WO2024142685A1 - 粘接着剤 - Google Patents

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孝晃 守屋
雅彦 橋本
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Abstract

剥離性および加熱溶融時における吸水物質の分散性に優れる粘接着剤を実現する。粘接着剤は、ホットメルト型粘接着剤、吸水物質および界面活性剤を含んでいる。吸水物質は、セルロース系化合物を含んでいる。

Description

粘接着剤
 本発明は、粘接着剤に関する。
 近年、世界的なSDGsに対する意識の高さから、リサイクルおよびリユースへの注目が高まっている。このような背景から、リサイクル時に基材から容易に剥がせるラベルへの需要が高まっている。このようなラベルを達成する手段の一つに、吸水させると剥離しやすくなる粘接着剤がある。例えば、特許文献1は、接着剤のベース樹脂100重量部と吸水性架橋高分子1~200重量部とを含んでいる、吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物を開示している。
国際公開第2002/055626号公報
 特許文献1に記載されているような接着剤組成物は、製造および基材への塗工の際に加熱される。ところが、溶融した接着剤組成物において吸水性架橋高分子が凝集してしまい、分散性に改善の余地があった。
 本発明の一態様は、剥離性および加熱溶融時における吸水物質の分散性に優れる粘接着剤を提供することを目的とする。
 本発明には、下記の態様が含まれる。
<1>
 ホットメルト型粘接着剤、吸水物質および界面活性剤を含んでおり、
 上記吸水物質は、セルロース系化合物を含んでいる、粘接着剤。
<2>
 上記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を含んでいる、<1>に記載の粘接着剤。
<3>
 上記界面活性剤のHLBは、18以下である、<2>に記載の粘接着剤。
<4>
 上記吸水物質の含有量は、上記粘接着剤の重量を100重量%とすると、0.5~45重量%である、<1>~<3>のいずれかに記載の粘接着剤。
<5>
 上記界面活性剤の含有量は、上記粘接着剤の重量を100重量%とすると、0.5~10重量%である、<1>~<4>のいずれかに記載の粘接着剤。
<6>
 上記吸水物質に占めるセルロース系化合物の含有量は、上記吸水物質の重量を100重量%とすると、70~100重量%である、<1>~<5>のいずれかに記載の粘接着剤。
<7>
  上記セルロース系化合物は、
  D50が30μm以下であり、
  D95が100μm以下である、
 <1>~<6>のいずれかに記載の粘接着剤。
<8>
 第1被着体と第2被着体とが粘接着層を介して接着されている物品であって、
 上記粘接着層は、<1>~<7>のいずれかに記載の粘接着剤を含んでいる、物品。
 本発明の一態様によれば、剥離性および加熱溶融時における吸水物質の分散性に優れる粘接着剤を提供できる。
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は具体的に記載された実施形態に限定されない。当業者であれば、本明細書に記載した範囲に対して種々の変更を施すことができる。例えば、異なる実施形態に開示されている技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる。
 本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。本明細書において、用語「粘接着剤」には、粘着剤および接着剤の両方が含まれる。一実施形態において、粘接着剤は、粘着剤である。一実施形態において、粘接着剤は、接着剤である。
 〔1.粘接着剤〕
 本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、ホットメルト型粘接着剤、吸水物質および界面活性剤を含んでいる。吸水物質は、セルロース系化合物を含んでいる。このような組成とすることにより、加熱溶融時における吸水物質の分散性が向上し、吸水物質の凝集によって生じる問題を低減できる。それゆえ、塗工性に優れ、良好な塗工物が得られる粘接着剤を提供できる。吸水物質の凝集によって生じる問題の例としては、フィルター詰まり、得られる塗工物の性能不良(膜厚のばらつき、吸水物質の局在化など)が挙げられる。
 本発明者らの発見によると、特許文献1に開示されている吸水性架橋高分子を使用した粘接着剤には、加熱溶融時における吸水物質の分散性が低いという難点があった。このような粘接着剤は、加熱溶融時における吸水物質の分散が不均一であるため、工業的な使用に困難を伴うことがあった(塗工性が低下するなど)。本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、吸水物質としてセルロース系化合物を配合することにより、上記の課題を解決している。
 剥離性に優れる粘接着剤は、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献しうる。例えば、剥離性に優れる粘接着剤により貼付された物品はリサイクル時に容易に剥がせるので、目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」の達成に貢献しうる。本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、易剥離性粘接着剤であってもよい。易剥離性粘接着剤は、剥離性に優れるため、上述のSDGsの達成に貢献しうる。
 [1.1.ホットメルト型粘接着剤]
 ホットメルト型粘接着剤とは、加熱して溶融させることにより被着体に塗工できる粘接着剤である。ホットメルト型粘接着剤は、通常、ベースポリマーおよび粘着付与樹脂を含んでいる。ホットメルト型粘接着剤は、任意成分として、可塑剤および/またはワックスをさらに含んでいてもよい。粘接着剤は、ホットメルト型粘接着剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 (ベースポリマー)
 ベースポリマーの例としては、スチレン系ブロックコポリマー、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、またはこれらの組合せが挙げられる。これらの中でも、スチレン系ブロックコポリマー、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマーまたはこれらの組合せは、加工性に優れ、入手が容易であるため好ましい。ホットメルト型粘接着剤は、ベースポリマーを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 スチレン系ブロックコポリマーの例としては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロックコポリマー(SEPS)が挙げられる。アクリル系ポリマーの例としては、アクリル系ブロックコポリマー(メタクリル酸メチル-アクリル酸n-ブチル-メタクリル酸メチルブロックコポリマー、メタクリル酸メチル-アクリル酸2-エチルヘキシル-メタクリル酸メチルブロックコポリマーなど)が挙げられる。オレフィン系ポリマーの例としては、オレフィンモノマー(エチレン、プロピレン、ブテンなど)のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーのより具体的な例としては、ポリ-α-オレフィン、非晶性ポリ-α-オレフィン(APAO)、エチレン/α-オレフィンコポリマー、プロピレン/α-オレフィンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-アクリル酸エチルコポリマーが挙げられる。
 ホットメルト型粘接着剤におけるベースポリマーの含有量の下限は、ホットメルト型粘接着剤100重量%に対して、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上または39重量%以上でありうる。ホットメルト型粘接着剤におけるベースポリマーの含有量の上限は、ホットメルト型粘接着剤100重量%に対して、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下または65重量%以下でありうる。ベースポリマーの含有量が上記の範囲であれば、粘接着剤の粘接着性が向上する。
 (粘着付与樹脂)
 粘着付与樹脂の例としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂が挙げられる。ホットメルト型粘接着剤は、粘着付与樹脂を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 ロジン系樹脂の例としては、天然ロジン(ガムロジン、トールロジン、ウッドロジンなど)、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、およびこれらのロジンのペンタエリスリトールエステルが挙げられる。また、水素添加したロジン系樹脂(上述のロジン系樹脂の水素化物など)も用いられる。
 テルペン系樹脂の例としては、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂が挙げられる。また、水素添加したテルペン系樹脂(上述のテルペン系樹脂の水素化物など)も用いられる。
 石油系樹脂の例としては、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂が挙げられる。また、水素添加した石油系樹脂(上述の石油系樹脂の水素化物など)も用いられる。
 スチレン系樹脂の例としては、スチレン系モノマーからなるポリマー、スチレン系モノマーのコポリマー等が挙げられる。スチレン系モノマーの例としては、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、第3級ブチルスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。スチレン系樹脂のより具体的な例としては、スチレンホモポリマー、α-メチルスチレンホモポリマーが挙げられる。また、水素添加したスチレン系樹脂(上述のスチレン系樹脂の水素化物など)も用いられる。
 ホットメルト型粘接着剤における粘着付与樹脂の含有量の下限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、0重量%超、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上または20重量%以上でありうる。ホットメルト型粘接着剤における粘着付与樹脂の含有量の上限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下または50重量%以下でありうる。粘着付与樹脂の含有量が上記の範囲であれば、粘接着剤の粘接着性が向上する。
 (可塑剤)
 可塑剤の例としては、オイルが挙げられる。オイルの例としては、鉱物油類、合成油類、植物油類、脂肪酸エステルが挙げられる。ホットメルト型粘接着剤は、可塑剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
 鉱物油類の具体例としては、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイルなど)、流動パラフィンが挙げられる。パラフィン系プロセスオイルに含まれているパラフィンの例としては、n-パラフィン、イソパラフィン、これらの飽和炭化水素の誘導体等が挙げられる。ナフテン系プロセスオイルに含まれているナフテンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等を含むシクロパラフィン系炭化水素およびその誘導体が挙げられる。パラフィン系プロセスオイルとは、パラフィンを相対的に多く含有するプロセスオイルであり、ナフテン系プロセスオイルとは、ナフテンを相対的に多く含有するプロセスオイルである。それら以外に、これらのプロセスオイルは、パラフィンおよび/またはナフテンおよび/または芳香族化合物をさらに含有していてもよい。
 これらの鉱物油としては、目的とするホットメルト粘接着剤を得ることができれば、市販品を使用してもよい。パラフィン系プロセスオイルの市販品としては、例えば、PS-32、ダイアナフレシアS32およびダイアナプロセスオイルPW-90(すべて出光興産社製)等が挙げられる。ナフテン系プロセスオイルの市販品としては、例えば、ダイアナフレシアN90(出光興産社製)、NYFLEX223A(ジャパンケムテック社製)およびSNH68(三共油化工業社製)等が挙げられる。
 合成油類の具体例としては、25℃で液状である、エーテル油、エステル油、リン酸エステル、塩素化パラフィン、エチレン-α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、ポリイソプレン、これらの水素添加物が挙げられる。
 植物油類の具体例としては、オリーブ油、米胚芽油、コーン油、サザンカ油、ツバキ油、ヒマシ油、ホホバ種子油、ユーカリ葉油、これらの誘導体(硬化油を含む)が挙げられる。
 脂肪酸エステル類の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリイソオクタン酸グリセリン、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ドデシル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、アセチルクエン酸トリブチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、サリチル酸エチレングリコール、ジステアリン酸グリコールなどが挙げられる。
 ホットメルト型粘接着剤における可塑剤の含有量の下限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、0重量%以上、5重量%以上、7重量%以上または10重量%以上でありうる。ホットメルト型粘接着剤における可塑剤の含有量の上限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下または10重量%以下でありうる。例えば、可塑剤の代わりにワックスなどを配合することにより、可塑剤を含んでいないホットメルト型粘着剤の組成としてもよい。可塑剤の含有量が上記の範囲であれば、粘接着剤の粘接着性が向上する。
 (ワックス)
 ワックスの例としては、動物系ワックス、植物系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、鉱物系ワックス、合成ワックスが挙げられる。ホットメルト型粘接着剤は、ワックスを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
 動物系ワックスの例としては、シュラックワックス、蜜ろうが挙げられる。植物系ワックスの例としては、カルナバワックス、ライスワックス、はぜろうが挙げられる。ポリオレフィン系ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン-酢酸ビニル共重合体系ワックスが挙げられる。鉱物系ワックスの例としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。合成ワックスの例としては、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。ワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。上述したワックスのうち、脂肪族炭化水素系ワックスに該当するものとしては、ポリオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスが該当する。
 ホットメルト型粘接着剤におけるワックスの含有量の下限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、0重量%以上、0.1重量%以上、0.3重量%以上または0.5重量%以上でありうる。ホットメルト型粘接着剤におけるワックスの含有量の上限は、ホットメルト型粘接着剤の重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下または5重量%以下でありうる。ワックスの含有量が上記の範囲であれば、粘接着剤に所望の機能を付与しやすい。ホットメルト型粘接着剤は、ワックスを含んでいなくてもよい。
 (ホットメルト型粘接着剤の含有量)
 粘接着剤におけるホットメルト型粘接着剤の含有量の下限は、粘接着剤の重量を100重量%として、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましく、65重量%以上が特に好ましい。粘接着剤におけるホットメルト型粘接着剤の含有量の上限は、粘接着剤の重量を100重量%として、99重量%以下が好ましく、98重量%以下がより好ましい。ホットメルト型粘接着剤の含有量が上記の範囲であれば、充分な粘接着性のある粘接着剤を得やすい。
 [1.2.吸水物質]
 粘接着剤は、吸水物質を含んでいる。吸水性物質は、セルロース系化合物を含んでいる。このような組成の粘接着剤は、加熱溶融時における吸水物質の分散性が向上する。粘接着剤は、吸水物質を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。吸水物質は、セルロース系化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 セルロース系化合物の例としてはセルロースおよびセルロース誘導体が挙げられるが、セルロース誘導体が好ましい。セルロース誘導体の例としては、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる(アルキル基の炭素数は、例えば、1~4である)。より具体的なセルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。セルロース誘導体は塩の形態であってもよい。塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。より具体的な塩の形態であるセルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウムが挙げられる。
 これらの中でも、加熱溶融時における吸水物質の分散性の観点からは、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。さらに、吸水性の観点から、カルボキシメチルセルロースナトリウムがより好ましい。一実施形態において、セルロース系化合物は、架橋されていないセルロース系化合物(未架橋セルロース系化合物)が好ましい。
 セルロース系化合物がエーテル型のセルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)である場合、水酸基のエーテル化度の下限は、0.1以上または0.5以上でありうる。また、エーテル化度の上限は、1.6以下または1.0以下でありうる。セルロース誘導体のエーテル化度とは、グルコース単位あたりのエーテル化している水酸基の平均数であり、0~3の値を取る。セルロース誘導体のエーテル化度は、粘接着剤に含まれている他の成分とのバランスを取って、当業者によって適宜選択されうる。
 セルロース系化合物の形状は、粒子状でありうる。セルロース系化合物の平均粒子径(D50)の下限は、1μm以上であってもよく、10μm以上が好ましい。セルロース系化合物の平均粒子径(D50)の上限は、300μm以下または150μm以下であってもよく、60μm以下または30μm以下が好ましい。平均粒子径(D50)が下限以上であれば、セルロース系化合物が粘接着剤中で凝集しにくくなる。平均粒子径(D50)が上限以下であれば、良好な塗工性を実現しやすく、かつ粘接着剤層を薄くできる。ここでいう平均粒子径(D50)は、レーザ回析・散乱法によって測定した粒度分布において全体積を基準とする累計体積が50%となる値である。セルロース系化合物の粒度分布において全体積を基準とする累計体積が95%となる値(D95)は、D50より大きい。D95の上限は、500μm以下であってもよく、200μm以下または150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。D95の下限は特に限定されないが、例えば3μm以上である。D95がこの範囲であれば、良好な塗工性を実現しやすく、かつ粘接着剤層を薄くすることができる。D50およびD95は、実施例に記載の方法で測定する。レーザ回析・散乱法での測定が難しい場合は、走査型または透過型電子顕微鏡画像に写る一次粒子の粒子径を測定し、平均値を算出することができる。
 カルボキシメチルセルロースナトリウム等の水溶性のセルロース系化合物の場合、セルロース系化合物の水溶液粘度の下限は、5mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上でありうる。セルロース系化合物の水溶液粘度の上限は、120,000mPa・s以下、さらに好ましくは50,000mPa・s以下でありうる。ここで、粘度の測定条件は、1~5重量%水溶液、25℃における粘度とする。セルロース系化合物の粘度は、粘接着剤に含まれている他の成分とのバランスを取って、当業者によって適宜選択されうる。
 粘接着剤における吸水物質の含有量の下限は、粘接着剤の重量を100重量%として、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上が特に好ましい。粘接着剤における吸水物質の含有量の上限は、粘接着剤の重量を100重量%として、45重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。吸水物質の含有量が45重量%以下であれば、所望の粘接着性を示す粘接着剤にしやすい。吸水物質の含有量が0.5重量%以上であれば、所望の剥離性を示す粘接着剤にしやすい。
 吸水物質に占めるセルロース系化合物の含有量の下限は、吸水物質の重量を100重量%として、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。吸水物質に占めるセルロース系化合物の含有量の上限は、吸水物質の重量を100重量%として、100重量%以下、97重量%以下または95重量%以下でありうる。一実施形態において、吸水物質は、セルロース系化合物のみからなる。吸水物質に占めるセルロース系化合物の含有量が上記の範囲であれば、加熱溶融時における吸水性物質の分散性が向上する。
 セルロース系化合物以外の吸水物質の例としては、架橋合成高分子、セルロース系化合物以外の多糖類、タンパク質系高分子が挙げられる。一実施形態において、粘接着剤は、吸水物質として架橋合成高分子をほとんど含んでいない。吸水物質の全重量に占める架橋合成高分子の割合は、5重量%以下、3重量%以下、1重量%以下、0.1重量%以下または0.01重量%以下でありうる。吸水物質は、架橋合成高分子を含んでいなくてもよい。
 架橋合成高分子とは、吸水性樹脂を架橋剤により架橋させて得られる吸水物質である。架橋される吸水性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸およびその中和物が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、β-ヒドロキシアクリル酸、β-アクリルオキシプロピオン酸が挙げられる。架橋合成高分子のより具体的な例としては、デンプン-アクリルニトリルグラフト重合体の加水分解物の架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体の中和物の架橋体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物の架橋体、アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋体、アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、ポリアクリル酸の部分中和物架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド架橋物、架橋ウレタン変性物が挙げられる。なお、本明細書においては、架橋を有するセルロース誘導体は架橋合成高分子には含めない。
 セルロース系化合物以外の多糖類の例としては、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラヤガム、ペクチン、アルギン酸、キチン、キトサンが挙げられる。タンパク質系高分子の例としては、ゼラチン、コラーゲンが挙げられる。
 [1.3.界面活性剤]
 粘接着剤は、界面活性剤を含んでいる。界面活性剤を含有させることにより、良好な剥離性を示す粘接着剤を得やすくなる。界面活性剤は、ホットメルト型粘接着剤に含まれている成分であってもよい。粘接着剤は、界面活性剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 界面活性剤の例としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。相溶性の観点からは、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤を含んでいる粘接着剤は、加熱溶融時において良好な相溶性を示しやすい。また、このような粘接着剤では、常温保管時におけるブリードアウトが発生しにくい。
 ノニオン系界面活性剤の例としては、エーテル型、エステルエーテル型、エステル型、アルカノールアミド型が挙げられる。エステル型のノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など)が挙げられる。エステルエーテル型のノニオン系界面活性剤の例としては、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなど)、脂肪酸ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート)が挙げられる。エステル型のノニオン系界面活性剤の例としては、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル)が挙げられる。これらの中でも、剥離性および粘接着性に優れるため、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの中では、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましい。
 ノニオン系界面活性剤のHLBの下限は、4以上が好ましく、5以上がより好ましい。界面活性剤のHLBの上限は、18以下が好ましく、17以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。界面活性剤のHLBは、グリフィン法により算出する。界面活性剤のHLBが上記の範囲であれば、加熱溶融時において良好な相溶性を示しやすい。粘接着剤が2種類以上の界面活性剤を含んでいるとき、HLBが18以下の界面活性剤が占める割合は、界面活性剤の全重量に対して、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
 粘接着剤における界面活性剤の含有量の下限は、粘接着剤の重量を100重量%として、0.5重量%以上が好ましく、0.7重量%以上がより好ましく、1重量%以上がさらに好ましい。粘接着剤における界面活性剤の含有量の上限は、粘接着剤の重量を100重量%として、13重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、7重量%以下がさらに好ましく、5重量%以下が特に好ましい。界面活性剤の含有量が13重量%以下である粘接着剤は、良好な粘接着性および相溶性を示しやすい。界面活性剤の含有量が0.5重量%以上である粘接着剤は、良好な剥離性を示しやすい。
 界面活性剤に占めるノニオン系界面活性剤の含有量の下限は、界面活性剤の重量を100重量%として、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。界面活性剤に占めるノニオン系界面活性剤の含有量の上限は、界面活性剤の重量を100重量%として、100重量%以下、97重量%以下または95重量%以下でありうる。一実施形態において、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤のみからなる。界面活性剤に占めるノニオン系界面活性剤の含有量が上記の範囲であれば、加熱溶融時において良好な相溶性を示しやすい。
 [1.4.その他の成分]
 粘接着剤は、上述した以外の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分の例としては、水溶性充填材、カップリング剤、有機溶剤、チクソトロピー剤、粘性調整剤、着色剤、耐候剤、変色防止剤、硬化剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機粒子、炭素繊維、導電性粒子、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、香料が挙げられる。界面活性剤は、ホットメルト型粘接着剤に含まれている成分であってもよい。粘接着剤は、その他の成分を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。粘接着剤は、同種のカテゴリに含まれる成分(例えば水溶性充填材)を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
 酸化防止剤の例としては、フェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤の例としては、Pentaerythritol tetrakis[3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionate]、2,6-Di-tert-butyl-4-ethylphenolが挙げられる。有機硫黄系酸化防止剤の例としては、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネートが挙げられる。リン系酸化防止剤の例としては、Tris(2,4-di-tert-butylphenyl)phosphiteが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
 粘接着剤におけるその他の成分の含有量の下限は、粘接着剤の重量を100重量%として、0重量%以上、1重量%以上または3重量%以上でありうる。粘接着剤におけるその他の成分の含有量の上限は、粘接着剤の重量を100重量%として、10重量%以下、7重量%以下または5重量%以下でありうる。その他の成分の含有量が上記の範囲であれば、粘接着剤に所望の機能を付与しやすい。粘接着剤は、その他の成分を含んでいなくてもよい。
 180℃における粘接着剤の粘度の下限は、通常は100mPa・s以上であり、塗工性の観点から1,000mPa・s以上が好ましく、3,000mPa・s以上がより好ましい。180℃における粘接着剤の粘度の上限は、通常は100,000mPa・s以下であり、塗工性の観点から50,000mPa・s以下が好ましく、30000mPa・s以下がより好ましい。180℃における粘度は、JIS K 6862に準拠して測定する。
 粘接着剤の軟化点の下限は、通常は70℃以上であり、塗工性および耐熱性(糊残り)の観点から80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。粘接着剤の軟化点の上限は、通常は150℃以下であり、塗工性および耐熱性(糊残り)の観点から140℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。軟化点は、JIS K 6863に準拠して測定する。
 〔2.粘接着剤の製造方法および用途〕
 [2.1.製造方法]
 粘接着剤は、常法に則って製造できる。例えば、下記工程により粘接着剤を製造できる。
1. 粘着付与樹脂および可塑剤を加熱混練して、充分に溶融させる。
2. 得られた溶融物にベースポリマーを投入する。加熱混練して、ベースポリマーを充分に溶融させる。
3. 工程2で得られた溶融物に吸水物質および界面活性剤をさらに投入し、均一に分散させる。これにより、目的の粘接着剤を得る。
 一実施形態において、粘接着剤の製造方法は、ホットメルト型粘接着剤を製造する工程を有してもよい。例えば、下記工程により製造したホットメルト型粘接着剤を冷却した後で再加熱し、吸水性物質および界面活性剤を添加して粘接着剤を製造してもよい。なお、界面活性剤および添加剤はホットメルト型粘接着剤を製造する際に添加してもよい。
1. 粘着付与樹脂および可塑剤を加熱混練して、充分に溶融させる。
2. ベースポリマーをさらに投入して、充分に溶融させる。
 [2.2.用途]
 本発明の一態様に係る物品は、第1被着体と第2被着体とが粘接着層を介して接着されている。この粘接着層は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤を含んでいる。一実施形態において、粘接着層は、粘接着剤のみからなる。他の実施形態において、粘接着層は、その他の成分を含んでいる(示温剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、香料など)。
 一実施形態において、粘接着剤は、水に浸漬させたときに被着体から容易に剥離できる易剥離性粘接着剤である。したがって、物品を水に浸漬させると、第1被着体と第2被着体とを容易に分離できる。物品の例としては、ラベルが貼付されている基材(ガラス基材、プラスチック基材、金属基材、紙基材など)が挙げられる。粘接着剤は、ラベル用易剥離性粘接着剤として特に好適に使用できる。
 〔測定方法〕
 (各サンプルの作製)
 実施例または比較例に係る粘接着剤を、ヒートプレスにより上質紙に塗布してサンプルを得た。粘接着剤の塗工厚さは、320μmとした。
 (ガラス板への貼付)
 後述する寸法にサンプルを成形した。その後、下記の手順により、サンプルをガラス板に貼付した。貼付時の環境温度は、23℃であった。
●ホットメルト1およびホットメルト2を含んでいる粘接着剤を塗工したサンプル
1. ローラにより2kgfの荷重をかけてガラス板に貼付した。
●ホットメルト3およびホットメルト4を含んでいる粘接着剤を塗工したサンプル
1. 90℃のホットプレートにより、サンプルの表面を10秒間加熱した。
2. ローラにより2kgfの荷重をかけてガラス板に貼付した。
 (粘接着性)
 下記の手順により、粘接着性を評価した。
1. 幅:20mm、長さ:25mmのサンプルをガラス板に貼付した。
2. 貼付から20分後において、180度方向に剥離したときの剥離強度を測定した。剥離速度は、300mm/minであった。測定した剥離強度の値に基づいて、粘接着性を評価した。具体的な評価基準は、下記の通りである。
A:2.0N/10mm以上
B:1.0N/10mm以上、2.0N/10mm未満
C:1.0N/mm未満
 (剥離性)
 下記の手順により、剥離性を評価した。
1. 幅:5mm、長さ:5mmのサンプルをガラス板に貼付した。
2. 貼付から30分後に、ガラス板を23℃の水に浸漬した。サンプルがガラス板から剥がれるまでの時間を測定し、剥離性を評価した。具体的な評価基準は、下記の通りである。
A:30分間未満
B:30分間以上120分間未満
C:120分間以上
 (相溶性および分散性)
 下記の手順により、相溶性および分散性を評価した。
1. マヨネーズ瓶(容積:140mL)にサンプル50gを入れ、160℃の恒温槽に静置した。
2. 時間経過による粘接着剤の相分離および吸水物質の凝集を目視にて確認した。粘接着剤が相分離するまでの時間を測定し、相溶性および分散性を評価した。具体的な評価基準は、下記の通りである。
●相溶性の評価
A:5時間経過後も粘接着剤が相分離しなかった。
B:2~5時間で粘接着剤が相分離した。
C:2時間未満で粘接着剤が相分離した。
●分散性の評価
A:5時間経過後も吸水物質が凝集しなかった。
B:2~5時間で吸水物質が凝集した。
C:2時間未満で吸水物質が凝集した。
 (粒子径)
 株式会社堀場製作所製LA-960V2を用いて、吸水物質の体積基準の粒度分布を測定した。屈折率は1.5に設定した。粒度分布において、粒子径の小さい方から数え始めた累積体積が50%に達する値をD50とした。粒度分布において、粒子径の小さい方から数え始めた累積体積が95%に達する値をD95とした。
 〔各成分〕
 粘接着剤を構成する各成分として、以下の材料を使用した。
 (ホットメルト型粘接着剤の成分)
・ベースポリマー1:SIS5403P(スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、JSR株式会社)
・ベースポリマー2A:LA3320(アクリルポリマー、株式会社クラレ)
・ベースポリマー2B:LA2114(液状アクリルポリマー、株式会社クラレ)
・ベースポリマー3:VESTOPLAST 704(アモルファスポリα-オレフィン、Evonik Corporation)
・ベースポリマー4:ウルトラセン722(エチレン-酢酸ビニル共重合体、東ソー株式会社)
・ワックス1:ペトロセン353(ポリエチレンワックス、東ソー株式会社)
・ワックス2:Sarawax SX105(フィッシャートロプシュワックス、Shell)
・粘着付与樹脂1:SYLVARES SA-100(α-メチルスチレン、Kraton Corporation)
・粘着付与樹脂2:アルコンM-100(水添石油樹脂、荒川化学工業株式会社)
・粘着付与樹脂3:アルコンP-115(水添石油樹脂、荒川化学工業株式会社)
・粘着付与樹脂4:アイマーブP-100(水添石油樹脂、出光興産株式会社)
・可塑剤1:DOS(セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)、豊国製油株式会社)
・可塑剤2:SP-52M(流動パラフィン、コスモ石油ルブリカンツ株式会社)
・酸化防止剤1:アデカスタブAO-60G(フェノール系酸化防止剤、株式会社ADEKA)
・酸化防止剤2:Irgafos 168(リン系酸化防止剤、BASF SE)
 (吸水物質)
・吸水物質1:サンローズF10LC(カルボキシメチルセルロースナトリウム、1%水溶液における粘度:90~130mPa・s、エーテル化度:0.55~0.65、D50:45μm、D95:133μm、日本製紙株式会社)
・吸水物質2:サンローズF10MC(カルボキシメチルセルロースナトリウム、1%水溶液における粘度:50~150mPa・s、エーテル化度:0.65~0.75、D50:42μm、D95:174μm、日本製紙株式会社)
・吸水物質3:サンローズF120MC(カルボキシメチルセルロースナトリウム、1%水溶液における粘度:800~1200mPa・s、エーテル化度:0.65~0.75、D50:52μm、D95:174μm、日本製紙株式会社)
・吸水物質4:サンローズF350HC(カルボキシメチルセルロースナトリウム、1%水溶液における粘度:2000~4000mPa・s、エーテル化度:0.8~1.0、D50:59μm、D95:200μm、日本製紙株式会社)
・吸水物質5:L-HPC LH-31(ヒドロキシプロピルセルロース、水に不溶、エーテル化度:0.33、D50:19μm、D95:133μm、信越化学工業株式会社)
・吸水物質6:ダイセルSP-200(ヒドロキシエチルセルロース、5%水溶液における粘度:80~170mPa・s、エーテル化度:1.0~1.3%、ダイセルミライズ株式会社)
・吸水物質7:メトローズ NE-4VF(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メトキシ基によるエーテル化度:0.57~0.72、ヒドロキシプロポキシ基によるエーテル化度:0.12~0.36、D50:13μm、D95:34μm、信越化学工業株式会社)
・吸水物質8:製造例に記載の方法によりサイズ調製した吸水物質(カルボキシメチルセルロースナトリウム、サンローズF10LC(日本製紙株式会社)の粉砕品、D50:14μm、D95:62μm)
・吸水物質9:ジュンロンPW-120(架橋ポリアクリル酸、D50:14μm、D95:77μm、東亜合成株式会社)
・吸水物質10:AQUPEC SW-703ER(架橋型アクリル酸-メタクリル酸アルキル共重合体、住友精化株式会社)
 (界面活性剤)
・界面活性剤1:DKS NL-30(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:8.1、第一工業製薬株式会社)
・界面活性剤2:DKS NL-15(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:5.0、第一工業製薬株式会社)
・界面活性剤3:DKS NL-100(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.8、第一工業製薬株式会社)
・界面活性剤4:DKS NL-180(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:16.1、第一工業製薬株式会社)
 〔製造例〕
 (吸水物質のサイズ調整)
 シングルトラックジェットミルFS-4(株式会社セイシン企業)を用いて、サンローズF10LC(カルボキシメチルセルロースナトリウム、日本製紙株式会社)を粉砕し、吸水物質8を得た。
 (ホットメルト型粘接着剤の調製)
 下記表1に示す組成(単位:重量部)で各材料を混練し、ホットメルト型粘接着剤1~4を調製した。具体的な手順は、下記の通りである。
1. 混練機中に、粘着付与樹脂、可塑剤、ワックスおよび酸化防止剤を投入した。これらを、150~190℃で加熱混練し、充分に溶融させた。
2. 得られた溶融物の中にベースポリマーを投入した。150~190℃で加熱混練することにより、ベースポリマーを溶融物の中に均一に分散させた。このようにして、ホットメルト型粘接着剤1~4を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 (粘接着剤の調製)
 下記表2~4に示す組成(単位:重量部)で各材料を混練し、粘接着剤を調製した。具体的な手順は、下記の通りである。
1. 混練機中に、ホットメルト粘接着剤を投入した。これらを、150~190℃で加熱混練し、充分に溶融させた。
2. 得られた溶融物に吸水物質および界面活性剤を投入し、粘接着剤を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 〔実施例1~8、比較例1~2〕
 以下、表2を参照する。実施例1~4では、異なる種類のベースポリマーを含んでいるホットメルト型粘接着剤を配合した。得られた粘接着剤は、いずれも、粘接着性、剥離性、相溶性および分散性に優れていた。
 実施例5~8では、ホットメルト型粘接着剤、吸水物質および界面活性剤の配合量を変化させた。得られた粘接着剤は、いずれも、粘接着性、剥離性、相溶性および分散性に優れていた。比較例1~2では、吸水物質または界面活性剤を配合せずに粘接着剤を調製した。得られた粘接着剤は、剥離性に劣っていた。粘接着性および剥離性の観点に基づくと、吸水物質および界面活性剤のより好ましい配合量は、次の通りである(いずれも、粘接着剤の重量を100重量%とする)。
・吸水物質の配合量の下限:1重量%から25重量%の間(例えば、5重量%以上または10重量%以上)
・吸水物質の配合量の上限:25重量%から40重量%の間(例えば、30重量%以下)・界面活性剤の配合量の下限:0.5重量%から1重量%の間(例えば、0.7重量%以上)
・界面活性剤の配合量の上限:1重量%から10重量%の間(例えば、7重量%以下または5重量%以下)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 〔実施例9~15、比較例3~6〕
 以下、表3を参照する(参考のため、表3には実施例1の結果も記載する)。実施例9~15および比較例3~6では、吸水物質の種類を変化させた。実施例9~15では、セルロース系化合物である吸水物質を配合した。得られた粘接着剤は、いずれも、粘接着性、剥離性、相溶性および分散性に優れていた。比較例3~6では、セルロース系化合物ではない吸水物質を配合した。得られた粘接着剤は、いずれも、吸水物質の分散性に劣っていた。これらの結果から、吸水物質がセルロース系化合物であるならば、吸水物質の分散性に優れ、品質が安定し工業応用に適した粘接着剤が得られることが分かる。逆に、吸水物質がセルロース系化合物でないならば、吸水物質の分散性に劣り、工業応用に適さない粘接着剤が得られることが分かる。
 実施例14、15の粘接着剤は、D50およびD95が小さい吸水物質を使用した。そのため、他の実施例と比較して、粘接着層を薄くすることができた。また、実施例14、15の粘着剤を、フィルターを有する塗布装置を用いて塗工したところ、フィルターを目詰まりさせることなく塗工できたことから、塗工性に優れる粘接着剤が得られたと言える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 〔実施例16~18〕
 以下、表4を参照する(参考のため、表4には実施例1の結果も記載する)。実施例16~18では、界面活性剤のHLBを変化させた。得られた粘接着剤は、いずれも、粘接着性、剥離性、相溶性および分散性に優れていた。相溶性の観点に基づくと、界面活性剤のHLBの上限のより好ましい値は、13.8から16.1の間である(例えば15.0以下、好ましくは13.8以下)。
 本発明は、接着剤および粘着剤などに利用できる。

Claims (8)

  1.  ホットメルト型粘接着剤、吸水物質および界面活性剤を含んでおり、
     上記吸水物質は、セルロース系化合物を含んでいる、粘接着剤。
  2.  上記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を含んでいる、請求項1に記載の粘接着剤。
  3.  上記界面活性剤のHLBは、18以下である、請求項2に記載の粘接着剤。
  4.  上記吸水物質の含有量は、上記粘接着剤の重量を100重量%とすると、0.5~45重量%である、請求項1に記載の粘接着剤。
  5.  上記界面活性剤の含有量は、上記粘接着剤の重量を100重量%とすると、0.5~10重量%である、請求項1に記載の粘接着剤。
  6.  上記吸水物質に占めるセルロース系化合物の含有量は、上記吸水物質の重量を100重量%とすると、70~100重量%である、請求項1に記載の粘接着剤。
  7.  上記セルロース系化合物は、
      D50が30μm以下であり、
      D95が100μm以下である、
     請求項1に記載の粘接着剤。
  8.  第1被着体と第2被着体とが粘接着層を介して接着されている物品であって、
     上記粘接着層は、請求項1~7のいずれか1項に記載の粘接着剤を含んでいる、物品。
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