WO2024116443A1 - 湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物、接着剤、及び、積層体 - Google Patents

湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物、接着剤、及び、積層体 Download PDF

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本発明は、バイオマス由来のセバシン酸とバイオマス由来のジエチレングリコールとを原料とするポリエステルポリオール(a1)を含むポリオール(A)、及び、ポリイソシアネート(B)の反応物であり、バイオマス度が40%以上である、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)を含有することを特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤を提供するものである。更に、本発明は、少なくとも、生地、及び、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする積層体を提供するものである。

Description

湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物、接着剤、及び、積層体
 本発明は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物、接着剤、及び、積層体に関する。
 透湿性と防水性とを併せ持つ透湿防水機能性衣料は、透湿性フィルムを接着剤で生地に貼り合わせた構成体であり、前記接着剤としては、透湿性フィルムと生地との双方との密着性が良好な点から、ウレタン系接着剤が一般的に使用されている。また、前記ウレタン系接着剤の中でも、昨今の世界的な溶剤排出規制や残留溶剤規制から、無溶剤型である湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物の使用量が徐々に増加しつつある(例えば、特許文献1を参照。)。
 一方で、昨今の海洋プラスチック問題が着目されるように、石化資源からの脱却を目指したバイオベース樹脂への注目度も日に日に上昇しており、湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物も例外ではない。しかしながら、バイオマス度を上げると風合いや接着性が低下するとの指摘があり、これらの性能の両立が大きな課題であった。
特開2017-202608号公報
 本発明が解決しようとする課題は、バイオマス原料を用いてバイオマス度を高め、かつ、風合い、及び、接着性に優れる湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することである。
 本発明は、バイオマス由来のセバシン酸とバイオマス由来のジエチレングリコールとを原料とするポリエステルポリオール(a1)を含むポリオール(A)、及び、ポリイソシアネート(B)の反応物であり、バイオマス度が40%以上である、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)を含有することを特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を提供するものである。
 また、本発明は、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤を提供するものである。更に、本発明は、少なくとも、生地、及び、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする積層体を提供するものである。
 本発明の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、バイオマス原料を用いてバイオマス度の高いものであり、環境対応型の材料である。また、本発明の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、優れた風合い、及び、接着性を両立するものである。
 本発明で用いる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、特定のポリエステルポリオールを含むポリオール(A)、及び、ポリイソシアネート(B)の反応物であり、バイオマス度が40%以上である、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)を含有するものである。
 前記ポリオール(A)は、バイオマス由来のセバシン酸とバイオマス由来のジエチレングリコールとを原料とするポリエステルポリオール(a1)を含むことが必須である。前記特定のポリエステルポリオール(a1)を用いることにより、樹脂皮膜が柔らかくなり、バイオマス度をあげても優れた風合いを得ることができる。
 前記バイオマス由来のセバシン酸としては、例えば、ひまし油等の植物油脂の苛性アルカリによる公知の開裂反応で得られたものなどを用いることができる。前記セバシン酸としては、例えば、豊国製油製「Bio Seb」等を市販品として入手することができる。
 前記バイオマス由来のジエチレングリコールとしては、例えば、サトウキビなどの廃糖密を原料として公知の方法で得られたものなどを用いることができる。前記ジエチレングリコールとしては、例えば、India Glycols社製「Bio DEG」等を市販品として入手することができる。
 前記ポリエステルポリオール(a1)の原料としては、前記したものの他に、その他の多塩基酸やグリコール化合物を併用してもよい。
 前記その他の多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸無水物などを用いることができる。これらの多塩基酸はバイオマス由来のものでも石化由来のものであってもよく、単独で用いても2種以上を併用してもよい。全多塩基酸中における前記バイオマス由来のセバシン酸の使用量としては、20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。
 前記その他のグリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ε-カプロラクトン、ネオペンチルグリコール等を用いることができる。これらの化合物はバイオマス由来のものでも石化由来のものであってもよく、単独で用いても2種以上を併用してもよい。全グリコール化合物中における前記バイオマス由来のジエチレングリコールの使用量としては、20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。
 前記ポリエステルポリオール(a1)の数平均分子量としては、より一層優れた機械的強度、風合い、及び、接着性が得られる点から、500~100,000が好ましく、700~50,000がより好ましく、800~10,000が更に好ましい。なお、前記ポリエステルポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
 前記ポリオール(A)は、前記ポリエステルポリオール(a1)を必須として含有するが、必要に応じてその他のポリオールを含有してもよい。前記ポリオール(A)中の前記ポリエステルポリオール(a1)の含有率としては、20質量%以上であることが好ましく、30~80質量%が更に好ましい。
 前記その他のポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオール(a1)以外のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリアクリルポリオールなどを用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記その他のポリオールとしては、より一層優れた機械的強度、及び、接着性が得られる点から、前記ポリエステルポリオール(a1)以外の、フタル酸を原料とするポリエステルポリオール、セバシン酸を原料とするポリエステルポリオール、及びアジピン酸を原料とするポリエステルポリオールからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
 前記その他のポリオールの数平均分子量としては、例えば、500~100,000が挙げられる。なお、前記その他のポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
 前記ポリイソシアネート(B)としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた反応性、機械的強度、及び、接着性が得られる点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
 前記ポリイソシアネート(B)の使用量としては、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計質量中5~40質量%の範囲であることが好ましく、10~30質量%の範囲であることがより好ましい。
 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)は、前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるものであり、空気中や湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物が塗布される基材中に存在する水分と反応して架橋構造を形成しうるイソシアネート基を有するものである。
 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)のバイオマス度は40%以上である。本発明においては、前述の通り、特定のポリエステルポリオール(a1)を用いることにより、バイオマス度が高くても、優れた風合いと接着性とが得られる。前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)のバイオマス度としては、40~70%がより好ましい。なお、前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)のバイオマス度は、ホットメルトウレタンプレポリマー(i)の総重量に対する、ホットメルトウレタンプレポリマー(i)を製造する際に使用するバイオマス由来原料の合計重量割合を示す。
 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)の製造方法としては、例えば、前記ポリオール(A)の入った反応容器に、前記ポリイソシアネート(B)を入れ、前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(A)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって製造することができる。
 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)を製造する際の、前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と前記ポリオール(A)が有する水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)としては、より一層優れた機械的強度、風合い、及び、接着性が得られる点から、1.2~5の範囲であることが好ましく、1.5~3の範囲であることがより好ましい。
 以上の方法によって得られたホットメルトウレタンプレポリマー(i)のイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)としては、より一層優れた機械的強度、風合い、及び、接着性が得られる点から、1.4~6の範囲であることが好ましく、1.8~4.0の範囲がより好ましい。なお、前記ホットメルトウレタンプレポリマー(i)のNCO%は、JISK1603-1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
 本発明で用いる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、前記ウレタンプレポリマー(i)を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて、その他の添加剤を用いてもよい。
 前記その他の添加剤としては、例えば、耐光安定性、硬化触媒、粘着付与剤、可塑剤、安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス、熱可塑性樹脂等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
 以上、本発明の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、バイオマス原料を用いてバイオマス度の高いものであり、環境対応型の材料である。また、本発明の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、優れた風合い、及び、接着性を両立するものである。
 次に、本発明の積層体について説明する。
 本発明の積層体は、少なくとも、生地、及び、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物を有するものである。
 前記生地としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維、綿、麻、絹、羊毛、グラスファイバー、炭素繊維、それらの混紡繊維等による不織布、織布、編み物等の繊維基材;前記不織布にポリウレタン樹脂等の樹脂を含浸させたもの;前記不織布に更に多孔質層を設けたもの;樹脂基材などを用いることができる。
 前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を塗工する方法としては、例えば、ロールコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、グラビアロールコーター、コンマコーター、T-ダイコーター、アプリケーター、ディスペンサー等を使用する方法が挙げられる。
 前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を塗工後は、公知の方法により乾燥・養生することができる。
 前記湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物の厚さとしては、例えば、5~500μmの範囲である。
 なお、本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物が透湿防水機能性衣料の接着剤として用いられることが最も好ましい態様であるが、係る場合、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、グラビアロールコーター、ディスペンサーにより間欠塗布し、前記生地と公知の透湿フィルムとを貼り合わせることが好ましい。係る場合の前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物の厚さとしては、例えば、5~300μmの範囲である。
 以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ポリエステルポリオール(バイオマス由来のセバシン酸(豊国製油製「Bio Seb」)とバイオマス由来のジエチレングリコール(India Glycols社製「Bio DEG」)との反応物、数平均分子量;2,000、以下「バイオPEs(1)」と略記する。)112質量部、ポリエステルポリオール(バイオマス由来のセバシン酸(豊国製油製「Bio Seb」)と石化由来の1,6-ヘキサンジオールの反応物、数平均分子量;3,500、以下「バイオPEs(2)」と略記する。)31質量部、ポリエステルポリオール(石化由来の1,6-ヘキサンジオールと石化由来のオルトフタル酸との反応物、数平均分子量;2,000、以下「その他PEs(1)」と略記する。)41質量部、ポリエステルポリオール(石化由来のネオペンチルグリコールと石化由来のオルトフタル酸との反応物、数平均分子量;1,000、以下「その他PEs(2)」と略記する。)20質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記する。)45.9質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-1)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例2]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)139質量部、その他PEs(2)59質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを56.7質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-2)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例3]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)136質量部、バイオPEs(2)136質量部、その他PEs(2)68質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを93.2質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-3)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例4]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)61質量部、その他PEs(1)9質量部、その他PEs(2)17質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを25.9質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-4)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例5]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)64質量部、バイオPEs(2)26質量部、その他PEs(1)13質量部、その他PEs(2)13質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを29.1質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-5)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例6]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)192質量部、バイオPEs(2)32質量部、その他PEs(1)48質量部、その他PEs(2)48質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを80質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-6)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[実施例7]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)49質量部、バイオPEs(2)29質量部、その他PEs(1)19質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを20.3質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(i-7)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[比較例1]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(2)50質量部、その他PEs(1)84質量部、その他PEs(2)33質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを38.4質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(iR-1)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[比較例2]
 温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、バイオPEs(1)18質量部、バイオPEs(2)72質量部、その他PEs(1)54質量部、その他PEs(2)36質量部を仕込み、110℃にて減圧乾燥して、水分量が0.05質量%以下となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、MDIを36.9質量部加え、110℃まで昇温し、イソシアネート基含有量が一定となるまで2時間反応することで、ウレタンプレポリマー(iR-2)を得、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物とした。
[数平均分子量の測定方法]
 実施例及び比較例で用いたポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
 「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
[接着性の評価方法]
 温度23℃、湿度50±5%に調整された高温高湿室にて透湿フィルム(株式会社加平製「VENTEX」)に、グラビアコーターを使用して、を100℃で溶融した、実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を17.5±5g/mとなるように間欠塗布し、ポリエステル記事と貼り合わせたものを温度23℃、湿度50±5%の条件で24時間熟成させ加工布を得た。この加工布を1inch幅にカットし、テンシロン(オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機「RTC-1210A」)を使用して、クロスヘッド速度;200mm/分の条件で剥離強度を測定し以下のように評価した。
 「〇」;8N/cm以上
 「×」;8N/cm未満
[風合いの評価方法]
 上記[接着性の評価方法]で得られた加工府を1inch幅、長さ8cmに裁断し、精密万能試験機(株式会社島津製作所製「オートフラフAG-1」)を使用して、試験片を半分にたたみ、たたんだ部分の長さ5cm分が丸みを帯びるよう挟み治具の上部に突出するように取り付け、平面圧子を試験速度10mm/分の条件で押し込んだ際の5mm変位時の応力を測定し以下のように評価した。
 「〇」;100mN以下
 「×」;100mNを超える
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001

Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002

 本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、バイオマス度が高く、かつ、優れた接着性、及び、風合いを有することが分かった。
 一方、比較例1は、ポリエステルポリオール(a1)を用いない態様であるが、接着性、及び、風合いが不良であった。
 比較例2は、ポリエステルポリオール(a1)を少量のみ用い、バイオマス度が本発明で規定する範囲を下回る態様であるが、接着性及び風合いが不良であった。

Claims (3)

  1. バイオマス由来のセバシン酸とバイオマス由来のジエチレングリコールとを原料とするポリエステルポリオール(a1)を含むポリオール(A)、及び、ポリイソシアネート(B)の反応物であり、バイオマス度が40%以上である、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)を含有することを特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  3. 少なくとも、生地、及び、請求項1記載の湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする積層体。
PCT/JP2023/021298 2022-11-29 2023-06-08 湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物、接着剤、及び、積層体 WO2024116443A1 (ja)

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