WO2023286405A1

WO2023286405A1 - 配管接続用挟持治具

Info

Publication number: WO2023286405A1
Application number: PCT/JP2022/016829
Authority: WO
Inventors: 雅夫飯田; 雄二郎出口; 淳久鈴木
Original assignee: 淀川ヒューテック株式会社
Priority date: 2021-07-13
Filing date: 2022-03-31
Publication date: 2023-01-19
Also published as: KR20240032093A; CN117615880A; JP2023012036A; TW202317892A

Abstract

本発明は、ヘッドで鍔部を挟持した状態を保持できる配管接続用挟持治具を提供する。　本発明の配管接続用挟持治具１０は、鍔部７４が突設された配管７１を相対させ、一方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第１ヘッド２１と、他方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第２ヘッド３１と、を接近させる配管接続用挟持治具であって、先端に前記第１ヘッドが形成され、基端に枢支部２９を有する第１支持部材２０と、先端に前記第２ヘッドが形成され、基端が前記枢支部に枢支される第２支持部材３０と、レバー４０によって操作され、前記第１ヘッドと前記第２ヘッドとを接近、離間可能に連繋するトグル機構６０と、を具える。

Description

配管接続用挟持治具

　本発明は、継手付きの配管どうしを接続する際に用いられる配管接続用挟持治具に関するものである。

　半導体などのエレクトロニクス分野、医薬分野、バイオテクノロジー分野等における製造、洗浄、組立等の各種装置では、原料用流体、洗浄用流体、燃料用流体等の供給、移送にフッ素樹脂製の配管が用いられる。

　これら配管として、先端に継手の設けられた継手付き配管が提案されている。継手付き配管は、継手のフランジ間に環状のシール部材を介在させて接続され、フランジを外周からクリップで挟み込んで連結状態を維持するようにしている（たとえば特許文献１等参照）。

　継手は、後方に円環状の鍔部を有しており、配管どうしを接続するときに、挟持治具を用いて鍔部を挟持し、シール部材に向けて押圧することで配管どうしをシール部材に密着させている。

　特許文献１では、支点により回動可能に支持された一対の支持部材の先端に、鍔部を軸方向外側から挟持するヘッドを具えた挟持治具を開示している。当該挟持治具では、下側の支持部材のヘッドに上側の支持部材のヘッドに向けて押し付けるレバーを具える。そして、ヘッドの挟持溝に鍔部を嵌め、下側の支持部材とレバーを握りレバーを倒すことで、てこの原理により上側のヘッドを下側のヘッドに接近させて鍔部を挟持する。この状態で、継手のフランジどうしをクリップで挟み込み、挟み込みが完了した後、ヘッド間隔が広がるように支持部材を操作して、挟持治具を抜き取る。

特開２０１９－１９０４９５号公報

　ヘッドで鍔部を挟持したまま保持するには、下側の支持部材にレバーを押さえ付けた状態、すなわち、ユーザーが握った状態を続ける必要がある。挟持治具から手を離すと、ヘッド間の締付力が緩むためである。しかしながら、片手で挟持治具を握ったまま、継手にクリップを装着することは難しく、作業性の向上が求められている。

　本発明は、ヘッドで鍔部を挟持した状態を保持できる配管接続用挟持治具を提供することを目的とする。

　本発明の配管接続用挟持治具は、
　鍔部が突設された配管を相対させ、一方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第１ヘッドと、他方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第２ヘッドと、を接近させる配管接続用挟持治具であって、
　先端に前記第１ヘッドが形成され、基端に枢支部を有する第１支持部材と、
　先端に前記第２ヘッドが形成され、基端が前記枢支部に枢支される第２支持部材と、
　レバーによって操作され、前記第１ヘッドと前記第２ヘッドとを接近、離間可能に連繋するトグル機構と、
　を具える。

　前記レバーは、揺動により前記第１支持部材を前記レバーから引き離す方向に押し出す取外しレバーが取り付けられている

　前記トグル機構は、
　前記第１支持部材は、先端側に前記第２支持部材を越えて上向きに延出し、延出した部分に前記レバーを枢支する固定支持部を有する第１リンクプレートと、
　一端が前記レバーとジョイント支持部で枢支され、他端が前記第２支持部材とスライド支持部で枢支されたリンク片と、
　を具え、
　前記第１ヘッドと前記第２ヘッドが最も接近した状態で、前記固定支持部、前記ジョイント支持部及び前記スライド支持部は一列に並ぶ。

　前記第２支持部材及び前記レバーは、夫々前記第１支持部材を挟む一対のプレートであって、
　前記ジョイント支持部及び前記スライド支持部は、前記第１リンクプレートに貫通開設されたリンク窓内を移動可能である。

　前記第１ヘッド及び前記第２ヘッドは、Ｕ字形状の挟持溝を有する。

　本発明の配管接続用挟持治具は、トグル機構により、ヘッドを接近させ、鍔部を挟持させた状態で保持できる。従って、継手にクリップを装着する際に、支持部材を握り続けておく必要はなく、作業性を向上できる。

図１は、本発明の一実施形態に配管接続用挟持治具のヘッド開状態の斜視図である。図２は、図１の配管接続用挟持治具を配管構造に嵌めた斜視図である。図３は、図２を斜め下方から見た斜視図である。図４は、図２の側面図である。図５は、ヘッド開状態の配管接続用挟持治具を第１支持部材の中心にそって縦方向に断面した断面図である。図６は、ヘッド閉状態の配管接続用挟持具の斜視図である。図７は、図６の配管接続用挟持治具により配管構造の鍔部どうしを挟持した斜視図である。図８は、図７を斜め下方から見た斜視図である。図９は、図７の側面図である。図１０は、ヘッド開状態の配管接続用挟持治具を第１支持部材の中心にそって縦方向に断面した断面図である。図１１は、ヘッド閉状態で配管接続用挟持治具から手を離した状態を示す説明図である。図１２は、取外しアームを操作して、レバーを第１支持部材から離間させた状態を示す配管接続用挟持治具の断面図である。図１３は、間隔が狭い配管構造間に配管接続用挟持治具を挿入して連結作業を行なっている状況を示す説明図である。図１４は、爪片を用いて配管構造からクリップを除去する状況を示す説明図である。図１５は、発明例と比較例の挟持治具のグリップ力と作用する締付力を比較したグラフである。

　以下、本発明の一実施形態に係る配管接続用挟持治具１０について、図面を参照しながら説明を行なう。なお、説明を判り易くするために、図１、図４における紙面上方向を「上」と称する。

　図１乃至図５は、ヘッド２１，３１が離間したヘッド開状態の配管接続用挟持治具１０(以下、「挟持治具１０」という)を示している。図２乃至図４は、挟持治具１０を配管構造７０に嵌めた状態を示している。また、図６乃至図１０は、ヘッド２１，３１が接近したヘッド閉状態の挟持治具１０を示しており、図７乃至図９は、挟持治具１０により配管構造７０の鍔部７４，７４どうしを挟持した状態を示している。

　まず、本発明の挟持治具１０により連結される配管構造７０について説明する。配管構造７０は、挟持治具１０を用い、図２乃至図４、図６乃至図１０に示すように、継手付きの配管７１，７１どうしをシール部材７５を介して突き合わせて連結し、クリップ８０（図１４参照）によってその連結が解けないように保持する構造である。配管７１は、夫々先端にフランジ７３と、フランジ７３から後退した位置に円環状の鍔部７４が突設された継手７２を有する。配管７１，７１どうしは、フランジ７３，７３間に円環状のシール部材７５を挟んだ状態で対向させ、挟持治具１０で鍔部７４，７４どうしを引き寄せるように押圧し、フランジ７３とシール部材７５を密着させて接続される。接続後、フランジ７３，７３には円環状のクリップが装着されて、配管構造７０は、配管７１，７１どうしが外れることなく一体に連結される。なお、配管７１は、直管に限らず、分岐管であってもよいし、バルブや流量計を具える、或いは、各種流体機器から延出される配管であってもよい。

　配管７１や継手７２は、半導体などのエレクトロニクス分野、医薬分野、バイオテクノロジー分野等における製造、洗浄、組立等の各種装置に用いられる場合、フッ素樹脂材料などの熱溶融性、耐腐食性にすぐれる材料を採用することができる。この種のフッ素樹脂材料として、テトラフルオロエチレン－パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）が好適であり、その他、テトラフルオロエチレン－ヘキサフルオロプロピレン共重合体（ＦＥＰ）、テトラフルオロエチレン－ヘキサフルオロプロピレン－ビニリデンフルオライド三元共重合体等を例示することができる。なお、配管７１及び継手７２の材料や特性は上記に限定されるものではない。

　挟持治具１０は、配管７１の胴部に軸方向外側から嵌まり、鍔部７４に面当たりする第１ヘッド２１と第２ヘッド３１を具える。第１ヘッド２１と第２ヘッド３１には、先端にＵ字形状の挟持溝２２，３２が凹設されており、配管７１の胴部を挿入して使用される。

　挟持治具１０は、上記した第１ヘッド２１を先端に具える第１支持部材２０と、第２ヘッド３１を先端に具える第２支持部材３０を含む。そして、第１支持部材２０と第２支持部材３０は、基端を枢支部２９により揺動可能に枢支され、レバー４０、リンク片５０を含むトグル機構６０により連繋されることで挟持治具１０を構成する。

　挟持治具１０を構成する各部材は、所定の強度、剛性を具備し、また、配管７１への錆などの付着を抑制するために、ステンレス鋼から作製することが好適である。

　第１支持部材２０は、先端に第１ヘッド２１が形成され、トグル機構６０に連繋されると共に、基端が枢支部２９により第２支持部材３０に枢支された部材である。

　より詳細には、第１支持部材２０は、図５に最も良く示されるように、第１ヘッド２１が装着された第１プレート２３を有する。第１プレート２３は、第１ヘッド２１から上向きに延びる第１リンク支持部２４を有し、第１リンク支持部２４のやや下方から後方に向けて延びた形状とすることができる。

　第１リンク支持部２４には、後述するトグル機構６０のジョイント支持部６２とスライダー支持部６３が貫通するリンク窓２５が形成されている。リンク窓２５は、たとえば図５に示すように略三角形形状の貫通孔である。また、リンク窓２５の上部には、固定支持部６１が設けられており、レバー４０が揺動可能に支持される。

　第１プレート２３の基端には、第２支持部材３０を枢支する枢支部２９が形成されており、下面には、ユーザーが握る第１グリップ２６が装着されている。

　第２支持部材３０は、先端に第２ヘッド３１が形成され、そのやや基端側にトグル機構６０を構成するリンク片５０が枢支されるスライダー支持部６３を有し、基端側は枢支部２９により第１支持部材２０に枢支された部材である。

　第２支持部材３０は、第２ヘッド３１と、第２ヘッド３１が先端に装着された一対の第２プレート３３，３３から構成することができる。第２プレート３３，３３は、第１プレート２３の厚さ分の間隔を存して第２ヘッド３１に取り付けられている。第２プレート３３，３３間には、第１プレート２３が挟まれており、先端側から第１リンク支持部２４が貫通して上向きに延びている。

　第２プレート３３，３３は、トグル機構６０を構成するリンク片５０にスライダー支持部６３により枢支されている。スライダー支持部６３は、図４（矢印α３）、図５、図９（矢印β３）、図１０に示すように、固定支持部６１の真下を上下方向に移動可能となっている。そして、スライダー支持部６３を上下方向に移動させることで、第２支持部材３０は、枢支部２９を中心に揺動し、第２ヘッド３１を第１ヘッド２１に対して接近、離間させる。

　第２プレート３３，３３は、リンク片５０により、次に説明するレバー４０と連繋される。具体的には、リンク片５０は、一端が第２プレート３３のスライダー支持部６３に枢支され、他端がレバー４０のジョイント支持部６２に枢支される。図示の実施例では、リンク片５０は、第２プレート３３，３３の各外側に１枚ずつ配置している。ジョイント支持部６２とスライダー支持部６３は、次に説明するレバー４０の固定支持部６１とジョイント支持部６２の間隔に一致する間隔に形成される。

　レバー４０は、ユーザーが第１支持部材２０と共に握って、ヘッド２１，３１を接近させるために操作する部材である。レバー４０は、第１リンク支持部２４の固定支持部６１で第１支持部材２０に枢支されており、第１プレート２３と平行な面内で揺動可能となっている。

　より詳細には、レバー４０上面にレバーグリップ４２が形成されており、ヘッド２１，３１が開状態から第１グリップ２６とレバーグリップ４２をユーザーが握り、ヘッド２１，３１を閉状態に移行させる。

　レバー４０は、第１リンク支持部２４との固定支持部６１を中心に揺動する。たとえば、レバー４０は、一対のレバープレート４１，４１から構成することができ、レバープレート４１，４１は、第１プレート２３の厚さ分の間隔を存してレバーグリップ４２に取り付けられている。レバープレート４１，４１間には、先端側に第１リンク支持部２４が挟まれており、基端側には、後述する取外しアーム４４が枢支されている。

　レバー４０は、第２プレート３３と連繋されたリンク片５０とジョイント支持部６２にて枢支されており、ジョイント支持部６２は、リンク窓２５内を移動可能に貫通している。そして、図９に示すように、ジョイント支持部６２は、ヘッド２１，３１が接近した状態で、固定支持部６１、ジョイント支持部６２及びスライダー支持部６３が上下一列に並ぶ配置とする。

　トグル機構６０は、上記した第１支持部材２０に対して揺動可能な第２支持部材３０を、レバー４０とリンク片５０で連繋した構成である。レバー４０は、第１支持部材２０に固定支持部６１を介して揺動可能に支持され、リンク片５０は、レバー４０にジョイント支持部６２を介して支持される。また、第２支持部材３０は第１支持部材２０に枢支部２９にて枢支されると共に、リンク片５０とスライダー支持部６３を介して支持されている。

　レバー４０を上向きに揺動させることで、図１乃至図５に示すように、レバー４０はヘッド２１，３１間が離間するように第２支持部材３０を揺動させる（ヘッド開状態）。具体的には、図４に矢印α１で示すように、レバー４０を固定支持部６１に対して上向きに揺動させると、ジョイント支持部６２は固定支持部６１を中心に矢印α２方向に回転し、リンク片５０を引き上げる。その結果、スライダー支持部６３は矢印α３に示すように上向きにスライドし、第２支持部材３０を引き上げる。第２支持部材３０は、基端を枢支部２９に支持されているから、リンク片５０による引上げにより、第２ヘッド３１が矢印α４に示すように第１ヘッド２１から離間するよう上向きに移動する（ヘッド開状態）。

　然して、ヘッド開状態の挟持治具１０は、図２乃至図４に示すようにシール部材７５を介してフランジ７３，７３どうしを仮連結させた配管７１，７１に対し、鍔部７４，７４を外側から挟むように、第１ヘッド２１と第２ヘッド３１の挟持溝２２，３２に配管７１，７１の胴部を挿入する。第１ヘッド２１は、板状の第１プレート２３、第２ヘッド３１は板状の第２プレート３３に取り付けられているから、図１３に示すように配管構造７０どうしの間隔が狭い場合であっても、第１ヘッド２１及び第２ヘッド３１を配管構造７０の間に好適に挿入することができ、作業性にすぐれる。

　この状態から、図６乃至図１０に示すように第１グリップ２６とレバーグリップ４２を握り、グリップ力を付与する。これにより、レバー４０は、図９に矢印β１で示すように、てこの原理により固定支持部６１を支点として下向きに揺動し、ジョイント支持部６２は固定支持部６１を中心に矢印β２方向に回転させて、トグル機構６０を構成するリンク片５０を押し下げる。その結果、スライダー支持部６３は矢印β３に示すように下向きにスライドし、第２支持部材３０を押し下げる。第２支持部材３０は、基端を枢支部２９に支持されているから、リンク片５０による押し下げにより、第２ヘッド３１が矢印β４に示すように第１ヘッド２１に接近するよう下移動する（ヘッド閉状態）。これにより、配管７１，７１は、鍔部７４どうしが接近するよう挟持され、フランジ７３，７３がシール部材７５と完全に密着嵌合し、気密に連結される。

　本発明の挟持治具１０によれば、レバー４０はてこの原理で固定支持部６１を支点、ユーザーのグリップ力が作用するレバーグリップ４２の基端側を力点とし、ジョイント支持部６２を作用点とすることで、てこの原理により小さなグリップ力でジョイント支持部６２を作動させる。また、レバー４０とリンク片５０により構成されるトグル機構６０は、ジョイント支持部６２に作用する力を、固定支持部６１、ジョイント支持部６２及びスライダー支持部６３のなす角が１８０°に近づくにしたがい増大させながら、スライダー支持部６３に作用させることができる。スライダー支持部６３は、枢支部２９を支点として揺動する第２支持部材３０に対し、ヘッド２１，３１間に締付力を作用させることができる。従って、ユーザーのグリップ力は省力で済み、作業性の向上を図ることができる。

　さらに、本発明では、トグル機構６０を採用したことで、ヘッド閉状態において、図９に最も良く示されるように、固定支持部６１、ジョイント支持部６２及びスライダー支持部６３は上下一列に並ぶ。すなわち、固定支持部６１、ジョイント支持部６２及びスライダー支持部６３が死点の位置関係となる。従って、図１１に示すように、ユーザーのグリップ力を除去しても、ヘッド２１，３１は開方向に移動し難くなり、緩むことなくヘッド閉状態を維持することができる。

　故に、ヘッド閉状態とした後は、ユーザーはグリップ２６，４２を握り続ける必要はなく、挟持治具１０から手を離すことができる。この状態で、ユーザーは、継手７２のフランジ７３，７３どうしをクリップ８０（図１４参照）で挟み込む操作を行なうことができ、配管構造７０が完成する。挟持治具１０から手を離してクリップの装着を行なうことができるから、作業性にすぐれる。

　クリップを装着した後、ヘッド２１，３１の間隔が広がるように図４の矢印α１方向に第１支持部材２０に対してレバー４０を揺動させることで、ヘッド２１，３１は離間し、配管構造７０から取り去ることができる。

　なお、上記のように、トグル機構６０を採用したことで、ヘッド閉状態から開状態に移行する際に、第１支持部材２０に対してレバー４０を図４の矢印α１方向に引き上げる力を加える必要がある。この際、熟練したユーザーであれば片手操作で第１支持部材２０とレバー４０を引き離し方向に揺動させることができるが、不慣れなユーザーであれば、第１支持部材２０又は第１グリップ２６を片手で掴み、他方の手でレバー４０又はレバーグリップ４２を掴んで、第１支持部材２０とレバー４０を引き離す必要がある。しかしながら、配管構造７０は、両手を同時に挟持治具１０までアクセスできない狭所作業となることもあり、作業性に劣る。

　そこで、本発明では、一実施形態として、第１支持部材２０からレバー４０を離間させる取外しアーム４４を具える。取外しアーム４４は、図５、図１０、図１２に最も良く示されるように、レバー４０のレバープレート４１，４１間でアーム支持部４６によりレバー４０に支持されている。取外しアーム４４は、レバー４０の基端側にアーム操作部４５を有する。アーム操作部４５は、図３に示すように、ユーザーが操作可能となるようにレバーグリップ４２と略同じ幅に拡径している。また、取外しアーム４４の先端は、アーム支持部４６よりも以遠側に第１支持部材２０（具体的には第１プレート２３）に当接可能な押出し片４７を有する。

　そして、図９、図１０に示すヘッド閉状態から、図１２に矢印γ１で示すように、アーム操作部４５をレバーグリップ４２側に引き上げると、取外しアーム４４は、アーム支持部４６を中心に揺動し、先端の押出し片４７が第１支持部材２０を下方に押す（図１２の矢印γ２）。これにより、レバー４０は、矢印γ３に示すように、相対的に第１支持部材２０から引き離すことができるから、挟持治具１０を片手操作でヘッド開状態として配管構造７０から取り外すことができる。

　取外しアーム４４は、力点となるアーム操作部４５を弱い力で操作しても、作用点となる押出し片４７に大きな力を作用させることができるように、支点となるアーム支持部４６は押出し片４７側に接近して配置することが好適である。これにより、挟持治具１０を片手で掴んだまま親指等でアーム操作部４５を操作でき、作業性を高めることができる。

　また、取外しアーム４４は、ヘッド開状態では、図４、図５に示すように、押出し片４７がレバープレート４１，４１間に隠れており、ヘッド閉状態でユーザーにより押出し片４７が突出するよう操作されることが好適である。しかしながら、押出し片４７がレバー４０から突出した状態のままであっても、ヘッド閉状態に移行する過程で、押出し片４７が第１プレート２３に当接することでレバープレート４１，４１間に隠れるため問題はない。押出し片４７をヘッド開状態でレバープレート４１，４１間に格納する要請がある場合には、取外しアーム４４の先端をレバープレート４１，４１側に格納可能となるように付勢すればよい。たとえば、図１２では、第１プレート２３と取外しアーム４４に付勢部材（図示せず）の取付部２８，４８（図示では凹み）を設けている。そして、これら間に圧縮バネ等の付勢部材（図示せず）を配置して、強制的に押出し片４７が格納される構成とすればよい。

　上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。

　図示した各部材の形状等は一例であり、種々の変形が可能であることは理解されるべきである。また、配管７１も、鍔部７４を有する構造或いはこれに類似の構造を有するものであれば、例示した構造に限定されない。たとえば、レバー４０や第２支持部材３０は２枚のプレートとせず、１枚のプレートから構成することができる。

　その他、変形例として、各図に示すように、第１グリップ２６及びレバーグリップ４２の基端を内向きに屈曲させて爪片２７，４３を形成している。これら爪片２７，４３は、クリップを装着した後にクリップを本締め、或いは、図１４に示すようにクリップ８０の取外しに活用できる。

　また、ヘッド２１，３１は、ヘッド閉状態で互いに平行になるよう構成することができる。しかしながら、図１０に補助線Ｌ１，Ｌ２を引いて示すように、ヘッド２１，３１は、ヘッド閉状態で先端側が僅かに内向きに傾いた構成としてもよい。図１０では、挟持治具１０の先端側の補助線間の距離Ｃ１が、基端側の補助線間の距離Ｃ２よりも小さくなっている（Ｃ１＜Ｃ２）。これにより、ヘッド２１，３１を接近させたときに、ヘッド２１，３１間からフランジ７３，７３を逃がすことなく挟持することができ、作業性も向上できる。

　図１５は、本発明の挟持治具１０（発明例１、２）と、特許文献１に開示された挟持治具（比較例１、２）のグリップ力と配管構造７０に作用する締付力を比較したグラフである。発明例１と比較例１は、外径８ｍｍの配管の連結、発明例２と比較例２は外径１２ｍｍの配管の連結を行なうために作成した挟持治具である。

　図１５を参照すると、発明例１、２は、比較例１、２に比べて同じ締付力を発生させるために必要なグリップ力が約半分で済むことがわかる。すなわち、小さいグリップ力で大きな締付力を配管構造に付与できることがわかる。この理由として、比較例１、２の挟持治具はてこの原理を１つだけ採用しているのに対し、発明例１、２では、トグル機構６０を含め、てこの原理を２つ含んでいることによる。従って、本発明の挟持治具１０は、省力化を達成でき、ユーザーの作業性を高めることができる。

１０　配管接続用挟持治具
２０　第１支持部材
２１　第１ヘッド
２３　第１プレート
２４　第１リンク支持部
２５　リンク窓
２９　枢支部
３０　第２支持部材
３１　第２ヘッド
３３　第２プレート
４０　レバー
４１　レバープレート
４４　取外しアーム
５０　リンク片
６０　トグル機構
６１　固定支持部
６２　ジョイント支持部
６３　スライダー支持部
７０　配管構造
７１　配管
７２　継手
７３　フランジ
７４　鍔部

Claims

　鍔部が突設された配管を相対させ、一方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第１ヘッドと、他方の配管の鍔部に軸方向外側から嵌まる第２ヘッドと、を接近させる配管接続用挟持治具であって、
　先端に前記第１ヘッドが形成され、基端に枢支部を有する第１支持部材と、
　先端に前記第２ヘッドが形成され、基端が前記枢支部に枢支される第２支持部材と、
　レバーによって操作され、前記第１ヘッドと前記第２ヘッドとを接近、離間可能に連繋するトグル機構と、
　を具える配管接続用挟持治具。
　前記レバーは、揺動により前記第１支持部材を前記レバーから離れる方向に押し出す取外しレバーが軸支されている、
　請求項１に記載の配管接続用挟持治具。
　前記トグル機構は、
　前記第１支持部材は、先端側に前記第２支持部材を越えて上向きに延出し、延出した部分に前記レバーを枢支する固定支持部を有する第１リンクプレートと、
　一端が前記レバーとジョイント支持部で枢支され、他端が前記第２支持部材とスライド支持部で枢支されたリンク片と、
　を具え、
　前記第１ヘッドと前記第２ヘッドが最も接近した状態で、前記固定支持部、前記ジョイント支持部及び前記スライド支持部は一列に並ぶ、
　請求項１又は請求項２に記載の配管接続用挟持治具。
　　前記第２支持部材及び前記レバーは、夫々前記第１支持部材を挟む一対のプレートであって、
　前記ジョイント支持部及び前記スライド支持部は、前記第１リンクプレートに貫通開設されたリンク窓内を移動可能である、
　請求項３に記載の配管接続用挟持治具。
　前記第１ヘッド及び前記第２ヘッドは、Ｕ字形状の挟持溝を有する、
　請求項１乃至請求項４の何れかに記載の配管接続用挟持治具。