WO2023218949A1 - シリカ粒子分散液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、製膜したときの粒立ちを抑制し、剥離強度を高められるシリカ粒子分散液を提供する。本発明のシリカ粒子分散液は、球状シリカ粒子と溶媒を含み、前記球状シリカ粒子のメジアン径d50が0.5~20μmであり、前記球状シリカ粒子の比表面積A(m/g)と前記メジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gである。

Description

シリカ粒子分散液
 本発明は、溶媒にシリカ粒子を分散させたシリカ粒子分散液に関する。
 シリカ粒子は、従来、プリント配線基板やパッケージ配線基板等の電子材料、レンズや光学フィルム等の光学材料、触媒や触媒担体等の機能材料、塗料や化粧品等の顔料等の様々な用途に利用されている。例えば、シリカ粒子の低誘電特性を利用して電子基板に利用することがなされている。
 シリカ粒子は、乾粉の状態で使用すると凝集しやすいため、使用目的に応じて水や樹脂等の溶媒に分散した分散液の形態で用いられ、シリカ粒子分散液や該シリカ粒子分散液を含むスラリーが種々提案されている。
 例えば、特許文献1には、粒径が100nm~2000nmであるか又は比表面積が2m/g~35m/gであり、200℃で加熱したときに生成する水分量が表面積1mあたり40ppm以下であり、ビニル基、フェニル基、フェニルアミノ基、炭素数4以上のアルキル基、メタクリル基、又はエポキシ基を有するシラン化合物にて表面処理されているシリカ粒子材料である電子材料用フィラーと、水分を実質的に含有しない液体状の分散媒とを有する電子材料用スラリーが提案されている。
 特許文献2には、平均粒子径(Dpa)が30~200nmの範囲にあるシリカ系中空微粒子(A)と平均粒子径(Dpb)が5~80nmの範囲にあるシリカ中実微粒子(B)と溶媒からなり、シリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が固形分として0.2~8重量%の範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の濃度(CB)が固形分として0.2~8重量%の範囲にあり、シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)が0.25~4にある反射防止膜形成用塗布液が提案されている。
 また、特許文献3には、平均粒子径が5~40nmであり、かつ中空粒子及び中実粒子の合計粒子数に占める中空粒子数の割合(中空率)が70%以上であるシリカ系粒子を含むシリカ系粒子の分散液が提案されている。
日本国特開2020-097498号公報 日本国特開2015-102666号公報 日本国特開2018-123043号公報
 しかしながら、従来のシリカ粒子分散液は樹脂組成物に含有させて製膜したときにシリカ粒子の粒立ちがしやすく、剥離強度が低くなり、シリカ粒子に期待される効果が得られ難いことがあった。特に低誘電化を目的として用いる場合、シリカ粒子の表面積を小さくしたり粒径を大きくしたりすれば低誘電化を達成できるが、粒子同士の接地面積が大きくなるため剥離強度が低下しやすかった。
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、製膜したときの粒立ちを抑制し、剥離強度を高められるシリカ粒子分散液を提供することを課題とする。
 本発明は、下記(1)~(9)に関するものである。
(1)球状シリカ粒子と溶媒を含み、前記球状シリカ粒子のメジアン径d50が0.5~20μmであり、前記球状シリカ粒子の比表面積A(m/g)と前記メジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gであるシリカ粒子分散液。
(2)前記球状シリカ粒子は、比表面積が0.1~10m/gである、前記(1)に記載のシリカ粒子分散液。
(3)前記球状シリカ粒子は、下記測定方法により測定される粘度が5000mPa・s以下である、前記(1)又は(2)に記載のシリカ粒子分散液。
(測定方法)
 前記シリカ粒子分散液を乾燥して粉末状の球状シリカ粒子を得て、得られた粉末状の球状シリカ粒子8質量部と煮アマニ油6質量部を混合し、2000rpmで3分間混練して得た混練物を、回転式レオメータでせん断速度1s-1で30秒測定し、30秒時点での粘度を求める。
(4)さらに、ビニル基、フェニル基、フェニルアミノ基、炭素数4以上のアルキル基、メタクリル基及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するシラン化合物を含有する、前記(1)~(3)のいずれか1つに記載のシリカ粒子分散液。
(5)さらに、有機揺変剤を含有する、前記(1)~(4)のいずれか1つに記載のシリカ粒子分散液。
(6)前記溶媒は、水、炭化水素類、アルコール類、酢酸エステル類、ケトン類、セロソルブ類、グリコールエーテル類、塩化炭化水素類及び極性溶媒からなる群から選択される少なくとも1種を含む、前記(1)~(5)のいずれか1つに記載のシリカ粒子分散液。
(7)前記球状シリカ粒子の固形分濃度を70質量%としたときの25℃における前記シリカ粒子分散液の粘度が20~20000mPa・sである、前記(1)~(6)のいずれか1つに記載のシリカ粒子分散液。
(8)前記(1)~(7)のいずれか1つに記載のシリカ粒子分散液を含む樹脂組成物。
(9)溶媒と、メジアン径d50が0.5~20μmであり、比表面積A(m/g)と前記メジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gである球状シリカ粒子の粉末とを混合し、混合液を分散処理し、分級して球状シリカ粒子の凝集物を除去する、シリカ粒子分散液の製造方法。
 本発明のシリカ粒子分散液は、液中に球状シリカ粒子が凝集することなく均一に分散しているので、本発明のシリカ粒子分散液を含む樹脂組成物を製膜したときの粒立ちを抑制でき、また剥離強度を高められる。
 以下、本発明について説明するが、以下の説明における例示によって本発明は限定されない。なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
 また、本明細書において、「質量」は「重量」と同義である。
<シリカ粒子分散液>
 本発明のシリカ粒子分散液は、球状シリカ粒子と溶媒を含み、球状シリカ粒子がメジアン径d50が0.5~20μmであり、比表面積A(m/g)とメジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gであるものである。本発明のシリカ粒子分散液は、前記球状シリカ粒子が凝集することなく均一に分散されており、分散液中の球状シリカ粒子の分散安定性が向上し、樹脂組成物に含有させて製膜したときの粒立ちを抑制できるとともに、剥離強度を高められる。
(溶媒)
 シリカ粒子分散液の分散媒となる溶媒は、使用目的に応じて任意に選択でき、例えば、水、炭化水素類、アルコール類、酢酸エステル類、ケトン類、セロソルブ類、グリコールエーテル類、塩化炭化水素類、極性溶媒が挙げられる。溶媒は、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。
 炭化水素類としては、例えば、トルエン、メチルシクロヘキサン、ノルマルへプタン、m-キシレン等が挙げられる。アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1-プロピルアルコール、イソブチルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール等が挙げられる。酢酸エステル類としては、例えば、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。セロソルブ類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。グリコールエーテル類としては、例えば、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシプロピル-2-アセテート、1-エトキシ-2-プロパノール、3-エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。塩化炭化水素類としては、例えば、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が挙げられる。極性溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドンが挙げられる。
 溶媒は、使用目的の分野に応じて適宜選択すればよい。例えば、電子機器の配線基板の絶縁層に用いる場合は、ケトン類、炭化水素類を用いるのが好ましく、具体的にメチルエチルケトン(MEK)、トルエン等を用いるのが好ましい。
 また、本発明のシリカ粒子分散液を硬化性組成物に用いる場合は、液状の主剤や硬化剤自体を溶媒に用いてもよい。前記主剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、オルトジビニルベンゼン樹脂等が挙げられ、硬化剤としては、例えば、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、過酸化物等が挙げられる。
 溶媒は、シリカ粒子分散液中、15~90質量%の範囲で含まれるのが好ましい。溶媒の含有量が15質量%以上であると球状シリカ粒子を均一に分散させることができ、また分散液の粘度が高くなりすぎないので取扱いがしやすい。また、溶媒の含有量が90質量%以下であると液状のため、分散状態のまま使用できる。シリカ粒子分散液中の溶媒の含有量は、20質量%以上であるのがより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましく、40質量%以上が最も好ましく、また、85質量%以下であるのがより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下が特に好ましい。
(球状シリカ粒子)
 球状シリカ粒子は、中実シリカであって、メジアン径d50が0.5~20μmであり、比表面積A(m/g)とメジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/g(2.7≦A×d50(μm・m/g)≦5.0)の範囲にあるものである。
 なお、以下の球状シリカ粒子の物性は、シリカ粒子分散液を乾燥し粉末状のシリカ粒子を得たもので確認できる。
 球状シリカ粒子のメジアン径d50が前記範囲であると、取扱いやすい粘度であり、塗工時に粒立ちしにくいので、樹脂組成物として用いたときに樹脂組成物の剥離強度が適正に保たれる。また、メジアン径が大きくなり過ぎると粒ゲージの値が大きくなるので、球状シリカ粒子を含有させた樹脂組成物を、例えば、シートに製膜する際には、シートの最小厚みが厚くなってしまう。よって、本発明では、球状シリカ粒子のメジアン径d50は、0.5~20μmの範囲とする。メジアン径d50は、1μm以上であるのが好ましく、また上限は、10μm以下であるのが好ましく、5μm以下がより好ましい。
 メジアン径d50は、レーザー回析式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる。
 球状シリカ粒子の比表面積Aは、0.1~10m/gの範囲であるのが好ましい。比表面積が0.1m/g以上であると、球状シリカ粒子を樹脂組成物に含有させた際に、樹脂との接点が十分にあるので、樹脂とのなじみがよくなり、また、10m/g以下であると誘電正接を小さくでき、また、樹脂組成物への分散性が向上する。比表面積Aは、8m/g以下であるのがより好ましく、7m/g以下がさらに好ましく、5m/g以下が特に好ましい。なお、比表面積Aが0.1m/g未満のものは、実質的に得ることが困難である。
 比表面積は、比表面積・細孔分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製「BELSORP-miniII」、マイクロメリティック社製「トライスターII」等)を用いた窒素吸着法に基づくBET法により求める。
 そして、球状シリカ粒子の比表面積A(m/g)とメジアン径d50(μm)の積A×d50は2.7~5.0μm・m/gであり、好ましくは2.7~4.5μm・m/gであり、より好ましくは2.7~4.0μm・m/gである。A×d50は理論値が2.7[比表面積=6/(シリカの真密度2.2(g/m)×メジアン径d50(μm))より導出]であり、これ以下の値は現実的に達成不可である。A×d50の値が5.0μm・m/g以下であると、粒径当たりの比表面積が小さくなり、誘電正接を小さくできる。
 球状シリカ粒子の真球度は、0.75~1.0であるのが好ましい。真球度が低くなりすぎると、シリカ粒子分散液を含有した樹脂組成物において樹脂層中のシリカ粒子が接する部材との接地面積が減少して剥離強度が低下する場合があるため、真球度は0.75以上であるのが好ましい。
 真球度は、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して得られる写真投影図における任意の100個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)とを測定し、最大径(DL)に対する最小径(DS)の比(DS/DL)を算出した平均値で表すことができる。
 分散性などの観点から、真球度は、0.90以上であるのがより好ましく、0.93以上がさらに好ましく、1.0に近いほど好ましい。
 球状シリカ粒子は、下記測定方法により測定される粘度が5000mPa・s以下となるのが好ましい。
(測定方法)
 シリカ粒子分散液を乾燥して粉末状の球状シリカ粒子を得て、得られた粉末状の球状シリカ粒子8質量部と煮アマニ油6質量部を混合し、2000rpmで3分間混練して得た混練物を、回転式レオメータでせん断速度1s-1で30秒測定し、30秒時点での粘度を求める。
 上記測定方法により求めた混練物のせん断速度1s-1での粘度が5000mPa・s以下であると、シリカ粒子が緻密であるといえ、樹脂組成物としたときの剥離強度を向上できる。また、球状シリカ粒子を含む樹脂組成物の成形・成膜時に添加する溶剤量を減らせ、乾燥速度を早くでき、生産性を向上できる。また、シリカ粒子の粒径に応じた比表面積が大きくなると、樹脂組成物に添加した際に粘度が上昇しやすくなるが、球状シリカ粒子は、比表面積が小さいので樹脂組成物の粘度上昇を抑制できる。混練物の粘度は、4000mPa・s以下であるのがより好ましく、3500mPa・s以下がさらに好ましい。
 前記混練物のせん断速度1s-1での粘度は、低いほど樹脂組成物の塗工性が向上し、生産性が向上するため下限値は特に限定されない。
 球状シリカ粒子は、粉末での誘電正接が、周波数1GHzにおいて0.0020以下であるのが好ましく、0.0010以下がより好ましく、0.0008以下がさらに好ましい。特に粉体の誘電正接や誘電率の測定において、周波数10GHz以上ではサンプルスペースが小さくなり測定精度が悪化するので、本発明では周波数1GHzでの測定値を採用する。球状シリカ粒子の周波数1GHzでの誘電正接が0.0020以下であると、優れた誘電損失抑制効果が得られるので、高周波特性が向上した基板やシートが得られる。誘電正接が小さいほど、回路の伝送損失が抑えられるため、下限値は特に限定されない。
 誘電正接は、専用の装置(例えば、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」)を用い、摂動方式共振器法にて測定できる。
 球状シリカ粒子の表面の孤立シラノール基に由来する3746cm-1付近のIRピーク強度は、0.1以下であるのが好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下がさらに好ましい。孤立シラノール基とは、シリカ粒子に吸着された水等と結合していないシラノール(Si-OH)基である。シリカ粒子表面の孤立シラノール(Si-OH)基量はIR測定によって得られる。具体的には、IRスペクトルを800cm-1で規格化し、3800cm-1でベースラインを合わせたあと、3746cm-1付近のSi-OHピーク強度の相対値を求める。粒子表面の孤立シラノール基が多いと、樹脂に混合した部材を電子用途に使用する場合、誘電損失が大きくなる傾向があるが、粒子表面の孤立シラノール基に由来する3746cm-1付近のIRピーク強度が0.1以下であると、誘電損失を低減できる。
 また、球状シリカ粒子の表面の結合シラノール基に由来する3300~3700cm-1にある最大IRピーク強度は、0.2以下であるのが好ましく、0.17以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。結合シラノール基とは、シリカ粒子に吸着された水や、シリカ表面のシラノール等と結合しているシラノール(Si-OH)基である。シリカ粒子表面の結合シラノール(Si-OH)基量はIR測定によって得られる。具体的には、IRスペクトルを800cm-1で規格化し、3800cm-1でベースラインを合わせたあと、3300~3700cm-1にあるうちの最大ピークから、結合Si-OHピーク強度の相対値を求める。粒子表面の結合シラノール基が多いと、樹脂に混合した部材を電子用途に使用する場合、誘電損失が大きくなる傾向があるが、粒子表面の結合シラノール基に由来する、3300~3700cm-1にある最大IRピーク強度が0.2以下であると、誘電損失を低減できる。
 球状シリカ粒子は、無孔質粒子であることが好ましい。多孔質粒子であると、吸油量が大きくなり、樹脂中での粘度が上昇してしまうとともに、表面積が増加し、シリカ粒子表面のシラノール(Si-OH)基量が増加して、誘電正接が悪化する傾向にある。具体的には、吸油量が100ml/100g以下であることが好ましく、70ml/100g以下であることがより好ましく、50ml/100g以下であることが最も好ましい。下限値は特に限定されないが、吸油量を20ml/100g以下とすることは実質的に困難である。
 球状シリカ粒子は、チタン(Ti)を30~1500ppmの範囲で含むのが好ましく、100~1000ppmがより好ましく、100~500ppmがさらに好ましい。
 Tiは、球状シリカ粒子の製造において任意に含有させる成分である。球状シリカ粒子の製造時において、シリカ粒子の割れにより微粉が発生してしまうと、微粉が母粒子表面に付着してしまい、粒子の比表面積が増大してしまう。球状シリカ粒子の製造時にTiを含ませることにより、焼成時に熱締まりしやすくなる。これにより焼成後の後処理時において割れにくくなるため、微粉の発生を抑制でき、シリカの母粒子表面に付着する付着粒子を少なくでき、よって比表面積の増大を抑制できる。Tiを30ppm以上含むことで焼成時に熱締りしやすいため割れによる微粉の発生を抑制でき、Ti含有量が1500ppm以下であると、前記効果が得られるとともにシラノール基量の増加を抑制し、誘電正接の悪化を抑制できる。
 球状シリカ粒子は、本発明の効果を妨げない範囲において、チタン(Ti)以外の不純物元素を含んでいてもよい。不純物元素としては、Tiの他に、例えば、Na、K、Mg、Ca、Al、Fe等が挙げられる。
 不純物元素のうちアルカリ金属とアルカリ土類金属の含有量は、総和が2000ppm以下であるのが好ましく、1000ppm以下がより好ましく、200ppm以下がさらに好ましい。
 球状シリカ粒子はシランカップリング剤によって処理されていてもよい。
 球状シリカ粒子の表面がシランカップリング剤によって処理されていることで、表面のシラノール基の残存量が少なくなり、表面が疎水化され、水分吸着を抑えて誘電損失を向上できるとともに、樹脂組成物とする際に、樹脂との親和性が向上し、分散性や、樹脂製膜後の強度が向上する。
 表面処理の条件には特に制限はなく、一般的な表面処理条件でよく、湿式処理法や乾式処理法を用いることができる。均一な処理を行う観点から、湿式処理法が好ましい。
 シランカップリング剤の種類としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物等が挙げられる。シランカップリング剤は1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
 具体的に、シランカップリング剤としては、アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等のシラン系カップリング剤、CF(CFCHCHSi(OCH、CF(CFCHCHSiCl、CF(CFCHCHSi(CH)(OCH、CF(CFCHCHSi(CH)C1、CF(CFCHCHSiCl、CF(CFCHCHSi(OCH、CFCHCHSiCl、CFCHCHSi(OCH、C17SON(C)CHCHCHSi(OCH、C15CONHCHCHCHSi(OCH、C17COCHCHCHSi(OCH、C17-O-CF(CF)CF-O-CSiCl、C-O-(CF(CF)CF-O)-CF(CF)CONH-(CHSi(OCH等のフッ素含有シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン化合物等が挙げられる。
 シランカップリング剤の付着量としては、球状シリカ粒子100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.10質量部以上がさらに好ましく、また、5質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
 球状シリカ粒子の表面がシランカップリング剤で処理されていることはIRによるシランカップリング剤の置換基によるピークの検出により確認できる。また、シランカップリング剤の付着量は、炭素量により測定できる。
 球状シリカ粒子は、シリカ粒子分散液中、10~85質量%の範囲で含まれるのが好ましい。球状シリカ粒子の含有量が10質量%以上であると樹脂組成物に添加するシリカ粒子分散液の量が少ない量で所望の剥離強度を付与でき、85質量%以下であると分散液の粘度が上がり過ぎず、取り扱いがしやすい。シリカ粒子分散液中の球状シリカ粒子の含有量は、15質量%以上であるのがより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下であるのがより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が特に好ましく、60質量%以下が最も好ましい。
(シラン化合物)
 本発明のシリカ粒子分散液には、ビニル基、フェニル基、フェニルアミノ基、炭素数4以上のアルキル基、メタクリル基及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するシラン化合物を含有するのが好ましい。前記シラン化合物を含有することでシリカ粒子分散液を樹脂組成物に含有させたときに、樹脂に球状シリカ粒子の表面が馴染むので、より樹脂組成物の剥離強度を高められる。なお、球状シリカ粒子がシランカップリング剤で処理されているときはシラン化合物を必ずしも添加する必要はない。
 前記シラン化合物としては、例えば、ビニルシラン、フェニルシラン、フェニルアミノシラン、ヘキシルシラン、デシルシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルシラン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、樹脂との相互作用の観点から、ビニル基、フェニル基、メタクリル基、エポキシ基またはフェニルアミノ基を含むシラン化合物が好ましく、ビニル基、フェニル基、メタクリル基またはフェニルアミノ基を含むシラン化合物がより好ましく、フェニル基またはメタクリル基を含むシラン化合物がさらに好ましい。この場合、後述する混練物や本発明のシリカ粒子分散液におけるシリカ粒子の分散性が向上し、その粘度と、それから形成される成形物の剥離強度とが特にバランスを保ちやすい。
 シラン化合物は、シリカ粒子分散液中、0.01~5質量%の範囲で含まれるのが好ましい。シラン化合物の含有量が0.01質量%以上であると、シリカ粒子分散液を樹脂組成物に含有させたときに球状シリカ粒子と樹脂との相溶性を高め、樹脂組成物の剥離強度を高めることができ、5質量%以下であると組成物中への残留を抑えて、樹脂組成物物性への影響を低減できる。シリカ粒子分散液中のシラン化合物の含有量は、0.02質量%以上であるのがより好ましく、0.04質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上が特に好ましく、また4質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
(有機揺変剤)
 本発明のシリカ粒子分散液には、さらに有機揺変剤を含有するのが好ましい。
 有機揺変剤は、シリカ粒子分散液及びシリカ粒子分散液を含有する樹脂組成物やスラリー中での球状シリカ粒子の凝集・沈殿抑制のため、及び樹脂組成物やスラリーの硬化物に対するフラックスのぬれ性向上のために添加される。
 有機揺変剤としては、例えば、植物油脂肪酸とアミンより合成される脂肪酸アミド類(アマイドワックス系);脂肪酸エステル類、ポリエーテル類、硫酸化油、高級アルコールサルフェートなどの界面活性剤系;ポリカルボン酸エステル類;ポリカルボン酸アミド類;尿素変性化合物が含まれるが、ひまし油ワックスと呼ばれる水素添加ひまし油系のもの、及びポリエチレンを酸化処理し、極性基を導入したワックスである酸化ポリエチレン系のものは含まれない。有機揺変剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 有機揺変剤は市販品として入手ができ、例えば、BYK(登録商標)-R606、BYK(登録商標)-405、BYK(登録商標)-R605、BYK(登録商標)-R607、BYK(登録商標)-410、BYK(登録商標)-411、BYK(登録商標)-415、BYK(登録商標)-430、BYK(登録商標)-431、BYK(登録商標)-7410ET、BYK(登録商標)-7411ES(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、ターレン1450、ターレン2000、ターレン2200A、ターレン7200ー20、ターレン8200-20、ターレン8300-20、ターレン8700-20、ターレンBA-600、フローノンSH-290、フローノンSH-295S、フローノンSH-350、フローノンHR-2、フローノンHR-4AF(以上、共栄社化学社製)が挙げられる。
 有機揺変剤は、シリカ粒子分散液中、0.01~5質量%の範囲で含まれるのが好ましい。有機揺変剤の含有量が0.01質量%以上であると分散液中で球状シリカ粒子の凝集が抑制され、シリカ粒子分散液を樹脂組成物に含有させたときに、球状シリカ粒子間に樹脂が溜まるのを抑制できる。これにより樹脂組成物の剥離強度を高められる。また、有機揺変剤の含有量が5質量%以下であると組成物中への残留を抑えて、樹脂組成物物性への影響を低減できる。シリカ粒子分散液中の有機揺変剤の含有量は、0.02質量%以上であるのがより好ましく、0.04質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上が特に好ましく、また4質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2.5質量%以下が特に好ましい。
 本発明のシリカ粒子分散液は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意の成分を含んでもよい。任意成分としては、例えば、アルミナなどの他の無機フィラー、硬化組成物等が挙げられる。
(シリカ粒子分散液の物性)
 本発明のシリカ粒子分散液は、球状シリカ粒子の固形分濃度を70質量%としたときの25℃におけるシリカ粒子分散液の粘度が20~20000mPa・sであるのが好ましい。
 球状シリカ粒子の固形分濃度が50質量%のシリカ粒子分散液の25℃における粘度が20mPa・s以上であるとシリカの沈降(浮上)分離を防止でき、20000mPa・s以下であるとシリカの分散状態を維持したまま使用できる。前記粘度は、50mPa・s以上であるのがより好ましく、75mPa・s以上がさらに好ましく、100mPa・s以上が特に好ましく、500mPa・s以上が最も好ましい。また15000mPa・s以下であるのがより好ましく、12000mPa・s以下がさらに好ましく、10000mPa・s以下が特に好ましい。
<シリカ粒子分散液の製造方法>
 本発明のシリカ粒子分散液は、溶媒に球状シリカ粒子の粉末を分散させて得られる。球状シリカ粒子は製造により得てもよいし、市販の球状シリカ粒子を用いてもよい。
 以下に、球状シリカ粒子の製造方法とそれを用いたシリカ粒子分散液の製造方法を説明する。
(球状シリカ粒子の製造方法)
 球状シリカ粒子の製造方法としては、湿式法によって球状のシリカ前駆体を形成し、この前駆体から球状シリカ粒子を得る方法が挙げられる。湿式法とは、シリカ源として液体のものを用い、これをゲル化させることで球状シリカ粒子の原料を得る工程を含む方式を指す。湿式法を用いることで、球状のシリカ粒子を形成できるので、粉砕等により粒子の形状を整える必要が無く、結果、比表面積の小さい粒子が得られる。また、湿式法は、平均粒子径に対して大幅に小さい粒子が生成しにくく、焼成後に比表面積が小さくなりやすい傾向がある。また、湿式法では、シリカ源の不純物を調整することで、チタンなどの不純物元素の量を調整でき、さらに前述の不純物元素を、粒子中に均一に分散させた状態にできる。
 湿式法としては、例えば、噴霧法、エマルション・ゲル化法等が挙げられる。エマルション・ゲル化法としては、例えば、シリカ前駆体を含む分散相と連続相とを乳化し、得られたエマルションをゲル化して球状のシリカ前駆体を得る。乳化方法としては、シリカ前駆体を含む分散相を連続相に微小孔部または多孔質膜を介して供給しエマルションを作製する方法が好ましい。これによって、均一な液滴径のエマルションを作製して、結果として均一な粒子径の球状シリカが得られる。このような乳化方法としては、マイクロミキサー法や膜乳化法が用いられる。例えば、マイクロミキサー法は国際公開第2013/062105号に開示されている。
 湿式法で得られた球状のシリカ前駆体の細孔容積は、0.3~2.2ml/gであるのが望ましい。シリカ前駆体の細孔容積が0.3ml/g以上であると、焼成時にシリカ粒子が十分に収縮し、比表面積を小さくできる。シリカ前駆体の細孔容積は、0.3ml/g以上が好ましく、0.6ml/g以上がより好ましく、0.7ml/g以上がさらに好ましい。また、シリカ前駆体の細孔容積が2.2ml/g以下であると、焼成前の仕込みかさ密度が大きくなり過ぎるのを抑制し、生産性を向上できる。シリカ前駆体の細孔容積は、2.2ml/g以下が好ましく、1.8ml/g以下がより好ましく、1.5ml/g以下が最も好ましい。
 細孔容積は、比表面積・細孔分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製「BELSORP-miniII」、マイクロメリティック社製「トライスターII」等)を用いた窒素吸着法に基づくBJH法により求める。
 湿式法で得られたシリカ前駆体の強熱減量は、5.0~15.0質量%であるのが望ましい。強熱減量は、シリカ前駆体に付着している付着水と、シリカ前駆体に含まれるシラノール基の縮合により発生する水との総和となっており、シリカ前駆体が適度なシラノール基を持つことで、焼成時に縮合が進み、シラノール基が減りやすくなる。強熱減量が多過ぎると、焼成時の収率が低下し、生産性が悪化することから、シリカ前駆体の強熱減量は、15.0質量%以下が好ましく、13.0質量%以下がより好ましく、12.0質量%以下が最も好ましい。強熱減量が少な過ぎると、焼成時にシラノール基が残りやすくなるため、シリカ前駆体の強熱減量は、5.0質量%以上が好ましく、6.0質量%以上がより好ましく、7.0質量%以上が最も好ましい。
 ここで、強熱減量は、JIS K0067に準拠して、シリカ前駆体1gを、850℃で0.5時間加熱乾燥したときの質量減量として求める。
 球状シリカ粒子は、前記球状シリカ前駆体を熱処理することにより得られる。熱処理では、球状シリカ粒子を焼き締め、シェルの緻密化を行うとともに、表面のシラノール基量を減らし、誘電正接を低下させる。熱処理の温度は、700℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、900℃以上が最も好ましい。また、温度が高くなり過ぎると、粒子が凝集しやすくなり、樹脂組成物中での粒ゲージが大きくなるため、1600℃以下が好ましく、1500℃以下がより好ましく、1400℃以下が最も好ましい。すなわち、700~1600℃の範囲で熱処理するのが好ましい。
 前記熱処理の方式は、特に限定されないが、静置方式による熱処理、ロータリーキルン方式による熱処理、噴霧燃焼による熱処理等の方式が挙げられる。
 上記工程により得られた球状シリカ粒子は、乾燥や焼成の工程により凝集していることがあるため、取り扱いやすい凝集径にするために解砕してもよいが、本発明ではそのまま溶媒と混合してシリカ粒子分散液を得られる。
 解砕の方法としては、例えば、乳鉢を使う方法、乾式あるいは湿式のボールミルを使う方法、振とう式篩を使う方法、ピンミル、カッターミル、ハンマーミル、ナイフミル、ローラーミル、ジェットミルなどの解砕機を使う方法等がある。
 このようにして本発明のシリカ粒子分散液に用いる前記した球状シリカ粒子が得られる。
(シリカ粒子分散液の調製)
 得られた球状シリカ粒子は、溶媒と混合し、シリカ粒子分散液を得る。本発明のシリカ粒子分散液の製造方法では、溶媒と球状シリカ粒子の粉末とを混合し、混合液を分散処理し、分級して球状シリカ粒子の凝集物を除去することを含む。球状シリカ粒子は、メジアン径d50が0.5~20μmであり、比表面積A(m/g)とメジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gであるものを用いる。溶媒の種類や使用量、球状シリカ粒子の他の物性は前述のとおりである。
 球状シリカ粒子の粉末は、シリカ粒子分散液中に10~85質量%の割合で混合するのが好ましい。球状シリカ粒子の割合が少なすぎると後の濃縮工程の生産性が落ち、また多過ぎるとシリカ粒子分散液の粘度が上がり過ぎて分散処理の生産性が落ちることがあるので、10~85質量%の範囲が好ましい。球状シリカ粒子の使用量は、15質量%以上であるのがより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下であるのがより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が特に好ましく、60質量%以下が最も好ましい。
 溶媒と球状シリカ粒子を含む混合液の分散処理は、顔料分散等で使用される分散装置を使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル、ニーダー等が挙げられる。その中でも、粉砕メディア(ボール、ビーズ等)を用いないものが望ましい。粉砕メディアを用いると、摩耗したメディアのコンタミネーションが懸念されるためである。具体的には、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機が望ましい。
 また、分散処理時の温度は、0~100℃で行うのが好ましい。ここで分散処理時の温度は、処理前後の温度範囲のことを指す。前記温度範囲で分散処理することで溶媒の粘度が適度に保たれ、生産性が保たれ、また溶媒の蒸発を抑えて固形分を容易に制御できる。処理温度は、5℃以上であるのがより好ましく、10℃以上がさらに好ましく、また、90℃以下であるのがより好ましく、80℃以下がさらに好ましい。
 分散処理の時間としては、粒子破壊が進まないよう使用する分散装置に応じて適宜設定すればよいが、0.5~60分で行うのが好ましく、0.5~10分がより好ましく、0.5~5分がさらに好ましい。
 その後、分散処理でも分散しきれずに残った球状シリカ粒子の凝集物を湿式分級する。湿式分級は篩や遠心力による分級等が挙げられる。篩を用いる場合、目開き100μm以下の篩により分級するのが好ましい。篩としては、例えば、電鋳ふるいのような緻密な格子状の構造を持つ金属を用いるのが好ましい。
 篩の目開きは100μm以下であるのが好ましく、75μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましく、35μm以下が特に好ましい。また、篩の目開きの下限は、0.2μm以上であるのが好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。すなわち、篩の目開きは0.2~100μmの範囲が好ましい。
 その後、必要に応じて希釈あるいは濃縮し、適当な濃度に調整してもよい。濃縮の方法としては、気化濃縮、固液分離等が挙げられる。
 なお、本発明のシリカ粒子分散液の製造方法では、溶媒と球状シリカ粒子の混合液にシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては前述のシランカップリング剤が例示される。
<樹脂組成物>
 本発明のシリカ粒子分散液は、樹脂と混合し、樹脂組成物として利用できる。樹脂組成物中、球状シリカ粒子を5~70質量%の範囲で含むことが好ましく、10~50質量%がより好ましい。
 樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)の1種または2種以上等を使用できる。樹脂組成物における誘電正接は樹脂の特性にも依存するので、これらを考慮して使用する樹脂を選択すればよい。
 樹脂組成物には、上記樹脂や媒体以外に任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、分散助剤、界面活性剤、シリカ以外のフィラー等が挙げられる。
 なお、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂フィルムを作製したとき、その誘電正接が、周波数10GHzにおいて0.012以下であるのが好ましく、0.010以下がより好ましく、0.009以下がさらに好ましい。樹脂フィルムの周波数10GHzでの誘電正接が0.012以下であると、電気特性に優れるので電子機器や通信機器等への利用が期待できる。誘電正接が小さいほど、回路の伝送損失が抑えられるため、下限値は特に限定されない。
 誘電正接は、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)(例えば、Agilent Technologies社製)を用いて測定できる。
 また、上記樹脂フィルムの平均線膨張率が、10~50ppm/℃であるのが好ましい。平均線膨張率が前記範囲であると、基材として広く使用される銅箔の熱膨張係数に近い範囲であるので、電気特性に優れる。平均線膨張率は、12ppm/℃以上であるのがより好ましく、15ppm/℃以上がさらに好ましく、また40ppm/℃以下であるのがより好ましく、30ppm/℃以下がさらに好ましい。
 平均線膨張率は、熱機械分析装置(例えば、島津製作所社製、「TMA-60」)を使用して、上記樹脂フィルムを荷重5N、昇温速度2℃/minで加熱し、30℃から150℃までのサンプルの寸法変化を測定し、平均を算出することで求められる。
 本発明のシリカ粒子分散液は、各種充填材として使用でき、特にパソコン、ノートパソコン、デジタルカメラ等の電子機器や、スマートフォン、ゲーム機等の通信機器等に用いられる電子基板の作製に用いられる樹脂組成物の充填材として好適に使用できる。具体的には、本発明のシリカ粒子分散液は、低誘電正接化、低伝送損失化、低吸湿化、剥離強度向上のために、樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、樹脂シート、接着層、接着フィルム、ソルダーレジスト、バンプリフロー用、再配線絶縁層、ダイボンド材、封止材、アンダーフィル、モールドアンダーフィルおよび積層インダクタ等への応用も期待される。
 以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の説明において、共通する成分は同じものを用いている。
 また、例1~7は実施例であり、例8~10は比較例である。
<試験例1>
 試験例1では、球状シリカ粒子の作製及び得られた球状シリカ粒子を用いたシリカ粒子分散液の作製を行った。
(例1)
 球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末1(AGCエスアイテック社製:H-31、d50=3.5μm)を用いた。シリカ粉末1を150g、アルミナ坩堝に充填し、電気炉内温度1200℃にて1時間加熱処理した。加熱処理後、室温まで冷却し、めのう乳鉢で擂潰して、球状シリカ粒子の集合体である球状シリカ粉末を得た。
 得られた球状シリカ粉末100gと、メチルエチルケトン(MEK)43gを250mlのポリビンに入れ、ミックスローターを用いて30rpmで2時間攪拌した。得られた混合液を、湿式微粒子化装置(スギノマシン株式会社製のスターバーストミニ、型式番号:HJP-25001)にて、φ0.1mmのノズルから加圧圧力100MPaにて噴出させる操作を3回繰り返した。得られたスラリーを、目開き10μmの電鋳ふるいに通し、固形分70質量%のシリカ粒子分散液を得た。
(例2)
 球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末2(AGCエスアイテック社製:H-51、d50=5.5μm)を用いたこと以外は、例1と同様の処理を行い、シリカ粒子分散液を得た。
(例3)
 球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末3(AGCエスアイテック社製:H-121、d50=13μm)を用いたこと、スラリーを目開き30μmの電鋳ふるいに通したこと以外は、例1と同様の処理を行い、シリカ粒子分散液を得た。
(例4)
 球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末4(AGCエスアイテック社製:H-201、d50=20μm)を用いたこと、スラリーを目開き40μmの電鋳ふるいに通したこと以外は、例1と同様の処理を行い、シリカ粒子分散液を得た。
(例5)
 例4で得られた球状シリカ粉末100gと、メチルエチルケトン(MEK)43g、KBM-503 0.10g(3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)を250mlのポリビンに入れ、ミックスローターを用いて30rpmで2時間攪拌した。得られた混合液を、80℃で1時間加熱した後、冷却し、湿式微粒子化装置(スギノマシン株式会社製のスターバーストミニ、型式番号:HJP-25001)にて、φ0.1mmのノズルから加圧圧力100MPaにて噴出させる操作を3回繰り返した。得られたスラリーを、目開き10μmの電鋳ふるいに通し、固形分70質量%のシリカ粒子分散液を得た。
(例6)
 例4で得られた球状シリカ粉末100gと、メチルエチルケトン(MEK)43g、BYK(登録商標)-R606 0.10g(ポリヒドロキシカルボン酸エステル、ビッグケミー社製)を250mlのポリビンに入れ、ミックスローターを用いて30rpmで2時間攪拌した。得られた混合液を、湿式微粒子化装置(スギノマシン株式会社製のスターバーストミニ、型式番号:HJP-25001)にて、φ0.1mmのノズルから加圧圧力100MPaにて噴出させる操作を3回繰り返した。得られたスラリーを、目開き10μmの電鋳ふるいに通し、固形分70質量%のシリカ粒子分散液を得た。
(例7)
 例5において、KBM-503をKBM-103 0.10g(トリメトキシフェニルシラン、信越化学工業社製)に変更した以外は、例5と同様にして、シリカ粒子分散液を得た。
(例8)
 乾式法で製造された原料シリカから製造された球状シリカ粉末5(デンカ社製:FB-5D)を用いた。球状シリカ粉末5を150g、アルミナ坩堝に充填し、電気炉内温度1300℃にて1時間加熱処理した。加熱処理後、室温まで冷却し、めのう乳鉢で擂潰して、球状シリカ粉末を得た。得られた球状シリカ粉末を用いて例1と同様にしてシリカ粒子分散液を得た。
(例9)
 VMC法で製造された原料シリカから製造された球状シリカ粉末6(アドマテックス社製:SC-04)を用い、例1と同様にしてシリカ粒子分散液を得た。
(例10)
 例4で得られた球状シリカ粉末10gをそのまま使用した。
 なお、上記の各例で作製した球状シリカ粉末について、比表面積、メジアン径、混練物としたときの粘度及び70質量%分散液の粘度を以下により測定した結果を表1に示す。
1.比表面積
 球状シリカ粒子を230℃で減圧乾燥して水分を完全に除去し、試料とした。この試料について、マイクロメリティック社製の自動比表面積・細孔分布測定装置「トライスターII」にて、窒素ガスを用いて多点BET法により比表面積を求めた。
2.メジアン径
 メジアン径は、レーザー回析式の粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製MT3300EXII)を用いて測定した。装置内で超音波を60秒間3回照射することで球状シリカ粒子を分散させてから測定を行った。測定は60秒間2回ずつ行い、その平均値を求めた。
3.混練物の粘度
 煮アマニ油(山桂産業社製)6質量部と球状シリカ粒子8質量部を混合し、自転公転式の撹拌機であるあわとり練太郎(シンキー社製)を用いて2000rpmで3分間混練し、混練物を作製した。得られた混練物を、回転式レオメータを用いてせん断速度1s-1で30秒測定し、30秒時点での粘度を求めた。なお煮アマニ油のみで測定した粘度は46mPa・sであった。
4.シリカ粒子分散液の粘度
 球状シリカ粒子42gと、メチルエチルケトン(MEK)18gを100mlのポリビンに入れ(固形分濃度70質量%)、ミックスローターを用いて30rpmで2時間攪拌した。得られた混合液を、湿式微粒子化装置(スギノマシン株式会社製のスターバーストミニ、型式番号:HJP-25001)にて、φ0.1mmのノズルから加圧圧力50MPaにて噴出させる操作を3回繰り返した。得られたスラリーを25℃に調整し、その粘度を、回転式レオメータ(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR-301)でせん断速度1rpmで30秒測定し、得られた30秒時点での粘度を求めた。
<試験例2>
(評価サンプルA(樹脂フィルム)の作製)
 例1~9のシリカ粒子分散液及び例10の球状シリカ粉末を用いて樹脂フィルムを作製した。
 ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量276、日本化薬(株)製「NC-3000」)25質量部をメチルエチルケトン(MEK)13質量部に攪拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HP8000-65T」、活性基当量223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)32質量部を混合し、泡取り練太郎を用いて2000rpmで5分間混練し、硬化促進剤として4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.9質量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製「2E4MZ」)1.6質量部を混合し、ホモディスパーを用いて2000rpmで5分間混合した。そこへ90質量部の粒子粉末となるよう、シリカ粒子分散液又は球状シリカ粉末を秤量して混合し、ホモディスパーを用いて2000rpmで5分間混合した。
 次に、離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET5011 550」、厚み50μm)を用意した。このPETフィルムの離型処理面に、アプリケーターを用いて、得られたワニスを乾燥後の厚みが40μmとなるように塗工し、100℃のギアオーブン内で10分間乾燥したあと裁断し、縦200mm×横200mm×厚み40μmの樹脂フィルムの未硬化物(Bステージフィルム)を備えた未硬化積層フィルムを作製した。
 得られた未硬化積層フィルムを、190℃に設定したギアオーブン内で90分加熱して樹脂フィルムの未硬化物を硬化させて、硬化フィルムを作製した。
(評価サンプルB(積層体)の作製)
(1)ラミネート工程
 片面粗化銅箔(F0-WS、厚み18μm、表面粗さRz=1.2μm、古河電気工業社製)を用意した。この銅箔に、名機製作所社製「バッチ式真空ラミネーターMVLP-500-IIA」を用いて、上記で作製した未硬化積層フィルムを、未硬化樹脂フィルム(Bステージフィルム)の表面が銅箔粗化面に対向するようにラミネートして、銅箔/Bステージフィルム/PETフィルムからなる積層構造体を得た。ラミネートの条件は、30秒減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃及び圧力0.8MPaでプレスする条件とした。
(2)フィルム剥離工程
 積層構造体のPETフィルムを剥離した。
(3)硬化工程
 内部の温度が180℃のギアオーブン内に積層板を30分間入れ、Bステージフィルムを硬化させて、絶縁層を形成した。
(評価)
1.剥離強度の測定
 評価サンプルBについて、銅箔側に1cm幅となるように短冊状に切込みを入れた。90°剥離試験機に基板をセットし、つかみ具で切込みの入った銅めっきの端部をつまみあげ、銅めっきを20mm剥離してピール強度(N/cm)を測定した。
2.塗膜の粒立ち
 前記未硬化積層フィルムの外観を観察し、塗膜の粒立ちを評価した。評価基準は以下の通りである。なお、A、B評価を実用可能と判断した。
〔評価基準〕
 A(良):粒立ちなし。
 B(可):塗工後に微細な凹凸が見られた。
 C(不可):塗工時に粗大粒子が付着することによるスジ引きが見られた。
 上記の試験結果を表1に合わせて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1より、例1~7は例8~10に比べて剥離強度が高く、接着力が強いことがわかった。また、例1~7は塗膜の粒立ちも良好であり、いずれも実用に適したものであった。これに対し、例8~10は剥離強度が低く、塗膜の粒立ちも見られた。
 本発明を詳細にまた特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2022年5月9日出願の日本特許出願(特願2022-077093)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (9)

  1.  球状シリカ粒子と溶媒を含み、前記球状シリカ粒子のメジアン径d50が0.5~20μmであり、前記球状シリカ粒子の比表面積A(m/g)と前記メジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gであるシリカ粒子分散液。
  2.  前記球状シリカ粒子は、比表面積が0.1~10m/gである、請求項1に記載のシリカ粒子分散液。
  3.  前記球状シリカ粒子は、下記測定方法により測定される粘度が5000mPa・s以下である、請求項1又は2に記載のシリカ粒子分散液。
    (測定方法)
     前記シリカ粒子分散液を乾燥して粉末状の球状シリカ粒子を得て、得られた粉末状の球状シリカ粒子8質量部と煮アマニ油6質量部を混合し、2000rpmで3分間混練して得た混練物を、回転式レオメータでせん断速度1s-1で30秒測定し、30秒時点での粘度を求める。
  4.  さらに、ビニル基、フェニル基、フェニルアミノ基、炭素数4以上のアルキル基、メタクリル基及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するシラン化合物を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のシリカ粒子分散液。
  5.  さらに、有機揺変剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のシリカ粒子分散液。
  6.  前記溶媒は、水、炭化水素類、アルコール類、酢酸エステル類、ケトン類、セロソルブ類、グリコールエーテル類、塩化炭化水素類及び極性溶媒からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のシリカ粒子分散液。
  7.  前記球状シリカ粒子の固形分濃度を70質量%としたときの25℃における前記シリカ粒子分散液の粘度が20~20000mPa・sである、請求項1~6のいずれか1項に記載のシリカ粒子分散液。
  8.  請求項1~7のいずれか1項に記載のシリカ粒子分散液を含む樹脂組成物。
  9.  溶媒と、メジアン径d50が0.5~20μmであり、比表面積A(m/g)と前記メジアン径d50(μm)の積A×d50が2.7~5.0μm・m/gである球状シリカ粒子の粉末とを混合し、混合液を分散処理し、分級して球状シリカ粒子の凝集物を除去する、シリカ粒子分散液の製造方法。
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