WO2023248834A1 - 電波伝搬特性の計測システム - Google Patents

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諭 田所
和則 大野
佳都 岡田
匠太郎 小島
貴明 奈良
信泰 志賀
哲 安田
賢一 滝沢
卓 亀田
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国立大学法人東北大学
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Abstract

【課題】空間中の電波伝搬特性を計測する上で人や有線ケーブルの影響を排除し、より高精度な計測を実現することが可能な電波伝搬特性の計測システムを提供する。 【解決手段】基地局3と、基地局3と無線通信可能な移動端末20とを備え、基地局3及び移動端末20は、互いに時刻、周波数及び位相が同期され、計測対象空間を移動する移動端末20と基地局3との間で無線通信する電波の伝搬特性を、移動端末20の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測する。

Description

電波伝搬特性の計測システム
 本発明は、基地局が送信する電波の伝搬特性を空間を移動する移動端末を用いて高精度に計測する上で好適な電波伝搬特性の計測システムに関するものである。
 橋梁やトンネル、屋内施設等をはじめとする空間中において無人航空機や車両、携帯電話等の移動体が無線通信を行い、各位置での電波伝搬特性を測定することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、従来の手法では、空間中の電波の伝搬特性は、周辺環境の影響を大きく受ける。特に移動体の周辺に、構造物や人体が存在する場合、電波が反射、透過、回折、吸収されることでその伝搬特性は大きく影響を受ける。また移動体の通信位置によっては、複雑に干渉が生じた電波を受信する場合もあり、通信品質の低下を招く場合もある。
 従って、移動体に搭載された移動端末と基地局との間で送受信する電波の伝搬特性を把握することで、通信品質を考慮した移動端末の移動計画を立案することができ、空間内における通信品質を改善可能な物体配置を提案することができる。
 一方、このような空間中の電波伝搬特性を実測し、又はシミュレーションを行うためには以下のような問題点がある。
 空間中の電波伝搬特性を計測する手法の一つとしてネットワークアナライザを利用する方法がある。しかし、アンテナ移動の際に、アンテナとネットワークアナライザを接続する有線ケーブルの位置や形状が変化するため、位相変化も発生する。その位相変化分も計測結果に含まれてしまうため、電波伝搬特性を正確に計測することが困難であった。
 また電波伝搬特性を無線通信により計測する方法も提案されている。しかし、送信端末と受信端末との間で時刻同期が取れていないため、正確な電波伝搬特性を計測することが困難であった。
 更に従来においては、局から放射した電波の強度や位置情報、時刻等を収集してマップを作成する技術や(例えば、特許文献1参照。)、シミュレーションにより電波伝搬特性を再現する方法も提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、複雑な通信環境については再現しきれない場合もあった。
特開2003-264494号広報 特開2014-006851号公報
 そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、空間中の電波伝搬特性を計測する上で人や有線ケーブルの影響を排除し、より高精度な計測を実現することが可能な電波伝搬特性の計測システムを提供することにある。
 本発明者らは、上述した課題を解決するために、基地局及び移動端末間で、互いに時刻、周波数及び位相を同期させた上で、計測対象空間を移動する移動端末と基地局との間で無線通信する電波の伝搬特性を、移動端末の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測する電波伝搬特性の計測システムを発明した。
 第1発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、基地局と、上記基地局と無線通信可能な移動端末とを備え、上記基地局及び上記移動端末は、互いに時刻、周波数及び位相が同期され、計測対象空間を移動する上記移動端末と上記基地局との間で無線通信する電波の伝搬特性を、上記移動端末の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測することを特徴とする。
 第2発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第1発明において、上記伝搬特性として、上記電波の受信時刻及び周波数、又は位相を計測することを特徴とする。
 第3発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第2発明において、上記伝搬特性として、上記電波の偏波を計測することを特徴とする。
 第4発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第1発明において、上記基地局及び上記移動端末は、無線双方向時刻比較技術(Wireless two-way interferometry:Wi-Wi)を利用することにより互いに同期されることを特徴とする。
 第5発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第1発明において、上記移動端末の位置情報を展開した2次元座標又は3次元座標からなる上記計測対象空間のマップ上に、計測した上記伝搬特性を表示することを特徴とする。
 第6発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第1発明において、上記移動端末の位置情報を展開した2次元座標又は3次元座標からなる上記計測対象空間内の上記伝搬特性の分布に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別することを特徴とする。
 第7発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第5発明において、上記伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との差異に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別することを特徴とする。
 第8発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第5発明において、上記伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別することを特徴とする。
 第9発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第6発明において、上記移動端末は、各事象を判別した結果に基づいて移動が制御されることを特徴とする。
 第10発明に係る空間中の電波伝搬特性の計測システムは、第1発明において、隣接する計測地点の間隔を上記伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて制御することを特徴とする。
 上述した構成からなる本発明によれば、基地局と移動端末との間で既知の信号パターンを送信することで、伝搬特性を測定する。このとき、周波数と時刻の同期が取れていることで、基地局と移動端末との間で位相基準が同期できることから、伝搬特性として特に位相を精度よく測定できる。
図1は、本発明を適用した計測システムの構成図である。 図2は、移動体に搭載される移動端末のブロック構成図である。 図3は、基地局のブロック構成図である。 図4は、本発明を適用した計測システムの動作について説明をするための図である。 図5は、電波の伝搬特性の計測シーケンスのフローチャートである。 図6は、電波の伝搬特性の分布を示したマップの例を示す図である。 図7は、中央制御局側において各移動端末の位置情報を順次取得する計測シーケンスのフローチャートである。 図8は、予め取得した参照用伝搬特性の分布の例を示す図である。 図9は、伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて計測対象空間における各事象を判別する例を示す図である。
 以下、本発明を適用した電波伝搬特性の計測システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
 図1は、本発明を適用した計測システム1の構成図である。計測システム1は、1以上の移動体2と、この移動体2との間で無線通信により通信が可能な基地局3と、この基地局3との間で有線通信又は無線通信が可能な中央制御局4とを備えている。
 移動体2は、移動可能なあらゆる移動手段により構成され、例えば車両、移動型ロボット、ドローン等の無人航空機、電車等、空間内を2次元的、又は3次元的に移動可能な手段で構成されるが、これに限定されるものではなく、スマートフォンやウェアラブル端末を保持する歩行者も含まれる。特に、ドローン等の無人航空機は、3次元的に自由に移動可能であり、精度の高い電波伝搬特性の測定に有利である。
 図2は、移動体2に搭載される移動端末20のブロック構成を示している。移動端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)等のような無線通信が可能な端末装置である。このような移動端末20が移動体2に搭載されることで、移動した各位置において基地局3と無線通信を行うことが可能となる。また移動体2には、各位置に移動するための移動制御部27も備えている。移動制御部27は、移動体2の移動制御を実現するために必要なあらゆる周知技術が含まれ、車両であればこれを自動運転するための手段で構成され、また無人航空機であればこれを飛行させるための手段で構成される。図1の例では、計測の高速化、広範囲化の観点から移動体2を複数で構成している場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、移動体2は少なくとも一つで構成されるものであってもよい。
 移動端末20は、図2に示すように、無線通信部21と、無線通信部21に接続された伝搬特性計測部22と、移動体2の計測時における位置情報を取得する位置情報取得部23と、伝搬特性計測部22、位置情報取得部23にそれぞれ接続されている記憶部24及び制御部25及び時刻周波数同期部26を備えている。時刻周波数同期部26は、無線通信部21にも接続されている。
 無線通信部21は、電波の送受信を行う上で必要な中間周波数の重畳処理、各種変調処理、フィルタリング等を行う。無線通信部21には、電波を送受信するためのアンテナも含む。この無線通信部21に用いられるアンテナは、ポール状の無指向性のアンテナで構成されていてもよい。また、ポール状の無指向性のアンテナを移動体2に水平、垂直に配置することにより、垂直偏波や水平偏波を同時に計測するようにしてもよい。これにより、反射等による偏波面の変化を観測して、反射波やアンテナ向きによる影響をキャンセルする等の処理を行うことも可能となる。また、この無線通信部21を構成するアンテナは、移動体2の各部分に複数個に亘り設けるようにしてもよいし、アレイアンテナで構成するようにしてもよい。
 伝搬特性計測部22は、無線通信部21において受信した電波の伝搬特性を計測する。この伝搬特性計測部22において計測する電波の伝搬特性としては、電波の振幅、伝搬遅延、周波数偏差、又は位相等であるが、これに限定されるものではなく、電波の伝搬特性を示すものであればいかなるパラメータを計測するものであってもよい。
 位置情報取得部23は、移動体2の位置情報を連続的に取得する。位置情報取得部23は、例えばGNSS(全地球航法衛星システム:Global Navigation Satellite System)により位置情報を取得するものであってもよいし、移動体2又はこれが搭載される移動体を撮像可能なカメラ、外部における物体を検知するためのセンサ、更には交通状況を検知するためのセンサ等で構成されるものであってもよい。
 記憶部24は、伝搬特性計測部22において計測された電波の伝搬特性、位置情報取得部23において取得された位置情報を格納するメモリ、ハードディスク等で構成される。記憶部24は、計測した電波の伝搬特性を、取得した各位置情報と対応付けて記憶する。記憶部24は、移動端末20により取得された時刻情報も記憶する。このとき、この取得した各位置情報に時刻情報を紐付けて記憶するようにしてもよい。伝搬特性計測部22、位置情報取得部23において時系列的連続して伝搬特性、位置情報を計測することにより、この記憶部24には、電波の伝搬特性が、各位置情報と対応付けて時系列的に連続して記録されることとなる。
 制御部25は、移動端末20全体を制御するための制御ユニットであり、例えばMPU(Micro Processor Unit)により構成される。上述した位置情報取得部23による位置情報の取得、伝搬特性計測部22による電波の伝搬特性の計測についても、この制御部25による制御の下で行う。制御部25は、後述するように、基地局3との間で互いに時刻、周波数及び位相につき同期を取るための制御も行う。
 時刻周波数同期部26は、伝搬特性のうち位相の測定においては、移動体2と基地局3との間で時刻と周波数を同期させる必要があることから、伝搬特性計測部22へ基準時刻と基準周波数を供給するものである。このとき、時刻周波数同期部26を介した同期を例えば、無線双方向時刻比較技術(Wireless two-way interferometry:Wi-Wi)等の方法を利用して行うようにしてもよい。時刻周波数同期部26は、同期させた周波数を無線通信部21に送信するようにしてもよい。これにより、無線通信部21は、同期させた周波数をキャリア周波数として使用することが可能となる。
 基地局3は、各箇所において固定配置されてなるゲートウェイ局であり、各移動体2における無線通信部21との間で電波を送受信する。図3は、基地局3の構成を示しており、無線通信部31と、無線通信部31に接続された伝搬特性計測部32と、伝搬特性計測部32に接続された記憶部34、制御部35と、制御部35に接続されている制御局通信部36及び時刻周波数同期部37とを備えている。
 無線通信部31は、電波の送受信を行う上で必要な中間周波数の重畳処理、各種変調処理、フィルタリング等を行う。無線通信部31には、電波を送受信するためのアンテナも含む。
 伝搬特性計測部32は、無線通信部31において受信した電波の伝搬特性を計測する。この伝搬特性計測部32において計測する電波の伝搬特性は、伝搬特性計測部22において計測する伝搬特性と同種である。
 記憶部34は、伝搬特性計測部32において計測された電波の伝搬特性を格納するメモリ、ハードディスク等で構成される。
 なお、電波の伝搬特性を移動体2側において全て計測する場合、この基地局3側において設けられる伝搬特性計測部32の構成を省略するようにしてもよい。
 制御部35は、基地局3全体を制御するための制御ユニットであり、例えばMPUにより構成される。上述した伝搬特性計測部32による電波の伝搬特性の計測についても、この制御部35による制御の下で行う。制御部35は、後述するように、移動体2との間で互いに時刻、周波数及び位相につき同期を取るための制御も行う。
 制御局通信部36は、中央制御局4との間で有線又は無線通信するための通信インタフェースである。制御局通信部36は、中央制御局4と無線通信する場合には、送信すべき信号を電波に変換し、また受信した電波を電気的な信号に変換するためのアンテナで構成される。制御局通信部36は、有線通信を行う場合には、有線ケーブルを接続するためのコネクター等で構成される。
 時刻周波数同期部37は、伝搬特性のうち位相の測定においては、移動体2と基地局3との間で、時刻と周波数を同期させる必要があることから、伝搬特性計測部32へ基準時刻と基準周波数を供給するものである。このとき、時刻周波数同期部37を介した同期を例えば、前述したWi-Wi等の方法を利用して行うようにしてもよい。時刻周波数同期部37は、同期させた周波数を無線通信部31に送信するようにしてもよい。これにより、無線通信部31は、同期させた周波数をキャリア周波数として使用することが可能となる。
 中央制御局4は、基地局3を介して各移動端末20を制御する中央制御ユニットとしての役割を担う。中央制御局4は基地局3内に設けられていてもよい。また中央制御局4は、基地局3から送信されてくる情報を受信してこれを蓄積するサーバとしての役割も担う。中央制御局4は、サーバ以外に、各移動体2と無線通信を行い、また基地局3と無線通信又は有線通信を行う通信機としての機能も備える。基地局3では、既に多数の移動体2からの情報が送られ、当該情報が中央制御局4へ送られる。このため、中央制御局4は、各移動端末20において取得された情報を一箇所に収集することができる。中央制御局4は、このような情報を一極集中させることで、移動体2により取得された、各地域、各時間帯におけるより詳細な状況を示す情報を一つのデータベースに纏め上げることができ、様々な用途へ活用することが可能となる。また中央制御局4は、各移動端末20から収集した情報に基づいて、更にこの移動端末20を基地局3を介して制御する。
 次に、本発明を適用した計測システム1の動作について説明をする。
 計測システム1では、図4に示すように、先ず基地局3と、移動体2にそれぞれ搭載された移動端末20a、20b・・、20nとの間で、互いに時刻、周波数及び位相について同期を取る。その上で、移動端末20a、20b・・、20nは、それぞれ取得した位置情報(x、y、z)と、電波の受信時刻tを取得し、基地局3と互いに協調することで、電波の伝搬特性を位置情報(x、y、z、t)と紐付けたデータhn、kを得る。ここでkは、基地局のインデックス番号であり、各基地局に対してそれぞれ割り当てられる。
 基地局3と移動体2との間では、時刻tにおける、周波数f、偏波pに対する移動端末20における位置mと基地局3間の電波伝搬特性(複素数)を計測パラメータhnk(f、p、t)として取得する。具体的な取得手法としては、Wi-Wi等によって基地局3と移動体2(移動端末20)との間での位相同期を確立した上で、事前に設定した信号を基地局3から移動体2(移動端末20)へ送信し、受信信号の振幅・位相を観測して得る。
 移動体2(移動端末20)の位置m(x、y、z)の位置は、例えば、GNSSによって移動体2で得る、複数の基地局3間での信号処理によって基地局3で得る、或いは、モーションキャプチャシステムによって中央制御局4で得る等が挙げられる。
 移動体2(移動端末20)の位置m(x、y、z)における時刻tnは、例えば、GNSSによって移動体2で得る、Wi-Wi等で同期されたクロックによって得る、或いは、基地局3または中央制御局4でタイムスタンプを付与する等が挙げられる。
 移動体の時刻tでの位置m(x、y、z)の電波伝搬特性hn、k(f、p)は、時刻tで紐づけられた位置(x、y、z)に応じた電波伝搬特性としてhn、k(f、p、x、y、z)を得る。
 最終目標として、指定された空間{X、Y、Z}の電波伝搬特性hn、kを得るために、空間{X、Y、Z}を被覆するように電波伝搬特性hn、k(f、p)を取得する。その際、隣接する計測点(例えば(x、y、z)と(xi+1、yi+1、zi+1))との距離は指定された距離dmax(例えば、1/8波長)以下とする。
 その位相差(|angle(hj、k(f、p、x、y、z))-angle(hj、k(f、p、xi+1、yi+1、zi+1)|)は、指定された位相差θmax(例えば、π /4)以下とする。これを満たすよう、中央制御局4によって、移動体2(移動端末20)の位置や計測タイミングを制御する。
 以下に具体的なシーケンスを示す。
 図5は、計測システム1における電波の伝搬特性の計測シーケンスを示している。この計測シーケンスでは、基地局3に対して2つの移動端末20a、20bを移動させる場合を例にとり説明する。一の基地局3に対して複数の移動端末20を移動させて伝搬特性を計測することにより、計測対象空間における計測の高速化、広範囲の可視化が実現可能となるが、これに限定されるものではなく、1以上の移動端末20を移動させるものであればいかなる形態も含まれる。
 先ず、ステップS11において、移動体2に搭載された移動端末20と、基地局3との間で同期を取る。このとき、移動端末20a、20bと基地局3とは、互いに時刻、周波数及び位相について同期を取る。この同期を取る上では、いかなる周知技術を利用してもよいが前述したWi-Wiを利用して同期を取るようにしてもよい。
 次に、ステップS12に移行し、中央制御局4は、移動端末20a、20bの各移動位置(x、y、z)と、測定条件(f、p)と、測定用時間スロットを決定する。ここで、x、y、zは、計測対象空間のx座標、y座標、z座標で構成される位置であり、fは、送受信する電波の周波数であり、pは、計測時に用いる偏波(垂直又は水平)である。なお、移動端末20側において位置情報を取得することが可能な場合には、中央制御局4は、計測開始前において移動端末20から初期位置の位置情報を得るようにしてもよい。これにより、中央制御局4は、各移動端末20に対してより高効率な移動位置を指示することが可能となる。
 次に、ステップS13へ移行し、中央制御局4は、基地局3に対して、移動端末20a、20bの各移動位置(x、y、z)と、測定条件(f、p)と、測定用時間スロットを指示する。この指示については、上述したように有線通信又は無線通信を通じて中央制御局4から基地局3へ送信する。基地局3は制御局通信部36を介して、この指示を受信する。
 次に、ステップS14へ移行し、基地局3は、制御部35による制御の下で、中央制御局4から指示された移動端末20a、20bの各移動位置(x、y、z)と、測定条件(f、p)と、測定用時間スロットとを無線通信部31を介して各移動端末20a、20bに対して送信する。
 次に、ステップS15へ移行し、各移動端末20a、20bは、基地局3から無線通信部21を介して受信した各移動位置の方向へ、移動制御部27による制御の下で移動する。移動端末20a、20bは移動した結果、到着した移動位置における位置情報を位置情報取得部23を介して取得すると共に、受信した測定用時間スロットに基づいて、移動位置において計測した電波の伝搬特性を伝搬特性計測部22により計測する。図5の例では、移動端末20aは、電波の伝搬特性として電波の受信時刻tを計測すると共に、位置情報(x、y、z)を取得し、移動端末20bは、電波の伝搬特性として電波の受信時刻tを計測すると共に、位置情報(x、y、z)を取得する。なお、移動端末20a、20bは、取得した受信時刻t、位置情報(x、y、z)を一時的に記憶部24へ記憶するようにしてもよい。
 次に、ステップS16へ移行し、移動端末20aは、取得した受信時刻t及び位置情報(x、y、z)を無線通信部21を介して基地局3へ送信し、移動端末20bは、取得した受信時刻t及び位置情報(x、y、z)を基地局3へ送信する。
 基地局3は、ステップS17において、移動端末20aから受信した受信時刻tに基づいて、基地局3と移動端末20aとの間で送受信する電波の伝搬特性h1、k=h1、k(f、p、t)を取得すると共に、移動端末20bから受信した受信時刻tに基づいて基地局3と移動端末20bとの間で送受信する電波の伝搬特性h2、k=h2、k(f、p、t)を取得する。取得する電波の伝搬特性hn、kとしては、受信時刻tを取得できれば、電波の周波数f自体は基地局3側において既知であることから、伝搬特性としての位相そのものを定量的に求めることができる。取得する電波の伝搬特性hn、kとしては、位相を求めるところまでは要求されることなく、周波数fと、受信時刻tにより構成されるものであってもよい。
 同様に、基地局3は、移動端末20aから受信した位置情報(x、y、z)に基づいて、基地局3と移動端末20aとの間で送受信する電波の伝搬特性h1、k=h1、k(f、p、x、y、z)を取得すると共に、移動端末20bから受信した位置情報(x、y、z)に基づいて基地局3と移動端末20bとの間で送受信する電波の伝搬特性h2、k=h2、k(f、p、x、y、z)を取得する。
 このようにして、電波の伝搬特性は、基地局3と移動端末20a、20bと互いに協調することで求めることができる。上述した例では移動端末20側において、受信時刻t、位置情報(x、y、z)を取得してこれを基地局3へと送信し、基地局3側においては移動端末20から受信した受信時刻tと既知の周波数fに基づいて伝搬特性としての位相を求める場合を説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、移動端末20側において、受信時刻t、位置情報(x、y、z)を取得すると共に、移動端末20側において予め取得した周波数fの値に基づいて、伝搬特性としての位相を求め、これを基地局3へ送信するようにしてもよい。基地局3は、全て移動端末20側において求められた位置情報(x、y、z)と伝搬特性を得るのみの状態となる。
 次に、ステップS18に移行し、基地局3は、上述のようにして移動端末20a、20bと互いに協調しながら取得した電波の伝搬特性を位置情報(x、y、z)と紐付けたデータhn、k(f、p、x、y、z)、hn、k(f、p、t)を中央制御局4へと送信する。中央制御局4は、このようにしてデータhn、k(f、p、x、y、z)、hn、k(f、p、t)を得た後、ステップS19において移動端末20a、20bの予定していた全ての移動経路の移動が終了したか否かを判別する。その結果、移動端末20a、20bの予定していた全ての移動経路の移動が終了したものと判別した場合、処理動作は終了となる。これに対して、移動端末20a、20bの予定していた全ての移動経路の移動が終了していないものと判別した場合、ステップS12に戻り、中央制御局4は、移動端末20a、20bの次の移動位置(x、y、z)と、測定条件(f、p)と、次の測定用時間スロットを決定する。その後は、上述したステップS12~S19を繰り返し実行する。
 このような処理動作を時系列的に連続して繰り返し実行することにより、移動端末20と基地局3との間で無線通信する電波の伝搬特性を、移動端末20の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測することができる。その結果、例えば図6に示すような、電波の伝搬特性の分布を示したマップを作成することができる。この図6では、基地局3に対して図中矢印に示す移動経路で移動する移動端末20との間で無線通信する電波の伝搬特性としての位相を、あるz座標におけるx、yの2次元座標でマッピングしている。各位置において測定された伝搬特性をより高精度な濃淡で表現できていることが分かる。このような高精度な伝搬特性のマッピングを実現できる理由としては、上述したWi-Wiを始めとする技術を使用し、移動端末20a、20bと基地局3との間で互いに時刻、周波数及び位相について同期を取っており、かつ伝搬特性を移動端末20の位置情報と紐付けて取得していることによるものである。
 図6のマップは、他のz座標におけるx、yの2次元座標についても同様にマッピングすることができる。また、2次元座標系のマップに限定されるものではなく、x、y、z座標からなる3次元座標系のマップで表現されるものであってもよい。
 中央制御局4は、このような移動端末20の位置情報を展開した2次元座標又は3次元座標からなる計測対象空間のマップ上に、計測した伝搬特性をユーザに対して表示することができる。ユーザは、このようなマップ上に描画された伝搬特性を視認することで、通信品質を考慮した移動端末20の移動計画を立案することができ、空間内における通信品質を改善可能な物体配置を検討すること等も可能となる。
 なお、計測システム1における電波の伝搬特性の計測シーケンスは、上述した例に示すように位置情報を各移動端末20側において取得する場合に限定されるものではない。例えば、以下の図7に示すように、中央制御局4側において各移動端末20の位置情報を順次取得する計測シーケンスを適用するようにしてもよい。この図7に示す計測シーケンスにおいて上述した図5に示す計測シーケンスと同一のステップについては同一のステップ符号Sを付与することにより、以下での説明は省略する。
 ステップS11~S14の処理動作は、上述と同様である。但し、ステップS12において中央制御局4は、各移動端末20a、20bの各移動位置(x、y、z)を決定する代わりに移動経路を決定し、これをステップS13、S14を通じて移動端末20a、20bへ通知するようにしてもよい。
 次に、ステップS25において、各移動端末20a、20bは、基地局3から無線通信部21を介して受信した移動経路に沿って自ら移動する。このステップS25において、移動端末20a、20bは移動位置において電波の受信時刻tのみを伝搬特性計測部22により計測し、位置情報の取得は行わない。
 次に、ステップS26へ移行し、移動端末20aは、取得した受信時刻tを無線通信部21を介して基地局3へ送信し、移動端末20bは、取得した受信時刻tを基地局3へ送信する。
 基地局3は、ステップS27において、各移動端末20a、20bから受信した受信時刻t、受信時刻tに基づいて、基地局3と移動端末20aとの間で送受信する電波の伝搬特性h1、kを取得すると共に、基地局3と移動端末20bとの間で送受信する電波の伝搬特性h2、kを取得する。
 次に、ステップS28に移行し、基地局3は、上述のようにして移動端末20a、20bと互いに協調しながら取得した電波の伝搬特性のデータhn、k(f、p、t)を中央制御局4へと送信する。
 中央制御局4は、このようにしてデータhn、k(f、p、t)を得た後、ステップS29において、移動端末20a、20bについて、それぞれ位置情報(x、y、z)、位置情報(x、y、z)を取得する。この移動端末20a、20bの位置情報の取得は、例えばモーションキャプチャや移動端末20を撮像したカメラ画像、その他各位置において設置されたセンサにより検出されたセンシング情報を利用することにより行うようにしてもよい。中央制御局4は、このステップS29において電波の伝搬特性のデータhn、k(f、p、t)と、位置情報(x、y、z)との紐付けを行う。その結果、移動端末20と互いに協調しながら取得した電波の伝搬特性を位置情報(x、y、z)と紐付けたデータhn、k(f、p、x、y、z)及びデータhn、k(f、p、t)を得ることができる。即ち、移動端末20aについては、データh1、k(f、p、x、y、z)を取得し、移動端末20bについては、データh1、k(f、p、x、y、z)を取得することができる。
 次に、ステップS30に移行し、移動端末20a、20bの予定していた全ての移動経路の移動が終了したものと判別した場合、ステップS31へ移行する。これに対して、移動端末20a、20bの予定していた全ての移動経路の移動が終了していないものと判別した場合、ステップS25に戻り、移動端末20a、20bは、移動経路に沿って移動し、上述した動作を繰り返し実行する。
 ステップS31へ移行した場合、全ての計測が終了したか否かを判別する。全ての計測が終了していない場合には、ステップS12に戻り、中央制御局4は、改めて各移動端末20a、20bの各移動位置(x、y、z)を決定し、これをステップS13、S14を通じて移動端末20a、20bへ通知し、これ以降の処理動作を繰り返す。
 この図7に示す計測シーケンスにおいても同様に、移動端末20と基地局3との間で無線通信する電波の伝搬特性を、移動端末20の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測することができる。その結果、2次元座標又は3次元座標の空間内における電波の伝搬特性の分布を示すマップを作成することができる。
 なお、上述した実施の形態では、伝搬特性を基地局3側から送られてきた電波を移動端末20において受信し、その受信時刻tを計測し、これを基地局3に返信することで伝搬特性を得る場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。移動端末20から基地局3に向けて電波を送信し、基地局3側における受信時刻に基づいて伝搬特性を求めるようにしてもよい。
 また、本発明によれば、このような伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性との差異に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別することもできる。
 本発明での事象としては、電波を乱す現象、例えば、周辺に存在する構造物や移動体などによる反射、透過、回折、吸収などが主に考えられる。他にも、天候の変化や、周囲の他の電磁波の影響など様々なものが考えられるがそれらに限られるものではない。本発明はでは、電波伝搬特性を計測することで、上記計測対象空間における各事象を判別、或いは推定することができる。
 図8は、予め取得した参照用伝搬特性の分布の例を示している。この図8に示す参照用伝搬特性は、ちょうど図6に示す計測対象空間と同一の空間について、予め周知のシミュレーション技術、或いは周知の測定技術を利用して算出又は計測したものである。この参照用伝搬特性は、いわば理論値のようなものである。このような参照用伝搬特性と、同一の計測対象空間について計測システム1により計測した電波の伝搬特性とを重ね合わせて比較する。その結果、理想的にはこの参照用伝搬特性の分布と計測した伝搬特性の分布が互いに一致することが考えられる。一方で、仮に計測した伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との間で差異が生じている場合には、計測対象空間において何らかの事象の変化が生じているもの考えることができる。
 このように、計測した伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との差異に基づいて、計測対象空間における各事象を自動的に判別することも可能となる。例えば図6における伝搬特性におけるA領域は、図8に示す参照用伝搬特性において対応するA´領域において互いに分布の差異があるといえる。このため、このA領域において何らかの事象の変化が生じているものと判別することができる。
 この分布の差異の自動検出については、例えば各領域における計測した伝搬特性と参照用伝搬特性との位相差が予め設定した閾値を超えているか否かに基づいて判別するようにしてもよい。
 例えば、このような計測した伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との差異が、直接波又は反射波の各影響に起因するものであれば、この差異を介して直接波と反射波の分離を行うこともできる。また反射波との干渉により地中レーダーと同様に内部構造を検査することができる。また、計測対象空間が、非破壊検査対象の橋梁やトンネル、屋内施設等を始めとする構造物を含む場合、計測した計測した伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との差異に基づいて構造物内部の異変を検出することも可能となる。これを利用することで、シミュレーションが困難な複雑環境の伝搬特性の計測や可視化も可能となる。また、製品(車両、船舶、建築構造物等)の内部における無線通信による通信特性を可視化することができ、製品設計に役立てることもできる。
 実際の計測時において電波の周波数を変更し、互いに異なる周波数における電波の伝搬特性を可視化することにより、非破壊検査対象の構造物の内部構造をより高い分解能を以って検査することが可能となる。また大きく異なる周波数の、異なる複数の伝搬特性を可視化することにより、非破壊検査対象の対象物の大きさや特性も把握することができる。更に壁の内部構造により伝搬特性が変化する性質を利用し、逆に移動端末20の位置推定をする途も開けてくる。
 特に本発明によれば、基地局3と移動端末20との間で既知の信号パターンを送信することで、上述した伝搬特性を測定する。このとき、上述したように周波数と時刻の同期が取れていることで、基地局3と移動端末20との間で位相基準が同期できることから、伝搬特性として特に位相を精度よく測定できる。
 また、このような各事象の自動判別は、上述した参照用伝搬特性の分布に基づかなくても、単に計測した伝搬特性の分布のみから判別することもできる。かかる場合には、伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて、計測対象空間における各事象を判別するようにしてもよい。例えば図9(a)に示すように伝搬特性の分布に乱れが生じない場合には、位相が流線形状を描くような分布になる。これに対して、伝搬特性の分布に乱れが生じた場合には、図9(b)に示すように、位相が乱れ、いわゆる流線形状から逸脱する。従って、このような位相の分布の乱れが生じているか否かを自動的に判別することで、上述した事象の変化を検出することができる。位相の分布の乱れは、例えば隣接する領域における位相が急激に変化している領域を自動抽出するようにしてもよいし、隣接する領域間における位相勾配が閾値を超えたか否かに基づいて判別するようにしてもよい。
 なお、本発明においては、隣接する計測地点の間隔が電波の波長の例えば1/8以下となるように移動端末20の移動と計測間隔を制御することが望ましい。その理由として、隣接する計測地点の間隔が電波の波長の1/8を超えてしまうと、マッピングした伝搬特性の分解能が低下してしまい、高精度な解析が実現できなくなるためである。但し、本発明においては、隣接する計測地点の間隔が電波の波長の1/8以下に限定される場合に限定されるものではなく、これを超えるものであってもよいことは勿論である。このとき、移動端末20の移動速度は、周波数fと周辺環境における通信路のコヒーレンス時間に基づいて決定するようにしてもよい。
 このとき図9(a)に示すような位相の分布の乱れが生じていない場合には、隣接する計測地点の間隔が電波の波長の例えば1/8以下となるように移動端末20の移動と計測間隔を制御する。このとき、図9(b)に示すように位相の分布の乱れが生じた場合には、隣接する計測地点の間隔を更に短くして移動端末20の移動と計測間隔を制御するようにしてもよい。かかる場合には、隣接する計測地点の間隔が電波の波長の1/8程度となるように計測した位相値が、周辺の観測値と異なるか否か、或いは周辺の観測地のとの差異が所定範囲であるか否かに基づいて位相の乱れを判別するようにしてもよい。位相の分布の乱れが生じている箇所は、何らかの事象の変化が生じているものと想定されることから、当該箇所についてより隣接する計測地点の間隔をより短くすることで、より細かいピッチで詳細に伝搬特性を計測することができる。その結果、事象の変化についてより詳細な情報を得ることができる。
 このように、本発明によれば、隣接する計測地点の間隔を伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて制御することもできる。
 なお、本発明によれば、移動端末20における無線通信部21において複数のアンテナを設けるようにしてもよい。これにより、受信するアンテナを切り替えることにより、移動端末20は移動することなく同じ位置で複数箇所の伝搬特性を計測することができる。
 また、本発明によれば、移動端末20における無線通信部21においてアレイアンテナを取り付けることで、電波の到来方向の情報も取得することができる。
 ちなみに、移動端末20の形状により、無線通信部21を構成する各アンテナにおいて指向性が生じている場合がある。このような指向性をキャンセルする方法としては、例えば移動端末20に取り付けた姿勢センサを用いてアンテナの指向性を補正してもよい。かかる場合には、移動端末20に設けられた図示しない姿勢センサを介して姿勢角を計測し、アンテナの交差偏波識別度を用いて、計測した位相値を補正する。
 また、指向性をキャンセルする他の方法としては、姿勢センサの情報から基地局3と移動端末20とを常に同じ面が向くように制御して計測することにより、移動端末20の形状等の影響で発生する指向性の影響を抑制するようにしてもよい。かかる場合には移動端末20の位置に応じて基地局3におけるアンテナの向きを制御するようにしてもよい。
 また、移動端末20の形状の影響により生じるアンテナの指向性を利用し、アンテナと移動端末20の位置に加え、アンテナや移動端末20の方向を同定するようにしてもよい。
 また、複数の移動体2を用いて測定することで、それぞれが測定した電波伝搬特性計測を、重ね合わせ、電波伝搬特性計測を補正、補完してもよい。
 また、本発明では、ユーザに伝搬特性の分布を示すマップを表示する以外に、各事象を判別した結果に基づいて移動端末20の移動を制御するようにしてもよい。かかる場合には、得られた伝搬特性の分布から得られる通信品質に基づいて移動端末20を移動させるようにしてもよい。かかる場合には、より通信品質が優れている箇所に向けて移動端末20を移動させるようにしてもよい。移動端末20を搭載する移動体2がロボットである場合には、ロボットの行動制御を行うようにしてもよい。また、MIMO(Multi Input Multi Output)通信によるアンテナの位置制御にも反映させるようにしてもよい。
 さらに本発明によれば、無線通信部21において水平偏波垂直計も実装された2本のアンテナを予め実装するようにしてもよい。このようなアンテナを用いて偏波の状態を推定し、これを伝搬特性に含めるようにしてもよい。この偏波は垂直偏波、水平偏波、円偏波をそれぞれ計測し、これに基づいて伝搬特性に反映させるようにしてもよい。
 かかる場合には、例えば垂直、水平の各偏波を検出できるアンテナにより、水平偏波、垂直偏波を先ず計測するようにしてもよい。このようにして計測した垂直偏波が反映された伝搬特性は、hn、k(f、p=V、x、y、z)であり、水平偏波が反映された伝搬特性は、hn、k(f、p=H、x、y、z)である
 このような水平偏波、垂直偏波がそれぞれ反映された伝搬特性に基づいて、更に円偏波を計算することができる。かかる場合には、任意の偏波p(パラメータとして偏波比ρHVに対する電波の伝搬特性hn、k(f、p(ρHV})、x、y、z)は、以下の式(1)で与えられる。
式1
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
・・・・・・・・・・・(1)
 ここでρHVは、偏波比であり、例えば、水平偏波では1、垂直偏波では∞、右旋円偏波では-j、左旋円偏波ではjとなる。ρ HVは、偏波比ρHVの複素共役である。
 このような(1)に数値を代入することにより、円偏波の影響を加味した電波の伝搬特性を得ることが可能となる。
1 計測システム
2 移動体
3 基地局
4 中央制御局
20 移動端末
21 無線通信部
22 伝搬特性計測部
23 位置情報取得部
24 記憶部
25 制御部
26 時刻周波数同期部
27 移動制御部
31 無線通信部
32 伝搬特性計測部
34 記憶部
35 制御部
36 制御局通信部
37 時刻周波数同期部

Claims (10)

  1.  基地局と、
     上記基地局と無線通信可能な移動端末とを備え、
     上記基地局及び上記移動端末は、互いに時刻、周波数及び位相が同期され、
     計測対象空間を移動する上記移動端末と上記基地局との間で無線通信する電波の伝搬特性を、上記移動端末の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測すること
     を特徴とする空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  2.  上記伝搬特性として、上記電波の受信時刻及び周波数、又は位相を計測すること
     を特徴とする請求項1記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  3.  上記伝搬特性として、上記電波の偏波を計測すること
     を特徴とする請求項2記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  4.  上記基地局及び上記移動端末は、無線双方向時刻比較技術(Wireless two-way interferometry:Wi-Wi)を利用することにより互いに同期されること
     を特徴とする請求項1に記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  5.  上記移動端末の位置情報を展開した2次元座標又は3次元座標からなる上記計測対象空間のマップ上に、計測した上記伝搬特性を表示すること
     を特徴とする請求項1に記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  6.  上記移動端末の位置情報を展開した2次元座標又は3次元座標からなる上記計測対象空間内の上記伝搬特性の分布に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別すること
     を特徴とする請求項1に記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  7.  上記伝搬特性の分布と、予め取得した参照用伝搬特性の分布との差異に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別すること
     を特徴とする請求項5記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  8.  上記伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて、上記計測対象空間における各事象を判別すること
     を特徴とする請求項5記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  9.  上記移動端末は、各事象を判別した結果に基づいて移動が制御されること
     を特徴とする請求項6記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
  10.  隣接する計測地点の間隔を上記伝搬特性の分布の乱れ度合に基づいて制御すること
     を特徴とする請求項1に記載の空間中の電波伝搬特性の計測システム。
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