WO2023204223A1 - 凍結用生クリーム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

リン脂質を0.25質量%以上含有する凍結状態の凍結用生クリームであって、前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である、凍結状態の凍結用生クリーム。

Description

凍結用生クリーム及びその製造方法
 本発明は、凍結用生クリーム及びその製造方法に関する。
 具体的には、本発明は、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる凍結用生クリーム及びその製造方法に関する。
 本明細書において、「生クリーム」とは、昭和二十六年日本国厚生省令第五十二号、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(令和元年厚生労働省令第八十七号による改正、施行日:令和三年六月一日)の第二条14に規定される「クリーム」を意味し、生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものである。従って、生クリームには何らの添加物も加えることができず、一般的には風味が良好である一方で扱いが難しいとされている。特に、生クリームの保存期間は短く、その生産量は生乳の需給状態に大きく左右される。
 生クリームの保存期間を延ばす手段として凍結が挙げられる。
 特許文献1には、生クリームを凍結させる条件として、液体窒素を用いて0℃から-5℃までの温度間隔を8分以下で通過し、-5℃から-20℃までの温度間隔を9分以下で到達する製造方法が開示されている。
 特許文献2には、凍結時の包材として、最外層にポリエチレン、中間層にアルミ、そして最内層にポリプロピレンを使用し、気体が残存しないように生クリームを充填することで、凍結時の生クリーム内部中心温度が0℃から-5℃で滞留することなく下降可能であることが開示されている。
 特許文献3には、原料乳を濃縮して固形分濃度を高めた凍結乳脂肪クリームの製造方法について開示されている。
国際公開第2013/042186号 特開2018-113972号公報 国際公開第2018/168930号
 しかしながら、特許文献1~3をはじめとする従来の生クリームには、凍結した後に解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止する観点でさらなる改善の余地が見出された。また、これらの解凍された生クリームには、ホイップ性及び凝固耐性をさらに向上する観点でもさらなる改善の余地が見出された。
 そこで本発明は、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる凍結用生クリーム及びその製造方法を提供することを課題とする。
 本発明の目的の1つは、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる凍結用生クリーム及びその製造方法を提供することである。
 本発明者らは鋭意検討の結果、特定量のリン脂質を含有し、かつ脂肪球が特定の粒度分布を示す生クリームを凍結し、該生クリームを解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れることを見出し、本発明を完成した。
 本発明によれば、以下の凍結用生クリーム等を提供できる。
1.リン脂質を0.25質量%以上含有する凍結状態の凍結用生クリームであって、前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である、凍結状態の凍結用生クリーム。
2.20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
3.前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍し、25℃で120回/分の速度で撹拌した際に、10分間以上の凝固耐性を有する、1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
4.前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍し、ホイップした際に、オーバーランが80%以上である、1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
5.1~4のいずれかに記載の凍結用生クリームを製造する方法であって、
 回転式乳化機を用いて、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように処理することを含む、凍結用生クリームの製造方法。
6.1~4のいずれかに記載の凍結用生クリームを製造する方法であって、
 回転式乳化機を用いて、25m/s以上70m/s以下の周速で、凍結前の凍結用生クリームを処理する均質化工程を含む、凍結用生クリームの製造方法。
7.前記均質化工程において、前記凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように処理する、6に記載の凍結用生クリームの製造方法。
8.リン脂質を0.25質量%以上含有する、凍結前の凍結用生クリームであって、
 前記凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下である、凍結前の凍結用生クリーム。
9.20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、8に記載の凍結前の凍結用生クリーム。
10.リン脂質を0.25質量%以上含有する、解凍状態の凍結用生クリームであって、前記解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である、解凍状態の凍結用生クリーム。
11.20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、10に記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
12.前記解凍状態の凍結用生クリームを25℃で120回/分の速度で撹拌した際に、10分間以上の凝固耐性を有する、10又は11に記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
13.前記解凍状態の凍結用生クリームをホイップした際に、オーバーランが80%以上である、10~12のいずれかに記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
 本発明によれば、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる凍結用生クリーム及びその製造方法を提供することができる。
回転式乳化機の一例の内部構造を説明する、一部を省略し、一部を破切して表した斜視図である。 回転式乳化機の一例の内部構造を説明する、一部を省略して表した断面図である。 回転式乳化機が備える回転円板の外周壁面に形成されている穴の穿設状態を説明する図である。 本発明に係る凍結用生クリームの製造方法の一例を示すフロー図である。
 以下、本発明の凍結用生クリーム及びその製造方法について詳述する。
 尚、本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
1.凍結状態の凍結用生クリーム
 本発明の一態様に係る凍結状態の凍結用生クリームは、
 リン脂質を0.25質量%以上含有する凍結状態の凍結用生クリームであって、
 前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である。
 本発明の一態様に係る凍結状態の凍結用生クリームによれば、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる効果が得られる。
 尚、「凝固耐性」とは、生クリームの撹拌耐性及び耐熱性を兼ね備えた性質であり、より具体的には、25℃という高温条件下で撹拌した際において凝固しない性質ということができる。
 そのような凍結状態の凍結用生クリームは、解凍に伴う品質の劣化が防止され、凍結した状態で大幅な賞味期限の延長が可能となり(従来の2週間程度の賞味期限から例えば12カ月程度に延長できる)、長時間の輸送等にも適する。
 また、そのような凍結状態の凍結用生クリームは、特許文献1~3が記載するような凍結速度や包材、均質化条件に依拠することなく汎用性高く製造でき、また、何らの副原材料を加えることなく以上に説明した効果を発揮できる。
 本明細書において、「凍結用生クリーム」とは、凍結前の生クリーム、凍結状態の生クリーム及び解凍状態の生クリームを包含する概念である。
 ここで、「凍結前の生クリーム」(「凍結前の凍結用生クリーム」と同義である。)は、将来的に凍結に供される、凍結されていない状態の生クリームを意味する。
 また、「凍結後の(あるいは、凍結状態の)生クリーム」は、凍結された状態の生クリームを意味する。生クリームが「凍結された」状態であることは、生クリームの大部分が固体の状態であり、該生クリームの芯温が-10℃以下であることにより確認する。ここで、「芯温」とは、生クリームの中心温度を意味する。また、「生クリームの中心温度」における「中心」とは、生クリームの重心を意味する。
 さらに、「解凍後の(あるいは、解凍状態の)生クリーム」は、凍結された状態から解凍され、凍結していない状態の生クリームを意味する。解凍された生クリームは、例えば、造花させた摂食の対象となる生クリーム(所謂「ホイップドクリーム」)等であってもよい。
 尚、「凍結用生クリーム」は、「生クリーム」の条件を満たす。本明細書において、「生クリーム」とは、上述したように「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」に規定される「クリーム」を意味し、生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものである。尚、「乳脂肪分以外の成分」については、その全てを除去することを必須とするものではなく、一部が除去されていればよい。
 凍結用生クリームは、原料乳に由来する成分以外の成分を実質的に含まない。
 凍結用生クリームに用いる原料乳としては、生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳が挙げられるが、牛乳を用いることが好ましい。
 一実施形態において、凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量は、0.25質量%以上であればよく、例えば、0.27質量%以上、0.30質量%以上又は0.35質量%以上である。上限は格別限定されず、例えば、0.60質量%以下、0.50質量%以下又は0.40質量%以下である。
 凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量が0.25質量%未満では、本発明の効果が得られ難く、特に解凍後のホイップ性、凝固耐性、及び凝集並びに合一を抑制する効果が劣る。
 凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量は、実施例に記載の方法により測定する。
 一実施形態において、凍結用生クリームに含まれる乳脂肪の含有量は、20質量%以上60質量%以下、好ましくは25質量%以上55質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上50質量%以下である。
 乳脂肪の含有量は、実施例に記載の方法により測定される値である。
 一実施形態において、凍結用生クリームに含まれる無脂乳固形分(SNF:Solid not fat)の含有量は、5.0%以上12.0%以下、好ましくは5.5%以上11.5%以下、さらに好ましくは6.0質量%以上11.0質量%以下である。
 無脂乳固形分(SNF)の含有量は、実施例に記載の方法により測定される値である。
 一実施形態において、凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる、解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径(脂肪球径の中央値)は、5.0μm以下であればよく、例えば、4.5μm以下、4.0μm以下又は3.5μm以下であることが、凝固耐性値の向上の観点から、好ましい。下限は格別限定されず、例えば、2.0μm以上、2.5μm以上又は3.0μm以上である。
 凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
 一実施形態において、凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる、解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径の標準偏差は、0.5以下であればよく、例えば、0.45以下、0.40以下又は0.35以下であることが、凝固耐性値の向上の観点から、好ましい。下限は格別限定されず、例えば、0.15以上、0.20以上又は0.25以上である。
 凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径の標準偏差は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
 一実施形態において、凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる、解凍状態の凍結用生クリームは、前記解凍状態の凍結用生クリームを25℃で120回/分の速度で撹拌した際に、10分間以上の凝固耐性を有する。
 凝固耐性(凝固耐性値)は、実施例に記載の方法により測定する。
 一実施形態において、凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる、解凍状態の凍結用生クリームを5℃でホイップした際に、オーバーランが80%以上である。
 オーバーランは、実施例に記載の方法により測定する。
2.凍結用生クリームの製造方法
 本発明の一態様に係る凍結用生クリームの製造方法は、上述した本発明の一態様に係る凍結用生クリームを製造する方法であって、
 回転式乳化機を用いて、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように、前記凍結前の凍結用生クリームを処理する均質化工程を含む。
 本発明の他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法は、上述した本発明の一態様に係る凍結用生クリームを製造する方法であって、
 回転式乳化機を用いて、25m/s以上70m/s以下の周速で、凍結前の凍結用生クリームを処理する均質化工程を含む。
 これにより、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径を、2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差を0.18以下にすることができる。
 上述した本発明の一態様及び本発明の他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法によれば、それぞれ、本発明の一態様に係る凍結用生クリームを好適に製造できる。
 本発明の一態様に係る凍結用生クリームの製造方法と、本発明の他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法とを組み合わせることは好ましいことである。
 一般的な水中油型乳化物の製造において、均質化工程は、油系原料と水系原料の乳化や、乳化物として得られた脂肪球のメディアン径を小さくし、脂肪浮上を抑制するなどの目的がある。これに対して、本態様において、均質化工程は、脂肪球のメディアン径を小さくするだけでなく、脂肪球の大きさのバラつきを小さくし(脂肪球のメディアン径の標準偏差を小さくし)、さらなるクリーム性状の向上に貢献するために設けられる。ここでいう、「さらなるクリーム性状の向上」とは、ホイップ性の向上、凝固耐性の向上、及びオーバーラン向上等を意味する。
 回転式乳化機とは、空洞のあるローターが回転することにより、空洞の内部で流体力学的キャビテーションが生成する機構を備えたものをいう。液体が通過すると微細なキャビテーション気泡が生成され、それが破裂すると衝撃波が液体中に放出し乳化される。
 回転式乳化機では、回転により微細なキャビテーション流を連続的に生成しながら処理できるため、粗大な脂肪球が徐々に微細化していき、脂肪球の大きさのバラつきを小さくする(脂肪球のメディアン径の標準偏差を小さくする)ことができる。また、そのような処理により、露出する油滴表面の面積が小さく、タンパク質や脂肪球被膜成分等の被膜物質が均一に配位し、より緻密な被膜構造となる。このような均質化工程を経て製造される凍結用生クリームは、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性及び凝固耐性に優れる。後述する二段式均質機での急激な処理では、このような効果が得られない。
 回転式乳化機として、例えば、フィルミックス(プライミクス社)、キャビトロン(キャビトロン社)、インライン型高せん断分散装置(IKA社)、ハイシェアミキサー(CHARLES ROSS&SON社)、クレアミックス(エム・テクニック社)、APVキャビテーター(SPXフローテクノロジージャパン社)等が挙げられる。
 回転式乳化機の構造の一例について、図1~3を参照して説明する。
 回転式乳化機1は、図1に示すように、両端側が塞板7、8によって閉鎖されている円筒状のハウジング2と、ハウジング2内に配置されている円板状の回転体4とを備えている。
 ハウジング2は、円筒状で一端側に均質化処理を受ける被処理物(凍結前の凍結用生クリーム)が流入する入口9、他端側に均質化処理後の処理物が外側に向けて流出する出口11を備えている。
 回転体4は、図2及び図3に示すように、外周面に複数個の穴14a、14b、14c、14d、14e、14f、14gを備えている。この複数個の穴14a、14b、14c、14d、14e、14f、14gは、図示の実施形態では、外周面5から中心方向に向かって穿設されている。以下、本明細書、図面において穴を総称して符号14で表すことがある。
 回転体4の外周面5とハウジング2の内周面3との間に、図2に示すように、入口9の側から出口11の側に向かって見たときに環状で、半径方向で1.5mm~3mmの大きさの隙間6が形成されている。
 回転体4は、その外周面5と、ハウジング2の内周面3との間に隙間6を介在させて(図2)、回転軸13によって、回転可能にハウジング2内に配置されている。
 図示の回転式乳化機1では、回転体4が回転している状態で、均質化処理を受ける被処理物を、入口9からハウジング2の内側に向けて、少なくとも0.15MPaの圧力で、流入させ、回転体4の外周面5とハウジング2の内周面3との間の隙間6を通過させて出口11から均質化処理後の被処理物を流出させる。
 こうして、均質化工程を受ける被処理物が、外周面5に複数の穴14を備えている円板状の回転体4と、回転体4の外周面5との間に隙間をあけて内周面3を対向させている固定体(円筒状のハウジング2)との間を、回転体4が回転している状態で、強制的に流動することによる均質化工程が行われることになる。
 円板状の回転体4の外周面5に形成されている複数の穴14は、図3に示されるように、回転体4における円周方向の同じ位置に複数個形成されている構造になっている。図3では、いずれも、回転体4の被処理物が流動する方向(図3における図中、左側から右側に向かう方向)で異なる複数の位置における円周方向の同じ位置にそれぞれ複数個形成されている構造になっている。
 図3では、回転体4の被処理物が流動する方向で異なる4つの位置における円周方向の同じ位置にそれぞれ複数個形成されている。即ち、穴14の列が回転体4の被処理物が流動する方向で4列存在している構造になっている。
 上述した回転体4のサイズ、回転体4の外周面5とハウジング2の内周面3との間に形成される隙間6の半径方向の大きさ、穴14の数、穴14の面積比などは、均質化処理を施す被処理物の性状、ハウジング2内に被処理物が送り込まれるときの圧力、流量、均質化処理後に形成される粒子の平均粒子径の大きさ、等々を勘案して設定される。
 例えば、回転体4を25m/s以上70m/s以下の周速で回転させつつ、被処理物を0.15MPa~0.30MPaの圧力で、流量1000~5000L/Hにて、ハウジング2内に流入させ、回転体4の外周面5とハウジング2の内周面3との間の隙間6を通過させて出口11から均質化処理後の処理物を流出させることができる。
 以上に説明したような回転式乳化機において、均質化工程を受ける被処理物は、外周面に複数の穴を備えている円板状の回転体と、当該回転体の外周面との間に隙間をあけて内周面を対向させている固定体との間を、前記回転体が回転している状態で、強制的に流動することにより、均質化処理を受ける。
 尚、生クリームの製造技術ではないが、添加物を含むクリームの均質化のために、高圧ホモゲナイザー等の二段式均質機を用いる技術がある(特開2017-163953号公報)。二段式均質機は、脂肪球を小さくする機能を有するが、乳化物に対して高圧に加圧し、乳化物がスリット(隙間)を抜ける際のせん断力を利用して油滴を小さく粉砕し、分散及び均質化させる機構であるため、脂肪球の大きさのバラつきを小さくすることが困難であり、特に脂肪球のメディアン径の標準偏差を0.18以下にすることはできない。
 以下に、本発明の一態様及び他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法について、図4を参照してさらに詳しく説明する。
 図4は、本発明に係る凍結用生クリームの製造方法の一例を示すフロー図である。
 図4の例において、凍結用生クリームの製造方法は、(A)分離工程、(B)乳化破壊及び濃縮工程、(C)均質化工程、(D)殺菌及び冷却工程、並びに(E)凍結工程を有する。
 (A)分離工程では、原料乳を、脱脂乳と分離クリームとに分離する。分離クリームは、乳脂肪の含有量(脂肪率)が、18質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
 分離工程に供される原料乳は、冷却されたものであっても、室温であっても、加温されたものであってもよい。分離工程に供される原料乳の温度は、例えば、5℃~70℃である。
 分離工程に用いられる分離装置は格別限定されず、例えば、遠心分離機等を好適に用いることができる。
 (B)乳化破壊及び濃縮工程では、分離工程で得られた分離クリームの一部を乳化破壊して乳脂肪塊を除去し、次いで、前記乳脂肪塊が除去された前記分離クリームを濃縮する。これにより、高リン脂質画分が得られる。乳脂肪塊は、分離クリームの流路とは別の流路から排出される。
 分離クリームを乳化破壊する方法は格別限定されず、例えば、連続式撹拌装置により撹拌する方法等が挙げられる。連続式撹拌装置としては、例えば、バターマシン(シモン社)やホバートミキサー(ホバートジャパン社)等が挙げられる。
 乳脂肪塊が除去された分離クリームを濃縮する方法は格別限定されず、例えば、膜濃縮法等が挙げられる。膜濃縮法に用いる膜の種類は格別限定されず、例えば、逆浸透(RO)膜、ナノろ過(NF)膜、限外ろ過(UF)膜、精密ろ過(MF)膜等が挙げられ、中でもUF膜が好適である。
 リン脂質はクリーム中の脂肪球被膜画分に存在する。よって、分離クリームの一部を乳化破壊することにより脂肪球被膜画分を得、次いで、前記脂肪球被膜画分を濃縮することで、リン脂質が高濃度含まれた高リン脂質画分が得られる。
 高リン脂質画分におけるリン脂質の濃度は、例えば、0.4質量%以上0.9質量%以下である。
 尚、本明細書では、凍結用生クリームの原料乳に由来するリン脂質について、「乳リン脂質」ともいう。
 分離工程において生じた脱脂乳と、乳化破壊及び濃縮工程で得られた高リン脂質画分とを、本流の分離クリームに戻す。これにより、得られる凍結用生クリームの乳脂肪分比率や、リン脂質比率を自由に設計することが可能になる。本発明において、凍結用生クリームは、高リン脂質画分を含むことによって、一般的な生クリームよりも高濃度のリン脂質を含むことができる。
 脱脂乳と高リン脂質画分とを本流の分離クリームへ同時に戻してもよいし、これらの何れかを先に本流の分離クリームへ戻した後、得られた分離クリームに他の1つを戻してもよい。
 尚、凍結前の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量は、凍結状態の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量と、実質的に同じである。また、乳脂肪及び無脂乳固形分等の組成についても、凍結前の凍結用生クリームと、凍結状態の凍結用生クリームとで、実質的に同じである。
 (C)均質化工程では、回転式乳化機を用いて、凍結前の凍結用生クリームを処理する。
 均質化工程については、上述したとおりであり、本発明の一態様に係る凍結用生クリームの製造方法では、回転式乳化機を用いて、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように、前記凍結前の凍結用生クリームを処理する。
 本発明の他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法では、回転式乳化機を用いて、25m/s以上70m/s以下の周速で、凍結前の凍結用生クリームを処理する。
 (D)殺菌及び冷却工程
 殺菌及び冷却工程では、均質化工程で得られた凍結用生クリームを加熱により殺菌し、その後、冷却する。
 殺菌工程での凍結用生クリームの加熱温度は、120~135℃が好ましく、より好ましくは120~125℃である。その後の冷却工程では、凍結用生クリームを2~10℃に冷却する。殺菌方法としては、例えば、蒸気加熱殺菌、間接加熱殺菌、内部加熱殺菌等の手法が例示でき、冷却工程では、そのような工程を介した後の高温状態から冷却することができる。
 冷却方式は格別限定されないが、間接冷却が好ましく、例えば、プレート式、チューブラー式、多管式、掻き取り式冷却方式等が挙げられる。これらの方式のうち、プレート式を用いるのが好ましい。
 (E)凍結工程
 凍結工程では、殺菌及び冷却工程を経た凍結用生クリームを凍結させる。
 凍結方法は格別限定されない。例えば、サーモジャックフリーザーを用いた場合は、凍結用生クリームの中心部の温度が0℃から-5℃まで降温するのに、40分~70分を要する。凍結用生クリームを庫内温度-26℃の冷凍庫にて静置した場合は、0℃から-5℃まで降温するのに100分~130分を要する。
 凍結工程に供する前に、凍結用生クリームを2~10℃で2~24時間程度静置してエージングすることが好ましい。
3.凍結前の凍結用生クリーム
 本発明の一態様に係る凍結前の凍結用生クリームは、リン脂質を0.25質量%以上含有する、凍結前の凍結用生クリームであって、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下である。
 本発明の一態様に係る凍結前の凍結用生クリームによれば、これを凍結し、解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性および凝固耐性に優れる効果が得られる。
 本発明の一態様に係る凍結前の凍結用生クリームのその他の構成については、本発明の一態様に係る凍結用生クリーム並びに本発明の一態様及び他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法についてした説明が援用される。
 尚、凍結前の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量は、凍結状態の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量と、実質的に同じである。また、乳脂肪及び無脂乳固形分等の組成についても、凍結前の凍結用生クリームと、凍結状態の凍結用生クリームとで、実質的に同じである。
4.解凍状態の凍結用生クリーム
 本発明の一態様に係る解凍状態の凍結用生クリームは、リン脂質を0.25質量%以上含有する、解凍状態の凍結用生クリームであって、前記解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である。
 本発明の一態様に係る解凍状態の凍結用生クリームによれば、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、また、ホイップ性および凝固耐性に優れる効果が得られる。
 本発明の一態様に係る解凍状態の凍結用生クリームのその他の構成については、本発明の一態様に係る凍結用生クリーム並びに本発明の一態様及び他の態様に係る凍結用生クリームの製造方法についてした説明が援用される。
 尚、解凍状態の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量は、凍結状態の凍結用生クリームに含まれるリン脂質の含有量と、実質的に同じである。また、乳脂肪及び無脂乳固形分等の組成についても、解凍状態の凍結用生クリームと、凍結状態の凍結用生クリームとで、実質的に同じである。
 以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
(実施例1~10及び比較例1~8)
1.凍結用生クリームの調製
(A)遠心分離
 原料乳を60℃に加温した後、遠心分離機(West Falia社製「SA-1」)を用いて遠心分離し、分離クリームと脱脂乳とを得た。
 分離クリームにおける乳脂肪の含有量(脂肪率)は55.70質量%であり、SNF(無脂乳固形分)の含有量は4.28質量%であった。
 乳脂肪の含有量(脂肪率)はバブコック法により測定した。
 SNF(無脂乳固形分)の含有量は常圧加熱乾燥法により測定した。
(B)乳化破壊及び濃縮
 分離クリームの一部を10℃まで冷却し、バターマシンのチャーニングセクション(シモン社)に通液し、乳脂肪塊を除去した後、限外ろ過(UF)膜(KOCH社製「HpHT 3838-K131-NYV」)を用いて全固形分が2.5倍になるように濃縮して濃縮液を得た。得られた濃縮液を「高リン脂質画分」と称する。
 高リン脂質画分のリン脂質濃度は0.6質量%であった。
 リン脂質濃度は次の方法により求めた。まず、試料から、クロロホルム-メタノール混合溶液により全脂肪分(乳脂肪及びリン脂質等)を抽出した後、全脂肪分中のリン含量をICP発光分析法で定量した。得られたリン含量に基づき、リン脂質濃度を算出した。
(C)均質化
 脂肪率及びリン脂質濃度が表1及び2に示す値となるように、上記「(A)遠心分離」において生じた分離クリームに、脱脂乳と、分離クリームの一部から「(B)乳化破壊及び濃縮」工程を経て得られた高リン脂質画分とを戻した。このようにして得られたクリームを65℃に加温した後、高周速回転式乳化機(SPXフローテクノロジージャパン社製「APVキャビテーター」)を用いて均質化処理をした。この均質化処理に際しては、高周速回転式乳化機の周速度を表1及び2に示す値に設定した。
(D)殺菌及び冷却
 均質化処理後のクリームを、プレート式熱交換器(岩井機械工業社製)に通液し、120℃で15秒間の条件で殺菌処理をした後、3℃~7℃まで冷却し、12時間のエージング処理(3~7℃で静置)をした。このようにして得られた生クリームを「凍結前の凍結用生クリーム」と称する場合がある。
(E)凍結
 エージング処理後の生クリーム1000mLを1L容量のゲーブル容器(日本製紙社製)に充填し、開封部をシールし、以下の凍結処理に供した。
 実施例1~10及び比較例1~8の生クリームについて、-26℃の冷凍庫で24時間以上静置冷却し、凍結状態の凍結用生クリームを調製した。
2.凍結状態の凍結用生クリームの解凍
 実施例1~10及び比較例1~8の凍結状態の凍結用生クリームを、5℃の冷蔵庫でクリーム中心温度が5℃に到達するまで静置し、解凍した。このようにして得られた生クリームを「解凍状態の凍結用生クリーム」と称する場合がある。
3.評価方法
 実施例1~10及び比較例1~8における凍結前の凍結用生クリーム及び解凍状態の凍結用生クリームについて、以下の測定を行った。
(1)脂肪球の粒度分布の測定
 レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD-2200」)を用いて、3~20℃(好ましくは15℃)に調温された生クリームに含まれる脂肪球の粒度分布を測定し、メディアン径(脂肪球粒度分布の中央値に対応する粒子径)と、メディアン径の標準偏差とを測定した。
 粒度分布測定は、体積基準で行った。
(2)凝固耐性値の測定
 凝固耐性値とは、100gの生クリーム(解凍後の生クリーム)をビーカー(200mL)に入れて、ステンレス製のプロペラ羽根(撹拌羽根)を備えた乳化機(HEIDON社製「BLh1200R」)を用いて、25℃において120回/分の速度で撹拌した時に、凝固するまでの所要時間である。
 乳化機の撹拌羽根に伝わる負荷電流を経時的に測定し、負荷電流の値が上昇した時に、生クリームが凝固したと判定する。
(3)ホイップ時オーバーランの測定
 5℃に調温した生クリーム(凍結前の生クリーム及び凍結後の生クリーム)を、ミキサー(愛工舎社製)を用いてホイップした(条件:ダイヤル5)。クリームの硬さは針入度計(丸菱化学機械製作所社製)を用いて計測し、クリームの硬さが針入度280~300となるまでホイップした。ホイップの前後において生クリームの一定容積あたりの質量(W及びW)を測定した。ホイップ時のオーバーランを次式により求めた。
 ホイップ時オーバーラン=((W-W)/W)×100[%]
 W:ホイップ前の一定容積あたりの質量(g)
 W:ホイップ後の一定容積あたりの質量(g)
(4)生クリームの総合評価
 生クリームについて総合評価した。具体的には、以下の評価項目1~4を全て満たす場合を「A」、評価項目を全て満たさないが1つ以上満たす場合を「B」、評価項目を1つも満たさない場合を「C」とした。
[評価項目1:凝集評価]
 解凍後の生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である。
[評価項目2:合一評価]
 解凍後の生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径及びメディアン径の標準偏差が、凍結前の生クリームの2倍以下である。
[評価項目3:凝固耐性評価]
 解凍後の生クリームの凝固耐性値が10分以上である。
[評価項目4:ホイップ性評価]
 凍結前後でのホイップ時オーバーランの低下が10%未満である。
 以上の結果を表1及び表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1(及び後に示す表2)において、「ホイップ不可」とは、過度に脂肪球の凝集及び合一(脂肪塊の生成)が起きており、通常の液体のクリームのように起泡を抱き込むことができなくなっている状態を意味する。
 表1より、実施例の凍結用生クリームは、該凍結用生クリームを解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、ホイップ性及び凝固耐性に優れることがわかった。
 また、比較例の結果より、脂肪球被膜成分であるリン脂質が不足している場合、均質化工程により脂肪球粒径を調整すると凍結解凍後の凝集が生じることがわかった。一方で、実施例の結果より、生クリーム中のリン脂質量が一定以上存在する場合、均質化工程による脂肪球被膜損傷への耐性が向上し、凍結解凍後の凝集が抑制されることがわかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2より、実施例の凍結用生クリームは、該凍結用生クリームを解凍した場合に、脂肪球同士の凝集や合一を防止でき、ホイップ性及び凝固耐性に優れることがわかった。
 また、均質化工程において、脂肪球の粒度分布を調整した場合、調整しない場合と比較して、凍結解凍後の凝固耐性及び、オーバーランの低下の抑制等、クリームの性状が良好となることが分かった。さらに、均質化工程における回転式乳化機の周速が25m/s以上70m/s以下の範囲内であれば、いずれも解凍後の凝集が抑制されることがわかった。
 上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
 この明細書に記載の文献、及び本願のパリ条約による優先権の基礎となる出願の内容を全て援用する。

 

Claims (13)

  1.  リン脂質を0.25質量%以上含有する凍結状態の凍結用生クリームであって、前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍して得られる解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である、凍結状態の凍結用生クリーム。
  2.  20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、請求項1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
  3.  前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍し、25℃で120回/分の速度で撹拌した際に、10分間以上の凝固耐性を有する、請求項1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
  4.  前記凍結状態の凍結用生クリームを5℃で解凍し、ホイップした際に、オーバーランが80%以上である、請求項1に記載の凍結状態の凍結用生クリーム。
  5.  請求項1~4のいずれかに記載の凍結用生クリームを製造する方法であって、
     回転式乳化機を用いて、凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように処理することを含む、凍結用生クリームの製造方法。
  6.  請求項1~4のいずれかに記載の凍結用生クリームを製造する方法であって、
     回転式乳化機を用いて、25m/s以上70m/s以下の周速で、凍結前の凍結用生クリームを処理する均質化工程を含む、凍結用生クリームの製造方法。
  7.  前記均質化工程において、前記凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下となるように処理する、請求項6に記載の凍結用生クリームの製造方法。
  8.  リン脂質を0.25質量%以上含有する、凍結前の凍結用生クリームであって、
     前記凍結前の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が2.0μm以上4.0μm以下、かつメディアン径の標準偏差が0.18以下である、凍結前の凍結用生クリーム。
  9.  20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、請求項8に記載の凍結前の凍結用生クリーム。
  10.  リン脂質を0.25質量%以上含有する、解凍状態の凍結用生クリームであって、前記解凍状態の凍結用生クリームに含まれる脂肪球のメディアン径が5.0μm以下であり、かつメディアン径の標準偏差が0.5以下である、解凍状態の凍結用生クリーム。
  11.  20質量%以上60質量%以下の乳脂肪と、6.0質量%以上11.0質量%以下の無脂乳固形分とを含有する、請求項10に記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
  12.  前記解凍状態の凍結用生クリームを25℃で120回/分の速度で撹拌した際に、10分間以上の凝固耐性を有する、請求項10又は11に記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
  13.  前記解凍状態の凍結用生クリームをホイップした際に、オーバーランが80%以上である、請求項10又は11に記載の解凍状態の凍結用生クリーム。
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