WO2024024553A1 - コネクタ、コネクタモジュール、及び記憶装置 - Google Patents

Abstract

本開示に係るコネクタ１０は、接続対象物６０と嵌合するコネクタ１０であって、ハウジング２０と、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに嵌合する嵌合方向に沿ってハウジング２０を貫通するように取り付けられている取付部３３と、接続対象物６０と接触する接触部３５と、取付部３３と接触部３５との間に位置する密着部３４と、を有する複数のコンタクト３０と、嵌合方向において接続対象物６０が位置する一方側でハウジング２０に取り付けられ、複数のコンタクト３０の周囲を囲む枠状の金属部材４０と、ハウジング２０に対し一方側で金属部材４０の枠の内側に充填され、金属部材４０及び密着部３４と密着する封止部材５０と、を備える。

Description

コネクタ、コネクタモジュール、及び記憶装置 関連出願の相互参照

　本出願は、２０２２年７月２８日に日本国に特許出願された特願２０２２－１２１００９号の優先権を主張するものであり、この出願の開示全体をここに参照のために取り込む。

　本開示は、コネクタ、コネクタモジュール、及び記憶装置に関する。

　従来、封止部材を用いたコネクタに関連する技術が知られている。例えば、特許文献１には、完全密封構造の電子制御装置であって、封止材として熱硬化性の液状ガスケットを用いる場合でも、筐体内への水の浸入を防止できる電子制御装置が開示されている。

　一方で、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）などの記憶装置では、大容量、高記録密度、及び高速アクセスに対する要求から、磁気ディスク層が増設されたり、磁気ディスクが高速で回転したりしている。このような記憶装置では、磁気ディスクが高速で回転するときに発生する回転抵抗を軽減するために、筐体内部に空気よりも密度の低いヘリウムなどのガスが封入されている。

　このような筐体には、筐体内に配置されている磁気ヘッドの電気信号を筐体の外部に設けられている制御回路基板に伝送するためのコネクタが筐体を貫通するように取り付けられている。当該コネクタは、筐体内に封入されているガスの気密性を維持するために、ハーメチックコネクタであったり、筐体内部が封止されるように取り付けられた基板などのガス透過性の低い部品を介して接続されたりする。

特開２００９－０２１５２２号公報

　本開示の一実施形態に係るコネクタは、
　接続対象物と嵌合するコネクタであって、
　ハウジングと、
　前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合方向に沿って前記ハウジングを貫通するように取り付けられている取付部と、前記接続対象物と接触する接触部と、前記取付部と前記接触部との間に位置する密着部と、を有する複数のコンタクトと、
　前記嵌合方向において前記接続対象物が位置する一方側で前記ハウジングに取り付けられ、前記複数のコンタクトの周囲を囲む枠状の金属部材と、
　前記ハウジングに対し前記一方側で前記金属部材の枠の内側に充填され、前記金属部材及び前記密着部と密着する封止部材と、
　を備える。

　本開示の一実施形態に係るコネクタモジュールは、
　上記のコネクタと、
　前記コネクタと嵌合する前記接続対象物と、
　を備える。
　前記封止部材は、前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合状態で、前記金属部材の内部において前記接続対象物と前記ハウジングとの間に介在する。

　本開示の一実施形態に係る記憶装置は、
　上記のコネクタ、又は上記のコネクタモジュールを備える。

筐体に取り付けられている状態の一実施形態に係るコネクタモジュールを上面視で示した外観斜視図である。 一実施形態に係るコネクタと接続対象物とが互いに接続されている状態のコネクタモジュールを上面視で示した外観斜視図である。 コネクタと接続対象物とが互いに分離している状態の図２のコネクタモジュールを上面視で示した外観斜視図である。 図２のコネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。 図４のコネクタを分解して上面視で示した外観斜視図である。 図４のVI－VI矢線に沿った断面図である。 図５のコンタクト単体を上面視で示した外観斜視図である。 図７のコンタクトの密着部を拡大した拡大図である。 図８の凹部の第１例を示す模式図である。 図８の凹部の第２例を示す模式図である。 図８の凹部の第３例を示す模式図である。 図８の凹部の第４例を示す模式図である。 図８の凹部の第５例を示す模式図である。 図８の凹部の第６例を示す模式図である。 図２の接続対象物単体を上面視で示した外観斜視図である。 図１０の接続対象物を分解して上面視で示した外観斜視図である。 図２のXII－XII矢線に沿った断面図である。 図２のXIII－XIII矢線に沿った断面図である。

　特許文献１には、水の侵入を防止できる電子制御装置が記載されており、コンタクトとハウジングとの間に配置される微小な空気経路を封止するために、熱硬化性の液状ガスケットなどの封止部材を用いた密封構造が開示されている。しかしながら、記憶装置においてヘリウムなどのガスを封止する場合、水の侵入を防止する場合と比較してより高い封止性が要求される。

　本開示の一実施形態に係るコネクタ、コネクタモジュール、及び記憶装置によれば、ガスに対する気密性を向上可能である。

　以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、図１乃至図８並びに図１２及び図１３において、異なる図面同士で互いに整合している。各矢印の方向は、図１０及び図１１において、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板ＣＢ１及びＣＢ２の図示を省略する。

　図１は、筐体Ｈに取り付けられている状態の一実施形態に係るコネクタモジュール１を上面視で示した外観斜視図である。図２は、一実施形態に係るコネクタ１０と接続対象物６０とが互いに接続されている状態のコネクタモジュール１を上面視で示した外観斜視図である。図３は、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに分離している状態の図２のコネクタモジュール１を上面視で示した外観斜視図である。

　例えば図３に示すとおり、コネクタモジュール１は、互いに嵌合可能なコネクタ１０及び接続対象物６０を有する。コネクタ１０は、ハウジング２０と、ハウジング２０に取り付けられているコンタクト３０と、を有する。コネクタ１０は、ハウジング２０に取り付けられている金属部材４０と、金属部材４０の内部に充填されている封止部材５０と、を有する。

　接続対象物６０は、コネクタ１０と嵌合する。接続対象物６０は、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに嵌合する嵌合状態で金属部材４０と嵌合するインシュレータ７０を有する。接続対象物６０は、インシュレータ７０に取り付けられているコンタクト８０を有する。コンタクト８０は、金属部材４０とインシュレータ７０とが互いに嵌合する嵌合状態でコンタクト３０と接触する。接続対象物６０は、インシュレータ７０に取り付けられている金具９０を有する。

　以下では、例えば、一実施形態に係るコネクタ１０はプラグコネクタであるとして説明する。例えば、接続対象物６０はリセプタクルコネクタであるとして説明する。嵌合状態において、コンタクト３０が弾性変形しないコネクタ１０をプラグコネクタとして説明する。嵌合状態において、コンタクト８０が弾性変形する接続対象物６０をリセプタクルコネクタとして説明する。コネクタ１０及び接続対象物６０の種類は、これらに限定されない。例えば、接続対象物６０がプラグコネクタの役割を果たし、コネクタ１０がリセプタクルコネクタの役割を果たしてもよい。

　以下では、コネクタ１０及び接続対象物６０は、回路基板ＣＢ１及びＣＢ２にそれぞれ実装されるとして説明する。コネクタ１０及び接続対象物６０は、互いに接続されている接続状態で、回路基板ＣＢ１と回路基板ＣＢ２とを電気的に接続する。回路基板ＣＢ１及びＣＢ２は、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。例えば、回路基板ＣＢ１及びＣＢ２の少なくとも一方は、フレキシブルプリント回路基板（ＦＰＣ）であってもよい。

　以下では、コネクタ１０及び接続対象物６０は、回路基板ＣＢ１及びＣＢ２に対して垂直方向に互いに接続されるとして説明する。コネクタ１０及び接続対象物６０は、一例として上下方向に沿って互いに接続される。接続方法は、これに限定されない。コネクタ１０及び接続対象物６０は、回路基板ＣＢ１及びＣＢ２に対して平行方向に互いに接続されてもよい。コネクタ１０及び接続対象物６０は、実装されている回路基板に対して一方が垂直方向となるように、かつ実装されている回路基板に対して他方が平行方向となるように、互いに接続されてもよい。

　本開示では、「嵌合方向」は、一例として上下方向に対応する。「短手方向」は、一例として前後方向に対応する。「嵌合方向に直交する第１方向」は、一例として前後方向に対応する。「長手方向」は、一例として左右方向に対応する。「配列方向」は、一例として左右方向に対応する。「嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向」は、一例として左右方向に対応する。

　「一方側」は、一例として上側に対応する。「他方側」は、一例として下側に対応する。「内側」は、コネクタ１０又は接続対象物６０の中心に向かう方向に対応する。例えば、前後方向における内側は、コネクタ１０又は接続対象物６０の前後方向における中心に向かう方向に対応する。これに限定されず、内側は、完全に前後方向の中心に向かう方向でなくてもよく、多少斜めに沿って中心に向かう方向に対応してもよい。他の方向についても同様である。「外側」は、内側の逆である。

　図１に示されるように、コネクタモジュール１は、金属製の筐体Ｈに取り付けられている。このとき、コネクタ１０の金属部材４０の一部及び接続対象物６０のみが、筐体Ｈに配置されている貫通孔から突出する。コネクタ１０の金属部材４０の当該一部及び接続対象物６０のみが、筐体Ｈの外部に位置する。コネクタ１０におけるその他の部分は、筐体Ｈによって外側から覆われている。コネクタ１０におけるその他の部分は、筐体Ｈの内部に位置する。

　図４は、図２のコネクタ１０単体を上面視で示した外観斜視図である。図５は、図４のコネクタ１０を分解して上面視で示した外観斜視図である。

　コネクタ１０の組み立て方法は以下のとおりである。ハウジング２０に対してコンタクト３０を下方から圧入し、ハウジング２０に対して金属部材４０を上方から圧入する。金属部材４０の内部に封止部材５０を充填する。封止部材５０を、例えば１００℃などの所定の温度で加熱して封止部材５０を硬化させる。加熱されて硬化した封止部材５０を常温まで冷却する。以上のような手順でコネクタ１０が得られる。

　ハウジング２０は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料によって作製されている。ハウジング２０は、図５に示すように、左右方向に延在する直方体のような形状で作製されている。ハウジング２０は、上部を構成する天井部２１を有する。ハウジング２０は、外周を構成する外周壁２２を有する。外周壁２２は、前後左右の４方向に沿って配置されている。外周壁２２は、短手壁２２ａと長手壁２２ｂとを有する。短手壁２２ａは、前後方向に延在する。長手壁２２ｂは、左右方向に延在する。

　ハウジング２０は、天井部２１の前後左右方向の中央部において一段上方に突出する突出部２３を有する。ハウジング２０は、突出部２３の内部を貫通する部分により構成される第１取付溝２４を有する。第１取付溝２４には、コンタクト３０が取り付けられる。第１取付溝２４は、コンタクト３０の数に対応させて複数配置されている。複数の第１取付溝２４は、複数のコンタクト３０の配列方向に沿って配列されている。より具体的には、第１取付溝２４は、前後方向に２列、左右方向に複数列配置されている。

　ハウジング２０は、天井部２１の前後方向の中央部で短手壁２２ａに沿って左右方向の両側で凹設されている一対の第２取付溝２５を有する。第２取付溝２５には、金属部材４０が取り付けられる。ハウジング２０は、突出部２３の前後左右方向の全周を囲むように凹設されている溝部２６を有する。溝部２６は、その前後方向の中央部において左右方向の両側で、短手壁２２ａに沿って配置されている第２取付溝２５と連続する。

　図６は、図４のVI－VI矢線に沿った断面図である。図７は、図５のコンタクト３０単体を上面視で示した外観斜視図である。図６及び図７を主に参照しながら、コンタクト３０の構成について主に説明する。

　コンタクト３０は、例えば、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型（スタンピング）を用いて図６及び図７に示す形状に成形加工したものである。コンタクト３０の表面には、ニッケルめっきで下地を作製した後に、金又は錫などによるめっきが施されている。

　コンタクト３０は、斜め下方に折れ曲がってから前後方向の外側に直線状に延出する実装部３１を有する。コンタクト３０は、実装部３１の前後方向の内端からＬ字状に延出する延出部３２を有する。コンタクト３０は、延出部３２の上端から上方に延出し、左右方向に幅広に配置されている取付部３３を有する。コンタクト３０は、取付部３３から上方に延出する密着部３４を有する。コンタクト３０は、密着部３４から上方に直線状に延出する接触部３５を有する。密着部３４は、取付部３３と接触部３５との間に位置する。

　図５を主に参照しながら、金属部材４０の構成について主に説明する。

　金属部材４０は、任意の金属材料を用いて図５に示す形状に成形加工したものである。金属部材４０は、金属部材４０を構成する各外面が隙間なく連続するように絞り加工を含む工程により加工される。これに限定されず、金属部材４０の加工方法は、絞り加工を含む工程に加えて、又は代えて、板厚方向への曲げ加工などに基づく工程を含んでもよい。

　金属部材４０は、全体として直方体の形状で、枠状である。金属部材４０は、金属部材４０の全体に位置する枠部４１を有する。枠部４１は、前後左右方向において金属部材４０の内部を囲むように配置されている。枠部４１の上下方向の両側は貫通している。金属部材４０は、枠部４１の内部空間により構成される収容部４２を有する。金属部材４０は、枠部４１の下端において前後左右方向の外側に折り返すように延出する端部４３を有する。金属部材４０は、枠部４１の下端における前後方向の中央部で左右方向の両側から下方に向けて延出する取付部４４を有する。

　図５を主に参照しながら、封止部材５０の構成について主に説明する。実際には、封止部材５０は、金属部材４０の内部でコンタクト３０の周りに充填されて硬化することで得られるのであって、図５に示すように単体で存在するものではない。しかしながら、図５では理解を容易にするために、封止部材５０とコンタクト３０及び金属部材４０とを仮想的に分離してそれぞれ単体で示している。これに伴い、例えば後述する封止部材５０の密着部５１について便宜上このように名称を付しているが、当該構成部は実際には金属部材４０の内部でコンタクト３０と一体的に配置されており、封止部材５０が本来の構成として有しているものではない点に注意されたい。

　封止部材５０は、ガス透過性の低い任意の熱硬化性樹脂により作製されている。例えば、封止部材５０は、エポキシ樹脂により作製されている。封止部材５０は、エポキシ樹脂を含有する。封止部材５０は、上下方向に厚く作製されている。封止部材５０は、ハウジング２０に対し嵌合方向において接続対象物６０が位置しない他方側に封入されている、空気よりも低密度のガスを封止する。本開示において、「ガス」は、例えばＨＤＤなどの記憶装置において磁気ディスクが高速で回転するときに発生する回転抵抗を軽減するために、金属製の筐体Ｈ内部に封入されているものであり、空気よりも密度の低い任意のガスを含む。例えば、「ガス」は、ヘリウムガスを含む。

　封止部材５０は、複数のコンタクト３０の配列パターンに従って封止部材５０を上下方向に貫通するように配置されている密着部５１を有する。

　図６に示すように、コンタクト３０は、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに嵌合する嵌合方向に沿ってハウジング２０を貫通するように取り付けられている。より具体的には、コンタクト３０は、取付部３３がハウジング２０の第１取付溝２４に係止することでハウジング２０を貫通するように取り付けられている。コンタクト３０がハウジング２０に取り付けられると、実装部３１は、ハウジング２０の長手壁２２ｂの直下に位置する。延出部３２は、ハウジング２０の内部に配置されている。密着部３４及び接触部３５は、ハウジング２０に対し、嵌合方向において接続対象物６０が位置する一方側に突出する。密着部３４における嵌合方向に直交する第１方向の最大幅は、取付部３３における第１方向の最大幅よりも小さい。

　金属部材４０は、嵌合方向において接続対象物６０が位置する一方側でハウジング２０に取り付けられている。より具体的には、金属部材４０は、図４に示すように取付部４４がハウジング２０の第２取付溝２５に係止することでハウジング２０に取り付けられている。図４及び図６に示すように、金属部材４０は、複数のコンタクト３０の周囲を囲む。より具体的には、金属部材４０の収容部４２が、複数のコンタクト３０の密着部３４及び接触部３５、並びに封止部材５０を収容した状態で、枠部４１がこれらの周囲を前後左右の四方向から囲む。

　図６に示すように、ハウジング２０の溝部２６は、嵌合方向において接続対象物６０が位置する一方側の面に凹設されている。金属部材４０における他方側の端部４３は、ハウジング２０の溝部２６に収容されている。枠部４１の下端において前後方向の外側に折り返すように延出する端部４３は、嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲し、溝部２６の底面と当該第１方向に沿って接触する。端部４３は、コネクタ１０の組み立て上ハウジング２０と金属部材４０との間に配置されてしまう隙間を埋めるように、溝部２６に配置されている。

　封止部材５０は、ハウジング２０に対し一方側で金属部材４０の枠の内側に充填されている。より具体的には、封止部材５０は、金属部材４０の収容部４２に収容され、枠部４１により前後左右の四方向から囲まれる。封止部材５０は、金属部材４０の収容部４２の内部において上下方向に所定の厚さを有した状態で充填されている。封止部材５０は、コンタクト３０において密着部３４が配置されているコンタクト３０の延在領域に重なるように充填されている。封止部材５０は、前後左右方向の四方向において金属部材４０の枠部４１の内面と接触する。封止部材５０は、上記所定の厚さ内において収容部４２における前後左右方向の全領域を埋めるように配置されている。

　封止部材５０は、ハウジング２０に対し一方側で金属部材４０の枠の内側に充填され、コンタクト３０の密着部３４及び金属部材４０と密着する。より具体的には、封止部材５０の密着部５１は、ハウジング２０の突出部２３から上方にさらに突出しているコンタクト３０の密着部３４と密着する。

　図８は、図７のコンタクト３０の密着部３４を拡大した拡大図である。以下では、コンタクト３０の密着部３４に関する前後方向に沿った構成について主に説明するが、同様の説明が密着部３４に関する左右方向に沿った構成についても当てはまる。コンタクト３０の密着部３４は、前後方向と左右方向との間で同一の形状で対称的に配置されており、以下で説明する嵌合方向に直交する第１方向に関する説明と同様の内容が、嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向についても当てはまる。

　コンタクト３０の密着部３４は、嵌合方向に沿って延在し、嵌合方向に直交する第１方向の長さが嵌合方向における位置に応じて異なる部分を有する。より具体的には、密着部３４は、その前後幅が上下方向に沿って変化する部分を有するように配置されている。例えば、密着部３４において、第１方向の長さが短い第１部分３４ａと、第１方向の長さが長い第２部分３４ｂと、が嵌合方向に沿って交互に配置されている。第１部分３４ａの前後幅Ｌ１は、第２部分３４ｂの前後幅Ｌ２よりも短い。密着部３４は、凹凸形状を有する。

　コンタクト３０は、第１方向に沿って第１部分３４ａと隣接する凹部３４ｃを有する。凹部３４ｃは、嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向から密着部３４を視たときに多角形状となる。第２方向から密着部３４を視たときの凹部３４ｃの形状の一例として、図８に示すような台形が挙げられる。密着部３４は、第１部分３４ａが所定の上下幅を有し、第１部分３４ａと第２部分３４ｂとの間を上下方向に沿って斜めに傾斜する傾斜面で接続するように配置されている。密着部３４は、第１部分３４ａと第２部分３４ｂとの間に、第１部分３４ａから第２部分３４ｂに向けて逆テーパ状に広がるように配置されている第３部分３４ｄを有する。密着部３４は、上下方向に沿って第１部分３４ａ、第３部分３４ｄ、第２部分３４ｂ、及び第３部分３４ｄの組が複数連続するように配置されている。

　密着部３４において凹部３４ｃは、嵌合方向に直交する全周にわたり配置されている。より具体的には、凹部３４ｃは、第１方向及び第２方向を含む嵌合方向に直交する全方向において配置されている。密着部３４において角Ｃは面状に配置されている。より具体的には、密着部３４の第２部分３４ｂの４つの角Ｃの各々は、平面として配置されている。第２部分３４ｂにおける前後面及び左右面は、当該平面を介して互いに接続されている。第２部分３４ｂの角Ｃは、第２部分３４ｂにおける前後面及び左右面が互いに交わって配置される交線によって鋭く配置されるのではなく、当該平面によって滑らかに配置されている。第２部分３４ｂの角Ｃでは、第２部分３４ｂにおける前後面及び左右面が９０°の角度で互いに交わらずに、当該前後面と当該平面とが９０°よりも大きい鈍角で互いに交わり、当該左右面と当該平面とが９０°よりも大きい鈍角で互いに交わる。

　図９Ａは、図８の凹部３４ｃの第１例を示す模式図である。図９Ｂは、図８の凹部３４ｃの第２例を示す模式図である。図９Ｃは、図８の凹部３４ｃの第３例を示す模式図である。図９Ｄは、図８の凹部３４ｃの第４例を示す模式図である。図９Ｅは、図８の凹部３４ｃの第５例を示す模式図である。図９Ｆは、図８の凹部３４ｃの第６例を示す模式図である。第２方向から密着部３４を視たときの凹部３４ｃの形状の他の例として、図９Ａ乃至図９Ｆにそれぞれ示すような複数の形状が挙げられる。

　図９Ａでは、凹部３４ｃは、三角形状で配置されている。図９Ｂでは、凹部３４ｃは、矩形形状で配置されている。図９Ｃでは、凹部３４ｃは、台形形状で配置されている。図９Ｄでは、凹部３４ｃは、五角形状で配置されている。図９Ｅでは、凹部３４ｃは、半円形状で配置されている。図８乃至図９Ｅでは、複数の凹部３４ｃは、上下方向に沿って互いに同一の形状及び大きさで配置されている。一対の凹部３４ｃは、第１方向に沿って互いに線対称となるように配置されている。

　以上に限定されず、複数の凹部３４ｃは、上下方向に沿って形状及び大きさの少なくとも一方が互いに異なるように配置されていてもよい。一対の凹部３４ｃは、第１方向に沿って互いに線対称となるように配置されていなくてもよく、形状、大きさ、及び上下位置の少なくとも１つが互いに異なるように配置されていてもよい。例えば、図９Ｆに示すように、矩形形状で配置されている複数の凹部３４ｃは、上下方向に沿って互いに同一の形状及び大きさで配置されているが、一対の凹部３４ｃは、上下位置が互いに異なるように第１方向に沿って配置されていてもよい。

　以上のような構造のコネクタ１０では、記憶装置の内部に配置されている金属製の筐体Ｈに取り付けられる。このとき、当該筐体Ｈから金属部材４０の枠部４１の一部が突出する。コネクタ１０では、当該筐体Ｈの内部に配置されている回路基板ＣＢ１の実装面に配置された回路パターンに対して、コンタクト３０の実装部３１がはんだ付けされる。以上により、実装部３１が回路基板ＣＢ１に実装されることで、コネクタ１０は、回路基板ＣＢ１に実装される。回路基板ＣＢ１の実装面には、例えばＨＤＤに関連する電子部品などのコネクタ１０とは別の電子部品が実装される。

　接続対象物６０の構成について図１０及び図１１を主に参照しながら説明する。

　図１０は、図２の接続対象物６０単体を上面視で示した外観斜視図である。図１１は、図１０の接続対象物６０を分解して上面視で示した外観斜視図である。接続対象物６０は、一例として、コンタクト８０がインシュレータ７０に対して下方から圧入され、金具９０がインシュレータ７０に対して上方から圧入されることで得られる。

　インシュレータ７０は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した、左右方向に延在する直方体状の部材である。インシュレータ７０は、上部を構成する天井部７１を有する。インシュレータ７０は、天井部７１の前後左右の外周に沿って下方に突出する外周壁７２を有する。外周壁７２は、短手壁７２ａと長手壁７２ｂとを有する。短手壁７２ａは、前後方向に延在する。長手壁７２ｂは、左右方向に延在する。インシュレータ７０は、天井部７１を上下方向に貫通する嵌合凹部７３を有する。

　インシュレータ７０は、天井部７１と外周壁７２とによって囲まれる内部で、嵌合凹部７３の直下に凹設されている第１取付溝７４を有する。第１取付溝７４には、コンタクト８０が取り付けられる。第１取付溝７４は、コンタクト８０の数に対応させて複数配置されている。複数の第１取付溝７４は、複数のコンタクト８０の配列方向に沿って配列されている。より具体的には、第１取付溝７４は、前後方向に２列、左右方向に複数列配置されている。

　インシュレータ７０は、短手壁７２ａの前後方向の中央部に凹設されている第２取付溝７５を有する。第２取付溝７５には、金具９０が取り付けられる。インシュレータ７０は、短手壁７２ａが長手壁７２ｂよりも前後方向の外側に突出することで配置されている角部７６を有する。

　コンタクト８０の構成について主に説明する。

　コンタクト８０は、例えば、ばね弾性を備えた、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型（スタンピング）を用いて図１１に示す形状に成形加工したものである。コンタクト８０の表面には、ニッケルめっきで下地を作製した後に、金又は錫などによるめっきが施されている。

　コンタクト８０は、前後方向の外側にＬ字状に延出する実装部８１を有する。コンタクト８０は、実装部８１の上端から上方に延出し、左右方向に幅広に配置されている取付部８２を有する。コンタクト８０は、取付部８２の上端から上方に向けて延出し、逆Ｕ字状に折り返して前後方向の内側に向けて斜め下方に延出する折返部８３を有する。

　コンタクト８０は、折返部８３の下端から延出する弾性接触片８４を有する。弾性接触片８４は、前後方向に沿って最も幅狭となる部分において前後方向に互いに対向するように配置されている第１接触部８４ａ及び第２接触部８４ｂを有する。弾性接触片８４は、第１接触部８４ａ及び第２接触部８４ｂが配置されている上下位置から下方に向かうにつれて前後方向に次第に幅広となるように配置されている。弾性接触片８４は、第１接触部８４ａ及び第２接触部８４ｂの前後方向の間隔が大きくなるように前後方向に沿って弾性変形可能である。

　金具９０の構成について主に説明する。

　金具９０は、任意の金属材料の薄板を順送金型（スタンピング）を用いて図１１に示す形状に成形加工したものである。金具９０の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。

　金具９０は、左右方向の外側にＬ字状に延出する実装部９１を有する。金具９０は、実装部９１の上端から上方に向けて延出し、逆Ｕ字状に折り返して下方に延出する折返部９２を有する。金具９０は、折返部９２の下端から下方に延出し、前後方向に幅広に配置されている取付部９３を有する。

　図１０に示されるように、コンタクト８０は、取付部８２がインシュレータ７０の第１取付溝７４に係止することでインシュレータ７０の内部に取り付けられている。このとき、コンタクト８０の弾性接触片８４はインシュレータ７０の嵌合凹部７３の直下に配置されている。弾性接触片８４において第１接触部８４ａと第２接触部８４ｂとが前後方向に互いに対向している部分が、嵌合凹部７３の直下に配置されている。弾性接触片８４は、インシュレータ７０の内部に凹設されている第１取付溝７４内で前後方向に弾性変形可能に配置されている。

　金具９０は、取付部９３がインシュレータ７０の第２取付溝７５に係止することでインシュレータ７０に取り付けられている。

　以上のような構造の接続対象物６０では、回路基板ＣＢ２の実装面に配置された回路パターンに対して、コンタクト８０の実装部８１がはんだ付けされる。当該実装面に配置されたパターンに対して、金具９０の実装部９１がはんだ付けされる。以上により、接続対象物６０は、回路基板ＣＢ２に対して実装される。回路基板ＣＢ２の実装面には、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、コントローラ、及びメモリなどの接続対象物６０とは別の電子部品が実装される。

　図１２及び図１３を参照しながら、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに嵌合する嵌合状態でのコネクタモジュール１の構成について主に説明する。図１２は、図２のXII－XII矢線に沿った断面図である。図１３は、図２のXIII－XIII矢線に沿った断面図である。

　例えば、図１０に示す接続対象物６０の上下方向の向きを逆にした状態で、コネクタ１０と接続対象物６０との前後位置及び左右位置を略一致させながら、互いを上下方向に対向させる。接続対象物６０を下方に移動させる。このとき、接続対象物６０の前後左右位置がコネクタ１０に対して若干ずれていたとしても、インシュレータ７０の角部７６が金属部材４０の枠部４１に接触することで、コネクタ１０に対する接続対象物６０の前後左右位置が決定される。接続対象物６０は、インシュレータ７０の角部７６が金属部材４０の枠部４１の内面に沿って下方に向けてガイドされながら金属部材４０の収容部４２の内部へと移動する。

　これにより、接続対象物６０とコネクタ１０とが互いに接続され、コネクタモジュール１の接続状態が得られる。このとき、接続対象物６０の略全体は、コネクタ１０の金属部材４０の収容部４２に収容される。インシュレータ７０は、コネクタ１０の金属部材４０と嵌合する。

　図１２に示すように、嵌合状態において、コンタクト３０の接触部３５は、インシュレータ７０の嵌合凹部７３からインシュレータ７０の内部に配置されている第１取付溝７４に挿入されている。コンタクト３０の接触部３５は、接続対象物６０のコンタクト８０の弾性接触片８４と接触する。より具体的には、接触部３５は、前後方向の外側で第１接触部８４ａと接触し、前後方向の内側で第２接触部８４ｂと接触する。ばね弾性を有する弾性接触片８４は、第１接触部８４ａと第２接触部８４ｂとの間の前後幅を広げるように第１取付溝７４内で前後方向に沿って弾性変形する。コンタクト３０は、第１接触部８４ａ及び第２接触部８４ｂの前後方向２箇所でコンタクト８０と接触する。

　図１２及び図１３に示すように、封止部材５０は、コネクタ１０と接続対象物６０とが互いに嵌合する嵌合状態で、金属部材４０の内部において接続対象物６０とハウジング２０との間に介在する。封止部材５０は、金属部材４０の収容部４２の内部において、ハウジング２０の突出部２３とインシュレータ７０との間に介在しながら、記憶装置の筐体Ｈの内部に封入されているガスを封止する。封止部材５０は、ハウジング２０の突出部２３に対して上方から接触するように配置されている一方で、接続対象物６０のインシュレータ７０とは上下方向に離間する。

　以下では、主にコネクタ１０に着目してその効果に関する説明を行うが、コネクタモジュール１及び記憶装置についても同様の説明が当てはまる。

　以上のような一実施形態に係るコネクタ１０によれば、ガスに対する気密性を向上可能である。封止部材５０がハウジング２０に対し一方側で金属部材４０の枠の内部に充填され、コンタクト３０の密着部３４及び金属部材４０と密着する。これにより、コネクタ１０は、金属製の筐体Ｈで唯一覆われていない金属部材４０の内部において、筐体Ｈに封入されているガスの筐体Ｈ外部への唯一の透過経路を封止可能である。本開示では、筐体Ｈで覆われているハウジング２０の天井部２１ではなく、筐体Ｈで唯一覆われていない金属部材４０の内部におけるガス透過軽減に主に着目している。コネクタ１０は、ハウジング２０に対し他方側に封入されている、空気よりも低密度のガスを封止部材５０が封止することで、筐体Ｈに封入されているガスの筐体Ｈ外部への漏れを軽減可能である。

　封止部材５０は、ハウジング２０に対し一方側で金属部材４０の枠の内側に充填されていることで、ハウジング２０の突出部２３から上方に突出するコンタクト３０の一部を支持することもできる。封止部材５０がコンタクト３０の一部を支持する支持体として機能する。これにより、コネクタ１０は、コンタクト３０がハウジング２０から支持体なしで大きく突出する場合と比較して、接続対象物６０との嵌合時に接続対象物６０との接触によるコンタクト３０の座屈などの破損を軽減可能である。

　密着部３４は、嵌合方向に沿って延在し、嵌合方向に直交する第１方向の長さが嵌合方向における位置に応じて異なる部分を有する。コンタクト３０の密着部３４は、凹凸形状を有する。これにより、コネクタ１０は、接続対象物６０がコネクタ１０と嵌合するとき、及び接続対象物６０がコネクタ１０に対して抜去されるときなどにコンタクト３０が封止部材５０に対して動いたとしても、凹凸形状による表面積の増大によって封止部材５０とコンタクト３０との間の密着性を維持可能である。例えば、コンタクト３０が封止部材５０に対して動いたとしても、密着部３４が封止部材５０の密着部５１に引っ掛かる。結果として、ガスに対する気密性の向上に関する上述した効果が向上する。

　密着部３４において、第１方向の長さが短い第１部分３４ａと、第１方向の長さが長い第２部分３４ｂと、が嵌合方向に沿って交互に配置されていることで、封止部材５０とコンタクト３０との間の密着性に関する上述した効果が向上する。したがって、ガスに対する気密性がさらに向上する。

　凹部３４ｃが、嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向から密着部３４を視たときに多角形状となることで、凹凸形状による表面積の増大によって封止部材５０とコンタクト３０との間の密着性が維持される。結果として、ガスに対する気密性の向上に関する上述した効果が向上する。コネクタ１０は、例えば、当該多角形状が三角形、円形、及び台形などである場合、凹部３４ｃの面に対して加わる応力の向きを互いに異なるようにすることができる。

　凹部３４ｃが、嵌合方向に直交する全周にわたり配置されている。これにより、コネクタ１０は、例えば前後左右の四面のうち一部の面のみに凹部３４ｃが配置されている場合に起こり得る、凹部３４ｃが配置されていない他の面での封止部材５０の剥離を軽減可能である。コネクタ１０は、凹部３４ｃにおける前後左右の四面の全周にわたりコンタクト３０に対する封止部材５０の剥離を軽減可能である。したがって、ガスに対する気密性がさらに向上する。

　コネクタ１０は、密着部３４における第１方向の最大幅が取付部３３における第１方向の最大幅よりも小さいことで、ハウジング２０へのコンタクト３０の圧入を容易にする。密着部３４における第１方向の最大幅が取付部３３における第１方向の最大幅よりも小さいことで、ハウジング２０の第１取付溝２４における第１方向の幅よりも密着部３４における第１方向の最大幅が小さくなる。したがって、ハウジング２０に対してコンタクト３０を圧入するときであっても、密着部３４が第１取付溝２４を容易に通過することができる。ハウジング２０から受けるコンタクト３０の抵抗を軽減して、圧入作業を容易に実行することができる。加えて、コンタクト３０において幅が狭くなっている密着部３４において封止部材５０がコンタクト３０と密着するので、コンタクト３０の強度低下が軽減される。

　コネクタ１０は、密着部３４において角Ｃが面状に配置されていることで、密着部３４における角Ｃを滑らかにして、コンタクト３０をハウジング２０に圧入するときに生じ得るコンタクト３０の角Ｃによるハウジング２０の削れを軽減可能である。したがって、コネクタ１０は、ハウジング２０から削れた樹脂の一部がコンタクト３０に付着することを軽減可能であり、コンタクト３０と封止部材５０との間の密着性を維持可能である。結果として、コネクタ１０は、ガスに対する気密性を維持可能である。

　コネクタ１０は、金属部材４０における他方側の端部４３がハウジング２０の溝部２６に収容されていることで、金属部材４０とハウジング２０との間に配置される隙間から封止部材５０が流れ出して封止部材５０が薄くなることを軽減可能である。コネクタ１０は、ハウジング２０の溝部２６と金属部材４０の端部４３とが互いに近接することで、封止部材５０の流出を軽減可能である。結果として、金属部材４０の収容部４２において封止部材５０の厚さが維持され、コネクタ１０のガスに対する気密性が維持される。

　金属部材４０の端部４３が、嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲し、溝部２６の底面と第１方向に沿って接触することで、封止部材５０の流出の軽減に関する上述した効果が向上する。結果として、金属部材４０の収容部４２において封止部材５０の厚さが維持され、コネクタ１０のガスに対する気密性が維持される。

　金属部材４０が絞り加工を含む工程により加工されていることで、金属部材４０を構成する各外面が隙間なく連続し、コネクタ１０のガスに対する気密性が向上する。金属部材４０の外面において隙間が配置されて、当該隙間からガスが漏れ出るようなことが軽減される。

　封止部材５０がエポキシ樹脂を含有することで、ガスに対する透過性をより低くして、コネクタ１０のガスに対する気密性を向上させることが可能である。

　コネクタモジュール１では、金属部材４０の内側に接続対象物６０が配置されることで、コネクタ１０に対する接続対象物６０の前後左右方向への移動が軽減される。したがって、コネクタ１０のコンタクト３０の動きが軽減される。結果として、コンタクト３０と封止部材５０との間の剥離、及びコンタクト３０自体の破損などが軽減される。

　本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。

　例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。

　上述したコネクタ１０及び接続対象物６０の組立方法は、上記の説明の内容に限定されない。コネクタ１０及び接続対象物６０の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、コネクタ１０において、コンタクト３０及び金属部材４０の少なくとも一方が圧入ではなくインサート成形によりハウジング２０と一体的に成形されていてもよい。例えば、接続対象物６０において、コンタクト８０及び金具９０の少なくとも一方が圧入ではなくインサート成形によりインシュレータ７０と一体的に成形されていてもよい。

　上記実施形態では、密着部３４は、嵌合方向に沿って延在し、嵌合方向に直交する第１方向の長さが嵌合方向における位置に応じて異なる部分を有すると説明したが、これに限定されない。密着部３４における第１方向の長さは、嵌合方向における位置に応じて一定であってもよい。

　上記実施形態では、密着部３４において、第１方向の長さが短い第１部分３４ａと、第１方向の長さが長い第２部分３４ｂと、が嵌合方向に沿って交互に配置されていると説明したが、これに限定されない。第１部分３４ａと第２部分３４ｂとは、嵌合方向に沿って交互に配置されていなくてもよい。例えば、第１部分３４ａと第２部分３４ｂとは、嵌合方向に沿って不規則に配列されていてもよい。

　上記実施形態では、コンタクト３０は、第１方向に沿って第１部分３４ａと隣接する凹部３４ｃを有すると説明したが、これに限定されない。コンタクト３０は、このような凹部３４ｃを有さなくてもよい。凹部３４ｃは、嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向から密着部３４を視たときに多角形状となると説明したが、これに限定されない。凹部３４ｃは、嵌合方向及び第１方向に直交する第２方向から密着部３４を視たときに、図９Ｅに示すように半円形状となってもよい。

　上記実施形態では、凹部３４ｃは、嵌合方向に直交する全周にわたり配置されていると説明したが、これに限定されない。凹部３４ｃは、嵌合方向に直交する周の一部のみに配置されていてもよい。

　上記実施形態では、密着部３４における第１方向の最大幅は、取付部３３における第１方向の最大幅よりも小さいと説明したが、これに限定されない。密着部３４における第１方向の最大幅は、取付部３３における第１方向の最大幅以上であってもよい。これにより、コンタクト３０の強度が向上する。

　上記実施形態では、密着部３４において角Ｃが面状に配置されていると説明したが、これに限定されない。密着部３４において角Ｃは面状に配置されていなくてもよい。例えば、角Ｃは、前後面及び左右面とが交わって配置される交線によって鋭く配置されていてもよい。密着部３４における４つの角Ｃのうち少なくとも１つが面状に配置されていなくてもよい。

　上記実施形態では、ハウジング２０は、一方側の面に凹設されている溝部２６を有すると説明したが、これに限定されない。ハウジング２０は、このような溝部２６を有さなくてもよい。金属部材４０における他方側の端部４３は、溝部２６に収容されていると説明したが、これに限定されない。端部４３は、溝部２６に収容されていなくてもよい。

　上記実施形態では、金属部材４０の端部４３は、嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲し、溝部２６の底面と第１方向に沿って接触すると説明したが、これに限定されない。金属部材４０の端部４３は、嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲しなくてもよい。例えば、端部４３は、下方に直線状に延在してもよい。

　上記実施形態では、封止部材５０は、エポキシ樹脂を含有すると説明したが、これに限定されない。封止部材５０は、アクリル樹脂を含有してもよい。封止部材５０は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂に代えて、ガラス系樹脂などを含有してもよい。その他にも、封止部材５０は、ガラス及びゴムなど、ガスを封止できる任意の材料を含有してもよい。

　上記実施形態では、金属部材４０の枠部４１の内面は平面として構成されているが、これに限定されない。枠部４１の内面は、コンタクト３０の密着部３４と対向する上下領域において凹凸構造を有してもよい。例えば、枠部４１の内面の当該上下領域において、左右方向に延在する複数のリブが互いに所定の間隔で上下方向に離間して配置されていてもよい。

　上記実施形態は、第１方向は、一例として前後方向に対応すると説明したが、これに限定されない。第１方向は、嵌合方向に直交する任意の他の方向に対応してもよい。第２方向は、一例として左右方向に対応すると説明したが、これに限定されない。第２方向は、嵌合方向に直交する任意の他の方向に対応してもよい。

　上記実施形態のような構成に加えて、ハウジング２０の天井部２１に新たな封止部材及びＯリングなどが設けられてもよい。

　以上のようなコネクタ１０及びコネクタモジュール１は、回路基板ＣＢ１及び回路基板ＣＢ２を含んだ記憶装置に搭載される。記憶装置は、例えばＨＤＤなどを含む。このような記憶装置は、コネクタ１０及びコネクタモジュール１を用いることで、ガスに対する気密性を向上可能である。

　本開示からは、以下の概念を抽出できる。
（１）
　接続対象物と嵌合するコネクタであって、
　ハウジングと、
　前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合方向に沿って前記ハウジングを貫通するように取り付けられている取付部と、前記接続対象物と接触する接触部と、前記取付部と前記接触部との間に位置する密着部と、を有する複数のコンタクトと、
　前記嵌合方向において前記接続対象物が位置する一方側で前記ハウジングに取り付けられ、前記複数のコンタクトの周囲を囲む枠状の金属部材と、
　前記ハウジングに対し前記一方側で前記金属部材の枠の内側に充填され、前記金属部材及び前記密着部と密着する封止部材と、
　を備える、
　コネクタ。
（２）
　上記（１）に記載のコネクタであって、
　前記金属部材は、前記金属部材を構成する各外面が隙間なく連続するように配置されている、
　コネクタ。
（３）
　上記（１）又は（２）に記載のコネクタであって、
　前記封止部材は、空気よりも低密度のガスを封止する、
　コネクタ。
（４）
　上記（１）乃至（３）のいずれか１つに記載のコネクタであって、
　前記密着部は、前記嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する第１方向の長さが前記嵌合方向における位置に応じて異なる部分を有する、
　コネクタ。
（５）
　上記（４）に記載のコネクタであって、
　前記密着部において、前記第１方向の長さが短い第１部分と、前記第１方向の長さが長い第２部分と、が前記嵌合方向に沿って交互に配置されている、
　コネクタ。
（６）
　上記（５）に記載のコネクタであって、
　前記コンタクトは、前記第１方向に沿って前記第１部分と隣接する凹部を有し、
　前記凹部は、前記嵌合方向及び前記第１方向に直交する第２方向から前記密着部を視たときに多角形状となる、
　コネクタ。
（７）
　上記（６）に記載のコネクタであって、
　前記凹部は、前記嵌合方向に直交する全周にわたり配置されている、
　コネクタ。
（８）
　上記（４）乃至（７）のいずれか１つに記載のコネクタであって、
　前記密着部における前記第１方向の最大幅は、前記取付部における前記第１方向の最大幅よりも小さい、
　コネクタ。
（９）
　上記（１）乃至（８）のいずれか１つに記載のコネクタであって、
　前記密着部において角が面状に配置されている、
　コネクタ。
（１０）
　上記（１）乃至（９）のいずれか１つに記載のコネクタであって、
　前記ハウジングは、前記一方側の面に凹設されている溝部を有し、
　前記金属部材における他方側の端部は、前記溝部に収容されている、
　コネクタ。
（１１）
　上記（１０）に記載のコネクタであって、
　前記金属部材の前記端部は、前記嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲し、前記溝部の底面と前記第１方向に沿って接触する、
　コネクタ。
（１２）
　上記（１）乃至（１１）のいずれか１つに記載のコネクタであって、
　前記封止部材は、エポキシ樹脂を含有する、
　コネクタ。
（１３）
　上記（１）乃至（１２）のいずれか１つに記載のコネクタと、
　前記コネクタと嵌合する前記接続対象物と、
　を備え、
　前記封止部材は、前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合状態で、前記金属部材の内部において前記接続対象物と前記ハウジングとの間に介在する、
　コネクタモジュール。
（１４）
　上記（１）乃至（１２）のいずれか１つに記載のコネクタ、又は上記（１３）に記載のコネクタモジュールを備える、
　記憶装置。

１　　　コネクタモジュール
１０　　コネクタ
２０　　ハウジング
２１　　天井部
２２　　外周壁
２２ａ　短手壁
２２ｂ　長手壁
２３　　突出部
２４　　第１取付溝
２５　　第２取付溝
２６　　溝部
３０　　コンタクト
３１　　実装部
３２　　延出部
３３　　取付部
３４　　密着部
３４ａ　第１部分
３４ｂ　第２部分
３４ｃ　凹部
３４ｄ　第３部分
３５　　接触部
４０　　金属部材
４１　　枠部
４２　　収容部
４３　　端部
４４　　取付部
５０　　封止部材
５１　　密着部
６０　　接続対象物
７０　　インシュレータ
７１　　天井部
７２　　外周壁
７２ａ　短手壁
７２ｂ　長手壁
７３　　嵌合凹部
７４　　第１取付溝
７５　　第２取付溝
７６　　角部
８０　　コンタクト
８１　　実装部
８２　　取付部
８３　　折返部
８４　　弾性接触片
８４ａ　第１接触部
８４ｂ　第２接触部
９０　　金具
９１　　実装部
９２　　折返部
９３　　取付部
Ｃ　　　角
ＣＢ１　回路基板
ＣＢ２　回路基板
Ｈ　　　筐体
Ｌ１　　前後幅
Ｌ２　　前後幅

Claims (15)

1. 　接続対象物と嵌合するコネクタであって、
   　ハウジングと、
   　前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合方向に沿って前記ハウジングを貫通するように取り付けられている取付部と、前記接続対象物と接触する接触部と、前記取付部と前記接触部との間に位置する密着部と、を有する複数のコンタクトと、
   　前記嵌合方向において前記接続対象物が位置する一方側で前記ハウジングに取り付けられ、前記複数のコンタクトの周囲を囲む枠状の金属部材と、
   　前記ハウジングに対し前記一方側で前記金属部材の枠の内側に充填され、前記金属部材及び前記密着部と密着する封止部材と、
   　を備える、
   　コネクタ。
2. 　請求項１に記載のコネクタであって、
   　前記金属部材は、前記金属部材を構成する各外面が隙間なく連続するように配置されている、
   　コネクタ。
3. 　請求項１又は２に記載のコネクタであって、
   　前記封止部材は、空気よりも低密度のガスを封止する、
   　コネクタ。
4. 　請求項１又は２に記載のコネクタであって、
   　前記密着部は、前記嵌合方向に沿って延在し、前記嵌合方向に直交する第１方向の長さが前記嵌合方向における位置に応じて異なる部分を有する、
   　コネクタ。
5. 　請求項４に記載のコネクタであって、
   　前記密着部において、前記第１方向の長さが短い第１部分と、前記第１方向の長さが長い第２部分と、が前記嵌合方向に沿って交互に配置されている、
   　コネクタ。
6. 　請求項５に記載のコネクタであって、
   　前記コンタクトは、前記第１方向に沿って前記第１部分と隣接する凹部を有し、
   　前記凹部は、前記嵌合方向及び前記第１方向に直交する第２方向から前記密着部を視たときに多角形状となる、
   　コネクタ。
7. 　請求項６に記載のコネクタであって、
   　前記凹部は、前記嵌合方向に直交する全周にわたり配置されている、
   　コネクタ。
8. 　請求項４に記載のコネクタであって、
   　前記密着部における前記第１方向の最大幅は、前記取付部における前記第１方向の最大幅よりも小さい、
   　コネクタ。
9. 　請求項１又は２に記載のコネクタであって、
   　前記密着部において角が面状に配置されている、
   　コネクタ。
10. 　請求項１又は２に記載のコネクタであって、
    　前記ハウジングは、前記一方側の面に凹設されている溝部を有し、
    　前記金属部材における他方側の端部は、前記溝部に収容されている、
    　コネクタ。
11. 　請求項１０に記載のコネクタであって、
    　前記金属部材の前記端部は、前記嵌合方向に直交する第１方向に沿って外側に屈曲し、前記溝部の底面と前記第１方向に沿って接触する、
    　コネクタ。
12. 　請求項１又は２に記載のコネクタであって、
    　前記封止部材は、エポキシ樹脂を含有する、
    　コネクタ。
13. 　請求項１又は２に記載のコネクタと、
    　前記コネクタと嵌合する前記接続対象物と、
    　を備え、
    　前記封止部材は、前記コネクタと前記接続対象物とが互いに嵌合する嵌合状態で、前記金属部材の内部において前記接続対象物と前記ハウジングとの間に介在する、
    　コネクタモジュール。
14. 　請求項１又は２に記載のコネクタを備える記憶装置。
15. 　請求項１３に記載のコネクタモジュールを備える記憶装置。
     

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