WO2024024304A1 - 売買取引支援装置及び方法 - Google Patents

Abstract

リサイクル機器の買い手の過去の機器利用パターンを模擬すると共に、リサイクル機器の稼働ログに基づいて、当該リサイクル機器の稼働状態を模擬し、これらの模擬の模擬結果に基づいて、買い手がリサイクル機器を利用した場合のリサイクル機器の稼働態を評価し、その評価結果に基づいて、リサイクル機器の利用が買い手に与える影響を推定し、その推定結果に基づいて、買い手に対するリサイクル機器の適正価格を推定し、推定結果を買い手に提示するようにした。

Description

売買取引支援装置及び方法

　本発明は売買取引支援装置及び方法に関し、例えば、リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置に適用して好適なものである。

　近年、環境問題に対する意識が高まっており、これに伴いリサイクル機器の利活用が注目されている。この場合、リサイクル機器は、ユーザによってその機器の価値や必要な運用コストが異なる。

　なお、特許文献１には、中古二次電池のリサイクルに関連して、下取りに出す車両に搭載されたバッテリの劣化状態と、各ユーザの利用用途に応じた許容される劣化状態とから購入希望者を複数選択し、利用用途に応じた想定販売金額と、下取り場所からの距離とに応じたコストから下取り価格を決定するための発明が開示されている。

特許第６９４４２０９号公報

　特許文献１に開示された発明では、劣化度合が用途で決まる要求を満たすか否か、用途ごとの想定販売額、及び、搬送コストの３つを考慮してはいるものの、中古二次電池の販売価格が用途で決定され、用途が同じでも購入希望者ごとに販売価格を変更することは考えられていない。

　また、一般的にリサイクル機器の売買は、買い手側にとっての価値を考慮することなく売り手側の言い値で取引されることが多く、買い手側が、その買い手側から見た価値に見合わない価格でリサイクル機器を購入するリスクがあった。

　本発明は以上の点を考慮してなされたもので、買い手側が、その買い手に対する価値に見合わない価格でリサイクル機器を購入するリスクを低減させ得る売買取引支援装置及び方法を提案しようとするものである。

　かかる課題を解決するため本発明においては、リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置において、前記リサイクル機器の買い手の過去の機器利用パターンを模擬する機器利用模擬部と、前記リサイクル機器の稼働ログに基づいて、当該リサイクル機器の稼働状態を模擬する機器稼働模擬部と、前記機器利用模擬部の模擬結果、及び、前記機器稼働模擬部の模擬結果に基づいて、前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を評価する機器稼働評価部と、前記機器稼働評価部の評価結果に基づいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を推定する機器利用影響推定部と、前記機器利用影響推定部の推定結果に基づいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を推定し、推定結果を前記買い手に提示する適正価格推定部とを設けるようにした。

　また本発明においては、リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置により実行される売買取引支援方法であって、前記リサイクル機器の買い手の過去の機器利用パターンを模擬すると共に、前記リサイクル機器の稼働ログに基づいて、当該リサイクル機器の稼働状態を模擬する第１のステップと、前記第１のステップにおける各模擬の模擬結果に基づいて、前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働態を評価する第２のステップと、前記第２のステップの評価結果に基づいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を推定する第３のステップと、前記第３のステップの推定結果に基づいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を推定し、推定結果を前記買い手に提示する第４のステップとを設けるようにした。

　本発明の売買取引支援装置及び方法によれば、買い手に対するリサイクル機器の適正価格をその買い手に提示することができ、これにより買い手がリサイクル機器の自己にとっての適正価格を認識することができる。

　本発明によれば、買い手側が、その買い手に対する価値に見合わない価格でリサイクル機器を購入するリスクを低減させることができる。

第１の実施の形態による売買取引支援システムの構成を示すブロック図である。 機器利用ログテーブルの構成例を示す図表である。 第１の実施の形態の売買取引支援装置における売買取引支援機能に関する一連の処理の流れの説明に供するブロック図である。 機器利用ログ登録画面の構成例を示す図である。 買い手側評価シナリオ設定画面の構成例を示す図である。 推奨機器一覧画面の構成例を示す図である。 稼働ログ登録画面の構成例を示す図である。 売り手側評価シナリオ設定画面の構成例を示す図である。 予測販売価格帯表示画面の構成例を示す図である。 第１の実施の形態における推奨販売価格表示画面の構成例を示す図である。 第２の実施の形態による売買取引支援システムの構成を示すブロック図である。 第２の実施の形態の売買取引支援装置における売買取引支援機能に関する一連の処理の流れの説明に供するブロック図である。 第２の実施の形態における推奨販売価格表示画面の構成例を示す図である。

　以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。

（１）第１の実施の形態
（１－１）本実施の形態による売買取引支援システムの構成
　図１において、１は全体として本実施の形態による売買取引支援システムを示す。この売買仲介システム１は、ネットワーク２上の仮想的な売買取引市場（以下、これを仮想売買取引市場と呼ぶ）でのリサイクル機器５の売買取引を支援するシステムであり、売り手３側の通信端末装置４と、買い手６側の通信端末装置７と、かかる売買取引市場のプラットフォームを提供する売買取引支援装置９とを備えて構成される。

　リサイクル機器５は、売り手３が仮想売買取引市場において販売を希望する中古機器である。また売り手３の通信端末装置４及び買い手６側の通信端末装置７は、それぞれデスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット又はスマートフォンなどのコンピュータ装置から構成され、インターネットなどのネットワーク２を介して売買取引支援装置９と接続されている。

　売買取引支援装置９は、かかる仮想売買取引市場を提供するサーキュラーエコノミーのプラットフォーマが運用するサーバ装置であり、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１０、メモリ１１、記憶装置１２、通信装置１３、入力装置１４及び表示装置１５を備えて構成される。

　ＣＰＵ１０は、売買取引支援装置９全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ１１は、例えば半導体メモリから構成され、ＣＰＵ１０のワーキングメモリとして利用される。記憶装置１２は、ハードディスク装置やＳＳＤ（Solid State Drive）などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、各種プログラムや長期間保存が必要なデータなどが格納されて保持される。

　記憶装置１２に格納されたプログラムが売買取引支援装置９の起動時や必要時に記憶装置１２からメモリ１１にロードされ、メモリ１１にロードされたプログラムをＣＰＵ１０が実行することにより、後述のような売買取引支援装置９全体としての各種処理が実行される。

　通信装置１３は、例えばＮＩＣ（Network Interface Card）などから構成され、ネットワーク２を介した通信端末装置４，７との通信時におけるプロトコル制御を行う。

　入力装置１４は、例えばキーボードやマウスなどから構成され、ユーザが必要な情報や命令を入力する際に利用される。また表示装置１５は、液晶ディスプレイや有機ＥＬ（Electro-Luminescence）ディスプレイなどから構成され、必要な情報を表示するために利用される。なお、入力装置１４及び表示装置１５に代えて、これらが一体化したタッチパネルを適用するようにしてもよい。

（１－２）売買取引支援機能
（１－２－１）売買取引支援機能の概要
　次に、売買取引支援装置９に搭載された売買取引支援機能の概要について説明する。この売買取引支援機能に基づく売買取引支援装置９の動作モードとして、推奨機器提示モードと、販売価格帯予測モード及び推奨販売価格提示モードとがある。

　推奨機器提示モードは、リサイクル機器５の買い手６からの要求に応じて、仮想売買取引市場に出品された各リサイクル機器５のその買い手６に対する適正価格をそれぞれ算出し、算出した適正価格に基づいて、仮想売買取引市場に出品されたリサイクル機器５の中から推奨するリサイクル機器５をその買い手６に提示する動作モードである。

　また販売価格帯予測モードは、リサイクル機器５の売り手３からの要求に応じて、その売り手３が仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の現状での販売価格帯や、そのリサイクル機器５を改造により性能をアップさせた場合の販売価格帯をそれぞれ予測し、予測結果をその売り手３に提示する機能である。

　さらに推奨販販売価格提示モードは、リサイクル機器５の売り手３からの要求に応じて、そのリサイクル機器５の推奨する販売価格（以下、これを推奨販売価格と呼ぶ）をその売り手３に提示する動作モードである。

　実際上、売買取引支援装置９は、推奨機器提示モード時、買い手６によりアップロードされたその買い手６が現在所有し又は過去に所有していた機器（以下、これを買い手側機器と呼ぶ）８の一定期間（例えば数日～数年）の稼働ログ（以下、これを機器利用ログと呼ぶ）に基づいて、将来の所定期間（以下、これを評価期間と呼ぶ）におけるその買い手６の買い手側機器８の利用パターンをシミュレーション（模擬）する。

　また売買取引支援装置９は、各売り手３によりそれぞれアップロードされた各リサイクル機器５の一定期間（例えば数日～数年）の稼働ログに基づいて、各リサイクル機器５の時間帯ごとの運転コストや故障確率及び故障の継続時間（以下、これを故障継続時間と呼ぶ）などの稼働状態（動作及び状態）をシミュレーションしてモデル化する。

　そして売買取引支援装置９は、かかるシミュレーション結果と、各リサイクル機器５の稼働状態のモデルとに基づいて、リサイクル機器５ごとに、対応する買い手６がそのリサイクル機器５を自己の買い手側機器８と同じ利用パターンで上述の所定期間運転させた場合における各リサイクル機器５の稼働状態をそれぞれ評価（シミュレーション）する。

　そして売買取引支援装置９は、この評価結果に基づいて、買い手６ごとに、各リサイクル機器５の利用がその買い手６に与える影響を推定し、推定結果に基づいてその買い手６に対する各リサイクル機器５の適正価格を算出する。

　なお、ここでの「リサイクル機器５の利用が買い手６に与える影響」とは、買い手６がそのリサイクル機器５を使用することにより得られる便益（利益）及び損失（例えば運用コスト）と、ＣＯ_２排出量などの環境に与える影響（以下、これを環境影響と呼ぶ）とを指す。

　そして売買取引支援装置９は、このようにして算出した各リサイクル機器５の適正価格に基づいて、その買い手６に対してより適切な適正価格の上位所定数のリサイクル機器５を推奨機器としてその買い手６に提示する。

　一方、売買取引支援装置９は、販売価格帯予測モード時、リサイクル機器５の販売価格帯の予測を要求した売り手３によりアップロードされた、そのリサイクル機器５の一定期間の稼働ログに基づいて、そのリサイクル機器５の稼働状態をシミュレーションによりモデル化する。

　また売買取引支援装置９は、そのリサイクル機器５と同じ機器種別の買い手側機器８を所有し又は所有していた各買い手６によりそれぞれアップロードされたその買い手側機器８の一定期間の機器利用ログに基づいて、将来の所定期間におけるこれら買い手６の買い手側機器８の利用パターンを買い手６ごとにそれぞれシミュレーションする。

　そして売買取引支援装置９は、かかる買い手６ごとのシミュレーション結果と、かかるリサイクル機器５の稼働状態のモデルとに基づいて、買い手６ごとに、そのリサイクル機器５をその買い手６の買い手側機器８と同じ利用パターンで上述の所定期間運転させた場合におけるそのリサイクル機器５の稼働状態をそれぞれシミュレーションする。

　この際、売買取引支援装置９は、そのリサイクル機器５を現在の状態のまま運転させた場合におけるシミュレーションと、そのリサイクル機器５を売り手３により予め指定された改造を行った上で運転させた場合との２パターンのシミュレーションを実行する。

　そして売買取引支援装置９は、これらのシミュレーションの結果に基づいて、これらのシミュレーションごとに、そのリサイクル機器５の利用が、かかる各買い手６に与える影響を買い手６ごとにそれぞれ算出する。

　また売買取引支援装置９は、かかる算出結果に基づいてこれらの買い手６に対するそのリサイクル機器５の適正価格をそれぞれ決定し、現在の状態でのリサイクル機器５の適正価格の価格帯を、かかる改造を行わなかった場合の販売価格帯とし、売り手３により予め指定された改造を行った場合のそのリサイクル機器５の適正価格の価格帯を、かかる改造を行った場合の販売価格帯として、これらの販売価格帯をその売り手３に提示する。

　他方、売買取引支援装置９は、推奨販売価格提示モード時、販売価格帯予測モード時と同様にして、リサイクル機器５の販売価格の予測を要求した売り手３の当該リサイクル機器５と同じ機器種別の買い手側機器８を所有し又は所有していた買い手６ごとに、そのリサイクル機器５の利用がその買い手６に与える影響をそれぞれ算出する。

　また売買取引支援装置９は、かかる算出結果に基づいてこれらの買い手６に対するそのリサイクル機器５の適正価格をそれぞれ算出し、より高い上位所定数の適正価格をそのリサイクル機器５の推奨する販売価格としてその売り手３に提示する。

　以上のような売買取引支援機能を実現するための手段として、売買取引支援装置９の記憶装置１２には、図１に示すように、評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３、機器利用影響推定部２４及び適正価格推定部２５と、機器利用ログデータベース２６及び稼働ログデータベース２７とが格納されている。

　機器利用ログデータベース２６は、各買い手６からそれぞれアップロードされた、その買い手６の買い手側機器８の機器利用ログが格納されたデータベースである。この機器利用ログデータベース２６は、買い手６ごと、及び、その買い手６の買い手側機器８ごとにそれぞれ作成された図２に示すテーブル（以下、これを機器利用ログテーブルと呼ぶ）２８を備えて構成される。

　機器利用ログテーブル２８は、対応する買い手６により売買取引支援装置９にアップロードされた対応する買い手側機器８の機器利用ログが登録されたテーブルであり、図２に示すように、日付欄２８Ａ、曜日欄２８Ｂ、時刻欄２８Ｃ、状態欄２８Ｄ、効能欄２８Ｅ及び運転コスト欄２８Ｆを備えて構成される。機器利用ログテーブル２８では、１つのレコード（行）が、対応する買い手６の対応する買い手側機器８の１つ分の機器利用ログに対応する。

　そして日付欄２８Ａには、対応する機器利用ログを取得した日時が格納され、曜日欄２８Ｂには、その曜日が格納される。また時刻欄２８Ｃには、その機器利用ログを取得した時刻が格納され、状態欄２８Ｄには、その時刻における対応する買い手側機器８の状態が格納される。具体的に、状態欄２８Ｄには、対応する買い手側機器８に故障が発生していない場合には「ＯＫ」、故障が発生している場合には「ＮＧ」が格納される。

　また効能欄２８Ｅには、対応する日時におけるその買い手側機器８の効能（ここでは出力であり、以下、同様とする。）が格納され、運転コスト欄２８Ｆには、その日時におけるその買い手側機器８の運転コスト（ここでは電力量であり、以下、同様とする。）が格納される。

　従って、図２の例の場合、「7/23」の「金」曜日の「9:00」の時点では、対応する買い手側機器８に故障が発生しておらず（状態欄２８Ｄの値が「ＯＫ」）、その時点におけるその買い手側機器８の効能（出力）は「120」で運転コスト（電力量）は「30」であったことが示されている。

　また稼働ログデータベース２７は、各売り手３から売買取引支援装置９にそれぞれアップロードされた、その売り手３が上述の仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の稼働ログが格納されたデータベースである。この稼働ログデータベース２７は、格納される情報が各リサイクル機器５の稼働ログの情報である点を除いて機器利用ログデータベースと同様の構成を有するため、ここでの説明は省略する。

　一方、評価シナリオ生成部２０は、買い手６により指定された期間（推奨機器提示モード時）や、売り手３により指定された期間（販売価格帯予測モード時）を評価期間として機器利用模擬部２１に通知したり、買い手６により予め指定された故障対応（推奨機器提示モード時）や、売り手３により予め指定された改造対応（販売価格帯予測モード時）を評価条件として機器稼働評価部２３に通知する機能を有するプログラムである。

　なお、ここでの「故障対応」とは、「壊れたら修理」又は「故障確率がｘ％以上になったら修理」など、買い手６が想定するリサイクル機器５に故障が発生した場合の対応内容であり、「改造対応」とは、「コストｘ円を使って効能をｙ％向上させる」など、売り手３が想定する出品予定のリサイクル機器５に対する改造の内容を指す。

　また機器利用模擬部２１は、機器利用ログデータベース２６に格納された各買い手側機器８の機器利用ログに基づいて、かかる評価期間内の各時間帯（例えば機器利用ログが10分単位であれば10分ごとの各時間帯）にその買い手側機器８を現在所有し又は過去に所有していた買い手６がどの程度の出力を必要とするかをシミュレーションする機能を有するプログラムである。

　さらに機器稼働模擬部２２は、稼働ログデータベース２７に格納された各リサイクル機器５の稼働ログに基づいて、かかる評価期間内におけるリサイクル機器５の稼働状態をモデル化する機能を有するプログラムである。

　機器稼働評価部２３は、機器利用模擬部２１のシミュレーション結果と、機器稼働模擬部２２により生成されたリサイクル機器５の稼働状態のモデルと、評価シナリオ生成部２０から通知された評価条件とに基づいて、評価期間内におけるリサイクル機器５の時間帯ごとの稼働状態をシミュレーションにより評価（運転コストの算出や、故障の有無及び故障停止の有無の判定など）する機能を有するプログラムである。

　また機器利用影響推定部２４は、リサイクル機器５の利用が買い手６に与える影響を推定する機能を有するプログラムである。さらに適正価格推定部２５は、機器利用影響推定部２４の推定結果に基づいて、買い手６に対するリサイクル機器５の適正価格を推定する機能を有するプログラムである。

（１－２－２）売買取引支援機能に関する処理の流れ
（１－２－２－１）推奨機器提示モード時における一連の処理の流れ
　図３は、かかる売買取引支援機能に関連して、評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３、機器利用影響推定部２４及び適正価格推定部２５により実行される一連の処理の流れを示す。

　まず、推奨機器提示モード時における一連の処理の流れについて説明する。買い手６が、自己の買い手側機器８の機器利用ログを売買取引支援装置９にアップロードした後、通信端末装置７（図１）を操作して、評価期間や評価条件（ここでは故障対応）を指定した上で推奨するリサイクル機器５の提示を売買取引支援装置９に要求すると、売買取引支援装置９において推奨機器提示モードの処理が開始される。以下においては、この買い手６を対象買い手６と呼ぶものとする。

　そして、まず、評価シナリオ生成部２０が、対象買い手６により指定された評価期間を取り込み、取り込んだ評価期間を機器利用模擬部２１に通知する（Ｓ１Ａ）。また評価シナリオ生成部２０は、対象買い手６により指定された評価条件を取り込み、取り込んだ評価条件を機器稼働評価部２３に通知する（Ｓ１Ｂ）。

　機器利用模擬部２１は、機器利用ログデータベース２６に格納された、対象買い手６の買い手側機器８の機器利用ログに基づいて、その対象買い手６が、その買い手側機器８を各時間帯にどのような出力で稼働させたかを機械学習する。そして機器利用模擬部２１は、かかる機械学習により得られた学習モデル（以下、これを機器利用モデルと呼ぶ）を用いて、評価シナリオ生成部２０から通知された評価期間内の各時間帯に対象買い手６が必要とする効能（各日付や各曜日の各時間帯に必要とする出力であり、以下、これを必要効能と呼ぶ）を推定し、推定結果を機器稼働評価部２３に出力する（Ｓ２）。

　また機器稼働模擬部２２は、稼働ログデータベース２７に格納された各リサイクル機器５の稼働ログに基づいて、対象となるリサイクル機器５（対象買い手６の買い手側機器８と同じ機器種別のリサイクル機器５）ごとに運転コスト、故障の継続時間（以下、これを故障継続時間と呼ぶ）及び故障確率をそれぞれモデル化し、生成した各モデルを機器稼働評価部２３に出力する（Ｓ３）。なお、以下においては、機器稼働模擬部２２により生成される運転コストに関するモデルを運転コストモデル、故障継続時間に関するモデルを故障継続時間モデル、故障確率に関するモデルを故障確率モデルと呼ぶものとする。

　機器稼働評価部２３は、評価シナリオ生成部２０から通知された評価条件と、機器利用模擬部２１から通知された対象買い手６の評価期間内の各時間帯における必要効能と、機器稼働模擬部２２から通知された対象となるリサイクル機器５ごとの運転コストモデル、故障継続時間モデル及び故障確率モデルとに基づいて、これらのリサイクル機器５ごとに、そのリサイクル機器５を対象買い手６の買い手側機器８の利用パターンと同じ利用パターンで利用した場合における、そのリサイクル機器５の評価期間内の時間帯ごとの稼働状況をシミュレーションする。

　例えば、機器稼働評価部２３は、運転コストモデルに基づいて、機器利用模擬部２１から通知された各時間帯における必要効率を得るための運転コストを順次算出する。また機器稼働評価部２３は、故障確率モデルに基づいて、リサイクル機器５にシミュレーション上で故障が発生したか否かを常時判定し、故障が発生したと判定した場合には、その故障の故障継続時間を故障継続時間モデルを用いて決定する。この際、機器稼働評価部２３は、故障継続時間中のそのリサイクル機器５の効能及び運転コストはいずれも「０」とする。

　また機器稼働評価部２３は、評価シナリオ生成部２０から評価条件として通知された故障対応に従って、リサイクル機器５の故障を修理するものとした場合には、修理後、そのリサイクル機器５をシミュレーション上で再稼働させる際に、そのリサイクル機器５における経時劣化を算出するための経過時間を「０」に戻す。

　そして機器稼働評価部２３は、このようにして算出した評価期間内の時間帯ごとの効能、運転コスト及びリサイクル機器５の状態を表す図２と同じ形態のログを時間帯ごとにそれぞれ生成し、生成したこれらのログを模擬稼働ログとして機器利用影響推定部２４に出力する（Ｓ４）。

　機器利用影響推定部２４は、対象となるリサイクル機器５ごとに、そのリサイクル機器５の利用が対象買い手６に与える影響を推定する。そのための手段として、機器利用影響推定部２４には、その対象買い手６が事前に生成した価値換算モデル、故障損失モデル、機器停止損失モデル及び環境影響モデルが予め与えられる。

　価値換算モデルは、リサイクル機器５の効能によって得られる対象買い手６の便益を金額に換算するモデルである。価値換算モデルは、金額を目的変数、効能を説明変数とする関数であっても、また単位効能当たりの便益（金額）を表す定数であってもよい。また故障損失モデルは、１回当たりのリサイクル機器５の故障によって発生する対象買い手６の損失（修理に要するコスト）のモデルであり、リサイクル機器５ごとの定数であってもよい。

　さらに機器停止損失モデルは、リサイクル機器５の停止によって発生する時間当たりの対象買い手６の損失（リサイクル機器５の停止によって対象買い手６に発生する損害）のモデルであり、定数であってもよい。さらに環境影響モデルは、時間帯ごとのリサイクル機器５の効能又は運転コストを環境への影響（ＣＯ_２排出量など）に変換するモデルである。

　そして機器利用影響推定部２４は、機器稼働評価部２３から通知された模擬稼働ログに基づき、これら価値換算モデル、故障損失モデル、機器停止損失モデル及び環境影響モデルを用いて、各リサイクル機器５の利用が対象買い手６に与える影響（便益、損失及び環境影響）をそれぞれ算出し、算出結果を適正価格推定部２５に出力する（Ｓ５）。

　適正価格推定部２５は、対象となるリサイクル機器５ごとに、機器利用影響推定部２４が推定したそのリサイクル機器５が対象買い手６に与える影響に基づいて、その対象買い手６に対するそのリサイクル機器５の適正価格をそれぞれ推定する。

　そのための手段として、適正価格推定部２５は、機器利用影響推定部２４が出力した便益、損失及び環境影響から適正価格にマッピングする関数を備えており、この関数を利用してリサイクル機器５ごとの適正価格をそれぞれ算出する。

　なお、かかる関数としては、簡単には便益、損失及び環境影響それぞれ値を重み付けて加算する関数として定義することができるが、より複雑な換算式を適用するようにしてもよい。また便益及び損失は元々金額で表現されるため、環境影響を金額に換算し、次式

により適正価格を算出するようにしてもよい。なお（１）式においてｘは、売買取引支援装置９を設置したサーキュラーエコノミーのプラットフォーマの手数料を考慮して設定される定数である。

　さらに対象買い手６までのリサイクル機器５の輸送費をも考慮して、次式

により適正価格を算出するようにしてもよい。

　そして適正価格推定部２５は、上述のようにして算出した対象買い手６に対する各リサイクル機器５の適正価格のうち、対象買い手６に最適な数台分のリサイクル機器５の適正価格を、推奨するリサイクル機器５の適正価格として対象買い手６の通信端末装置７に送信する（Ｓ６）。この結果、対象買い手６に対するこれらリサイクル機器５の適正価格がその通信端末装置７に表示される。

（１－２－２－２）販売価格帯予測モード時における一連の処理の流れ
　次に、販売価格帯予測モード時における一連の処理の流れについて説明する。売り手３が、その売り手３が上述の仮想的な売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器（以下、これを対象リサイクル機器と呼ぶ）５の稼働ログを売買取引支援装置９にアップロードした後、自己の通信端末装置４（図１）を操作して、評価期間や評価条件（ここでは改造対応）を指定した上でその対象リサイクル機器５の販売価格帯の予測を売買取引支援装置９に要求すると、売買取引支援装置９において販売価格帯予測モードの処理が開始される。以下においては、この売り手３を対象売り手３と呼ぶものとする。

　そして、まず、評価シナリオ生成部２０は、対象売り手３により指定された評価期間を取り込み、取り込んだ評価期間を機器利用模擬部２１に通知する（Ｓ１Ａ´）。また評価シナリオ生成部２０は、対象売り手３により指定された評価条件を取り込み、取り込んだ評価条件を機器稼働評価部２３に通知する（Ｓ１Ｂ´）。

　機器利用模擬部２１は、機器利用ログデータベース２６に格納された各買い手側機器８の機器利用ログに基づいて、推奨機器提示モード時と同様にして、評価シナリオ生成部２０から通知された評価期間内の各時間帯における各買い手６の必要効能をそれぞれ推定し、推定結果を機器稼働評価部２３に出力する（Ｓ２´）。なお、ここでの「買い手」とは、対象リサイクル機器５と同じ機器種別の買い手側機器８の機器利用ログをアップロードした買い手６であり、以下においては、この買い手６を特定買い手６と呼ぶものとする。

　また機器稼働模擬部２２は、稼働ログデータベース２７に格納された対象売り手３が上述の仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の稼働ログに基づいて、運転コストモデル、故障継続時間モデル及び故障確率モデルをそれぞれ生成し、生成したこれら運転コストモデル、故障継続時間モデル及び故障確率モデルを機器稼働評価部２３に出力する（Ｓ３´）。

　機器稼働評価部２３は、評価シナリオ生成部２０から通知された評価条件と、機器利用模擬部２１から通知された各特定買い手６の評価期間内の各時間帯における必要効能と、機器稼働模擬部２２から通知された対象リサイクル機器５の運転コストモデル、故障継続時間モデル及び故障確率モデルとに基づいて、推奨機器提示モードと同様にして、評価期間内におけるその対象リサイクル機器５の時間帯ごとの稼働状況をシミュレーションする。この際、機器稼働評価部２３は、対象リサイクル機器５を現在の状態のまま運転させた場合におけるシミュレーションと、対象リサイクル機器５を対象売り手３により指定された改造対応を行った上で運転させた場合との２パターンのシミュレーションを実行する。

　そして機器稼働評価部２３は、かかるシミュレーションごとに、算出した評価期間内の時間帯ごとの運転コスト、対象リサイクル機器５の状態を表す図２と同じ形態のログを時間帯ごとにそれぞれ生成し、生成したこれらのシミュレーションごとのログを模擬稼働ログとして機器利用影響推定部２４に出力する（Ｓ４´）。

　機器利用影響推定部２４は、推奨機器提示モードと同様にして、特定買い手６ごと及びシミュレーションごとに、かかる対象リサイクル機器５の利用がその特定買い手６に与える影響をそれぞれ推定し、推定結果を適正価格推定部２５に出力する（Ｓ５´）。

　適正価格推定部２５は、機器利用影響推定部２４が推定した対象リサイクル機器５が各特定買い手６にそれぞれ与える影響に基づいて、推奨機器提示モード時と同様にして、特定買い手６ごと及びシミュレーションごとに、その特定買い手６に対する対象リサイクル機器５の適正価格をそれぞれ推定する。

　そして適正価格推定部２５は、かかる推定結果に基づいて、対象リサイクル機器５を現状の状態で販売した場合における各特定買い手６に対する適正価格の価格帯と、その対象リサイクル機器５を改造した場合における各特定買い手６に対する適正価格の価格帯とを対象売り手３の通信端末装置４に送信する（Ｓ６´）。

　この結果、対象リサイクル機器５を現状の状態で販売した場合に予測される販売価格帯（各特定買い手６に対する適正価格の価格帯）と、対象リサイクル機器５を対象売り手３が指定した改造を施した上で販売した場合に予測される販売価格帯（各特定買い手６に対する適正価格の価格帯）とがその通信端末装置４に表示される。

（１－２－２－３）推奨販売価格提示モード時における一連の処理の流れ
　次に、推奨販売価格提示モード時における一連の処理の流れについて説明する。売り手３が、その売り手３が上述の仮想的な売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器（以下においても、これを対象リサイクル機器と呼ぶ）５の稼働ログを売買取引支援装置９にアップロードした後、自己の通信端末装置４（図１）を操作して、評価期間を指定した上でその対象リサイクル機器５の推奨する販売価格の提示を売買取引支援装置９に要求すると、売買取引支援装置９において推奨販売価格提示モードの処理が開始される。以下においても、この売り手３を対象売り手３と呼ぶものとする。

　そして、この後、販売価格帯予測モード時と同様の処理が評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３及び機器利用影響推定部２４において実行される。

　ただし、推奨販売価格提示モード時、機器稼働評価部２３は、対象リサイクル機器５を現在の状態のまま運転させた場合のみのシミュレーションを実行し、かくして得られた模擬稼働ログを機器利用影響推定部２４に出力する。

　また機器利用影響推定部２４も、特定買い手６ごとに、かかる対象リサイクル機器５の利用がその特定買い手６に与える影響をそれぞれ推定し、推定結果を適正価格推定部２５に出力する。

　また適正価格推定部２５は、機器利用影響推定部２４が推定した対象リサイクル機器５が各特定買い手６にそれぞれ与える影響に基づいて、対象リサイクル機器５を現状の状態で販売した場合における各特定買い手６に対する適正価格のうちのより適正価格が高い所定個数分の適正価格を対象売り手３の通信端末装置４に送信する。この結果、これら所定個数分の適正価格が推奨販売価格としてその通信端末装置４に表示される。

（１－２－３）各種画面の構成
（１－２－３－１）買い手の通信端末装置に表示される各種画面の構成
　図４は、所定の第１の操作により買い手６の通信端末装置７（図１）に表示させ得る機器利用ログ登録画面の構成例を示す。この機器利用ログ登録画面３０は、リサイクル機器５の買い手６が、自己の買い手側機器８の機器利用ログを売買取引支援装置９にアップロードするための画面であり、機器種別表示欄３１Ａ、メーカ表示欄３２Ａ、機種表示欄３３Ａ及び機器利用ログファイル選択欄３４を備えて構成される。

　そして機器種別表示欄３１Ａの内側右端にはプルダウンメニューボタン３１Ｂが設けられており、このプルダウンメニューボタン３１Ｂをクリックすることにより、すべての機器種別が掲載された図示しないプルダウンメニューを表示させることができる。

　そして買い手６は、このプルダウンメニューに掲載された機器種別の中からその買い手６の買い手側機器８の機器種別を選択することにより、その買い手側機器８の機器種別を指定することができる。そして、このとき指定された機器種別を表す文字列が機器種別表示欄３１Ａに表示される。

　またメーカ表示欄３２Ａの内側右端にもプルダウンメニューボタン３２Ｂが設けられており、このプルダウンメニューボタン３２Ｂをクリックすることにより、機器種別表示欄３１Ａに表示された機器種別の機器を販売しているすべてのメーカのメーカ名がそれぞれ掲載された図示しないプルダウンメニューを表示させることができる。

　そして買い手６は、このプルダウンメニューに掲載されたメーカ名の中からその買い手６の買い手側機器８のメーカのメーカ名を選択することにより、その買い手側機器８のメーカを指定することができる。そして、このとき指定された買い手側機器８のメーカのメーカ名を表す文字列がメーカ表示欄３２Ａに表示される。

　さらに機種表示欄３３Ａの内側右端にもプルダウンメニューボタン３３Ｂが設けられており、このプルダウンメニューボタン３３Ｂをクリックすることにより、機器種別表示欄３１Ａに表示された機器種別で、かつメーカ表示欄３２Ａにメーカ名が表示されたメーカが販売しているすべての機種の機種名が掲載された図示しないプルダウンメニューを表示させることができる。

　そして買い手６は、このプルダウンメニューに掲載された機種名の中からその買い手６の買い手側機器８の機種名を選択することによりその買い手側機器８の機種を指定することができる。そして、このとき指定された機種を表す文字列が機種表示欄３３Ａに表示される。

　さらに機器利用ログファイル選択欄３４は、所望する文字列を入力可能なテキストボックスであり、この機器利用ログファイル選択欄３４に、機器種別表示欄３１Ａに機器種別が表示され、メーカ表示欄３２Ａにメーカ名が表示され、機種表示欄３３Ａに機種が表示された機器であって、その買い手６の買い手側機器８の機器利用ログが記録されたファイル（以下、これを機器利用ログファイルと呼ぶ）のファイル名を入力することにより、その機器利用ログファイルを指定することができる。

　そして機器利用ログ登録画面３０では、上述のようにして買い手６が購入を希望するリサイクル機器５と同じ機器種別であって、その買い手６の買い手側機器８の機器種別、メーカ名、機種及びその買い手側機器８の機器利用ログファイルのファイル名を指定した後、登録ボタン３５をクリックすることにより、これらの情報を売買取引支援装置９にアップロードすることができる。

　また図５は、所定の第２の操作により買い手６の通信端末装置７に表示させ得る買い手側評価シナリオ設定画面４０の構成例を示す。この買い手側評価シナリオ設定画面４０は、上述の仮想的な売買取引市場に出品されている所望する機器種別のリサイクル機器５の適正価格の提示を買い手が要求するための画面であり、評価期間設定領域４１及び評価条件設定領域４２を備えて構成される。

　そして評価期間設定領域４１には、期間開始日設定用テキストボックス４３Ａ及び期間終了日設定用テキストボックス４３Ｂが設けられており、期間開始日設定用テキストボックス４３Ａに評価期間の開始日をテキスト入力すると共に、期間終了日設定用テキストボックス４３Ｂに評価期間の終了日をテキスト入力することにより、かかる評価期間を指定することができる。

　また評価条件設定領域４２には、評価条件として設定可能な保守ポリシーに対する選択肢と、これら選択肢にそれぞれ対応させたトグルスイッチマーク４４とが表示される。そして、これら選択肢の中から所望する選択肢に対応するトグルスイッチマーク４４をクリックすることにより、そのトグルスイッチマーク４４に対応する選択肢を保守ポリシーとして選択することができる。このとき、選択された選択肢に対応するトグルスイッチマーク４４の表示形態が、その選択肢が選択されたことを意味する表示状態に変化する。

　なお、かかる選択肢の中には、必要な数値を入力するためのテキストボックス４５が設けられたものもあり、このテキストボックス４５に買い手６が所望する数値を入力することによりその数値を保守ポリシーの一部として指定することができる。

　そして買い手側評価シナリオ設定画面４０では、上述のようにして評価期間や所望する評価条件（保守ポリシー）を設定した後に実行ボタン４６をクリックすることにより、これら評価期間や評価条件の下で、その買い手６に対する対応する各リサイクル機器５（買い手６が機器利用ログをアップロードした買い手側機器８と同じ機器種別のリサイクル機器５）の適正価格をそれぞれ計算し、推奨するリサイクル機器５の一覧を表示すべきことを売買取引支援装置９に要求することができる。以下においては、この要求を推奨機器一覧表示要求と呼ぶ。

　図６は、かかる推奨機器一覧表示要求が与えられた売買取引支援装置９により推奨機器提示モードの一連の処理（以下、これを推奨機器提示処理と呼ぶ）が実行された後に、図６について上述した買い手側評価シナリオ設定画面４０に代えて買い手６の通信端末装置７に表示される推奨機器一覧画面５０を示す。この推奨機器一覧画面５０は、かかる推奨機器提示処理の処理結果を表示するための画面であり、保守ポリシー表示欄５１、機器種別及び機器利用ログファイル名表示領域５２、推奨機器一覧表示領域５３を備えて構成される。

　そして保守ポリシー表示欄５１には、買い手側評価シナリオ設定画面４０の評価条件設定領域４２（図５）において買い手６が設定した評価条件（保守ポリシー）の内容を表す文字列が表示され、機器種別及び機器利用ログファイル名表示領域５２には、その買い手６が機器利用ログを登録した買い手側機器８の機器種別と、その買い手６が図４について上述した機器利用ログ登録画面３０を利用してアップロードしたその買い手側機器８の機器利用ログが記録された機器利用ログファイルのファイル名とが表示される。

　さらに推奨機器一覧表示領域５３には、売買取引支援装置９が推奨機器提示処理により推奨機器として抽出した、評価値が大きい上位所定数のリサイクル機器５に関する情報が評価値の降順で掲載された推奨機器一覧５４が表示される。

　この場合、推奨機器一覧５４には、推奨する各リサイクル機器５のメーカ名（「メーカ」）、機種（「機種」）、その買い手６にとっての適正価格（「価格」）、そのリサイクル機器５の利用が１年間にその買い手に与える利益、コスト及び環境影響をそれぞれ金額換算した値（「便益／年」、「コスト／年」及び「環境／年」）が掲載される。

　なお、かかる「リサイクル機器の評価値」の算出手法としては、種々の算出手法を適用することができるが、図６では、次式

のように、そのリサイクル機器５を３年使用した場合の買い手６の便益を、かかる「リサイクル機器の評価値」とした場合を例示している。

　そして買い手６は、自己の通信端末装置７に表示された推奨機器一覧画面５０の推奨機器一覧５４に掲載されたリサイクル機器５の中から購入を希望するリサイクル機器５に対応するレコード（行）をクリックして選択することにより、そのリサイクル機器５の購入画面（図示せず）を表示させることができ、この購入画面を用いてそのリサイクル機器５の購入手続を行うことができる。

（１－２－３－２）売り手の通信端末装置に表示される各種画面の構成
　一方、図７は、所定の第３の操作により売り手３の通信端末装置４（図１）に表示させ得る稼働ログ登録画面６０の構成例を示す。この稼働ログ登録画面６０は、リサイクル機器５の売り手３がそのリサイクル機器５の稼働ログを売買取引支援装置９にアップロードするための画面であり、機器種別表示欄６１Ａ、メーカ表示欄６２Ａ、機種表示欄６３Ａ及び稼働ログファイル選択欄６４と、機器種別表示欄６１Ａ、メーカ表示欄６２Ａ、機種表示欄６３Ａの右端にそれぞれ表示されたプルダウンメニューボタン６１Ｂ，６２Ｂ，６３Ｂと、登録ボタン６５とを備えて構成される。

　そして売り手３は、この稼働ログ登録画面６０を用いて、機器利用ログ登録画面３０（図４）と同様にして、その売り手３が上述の仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の稼働ログを含む各種情報を売買取引支援装置９にアップロードすることができる。

　また図８は、所定の第４の操作により売り手３の通信端末装置４に表示させ得る売り手側評価シナリオ設定画面７０の構成例を示す。この売り手側評価シナリオ設定画面７０は、上述の仮想売買取引市場にリサイクル機器５を出品しようとする売り手３が、そのリサイクル機器５を改造した場合及び改造しない場合の双方の販売価格帯の予測を売買取引支援装置９に実行させるために、その改造の内容（改造ポリシー）を設定するための画面である。この図８からも明らかなように、売り手側評価シナリオ設定画面７０は、評価期間設定領域７１及び評価条件設定領域７２を備えて構成される。

　そして評価期間設定領域７１には、期間開始日設定用テキストボックス７３Ａ及び期間終了日設定用テキストボックス７３Ｂが設けられており、期間開始日設定用テキストボックス７３Ａに評価期間の開始日をテキスト入力すると共に、期間終了日設定用テキストボックス７３Ｂに評価期間の終了日をテキスト入力することにより、かかる評価期間を指定することができる。

　また評価条件設定領域７２は、幾らの改造費を掛けて何％の効能をアップさせるかといった改造ポリシーを評価条件として設定するための領域であり、改造費を設定するための第１のテキストボックス７４と、期待する効能の向上率を設定するための第２のテキストボックス７５とを備える。そして売り手３は、第１のテキストボックス７４にそのとき考えている改造費を入力すると共に、第２のテキストボックス７５に期待する効能の向上率を入力するようにして改造ポリシーを設定することができる。

　そして売り手側評価シナリオ設定画面７０では、上述のようにして評価期間や評価条件（改造ポリシー）を設定した後に実行ボタン７６をクリックすることにより、これら評価期間や評価条件の下で、そのリサイクル機器５の改造した場合及び改造しない場合にそれぞれ予測される販売価格帯を計算して表示すべきことを売買取引支援装置９に要求することができる。以下においては、この要求を期待販売価格帯表示要求と呼ぶ。

　図９は、かかる期待販売価格帯表示要求が与えられた売買取引支援装置９により実行された所定の処理（以下、これを販売価格帯予測処理と呼ぶ）の処理結果が表示される予測販売価格帯表示画面８０の構成例を示す。

　この予測販売価格帯表示画面８０は、図８について上述した売り手側評価シナリオ設定画面７０を用いて売り手３により設定された評価条件（改造ポリシー）に従ってその売り手３が出品しようとするリサイクル機器５を改造した場合に予測される販売価格帯と、改造しない場合に予測される販売価格帯とが表示される画面であり、改造内容表示領域８１、現状販売価格帯予測表示領域８２及び改造後販売価格帯表示領域８３を備えて構成される。

　そして改造内容表示領域８１には、売り手側評価シナリオ設定画面７０を用いて売り手３が設定した改造ポリシーに従って実行可能な改造のうち、最も販売価格帯が高くなると売買取引支援装置が判断した改造内容が表示される。なお、この改造内容は、図８について上述した売り手側評価シナリオ設定画面７０において売り手３が予め設定できるようにしてもよい。

　因みに、図８のように売り手３が改造コストと期待する効能の向上率とのみを指定する構成の場合、指定された改造コストと期待する効能の向上率とを満たすすべての改造内容を売買取引支援装置９が選択し、選択した各改造内容の改造を行った場合に予測される販売価格帯の中から最も販売価格帯が高くなると売買取引支援装置９が判断した改造内容が改造内容表示領域８１に表示されることになる。

　また現状販売価格帯予測表示領域８２には、対応する売り手３が対応するリサイクル機器５に対して改造を行わない現状で出品した場合のそのリサイクル機器５について予測される販売価格帯（各買い手６に対する適正価格の価格帯）を表すグラフ８２Ａが表示される。さらに改造後販売価格帯表示領域８３には、対応する売り手３が対応するリサイクル機器５に対して改造内容表示領域８１に表示された改造を行った場合に、そのリサイクル機器５について予測される販売価格帯を表すグラフ８３Ａが表示される。

　さらに図１０は、売り手３が上述の仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の稼働ログを図７について上述した稼働ログ登録画面６０を用いて売買取引支援装置９にアップロードした後に所定の第５の操作によりその売り手３の通信端末装置４に表示させ得る推奨販売価格表示画面９０の構成例を示す。

　この推奨販売価格表示画面９０は、その売り手３が仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の推奨販売価格を提示するための画面であり、予測販売価格帯表示領域９１と、上位販売先一覧表示領域９２とを備えて構成される。

　そして予測販売価格帯表示領域９１には、図９について上述した予測販売価格帯表示画面８０の現状販売価格帯予測表示領域８２に表示されたグラフ８２Ａと同様に、対応する売り手３が対応するリサイクル機器５に対して改造を行わない現状で出品した場合のそのリサイクル機器５について予測される販売価格帯を表すグラフ９１Ａが表示される。

　また上位販売先一覧表示領域９２には、各買い手６に対する適正価格のうち、上位所定人数分の買い手に対する適正価格と、これら買い手６がそのリサイクル機器５を使用する場合の環境影響の度合いとが、適正価格が高いものから順番に掲載された上位販売先一覧９２Ａが表示される。なお、図１０の例の場合、かかる「環境影響の度合い」は、「○」が環境影響が小さい場合には「○」、次に環境影響が小さい場合には「△」、環境影響が最も大きい場合には「×」がそれぞれ表示される。

　また上位販売先一覧９２Ａでは、各レコード（行）にチェックボックス９２ＡＡがそれぞれ設けられており、環境影響が大きいなどの理由から売り手３が自己のリサイクル機器５を、上位販売先一覧９２Ａに適正価格が掲載されたいずれかの買い手６に販売したくないと考えた場合には、その買い手６に対応するレコードのチェックボックス９２ＡＡをクリックすることにより、そのチェックボックス９２ＡＡにチェックマーク９２ＡＢを表示させることができる。

　そして、チェックボックス９２ＡＡにチェックマーク９２ＡＢが表示された場合、そのチェックボックス９２ＡＡに対応する買い手６の通信端末装置７に表示される上述の推奨機器一覧画面５０（図６）の推奨機器一覧５４にその売り手３が出品したリサイクル機器５が掲載されず、これによりその買い手６がそのリサイクル機器５を購入するのを未然に防止することができる。

（１－３）本実施の形態の効果
　以上のように本実施の形態の売買取引支援システム１では、売買取引支援装置９が、買い手６からの要求に応じて、その買い手６に対する各リサイクル機器５の適正価格をそれぞれ算出し、算出した適正価格をその買い手６に提示する。従って、買い手６はリサイクル機器５ごとにその適正価格を認識することができ、買い手６がリサイクル機器５をその買い手６に対する適正価格で購入することができる。これにより買い手６が、その買い手６に対する価値に見合わない価格でリサイクル機器５を購入するリスクを低減させることができる。

　また本売買取引支援システム１では、売買取引支援装置９が、売り手３からの要求に応じて、その売り手が上述の仮想売買取引市場に出品しようとするリサイクル機器５の現状での販売価格帯と、改造を行った場合の販売価格帯とを予測し、予測結果を売り手３に提示するため、売り手３がそのリサイクル機器５を出品するに際して改造すべきか否かを判断する際の判断材料を提供することができる。また本売買取引支援システム１では、売買取引支援装置９が、売り手３のリサイクル機器５の推奨販売価格をも提示するため、売り手３がリサイクル機器５の販売価格の設定をスムーズに行うことができる。

　よって、本売買取引システム１によれば、売り手３側及び買い手６側の双方が価格の観点で納得できる売買取引を行うことができ、かくしてリサイクル機器５の売買取引をより活発化させながら安心感のある売買取引を行わせることができる。

（２）第２の実施の形態
　図１との対応部分に同一符号を付して示す図１１は、第２の実施の形態による売買取引支援システム１００を示す。この売買取引支援システム１００は、機器レベルでのリユース時の販売価格帯に加えて、リサイクル機器５を部品レベルや素材レベルで販売する場合の販売予想価格を売り手３に提示し得るようになされた点が第１の実施の形態による売買取引支援システム１と相違する。

　実際上、本実施の形態の売買取引支援システム１００では、売買取引支援装置１０１の記憶装置１２に部品レベルリユース評価部１０２及び素材レベルリユース評価部１０３が追加的に格納されている点と、適正価格推定部１０４の一部機能が第１の実施の形態の適正価格推定部２５（図１）と異なる点とを除いて第１の実施の形態の売買取引支援装置と同様に構成されている。

　部品レベルリユース評価部１０２は、リサイクル機器５を部品レベルに解体して販売する場合における売り手３の便益（利益）と、そのリサイクル機器５から回収可能な部品を回収する際のコスト及び環境影響とを予測する機能を有するプログラムである。また素材レベルリユース評価部１０３は、リサイクル機器５を素材レベルに解体して販売する場合における売り手３の便益と、そのリサイクル機器５から回収可能な素材を回収する際のコスト及び環境影響とを予測する機能を有するプログラムである。

　図３との対応部分に同一符号を付して示す図１２は、本売買取引支援システム１００の売買取引支援装置１０１に搭載された第２の実施の形態による売買取引支援機能に関連して評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３、機器利用影響推定部２４及び適正価格推定部１０４と、部品レベルリユース評価部１０２及び素材レベルリユース評価部１０３とにより実行される一連の処理の流れを示す。

　本実施の形態の売買取引支援装置１０１では、推奨機器提示モード時及び販売価格帯予測モード時、評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３、機器利用影響推定部２４及び適正価格推定部２５において、第１の実施の形態の推奨機器提示モード時や販売価格帯予測モード時の処理と同様の処理が実行される。

　また本売買取引支援装置１０１では、推奨販売価格提示モード時、評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３及び機器利用影響推定部２４において、第１の実施の形態の推奨機販売価格提示モード時の処理と同様の処理が実行される。

　そして本売買取引支援装置１０１では、これと並行して、部品レベルリユース評価部１０２及び素材レベルリユース評価部１０３において、リサイクル機器５の部品レベルや素材レベルでの評価がそれぞれ行われる。

　実際上、本売買取引支援装置１０１では、図７について上述した稼働ログ登録画面６０を用いてリサイクル機器５の売り手（以下においても、これを対象売り手と呼ぶ）３により売買取引支援装置１０１により登録された、そのリサイクル機器（以下においても、これを対象リサイクル機器と呼ぶ）５の機器種別、メーカ及び機種の情報が部品レベルリユース評価部１０２に与えられる。

　そして部品レベルリユース評価部１０２は、その対象リサイクル機器５からどのような部品を何個回収でき、回収した各部品をそれぞれ幾らで販売できるかといった売り手３の便益と、これらの部品を回収するためのコストと、これらの部品を回収する際に環境にどの程度の影響を与えるかといった回収可能な部品ごとの環境影響とをそれぞれ算出する。また部品レベルリユース評価部１０２は、算出したこれらの情報を部品レベルリユース評価情報として適正価格推定部１０４に出力する（Ｓ７）。

　なお、回収可能な部品の販売価格の予測方法としては、種々の手法を適用することができる。例えば、部品レベルリユース評価部１０２が、各メーカの機器に搭載されている部品ごと及びその部品の使用年数ごとの販売予想価格の一覧表を予め保持しており、与えられた対象リサイクル機器の機器種別、メーカ及び機種の情報に基づき、かかる一覧表を参照して、個々の回収可能な部品の販売価格を予測するようにしてもよい。また対象リサイクル機器５から各部品を回収する際のコストや環境影響の算出方法としては、例えば特許５８０６９７８号明細書に開示されたオフ法を適用することができる。

　同様に、本売買取引支援装置１０１では、稼働ログ登録画面６０を用いて対象売り手３により売買取引支援装置１０１に登録された、対象リサイクル機器５の機器種別、メーカ及び機種の情報が素材レベルリユース評価部１０３にも与えられる。

　そして素材レベルリユース評価部１０３は、その対象リサイクル機器５からどのような素材をそれぞれどの程度回収できるかといった対象売り手３の便益と、これらの素材を回収するためのコストと、これらの素材を回収する際に環境にどの程度の影響を与えるかといった素材ごとの環境影響とをそれぞれ算出する。また素材レベルリユース評価部１０３は、算出したこれらの情報を素材レベルリユース評価情報として適正価格推定部１０４に出力する（Ｓ７）。

　なお、対象売り手３の便益や、対象リサイクル機器５から各素材を回収する際のコスト及び環境影響の算出方法としては、与えられた対象リサイクル機器５の機器種別、メーカ及び機種の情報に基づき、例えば特許５８０６９７８号明細書に開示された方法を利用して算出することができる。

　適正価格推定部１０４は、機器利用影響推定部２４が第１の実施の形態と同様にして推定した対象リサイクル機器５が各特定買い手６にそれぞれ与える影響に基づいて、対象リサイクル機器５を現状の状態で販売した場合における各特定買い手６に対する適正価格のうちのより適正価格が高い所定個数分の適正価格を対象売り手３の通信端末装置４に送信する。また適正価格推定部１０４は、部品レベルリユース評価部１０２から与えられた部品販売予想価格情報と、素材レベルリユース評価部１０３から与えられた素材販売予想価格情報とを対象売り手３の通信端末装置４に送信する。

　この結果、これらの情報に基づいて、図１０との対応部分に同一符号を付した図１３に示すような第２の実施の形態による推奨販売価格表示画面１１０がその通信端末装置４に表示される。

　この推奨販売価格表示画面１１０は、対象売り手３が仮想売買取引市場に出品しようとする対象リサイクル機器５の推奨販売価格と、その対象リサイクル機器５から回収可能な部品や素材の量などとを提示するための画面であり、予測販売価格帯表示領域１１１、上位販売先一覧表示領域１１２、部品販売予想価格表示領域１１３及び素材販売予想価格表示領域１１４とを備えて構成される。

　そして予測販売価格帯表示領域１１１及び上位販売先一覧表示領域１１２には、それぞれ図１０について上述した第１の実施の形態の推奨販売価格表示画面９０の予測販売価格帯表示領域９１や上位販売先一覧表示領域９２にそれぞれ表示される情報と同様の情報が表示される。

　また部品販売予想価格表示領域１１３には、対象リサイクル機器５から回収可能な各部品に関する各種情報がそれぞれ掲載された部品販売予想価格一覧１１３Ａが表示される。具体的に、部品販売予想価格一覧１１３Ａには、かかる回収可能な部品ごとの、名称（「部品名称」）、想定される単価（想定単価）、対象リサイクル機器から回収可能な個数（「個数」）、及び、これら部品の回収の際に環境に与える影響（「環境影響」）がそれぞれ掲載される。

　さらに素材販売予想価格表示領域１１４には、対象リサイクル機器５から回収可能な各素材に関する各種情報がそれぞれ掲載された素材販売予想価格一覧１１４Ａが表示される。具体的に、素材販売予想価格一覧１１４Ａには、かかる素材ごとの、名称（「素材名称」）、想定される単価（想定単価）、対象リサイクル機器５から回収可能な量（「量」）、及び、その素材の回収の際に環境に与える影響（「環境影響」）がそれぞれ掲載される。

　以上の構成を有する本実施の形態の売買取引支援システム１００によれば、推奨販売価格表示画面１１０を参照することで、対象売り手３が自己の対象リサイクル機器５をそのまま販売する場合と、部品レベルや素材レベルに解体して販売する場合とのいずれの方が利益を得られるかを容易に認識することができる。

　従って、本売買取引支援システム１００によれば、第１の実施の形態の売買取引支援システム１により得られる効果に加えて、より売り手３の利便性をより向上させ得るという効果をも得ることができる。

（３）他の実施の形態
　なお、上述の第１および第２の実施の形態においては、買い手６が買い手側機器８の機器利用ログを機器利用ログデータベース２６に登録する手法としてアップロードを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の手法を広く適用することができる。例えば、かかる買い手側機器８がネットワーク２（図３、図１２）に接続されている場合には、売買取引支援装置９，１０１がネットワーク２を介してその機器から機器利用ログを収集して機器利用ログデータベース２６に登録するようにしてもよい。

　同様に、上述の第１及び第２の実施の形態においては、各リサイクル機器５の稼働ログを稼働ログデータベース２７（図３、図１２）に登録する手法としてアップロードを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の手法を広く適用することができる。例えば、リサイクル機器５がネットワーク２に接続されている場合には、売買取引支援装置９，１０１がネットワーク２を介してそのリサイクル機器５から稼働ログを収集して稼働ログデータベース２７に登録するようにしてもよい。

　さらに上述の第１及び第２の実施の形態においては、評価シナリオ生成部２０、機器利用模擬部２１、機器稼働模擬部２２、機器稼働評価部２３、機器利用影響推定部２４及び適正価格推定部２５（１０４）や、部品レベルリユース評価部１０２及び素材レベルリユース評価部１０３を同じ１つのコンピュータ装置（売買取引支援装置９，１０１）に搭載するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらのプログラムを分散型コンピューティングシステムを構成する複数のコンピュータ装置に分散させて搭載するようにしてもよい。

　本発明は、例えば、リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置に適用することができる。

　１，１００……売買取引支援システム、２……ネットワーク、３……売り手、４，７……通信端末装置、５……リサイクル機器、６……買い手、８……機器、９，１０１……売買取引支援装置、１０……ＣＰＵ、２０……評価シナリオ生成部、２１……機器利用模擬部、２２……機器稼働模擬部、２３……機器稼働評価部、２４……機器利用影響推定部、２５，１０４……適正価格推定部、２６……機器利用ログデータベース、２７……稼働ログデータベース、３０……機器利用ログ登録画面、４０……買い手側評価シナリオ設定画面、５０……推奨機器一覧画面、６０……稼働ログ登録画面、７０……売り手側評価シナリオ設定画面、８０……予測販売価格帯表示画面、９０，１１０……推奨販売価格表示画面、１０２……部品レベルリユース評価部、１０３……素材レベルリユース評価部。
 

Claims (14)

1. 　リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置において、
   　前記リサイクル機器の買い手の過去の機器利用パターンを模擬する機器利用模擬部と、
   　前記リサイクル機器の稼働ログに基づいて、当該リサイクル機器の稼働状態を模擬する機器稼働模擬部と、
   　前記機器利用模擬部の模擬結果、及び、前記機器稼働模擬部の模擬結果に基づいて、前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を評価する機器稼働評価部と、
   　前記機器稼働評価部の評価結果に基づいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を推定する機器利用影響推定部と、
   　前記機器利用影響推定部の推定結果に基づいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を推定し、推定結果を前記買い手に提示する適正価格推定部と
   　を備えることを特徴とする売買取引支援装置。
2. 　前記リサイクル機器が複数存在し、
   　前記買い手からの要求に応じて、
   　前記機器稼働模擬部は、
   　前記リサイクル機器の稼働状態を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ評価し、
   　前記機器利用影響推定部は、
   　前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ推定し、
   　前記適正価格推定部は、
   　前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ推定し、推定結果を前記買い手に提示する
   　ことを特徴とする請求項１に記載の売買取引支援装置。
3. 　予め設定された前記リサイクル機器の稼働状態を評価する際の評価条件を取り込む評価シナリオ生成部をさらに備え、
   　前記機器稼働評価部は、
   　前記機器利用模擬部の模擬結果、及び、前記機器稼働模擬部の模擬結果に加えて、前記評価シナリオ生成部により取り込まれた前記評価条件を考慮して、前記買い手が前記リサイクル機器をそれぞれ利用した場合の当該リサイクル機器の稼働状態を評価する
   　ことを特徴とする請求項１に記載の売買取引支援装置。
4. 　前記評価条件は、
   　前記買い手により設定された前記リサイクル機器の保守に関するポリシー、又は、前記リサイクル機器の売り手により設定された当該リサイクル機器の改造に関するポリシーである
   　ことを特徴とする請求項３に記載の売買取引支援装置。
5. 　前記買い手が複数存在し、
   　前記リサイクル機器の売り手からの要求に応じて、
   　前記機器利用模擬部は、
   　各前記買い手の過去の前記機器利用パターンをそれぞれ模擬し、
   　前記機器稼働模擬部は、
   　前記売り手の前記リサイクル機器の動作及び状態を模擬し、
   　前記機器稼働評価部は、
   　各前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を前記買い手ごとにそれぞれ評価し、
   　前記機器利用影響推定部は、
   　前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、
   　前記適正価格推定部は、
   　前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、推定した前記買い手ごとの前記リサイクル機器の適正価格の価格帯を前記売り手に提示する
   　ことを特徴とする請求項１に記載の売買取引支援装置。
6. 　前記買い手が複数存在し、
   　前記リサイクル機器の売り手からの要求に応じて、
   　前記機器利用模擬部は、
   　各前記買い手の過去の前記機器利用パターンをそれぞれ模擬し、
   　前記機器稼働模擬部は、
   　前記売り手の前記リサイクル機器の稼働状態を模擬し、
   　前記機器稼働評価部は、
   　各前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を前記買い手ごとにそれぞれ評価し、
   　前記機器利用影響推定部は、
   　前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、
   　前記適正価格推定部は、
   　前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、推定した前記買い手ごとの前記リサイクル機器の適正価格の一部を、前記リサイクル機器の推奨する販売価格として前記売り手に提示する
   　ことを特徴とする請求項１に記載の売買取引支援装置。
7. 　前記リサイクル機器を部品レベルに解体して販売した場合の前記売り手の便益を算出する部品レベルリユース評価部と、前記リサイクル機器を素材レベルに解体して販売した場合の前記売り手の便益を算出する素材レベルリユース評価部との少なくとも一方を備え、
   　前記適正価格推定部は、
   　前記リサイクル機器の前記推奨する販売価格に加えて、前記部品レベルリユース評価部及び又は前記素材レベルリユース評価部により算出された前記売り手の便益を当該売り手に提示する
   　ことを特徴とする請求項６に記載の売買取引支援装置。
8. 　リサイクル機器の売買取引を支援する売買取引支援装置により実行される売買取引支援方法であって、
   　前記リサイクル機器の買い手の過去の機器利用パターンを模擬すると共に、前記リサイクル機器の稼働ログに基づいて、当該リサイクル機器の稼働状態を模擬する第１のステップと、
   　前記第１のステップにおける各模擬の模擬結果に基づいて、前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働態を評価する第２のステップと、
   　前記第２のステップの評価結果に基づいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を推定する第３のステップと、
   　前記第３のステップの推定結果に基づいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を推定し、推定結果を前記買い手に提示する第４のステップと
   　を備えることを特徴とする売買取引支援方法。
9. 　前記リサイクル機器が複数存在し、
   　前記買い手からの要求に応じて、前記売買取引支援装置は、
   　前記第１のステップにおいて、前記リサイクル機器の稼働状態を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ評価し、
   　前記第３のステップにおいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ推定し、
   　前記第４のステップにおいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記リサイクル機器ごとにそれぞれ推定し、推定結果を前記買い手に提示する
   　ことを特徴とする請求項８に記載の売買取引支援方法。
10. 　前記売買取引支援装置は、
    　前記第１のステップにおいて、予め設定された前記リサイクル機器の動作及び状態を評価する際の評価条件を取り込み、
    　前記第２のステップにおいて、前記第１のステップの各模擬の模擬結果に加えて、前記評価条件を考慮して、前記買い手が前記リサイクル機器をそれぞれ利用した場合の当該リサイクル機器の動作及び状態を評価する
    　ことを特徴とする請求項８に記載の売買取引支援方法。
11. 　前記評価条件は、
    　前記買い手により設定された前記リサイクル機器の保守に関するポリシー、又は、前記リサイクル機器の売り手により設定された当該リサイクル機器の改造に関するポリシーである
    　ことを特徴とする請求項１０に記載の売買取引支援方法。
12. 　前記買い手が複数存在し、
    　前記リサイクル機器の売り手からの要求に応じて、前記売買取引支援装置は、
    　前記第１のステップにおいて、各前記買い手の過去の前記機器利用パターンをそれぞれ模擬すると共に、前記売り手の前記リサイクル機器の稼働状態を模擬し、
    　前記第２のステップにおいて、各前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を前記買い手ごとにそれぞれ評価し、
    　前記第３のステップにおいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、
    　前記第４のステップにおいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、推定した前記買い手ごとの前記リサイクル機器の適正価格の価格帯を前記売り手に提示する
    　ことを特徴とする請求項８に記載の売買取引支援方法。
13. 　前記買い手が複数存在し、
    　前記リサイクル機器の売り手からの要求に応じて、前記売買取引支援装置は、
    　前記第１のステップにおいて、各前記買い手の過去の前記機器利用パターンをそれぞれ模擬すると共に、前記売り手の前記リサイクル機器の稼働状態を模擬し、
    　前記第２のステップにおいて、各前記買い手が前記リサイクル機器を利用した場合の前記リサイクル機器の稼働状態を前記買い手ごとにそれぞれ評価し、
    　前記第３のステップにおいて、前記リサイクル機器の利用が前記買い手に与える影響を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、
    　前記第４のステップにおいて、前記買い手に対する前記リサイクル機器の適正価格を前記買い手ごとにそれぞれ推定し、推定した前記買い手ごとの前記リサイクル機器の適正価格の一部又は全部を、前記リサイクル機器の推奨する販売価格として前記売り手に提示する
    　ことを特徴とする請求項８に記載の売買取引支援方法。
14. 　前記売買取引支援装置は、
    　前記第１乃至第３のステップにおいて、前記リサイクル機器を部品レベルに解体して販売した場合の前記売り手の便益を算出する第１の処理と、前記リサイクル機器を素材レベルに解体して販売した場合の前記売り手の便益を算出する第２の処理との少なくとも一方を実行し、
    　前記第４のステップにおいて、前記リサイクル機器の前記推奨する販売価格に加えて、前記第１及び又は第２の処理により算出した前記売り手の便益を当該売り手に提示する
    　ことを特徴とする請求項１３に記載の売買取引支援方法。
     

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