WO2023203663A1 - 投影基板及び眼鏡型端末 - Google Patents

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  • the predetermined value is 0.5
  • the second fill factor of the one second divided region is within a range that does not include the predetermined value
  • the second fill factor of the one second divided region is closer to the branch region than the one second divided region.
  • the second fill factor of the two divided regions may be within a range including the predetermined value.
  • the input region 210 has a diffraction grating in which a plurality of first grooves 212 are formed at an IPE (Input Pupil Expander) period.
  • the plurality of first grooves 212 function as a diffraction grating by being arranged in the same direction on the upper surface of the projection substrate 100 with predetermined groove widths and intervals.
  • the incident region 210 has a reflection type or transmission type diffraction grating, and guides the projection light in the direction of the branching area 220 by reflection type diffraction or transmission type diffraction.
  • the branch region 220 has such a first reflection region 226, the plurality of first division regions 224 guide at least a portion of the light reflected by the first reflection region 226 to the output region 230. Thereby, the branch region 220 can guide more projection light to the output region 230.
  • the depth of the second groove portion 222 of the plurality of first divided regions 224 is determined by the amount of projection light that each first divided region 224 guides to the output region 230 including the light reflected by the first reflective region 226. may be determined to be approximately constant.

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Abstract

第1面から入射した光の少なくとも一部を第1面の反対側の第2面へと透過させ、第2面に画像光を投影させるための投影基板であって、投影光が入射する入射領域と、入射領域から入射した投影光を導波する第1回折格子を有する分岐領域と、分岐領域から入射した投影光の一部を導波した後に第2面から投影光の一部を出射する第2回折格子を有する出射領域と、を備え、入射領域は投影光を分岐領域に導波し、分岐領域は投影光の一部を出射領域に向けて回折させ、第1回折格子は、投影光を導波する第1方向に繰り返して形成された第1凸部と第1凹部による複数の第1凹凸部を有し、複数の第1分割領域のうちの一の第1分割領域の第1凹凸部の第1周期に対する第1凸部の第1方向における幅の割合である第1フィルファクターは、一の第1分割領域よりも入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターよりも0.5から離れている、投影基板。

Description

投影基板及び眼鏡型端末
 本発明は、投影基板及び眼鏡型端末に関する。
 従来、ウェーブガイド等を含む光学系を用いて2次元画像をユーザに観察させるように表示する眼鏡型のデバイス、ヘッドマウントディスプレイ等が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2017-207686号公報
 このような装置は、限られた空間に光学系を組み込むので、光学系が複雑になってしまうことがあった。また、簡便な光学系にすると、表示領域に投影する画像の輝度にバラツキが生じてしまうことがあった。
 そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡便な構成でユーザに観察させる投影画像の輝度のバラツキを低減できるようにすることを目的とする。
 本発明の第1の態様においては、第1面から入射した光の少なくとも一部を前記第1面の反対側の第2面へと透過させつつ、前記第2面に画像光を投影させるための投影基板であって、前記画像光を投影させるための投影光が入射する入射領域と、前記入射領域から入射した前記投影光を導波する第1回折格子を有する分岐領域と、前記分岐領域から入射した前記投影光の一部を導波した後に前記第2面から前記投影光の一部を出射する第2回折格子を有する出射領域と、を備え、前記入射領域は、入射した前記投影光を前記分岐領域に導波し、前記分岐領域は、前記投影光の一部を前記出射領域に向けて回折させ、前記第1回折格子は、前記投影光を導波する第1方向に繰り返すように形成された第1凸部と第1凹部とにより構成される複数の第1凹凸部を有し、前記分岐領域は、複数の第1分割領域を有し、一の第1分割領域の前記第1凹凸部の第1周期に対する前記第1凸部の前記第1方向における幅の割合である第1フィルファクターは所定値を含まない範囲内であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは前記所定値を含む範囲内である、投影基板を提供する。
 前記複数の第1分割領域それぞれの前記第1凹凸部の前記第1周期は、同一であってもよい。
 前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さよりも大きく、前記一の第1分割領域の第1フィルファクターと、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターとの差の絶対値が、前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さと、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さとの差の絶対値が大きいほど小さくともよい。
 前記所定値は、0.5であり、前記複数の第1分割領域のうちの前記入射領域から最も遠い前記一の第1分割領域の第1フィルファクターは0.35以下又は0.65以上の範囲内であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは0.3以上0.7以下の範囲内であってもよい。
 前記第2回折格子は、前記投影光を導波する第2方向に繰り返すように形成された第2凸部と第2凹部とにより構成される複数の第2凹凸部を有し、前記出射領域は、複数の第2分割領域を有し、前記複数の第2分割領域のうちの一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の第2周期に対する前記第2凸部の前記第2方向における幅の割合である第2フィルファクターは、前記所定値を含む範囲内であってもよい。
 前記複数の第2分割領域それぞれの前記第2凹凸部の前記第2周期は、同一であってもよい。
 前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さよりも大きく、前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の第2周期に対する前記第2凸部の前記第2方向における幅の割合である第2フィルファクターと、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターとの差の絶対値が、前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さと、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さとの差の絶対値が大きいほど小さくともよい。
 前記所定値は、0.5であり、前記一の第2分割領域の第2フィルファクターは前記所定値を含まない範囲内であり、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターは前記所定値を含む範囲内であってもよい。
 前記所定値は、0.5であり、前記複数の第1分割領域それぞれの前記第1周期は50nm以上1μm以下であり、前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは50nm以上800nm以下であり、前記一の第1分割領域の第1フィルファクターは0.35以下又は0.65以上であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは5nm以上100nm以下であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは0.3以上0.7以下であり、前記複数の第2分割領域それぞれの前記第2周期は100nm以上1μm以下であり、前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは50nm以上800nm以下であり、前記一の第2分割領域の第2フィルファクターは0.35以下又は0.65以上であることが望ましく、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは5nm以上100nm以下であり、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターは0.3以上0.7以下であってもよい。
 本発明の第2の態様においては、ユーザが装着する眼鏡型端末であって、前記ユーザの右眼用のレンズ及び左眼用レンズのうち少なくとも一方として設けられており、前記第1面から入射する少なくとも一部の光を前記ユーザの眼へと透過させつつ、前記第2面に前記画像光を投影させる、請求項1又は2に記載の前記投影基板と、前記投影基板を固定しているフレームと、前記フレームに設けられており、前記出射領域に前記画像光を投影させるための前記投影光を前記投影基板の前記入射領域に照射する投影部とを備える、眼鏡型端末を提供する。
 本発明によれば、簡便な構成でユーザに観察させる投影画像光の輝度のバラツキを低減できるという効果を奏する。
本実施形態に係る眼鏡型端末10の構成例を示す。 本実施形態に係る眼鏡型端末10における投影光の光路の概略を示す。 本実施形態に係る投影基板100における投影光の光路の概略を示す。 本実施形態に係る投影部120が投影基板100に照射する投影光と、投影基板100が出射する画像光の一例を示す。 本実施形態に係る投影基板100の構成例を示す。 第1フィルファクターを説明するための図である。 瞳で結像する画像の輝度のシミュレーションの結果を示す図である。 本実施形態に係る眼鏡型端末10の変形例を示す。
<眼鏡型端末10の構成例>
 図1は、本実施形態に係る眼鏡型端末10の構成例を示す。本実施例において、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸とする。眼鏡型端末10は、ユーザが装着する、例えば、ウェアラブルデバイスである。眼鏡型端末10は、眼鏡越しの景色をユーザに観察させつつ、投影基板100に設けられている表示領域に画像光を投影する。眼鏡型端末10は、投影基板100と、フレーム110と、投影部120とを備える。
 投影基板100は、第1面から入射する少なくとも一部の光をユーザの眼へと透過させつつ、第2面に前記画像光を投影させる。ここで、投影基板100の第1面は、眼鏡型端末10をユーザが装着した状態でユーザとは反対側を向く面である。また、投影基板100の第2面は、眼鏡型端末10をユーザが装着した状態でユーザを向く面である。図1は、投影基板100の第1面及び第2面がXY平面と略平行に配置されている例を示す。投影基板100は、例えば、ガラス基板にウェーブガイドとして機能する回折格子が形成されている基板である。投影基板100については後述する。
 フレーム110は、投影基板100を固定している。フレーム110には、ユーザの右眼用のレンズ及び左眼用レンズのうち少なくとも一方として投影基板100が設けられている。図1は、フレーム110にユーザの右眼用のレンズとして投影基板100aが設けられており、左眼用レンズとして投影基板100bが設けられている例を示す。
 これに代えて、フレーム110は、ユーザの右眼用のレンズ又は左眼用レンズとして1つの投影基板100が設けられていてもよい。また、フレーム110は、ユーザの両眼用レンズとして1つの投影基板100が設けられていてもよい。この場合、フレーム110は、ゴーグルの形状を有してもよい。フレーム110は、ユーザが当該眼鏡型端末10を装着できるように、テンプル、ストラップ等の部位を有する。
 投影部120は、フレーム110に設けられており、投影基板100に画像光を投影させるための投影光を投影基板100に向けて照射する。フレーム110には、このような投影部120が1又は複数設けられている。図1は、投影基板100aに投影光L1を照射するための投影部120aと、投影基板100bに投影光L2を照射するための投影部120bとがフレーム110に設けられている例を示す。
 投影部120は、フレーム110の投影基板100を固定している部位に設けられていてもよく、フレーム110のテンプル等に設けられていてもよい。投影部120は、フレーム110と一体になるように設けられていることが望ましい。投影部120は、例えば、1つの波長を含む投影光を投影基板100に照射して、ユーザに単色の画像を観察させる。また、投影部120は、複数の波長を含む投影光を投影基板100に照射して、ユーザに複数の色を含む画像を観察させてもよい。
 図2は、本実施形態に係る眼鏡型端末10における投影光の光路の概略を示す。投影部120は、投影基板100に設けられている入射領域210に投影光を照射する。入射領域210は、投影基板100の基板内に投影光を導波する。そして、投影基板100は、基板内を導波された投影光を出射領域230から画像光として出射する。なお、入射領域210及び出射領域230については後述する。
 図3は、本実施形態に係る投影基板100における投影光の光路の概略を示す。後述するが、投影基板100は、入射領域210、分岐領域220、及び出射領域230を有する。投影光Lは、入射領域210に入射し、分岐領域220を経て出射領域230から画像光Pとして出射する。分岐領域220は、投影光Lが入射領域210から離れて進行するにつれて、投影光Lを一部ずつ出射領域230に導波する。
 同様に、出射領域230も、投影光Lが分岐領域220から離れて進行するにつれて、投影光Lの一部ずつの光を画像光Pの一部として出射する。これにより、投影基板100は、入射領域210に入射した投影光Lを出射領域230から画像光Pとして出射する。
 ここで、分岐領域220が、分岐領域220の領域全体において一定の割合で投影光Lを出射領域230に導波する例を考える。この場合、投影光Lが入射領域210から離れて進行するにつれて投影光Lの光量が減少するので、分岐領域220から出射領域230に入射する投影光Lは、入射領域210からの距離によって強度が異なってしまうことがある。
 同様に、出射領域230が、出射領域230の領域全体において一定の割合で投影光Lを画像光Pとして出射する例を考える。この場合、投影光Lが分岐領域220から離れて進行するにつれて投影光Lの光量が減少するので、出射領域230から出射する画像光Pは、入射領域210からの距離及び出射領域230からの距離によって強度が異なってしまうことがある。例えば、出射領域230が投影する画像の左上の画素から右下の画素に向けて、輝度が徐々に低減してしまうことがある。本実施形態に係る投影基板100は、このような輝度のバラツキを低減させるものである。
<投影光と画像光の一例>
 図4は、本実施形態に係る投影部120が投影基板100に照射する投影光Lと、投影基板100が出射する画像光Pの一例を示す。投影部120は、例えば、+Z方向に位置する投影基板100の第2面に向けて投影光Lを照射する。投影光Lは、ユーザに見せる画像に対応しており、例えば、XY平面と略平行な面にスクリーン等を設置して投影光Lを投影させた場合、当該スクリーンにはユーザに観察させる画像M1が表示される。ユーザに見せる画像は、例えば投影部120が有するプロセッサが作成するAR(Augmented Reality)画像又はVR(Virtual Reality)画像である。このように、投影部120は、XY平面と略平行な面に画像M1を形成する複数の光線を投影光Lとして照射する。
 本実施形態において、投影部120が、XY平面と略平行な面においてX軸方向を長手方向とした略長方形の画像M1を投影する例を説明する。また、図4において、投影部120が照射する複数の光線のうち5つの光線を入力光線20として示す。例えば、画像の左上の画素に対応する光線を第1入力光線20a、画像の左下の画素に対応する光線を第2入力光線20b、画像の中央の画素に対応する光線を第3入力光線20c、画像の右上の画素に対応する光線を第4入力光線20d、画像の右下の画素に対応する光線を第5入力光線20eとする。
 投影部120は、例えば、このような投影光Lを無限遠または所定の位置に正立虚像を作る様に投影基板100の入射領域210に照射する。入射領域210に入射した投影光は、分岐領域220を経て出射領域230から画像光Pとして出射される。画像光Pは、出射領域230から出射され、投影基板100から距離dだけ離れたユーザの眼に入射する。そして、画像光Pは、ユーザの眼の網膜で画像M2として結像する。このように、画像光Pは、画像M2として結像する複数の光線束を含む。
 図4において、投影基板100の出射領域230の円形領域Cから照射され、所定の位置で結像する複数の光線束のうち5つの光線束を出力光線束30として示す。例えば、画像の右下の画素として結像する光線束を第1出力光線束30a、画像の右上の画素として結像する光線束を第2出力光線束30b、画像の中央の画素として結像する光線束を第3出力光線束30c、画像の左下の画素として結像する光線束を第4出力光線束30d、画像の左上の画素として結像する光線束を第5出力光線束30eとする。
 それぞれの光線束は、投影部120から入射した複数の入力光線20のそれぞれに対応する。例えば、第1出力光線束30aは、第1入力光線20aに対応しており、第1入力光線20aが投影基板100の入射領域210から出射領域230までの間に複数回の分岐及び複数回の回折等によって発生した複数の光線を含む。同様に、第2出力光線束30bは第2入力光線20bに、第3出力光線束30cは第3入力光線20cに、第4出力光線束30dは第4入力光線20dに、第5出力光線束30eは第5入力光線20eに、それぞれ対応する。
 言い換えると、出射領域230から出射される画像光Pがユーザの眼の網膜で結像した画像M2は、投影部120が照射した投影光Lが投影する画像M1に対応する。これにより、眼鏡型端末10を装着したユーザは、投影基板100越しに見る風景に重ねて、投影基板100の第2面に画像M2が投影されているように感じることができる。言い換えると、出射領域230は、投影光Lが投影する画像M1に対応する画像M2を表示させる表示領域として機能する。
 図4において、ユーザが観測する画像M2は、投影光Lが投影する画像M1を上下及び左右に反転した画像となる例を示す。なお、投影光Lが投影する画像M1は、静止画であってもよく、これに代えて、動画であってもよい。以上のように、入射した投影光Lに対応する画像光Pを出射する投影基板100について次に説明する。
<投影基板100の構成例>
 図5は、本実施形態に係る投影基板100の構成例を示す。図3は、投影基板100の第1面及び第2面がXY平面と略平行に配置されている例を示す。投影基板100は、第1面から入射した光の少なくとも一部を第1面の反対側の第2面へと透過させつつ、第2面に画像光を投影させるための基板である。投影基板100は、一例として、ガラス基板である。投影基板100は、入射領域210と、分岐領域220と、出射領域230とを備える。
<入射領域210の例>
 入射領域210は、画像光を投影させるための投影光が入射し、入射した投影光を分岐領域220に向けて導波する。図5は、入射領域210がXY平面と略平行な面において、円形の形状を有する例を示すが、これに限定されることはない。入射領域210は、投影光を分岐領域220へと導波できればよく、楕円形、多角形、台形等の形状を有してよい。
 入射領域210は、複数の第1溝部212がIPE(Input Pupil Expander)周期で形成されている回折格子を有する。言い換えると、複数の第1溝部212は、予め定められた溝の幅及び間隔で投影基板100の上面に同一方向に配列されていることにより、回折格子として機能する。入射領域210は、反射型又は透過型の回折格子を有し、反射型回折又は透過型回折によって分岐領域220の方向に投影光を導く。
 複数の第1溝部212のIPE周期は、例えば、10nm程度から10μm程度の範囲である。IPE周期は、100nm程度から1μm程度の範囲であることが好ましい。IPE周期は、200nm程度から800nm程度の範囲であることがより好ましい。複数の第1溝部212の深さは、1nm程度から10μm程度の範囲である。複数の第1溝部212の深さは、50nm程度から800nm程度の範囲であることが好ましい。
 複数の第1溝部212のフィルファクターは、0.05程度から0.95程度の範囲である。複数の第1溝部212のフィルファクターは、0.3程度から0.7程度の範囲であることが好ましい。ここで、フィルファクターは、隣接する2つの第1溝部212の間の距離をIPE周期で割った値である。なお、隣接する2つの第1溝部212の間の距離をライン、第1溝部212の幅をスペース、IPE周期をピッチと呼ぶことがあり、この場合、ピッチはラインとスペースの和であり、フィルファクターは、ラインをピッチで割った値である。
 複数の第1溝部212は、例えば、入射領域210から分岐領域220に向かう方向に配列されている。ここで、入射領域210から分岐領域220に向かう投影光の進行方向を第1方向とする。図5は、第1方向がX軸方向と略平行な方向であり、Y軸方向と略平行な方向に延伸する第1溝部212が第1方向に配列されている例を示す。投影光は、収束しつつ入射領域210に入射するので、入射領域210は、投影基板100の面内において第1方向を中心として広がり角を有するように投影光を分岐領域220へと導波する。
<分岐領域220の例>
 分岐領域220は、入射領域210から入射した投影光の一部を出射領域230に向けて導波する。分岐領域220は、XY平面と略平行な面において、投影光が通過する領域に設けられている。分岐領域220は、反射型の回折格子を有し、反射型回折によって出射領域230の方向へと投影光を導く。分岐領域220は、例えば、第1方向を長手方向とした長方形の形状を有する。
 なお、投影光は第1方向を中心に広がりながら進行するので、分岐領域220は、入射領域210から離れるにつれて、入射領域210を通り投影光の進行方向である第1方向から離れるように広がる形状を有していることが好ましい。分岐領域220は、例えば、XY平面と略平行な面において、台形、扇型等の形状を有する。図5は、分岐領域220が台形の形状を有する例を示す。このような形状の分岐領域220は、投影光がXY平面において広がりながら進行する領域に対応して形成することができ、投影光を効率的に導波することができる。
 分岐領域220は、第1方向に繰り返すように第1凸部と第1凹部とにより構成される複数の第1凹凸部が形成されている。以下、第1凹凸部を第2溝部222という。すなわち、分岐領域220は、複数の第2溝部222が第1周期で形成されている第1回折格子を有する。言い換えると、複数の第2溝部222は、予め定められた溝の幅及び間隔で投影基板100の上面に同一方向に配列されていることにより、回折格子として機能する。分岐領域220は、例えば、反射型の回折格子として機能し、投影光を出射領域230へと導く。
 複数の第2溝部222の第1周期は、複数の第1溝部212のIPE周期とは異なる周期である。第1周期は、投影光を出射領域230へと導くために適切な周期が選択されることが望ましい。第1周期は、例えば、10nm程度から10μm程度の範囲である。第1周期は、50nm程度から1μm程度の範囲であることが好ましい。第1周期は、100nm程度から700nm程度の範囲であることがより好ましい。複数の第2溝部222の深さは、1nm程度から10μm程度の範囲である。複数の第2溝部222の深さは、5nm程度から800nm程度の範囲であることが好ましい。
 複数の第2溝部222は、例えば、予め定められた方向に配列されている。例えば、分岐領域220から出射領域230に向かう方向を第2方向とし、第1方向と第2方向とがなす角を第1角度とする。この場合、複数の第2溝部222は、第1方向に対して第1角度の1/2の角度だけ第2方向に傾斜する方向に形成されている。図5は、第2方向がY軸方向と略平行な方向であり、第1角度が略90度であり、複数の第2溝部222が第1方向に対して略45度だけ第2方向に傾斜した方向に配列している例を示す。
 分岐領域220は、入射した投影光の進行方向に配列されている複数の第1分割領域224を有する。複数の第1分割領域224に形成されている第2溝部222は、それぞれ深さが異なる。言い換えると、分岐領域220において、入力した投影光のうち出射領域230へと導波される光の割合が第1分割領域224毎に異なるように、第2溝部222が形成されている。
 分岐領域220は、3つ以上の第1分割領域224を有することが望ましい。複数の第1分割領域224それぞれに形成された複数の第2溝部222の第1周期は、例えばすべて同一である。このように、分岐領域220は、複数の第1分割領域224に分割され、出射領域230に導波される投影光の光量を第1分割領域224毎に異ならせることにより、入射領域210からの距離によって強度が異なる投影光を出射領域230に導波しつつ、投影光の進行方向に対して垂直な方向の光量の分布を略一定に調節する。
 例えば、一の第1分割領域224に設けられている第2溝部222の深さが、一の第1分割領域224よりも入射領域210に近い第1分割領域224に設けられている第2溝部222の深さよりも大きくなるように第2溝部222が形成されている。この場合、複数の第1分割領域224のうち隣接する2つの第1分割領域224の第2溝部222の深さの変化率は、入射領域210から離れるほど大きくてもよい。
 一例として、図5に示すように、3つの第1分割領域224を有する分岐領域220を考える。ここで、3つの第1分割領域224のうち最も入射領域210に近い第1分割領域224aは、入射した投影光の略1/4の光量の光を出射領域230に導波させるように、第2溝部222が形成されているとする。この場合、最も入射領域210に近い第1分割領域224aに入射した投影光の残りの略3/4の光量は、隣接する第1分割領域224bに入射する。
 入射領域210に2番目に近い第1分割領域224bは、入射した投影光の略1/3の光量の光を出射領域230に導波するように、第2溝部222の深さが形成されているとする。言い換えると、入射領域210に2番目に近い第1分割領域224bの第2溝部222の深さは、入射領域210に最も近い第1分割領域224aと比較して4/3倍の光量の光を出射領域230に導波するように、第1分割領域224aの第2溝部222の深さよりも大きく形成されている。このような第1分割領域224bは、入射領域210に最も近い第1分割領域224aに入射した投影光の略1/4の光量の光を出射領域230に導波することになる。
 そして、最も入射領域210に近い第1分割領域224aに入射した投影光の残りの略1/2の光量は、隣接する第1分割領域224cに入射する。入射領域210に3番目に近い第1分割領域224cは、入射した投影光の略1/2の光量の光を出射領域230に導波するように、第2溝部222の深さが形成されているとする。言い換えると、入射領域210に3番目に近い第1分割領域224cの第2溝部222の深さは、入射領域210に2番目に近い第1分割領域224bと比較して3/2倍の光量の光を出射領域230に導波するように、第1分割領域224bの第2溝部222の深さよりも大きく形成されている。
 また、3つの第1分割領域224のうち隣接する2つの第1分割領域224の第2溝部222の深さの変化率は、入射領域210から離れるほど大きくなるように形成されている。そして、入射領域210に3番目に近い第1分割領域224cは、入射領域210に最も近い第1分割領域224aに入射した投影光の略1/4の光量の光を出射領域230に導波することになる。以上の例のように、分岐領域220は、出射領域230に導波する投影光の光量を第1分割領域224毎に異ならせて所定の値にすることにより、それぞれの第1分割領域224に対応する出射領域230へと導波する投影光の光量をほぼ一定の分布にしつつ、投影光を出射領域230に導波できることがわかる。
 なお、分岐領域220は、入射領域210から最も遠い位置に、第1分割領域224の一つである第1反射領域226を更に有してもよい。図5は、分岐領域220が3つの第1分割領域224と第1反射領域226とを有する例を示す。第1反射領域226は、複数の第1分割領域224を通過した光の少なくとも一部を再び複数の第1分割領域224へと反射する。第1反射領域226は、隣接する第1分割領域224の第2溝部222の深さよりも大きい深さの第2溝部222を有する。
 例えば、第1反射領域226の第2溝部222の深さは、複数の第1分割領域224の第2溝部222のうち最も大きい深さの略3倍以上の深さを有することが望ましい。第1反射領域226の第2溝部222の深さは、複数の第1分割領域224の第2溝部222のうち最も大きい深さの略10倍以上の深さを有することがより望ましい。なお、第1反射領域226の第2溝部222は、第1方向に配列されていてもよい。
 分岐領域220がこのような第1反射領域226を有することにより、複数の第1分割領域224は、第1反射領域226が反射した光の少なくとも一部を出射領域230へと導波する。これにより、分岐領域220は、より多くの投影光を出射領域230へと導波することができる。なお、複数の第1分割領域224の第2溝部222の深さは、それぞれの第1分割領域224が第1反射領域226による反射光を含めて出射領域230へと導波する投影光の光量を略一定にさせるように決められていてもよい。
 複数の第1分割領域224それぞれの凸部及び凹部の幅は、第1フィルファクターが所定の値になるように形成されている。第1フィルファクターは、一の第1分割領域224の第2溝部222の第1周期に対する第1凸部の第1方向における幅の割合である。
 図6は、第1フィルファクターを説明するための図である。複数の第2溝部222は、ガラス基板112上に形成されている。ライン240は、第2溝部222の第1凸部222aの幅である。スペース242は、第2溝部222の第1凹部222bの幅である。ピッチ244は、ライン240とスペース242との和であり、第1周期の長さである。第1フィルファクターは、ライン240をピッチ244で除算した値である。なお、第1凹部222bからガラス基板112までの長さ248は、10nm以上500nmの範囲である。長さ248は、30nm以上200nmの範囲であるのが好ましい。深さ246は、第2溝部222の深さである。
 第1分割領域224の一つである第1反射領域226の第1フィルファクターは、所定値を含まない範囲内である。所定値は、例えば0.5である。具体例を挙げると、第1反射領域226の第1フィルファクターは、所定値0.5を含まない0.35以下又は0.65以上の範囲内である。第1反射領域226よりも入射領域210に近い第1分割領域224の第1フィルファクターは、所定値0.5を含む範囲内である。具体例を挙げると、第1分割領域224a、第1分割領域224b、及び第1分割領域224cの第1フィルファクターは0.3以上0.7以下の範囲内である。
 第1反射領域226の第1フィルファクターと、第1反射領域226よりも入射領域210に近い第1分割領域224cの第1フィルファクターとの差は、第1反射領域226の第2溝部222の深さと第1分割領域224cの第2溝部222の深さとの差の絶対値が大きいほど小さい。具体例を挙げると、第1反射領域226の第2溝部222の深さと第1分割領域224cの第2溝部222の深さとの差が180nmである場合、第1反射領域226の第1フィルファクターと、第1反射領域226よりも入射領域210に近い第1分割領域224cの第1フィルファクターとの差は0.35である。一方、第1反射領域226の第2溝部222の深さと第1分割領域224cの第2溝部222の深さとの差が680nmである場合、第1反射領域226の第1フィルファクターと、第1反射領域226よりも入射領域210に近い第1分割領域224cの第1フィルファクターとの差は0.30である。
<出射領域230の例>
 出射領域230は、分岐領域220から入射した投影光の少なくとも一部を導波して投影基板100の第2面から画像光として出射する。図5は、出射領域230がXY平面と略平行な面において、X軸方向を長手方向とした長方形の形状を有する例を示すが、これに限定されることはない。出射領域230は、投影光を導波して画像光として出射できればよく、例えば、Y軸方向を長手方向とした長方形、正方形、台形等の形状を有してよい。
 出射領域230は、第2方向に繰り返すように形成された第2凸部と第2凹部とにより構成される複数の第2凹凸部である複数の第3溝部232が形成されている。すなわち、出射領域230は、複数の第3溝部232が第2周期で形成されている第2回折格子を有する。言い換えると、複数の第3溝部232は、予め定められた溝の幅及び間隔で投影基板100の上面に同一方向に配列されていることにより、回折格子として機能する。出射領域230は、反射型又は透過型の回折格子を有し、反射型回折又は透過型回折によってユーザの眼の方向に画像光を導く。
 出射領域230に設けられている複数の第3溝部232の第2周期は、分岐領域220の複数の第2溝部222の第1周期とは異なる周期である。出射領域230の複数の第3溝部232の第2周期は、入射領域210の複数の第1溝部212のIPE周期と同一の周期であってもよい。このように、投影光が入射する入射領域210と画像光を出射する出射領域230とに設けられている回折格子の周期を一致させることで、ユーザが観察する画像に発生する歪み等を低減できる。
 第2周期は、例えば、10nm程度から10μm程度の範囲で形成される。第2周期は、100nm程度から1μm程度の範囲で形成されることが好ましい。第2周期は、200nm程度から800nm程度の範囲で形成されることがより好ましい。複数の第3溝部232の深さは、1nm程度から10μm程度の範囲で形成される。複数の第3溝部232の深さは、5nm程度から800nm程度の範囲で形成されることが好ましい。
 複数の第3溝部232は、例えば、分岐領域220から出射領域230に向かう第2方向に配列されている。図5は、第1方向に延伸する第3溝部232が第2方向に配列している例を示す。
 出射領域230は、分岐領域220と同様に、分岐領域220から入射した投影光の進行方向に配列されている複数の第2分割領域234を有する。複数の第2分割領域234に形成されている第3溝部232は、それぞれ深さが異なる。言い換えると、出射領域230において、入力した投影光のうち画像光として出射する光の割合が第2分割領域234毎に異なるように、第3溝部232が形成されている。
 出射領域230は、2つ以上の第2分割領域234を有することが望ましい。例えば、一の第2分割領域234に設けられている第3溝部232の深さは、一の第2分割領域234よりも分岐領域220に近い第2分割領域234に設けられている第3溝部232の深さよりも大きく形成されている。また、出射領域230が3つ以上の第2分割領域234を有する場合、隣接する2つの第2分割領域234の第3溝部232の深さの変化率は、分岐領域220から離れるほど大きくしてもよい。なお、複数の第3溝部232の第2周期それぞれは、例えばすべて同一である。
 以上のように、出射領域230は、複数の第2分割領域234に分割され、画像光として出射する光の光量を第2分割領域234毎に異ならせる。これにより、出射領域230は、分岐領域220の複数の第1分割領域224と同様に、投影光を画像光として導波しつつ、観測者が画像光を画像として観測した場合に画像全体の光量の分布を略一定に調節できる。
 出射領域230は、分岐領域220から最も遠い位置に、第2分割領域224の一つである第2反射領域236を更に有してもよい。図5は、出射領域230が2つの第2分割領域234と第2反射領域236とを有する例を示す。第2反射領域236は、複数の第2分割領域234を通過した光の少なくとも一部を再び複数の第2分割領域234へと反射する。第2反射領域236は、隣接する第2分割領域234の第3溝部232の深さよりも大きい深さの第3溝部232を有する。
 例えば、第2反射領域236の第3溝部232の深さは、複数の第2分割領域234の第3溝部232のうち最も大きい深さの略3倍以上の深さを有することが望ましい。第2反射領域236の第3溝部232の深さは、複数の第2分割領域234の第3溝部232のうち最も大きい深さの略10倍以上の深さを有することがより望ましい。
 出射領域230がこのような第2反射領域236を有することにより、複数の第2分割領域234は、第2反射領域236が反射した光の少なくとも一部を投影基板100の第2面から画像光として出射する。これにより、出射領域230は、分岐領域220と同様に、より多くの投影光を画像光として出射することができる。なお、複数の第2分割領域234の第3溝部232の深さは、それぞれの第2分割領域234が第2反射領域236による反射光を含めて画像光として出射する光の光量を略一定にさせるように決められてもよい。
 複数の第2分割領域234それぞれの凸部及び凹部の幅は、第2フィルファクターが所定の値になるように形成されている。第2フィルファクターは、第3溝部232の第2周期に対する第2凸部の第2方向における幅の割合である。
 第2分割領域234a、第2分割領域234b、及び第2分割領域234cの第2フィルファクターは、所定値を含む範囲内である。所定値は、例えば0.5である。具体例を挙げると、第2分割領域234a、第2分割領域234b、及び第2分割領域234cの第2フィルファクターは、所定値0.5を含む0.3以上0.7以下の範囲内である。
 第2反射領域236の第2フィルファクターは、所定値0.5を含まない範囲内である。例えば、第2反射領域236の第2フィルファクターは0.35以下又は0.65以上であるが、これに限定するものではない。
 また、第2反射領域236の第2フィルファクターと、第2分割領域234の第2フィルファクターとの差の絶対値は、第2反射領域236の第3溝部232の深さと第2分割領域234の第3溝部232の深さとの差の絶対値が大きいほど小さい。具体例を挙げると、第2反射領域236の第3溝部232の深さと第2分割領域234の第3溝部232の深さとの差が70nmである場合、第2反射領域236の第2フィルファクターと、第2反射領域236よりも分岐領域220に近い第2分割領域234の第2フィルファクターとの差は0.1である。一方、第2反射領域236の第3溝部232の深さと第2分割領域234の第3溝部232の深さとの差が470nmである場合、第2反射領域236の第2フィルファクターと、第2反射領域236よりも分岐領域220に近い第2分割領域234の第2フィルファクターとの差は0.00である。
 図7は、瞳で結像する画像の輝度のシミュレーションの結果を示す図である。図7の縦軸及び横軸は画素の位置を示す。図7は、第1反射領域226の第1フィルファクターが異なる複数の条件で画像の輝度をシミュレーションした結果を示している。
 第1反射領域226の第1フィルファクター以外の条件について説明する。
 入射領域210の第1溝部212の深さは100nm以上200nm以下である。IPE周期の長さは350nm以上450nm以下である。
 第1分割領域224a、224b及び224cの第2溝部222の深さは、5nm以上100nm以下である。第1分割領域224a、224b及び224cの第1周期は、200nm以上300nmである。第1反射領域226の第2溝部222の深さは100nm以上700nm以下である。第1反射領域226の第2溝部222の第1周期は、200nm以上300nm以下である。
 第2分割領域234の第3溝部232の深さは、5nm以上100nm以下である。第2分割領域234の第3溝部232の第1周期は、350nm以上450nm以下である。
 第2反射領域236の第3溝部232の深さは、100nm以上700nm以下である。第2反射領域236の第3溝部232の第1周期は、350nm以上450nm以下である。
 ガラス基板112の厚みは、0.4mmである。第1凹部222bからガラス基板112までの長さ248は、100nmである。
 図7(a)は、第1反射領域226の第1フィルファクターが0.4である場合のシミュレーション結果である。図7(b)は、第1反射領域226の第1フィルファクターが0.5である場合のシミュレーション結果である。図7(c)は、第1反射領域226の第1フィルファクターが0.6である場合のシミュレーション結果である。図7(d)は、第1反射領域226の第1フィルファクターが0.85である場合のシミュレーション結果である。
 図7の暗部は、輝度が低いことを示している。図7に示すとおり、第1反射領域226の第1フィルファクターが0.5から離れるほど、画像全体の輝度のバラツキが低減し、輝度が一定になっている。このように、分岐領域220及び出射領域230の回折格子のフィルファクターが適切な値になるように第2溝部222及び第3溝部232を形成することにより、輝度ムラが低減できる。
 以上のように、本実施形態に係る投影基板100は、入射領域210に入射する投影光を分岐領域220の複数の第1分割領域224毎に異なる割合で投影光を分岐させつつ、出射領域230から画像光として出射する。これにより、投影基板100は、ユーザに観察させる投影画像の輝度のバラツキを低減できる。また、投影基板100は、出射領域230においても、複数の第2分割領域234毎に異なる割合で画像光を出射することで、画像の輝度のバラツキを更に低減できる。
 このような投影基板100は、ガラス基板等の第1面又は第2面に、入射領域210、分岐領域220、及び出射領域230に対応する回折格子を形成することで実現できる。なお、回折格子を形成する溝部は、例えば、レジスト、樹脂等である。したがって、本実施形態に係る投影基板100は、複雑な光学系を組み込むことなく、予め定められた周期、深さの溝部を領域毎に形成することで簡便に生産できる基板である。
<眼鏡型端末10の他の例>
 以上の投影基板100がフレーム110に設けられており、投影部120が投影光を投影基板100の入射領域210に照射する眼鏡型端末10の例を既に説明したが、これに限定されることはない。例えば、眼鏡型端末10のフレーム110には、複数の投影基板100が固定されていてもよい。このような眼鏡型端末10について次に説明する。
 図8は、本実施形態に係る眼鏡型端末10の変形例を示す。変形例の眼鏡型端末10において、図1に示された本実施形態に係る眼鏡型端末10の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。変形例の眼鏡型端末10の外観は、図1に示された眼鏡型端末10とほとんど変わらない外観でよい。
 変形例の眼鏡型端末10のフレーム110には、複数の投影基板100が固定されている。この場合、複数の投影基板100にそれぞれ設けられている出射領域230がXY平面と略平行な平面視で少なくとも一部が重なるように、複数の投影基板100がフレーム110に固定されている。図8は、眼鏡型端末10のフレーム110に3つの投影基板100R、投影基板100G、及び投影基板100Bが固定されており、3つの投影基板100の出射領域230R、出射領域230G、及び出射領域230BがXY平面における平面視で重なっている例を示す。
 投影部120は、複数の投影基板100のそれぞれに設けられている入射領域210に異なる波長の投影光をそれぞれ照射する。これにより、複数の投影基板100にそれぞれ設けられている出射領域230は、投影部120から複数の入射領域210にそれぞれ照射された投影光に対応する画像光を複数の投影基板100の第2面からユーザの眼へとそれぞれ出射する。
 このような眼鏡型端末10を装着したユーザは、異なる波長の画像光が重畳された画像を観察することになるので、混色の色を有する画像を観察することができる。図8は、投影部120が画像を形成する赤、緑、及び青といったRGBの三原色に対応する3つの投影光を3つの投影基板100の入射領域210にそれぞれ照射する例を示す。そして、3つの投影基板100は、RGBの三原色に対応する3つの画像光を重畳してユーザの眼へと出射する。これにより、ユーザは、例えば、2の複数の色を有する画像を観察することができる。ここで、nは、4、8、16、24等の正の整数である。
 以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
10 眼鏡型端末
20 入力光線
30 出力光線束
100 投影基板
110 フレーム
112 ガラス基板
120 投影部
210 入射領域
212 第1溝部
220 分岐領域
222 第2溝部
222a 第1凸部
222b 第1凹部
224 第1分割領域
226 第1反射領域
230 出射領域
232 第3溝部
234 第2分割領域
236 第2反射領域

 

Claims (10)

  1.  第1面から入射した光の少なくとも一部を前記第1面の反対側の第2面へと透過させつつ、前記第2面に画像光を投影させるための投影基板であって、
     前記画像光を投影させるための投影光が入射する入射領域と、
     前記入射領域から入射した前記投影光を導波する第1回折格子を有する分岐領域と、
     前記分岐領域から入射した前記投影光の一部を導波した後に前記第2面から前記投影光の一部を出射する第2回折格子を有する出射領域と、
     を備え、
     前記入射領域は、入射した前記投影光を前記分岐領域に導波し、
     前記分岐領域は、前記投影光の一部を前記出射領域に向けて回折させ、
     前記第1回折格子は、前記投影光を導波する第1方向に繰り返すように形成された第1凸部と第1凹部とにより構成される複数の第1凹凸部を有し、
     前記分岐領域は、複数の第1分割領域を有し、
     一の第1分割領域の前記第1凹凸部の第1周期に対する前記第1凸部の前記第1方向における幅の割合である第1フィルファクターは所定値を含まない範囲内であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは前記所定値を含む範囲内である、
     投影基板。
  2.  前記複数の第1分割領域それぞれの前記第1凹凸部の前記第1周期は、同一である、
     請求項1に記載の投影基板。
  3.  前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さよりも大きく、
     前記一の第1分割領域の第1フィルファクターと、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターとの差の絶対値が、前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さと、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さとの差の絶対値が大きいほど小さい、
     請求項1又は2に記載の投影基板。
  4.  前記所定値は、0.5であり、
     前記複数の第1分割領域のうちの前記入射領域から最も遠い前記一の第1分割領域の第1フィルファクターは0.35以下又は0.65以上の範囲内であり、前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは0.3以上0.7以下の範囲内である、
     請求項1又は2に記載の投影基板。
  5.  前記第2回折格子は、前記投影光を導波する第2方向に繰り返すように形成された第2凸部と第2凹部とにより構成される複数の第2凹凸部を有し、
     前記出射領域は、複数の第2分割領域を有し、
     前記複数の第2分割領域のうちの一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の第2周期に対する前記第2凸部の前記第2方向における幅の割合である第2フィルファクターは、前記所定値を含む範囲内である、
     請求項1又は2に記載の投影基板。
  6.  前記複数の第2分割領域それぞれの前記第2凹凸部の前記第2周期は、同一である、
     請求項5に記載の投影基板。
  7.  前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さよりも大きく、
     前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の第2周期に対する前記第2凸部の前記第2方向における幅の割合である第2フィルファクターと、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターとの差の絶対値が、前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さと、前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さとの差の絶対値が大きいほど小さい、
     請求項5に記載の投影基板。
  8.  前記所定値は、0.5であり、
     前記一の第2分割領域の第2フィルファクターは前記所定値を含まない範囲内であり、
     前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターは前記所定値を含む範囲内である、
     請求項5に記載の投影基板。
  9.  前記所定値は、0.5であり、
     前記複数の第1分割領域それぞれの前記第1周期は50nm以上1μm以下であり、
     前記一の第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは50nm以上800nm以下であり、
     前記一の第1分割領域の第1フィルファクターは0.35以下又は0.65以上であり、
     前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の前記第1凹凸部の深さは5nm以上100nm以下であり、
     前記一の第1分割領域よりも前記入射領域に近い第1分割領域の第1フィルファクターは0.3以上0.7以下であり、
     前記複数の第2分割領域それぞれの前記第2周期は100nm以上1μm以下であり、
     前記一の第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは50nm以上800nm以下であり、
     前記一の第2分割領域の第2フィルファクターは0.35以下又は0.65以上であることが望ましく、
     前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の前記第2凹凸部の深さは5nm以上100nm以下であり、
     前記一の第2分割領域よりも前記分岐領域に近い第2分割領域の第2フィルファクターは0.3以上0.7以下である、
     請求項5に記載の投影基板。
  10.  ユーザが装着する眼鏡型端末であって、
     前記ユーザの右眼用のレンズ及び左眼用レンズのうち少なくとも一方として設けられており、前記第1面から入射する少なくとも一部の光を前記ユーザの眼へと透過させつつ、前記第2面に前記画像光を投影させる、請求項1又は2に記載の前記投影基板と、
     前記投影基板を固定しているフレームと、
     前記フレームに設けられており、前記出射領域に前記画像光を投影させるための前記投影光を前記投影基板の前記入射領域に照射する投影部と
     を備える、眼鏡型端末。
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