JP4580948B2 - 管材クランプ治具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体、医薬、バイオ分野等において用いられる樹種チューブ等の管材を圧接保持可能なクランプ治具に係り、詳しくは、樹脂製管継手におけるインナーリングをフッ素樹脂チューブ等の樹脂製管材に圧入する際に、樹脂製管材の端部を外囲して保持するに好適な管材クランプ治具に関するものである。
この種の管材クランプ治具としては、例えば特許文献1において開示された管材へのインナーリング圧入装置に用いられるものが知られている。即ち、装置本体3にボルト固定される固定クランプ10と、この固定クランプ10に対してスプリングピン13を介して揺動開閉自在に枢支される可動クランプ11とから成るクランプ治具である。各クランプ10,11には取っ手14,15が突設されており一方の取っ手15に枢着されているロックレバー16を他方の取っ手14に係合させることにより、両クランプ10,11間に管材1を把持することができる。
各クランプ10,11には、管材1を外囲して把持するための略半円筒状のクランプ溝(管材把持面)10a,11aが形成されており、可動クランプ11を閉じ揺動してからロックレバー16を操作することで各クランプ溝10a,11aに管材1を把持させた状態で、その把持されている管材の端に、圧入作用体5を介して圧入操作体4に保持されているインナーリング2を強制的に内嵌圧入させることができる。
引用文献1の第4図等から分るように、インナーリング2の圧入の際に管材1に作用する強い管軸方向の荷重に耐えるために、各クランプ溝10a,11aのそれぞれにはゴムシートによる摩擦材10b,11bが貼着されており、管材1を凹ませたり傷付けたりすることなく強く把持できるように構成されている。このように、管材の把持面にゴム製の滑り止め部材を設ける例としては、特許文献2において開示されるチューブ継手の施工装置においても同様に見られる。
特許文献1,2のように、管材の滑り止め手段としてゴムを用いる構造では、ゴムの摩耗によってクランプ力が低下して行く問題や、ゴムの摩耗粉の発生がクリーンルーム内での使用上で問題になるといった不都合があるとともに、ゴムの耐薬品性の点から有機溶剤による脱脂洗浄ができないという問題がある。そこで、ゴムを設けることなく、金属製のクランプにおける上述のクランプ溝である管材把持面に幾つかの突起を形成することにより、滑り止め手段とすることも試されたが、これでは樹脂チューブ等の管外面に大きな把持跡や傷が付き易く、その後の管材の安全性に課題が残る懸念がある。このように、管材を傷つけることなくしっかりと把持させるには改善の余地が残されていた。
特開平2−52723号公報 実用新案登録第3090779号公報
本発明の目的は、固定クランプと可動クランプとから成ってインナーリング圧入時にしっかりと管材を把持させることができる管材クランプ治具において、管材を傷付けたり変形させたりすることなく強固に把持できる手段を、摩耗粉等の塵埃の発生がなく、かつ、耐久性も優れるものに改善させる点にある。
請求項1に係る発明は、管材クランプ治具において、
略半円筒状に凹入形成された第1管材把持面4aを有する固定クランプ2aと、
略半円筒状に凹入形成された第2管材把持面4bを有する可動クランプ2bと、
前記可動クランプ2bを、前記第2管材把持面4bが前記第1管材把持面4aに対向配置されてこれら両者4b,4a間に管材14を把持可能な作用姿勢と、管材14の前記第1管材把持面4aに対する出し入れが自在となるように前記第1管材把持面4aが前記第2管材把持面4から離間される退避姿勢とに切換自在な姿勢切換手段Dと、が備わっているとともに、
前記第1管材把持面4a及び/又は前記第2管材把持面4bに、ブラスト処理によって表面粗さRaが3〜15μmの粗面部8a,8bが形成され、
前記固定クランプ2aが、樹脂製管継手用インナーリング23を合成樹脂製の管材14に圧入するためのインナーリング圧入装置Aにおける装置本体1に装備されるものであり、前記各管材把持面4a,4bにおけるインナーリング配置側の端部から管軸方向で所定範囲には、前記粗面部8a,8bが形成されない構成とされていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の管材クランプ治具の製造方法において、前記粗面部を、ガラスビーズを用いたブラスト処理によって形成することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の管材クランプ治具の製造方法において、前記ガラスビーズとして、その粒径が30〜1100μmのものを使用することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、第1,2管材把持面の何れか一方又は双方に表面仕上げの粗い粗面部が形成されているので、その粗面部と管材外周面との摩擦係数が高くなり、各クランプに対してずれ動くことなくインナーリングの圧入に伴う強い管軸方向の力に抗することが可能となる。これにより、クランプ治具と管材との間にゴム等の滑り止め部材を介装する従来の手段が必要無くなるので、摩耗粉等の塵埃発生のおそれも解消することが可能になる。その結果、固定クランプと可動クランプとから成ってインナーリング圧入時にしっかりと管材を把持させることができる管材クランプ治具を、管材を傷付けたり変形させたりすることなく強固に把持できる手段を、摩耗粉等の塵埃の発生がなく、かつ、耐久性も優れるものに改善させた状態で提供することができる。
この場合、請求項1のように、粗面部がブラスト処理によって形成されたものとすれば、半円弧状等の凹入面の表面処理に好適なものとなる。また、請求項1のように、粗面部の表面粗さRaを3〜15μmに設定することにより、前記効果をより高次元なもの(強い管軸方向の耐力と管材外表面の高い傷付防止機能)として提供することができる。
ところで、管材クランプ治具にクランプされている管材に強い管軸方向力が作用した場合は、高い摩擦力を生む粗面部がインナーリング配置側端まで形成されていると、管材のクランプされている箇所におけるインナーリング配置側端に続く非クランプ部分に応力集中し易く、その部位に環状の隆起皺が形成されたり圧潰が生じるといったおそれがある。そこで請求項1の発明によれば、管材把持面における強い管軸方向力を受ける側の端から所定範囲には粗面部を形成しないように構成してあるから、クランプされている箇所における粗面部の形成されていない箇所では各クランプと管材とが、圧入操作に伴う強い管軸方向力によって管軸方向にずれ動くことが可能になり、よって前述した応力集中を緩和させることが可能になる。その結果、管材を傷付けるおそれのより少ない状態で前記効果を奏することができる利点がある。
請求項2の発明によれば、ガラスビーズを用いたブラスト処理を行う方法の採用により、請求項1の発明による効果を得ることが可能な管材クランプ治具の製造方法を提供することができる。この場合、請求項3のように、粒径が30〜1100μmのガラスビーズを用いれば請求項2の発明による前記効果を好適に得ることができる。
以下に、本発明による管材クランプ治具の実施の形態を、樹脂製管材へのインナーリング圧入装置に適用されたものを挙げて図面を参照しながら説明する。図1〜図8はインナーリング圧入装置及び実施例1による管材クランプ治具を示す各図、図9はブラスト処理に使用するガラスビーズの粒径と粗面部の表面粗さとの関係グラフを示す図、図10〜12は実施例2による管材クランプ治具を示す図、図13は皺が解消される作用を示すイメージ図である。
まず最初に樹脂製管継手について説明する。図8に示すように、樹脂製管継手Tは、それぞれがフッ素樹脂等の耐薬品性及び耐熱性に優れた樹脂から成る継手本体50と、スリーブ状のインナーリング23と、ユニオンナット(押輪)51とを備えて構成されている。継手本体50は、その軸線C方向の一端部に受口52を形成し、この受口52の内奥には、継手本体50の軸線Cに対して交差する状態の1次シール部53が形成される。また、受口52の入口には、軸線Cに対して交差する状態の2次シール部54が形成され、かつ、受口52の外周には雄ねじ55が形成されている。
インナーリング23は、その軸方向の内端部に継手本体50の受口52に嵌合可能な外径をもつ嵌合部56が形成されるとともに、その軸方向の外端側に断面山形の膨出部57が形成されており、フッ素樹脂チューブ(管材の一例)14の一端部内に嵌合部56を外方へ突出させる状態で圧入することでフッ素樹脂チューブ14の一端部を拡径させて、嵌合部56の端部に継手本体50の1次シール部53に当接する内端シール部58が形成されている。一方、膨出部57に対応する箇所には、受口52の2次シール部54に当接する外周シール面59が形成されている。ユニオンナット51には、継手本体50の雄ねじ55に螺合する雌ねじ60が形成されている。
上記構成の樹脂製管継手Tにおいてフッ素樹脂チューブ14を接続するには、インナーリング23を圧入したフッ素樹脂チューブ14の一端部を継手本体50の受口52に挿入させた状態で、フッ素樹脂チューブ14の外周に予め遊嵌させてあるユニオンナット51の雌ねじ60を、継手本体50の雄ねじ55に螺合させて締め付けることで為される。それにより、インナーリング23を軸方向から押圧してその内端シール部58及び外周シール面59が、継手本体50の受口52の1次シール部53及び2次シール部54にそれぞれ当接され、優れたシール性(密封力)が付与される管継手構造がもたらされる。
次に、インナーリング圧入装置A、及び管材クランプ治具2について説明する。図1において、インナーリング圧入装置Aは、金属製の装置本体1の前後方向の前端側にフッ素樹脂チューブ14を把持して保持するクランプ治具2を、前後方向の後端側にインナーリング23の押し出し機構3をそれぞれ一体的に配備して構成されている。作用の概略としては、グリップ21の回し操作によって、リングホルダ20に外嵌保持されるインナーリング23を前進させ、管材グリップ治具2に保持されているフッ素樹脂チューブ14の端部に圧入内嵌させる、というものである。尚、インナーリング圧入装置Aにおいては、インナーリング23の進み方向である管材クランプ治具2側を前、押し出し機構3側を後と定義する。
管材クランプ治具2は、固定クランプ2a及び可動クランプ2bから成る半割り構造に構成されている。図2,図3に示すように、固定クランプ2aは、装置本体1の前端に一体形成又は別体の螺装等によって一体的に装備されており、その上部には略半円筒状に下方に凹入形成された第1管材把持面(クランプ溝)4aを有している。可動クランプ2bは、その下部に略半円筒状に上方に凹入形成された第2管材把持面(クランプ溝)4bを有しており、この可動クランプ2bの一側部は固定クランプ2aの一側部に、上下両端がそれぞれ固定クランプ2a及び可動クランプ2bにピン5,6で回動自在に枢着されたヒンジ部材7でもって枢支連結されている。可動クランプ2bは、ヒンジ部材7まわりの揺動移動により、固定クランプ2aに対して図2に実線状態で示す閉じ姿勢(作用姿勢の一例)と、同図に仮想線で示す開き姿勢(退避姿勢の一例)とに亘って姿勢切換が自在である。各管材把持面溝4a,4bは、ブラスト処理によって形成された粗面部8a,8bに仕上げ処理されている。
可動クランプ2bの他側部には、先端にフック部9aを有するロック体9の基端部9bが、支軸10回りに上下回動自在に枢着されている。そして、固定クランプ2aの他側部には、先端に握り玉11を有する短い操作レバー12が、これの基端部12bを固定クランプ2aに横架した偏心カム軸13の中途部に一体的に挿入結合することによって、偏心カム軸13まわりに上下回動自在に取付けられている。従って、図3に示すように、固定クランプ2aの第1管材把持面4a上にフッ素樹脂チューブ14の一端部を前後方向に沿う水平姿勢で載せてから可動クランプ2bを閉じ合わせ、ロック体9をこれの先端のフック部9aが、偏心カム軸13上に操作レバー12の基端部12bと並べて形成した偏心カム部15の下方に位置するよう垂下させたうえで、操作レバー12を偏心カム軸13まわりに下方向Pへ回動操作すると、偏心カム軸13が同一方向に回動し、その偏心カム軸13と一体の偏心カム部15が同行回動する。この偏心カム部15の下方回動に伴い、図4に示すように、偏心カム部15がロック体9のフック部9aに係合してロック体9を徐々に下方へ引き締めて行き、これにより可動クランプ2bが閉じ姿勢、つまり、フッ素樹脂チューブ14を締め付け固定する状態にロックされ得るようになっている。
操作レバー12を、図4に示すロック状態から上方へ回動操作すると、偏心カム部15が同一方向に回動してロック体9のフック部9aとの係合を解除し、ロック体9を上方へ回動可能にし、このロック体9の上方回動により可動クランプ2bが固定クランプ2aから上方へ開くことができるようになっている。
つまり、管材クランプ治具2は、略半円筒状に凹入形成された第1管材把持面4aを有する固定クランプ2aと、略半円筒状に凹入形成された第2管材把持面4bを有する可動クランプ2aと、可動クランプ2bを、第2管材把持面4bが第1管材把持面4aに対向配置されてこれら両者間に管材14を把持可能な作用姿勢(図4に示す姿勢)と、管材14の第1管材把持面4aに対する出し入れが自在となるように第1管材把持面4aと第2管材把持面4bとが離間される退避姿勢(図2に示す姿勢)とに切換自在な姿勢切換手段Dと、を有して構成されるとともに、第1及び第2管材把持面4a,4bに表面仕上げの粗い粗面部8a、8bが形成されている。姿勢切換手段Dは、可動クランプ2bを固定クランプ2aに対して揺動開閉させるためのピン5,6やヒンジ部材7等によって構成されており、強制把持機構18は、ロック体9、操作レバー12、偏心カム軸13、偏心カム部15等による偏心カム構造のものに構成されている。
押し出し機構3は、図1に示すように、圧入作用杆支持部3Aを有して構成されており、これ3Aはポリプロピレンなどの樹脂で成形されて角ねじ等よりなる雌ねじ3aを有して構成されている。圧入作用杆支持部3Aは、装置本体1の後端に一体に形成されたリング部16の内部に嵌合され、スプリングピン17で相対固定されているとともに、雌ねじ3aに螺合する雄ねじ19aを有する圧入作用杆19が、前後方向に沿う水平姿勢で螺合挿通されている。圧入作用杆19の前端にはリングホルダ20が備えられ、圧入作用杆19の後端には、有底筒状(円板状でも良い)のグリップ21がボルト22を用いて一体的に結合されている。
図5,図6に示すように、リングホルダ20は、フッ素樹脂等の低摩擦材料で成形され、インナーリング23を挿入保持し得る鍔付きのリング保持軸部20aと、このリング保持軸部20aの後端面中央部から後方へ突設した結合軸部20bとを有して構成されており、ホルダブロック26を用いて圧入作用杆19の前端部に空転自在に連結されている。ホルダブロック26は、フッ素樹脂等の低摩擦材料で成り、外周に雄ねじ24aを有する筒部24と、この筒部24の前端に一体に形成した鍔部25とを有して形成されている。ホルダブロック26は、リングホルダ20の結合軸部20bにフッ素樹脂等からなる低摩擦樹脂製ワッシャ27を介して空転自在に挿通されるとともに、ホルダブロック26の筒部24の後端から突出する結合軸部20bの後端部に止め輪28を嵌めて、リングホルダ20がホルダブロック26から前方へ抜け出ないように取付けられている。
しかして、圧入作用杆19の前端面中央部に設けた雌ねじ孔部29の雌ねじ29aに、ホルダブロック26の筒部24の雄ねじ24aをねじ込んで締付ける。これにより、ホルダブロック26が圧入作用杆19の前端に一体的にねじ結合されるとともに、リングホルダ20が圧入作用杆19に対し空転自在に連結される。また、ホルダブロック26の鍔部25を握って締付け方向と反対方向に回転させると、ホルダブロック26をリングホルダ20ごと圧入作用杆19から取り外すことができる。
上記構成のインナーリング圧入装置Aによれば、次のようにしてインナーリング23をフッ素樹脂チューブ14の一端部に圧入することができる。図6に示すように、インナーリング23をリングホルダ20のリング保持軸部20aに嵌合保持するとともに、フッ素樹脂チューブ14の一端部を管材クランプ治具2に保持固定したうえで、グリップ21を握り圧入作用杆19を回転操作してリングホルダ20を前進移動させる。圧入作用杆19の前進移動により、インナーリング23が樹脂製管材14の一端部に圧入されて行く。この際、リングホルダ20は圧入作用杆19の前端部のホルダブロック26内で空転自在であるので、このリングホルダ20上のインナーリング23は圧入作用杆19の回転を受けることなく直前進し、従ってインナーリング23により樹脂製管材14にねじれが加えられるようなことがない。
そして、図7に示すごとくインナーリング23の嵌合部56の前端が、フッ素樹脂チューブ14の一端部の端末が当接する所定深さにまで圧入した時点で、圧入作用杆19の回転操作を停止して、圧入を終了する。圧入終了後は、グリップ21により圧入作用杆19を逆回転操作させて元の位置にまで後退させると、フッ素樹脂チューブ14の一端部内に圧入一体化されているインナーリング23からリングホルダ20を抜き出すことができる。
正しい抜き出し手順は、このように圧入作用杆19を後退操作させることによりフッ素樹脂チューブ14内のインナーリング23からリングホルダ20を抜き出すのであるが、作業者によってはその操作手順を誤って、圧入作用杆19を後退させずに前進状態のままにして、管材クランプ治具2からフッ素樹脂チューブ14を取り外すと共に、フッ素樹脂チューブ14を無理やりに回転力を加えながら引っ張ってリングホルダ20から抜き出すことがある。こうした場合も、リングホルダ20は圧入作用杆19の前端部のホルダブロック26内で空転してフッ素樹脂チューブ14と共回りするので、フッ素樹脂チューブ14にねじれ変形を加えるのを防ぐことができる。
インナーリング23の圧入に際し、フッ素樹脂チューブ14の軸心とインナーリング23の軸心とができるだけ合致した状態で圧入されることが望まれることから、インナーリング23の内周面とリングホルダ20の外周面とは、その間に極力隙間がない寸法、すなわち略同径に設定される。そして、インナーリング23の圧入に伴って、リングホルダ20の外周面にインナーリング23の内周面が強く密着しているので、インナーリング23からリングホルダ20を強い力で引き抜かなければならないが、このような場合でも、リングホルダ20はホルダブロック26に対し止め輪28を介して抜止め状態に取り付けているので、リングホルダ20がホルダブロック26から抜け出ることがなく、インナーリング23からリングホルダ20を抜き出す作業性に優れる。
対象となるフッ素樹脂チューブ14の管径が異なる場合、その径に合った口径のインナーリング23を用いることになる。この場合は、前述のようにホルダブロック26の鍔部25を握って締付け方向と反対方向に回転させることにより、ホルダブロック26をリングホルダ20ごと圧入作用杆19から取り外して、所望口径のインナーリング23及びこれを保持するに適したリングホルダ20と交換すれば良い。従って、これによれば、装置全体を取り換える必要がなく、インナーリング23及びリングホルダ20を交換しさえすれば、それ以外の管材クランプ治具2及び圧入作用杆支持部3Aを備えた装置本体1、圧入作用杆19、及びホルダブロック26など装置の大部分を共用することができる。
半導体や液晶などの薬液供給ラインで使用される継手類は、汚染微小粉末の混入を嫌う。そのために、リングホルダ20は低摩擦樹脂製ワッシャ27を介して空転可能にしてある。これによりインナーリングの圧入作業が繰り返して行われても、リングホルダ20とホルダブロック26との間で摩耗粉が発生するのを極力抑えることができる。また、リングホルダ20とホルダブロック26の両方、又はいずれか一方をフッ素樹脂等の低摩擦材料で形成してあるので、ホルダブロック26の内周面とリングホルダ20の結合軸部20bの外周面との間での摩耗粉の発生も抑えることができる。
〔実施例1〕
次に、管材クランプ治具2及びその細部について説明する。管材クランプ治具2の各クランプ2a,2bにおける第1及び第2管材把持面4a,4bの表面処理について説明する。前述したように、各管材把持面4a,4bがブラスト処理による仕上げ工程により、それらの全面が粗面部8a,8bに仕上げ処理されている。仕上げ工程では、粒径が30〜1100μmに設定された多数のガラスビーズを用いたガラスビーズブラスト処理を行い、各管材把持面4a,4bは表面粗さRaが3〜15μmの粗面部8a,8bに仕上げ処理される。
図9には、仕上げ処理面である粗面部8a,8bの表面粗さRaとガラスビーズ粒径との関係を示すグラフが示されている。実験の結果等から、インナーリング圧入装置Aを用いてインナーリング23をフッ素樹脂チューブ14に圧入させる際に、フッ素樹脂チューブ14が滑らないように、かつ、フッ素樹脂チューブ14の外周面に把持による傷が付かないようにするには、表面粗さRaが3μm以上で、かつ、15μm以下となる条件が必要であることが判る。そして、その適合表面粗さ3μm≦Ra≦15μmを得るには、ガラスビーズの粒径を30μm〜1100μmに設定すれば良いことが理解できる。この場合、図9の関係グラフ(試験データによるハッチングで示す部分)から判るように、仕上げ工程のブラスト処理において使用するガラスビーズの粒径が大きい程、粗面部8a,8bの表面粗さRaが大きくなり、かつ、ガラスビーズ粒径が小さい程、粗面部8a,8bの表面粗さRaが小さくなるという相関関係がある。
〔実施例2〕
管材クランプ治具2は、図10〜図12に示す実施例2によるものでも良い。この実施例2の管材クランプ治具2は、装置本体1に載置されて2本の縦向きボルトで固定される固定クランプ2aと、これに対して揺動開閉自在に枢支される可動クランプ2bと、この管材クランプ治具2は、実施例1のものと形状や強制把持機構18の細部、並びに装置本体への取付構造等が若干異なる以外は基本的に同様なものであり、同じ機能部品には同じ符号を付すことでその説明が為されたものとする。
可動クランプ2bに比べて上下寸法が大型化されている固定クランプ2aは、そのインナーリング配置側(矢印イ側)の端部における左右一側に形成される凹入部30に、偏心カム軸13の偏心カム部15に相対回動自在に外嵌されるロック体9が揺動自在に配置されており、対応する可動クランプ2bの凹入部31には、ロック体9先端のフック部9aに係合可能な支軸10が植設されている。つまり、フック部9aを支軸10に係合させた状態で操作レバー12を揺動操作することにより、操作レバー12に加えられた力をてこの原理で増幅させて可動クランプ2bを固定クランプ2aに引き寄せ、両クランプ2a,2b間に介装されたフッ素樹脂チューブ14を押圧して強固に把持可能であり、これらによって強制把持機構18が構成されている。
そして、各管材把持面4a,4bには実施例1のものと同様な方法による粗面部8a,8bが形成されている。但し、各管材把持面4a,4bにおけるインナーリング配置側の端部から管軸方向で所定範囲(図12に示す範囲h)には、粗面部8a,8bが形成されない構成とされている。つまり、インナーリング23の圧入が開始されて、管材クランプ治具2にクランプされてるフッ素樹脂チューブ14に作用する管軸方向力が異常に強いような場合には、各管材把持面4a,4bの全部が粗面部8a,8bである等によってインナーリング配置側端が粗面部8a,8bであるとか、ゴムシート等の滑り止め部材が介装される従来の場合では、高い摩擦抵抗によって例えば図13(a)に示すように、フッ素樹脂チューブ14の圧入側においてクランプされていない部分の治具側端部が環状に隆起して皺となる褶曲変形を起こし易いおそれがある。
これに対して、実施例2の構成では、粗面部8a,8bの無い部分は摩擦抵抗が低く、強制把持されていても比較的管材把持面4a,4bとは滑り易い状況(粗面部8a,8bに比べて)にあるから、管材把持面4a,4bにおける粗面部8a,8bの無い部分でフッ素樹脂チューブ14の滑り移動が可能となり、前述した応力集中が回避されるようになる。その結果、図13(b)に示すように、粗面部8a,8bによって滑り無くしっかりと、かつ、傷付けることなくフッ素樹脂チューブ14をクランプできながら、フッ素樹脂チューブ14におけるインナーリング配置側端に続く部分(非クランプ部)の変形や損傷をより高いレベルで回避可能となる優れた管材クランプ治具が構築できている。
〔別実施例〕
粗面部8a,8bは、第1管材把持面4aのみに形成されるとか、第2管材把持面4bのみに形成される構成でも良く、また部分的に形成されるものでも良い。尚、粗面部8a,8bの存在によって摩擦抵抗が高くなるので、各管材把持面4a,4bの面積自体を減少、即ち管材クランプ治具2としの幅寸法(管軸方向の厚み)を従来よりも薄くすることも可能である。また、単一の固定クランプ2aと、二つ以上の可動クランプ2bとから管材クランプ治具2を構成可能である。
インナーリング圧入装置の構造を示す一部切欠きの側面図 図1のインナーリング圧入装置の正面図 管材クランプ治具の構造を示す断面図(実施例1) 樹脂製管材を管材クランプ治具で把持した状態を示す断面図 圧入作用杆の前端部及びリングホルダを示す一部切欠きの側面図 インナーリングの管材への圧入開始状態を示す作用図 インナーリングの管材への圧入終了状態を示す作用図 樹脂製管継手の構造例を示す要部の断面図 管材把持面の表面粗さとガラスビーズ粒径との関係グラフを示す図 管材把持面の別仕上げ状態を示す管材クランプ治具の斜視図(実施例2) 図10に示す固定クランプにおける第1管材把持面の平面図 図10の固定クランプの管材把持面を示す要部の平面図 (a)インナーリング圧入によって環状皺ができるイメージ図、(b)インナーリング配置側端に粗面部が無い場合の圧入時の作用を示すイメージ図
1 装置本体
2a 固定クランプ
2b 可動クランプ
4a 第1管材把持面
4b 第2管材把持面
8a,8b 粗面部
14 管材
23 インナーリング
A インナーリング圧入装置
D 姿勢切換手段

Claims (3)

  1. 略半円筒状に凹入形成された第1管材把持面を有する固定クランプと、
    略半円筒状に凹入形成された第2管材把持面を有する可動クランプと、
    前記可動クランプを、前記第2管材把持面が前記第1管材把持面に対向配置されてこれら両者間に管材を把持可能な作用姿勢と、管材の前記第1管材把持面に対する出し入れが自在となるように前記第1管材把持面と前記第2管材把持面とが離間される退避姿勢とに切換自在な姿勢切換手段と、が備わっているとともに、
    前記第1管材把持面及び/又は前記第2管材把持面に、ブラスト処理によって表面粗さRaが3〜15μmの粗面部が形成され、
    前記固定クランプが、樹脂製管継手用インナーリングを合成樹脂製の管材に圧入するためのインナーリング圧入装置における装置本体に装備されるものであり、前記各管材把持面におけるインナーリング配置側の端部から管軸方向で所定範囲には、前記粗面部が形成されない構成とされている管材クランプ治具。
  2. 請求項1に記載の管材クランプ治具の製造方法であって、前記粗面部を、ガラスビーズを用いたブラスト処理によって形成する管材クランプ治具の製造方法。
  3. 前記ガラスビーズとして、その粒径が30〜1100μmのものを使用する請求項2に記載の管材クランプ治具の製造方法。
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