WO2024143409A1 - 表面処理シリカ粉末 - Google Patents

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    • C01P2006/12Surface area

Definitions

  • the present inventors have found that by appropriately controlling both the hydrophobicity and the carbon content of the surface-treated silica powder, the fluidity of a dispersion containing the same can be improved.
  • the fluidity of a dispersion containing a surface-treated silica powder can be improved by adopting the degree of hydrophobicity and the carbon content/specific surface area as two indexes and setting both of the two indexes to a predetermined value or more, thereby completing the present invention.
  • Hydrophobicity (%) [[amount of methanol dropped (mL)]/[amount of ion-exchanged water 50 mL+amount of methanol dropped (mL)]] ⁇ 100 (Procedure B)
  • 3 g of the surface-treated silica powder is added to 37 g of acetone and stirred for 30 minutes. Then, the slurry is centrifuged at 3500 rpm for 10 minutes to separate the surface-treated silica powder from the acetone, and the supernatant solution of acetone is discarded. This washing operation with acetone is repeated twice, and the mixture is dried at 120° C. for 2 hours.
  • the surface-treated silica powder according to any one of 1. to 5. The surface-treated silica powder, wherein the silane coupling agent contains a silane compound having one or more functional groups selected from the group consisting of an epoxy group, a methacryl group, an acrylic group, an amino group, a vinyl group, an alkyl group, and a phenyl group.
  • the surface-treated silica powder according to any one of 1. to 6. A surface-treated silica powder configured so that the thixotropy ratio of an evaluation sample, measured under the following conditions, is 0.021 or more.
  • the present invention provides a surface-treated silica powder with excellent dispersion fluidity.
  • the fluidity of a dispersion containing surface-treated silica powder can be improved by setting the two aforementioned indicators, the degree of hydrophobicity and C/S, to be equal to or greater than the lower limit values mentioned above.
  • the upper limit of the carbon content (C) of the surface-treated silica powder is, for example, 0.4 mass % or less, preferably 0.3 mass % or less, and more preferably 0.2 mass % or less.
  • the lower limit of the carbon content (C) of the surface-treated silica powder is, for example, 0.09 mass % or more, preferably 0.10 mass % or more, and more preferably 0.11 mass % or more.

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Abstract

本発明の表面処理シリカ粉末は、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子を含む、表面処理シリカ粉末であって、当該表面処理シリカ粉末の疎水化度が20%以上であり、かつ当該表面処理シリカ粉末の炭素含有量をC(質量%)とし、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の比表面積をS(m/g)としたとき、C、Sが、0.025≦C/S≦0.070を満たすように構成されるものである。

Description

表面処理シリカ粉末
 本発明は、表面処理シリカ粉末に関する。
 これまで表面処理シリカ粉末について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。
 特許文献1には、比表面積が10~150m/gである表面処理されたシリカ粒子材料が記載されている(特許文献1の請求項1)。同文献の実施例の試験例1の表面処理シリカ粒子は、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理がなされており、比表面積が43m/g、カーボン量が0.9質量%と示されている。
特開2020-111474号公報
 しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の表面処理シリカ粒子において、これを含む分散体の流動性の点で改善の余地があることが判明した。
 本発明者はさらに検討したところ、表面処理シリカ粉末について、疎水化度および炭素含有量の両方を適切に制御することにより、これを含む分散体の流動性を向上できることを見出した。
 このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、疎水化度と炭素含有量/比表面積との2つ指標として採用した上で、2つの指標の両方を所定以上とすることにより、表面処理シリカ粉末を含む分散体の流動性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 本発明の一態様によれば、以下の表面処理シリカ粉末が提供される。
1. シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子を含む、表面処理シリカ粉末であって、
 下記手順Aに従って求められる当該表面処理シリカ粉末の疎水化度が20%以上であり、かつ
 下記手順Bに従って求められる当該表面処理シリカ粉末の炭素含有量をC(質量%)とし、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の比表面積をS(m/g)としたとき、CおよびSが、0.025≦C/S≦0.070を満たすように構成される、表面処理シリカ粉末。
(手順A)
 当該表面処理シリカ粉末を、大気下、20℃、23%RHの環境下で7日間保管して、試料を準備する。
 フラスコに攪拌子を入れ、液温25℃のイオン交換水50mlを計量し水面に、試料0.2gを静かに浮かせる。
 攪拌子を回転させ、メタノールを試料に直接かからないよう静かに滴下する。
 全ての試料が水面から沈降したときのメタノール量を測定し、下記の式に基づいて、疎水化度(%)を算出する。
 疎水化度(%)=〔[メタノール滴下量(mL)]/[イオン交換水の量50mL+メタノール滴下量(mL)]〕×100
(手順B)
 当該表面処理シリカ粉末3gをアセトン37gに添加し30分間撹拌する。その後、スラリー液を遠心分離器3500rpmで10分間運転し、表面処理シリカ粉末とアセトンを分離し、アセトンの上澄み溶液を廃棄する。このアセトンによる洗浄操作を2回行い、120℃で2時間乾燥させる。
 洗浄した表面処理シリカ粉末0.3g中の炭素含有量(質量%)を、炭素/硫黄同時分析計により測定し、検量線法にて定量する。
2. 1.に記載の表面処理シリカ粉末であって、
 レーザー回折散乱法で測定される当該表面処理シリカ粉末の体積頻度粒度分布において、小粒子径側からの累積値が50%となる粒子径をD50としたとき、D50が、1μm以上30μm以下である、表面処理シリカ粉末。
3. 1.または2.に記載の表面処理シリカ粉末であって、
 レーザー回折散乱法で測定される当該表面処理シリカ粉末の体積頻度粒度分布において、小粒子径側からの累積値が10%、50%、90%となる粒子径を、それぞれ、D10、D50、D90としたとき、(D90-D10)/D50が、0.3以上7.5以下である、表面処理シリカ粉末。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の表面処理シリカ粉末であって、
 窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の前記比表面積が、1.0m/g以上12.0m/g以下である、表面処理シリカ粉末。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の表面処理シリカ粉末であって、
 平均球形度が0.80以上である、表面処理シリカ粉末。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の表面処理シリカ粉末であって、
 前記シランカップリング剤が、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ビニル基、アルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる一または二以上の官能基を有するシラン化合物を含む、表面処理シリカ粉末。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の表面処理シリカ粉末であって、
 下記の条件により測定される、評価サンプルのチキソ比が、0.021以上となるように構成される、表面処理シリカ粉末。
(条件)
 50体積%の当該表面処理シリカ粉末と50体積%の液状のシリコーン樹脂(DOWSIL SE1885A)とを混合して、評価サンプルを得る。
 得られた評価サンプルについて、円錐型コーン(3度)を備えるレオメータを用いて、30℃、せん断速度:1[1/s]で測定したときの粘度をηとし、せん断速度:100[1/s]で測定したときの粘度をη100としたとき、上記のチキソ比を、η100/ηから算出する。
 本発明によれば、分散体の流動性に優れた表面処理シリカ粉末が提供される。
 本実施形態の表面処理シリカ粉末について説明する。
 本実施形態の表面処理シリカ粉末は、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子を含み、疎水化度が20%以上であり、表面処理シリカ粉末の炭素含有量をC(質量%)とし、BET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の比表面積をS(m/g)としたとき、C、Sが、0.025≦C/S≦0.070を満たすように構成される。
 本発明者の知見によれば、表面処理シリカ粉末の疎水化度と、表面処理シリカ粉末を洗浄した後の炭素含有量(C)/表面処理シリカ粉末の比表面積(S)との2つ指標を採用することにより、シランカップリング剤による表面修飾の安定状態について適切に評価できることが判明した。さらに検討を進めた結果、前述の2つの指標である疎水化度およびC/Sを、それぞれ、上記下限値以上とすることにより、表面処理シリカ粉末を含む分散体の流動性を向上できることが見出された。
 表面処理シリカ粉末の疎水化度の下限は、20%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは50%以上である。これにより、分散体の流動性を向上できる。
 表面処理シリカ粉末の疎水化度の上限は、例えば、80%以下、好ましくは75%以下、より好ましくは70%以下である。これにより、表面処理シリカ粒子の凝集を改善できる。
 表面処理シリカ粉末の疎水化度については、下記手順Aに従って求められる。
(手順A)
 当該表面処理シリカ粉末を、大気下、20℃、23%RHの環境下で7日間保管して、試料を準備する。
 フラスコに攪拌子を入れ、液温25℃のイオン交換水50mlを計量し水面に、試料0.2gを静かに浮かせる。
 攪拌子を回転させ、メタノールを試料に直接かからないよう静かに滴下する。
 全ての試料が水面から沈降したときのメタノール量を測定し、下記の式に基づいて、疎水化度(%)を算出する。
 疎水化度(%)=〔[メタノール滴下量(mL)]/[イオン交換水の量50mL+メタノール滴下量(mL)]〕×100
 また、上記C/Sの下限は、0.025以上、好ましくは0.030以上、より好ましくは0.035以上である。これにより、分散体の流動性を向上できる。
 上記C/Sの上限は、例えば、0.070以下、好ましくは0.065以下、より好ましくは0.060以下である。これにより、表面処理シリカ粉末と樹脂との相溶性を向上できる。
 表面処理シリカ粉末の炭素含有量(C)については、下記手順Bに従って求められる。
 (手順B)
 表面処理シリカ粉末3gをアセトン37gに添加し30分間撹拌する。その後、スラリー液を遠心分離器3500rpmで10分間運転し、表面処理シリカ粉末とアセトンを分離し、アセトンの上澄み溶液を廃棄する。このアセトンによる洗浄操作を2回行い、120℃で2時間乾燥させる。
 洗浄した表面処理シリカ粉末0.3g中の炭素含有量(質量%)を、炭素/硫黄同時分析計により測定し、検量線法にて定量する。
 表面処理シリカ粉末の炭素含有量(C)の上限は、例えば、0.4質量%以下、好ましくは0.3質%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
 一方、表面処理シリカ粉末の炭素含有量(C)の下限は、例えば、0.09質量%以上、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.11質量%以上である。
 窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される表面処理シリカ粉末の比表面積(S)の下限は、例えば、1.0m/g以上、好ましくは2.5m/g以上、より好ましくは2.9m/g以上である。これにより、樹脂への添加量を向上でき、樹脂組成物の熱膨張率を抑制できる。
 上記の表面処理シリカ粉末の比表面積(S)上限は、例えば、12.0m/g以下、好ましくは8.5m/g以下、より好ましくは7.0m/g以下である。これにより、フィラーの凝集を抑制できる。
 窒素ガス吸着によるBET1点法は、比表面積測定装置(例えば、ユアサアイオニクス社製、装置名:MONOSORB)を用いて、吸着ガスとして窒素ガスを、キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、試料1gを300℃、15分間の条件で乾燥脱気してから測定できる。
 レーザー回折散乱法で測定される表面処理シリカ粉末の体積頻度粒度分布において、小粒子径側からの累積値が10%となる粒子径をD10、累積値が50%となる粒子径をD50、および累積値が90%となる粒子径をD90とする。
 D50の下限は、例えば、1μm以上、好ましくは4μm以上、より好ましくは8μm以上である。これにより、樹脂への充填性を向上できる。
 D50の上限は、例えば、30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。これにより、粗粒子量を低減でき、樹脂組成物をシート状に成形したときのシート厚みをより薄くすることができる。
 (D90-D10)/D50の下限は、例えば、0.3以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは1.0以上である。これにより、粗粒子量を低減でき、樹脂組成物をシート状に成形したときのシート厚みをより薄くすることができる。
 (D90-D10)/D50の上限は、例えば、7.5以下、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下である。これにより、樹脂組成物の流動性をより向上できる。
 表面処理シリカ粉末の平均球形度の下限は、例えば、0.80以上、好ましくは0.85以上、より好ましくは0.90以上である。これにより、樹脂組成物の流動性をより向上できる。
 なお、表面処理シリカ粉末の平均球形度の上限は、とくに限定されないが、例えば、0.99以下でもよい。
 表面処理シリカ粉末は、下記の条件により測定される、評価サンプルのチキソ比が、0.021以上となるように構成されてもよい。
 上記チキソ比の下限は、例えば、0.021以上、好ましくは0.030以上、より好ましくは0.040以上である。これにより、樹脂中のフィラーの沈降を低減できる。を向上できる。
 上記チキソ比の上限は、例えば、0.50以下、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.30以下である。これにより、樹脂組成物の流動性をより向上できる。
(評価サンプルのチキソ比の測定条件)
 50体積%の表面処理シリカ粉末と50体積%の液状のシリコーン樹脂(DOWSIL SE1885A)とを混合して、上記の評価サンプルを得る。
 得られた評価サンプルについて、円錐型コーン(3度)を備えるレオメータ(Anton Paar社製、型式 Modular Compact Rheometer MCR 102)を用いて、30℃下、せん断速度:1[1/s]で測定したときの粘度をηとし、せん断速度:100[1/s]で測定したときの粘度をη100としたとき、上記のチキソ比を、η100/ηから算出する。
 本実施形態では、たとえば原料シリカ粉末の調整方法や、原料シリカ粉末の表面処理方法等を適切に選択することにより、上記疎水化度、および炭素含有量を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、原料シリカ粉末の比表面積を適切に調整すること、シランカップリング剤の種類に応じて、比表面積当たりの物理吸着水の水分量が比較的多くなるように原料シリカ粉末に保水処理を施すこと、保水処理を施した原料シリカ粉末にシランカップリング剤を混合した状態を所定期間に保持すること等が、上記疎水化度、および炭素含有量を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
 シリカ粉末は、シリカ(Si0)を主成分として含むものであればよい。
 主成分とは、シリカ粉末全量中、質量換算で、シリカ(Si0)を、例えば、50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上含むことを意味する。
 シリカ粉末は、非晶質及び結晶質のいずれか一方または両方を含む。
 シリカ粉末は、例えば、下記方法で測定された非晶質率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましい。非晶質率は、粉末X線回折装置(例えばRIGAKU社製商品名「モデルMiniFlex」)を用い、CuKα線の2θが26°~27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定する。シリカ質粉末の場合、結晶質シリカは、26.7°に主ピークが存在するが、非晶質シリカではピークは存在しない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在していると、結晶質シリカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得られるので、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対する試料のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比(試料のX線回折強度/結晶質シリカのX線回折強度)を算出し、式、非晶質率(%)=(1-結晶質シリカ混在比)×100から非晶質率を求める。
 シランカップリング剤は、例えば、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ビニル基、アルキル基、フェニル基、メルカプト基、スチリル基、酸無水物基、ウレイド基、イソシアヌレート基、およびイソシアネート基からなる群、好ましくはエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ビニル基、アルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる一または二以上の官能基を有するシラン化合物を含むものを使用することができる。
 上記のシラン化合物は、分子中に、官能基の他に、加水分解性基を1個以上有するものである。
 加水分解性基としては、例えば、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基が用いられる。
 アルコキシ基は、加水分解によりシラノール基を生成する。このシラノール基が、シリカ粒子の表面に存在するOH基(反応点)と化学反応することにより、シランカップリング剤がシリカ粒子の表面に化学的に結合することになる。
 なお、表面処理シリカ粉末は、シリカ粒子の表面において、化学的結合および/または物理的結合したシランカップリング剤を有する。
 エポキシ基を有するシラン化合物は、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
 メタクリル基を有するシラン化合物は、例えば、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
 アクリル基を有するシラン化合物は、例えば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
 アミノ基を有するシラン化合物は、例えば、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等が挙げられる。
 ビニル基を有するシラン化合物は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、7-オクテニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
 アルキル基を有するシラン化合物は、例えば、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
 フェニル基を有するシラン化合物は、例えば、フェニルトリメトキシシラン、トリメトキシ(2-フェニルエチル)シラン等が挙げられる。
 次に、表面処理シリカ粉末の製造方法について説明する。
 表面処理シリカ粉末の製造方法の一例は、シリカ粉末に、シランカップリング剤を接触させて、シリカ粒子表面にシランカップリング剤を反応させる表面処理を実施することにより、表面処理シリカ粉末を得る工程を含む。
 原料のシリカ粉末は、珪石、珪砂、水晶等を粉砕した粉末を火炎中や高温プラズマ中に投入して球状化したもの、四塩化珪素の気相加水分解により合成し球状化したもの及びこれを原料として焼成や火炎溶射処理を施して球状化したもの、金属珪素やアルコキシシランを出発原料として気相又は液相で合成し球状化したものおよびさらにこれを焼成や火炎溶射処理を施して球状化したもの等、いかなる方法で製造されたものでも使用することができる。
 シランカップリング剤による表面処理の方法としては、乾式法や湿式法等の周知の技術を採用できるが、乾式法を採用することが好ましい。
 乾式法としては、固体状態である球状シリカ粉末(原料)にシランカップリング剤を接触させる方法であればとくに限定されず、公知の手法を採用できるが、例えば、せん断力のある攪拌方式、ボールミル、ミキサー等を用いた混合方式等が挙げられる。ここで、固体状態とは、原料シリカ粉末が、分散媒中に分散されていない状態を指す。
 なお、シランカップリング剤の処理に際しては、酸性物質やアルカリ性物質を共存さてもよい。
 また、表面処理シリカ粉末の製造方法の一例としては、下記の手順に従って求められる物理吸着水由来のOH基密度が、例えば、7.0個/nm以上、好ましくは8.0個/nm以上、より好ましくは9.0個/nm以上であるシリカ粉末に、シランカップリング剤を接触させてもよい。
(手順)
 表面処理の前におけるシリカ粉末(原料)について、カールフィッシャー法を用いて、200℃になるまでに発生した水分量(ppm)を測定し、これを物理吸着水の量とする。
 得られた物理吸着水の量からOH基の個数を算出し、これを、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定されるシリカ粉末の比表面積で除することにより、物理吸着水由来のOH基密度(個/nm)を算出する。
 表面処理シリカ粉末の製造方法の一例としては、シランカップリング剤を接触させる前に、シリカ粉末(原料)に水を接触させる保水処理を施してもよい。
 ここでの水の添加量の下限は、シリカ粉末100質量%に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。これにより、シリカ粉末における物理吸着水由来のOH基密度を高められる。
 水の添加量の上限は、シリカ粉末100質量%に対して、例えば、3.0質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。これにより、原料シリカ粉末の凝集を抑制できる。
 次に、本実施形態の分散体について説明する。
 本実施形態の分散体は、上記の表面処理シリカ粉末および溶媒を含むものである。
 溶媒としては、水、有機溶媒、樹脂などが挙げられる。溶媒として水および/または有機溶媒を用いることによりスラリーを形成でき、樹脂を用いることにより樹脂組成物を形成できる。
 本発明の表面処理シリカ粉末を樹脂組成物に配合したものは、樹脂成形材料(分散体)として好適に使用できる。
 樹脂組成物は、本発明の表面処理シリカ粉末の他に、樹脂や公知の樹脂添加剤などを含む。
 樹脂組成物中に、表面処理シリカ粉末は、単独で使用してもよいが、その他のフィラーと混合して使用してもよい。樹脂組成物中には、表面処理シリカ粉末が10~99質量%含まれていてもよく、または表面処理シリカ粉末およびその他のフィラーを含む混合無機粉末が10~99質量%含まれていてもよい。また、混合無機粉末中、その他のフィラーの含有量は、表面処理シリカ粉末100質量%に対して、例えば、1~20質量%、3~15質量%であってもよい。
 なお、本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
 上記のその他のフィラーとしては、例えば、上記表面処理シリカ粉末以外の表面処理されていないシリカ(結晶性シリカや溶融シリカ等)、アルミナ、チタニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、タルク、炭酸カルシウム等の粒子が挙げられる。
 その他のフィラーの平均粒子径は、例えば、2~100μm程度のものが使用され、その粒度構成及び形状については特に制約はない。
 上記の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン)樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
 以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<表面処理シリカ粉末の製造>
(実施例1~7)
 表1に示す比表面積を有するシリカ粉末を準備した。準備したシリカ粉末を、温度30℃、湿度80%中の容器中で72時間保管した(保水処理)。
 続いて、大気圧下、温度25℃、湿度65%の環境下で、保水処理後のシリカ粉末に対してシランカップリング剤(信越化学製、メタクリル基含有シランカップリング剤、KBM-503)を添加しながら、これらを混合した後、同じ環境条件下にて30日間静置して(表面処理)、カップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末を回収した。
(比較例1~4)
 表1に示す比表面積を有する準備したシリカ粉末に対して、上記保水処理を実施しないで、150~200℃の間で乾燥機を用いて乾燥処理を実施した後(ただし、比較例1~3では、乾燥処理時間をそれぞれ調整した)、実施例1と同様にして表面処理を施し、カップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末を回収した。
(実施例8~12)
 比較例3得られた乾燥処理後かつ表面処理前のシリカ粉末に対して、表1に示すシリカ粉末100質量%に対して、表1に示す添加量の水を添加して、これらを混合した後(保水処理)、実施例1と同様にして表面処理を施し、カップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末を回収した。
(実施例13)
 シランカップリング剤を、アルキル基含有シランカップリング剤(KBM-3083)に変更した以外、実施例8と同様にして、カップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末を回収した。
(実施例14)
 シランカップリング剤を、フェニルアミノ基含有シランカップリング剤(KBM-573)に変更した以外、実施例8と同様にして、カップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末を回収した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表面処理前のシリカ粉末(原料)、またはカップリング剤添加30日後の表面処理シリカ粉末をサンプルとして使用し、下記の項目を評価した。
<比表面積>
 粉末の比表面積を、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定した。
 具体的には、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、装置名:MONOSORB)を用いて、吸着ガスとして窒素ガスを、キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、試料1gを300℃、15分間の条件で乾燥脱気してから測定を行った。
 なお、各実施例の表面処理シリカ粉末の比表面積は、原料となるシリカ粉末と同一の値となることが確認された。
<粒子径>
 粉末の体積頻度粒度分布を、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT-3300EXII)を用いて、湿式によるレーザー回折散乱法により求めた。溶媒には水を用い、前処理として、1分間、ホモジナイザーを用いて200Wの出力をかけて、粉末を溶媒中に分散処理して得られた分散体を測定対象とした。そして、得られた体積頻度粒度分布に基づいて、小粒子径側からの累積値がX%となる粒子径(DX)を算出した。
<平均球形度>
 粉末の平均球形度を、実体顕微鏡(たとえば、ニコン社製モデル「SMZ-10型」)、走査型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(たとえば、日本アビオニクス社製など)に取り込み、次のようにして測定した。すなわち、写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出することができる。このようにして得られた任意の粒子200個の真円度を求めその平均値を平均球形度とした。
 実施例1のシリカ粉末の平均球形度は、0.90であった。
 なお、各実施例の表面処理シリカ粉末の平均球形度は、原料となるシリカ粉末とほぼ同一の値となることが確認された。
<水分量>
 シリカ粉末中の水分量を、カールフィッシャー法により測定した。
 具体的には、微量水分測定装置(三菱化学社製、モデルCA-05)を用い、粉末を水分気化機構中の石英管にセットし、電気ヒーターで室温から900℃まで加熱しながら、脱水処理されたアルゴンガスをキャリアガスとして供給し、粉末表面から揮発した水蒸気を水分測定機構に導き、水分量を測定した。
 電気ヒーターの加熱温度が200℃となるまでに発生した水分を物理吸着水とみなし、200℃を超え550℃になるまでに発生した水分を水素結合OH基由来する水とみなし、550℃を超え900℃になるまでに発生した水分を孤立OH基の脱水縮合による水とした。
<OH基密度>
 OH基密度については、下記の式に基づいて算出した。
 OH基密度(個/nm)=0.0668×P/Q
 なお、上記の式中、P(ppm)は、上記の<水分量>でカールフィッシャー法により測定された粉末の水分量とし、Q(m/g)は、上記の<比表面積>で窒素ガス吸着によるBET1点法により測定された粉末の比表面積とした。
 表1には、物理吸着水由来のOH基密度の値を記す。
<疎水化度>
 表面処理シリカ粉末を、大気下、20℃、23%RHの環境下で7日間保管して、試料を準備した。
 フラスコに攪拌子を入れ、液温25℃のイオン交換水50mlを計量し水面に、試料0.2gを静かに浮かせた。
 攪拌子を回転させ、メタノールを試料に直接かからないよう静かに滴下した。
 全ての試料が水面から沈降したときのメタノール量を測定し、下記の式に基づいて、疎水化度(%)を算出した。
 疎水化度(%)=〔[メタノール滴下量(mL)]/[イオン交換水の量50mL+メタノール滴下量(mL)]〕×100
<炭素含有量>
 表面処理シリカ粉末3gをアセトン37gに添加し30分間撹拌し、スラリー液を得た。その後、スラリー液を遠心分離器3500rpmで10分間運転し、表面処理シリカ粉末とアセトンを分離し、アセトンの上澄み溶液を廃棄した。このアセトンによる洗浄操作を2回行い、120℃で2時間乾燥させる。
 洗浄した表面処理シリカ粉末0.3g中の炭素含有量(質量%)を、炭素/硫黄同時分析計「CS-444LS型」(LECO社製)により測定し、検量線法にて定量した。
<粘度>
 50体積%の表面処理シリカ粉末と50体積%の液状のシリコーン樹脂(DOWSIL SE1885A)とを混合して、評価サンプルを得る。
 得られた評価サンプルについて、円錐型コーン(3度)を備えるレオメータ(Anton Paar社製、型式 Modular Compact Rheometer MCR 102)を用いて、30℃下、せん断速度:1[1/s]時の粘度(η)、せん断速度:100[1/s]時の粘度(η100)を測定した。また、η100/ηからチキソ比を算出した。
 良好:低せん断領域における粘度が低いため、分散体の流動性が良好と判断した。
 不良:低せん断領域における粘度が高いか、固化のため、分散体の流動性が不良と判断した。
 実施例1~14の表面処理シリカ粉末は、比較例1~4比べて、分散体における流動性に優れる結果を示した。 
 この出願は、2022年12月28日に出願された日本出願特願2022-212398号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (7)

  1.  シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子を含む、表面処理シリカ粉末であって、
     下記手順Aに従って求められる当該表面処理シリカ粉末の疎水化度が20%以上であり、かつ
     下記手順Bに従って求められる当該表面処理シリカ粉末の炭素含有量をC(質量%)とし、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の比表面積をS(m/g)としたとき、CおよびSが、0.025≦C/S≦0.070を満たすように構成される、表面処理シリカ粉末。
    (手順A)
     当該表面処理シリカ粉末を、大気下、20℃、23%RHの環境下で7日間保管して、試料を準備する。
     フラスコに攪拌子を入れ、液温25℃のイオン交換水50mlを計量し水面に、試料0.2gを静かに浮かせる。
     攪拌子を回転させ、メタノールを試料に直接かからないよう静かに滴下する。
     全ての試料が水面から沈降したときのメタノール量を測定し、下記の式に基づいて、疎水化度(%)を算出する。
     疎水化度(%)=〔[メタノール滴下量(mL)]/[イオン交換水の量50mL+メタノール滴下量(mL)]〕×100
    (手順B)
     当該表面処理シリカ粉末3gをアセトン37gに添加し30分間撹拌する。その後、スラリー液を遠心分離器3500rpmで10分間運転し、表面処理シリカ粉末とアセトンを分離し、アセトンの上澄み溶液を廃棄する。このアセトンによる洗浄操作を2回行い、120℃で2時間乾燥させる。
     洗浄した表面処理シリカ粉末0.3g中の炭素含有量(質量%)を、炭素/硫黄同時分析計により測定し、検量線法にて定量する。
  2.  請求項1に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     レーザー回折散乱法で測定される当該表面処理シリカ粉末の体積頻度粒度分布において、小粒子径側からの累積値が50%となる粒子径をD50としたとき、D50が、1μm以上30μm以下である、表面処理シリカ粉末。
  3.  請求項1または2に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     レーザー回折散乱法で測定される当該表面処理シリカ粉末の体積頻度粒度分布において、小粒子径側からの累積値が10%、50%、90%となる粒子径を、それぞれ、D10、D50、D90としたとき、(D90-D10)/D50が、0.3以上7.5以下である、表面処理シリカ粉末。
  4.  請求項1または2に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される当該表面処理シリカ粉末の前記比表面積が、1.0m/g以上12.0m/g以下である、表面処理シリカ粉末。
  5.  請求項1または2に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     平均球形度が0.80以上である、表面処理シリカ粉末。
  6.  請求項1または2に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     前記シランカップリング剤が、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ビニル基、アルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる一または二以上の官能基を有するシラン化合物を含む、表面処理シリカ粉末。
  7.  請求項1または2に記載の表面処理シリカ粉末であって、
     下記の条件により測定される、評価サンプルのチキソ比が、0.021以上となるように構成される、表面処理シリカ粉末。
    (条件)
     50体積%の当該表面処理シリカ粉末と50体積%の液状のシリコーン樹脂(DOWSIL SE1885A)とを混合して、評価サンプルを得る。
     得られた評価サンプルについて、円錐型コーン(3度)を備えるレオメータを用いて、30℃、せん断速度:1[1/s]で測定したときの粘度をηとし、せん断速度:100[1/s]で測定したときの粘度をη100としたとき、上記のチキソ比を、η100/ηから算出する。
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