WO2024075269A1

WO2024075269A1 - エレベーターの感知器の作動確認システム

Info

Publication number: WO2024075269A1
Application number: PCT/JP2022/037588
Authority: WO
Inventors: 匡史小澤
Original assignee: 三菱電機ビルソリューションズ株式会社
Priority date: 2022-10-07
Filing date: 2022-10-07
Publication date: 2024-04-11

Abstract

メンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合であってもエレベーターの感知器の作動確認作業を一人の保守作業員によって行うことができるエレベーターの感知器の作動確認システムを提供する。感知器（６０）と、感知器（６０）から送信される感知信号を受信する制御盤（３０）と、を有するエレベーター（２０）の感知器（６０）の作動確認システムであって、制御盤（３０）と専用通信回線（１１）を介して接続され、制御盤（３０）による感知信号の受信を取得するサーバ（４０）と、サーバ（４０）と一般通信回線（１２）を介して接続され、サーバ（４０）を介して、制御盤（２０）による感知信号の受信を取得するメンテナンスコンピュータ（５０）とを有する。

Description

エレベーターの感知器の作動確認システム

　本発明は、感知器と、感知器の感知信号を受信する制御盤とを有するエレベーターの感知器の作動確認システムに関する。

　エレベーターには、エレベーターが設置された建物の異常状態を感知する感知器が設けられている。これらの感知器としては、例えば地震感知器、冠水感知器等が知られている（例えば、特許文献１）。エレベーターでは、地震感知器によって地震の揺れを感知した場合、または冠水感知器によってピットの冠水を感知した場合には、安全を考慮してエレベーターの運転を停止している。これらの感知器は、保守点検作業時に作動確認が行われている。感知器の作動確認では、保守作業員が手動で感知器を作動させて感知器から送信された感知信号を制御盤が受信したかどうかについて確認している。

　ところで、上述した地震感知器、冠水感知器等の感知器は、一般的には、エレベーターのピットに設けられている。従来、感知器の作動確認方法としては、保守作業員がメンテナンスコンピュータを携行してピットに入り込み、メンテナンスコンピュータと制御盤とを無線ＬＡＮで接続し、感知器を手動で作動させて、メンテナンスコンピュータによって感知器から送信された感知信号を制御盤が受信したかどうかを確認していた。

特開２０２１－０９１５２３号公報

　しかし、昇降行程が長いエレベーターであって制御盤が最上階に設けられている場合、メンテナンスコンピュータと制御盤との距離が離れ、メンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合もある。なお、昇降行程とは、エレベーターが走行する最上階と最下階との停止位置の距離のことである。

　上述したようにメンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合には、保守作業員が２人がかりで感知器の作動確認を行っている。具体的には、１人の保守作業員がメンテナンスコンピュータを携行して最上階にて待機し、メンテナンスコンピュータと制御盤とを無線ＬＡＮで接続し、もう１人の保守作業員がピット内に入り込み、ピット内の保守作業員が感知器を手動で作動させて、最上階の保守作業員が感知器から送信された感知信号が制御盤に受信されたかどうかをメンテナンスコンピュータによって確認していた。

　このようにエレベーターのレイアウトまたは仕様によって感知器の作動確認の保守作業員数が増える状況では、保守点検作業の作業効率が悪かった。メンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合であっても、エレベーターの感知器の作動確認作業を一人の保守作業員によって行うことができれば望ましい。

　本発明の目的は、メンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合であってもエレベーターの感知器の作動確認作業を一人の保守作業員によって行うことができるエレベーターの感知器の作動確認システムを提供することにある。

　本発明に係るエレベーターの感知器の作動確認システムは、感知器と、感知器から送信される感知信号を受信する制御盤と、を有するエレベーターの感知器の作動確認システムであって、制御盤と第１通信回線を介して接続され、制御盤による感知信号の受信を取得するサーバと、サーバと第２通信回線を介して接続され、サーバを介して、制御盤による感知信号の受信を取得する保守点検端末と、を有することを特徴とする。

　本発明に係るエレベーターの感知器の作動確認システムにおいては、サーバは、エレベーターの運行状況を監視する遠隔監視サーバであることが好ましい。

　本発明に係るエレベーターの感知器の作動確認システムによれば、メンテナンスコンピュータと制御盤とが無線ＬＡＮで接続できない場合であっても、感知器の作動確認作業を一人の保守作業員によって行うことができる。

実施形態の一例である作動確認システムを示す模式図である。エレベーターを示す模式図である。作動確認システムの構成を示すブロック図である。作動確認情報の流れを示すブロック図である。作動確認画面を示す模式図である。感知器の作動確認作業の流れを示すフロー図である。

　以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。

「作動確認システム」
　図１を用いて、実施形態の一例である作動確認システム１０について説明する。

　本実施形態の作動確認システム１０は、エレベーター２０の感知器６０の作動確認を行うシステムである。作動確認システム１０によれば、詳細は後述するが、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とが無線ＬＡＮ１３で接続できない場合であっても感知器６０の作動確認作業を一人の保守作業員によって行うことができる。

　図１に示すように、作動確認システム１０は、エレベーター２０の制御盤３０と、制御盤３０と第１通信回線としての専用通信回線１１を介して接続されるサーバ４０と、サーバ４０と第２通信回線としての一般通信回線１２を介して接続され、感知器６０の作動確認を行う保守点検端末としてのメンテナンスコンピュータ５０とを有している。

　以下では、感知器６０と記載している場合には、エレベーター２０が設置された建物の異常状態を感知する機器を全て含み、詳細は後述する地震感知器６１、冠水感知器６２を含むものとする。

「エレベーター」
　図２を用いて、実施形態に係るエレベーター２０について説明する。

　エレベーター２０は、機械室レスエレベーターである。機械室レスエレベーターとは、屋上に機械室を設けないエレベーターであって、ピット２３に巻上機２７が設けられる。エレベーター２０は、かご室２１に乗客を乗せ、乗客の要求に応じてかご室２１を昇降させて各階の乗場２４に停止させる。エレベーター２０は、建物内を高さ方向に延在する昇降路２２と、昇降路２２の下部に位置するピット２３とを有する。

　昇降路２２には、一端部がかご室２１の上部に固定され、他端部が昇降路２２の天井に固定されるワイヤーロープ２５と、かご室２１との間でバランスを取るように重さが設定される釣合錘２６とが収容される。昇降路２２の最上部には、エレベーター２０の運転動作や速度を制御する制御盤３０が設けられる。制御盤３０について詳細は後述する。

　ピット２３は、エレベーター２０が停止する最下階の床面よりも下方の空間である。ピット２３には、ワイヤーロープ２５を巻き上げ、または繰り出してかご室２１を昇降させる巻上機２７が設けられる。巻上機２７は、モータによって駆動される。また、ピット２３には、感知器６０としての地震感知器６１および冠水感知器６２が設けられている。

　地震感知器６１は、地震のＰ波（ＰｒｉｍＡｒｙ　ＷＡｖｅ）またはＳ波（ＳｅｃｏｎｄＡｒｙ　ＷＡｖｅ）等の地震波を感知する機器である。地震感知器６１は、制御盤３０に接続されている。地震感知器６１は、例えば予め設定された大きさより振幅の大きい地震波を感知した場合には、感知信号を出力するように設定されている。

　冠水感知器６２は、ピット２３の冠水を検知して検知信号を出力する機器である。冠水感知器６２は、制御盤３０に接続されている。冠水感知器６２は、周囲の水位が閾値以上のときに、浮力によってフロートが浮き上がって回路が導通状態になるフロートスイッチであってもよい。

　エレベーター２０では、地震感知器６１によって地震の揺れを感知した場合、または冠水感知器６２によってピット２３の冠水を感知した場合には、安全を考慮してエレベーター２０の運転を停止している。これらの感知器６０は、保守点検作業時に作動確認が行われている。感知器６０の作動確認では、保守作業員が手動で感知器６０を作動させて感知器６０から送信された感知信号を制御盤３０が受信したかどうかについて確認している。

　感知器６０の作動確認方法としては、保守作業員がメンテナンスコンピュータ５０を携行してピット２３に入り込み、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とを無線ＬＡＮで接続し、感知器６０を手動で作動させて、メンテナンスコンピュータ５０によって感知器６０から送信された感知信号を制御盤３０が受信したかどうかを確認していた。

　しかし、本実施形態のように制御盤３０が最上階に設けられるエレベーター２０であって昇降行程が長い場合には、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０との距離が離れることになり、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とが後述する無線ＬＡＮ１３（図３参照）で接続できない場合もある。

　そこで、本実施形態の作動確認システム１０では、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とが無線ＬＡＮ１３で接続できない場合には、メンテナンスコンピュータ５０によってサーバ４０を用いて感知器６０の作動確認を実行する。

　図３から図５を用いて、実施形態の一例である作動確認システム１０についてさらに詳細に説明する。

　図３に示すように、上述した作動確認システム１０は、上述したエレベーター２０の制御盤３０と、制御盤３０と第１通信回線としての専用通信回線１１を介して接続されるサーバ４０と、サーバ４０と第２通信回線としての一般通信回線１２を介して接続され、感知器６０の作動確認を行う保守点検端末としてのメンテナンスコンピュータ５０とを有している。また、メンテナンスコンピュータ５０は、第３通信回線としての無線ＬＡＮ（ＬｏｃＡｌ　ＡｒｅＡ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）１３を介して制御盤３０に接続されている。

「制御盤」
　制御盤３０は、感知器６０から送信される感知信号を受信する。図３に示すように、制御盤３０は、情報処理を行うＣＰＵを有するプロセッサ３１と、プロセッサ３１が実行するソフトウェア、プログラムまたはデータを格納するメモリ３２と、専用通信回線１１と接続可能な第１通信部３３と、無線ＬＡＮ１３と接続可能な第３通信部３４と、を有するコンピュータである。

　図４に示すように、制御盤３０は、感知器６０の感知信号を受信する感知信号受信部３５と、感知信号受信部３５が受信した感知信号の情報（感知器６０の種類、感知信号の受信時刻を含む（以下、作動確認情報と記載する））をサーバ４０に送信する作動確認情報送信部３６を有している（図３参照）。感知信号受信部３５および作動確認情報送信部３６は、プロセッサ３１がメモリ３２に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、作動確認情報送信部３６が実行可能な状態であることを「作動確認モード」とする。

　図３に示すように、専用通信回線１１は、エレベーター２０の制御盤３０とサーバ４０とを接続するものであって、エレベーター２０を管理する管理会社が所有する遠隔監視のための回線であってもよい。専用通信回線１１には、電話回線、データ通信回線、インターネット回線が含まれるが、専用回線またはＶＰＮ（Ｖｉｒｔｕａｌ　Ｐｒｉｖａｔｅ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）など、確実性に高い回線を利用することができる。

「サーバ」
　サーバ４０は、上述した感知信号情報を取得する。サーバ４０は、エレベーター２０を管理する管理会社が所有する遠隔監視サーバであることが好ましい。遠隔監視サーバは、エレベーター２０の運行状況を遠隔し、エレベーター２０の稼働情報を計測および管理し、エレベーター２０の故障および異常を取得してもよい。

　図３に示すように、サーバ４０は、情報処理を行うＣＰＵを有するプロセッサ４１と、プロセッサ４１が実行するソフトウェア、プログラムまたはデータを格納するメモリ４２と、専用通信回線１１と接続可能な第１通信部４３と、一般通信回線１２と接続可能な第２通信部４４とを有するコンピュータである。

　図４に示すように、サーバ４０は、制御盤３０より作動確認情報を受信する作動確認情報受信部４５と、当該作動確認情報をメンテナンスコンピュータ５０に送信する作動確認情報送信部４６とを有する。作動確認情報受信部４５および作動確認情報送信部４６は、プロセッサ４１がメモリ４２に格納されたプログラムを実行することにより実現される。

　図３に示すように、一般通信回線１２は、メンテナンスコンピュータ５０とサーバ４０とを接続するものであって、大手通信会社が提供する広域通信回線であってもよい。一般通信回線１２には、電話回線、データ通信回線、インターネット回線が含まれ、汎用性の高い回線を用いることができる。

「メンテナンスコンピュータ」
　メンテナンスコンピュータ５０は、サーバ４０と一般通信回線１２を介して接続可能であって、サーバ４０を介して作動確認情報を取得する。メンテナンスコンピュータ５０は、保守点検作業時に保守作業員が携行するコンピュータであることが好ましく、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型あるいは可搬型のコンピュータとすることができる。メンテナンスコンピュータ５０に保守、点検等の手順を表示させ、あるいは保守、点検等の結果をメンテナンス履歴としてメモリ５２に記憶させてもよい。

　図３に示すように、メンテナンスコンピュータ５０は、情報処理を行うＣＰＵを有するプロセッサ５１と、プロセッサ５１が実行するソフトウェア、プログラムまたはデータを格納するメモリ５２と、一般通信回線１２と接続する第２通信部５３と、無線ＬＡＮ１３と接続可能な第３通信部５４とを有するコンピュータである。

　図４に示すように、メンテナンスコンピュータ５０は、それぞれ詳細は後述する作動確認モード設定部５５と、作動確認情報受信部５６と、作動確認情報表示部５７とを有している。作動確認モード設定部５５、作動確認情報受信部５６および作動確認情報表示部５７は、プロセッサ５１がメモリ５２に格納されたプログラムを実行することにより実現される。

　作動確認モード設定部５５は、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とが無線ＬＡＮ１３で接続されている状態にて、無線ＬＡＮ１３によって制御盤３０を上述した作動確認モードに設定する。換言すれば、作動確認モード設定部５５は、制御盤３０の作動確認情報送信部３６を実行可能に設定する。

　作動確認情報受信部５６は、メンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とが無線ＬＡＮ１３で接続されていない状態にて、専用通信回線１１、サーバ４０および一般通信回線１２を介して、上述した作動確認情報を受信する。

　図５に示すように、作動確認情報表示部５７は、作動確認情報受信部５６が受信した作動確認情報を表示する。作動確認情報表示部５７は、地震感知器６１のОＮまたはОＦＦした時刻、冠水感知器６２のОＮまたはОＦＦした時刻を表示することが好ましい。

　なお、メンテナンスコンピュータ５０としてスマートフォンを用い、保守作業員が携帯するスマートフォンをサーバ４０に接続し、スマートフォンによって上述した作動確認情報を受信および表示してもよい。

　また、メンテナンスコンピュータ５０の作動確認情報受信部５６の代わりに、サーバ４０からメンテナンスコンピュータ５０に感知信号作動確認を電子メールにて送信してもよい。すなわち、スマートフォンをサーバ４０に接続し、スマートフォンから、サーバ４０に動作状態確認要求を送信し、その応答として感知信号作動確認を電子メールで受信することができる。

「作動確認作業の流れ」
　図６を用いて、作動確認作業の流れについて説明する。

　ステップＳ１１において、保守作業員は、エレベーター２０の最上階においてメンテナンスコンピュータ５０と制御盤３０とを無線ＬＡＮ１３によって接続する。ステップＳ１２において、保守作業員は、メンテナンスコンピュータ５０の作動確認モード設定部５５によって制御盤３０を作動確認モードに設定する。ステップＳ１３において、保守作業員は、エレベーター２０の最上階からピット２３に移動する。

　ステップＳ１４において、保守作業員は、ピット２３において、地震感知器６１を手動にて作動させる。地震感知器６１の作動とは、地震感知器６１のОＮおよびОＦＦを含む。このとき、地震感知器６１をОＮする手段として、実際に保守作業員が地震感知器６１を手で動かしてもよい。また、地震感知器６１をОＮする手段として、地震感知器６１のテストボタンを押してもよい。なお、テストボタンは、押すことによって感知信号を制御盤３０に送信するボタンである。

　地震感知器６１をОＦＦする手段として、地震感知器６１のリセットボタンを押してもよい。リセットボタンは、押すことによって感知信号が送信されない状態となるものである。また、地震感知器６１をОＦＦする手段として、地震感知器６１が所定時間経過すれば感知信号が送信されない状態となるものであれば、地震感知器６１をОＮしてから放置してもよい。

　ステップＳ１５において、制御盤３０は、地震感知器６１の作動確認情報をサーバ４０に送信する。ステップＳ１６において、サーバ４０は、上記作動確認情報をメンテナンスコンピュータ５０に送信する。

　ステップＳ１７において、保守作業員は、ピット２３において、冠水感知器６２を手動にて作動させる。冠水感知器６２の作動とは、冠水感知器６２のОＮおよびОＦＦを含む。冠水感知器６２をОＦＦする手段として、実際に保守作業員がフロートスイッチを押してもよい。

　ステップＳ１８において、制御盤３０は、冠水感知器６２の作動確認情報をサーバ４０に送信する。ステップＳ１９において、サーバ４０は、上記作動確認情報をメンテナンスコンピュータ５０に送信する。

　なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。

　１０　作動確認システム、１１　専用通信回線、１２　一般通信回線、１３　無線ＬＡＮ、２０　エレベーター、２１　かご室、２２　昇降路、２３　ピット、２４　乗場、２５　ワイヤーロープ、２６　釣合錘、２７　巻上機、３０　制御盤、３１　プロセッサ、３２　メモリ、３３　第１通信部、３４　第３通信部、３５　感知信号受信部、３６　作動確認情報送信部、４０　サーバ、４１　プロセッサ、４２　メモリ、４３　第１通信部、４４　第２通信部、４５　作動確認情報受信部、４６　作動確認情報送信部、５０　メンテナンスコンピュータ、５１　プロセッサ、５２　メモリ、５３　第２通信部、５４　第３通信部、５５　作動確認モード設定部、５６　作動確認情報取得部、５７　作動確認情報表示部、６０　感知器、６１　地震感知器、６２　冠水感知器

Claims

　感知器と、前記感知器から送信される感知信号を受信する制御盤と、を有するエレベーターの感知器の作動確認システムであって、
　前記制御盤と第１通信回線を介して接続され、前記制御盤による前記感知信号の受信を取得するサーバと、
　前記サーバと第２通信回線を介して接続され、前記サーバを介して、前記制御盤による前記感知信号の受信を取得する保守点検端末と、
　を有する、
　エレベーターの感知器の作動確認システム。
　請求項１に記載のエレベーターの感知器の作動確認システムであって、
　前記サーバは、前記エレベーターの運行状況を監視する遠隔監視サーバである、
　エレベーターの感知器の作動確認システム。