WO2024106142A1 - マイクロledデバイスの製造方法、色変換光学シート材料及び光学機器 - Google Patents

マイクロledデバイスの製造方法、色変換光学シート材料及び光学機器 Download PDF

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回路基板に配置されているマイクロLEDの直上に色変換層が配置されているマイクロLEDデバイスは、回路基板にマイクロLEDを配置し、そのマイクロLEDに対して、光透過性シート基材の片面に色変換層が形成されている色変換光学シート材料の当該色変換層を対向させ、色変換光学シート材料の色変換層に対し、光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより色変換層をマイクロLEDの直上に転写することにより製造する。

Description

マイクロLEDデバイスの製造方法、色変換光学シート材料及び光学機器
 本発明は、フルカラーのマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイパネルやマイクロLED白色光源パネル等のマイクロLEDデバイスの製造方法、その製造方法に使用する色変換光学シート材料、及びマイクロLEDデバイスを備えた光学機器に関する。
 高輝度、低消費電力、高コントラスト、長寿命という好ましい特性を有するフルカラーのLEDディスプレイパネルの典型的な構造は、ディスプレイ回路基板上に膨大な数の画素(ピクセル)をアレイ状に配置したものであり、個々のピクセルは、3個のサブピクセル、即ち、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとから構成されている。このようなフルカラーのLEDディスプレイパネルは、例えば、色毎に別々の半導体ウエハ上に微細加工法によりLEDを形成し、ディスプレイ回路基板のすべての画素に対し、赤色LEDを実装し、続いて緑色LEDを実装し、最後に青色LEDを実装することにより製造している。具体的には、半導体ウエハに作り込んだ膨大な数の各色LEDを、ダイシングして個片化した上で、個片転写用基材に転写し、ディスプレイ回路基板に導電接着層を介して再転写することにより製造している。
 ところで、近年、4K解像度や8K解像度のフルカラーディスプレイパネルが求められるようになっており、そのため、一辺がおおよそ100μm以下のマイクロLEDを用いてフルカラーのマイクロLEDディスプレイパネルを構成することが試みられているが、そのような高解像度のフルカラーのマイクロLEDディスプレイパネルを従前どおり製造することは、各色毎に異なる半導体ウエハに膨大な数の微小LEDを作り込み、個片化し、色毎にディスプレイ回路基板に順次実装しなければならず、歩留まりの低下とタクトタイムの延長とが避けられない。
 このため、紫外波長~青色波長領域内の光を発する単色マイクロLEDの直上に、カラーコンバータとしての赤色変換層、緑色変換層、更に必要に応じて青色変換層を設けたマイクロLEDサブピクセルを組み合わせて画素を構成することにより、マイクロLEDフルカラーディスプレイパネルを構成することが提案されている(特許文献1)。この技術によれば、単色の1種類のマイクロLEDが必要とされるだけなので、マイクロLED自体の形成、個片化、実装の手間を大きく省くことができ、歩留まりの低下とタクトタイムの延長とを抑制することが可能となっている。
 他方、このようなマイクロLEDサブピクセルの直上にカラーコンバータとしての色変換層を設ける手法としては、フォトリソグラフ法、スクリーン印刷法、インクジェット法が検討されている。フォトリソグラフ法は、キャリアフィルム上に、色変換層形成用組成物の塗布、露光、現像、ベーキング、エッチング、洗浄等の一連の工程を色毎に繰り返して赤色変換層、緑色変換層及び青色変換層を順次形成することにより得た色変換光学フィルムの当該色変換層を、ブラックマトリックスが形成されたマイクロLEDアレイにアライメントして圧着転写させることを、色毎に繰り返す方法である。また、スクリーン印刷法は、キャリアフィルム上にスクリーン版を介して色変換層形成用組成物を塗布・乾燥する工程を繰り返して赤色変換層、緑色変換層及び青色変換層を順次形成し、ブラックマトリックスが形成されたマイクロLEDアレイにアライメントして圧着転写させることを、色毎に繰り返す方法である。また、インクジェット法は、ブラックマトリックスが形成されたマイクロLEDアレイに直接的に色変換層形成用組成物インクを色毎に吐出させ、硬化させる方法である。
特表2016-523450号公報
 しかしながら、フォトリソグラフ法もスクリーン印刷法もいずれも工程数が多いため、色変換層の形成における歩留まりの低下やタクトタイムの延長が生じ、また、色変換層の厚み制御や単色マイクロLEDに対するアライメントも難しいという問題がある。特に、画素の周囲にブラックマトリックスが形成されている場合には、このようなアライメントが一層難しくなる。しかも、色変換層が多数の工程を経るため、LEDに対する色変換層の転着性の制御が難しいだけでなく、色変換層にいわゆる量子ドット材料を利用した場合には、量子ドット材料の色変換機能が酸化等により損なわれるという問題がある。
 他方、インクジェット法は、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷法に比べて工程数が少なく、アライメントも比較的容易であり、量子ドット材料の色変換機能を相対的に害さないものの、基本的には一つのインクジェットノズルから単色の色変換層形成用組成物インクを吐出するため、フルカラーディスプレイ用のマイクロLEDアレイの全面に赤色、緑色及び青色の色変換層を形成するには長時間のインクジェット操作が必要となり、また、一辺が30μm以下の非常に小さいマイクロLEDの直上に色変換層形成用組成物インクを供給しようとすると、吐出ノズルの孔径を小さくしなければならず、目詰まりの発生が懸念され、そのような色変換層形成用組成物インクを良好に吐出させるための粘度コントロールも難しいという問題がある。
 本発明は、上述した従来の課題を解決しようとするものであり、紫外波長~青色波長領域の光を発する単色マイクロLEDの直上に、赤色変換層、緑色変換層、必要に応じ更に青色変換層、もしくは白色変換層等の色変換層を設けたマイクロLEDサブピクセルからマイクロLEDデバイスの画素を構成する場合に、従来のフォトリソグラフ法やスクリーン印刷法、インクジェット法に伴う問題を生ずることなく、色変換層を設けることができるようにすることを目的とする。
 本発明者らは、半導体装置の製造技術の1つとして知られているレーザーリフトオフ法を利用してマイクロLEDの直上に色変換層を設けることにより上述の目的を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 即ち、本発明は、第1の態様として、回路基板に配置されているマイクロLEDの直上に色変換層が配置されているマイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(a)、工程(b)及び工程(c)を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法を提供する。
 工程(a)
 回路基板にマイクロLEDを配置する工程;
 工程(b)
 回路基板に配置されているマイクロLEDに対して、光透過性シート基材の片面に色変換層が形成されている色変換光学シート材料の当該色変換層を対向させる工程;及び
 工程(c)
 色変換光学シート材料の色変換層に対し、光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の色変換層をマイクロLEDの直上に転写する工程。
 また、本発明は、第2の態様として、マイクロLEDデバイスの1画素が、サブピクセルとして3個の青色マイクロLEDを備え、3個の青色マイクロLEDのうちの一つの青色マイクロLEDの直上に赤色変換層が形成され、別の一つの青色マイクロLEDの直上に緑色変換層が形成され、残りの一つの青色マイクロLEDの直上には色変換層が形成されていない当該マイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(A)、工程(B)及び工程(C)を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法を提供する。
 工程(A)
 回路基板に青色マイクロLEDを配置する工程;
 工程(B)
 マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の青色マイクロLEDの一つの青色マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に赤色変換層が形成されている赤色変換光学シート材料の当該赤色変換層を対向させ、別の一つの青色LEDに対し、光透過性シート基材の片面に緑色変換層が形成されている緑色変換光学シート材料の当該緑色変換層を対向させる工程;及び
 工程(C)
 赤色変換光学シート材料の赤色変換層及び緑色変換光学シート材料の緑色変換層に対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の赤色変換層及び緑色変換層を青色マイクロLEDの直上に転写する工程。
 更に、本発明は、第3の態様として、マイクロLEDデバイスの1画素が、サブピクセルとして3個の紫外線マイクロLEDを備え、3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLEDの直上に赤色変換層が形成され、別の一つの紫外線マイクロLEDの直上に緑色変換層が形成され、残りの紫外線マイクロLEDの直上に青色変換層が形成されている当該マイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(AA)、工程(BB)及び工程(CC)を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法を提供する。
 工程(AA)
 回路基板に紫外線マイクロLEDを配置する工程;
 工程(BB)
 マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に赤色変換層が形成されている赤色変換光学シート材料の当該赤色変換層を対向させ、別の一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に緑色変換層が形成されている緑色変換光学シート材料の当該緑色変換層を対向させ、残りの一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に青色変換層が形成されている青色変換光学シート材料の当該青色変換層を対向させる工程;及び
 工程(CC)
 赤色変換光学シート材料の赤色変換層、緑色変換光学シート材料の緑色変換層、及び青色変換光学シート材料の青色変換層に対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の赤色変換層、緑色変換層、及び青色変換層を紫外線マイクロLEDの直上に転写する工程。
 加えて、本発明は、第4の態様として、レーザーリフトオフ法を利用して色変換層をマイクロLEDに配置するための色変換光学シート材料であって、
 光透過性シート基材と、その片面に配置された色変換層とを有し、
 色変換層は、青色レーザー光の照射を受けて赤色蛍光、緑色蛍光もしくは白色蛍光を発する蛍光体粒子又は量子ドット粒子、又は紫外線レーザー光の照射を受けて赤色蛍光、緑色蛍光、青色蛍光もしくは白色蛍光を発する蛍光体粒子又は量子ドット粒子が硬化性樹脂組成物中に分散したものであり、JIS Z0237によるタック力が0.1MPa以上である、
色変換光学シート材料を提供する。
 また、本発明は、第5の態様として、本発明の色変換光学シート材料の色変換層が表面に配置されたマイクロLEDデバイスを備えた光学機器、例えばモバイルフォーン、パーソナルコンピューター、テレビジョンセット、VRデバイス又はモニターのフルカラーディスプレイパネル、白色光源パネルを提供する。
 本発明のマイクロLEDデバイスの製造方法においては、マイクロLEDの直上に色変換層を形成する際に、光透過性シート基材に色変換層が形成されている色変換光学シート材料を用いてレーザーリフトオフ法を利用する。このため、以下に示すような効果が得られる。
*色変換層がフィルム形態となっているため、厚みのコントロールが容易である。
*レーザーの照射エリアを非常に小さく絞ることができるため、一辺が10μm程度の非常に小さいマイクロLEDに色変換層を形成することができる。
*色変換光学シート材料から色変換層を非常に短い時間で離脱させ、マイクロLEDに着弾させることができるので、4K又は8K解像度のLEDデバイスを製造する際に、マイクロLEDの短時間でのマストランスファー処理が容易である。
*色変換層がフィルム形態となっているため、マイクロLEDと色変換層との間の転着性を考慮する必要性を低下させることができ、剥離バランスのコントロールも容易となる。
*画素の周囲にブラックマトリックスが形成されていても、色変換光学シート材料から色変換層を容易に離脱させ、マイクロLEDへ色変換層を容易に転写することができる。
*色変換層がフィルム形態となっているため、インクジェット法に適用する色変換層形成用組成物インクの場合に必要な粘度コントロールが不要となり、色変換層の構成材料の自由度を増大させることができる。
本発明の第1の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第1の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第2の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第2の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第2の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第2の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第3の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第3の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第3の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第3の態様のマイクロLEDデバイスの製造方法の工程説明図である。 本発明の第4の態様の色変換光学シート材料の概略断面図である。 本発明の第4の態様の色変換光学シート材料の概略断面図である。
 以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
<<本発明の第1の態様>>
 本発明の第1の態様は、回路基板に配置(具体的には回路配線端子(図示せず)に配置)されているマイクロLEDの直上に色変換層が配置されているマイクロLEDデバイスの製造方法である。この製造方法は、以下の工程(a)、工程(b)及び工程(c)を有する。工程毎に詳細に説明する。
<工程(a)>
 工程(a)は、ディスプレイ基板等の回路基板にマイクロLEDを配置する工程である。工程(a)において、回路基板へのマイクロLEDの配置を、図1Aに示すように、複数のマイクロLED1が形成されているマイクロLEDウエハ2を、回路基板3に貼り合わせることで行うことができる。これにより、マイクロLEDのマストランスファーが可能となる。回路基板3とマイクロLEDウエハ2との貼り合わせは、公知の手法で行うことができ、例えば、ハンダリフロー処理により行うことができる。あるいは、導電接着フィルム、異方性導電フィルム、あるいは絶縁接着フィルムを介して熱圧着することにより行うこともできる。マイクロLED1と回路基板3との電気的接続も公知の手法により行うことができる。例えば、マイクロLEDウエハ2に形成したスルーホール(図示せず)を介して行うことができる。
 また、工程(a)において、回路基板3へのマイクロLED1の配置を、公知のレーザーリフトオフ法(例えば、特開2017-157724号公報参照)又はそれに準じた方法により行うこともできる。たとえば、マイクロLEDのピッチと回路基板側のピッチとの位置合わせのため、マイクロLEDウエハ上のマイクロLEDを粘着シリコーンシート(PDMS)上にレーザーリフトオフ法により転写させ、次に、マイクロLEDが転写された粘着シリコーンシートを、硬化性ポリイミド層が塗布により形成されたガラス基板(光透過性シート基材)に貼り合わせ、続いて粘着シリコーンシートを剥離し、マイクロLEDが硬化性ポリイミド層を介して配置されたガラス基板を光透過性シート基材4として取得し、次に、図1Bに示すように、回路基板3に光透過性シート基材4のマイクロLED1を対向・位置合わせし、光透過性シート基材4側からマイクロLED1に対してレーザー光Lを照射することにより、レーザー光Lが照射されたマイクロLED1を硬化性ポリイミド層(図示を省略)ともども回路基板3に移送(もしくは転写)することで行うことができる。なお、レーザー光波長、レーザー出力、レーザー照射時間等のレーザーリフトオフ条件については、レーザー照射対象のサイズや構成材料の種類等に応じて適宜決定することができる。なお、レーザーリフトオフ法を実施するためのレーザーリフトオフ装置としては、市販のレーザーリフトオフ装置(Invisi-LUM-XTR、信越化学工業(株)等)を使用することができる。また、回路基板3へのマイクロLED1の配置を、公知のスタンプ材を用いた転写法(例えば、特開2021-141160号公報)により行うこともできる。
 なお、この工程(a)に先立って、図1Bに示すように、マイクロLED1が配置されるべき回路基板3の所定位置(例えば配線回路端子)に、回路基板3とマイクロLED1とを電気的に接続するための導電フィルム、例えば異方性導電フィルム5を配置しておくことが好ましい。この場合、配置しておく異方性導電フィルム5は、熱圧着により配置させてもよいが、レーザーリフトオフ法により異方性導電フィルム5の個片を配置しておくこともできる。より詳しくは、光透過性シート基材4の片面に積層された層状の異方性導電層又はその個片に対し、光透過性シート基材4側からレーザー光を照射し、レーザー光が照射された部分の異方性導電層又はその個片を、マイクロLED1が配置される前の回路基板3の所定位置に転写させることにより行うことができる。これにより異方性導電フィルムが回路基板全体を覆い尽くすことが無いため、マイクロLEDデバイスを透明ディスプレイ用途に好ましく使用することができ、しかもリペア用回路やその他の回路を設けることが可能となる等の回路設計の自由度が増すという効果が得られる。レーザー光波長、レーザー出力、レーザー照射時間等のレーザーリフトオフ条件については、使用するレーザー照射対象のサイズや構成材料の種類等に応じて適宜決定することができる。
<工程(b)>
 工程(b)は、図2Aに示すように、回路基板3に配置されているマイクロLED1に対して、光透過性シート基材21の片面に色変換層22が形成されている色変換光学シート材料20の当該色変換層22を対向させる工程である。この場合、図2Aのように、色変換層22を個片として配置させることが好ましい。これにより回路基板3に余分な材料を確実に付着させないようにできるため、他の部材の実装に支障を生じさせず、また、マイクロLEDの良好なリペア性を担保することができる。あるいは、図2Bのように、色変換層22を、光透過性シート基材21を比較的広い面積で覆う層状としてもよい。色変換光学シート材料20において、色変換層22を光透過性シート基材21に個片で配置する手法としては、公知の手法を使用することができる。例えば、フォトリソグラフ法、スクリーン印刷法、インクジェット法等により色変換層22を個片とすることができるが、レーザーリフトオフ法により個片とすることもできる。レーザー光波長、レーザー出力、レーザー照射時間等のレーザーリフトオフ条件については、レーザー照射対象のサイズや構成材料の種類等に応じて適宜決定することができる。
 なお、色変換層22は、マイクロLEDが発する光の照射を受けて、他の波長域の蛍光を発する層であり、具体的には、青色光、好ましくは青色レーザー光の照射を受けて、赤色蛍光または緑色蛍光、あるいは白色蛍光を発する層であるか、又はマイクロLEDが発する紫外線、好ましくは紫外線レーザー光の照射を受けて、赤色蛍光、緑色蛍光又は青色蛍光、あるいは白色蛍光を発する層である。このような色変換層22は、粉末状の色変換材料が硬化性樹脂組成物に分散したものであり、それらの詳細は、本発明の第4の態様において説明する。
<工程(c)>
 工程(c)は、図3に示すように、色変換光学シート材料20の色変換層22の個片に対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材21側からレーザー光Lを照射することにより、レーザー光Lが照射された部分の色変換層22をマイクロLED1の直上に転写する工程である。図3では、色変換光学シート材料20に色変換層22が個片として配置されている。このような色変換光学シート材料20は、公知の手法、インクジェット法等により作成することができるが、レーザーリフトオフ法により、個片として残すべき位置以外の色変換層22を除去することにより作成することもできる。レーザー光波長、レーザー出力、レーザー照射時間等のレーザーリフトオフ条件については、レーザー照射対象のサイズや構成材料の種類等に応じて適宜決定することができる。転写した色変換層22は、必要に応じて熱圧着、熱エージング等により安定的にマイクロLED1に固定化することができる。また、必要に応じて、色変換層が配置されたマイクロLEDを樹脂封止することができる。この場合、色変換層が配置されたマイクロLEDが設けられた回路基板全体を樹脂封止してもよい。
 なお、色変換層をマイクロLED1の「直上に転写」する際、マイクロLEDの光出射面に直接接触するように色変換層を配置してもよく、光出射面にシリコーンフィルムなどの保護フィルムが介在してもよい。
<<本発明の第2の態様>>
 本発明の第2の態様は、第1の態様の具体例の一つであり、マイクロLEDとして波長域が430~500nmの青色光を発する青色マイクロLEDのみを使用したマイクロLEDデバイスの製造方法である。このマイクロLEDデバイスは、図4に示すように、回路基板41に異方性導電フィルム5を介して青色マイクロLED40a、40b、40cが配置された構造を有し、より具体的には、マイクロLEDデバイスの1画素がサブピクセルとして3個の青色マイクロLED40a、40b、40cを備え、3個の青色マイクロLEDの一つの青色マイクロLED40aの直上に赤色変換層22Rが形成され、別の一つの青色マイクロLED40bの直上に緑色変換層22Gが形成され、残りの一つの青色マイクロLED40cの直上には色変換層が形成されていない態様である。この製造方法は、以下の工程(A)、工程(B)及び工程(C)を有する方法であり、本発明の第1の態様に準ずるものであり、以下に工程毎に説明する。
<工程(A)>
 先ず図5Aに示すように、回路基板41に異方性導電フィルム5を介して青色マイクロLED40a、40b、40cを配置する。これらの3個の青色マイクロLEDでマイクロLEDデバイスの1画素が構成される。
<工程(B)>
 次に、図5Bに示すように、マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の青色マイクロLEDの一つの青色マイクロLED40aに対し、光透過性シート基材21の片面に赤色変換層22Rが形成されている赤色変換光学シート材料20Rの当該赤色変換層22Rを対向させ、別の一つの青色LED40bに対し、光透過性シート基材21の片面に緑色変換層22Gが形成されている緑色変換光学シート材料20Gの当該緑色変換層22Gを対向させる。
 この工程(B)において、赤色変換光学シート材料20Rと緑色変換光学シート材料20Gとは、別々のフィルムであってもよいが、共通の光透過性シート基材21に、赤色変換層22Rと緑色変換層22Gとが交互に、好ましくはそれらの個片が交互に配置されていてもよい。個片とする手法としては、公知の手法を採用することができるが、レーザーリフトオフ法により行うことが、色変換層の配置時間を短縮できるため好ましい。
<工程(C)>
 次に、図5Cに示すように、赤色変換光学シート材料20Rの赤色変換層22R及び緑色変換光学シート材料20Gの緑色変換層22Gに対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材21側からレーザー光Lを照射することにより、レーザー光Lが照射された部分の赤色変換層22R及び緑色変換層22Gを青色マイクロLED40a、40bの直上に転写することにより、図4に示すような画素を有するマイクロLEDデバイスを製造することができる。色変換層の転写の順序は必要に応じ適宜変えることができる。また、必要に応じて、色変換層が配置されたマイクロLEDを樹脂封止することができる。この場合、色変換層が配置されたマイクロLEDが設けられた回路基板全体を樹脂封止してもよい。
<<本発明の第3の態様>>
 本発明の第3の態様は、第1の態様の具体例の一つであり、マイクロLEDとして波長域が300~400nmの紫外線を発する紫外線LEDのみを使用したマイクロLEDデバイスの製造方法であり、図6Aに示すように、その1画素がサブピクセルとして3個の紫外線マイクロLED50a、50b、50cを備え、3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLED50aの直上に赤色変換層22Rが形成され、別の一つの紫外線マイクロLED50bの直上に緑色変換層22Gが形成され、残りの一つの紫外線マイクロLED50cの直上に青色変換層22Bが形成されている態様である。この製造方法は、以下の工程(AA)、工程(BB)及び工程(CC)を有する方法であり、本発明の第1の態様に準ずるものであり、以下に工程毎に説明する。
<工程(AA)>
 先ず図6Aに示すように、回路基板51に紫外線マイクロLED50a、50b、50cを配置する。これらの3個の紫外線マイクロLEDでマイクロLEDデバイスの1画素が構成される。
<工程(BB)>
 次に図6Bに示すように、マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLED50aに対し、光透過性シート基材21の片面に赤色変換層22Rが形成されている赤色変換光学シート材料20Rの当該赤色変換層22Rを対向させ、別の一つの紫外線マイクロLED50bに対し、光透過性シート基材21の片面に緑色変換層22Gが形成されている緑色変換光学シート材料20Gの当該緑色変換層22Gを対向させ、残りの一つの紫外線マイクロLED50cに対し、光透過性シート基材21の片面に青色変換層22Bが形成されている青色変換光学シート材料20Bの当該青色変換層22Bを対向させる。
<工程(CC)>
 次に図6Cに示すように、赤色変換光学シート材料20Rの赤色変換層22R、緑色変換光学シート材料20Gの緑色変換層22G、及び青色変換光学シート材料20Bの青色変換層22Bに対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材21側からレーザー光Lを照射することにより、レーザー光Lが照射された部分の赤色変換層22R、緑色変換層22G及び青色変換層22Bを紫外線マイクロLED50a、50b及び50cの直上に転写し、図6Dに示すような画素を有するマイクロLEDデバイスを製造することができる。色変換層の転写の順序は必要に応じ適宜変えることができる。また、必要に応じて、色変換層が配置されたマイクロLEDを樹脂封止することができる。この場合、色変換層が配置されたマイクロLEDが設けられた回路基板全体を樹脂封止してもよい。
<<本発明の第4の態様>>
 本発明の第4の態様は、レーザーリフトオフ法を利用して色変換層をマイクロLEDに配置するための色変換光学シート材料であり、前述した本発明の第1、第2及び第3の態様の製造方法で好ましく使用されるものである。
 図7Aに示すように、この色変換光学シート材料70は、光透過性シート基材71と、その片面に配置された色変換層72とを有する。色変換層72は、波長430~500nmの青色レーザー光の照射を受けて波長600~670nmの赤色蛍光または波長500~570nmの緑色蛍光、もしくは波長430~670nmの白色蛍光を発する量子ドット粒子又は蛍光体粒子が、硬化性樹脂組成物中に分散したものである。あるいは波長300~400nmの紫外線レーザー光の照射を受けて波長600~670nmの赤色蛍光、波長500~570nmの緑色蛍光又は波長430~500nmの青色蛍光、もしくは波長430~670nmの白色蛍光を発する量子ドット粒子又は蛍光体粒子が、硬化性樹脂組成物中に分散したものである。
 色変換光学シート材料70を構成する光透過性シート基材71は、色変換光学シート材料70の保存時には色変換層72を保持しているが、レーザーリフトオフ時には色変換層72を離脱させるリリース基材として機能するものである。このような光透過性シート基材71の材料としては、波長200~400nmの光を好ましくは30%以上透過する材料であり、石英ガラス、ガラス、ケイ酸塩ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。このような光透過性シート基材71の厚みは、好ましくは100~1000μm、より好ましくは300~700μmである。
 色変換層72は、図7Aに示すように、光透過性シート基材71の片面全面に個片で形成されていてもよく、図7Bに示すように、広い面積で層状に形成されていてもよい。図7Aの色変換光学シート材料70は、図7Bの色変換光学シート材料70の色変換層72について、個片として残すべき箇所以外の色変換層72をレーザーリフトオフ法のレーザー照射により除去することにより作成することができる。レーザー光波長、レーザー出力、レーザー照射時間等のレーザーリフトオフ条件については、レーザー照射対象のサイズや構成材料の種類等に応じて適宜決定することができる。
 色変換層72の層厚としては、好ましくは2~30μm、より好ましくは4~20μmである。
 色変換層72を構成する量子ドット粒子又は蛍光体粒子としては、公知のものを使用することができる。両者は併用することができる。
 本発明において、量子ドット粒子とは、1つの波長の光を吸収し、別の波長の光を放出する波長変換材料であり、サイズが十分に小さいもの(数十ナノメートル未満)であるため、量子閉じ込め効果により、電気的特性及び光学的特性がバルク特性とは異なる半導体材料である。例えば、量子ドット粒子の発光特性は、それらの組成よりも、それらのサイズ及び形状に大きく関連する。量子ドット粒子の蛍光は、特定の波長を吸収することによって、価電子を励起した後に続く、その励起電子が基底状態に戻る際の、光子の形態での、より低いエネルギーの放出に基づくものである。量子閉じ込め効果は、価電子と伝導帯とのエネルギー差を、量子ドット粒子のサイズ及び形状に基づいて変化させるものであるから、放出される光子のエネルギー及び波長が、量子ドット粒子のサイズ及び形状に依存することを意味する。このことは、量子ドット粒子が大きいほど、その蛍光スペクトルのエネルギーは低くなる。したがって、より小さい量子ドット粒子は、より青い光(より高いエネルギー)を放出し、より大きい量子ドットは、より赤い光(より低いエネルギー)を放出する。このことにより、鮮明な発光スペクトル及び高い量子効率を有する、可視スペクトル全体にわたる、半導体光ルミネセンス発光波長の、サイズ依存性の調整が可能となる。
 量子ドット粒子の例としては、限定されるものではないが、II-VI族、III-V族、IV-VI族半導体材料が挙げられる。例えば、化合物半導体材料として、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、AlAs、AlP、AlSbが挙げられる。合金半導体材料としては、InGaP、ZnSeTe、ZnCdS、ZnCdSe、及びCdSeSが挙げられる。
 本発明において、蛍光体粒子とは、その組成に起因するルミネセンスを呈する粒子である。例えば、硫化物、アルミン酸塩、酸化物、ケイ酸塩、窒化物、YAG(任意選択的にセリウムでドープ)、及びテルビウムアルミニウムガーネット(TAG)ベースの材料が挙げられる。具体的には、以下の蛍光体が例示される。
 黄色-緑色発光蛍光体:
 (Ca,Sr,Ba)Al24:Eu(緑色)、(Lu,Y)3Al512:Ce3+(LuAG,YAG)(黄色-緑色)、Tb3Al512:Ce3+(TAG)(黄色-緑色);
 橙色-赤色発光蛍光体:
 BaMgAl1017:Eu:2+(Mn2+)、Ca2Si58:Eu2+(橙色-赤色)、(Zn,Mg)S:Mn(緑色、赤色)、(Ca,Sr,Ba)S:Eu:2+(赤色);
 青色及び黄色-緑色発光用のuv-紺青色吸収蛍光体:
(Mg,Ca,Sr,Ba)2SiO4:Eu2+(uv-青色励起、黄色発光)、(Mg,Ca,Sr,Ba)3Si27:Eu2+(uv-紺青色励起、青色-緑色発光)、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+(uv-紺青色励起、青色発光);及び
 組成及び処理に応じて可視スペクトルの全範囲にわたって発光することが可能な蛍光体:
 (Sr,Ca,Ba)Sixyz:Eu2+(y>0緑色、y=0赤色)、Y22S:Eu3+(青色-緑色)、(Ca,Mg,Y)vSiWAlxyz:Eu2(黄色-緑色-赤色)。
 これらの蛍光体粒子の粒径としては、好ましくは1μm~20μmであり、100nm~1μmとすることもできる。蛍光体粒子は、また、1μm~20μmの粒子と100nm~1μmのナノ粒子とのブレンド粒子とすることもできる。ここで、ナノ粒子は、例えば、硬化又は溶媒除去の前に、波長変換層のマトリックス材料内部に分散される際の、沈降の量を低減するために役立ち得るものであり、このことは、より均等な蛍光体粒子の分布及び発光デバイスの発光を実現可能とする。
 なお、色変換層72には、TiO2又はAl23粒子などの光散乱剤を含有させることができる。光散乱剤は、色変換層内部の散乱光を増大させることによって、蛍光体粒子の発光効率を高めることができ、また、色変換層から出射する光の滲みを低減させることができる。
 色変換層72には、更に、顔料又は染料を含有させることができる。これにより、色変換層から出射する光の色補正を行うことができる。このような顔料又は染料として、蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有するものを使用することができる。例えば、リソールルビン(赤色)、B-銅タロシアニン(青色)、及びジアリライドイエロー(黄色)が挙げられる。
 色変換層72を構成する硬化性樹脂組成物としては、好ましくは公知の熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂組成物を使用できる。経時安定性・信頼性の点から熱硬化性樹脂組成物を使用することが好ましい。このような硬化性樹脂組成物は、色変換層72がマイクロLEDへ良好に転写可能となるように、優れたクッション性(衝撃吸収性)を示すことが好ましい。これにより、チップ部品のずれ、変形、破壊、抜けなどの不良の発生を抑制し、レーザー光の照射によるチップ部品の転写率を向上させることができる。このようなクッション性は、後述するように、デュロメータA硬度及び/又は貯蔵弾性率で評価することができる。
 色変換層72のデュロメータA硬度は、好ましくは20以上40以下、より好ましくは20以上35以下、特に好ましくは20以上30以下である。デュロメータA硬度が高すぎる場合、色変換層が硬すぎて、チップ部品の変形、破壊などの不良が発生し易くなる傾向にあり、デュロメータA硬度が低すぎる場合、色変換層が柔らかすぎて、チップ部品のずれなどの不良が発生し易くなる傾向にある。色変換層のデュロメータA硬度は、JIS K6253に準拠し、デュロメータA測定装置(高分子計器(株))を用いてゴム硬度(日本工業規格JIS-A硬度)で測定することができる。
 色変換層72の貯蔵弾性率は、好ましくは60MPa以下、より好ましくは30MPa以下、特に好ましくは10MPa以下である。貯蔵弾性率が高すぎる場合、レーザー照射で高速に弾き出されたチップ部品の衝撃を吸収できず、チップ部品の転写率が低下する傾向にある。貯蔵弾性率は、押し込み試験装置を用いた動的粘弾性試験(温度30℃、周波数200Hz、直径100μmのフラットパンチを使用、目標押し込み深さを1μm、周波数1~200Hzの範囲を掃引)により求めることができる。
 また、硬化後の色変換層72について、JIS K7244に準拠した引張モードで測定された貯蔵弾性率(30℃)は、好ましくは100MPa以上、より好ましくは2000MPa以上である。温度30℃における貯蔵弾性率が低すぎる場合、接続信頼性が低下することが懸念される。
 色変換層72を構成する熱硬化性樹脂組成物は、ゴム成分と、膜形成樹脂と、熱硬化性樹脂と、熱硬化剤と、量子ドット粒子又は蛍光体粒子とを含有するものである。必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で公知の他の添加剤を含有することができる。量子ドット粒子又は蛍光体粒子の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
(ゴム成分)
 熱硬化性樹脂組成物が含有するゴム成分は、色変換層のクッション性(衝撃吸収性)を付与するための成分であり、クッション性の良好なエラストマーであれば特に限定されるものではなく、具体例として、例えば、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ポリウレタン樹脂(ポリウレタン系エラストマー)などを挙げることができる。これらの中でも、アクリルゴム、シリコーンゴムから選択される1種以上であることが好ましい。ゴム成分の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
(膜形成樹脂)
 膜形成樹脂としては、膜形成性の観点から、好ましくは約10000以上80000以下の重量平均分子量のフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等の種々の樹脂が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂を用いることが好ましい。膜形成樹脂の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは20質量部以上50質量部以下、より好ましくは25質量部以上45質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上45質量部以下である。
(熱硬化性樹脂)
 熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができ、特にエポキシ化合物が好ましい。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーであってもよい。熱硬化性樹脂の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは10質量部以上50質量部以下、より好ましくは20質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上35質量部以下である。
 熱硬化性樹脂として使用できるエポキシ化合物としては、分子内に1つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等であってもよく、ウレタン変性のエポキシ樹脂であっても構わない。これらの中でも、高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば三菱ケミカル(株)製の商品名「YL980」を挙げることができる。熱硬化性樹脂としてエポキシ化合物を使用する場合、エポキシ化合物の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは30質量部以上60質量部以下、より好ましくは35質量部以上55質量部以下、さらに好ましくは35質量部以上45質量部以下である。
(熱硬化剤)
 熱硬化剤は、熱硬化性樹脂に応じて選択され、例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ化合物である場合には、熱アニオン重合開始剤又は熱カチオン重合開始剤を好ましく選択することができ、レーザー光による硬化反応を抑制し、熱により速硬化させることができる熱カチオン重合開始剤をより好ましく選択することができる。熱硬化剤の含有量は、熱硬化剤の種類や熱硬化性樹脂の種類等に応じて決定することができる。熱硬化剤の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは2質量部以上8質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上6質量部以下である。
 なお、エポキシ化合物に好ましく適用可能な熱カチオン重合開始剤としては、熱によりカチオン重合型化合物をカチオン重合させ得る酸を発生するものであり、公知のヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、フェロセン類等を用いることができる。これらの中でも、温度に対して良好な潜在性を示す芳香族スルホニウム塩を好ましく使用することができる。芳香族スルホニウム塩系の重合開始剤の具体例としては、例えば三新化学工業(株)製の商品名「サンエイドSI-60L」を挙げることができる。このような熱カチオン重合開始剤等の熱硬化剤の含有量は、ゴム成分と膜形成樹脂と熱硬化性樹脂と熱硬化剤と量子ドット粒子又は蛍光体粒子との合計100質量部に対し、好ましくは1質量部以上15質量部以下、より好ましくは1質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上8質量部以下である。
(無機フィラー)
 なお、熱硬化性樹脂組成物中には、必要に応じて無機フィラーを含有させてもよい。無機フィラーは、色変換層のデュロメータA硬度、周波数200Hzにおける貯蔵弾性率、及び硬化後の貯蔵弾性率を調整する目的で用いられるものであり、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、シランカップリング剤、希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤等を用いることができる。無機フィラーは、単独でも2種類以上を併用してもよい。
 以上説明した本発明の色変換光学シート材料70は、レーザーリフトオフ時にその色変換層72をマイクロLED1に転写する際に安定的に仮固定(仮止め)できるように、JIS Z0237によるタック力が0.1MPa以上、好ましくは0.5MPa以上であることが好ましい。なお、レーザーリフトオフ時に色変換層72の光透過性シート基材71からの離脱が可能である限り、タック力の上限に特に制限はないが、好ましくは6.0MPa以下、より好ましくは5.0MPa以下である。タック力の制御は、色変換層の構成材料の種類や量を調整することでも可能であるが、色変換層の乾燥条件(乾燥温度、乾燥時間、残存溶剤量等)を調整することにより行うこともできる。
<<本発明の第5の態様>>
 本発明の第5の態様は、本発明の第4の態様の色変換光学シート材料の色変換層が表面に配置されたマイクロLEDデバイスを備えた光学機器、例えばモバイルフォーン、パーソナルコンピューター、テレビジョンセット、VRデバイス又はモニターのフルカラーディスプレイパネル、白色光源パネルを提供する。これらの光学機器は、マイクロLEDデバイスの各画素を3個の単色マイクロLEDサブピクセルうちの二つ又は三つに色変換層を設けるように製造しているので、従来のフォトリソグラフ法やスクリーン印刷法、インクジェット法に伴う問題を生ずることなく、色変換層を設けることができる。
 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
 実施例1
<青色マイクロLEDの発光光を白色光に変換するための色変換光学シート材料>
 トルエン70質量部と、水添スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック(水添SEBS)共重合体(セプトンV9827、(株)クラレ)30質量部とを均一に混合して樹脂ペーストを得た。この樹脂ペースト97質量部と、後述の蛍光体粒子3質量部と、後述の色材0.0022質量部とを均一に混合して得た白色変換層形成用組成物を、ガラス基板に4μmの乾燥厚となるように塗布し、残存トルエン量が10質量%となるように50℃、40秒という条件で乾燥することにより、タック性を有する白色変換層がガラス基板の片面の全面に一様に形成されている色変換光学シート材料を得た。なお、蛍光体粒子として、緑色硫化物系蛍光体(SrGa24:Eu)と赤色硫化物系蛍光体(CaS:Eu)とを44.1:55.9の比率として配合したものを使用した。また、色材として、テトラ-t-ブチル-テトラアザポルフィリンバナジル錯体(山本化成(株)製、光学フィルタ用色素PD-320、吸収極大:595nm)を使用した。また、色変換層のJIS Z0237によるタック力は0.1MPaを大きく超える2MPaであった。
 実施例2
<マイクロLED白色光源パネルの作成>
 まず、Au配線パターンが表面に形成されたガラス回路基板に、異方性導電フィルム(導電粒子径2.2μm、厚み4μmの粒子整列ACF、デクセリアルズ(株))を仮貼りし、その上から青色マイクロLED(34×58μm矩形、単色青色発光(440~475nm)、TGM-G3458A、TSLC Corp.)100個を400μmピッチの正方形アレイとなるように常法に従って配置することによりマイクロLEDアレイ基板を得た。
 次に、実施例1で作成した色変換光学シート材料の白色変換層をマイクロLEDアレイ基板のマイクロLEDに対向させ、その白色変換層に対してガラス基板側から以下の条件のレーザーリフトオフ法によりマイクロLEDアレイパターンでレーザー照射を行い、ガラス基板から白色変換層を個片状に離脱させ、更にマイクロLEDの直上に着弾させることにより転写させた。この操作を残りの99個のマイクロLEDに対しても行い、金属顕微鏡で白色変換層が適正に転写されている数を確認した。その結果、適正に転写されている割合は98%であった。その後、白色変換層を100℃、60秒で本乾燥させ、残存していたトルエンを除去することで白色変換層を固定化した。これにより、白色変換層がマイクロLEDの直上に転写されているマイクロLED白色光源パネルを得た。
 その後、得られたマイクロLED白色光源パネルのマイクロLEDに液状封止剤(ストラクトボンド、三井化学(株))を供給し、150℃で熱エージング処理することにより、白色変換層付きマイクロLEDの樹脂封止を行った。
(レーザーリフトオフ法)
 レーザーリフトオフ装置(MT-30C200、信越化学工業(株))を用いて、以下の条件でレーザーリフトオフを実施した。
レーザー:発振波長248nmのエキシマレーザー
レーザー光のパルスエネルギー: 600J
フルーエンス(fluence): 150J/cm
パルス幅(照射時間): 30000ピコ秒
パルス周波数: 0.01kHz
照射パルス数: 色変換層1小片につき1パルス
色変換層とガラス基材との界面に照射され結像するレーザー光のパルスエネルギー: 0.001~2J
フルーエンス(fluence): 0.001~2J/cm
パルス幅(照射時間): 0.01~1×10ピコ秒
パルス周波数: 0.1~10000Hz
照射パルス数: 1~30,000,000
使用マスク: 色変換層とガラス基板との境界面における投影が、縦400μmピッチ及び横400μmピッチで縦34μm×横58μmのレーザー光の配列となるように、所定ピッチで所定サイズの窓の配列が形成されたパターンを用いた。
 実施例3
<青色マイクロLEDの発光光を白色光に変換するための個片の白色変換層を有する色変換光学シート材料>
 実施例1で調製したものと同じ白色変換層形成用組成物を調製した。この白色変換層形成用組成物をガラス基板の片面に塗布し、残存トルエン量が10質量%となるように50℃、40秒という条件で乾燥し、タック性を有する4μm厚の白色変換層を形成した。次に、ガラス基板側から、400μmピッチの正方形アレイ中に100個の個片の白色変換層(34×58μm矩形)が残るように、実施例2で実施したレーザーリフトオフ法に準じてレーザー照射を行うことにより、ガラス基板の片面に多数の個片の白色変換層を有する色変換光学シート材料を得た。この白色変換層のJIS Z0237によるタック力は0.1MPaを大きく超える2MPaであった。
 実施例4
<マイクロLED白色光源パネルの作成>
 まず、実施例2と同様に、ガラス回路基板に異方性導電フィルムを仮貼りし、その上から青色マイクロLED(34×58μm矩形、単色青色発光(440~475nm)、TGM-G3458A、TSLC Corp.)100個を400μmピッチの正方形アレイとなるように常法に従って配置することにより、マイクロLEDアレイ基板を作成した。
 次に、実施例3で作成した個片の白色変換層を有する色変換光学シート材料の当該白色変換層を、マイクロLEDアレイ基板に対向させ、個片の白色変換層に対してガラス基板側から実施例2と同様の条件でレーザーリフトオフ法に従ってレーザー照射を行い、ガラス基板から個片の白色変換層を離脱させ、更にマイクロLEDの直上に着弾させることにより転写させた。この操作を、実施例2と同様に、残りの99個のマイクロLEDに対しても行い、金属顕微鏡で白色変換層が適正に転写されている数を確認した。その結果、適正に転写されている割合は98%であった。その後、白色変換層を100℃、60秒で本乾燥させ、残存していたトルエンを除去することで白色変換層を固定化した。これにより、白色変換層がマイクロLEDの直上に転写されているマイクロLED白色光源パネルを得た。
 その後、得られたマイクロLED白色光源パネルのマイクロLEDに液状封止剤(ストラクトボンド、三井化学(株))を供給し、150℃で熱エージング処理することにより、白色変換層付きマイクロLEDの樹脂封止を行った。
 実施例5~7
<色変換光学シート材料のタック力の調整>
 実施例1で調製したものと同じ白色変換層形成用組成物を調製した。この白色変換層形成用組成物を用い、実施例3と同様に、ガラス基板の片面に、400μmピッチの正方形アレイ中に100個の個片の組成物層(乾燥厚4μmで35×60μm矩形)を形成し、残存トルエン量がそれぞれ5質量%(実施例5)、20質量%(実施例6)及び30質量%(実施例7)となるように、50℃で60秒(実施例5)、20秒(実施例6)及び10秒(実施例7)という条件でそれぞれ乾燥することにより、タック性を有する個片の白色変換層を形成した。これにより、ガラス基板の片面に多数の個片の白色変換層を有する色変換光学シート材料をそれぞれ得た。また、白色変換層のJIS Z0237によるタック力は、それぞれ0.1MPaを超える0.5MPa(実施例5)、5.0MPa(実施例6)及び6.0MPa(実施例7)であった。従って、実施例5~7の結果から、色変換光学シート材料のタック力は、白色変換層形成用組成物の乾燥条件によりコントロールできることが分かった。
 本発明のマイクロLEDデバイスの製造方法においては、単色または紫外線マイクロLEDの直上に色変換層を形成する際に、光透過性シート基材に色変換層が形成されている色変換光学シート材料を用いてレーザーリフトオフ法を利用する。このため、色変換層の厚みコントロールが容易であり、非常に小さいマイクロLEDの表面に色変換層を形成でき、また、インクジェット法を利用した場合と異なり、色変換層形成用組成物の粘度コントロールの負担が軽微となり、色変換層の構成材料の自由度を増大させることができる。また、マイクロLEDの短時間でのマストランスファー処理が容易となる。更に、マイクロLEDと色変換層との間の転着性を考慮する必要性を低下させ、剥離バランスのコントロールも容易となる。加えて、画素の周囲にブラックマトリックスが形成されていても、色変換光学シート材料から色変換層を容易に離脱させ、LEDへ色変換層を容易に転写することができる。よって、本発明の製造方法は、マイクロLEDデバイスの製造方法として有用である。
 1 マイクロLED
 2 マイクロLEDウエハ
 3、41、51 回路基板
 4、21、71 光透過性シート基材
 5 異方性導電フィルム
 20、70 色変換光学シート材料
 20R 赤色変換光学シート材料
 20G 緑色変換光学シート材料
 20B 青色変換光学シート材料
 22、72 色変換層
 22R 赤色変換層
 22G 緑色変換層
 22B 青色変換層
 40a、40b、40c 青色マイクロLED
 50a、50b、50c 紫外線マイクロLED
 L レーザー光

Claims (11)

  1.  回路基板に配置されているマイクロLEDの直上に色変換層が配置されているマイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(a)、工程(b)及び工程(c):
     工程(a)
     回路基板にマイクロLEDを配置する工程;
     工程(b)
     回路基板に配置されているマイクロLEDに対して、光透過性シート基材の片面に色変換層が形成されている色変換光学シート材料の当該色変換層を対向させる工程;及び
     工程(c)
     色変換光学シート材料の色変換層に対し、光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の色変換層をマイクロLEDの直上に転写する工程、
    を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法。
  2.  工程(c)において、レーザー光が照射された部分の色変換層をマイクロLEDの直上に転写する際に、色変換層の個片を転写する請求項1記載の製造方法。
  3.  工程(a)において、回路基板へのマイクロLEDの配置を、複数のマイクロLEDが形成されているLEDウエハを回路基板に貼り合わせることで行う請求項1又は2記載の製造方法。
  4.  工程(a)において、回路基板へのマイクロLEDの配置を、光透過性シート基材の片面に配置されたマイクロLEDに対し、光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射されたマイクロLEDを回路基板に移送することで行う請求項1又は2記載の製造方法。
  5.  工程(a)に先立って、マイクロLEDが配置されるべき回路基板の所定位置に、回路基板とマイクロLEDとを電気的に接続するための導電フィルムを個片で配置しておく請求項1又は2記載の製造方法。
  6.  マイクロLEDデバイスの1画素が、サブピクセルとして3個の青色マイクロLEDを備え、3個の青色マイクロLEDの一つの青色マイクロLEDの直上に赤色変換層が形成され、別の一つの青色マイクロLEDの直上に緑色変換層が形成され、残りの一つの青色マイクロLEDの直上には色変換層が形成されていない当該マイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(A)、工程(B)及び工程(C):
     工程(A)
     回路基板に青色マイクロLEDを配置する工程;
     工程(B)
     マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の青色マイクロLEDの一つの青色マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に赤色変換層が形成されている赤色変換光学シート材料の当該赤色変換層を対向させ、別の一つの青色LEDに対し、光透過性シート基材の片面に緑色変換層が形成されている緑色変換光学シート材料の当該緑色変換層を対向させる工程;及び
     工程(C)
     赤色変換光学シート材料の赤色変換層及び緑色変換光学シート材料の緑色変換層に対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の赤色変換層及び緑色変換層を青色マイクロLEDの直上に転写する工程、
    を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法。
  7.  マイクロLEDデバイスの1画素が、サブピクセルとして3個の紫外線マイクロLEDを備え、3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLEDの直上に赤色変換層が形成され、別の一つの紫外線マイクロLEDの直上に緑色変換層が形成され、残りの紫外線マイクロLEDの直上に青色変換層が形成されている当該マイクロLEDデバイスの製造方法であって、以下の工程(AA)、工程(BB)及び工程(CC):
     工程(AA)
     回路基板に紫外線マイクロLEDを配置する工程;
     工程(BB)
     マイクロLEDデバイスの1画素を構成する3個の紫外線マイクロLEDの一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に赤色変換層が形成されている赤色変換光学シート材料の当該赤色変換層を対向させ、別の一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に緑色変換層が形成されている緑色変換光学シート材料の当該緑色変換層を対向させ、残りの一つの紫外線マイクロLEDに対し、光透過性シート基材の片面に青色変換層が形成されている青色変換光学シート材料の当該青色変換層を対向させる工程;及び
     工程(CC)
     赤色変換光学シート材料の赤色変換層、緑色変換光学シート材料の緑色変換層、及び青色変換光学シート材料の青色変換層に対し、レーザーリフトオフ法により光透過性シート基材側からレーザー光を照射することにより、レーザー光が照射された部分の赤色変換層、緑色変換層、及び青色変換層を紫外線マイクロLEDの直上に転写する工程、
    を有することを特徴とするマイクロLEDデバイスの製造方法。
  8.  レーザーリフトオフ法を利用して色変換層をマイクロLEDに配置するための色変換光学シート材料であって、
     光透過性シート基材と、その片面に配置された色変換層とを有し、
     色変換層は、青色レーザー光の照射を受けて赤色蛍光、緑色蛍光もしくは白色蛍光を発する蛍光体粒子又は量子ドット粒子、又は紫外線レーザー光の照射を受けて赤色蛍光、緑色蛍光、青色蛍光又は白色蛍光を発する蛍光体粒子又は量子ドット粒子が硬化性樹脂組成物中に分散したものであり、JIS Z0237によるタック力が0.1MPa以上である、
    色変換光学シート材料。
  9.  色変換層の個片が光透過性シート基材の片面に配置されている請求項8記載の色変換光学シート材料。
  10.  請求項8又は9記載の色変換光学シート材料の色変換層が表面に配置されたマイクロLEDデバイスを備えた光学機器。
  11.  モバイルフォーン、パーソナルコンピューター、テレビジョンセット、VRデバイス又はモニターのフルカラーディスプレイパネル、もしくは白色光源パネルとして使用される請求項10記載の光学機器。
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