとも一つの、酸化物及び/又は窒化物を含む、請求項2に記載のペリクル膜。 - EUV光の透過率が90%以上である、請求項1又は2に記載のペリクル膜。
- フレームと、
フレームによって形成される開口を塞ぐように前記フレームに設けられる、請求項1又は2に記載のペリクル膜と、
を備える、ペリクル。 - マスクと、前記マスクに装着される請求項11に記載のペリクルと、を備える、露光原版。
- EUV光を放出する光源と、
前記EUV光が照射される、請求項12に記載の露光原版と、を備える、露光装置。
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