WO2024014202A1 - 光学系及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

本開示の一側面は、輻輳調整矛盾に対処しつつ装置の大型化を抑制する。 表示素子(2)からの光を結像する光学系(3)は、表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部(5)と、変調部によって偏光変調された光が通過する光路部(6)と、を備え、光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。

Description

光学系及び表示装置
 本開示は、光学系及び表示装置に関する。
 HMD(Head Mount Display)等における輻輳調整矛盾に対処するための技術が提案されている。例えば特許文献1は、輻輳角と視度とが一致するように液晶ディスプレイを光軸方向に移動させる技術を開示する。
特開平7-87422号公報
 液晶ディスプレイのような表示素子を光軸方向に移動させると、その分装置が大型化する。
 本開示の一側面は、輻輳調整矛盾に対処しつつ装置の大型化を抑制する。
 本開示の一側面に係る光学系は、表示素子からの光を結像する光学系であって、表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、を備え、光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。
 本開示の一側面に係る表示装置は、表示素子と、表示素子からの光を結像する光学系と、を備え、光学系は、表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、を含み、光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。
実施形態に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。 変調部5の概略構成の例を示す図である。 光路部6の概略構成の例を示す図である。 光学系3における光の偏光方向の例を示す図である。 変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。 光路部8の概略構成の例を示す図である。 光路部8の光路長の例を示す図である。 変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。 変調部5及び変調部5-2による偏光変調の例を示す図である。 光学系3における光の偏光方向の例を示す図である。 変調部5の概略構成の例を示す図である。 変調部5による偏光変調の例を示す図である。 変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。
 以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の要素には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
 以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
  0.序
  1.実施形態
  2.変形例
  3.効果の例
0.序
 例えばVR(Virtual Reality)向けHMD等の光学系では、眼の焦点と両眼視差とが異なる輻輳調整矛盾への対処が重要である。一案として、アイセンシングで検出した目線方向に虚像位置を与えるようにフォーカシング機構を駆動することが考えられる。ただし、非常に精密なアイセンシングが求められる。また、特許文献1のように表示素子を移動させるフォーカシング機構では、装置が大型化する。別の案として、各々が異なる虚像位置を与える複数のパネルを用いる技術もあるが、やはり装置の大型化を招く等の課題がある。
 開示される技術によれば、表示素子の各部分(各位置)からの光に対応する虚像位置の個別調整が可能であり、それによって輻輳調整矛盾に対処できる。アイセンシングは必須ではなく、また、フォーカシング機構が不要であることから、装置の小型化、軽量化が可能である。これまで以上に酔いにくく、違和感の少ない自然なVRを提供できる可能性も高まる。
1.実施形態
 図1は、実施形態に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。表示装置1は、例えばVR等の映像を提示するHMDであり、ユーザの頭部に装着されて用いられる。映像は画像を含む意味に解されてよく、矛盾の無い範囲において、映像及び画像は適宜読み替えられてよい。ユーザの眼部を、ユーザの眼部Eと称し図示する。表示装置1が提示する映像は、ユーザの眼部Eによって観察される。
 図において、XYZ座標系が示される。Z軸正方向に、表示装置1及びユーザの眼部Eがこの順に位置する。表示装置1の各要素は、XY平面方向に延在し、Z軸方向に厚さを有する。図1の(A)及び(B)には、X軸方向にみたときの表示装置1の側面(断面であってもよい)が模式的に示される。図1の(B)には、いくつかの光の経路が模式的に示される。
 本開示において、X軸方向に偏光された偏光光を、X偏光光とも称する。Y軸方向に偏光された偏光光を、Y偏光光とも称する。X軸方向及びY軸方向に対して45度の方向に偏光された偏光光を、45度偏光光とも称する。なお、偏光光には、直線偏光光及び円偏光光があるが、とくに説明がある場合を除き、単に偏光光という場合は、直線偏光光の意味に解されてよい。
 表示装置1は、表示素子2と、光学系3とを含む。Z軸正方向に、表示素子2及び光学系3がこの順に配置される。
 表示素子2は、映像を構成する光を出射する。表示素子2は、XY平面方向を面方向とし、Z軸負方向側に表示面を有する表示パネルである。表示素子2は、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LC(Liquid Crystal)、LED(Light Emitting Diode)等を含んで構成される。
 表示素子2は、各々が独立に発光制御される複数の部分を含む。典型的には、表示素子2の1つの部分は、表示素子2の1つのピクセルである。
 光学系3は、表示素子2からの光を結像する。光学系3は、偏光板4と、変調部5と、光路部6と、偏光板7と、他の光学系とを含む。他の光学系として、レンズL1、レンズL2、レンズL3及び平板Bが例示される。Z軸正方向に、偏光板4、変調部5、レンズL1、光路部6、偏光板7、レンズL2、レンズL3及び平板Bがこの順に配置される。表示素子2からの光は、これらの要素を順に通り、ユーザが眼部Eで虚像を観察するように結像される。
 偏光板4は、表示素子2及び変調部5の間に配置される。偏光板4は、例えばポラライザ、ワイヤーグリッド偏光子等であり、表示素子2からの光のうち、所定の偏光光だけを通過させる。これにより、変調部5に入射する偏光光を限定することができる。例えば、表示素子2がさまざまな偏光光を含む光を発するOLEDを含んで構成される場合等に有効である。表示素子2が特定の偏光光を含む光だけを発するLCDを含んで構成される場合等には、偏光板4は無くてもよい。以下では、とくに説明がある場合を除き、偏光板4が通過させる所定の偏光光は、Y偏光光であるものとする。
 変調部5は、表示素子2からの光(この例では偏光板4からの光)を偏光変調する。変調部5は、表示素子2の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子2の各部分からの光を個別に偏光変調する。複数の偏光光の例は、X偏光光及びY偏光光等である。とくに説明がある場合を除き、変調部5は、表示素子2の各部分からの光を、X偏光光及びY偏光光のいずれかに個別に偏光変調するものとする。変調部5について、図2も参照して説明する。
 図2は、変調部5の概略構成の例を示す図である。Z軸負方向にみたときの変調部5が模式的に示される。なお、図において、X軸方向に延在する白抜き矢印は、X偏光光を模式的に示す。Y軸方向に延在する白抜き矢印は、Y偏光光を模式的に示す。変調部5は、例えば、面内に液晶分子が配向された変調液晶パネルから偏光板を取り除いた構成と同様の構成を備える。
 変調部5は、複数の液晶部51を含む。各液晶部51は、表示素子2の各部分に対応する。複数の液晶部51それぞれに、表示素子2の各部分のうちの対応する部分からの光が入射する。各液晶部51には、1つ以上の液晶分子5mが配置される。表示素子2の各部分からの光は、対応する液晶部51に配置された液晶分子5mを通過する。
 各液晶部51は、個別に駆動される。例えば、各液晶部51への電圧印加が個別に制御される。液晶部51の駆動は、液晶部51に配置された液晶分子5mの状態を変えることを含む。液晶分子5mの状態の一例は、液晶分子5mの向きである。
 図2に示される例では、液晶分子5mは、電圧が印加されず駆動されていない状態(デフォルト状態)で、X軸及びY軸に対して45度の向きを有する。付与位相差は1/2波長であるものとする。この液晶部51に偏光板4からのY偏光光が入射すると、そのY偏光光は、X偏光光に変換されて出射される。反対に、液晶分子5mは、電圧が印可され駆動されている状態(駆動状態)では、X軸に対して90度(Y軸に対して0度)の向きを有する。この液晶部51に入射したY偏光光は、そのままY偏光光として出射される。
 例えば上記の構成を備えることにより、変調部5は、各液晶部51を通過した光、すなわち表示素子2の各部分からの光を、X偏光光及びY偏光光のいずれかに個別に偏光変調する。後述の原理により、ここでのX偏光光及びY偏光光の選択が、虚像位置(奥行)の変化を与える。
 なお、例えばRGBを含むような広帯域にわって1/2波長の付与位相差を実現するように、変調部5は、各層が異なる位相量、位相軸角を有する複数の層を含んで構成されてもよい。
 図1に戻り、変調部5からの光は、レンズL1を通過する。例示されるレンズL1は、非球面レンズであり、変調部5及び光路部6の間に設けられる。レンズL1は、入射角が出射角よりも(例えば5度以上)大きくなるように設計されてよい。最大画角の主光線の内側への曲げ量を確保することができ、像面性を維持しながら視度調整を行うことができる。レンズL1を通過した光は、光路部6に入射する。
 光路部6は、変調部5によって偏光変調された光(この例ではレンズL1からの光)が通過する部分である。光路部6は、光路部6を通過する光の光路長が、その光が光路部6に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。例えば、光路部6は、光路部6を通過する光の屈折率が当該光の偏光方向によって異なるように構成される。図3を参照して説明する。
 図3は、光路部6の概略構成の例を示す図である。Z軸負方向にみたときの光路部6が模式的に示される。光路部6は、複数の液晶分子6mを含む。複数の液晶分子6mは、通過する光の屈折率がその光の偏光方向によって異なるように配置される。複数の液晶分子6mは、例えばポリマー液晶であり、いずれも同じ向きに配置される。
 図3に示される例では、複数の液晶分子6mは、X軸に対して0度の向き(Y軸に対して90度の向き)を有する。光路部6は、X偏光光及びY偏光光に対して互いに異なる屈折率を与える。具体的に、X偏光光の屈折率よりも、Y偏光光の屈折率が高くなる。例えば、X偏光光の屈折率が1.52であり、Y偏光光の屈折率が1.77になる。屈折率差は0.25である。
 屈折率差に起因して、光路部6を通過するX偏光光の光路長及びY偏光光の光路長が互いに異なる。上記の例では、X偏光光の光路長よりも、Y偏光光の光路長が長くなる。すなわち、先の変調部5による偏光変調と光路部6とを組み合わせることで、表示素子2の各部分からの光の光路長を変化させることができる。光路部6を通過する光の光路長は、光学系3のフォーカス調整間隔に相当し、結果として、虚像位置(Diopter)の変化を与える。例えば、光路長が短い光によって構成された虚像が手前に位置するように観察され、光路長が長い光によって構成された虚像が奥に位置するように観察される。虚像位置の調整が可能になる。
 X偏光光の場合の虚像位置と、Y偏光光の場合の虚像位置との差は、光路部6の厚さ(Z軸方向の長さ)に起因する。それら2つの虚像位置の所望の差が得られるように、光路部6の厚さが設計される。例えば、上述のように屈折率差が0.25であり、2つの虚像位置の差を0.6D(DはDiopter値)にするための光路長が0.664m(空気長)の場合、光路部6の厚さは、2.655mm(0.644/0.25)に設計される。
 図1に戻り、偏光板7は、光路部6(この例では光路部6及びレンズL1)を挟んで変調部5とは反対側に配置され、光路部6からの光を所定の偏光光に整流する。これにより、光路部6を通過した後の光の最終的な偏光光を統一することができる。例えばレンズL1、レンズL2及びレンズL3を含む構成(トリプルパス構成)を採用することができる。とくに説明がある場合を除き、偏光板7は、光路部6からの光が45度偏光光になるように、光路部6からの光を整流するものとする。偏光板7は、例えば45度の方位角を有するように配置される。
 偏光板7からの光は、レンズL2、レンズL3及び平板Bを通過する。レンズL2及びレンズL3は、偏光板7からの光を結像するように設計された非球面レンズであり、光路部6及び偏光板7を挟んで変調部5とは反対側に順に設けられる。レンズL2は正の屈折力(焦点距離>0)に構成され、レンズL3は負の屈折力(焦点距離<0)に構成されてよい。色収差等の収差の調整を容易に行うことができる。レンズL3のd線における屈折率は、レンズL2の屈折率よりも大きくてよい。レンズL3のd線におけるアッベ数は、レンズL2のアッベ数よりも小さくてよい。倍率色収差を有効に補正することができる。平板Bは、レンズL3からの光を透過させる透明平板である。平板Bの表面(例えばZ軸負方向側の面)は、入射した光の一部を反射させ、一部を通過させる半透過反射面であってよい。例えばハーフミラーが用いられてよい。
 例示される光学系3は、表示素子2からの光がレンズL1、レンズL2及びレンズL3の3つのレンズを通過するトリプルパス構成を備える。このような構成により、光学系3の薄型化、小型化が図られる。
 図4は、光学系3における光の偏光方向の例を示す図である。光学系3の構成要素のうち、偏光板4、変調部5及び偏光板7それぞれを通過した後の光の偏光方向が、白抜き矢印で模式的に示される。偏光板4を通過した光は、いずれもY偏光光である。変調部5を通過した光は、X偏光光及びY偏光光のいずれかである。偏光板7を通過した光は、45度偏光光である。
 以上で説明した光学系3を備える表示装置1によれば、変調部5による偏光変調及び光路部6の組合せによって、表示素子2の各部分からの光の光路長を変化させることができる。これにより虚像位置を調整できるようになるので、輻輳調整矛盾への対処が可能になる。アイセンシングは必須ではなく、また、フォーカシング機構が不要な分、小型化、軽量化も可能である。従って、輻輳調整矛盾に対処しつつ装置の大型化を抑制することができる。
 また、アイセンシングやフォーカシング機構の駆動に関する処理が不要になるので、信号処理負担も軽減される。発熱量が低減され、バッテリーによる長時間動作も可能になる。
 より美しい映像提示も可能になる。とくに手前の像と奥の像が複雑に混在するような映像に対応し易いというメリットがある。例えば、VR光学系に対して複数枚パネルを使用するような手法では、Z軸方向におけるパネルどうしの位置を相当近づける必要があり、また、収差補正も困難になる。ビームスプリッタで二枚を合成する場合は、高解像度広視野角ではバックフォーカスが無く、組み入れることができない。こういった問題も、実施形態に係る表示装置1では対処することができる。
 光路部6による収差の影響は軽微である。例えば、映像中の異なる虚像位置に調整された部分それぞれの空間周波数に対するコントラスト特性は、いずれも実用上問題ない範囲に収まる。倍率色収差についても同様である。
2.変形例
 開示される技術は、上記の実施形態に限定されない。いくつかの変形例について述べる。例えば、光路部の構成は、上記の光路部6の構成と別の構成であってもよい。図5~図8を参照して説明する。
 図5は、変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。図5に示される例では、表示装置1の光学系3は、先に説明した光路部6(図1)に代えて、光路部8を含む。光路部8も、光路部6と同様に、光路部8を通過する光の光路長が、その光が光路部8に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。ただし、光路部8の具体的な構成は、光路部6の構成とは異なる。光路部8について、図6及び図7も参照して説明する。
 図6は、光路部8の概略構成の例を示す図である。光路部8は、波長板81と、ハーフミラー81aと、波長板82と、反射偏光板82aとを含む。Z軸正方向において、波長板81、ハーフミラー81a、波長板82及び反射偏光板82aがこの順に配置される。この例では、波長板81及びハーフミラー81aは、互いに張り付けられて配置される。ハーフミラー81a及び波長板82は、互い間隔をあけて配置される。波長板82及び反射偏光板82aは、互いに張り付けられて配置される。光路部8を通過する光の進行方向が、黒塗り矢印で模式的に示される。
 波長板81は、変調部5からの直線偏光光を、その直線偏光光の偏光方向に応じた円偏光光に変える第1の波長板である。波長板81は、例えば1/4波長板(QWP)であり、波長板81を通過したX偏光光又はY偏光光を、円偏光光にする。X偏光光が波長板81を通過して得られる円偏光光の回転方向と、Y偏光光が波長板81を通過して得られる円偏光光の回転方向とは、互いに逆向きである。
 ハーフミラー81aは、波長板81及び波長板82の間に配置され、入射した光の一部を反射させ、一部を通過させる。波長板81からの円偏光光の一部は、ハーフミラー81aを通過して波長板82に向かう。
 波長板82は、波長板81からの円偏光光、より具体的にこの例ではハーフミラー81aからの円偏光光を、その円偏光光の回転方向に応じた直線偏光光に変える第2の波長板である。波長板82は、例えば1/4波長板であり、波長板81からの円偏光光を、X偏光光又はY偏光光にする。
 反射偏光板82aは、波長板82を挟んで波長板81(この例では波長板81及びハーフミラー81a)とは反対側に配置される。反射偏光板82aは、所定の直線偏光光を通過させ、他の直線偏光光を反射する。この例では、反射偏光板82aは、X偏光光を通過させる一方で、Y偏光光を反射する。結果として、光路部8からは、X偏光光だけた出射される。
 図7は、光路部8の光路長の例を示す図である。説明の便宜上、波長板81及びハーフミラー81aが離れて図示される。円偏光光の回転方向が、円矢印で模式的に図示される。
 図7の(A)には、光路部8にX偏光光が入射した場合の光路が黒塗り矢印で模式的に示される。X偏光光は、波長板81を通過して円偏光光になる。この円偏光光の一部がハーフミラー81aを通過し、波長板83を通過してX偏光光になる。このX偏光光が、反射偏光板84を通過して出射される。光路部8を通過する光は、ハーフミラー81a及び反射偏光板82aの間を1回だけ通る(ワンパス)。
 図7の(B)には、光路部8にY偏光光が入射した場合の光路が黒塗り矢印で模式的に示される。なお、理解を容易にするために、各黒塗り矢印で示される光路をY軸方向の異なる位置に示しているが、それらの光路はY軸方向の同じ位置に位置していてよい。Y偏光光は、波長板81を通過して円偏光光になる。この円偏光光の一部がハーフミラー81aを通過し、さらに波長板83を通過してY偏光光になる。このY偏光光は、反射偏光板84で反射し、波長板83を通過して円偏光光になる。この円偏光光の一部は、ハーフミラー81aで反射し、波長板83を通過してX偏光光になる。このX偏光光が、反射偏光板84を通過して出射される。光路部8を通過する光は、ハーフミラー81a及び反射偏光板82aの間を3回も通る(スリーパス)。
 上記の例では、光路部8への入射時にX偏光光であった光の光路長よりも、Y偏光光であった光の光路長の方が長くなる。すなわち、先の変調部5による偏光変調と光路部8とを組み合わせることで、表示素子2の各部分からの光の光路長を変化させることができる。このようにして虚像位置を調整することも可能である。例えば、2つの虚像位置の差を0.6Dにするための光路長が0.664m(空気長)の場合、光路部8の厚さは、0.322mm(0.644/2)に設計される。なおハーフミラー81aについては透過効率を38%近傍、反射効率62%近傍とするのが最も望ましい。これはワンパス光路の効率38%と、トリプルパス時の効率62%×62%≒38%が概ね一致するためである。
 上記実施形態では、変調部5による偏光変調と光路部6(又は光路部8)との組み合わせにより、2つの異なる虚像位置を与える手法(例えば2焦点VR)について説明した。ただし、3つ以上の異なる虚像位置を与えることも可能である。図8及び図9を参照して説明する。
 図8は、変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。例示される表示装置1は、偏光板4、変調部5、光路部6及び偏光板7のセットを2つ含む。2つ目のセットに係る偏光板4、変調部5、光路部6及び偏光板7を、偏光板4-2、変調部5-2、光路部6-2及び偏光板7-2と称し図示する。Z軸正方向において、偏光板7とレンズL2との間に、偏光板4-2、変調部5-2、光路部6-2及び偏光板7-2がこの順に配置される。
 偏光板4-2、変調部5-2、光路部6-2及び偏光板7-2は、偏光板4、変調部5、光路部6及び偏光板7と同様の構成を備えてよい。光路部6-2の厚さは、光路部6-1の厚さと同じであってもよいし異なっていてもよい。変調部5-2の偏光変調対象の光は、表示素子2の各部分からの光であって光路部6を通過した光(この例では偏光板7及び偏光板4-2も通過した光)である。光路部6-2を通過する光は、変調部5-2によって偏光変調された光である。
 変調部5による偏光変調と光路部6との組み合わせにより、2つの異なる虚像位置を与えることができる。変調部5-2による偏光変調と光路部6-2との組み合わせによっても、2つの異なる虚像位置を与えることができる。これらの組合せにより、3つ以上、最大で4つの異なる虚像位置を与えることができる。図9を参照して説明する。
 図9は、変調部5及び変調部5-2による偏光変調の例を示す図である。図9の(A)には、変調部5による偏光変調の例が示される。図9の(B)には、変調部5-2による偏光変調の例が示される。なお、変調部5-2の液晶及び液晶分子を、液晶部51-2及び液晶分子5m-2と称し図示する。
 図9において、複数の液晶部51のうちの着目する2つの液晶部に、ひし形マーク及び星形マークを付している。同様に、複数の液晶部51-2のうちの2つの液晶部に、ひし形マーク及び星形マークを付している。同じマークが付された液晶部51及び液晶部51-2は、表示素子2の同じ部分に対応する。
 図9の(A)に示されるように、変調部5では、星形マークが付された液晶部51が駆動され、液晶分子5mがX軸に対して90度(Y軸に対して0度)の向きを有する。この液晶部51を通過した光は、Y偏光光として光路部6を通過する。他の液晶部51を通過した光は、X偏光光として光路部6を通過する。
 図9の(B)に示されるように、変調部5-2では、ひし形マークが付された液晶部51-2及び星形マークが付された液晶部51-2が駆動され、液晶分子5mがX軸に対して90度(Y軸に対して0度)の向きを有する。これらの液晶部51-2を通過した光は、Y偏光光として光路部6-2を通過する。他の液晶部51-2を通過した光は、X偏光光として光路部6-2を通過する。
 上記の例では、星形マークが付された液晶部51及び液晶部51-2を通過した光の光路が最も長くなる。次いで、ひし形マークが付された液晶部51及び液晶部51-2を通過した光の光路が長くなる。他の液晶部51及び液晶部51-2を通過した光の光路は最も短くなる。
 例えば、光路部6における屈折率差が0.25、光路部6の厚さが0.8mmであり、光路部6-2における屈折率差が0.25、光路部6-2の厚さが2.655mmである場合を考える。光路部6-2によって得られる2つの虚像位置の差は、0.6Dである。光路部6及び光路部6-2の合計では0.8Dになる。星形マークが付された液晶部51及び液晶部51-2を通過した光は、光路部6に入射するときも光路部6-2に入射するときもY偏光光であり、光路長はもっとも長くなる。例えば0.5Dの虚像位置が与えられる。一方で、ひし形マークが付された液晶部51及び液晶部51-2を通過した光は、光路部6に入射するときはX偏光光であり、光路部6-2に入射するときはY偏光光である。0.7Dの虚像位置が与えられる。他の液晶部51及び液晶部51-2を通過した光は、光路部6に入射するときも光路部6-2に入射するときもX偏光光であり、光路長はもっとも短くなる。1.3Dの虚像位置が与えられる。
 図10は、光学系3における光の偏光方向の例を示す図である。光学系3の構成要素のうち、偏光板4、変調部5、偏光板7、偏光板4-2、変調部5-2及び偏光板7-2それぞれを通過した後の光の偏光方向が、白抜き矢印で模式的に示される。偏光板4を通過した光は、いずれもY偏光光である。変調部5を通過した光は、X偏光光及びY偏光光のいずれかである。偏光板7を通過した光は、45度偏光光である。偏光板4-2を通過した光は、いずれもY偏光光である。変調部5-2を通過した光は、X偏光光及びY偏光光のいずれかである。偏光板7-2を通過した光は、45度偏光光である。
 上記では触れなかったが、変調部5によってY偏光光とされ、変調部5-2によってX偏光光とされるような偏光変調が行われてもよい。そのように偏光された光は、さらに別の虚像位置を与え得る。結果として、最大で4つの異なる虚像位置を与えることができる(例えば4焦点VR)。
 例えば以上のように、偏光板4、変調部5、光路部6、偏光板7のセットを2つ配置することで、1セットの場合よりも多くの虚像位置を与えることができる。当然ながら、セット数を3以上にして、さらに多くの虚像位置を与えることもできる。
 一実施形態において、変調部5に波長板を積層することで、波長の広帯域化が図られてよい。図11を参照して説明する。
 図11は、変調部5の概略構成の例を示す図である。変調部5に対して波長板5aが設けられる。この例では、変調部5のZ軸正方向側の面上に、波長板5aが積層される。波長板5aは、例えば方位軸114.5度の1/2波長板である。変調部5自体、すなわち液晶分子5mが配置された液晶部51自体の波長特性を改善することができる。例えばRGB帯域のような広い波長帯域にわたって、同等の変更変調を行うことができる。RGB効率やクロストークの改善が可能になる。
 一実施形態において、変調部5の偏光変調によって得られる複数の偏光光は、X軸方向及びY軸方向の間の方向に偏光された偏光光を含んでよい。図12を参照して説明する。
 図12は、変調部5による偏光変調の例を示す図である。駆動状態の液晶部51に星印が付されている。液晶分子5mは、X軸に対して67.5度(Y軸に対して22.5度)の向きを有する。この液晶部51に入射したY偏光光は、45度偏光光になるように偏光変調される。この光が光路部6を通過すると、光路部6での光路長がX偏光光とY偏光光とで異なることから、両方の場合の光路長が存在するかのように振る舞う。先の実施形態の数値を用いて説明すると、0.5Dの虚像位置と1.1Dの虚像位置の両方が与えられる。厳密には各々の虚像位置の重ね合わせではあるものの、心理的な効果によって、ユーザは、それらの中間である0.8Dの虚像位置が存在するかのような映像を見ることができる。このようにして異なる虚像位置を混ぜ合わせることで、疑似的な中間状態の虚像位置を与えることもできる。
 上記実施形態では、光学系3が、レンズL1、レンズL2及びレンズL3を含むトリプルパス系の構成を備える場合を例に挙げて説明した。ただし、トリプルパス系の構成は必須ではなく、他のさまざまな構成が採用されてよい。他の構成の例は、フレネル系、二枚パネル構成等である。
 D値は、これまで説明した値に限らず、さまざまな任意の値に設計されてよい。例えば、先の実施形態では0.5Dを基準としていたが、0Dを基準とした設計が行われてもよい。
 Z軸方向における光路部6(或いは光路部6及び偏光板7)の両端の空気部分は、虚像位置を変化させることができる部分であるので、この部分の長さを調整することで視度調整が行われてもよい。この視度調整は、単純に近視、遠視等の視力補正に用いられてもよい。まずは光路部6の両端の空気部分の長さをおおまかに調整したうえで、これまで説明したような変調部5及び光路部6の組合せによる虚像位置の調整が行われてよい。例えば、より虚像補正範囲を広げつつ、遠景に混じった近景での違和感を減らすことができる。光路部6の両端の空気部分の長さと虚像位置(Diopter)とが単純な比例関係に無いので、予め準備されたデータテーブルや計算式を参照してそれらが設計されてよい。変調部5による偏光方向を決める場合も同様であってよい。
 一実施形態において、映像中のユーザが見ている箇所がアイセンシングによって特定(同定等)されてよい。図13を参照して説明する。
 図13は、変形例に係る表示装置1の概略構成の例を示す図である。図13の(A)には、表示装置1の概略構成が示される。なお、表示素子2及び光学系3の部分の構成は簡素化されて図示される。表示装置1は、アイセンシング用の投影機9及びカメラ10をさらに含む。投影機9及びカメラ10は、光学系3が結像する表示素子2からの光を妨げない位置に配置される。投影機9は、例えば光をユーザUの瞳に向けて出射する。光の例は、赤外光である。カメラ10は、ユーザUの瞳で反射した光を検出し、それによって眼部Eを撮像する。撮像されたユーザの眼部Eに基づいて、映像中のユーザが見ている箇所が特定される。図13の(B)には、撮像されたユーザの眼部Eの例が示される。撮像結果に基づいて、眼部E上(瞳上)の物点P、例えばプルキンエ像が取得され、それによって映像中のユーザが見ている箇所が特定される。このようなアイセンシングの結果に基づいて虚像位置が調整されてよい。
 一実施形態において、変調部5において隣り合う液晶部51どうしの間隔(ピッチ)は、表示素子2の各部分の間隔(例えばピクセルピッチ)よりも粗くてよい。例えば表示素子2が4K解像度(3840×2160)であり、変調部5の解像度は、HD(1280×720)、FHD(1920×1080)等であってよい。表示素子2が画質に直接的な影響を与えるのに対して、変調部5は虚像位置を変化させるだけであり、微細度が比較的少なくても問題無いからである。例えば変調部5の透過型液晶の開口率がそれほど高くない場合でも、解像度が低いことでその点を補うことができる。変調部5の位置は表示素子2よりも像焦点がズレており、この意味においても変調部5が高い解像度を持つ必要性は低いといえる。
 先に説明した図12の形態において、中間状態の偏光光(X偏光光及びY偏光光以外の偏光光)を作り出す代わりに、時系列的にX偏光光及びY偏光光の割合を切り替えてもよい。また、先に説明した図1等の光路部6について、液晶ポリマーの積層ではなく、XYに異なった分散性を持つ複屈折結晶を配置してもよい。例えばCaCO結晶(方解石)、α-BaB2O4等が挙げられる。
3.効果の例
 以上で説明した技術は、例えば次のように特定される。なお、下記における光路部6は、矛盾の無い範囲において、光路部8に適宜読み替えられてよい。開示される技術の1つは、光学系3である。図1~図7等を参照して説明したように、光学系3は、表示素子2からの光を結像する。光学系3は、変調部5と、光路部6と、を備える。変調部5は、表示素子2の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子2の各部分からの光を個別に偏光変調する。光路部6は、変調部5によって偏光変調された光が通過する部分である。光路部6は、光路部6を通過する光の光路長が、その光が光路部6に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。
 上記の光学系3によれば、変調部5による偏光変調及び光路部6の組合せによって、表示素子2の各部分からの光の光路長を変化させることができる。これにより虚像位置を調整できるようになるので、輻輳調整矛盾への対処が可能になる。例えば特許文献1のように表示素子2を移動させる必要が無く、その分、装置の大型化を抑制することができる。輻輳調整矛盾に対処しつつ装置の大型化を抑制することができる。
 図2等を参照して説明したように、変調部5は、各々に液晶分子5mが配置され個別に駆動される複数の液晶部51を含み、複数の液晶部51それぞれに、表示素子2の各部分のうちの対応する部分からの光が入射し、液晶部51の駆動は、その液晶部51に配置された液晶分子5mの状態(例えば液晶分子5mの向き)を変えることを含んでよい。例えばこのような構成を備える変調部5によって、表示素子2の各部分からの光を個別に偏光変調することができる。
 図3等を参照して説明したように、光路部6は、光路部6を通過する光の屈折率がその光の偏光方向によって異なるように構成されてよい。その場合、光路部6は、同じ向きに配置された複数の液晶分子6mを含んでよい。例えばこのような構成を備える光路部6によって、光路部6を通過する光の光路長を、入射時の偏光方向によって異ならせることができる。
 図5~図7等を参照して説明したように、光路部8は、変調部5からの直線偏光光を、その直線偏光光の偏光方向に応じた円偏光光に変える波長板81(第1の波長板)と、波長板81からの円偏光光を、その円偏光光の回転方向に応じた直線偏光光に変える波長板82(第2の波長板)と、波長板81及び波長板82の間に配置されたハーフミラー81aと、波長板82を挟んで波長板81とは反対側に配置され、所定の直線偏光光を通過させ、他の直線偏光光を反射する反射偏光板82aと、を含んでよい。例えばこのような構成を備える光路部8によっても、光路部8を通過する光の光路長を、入射時の偏光方向によって異ならせることができる。
 図1及び図4等を参照して説明したように、光学系3は、表示素子2及び変調部5の間に配置され、表示素子2からの光のうち、所定の偏光光だけを通過させる偏光板4を備えてよい。表示素子2がさまざまな方向の偏光光を含む光を発する場合でも、変調部5に入射する偏光光を限定することができる。例えば、表示素子2は、OLED(Organic Light Emitting Diode)を含んで構成されてよい。
 図1等を参照して説明したように、光学系3は、光路部6を挟んで変調部5とは反対側に配置され、光路部6からの光を所定の偏光光に整流する偏光板7を備えてよい。これにより、光路部6を通過した後の最終的な偏光光を統一することができる。光学系3は、表示素子2からの光を結像するための複数のレンズを備え、複数のレンズは、変調部5及び光路部6の間に設けられたレンズL1と、光路部6(或いは光路部6及び偏光板7)を挟んで変調部5とは反対側に順に設けられたレンズL2及びレンズL3と、を含んでよい。例えばこのようなトリプルパス構成を採用することができる。
 図8~図10等を参照して説明したように、光学系3は、変調部5-2と、光路部6-2と、を備えてよい。変調部5-2は、表示素子2の各部分からの光であって光路部6を通過した光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、表示素子2の各部分からの光であって光路部6を通過した光を個別に偏光変調する第2の変調部である。光路部6-2は、変調部5-2によって偏光変調された光が通過する第2の光路部である。光路部6-2は、光路部6-2を通過する光の光路長が、その光が光路部6-2に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される。これにより、変調部5及び光路部6を1つずつだけ備える場合よりも、さらに多くの異なる虚像位置を与えることができる。
 図11等を参照して説明したように、変調部5には、波長板5aが積層されていてよい。これにより、波長の広帯域化を図ることができる。
 図1~図4等を参照して説明したように、表示素子2は、XY平面方向に延在し、変調部5の偏光変調によって得られる複数の偏光光は、X軸方向に偏光されたX偏光光及びY軸方向に偏光されたY偏光光を含んでよい。例えばこのような偏光光を利用して、表示素子2の各部分からの光の光路長を変化させ、異なる虚像位置を与えることができる。図12等を参照して説明したように、複数の偏光光は、X軸方向及びY軸方向の間の方向に偏光された偏光光を含んでよい。これにより、異なる虚像位置を混ぜ合わせて、疑似的な中間状態の虚像位置を与えることができる。
 図1~図7等を参照して説明した表示装置1も、開示される技術の1つである。表示装置1は、表示素子2と、表示素子2からの光を結像する光学系3と、を備える。光学系3については上述のとおりである。このような表示装置1によっても、これまで説明したように、輻輳調整矛盾に対処しつつ装置の大型化を抑制することができる。
 図13等を参照して説明したように、表示装置1は、アイセンシング用のカメラ10を備えてよい。例えばアイセンシングの結果に基づく虚像位置の調整が可能になる。
 なお、本開示に記載された効果は、あくまで例示であって、開示された内容に限定されない。他の効果があってもよい。
 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
 なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
 表示素子からの光を結像する光学系であって、
 前記表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、
 前記変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、
 を備え、
 前記光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
 光学系。
(2)
 前記変調部は、各々に液晶分子が配置され個別に駆動される複数の液晶部を含み、
 前記複数の液晶部それぞれに、前記表示素子の各部分のうちの対応する部分からの光が入射し、
 前記液晶部の前記駆動は、当該液晶部に配置された前記液晶分子の状態を変えることを含む、
 (1)に記載の光学系。
(3)
 前記液晶分子の状態は、前記液晶分子の向きを含む、
 (2)に記載の光学系。
(4)
 前記光路部は、当該光路部を通過する光の屈折率が当該光の偏光方向によって異なるように構成される、
 (1)~(3)のいずれかに記載の光学系。
(5)
 前記光路部は、同じ向きに配置された複数の液晶分子を含む、
 (4)に記載の光学系。
(6)
 前記光路部は、
 前記変調部からの直線偏光光を、当該直線偏光光の偏光方向に応じた円偏光光に変える第1の波長板と、
 前記第1の波長板からの円偏光光を、当該円偏光光の回転方向に応じた直線偏光光に変える第2の波長板と、
 前記第1の波長板及び前記第2の波長板の間に配置されたハーフミラーと、
 前記第2の波長板を挟んで前記第1の波長板とは反対側に配置され、所定の直線偏光光を通過させ、他の直線偏光光を反射する反射偏光板と、
 を含む、
 (1)~(3)のいずれかに記載の光学系。
(7)
 前記表示素子及び前記変調部の間に配置され、前記表示素子からの光のうち、所定の偏光光だけを通過させる偏光板を備える、
 (1)~(6)のいずれかに記載の光学系。
(8)
 前記表示素子は、OLED(Organic Light Emitting Diode)を含んで構成される、
 (1)~(7)のいずれかに記載の光学系。
(9)
 前記光路部を挟んで前記変調部とは反対側に配置され、前記光路部からの光を所定の偏光光に整流する偏光板を備える、
 (1)~(8)のいずれかに記載の光学系。
(10)
 前記表示素子からの光を結像するための複数のレンズを備え、
 前記複数のレンズは、
  前記変調部及び前記光路部の間に設けられたレンズと、
  前記光路部を挟んで前記変調部とは反対側に順に設けられた2つのレンズと、
 を含む、
 (1)~(9)のいずれかに記載の光学系。
(11)
 前記表示素子の各部分からの光であって前記光路部を通過した光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光であって前記光路部を通過した光を個別に偏光変調する第2の変調部と、
 前記第2の変調部によって偏光変調された光が通過する第2の光路部と、
 を備え、
 前記第2の光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該第2の光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
 (1)~(10)のいずれかに記載の光学系。
(12)
 前記変調部には、波長板が積層されている、
 (1)~(11)のいずれかに記載の光学系。
(13)
 前記表示素子は、XY平面方向に延在し、
 前記変調部の偏光変調によって得られる前記複数の偏光光は、X軸方向に偏光されたX偏光光及びY軸方向に偏光されたY偏光光を含む、
 (1)~(12)のいずれかに記載の光学系。
(14)
 前記表示素子は、XY平面方向に延在し、
 前記変調部の偏光変調によって得られる前記複数の偏光光は、X軸方向及びY軸方向の間の方向に偏光された偏光光を含む、
 (1)~(13)のいずれかに記載の光学系。
(15)
 表示素子と、
 前記表示素子からの光を結像する光学系と、
 を備え、
 前記光学系は、
  前記表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、
  前記変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、
 を含み、
 前記光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
 表示装置。
(16)
 アイセンシング用のカメラを備える、
 (15)に記載の表示装置。
  1 表示装置
  2 表示素子
  3 光学系
  4 偏光板
  5 変調部
 51 液晶部
 5a 波長板
 5m 液晶分子
  6 光路部
 6m 液晶分子
  7 偏光板
  8 光路部
 81 波長板
81a ハーフミラー
 82 波長板
82a 反射偏光板
  9 投影機
 10 カメラ
  B 平板
  E 眼部
 L1 レンズ
 L2 レンズ
 L3 レンズ
  P 物点

Claims (16)

  1.  表示素子からの光を結像する光学系であって、
     前記表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、
     前記変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、
     を備え、
     前記光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
     光学系。
  2.  前記変調部は、各々に液晶分子が配置され個別に駆動される複数の液晶部を含み、
     前記複数の液晶部それぞれに、前記表示素子の各部分のうちの対応する部分からの光が入射し、
     前記液晶部の前記駆動は、当該液晶部に配置された前記液晶分子の状態を変えることを含む、
     請求項1に記載の光学系。
  3.  前記液晶分子の状態は、前記液晶分子の向きを含む、
     請求項2に記載の光学系。
  4.  前記光路部は、当該光路部を通過する光の屈折率が当該光の偏光方向によって異なるように構成される、
     請求項1に記載の光学系。
  5.  前記光路部は、同じ向きに配置された複数の液晶分子を含む、
     請求項4に記載の光学系。
  6.  前記光路部は、
     前記変調部からの直線偏光光を、当該直線偏光光の偏光方向に応じた円偏光光に変える第1の波長板と、
     前記第1の波長板からの円偏光光を、当該円偏光光の回転方向に応じた直線偏光光に変える第2の波長板と、
     前記第1の波長板及び前記第2の波長板の間に配置されたハーフミラーと、
     前記第2の波長板を挟んで前記第1の波長板とは反対側に配置され、所定の直線偏光光を通過させ、他の直線偏光光を反射する反射偏光板と、
     を含む、
     請求項1に記載の光学系。
  7.  前記表示素子及び前記変調部の間に配置され、前記表示素子からの光のうち、所定の偏光光だけを通過させる偏光板を備える、
     請求項1に記載の光学系。
  8.  前記表示素子は、OLED(Organic Light Emitting Diode)を含んで構成される、
     請求項1に記載の光学系。
  9.  前記光路部を挟んで前記変調部とは反対側に配置され、前記光路部からの光を所定の偏光光に整流する偏光板を備える、
     請求項1に記載の光学系。
  10.  前記表示素子からの光を結像するための複数のレンズを備え、
     前記複数のレンズは、
      前記変調部及び前記光路部の間に設けられたレンズと、
      前記光路部を挟んで前記変調部とは反対側に順に設けられた2つのレンズと、
     を含む、
     請求項1に記載の光学系。
  11.  前記表示素子の各部分からの光であって前記光路部を通過した光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光であって前記光路部を通過した光を個別に偏光変調する第2の変調部と、
     前記第2の変調部によって偏光変調された光が通過する第2の光路部と、
     を備え、
     前記第2の光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該第2の光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
     請求項1に記載の光学系。
  12.  前記変調部には、波長板が積層されている、
     請求項1に記載の光学系。
  13.  前記表示素子は、XY平面方向に延在し、
     前記変調部の偏光変調によって得られる前記複数の偏光光は、X軸方向に偏光されたX偏光光及びY軸方向に偏光されたY偏光光を含む、
     請求項1に記載の光学系。
  14.  前記表示素子は、XY平面方向に延在し、
     前記変調部の偏光変調によって得られる前記複数の偏光光は、X軸方向及びY軸方向の間の方向に偏光された偏光光を含む、
     請求項1に記載の光学系。
  15.  表示素子と、
     前記表示素子からの光を結像する光学系と、
     を備え、
     前記光学系は、
      前記表示素子の各部分からの光が、偏光方向の異なる複数の偏光光のうちのいずれかの偏光光になるように、前記表示素子の各部分からの光を個別に偏光変調する変調部と、
      前記変調部によって偏光変調された光が通過する光路部と、
     を含み、
     前記光路部は、当該光路部を通過する光の光路長が、当該光が当該光路部に入射したときの偏光方向によって異なるように構成される、
     表示装置。
  16.  アイセンシング用のカメラを備える、
     請求項15に記載の表示装置。
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