WO2023191085A1 - アンテナ装置 - Google Patents

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文平 原
勇介 横田
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Abstract

内部に中空部を形成するアンテナ筐体と、前記内部に位置し、電波の送信および受信の少なくとも一方を行うアンテナと、前記中空部を伝搬する前記電波を前記アンテナ筐体の所定部位で散乱させる散乱体と、を備える、アンテナ装置。

Description

アンテナ装置
 本発明は、車両やロボット等の移動体に搭載可能なアンテナ装置に関する。
 近年の車両適用アプリケーションの需要増加に伴い、V2X(Vehicle-to-everything)通信を用いたアプリケーションの開発が進められている。V2X通信は、V2I(Vehicle-to-Infrastructure(車対インフラ))通信、V2V(Vehicle-to-vehicle(車車間))通信、V2P(Vehicle-to-Pedestrian(車対歩行者))通信、V2D(Vehicle-to-device(車対デバイス)通信およびV2G(Vehicle-to-grid(車対グリッド))通信の総称である。V2X通信では、2台のV2X対応通信機が互いのアンテナの通信範囲内に入ると、当該通信機およびアンテナを搭載した車両を含むアドホックネットワークを形成する。
 特許文献1には、車両においてV2X通信を可能にする車載無線システムが開示されている。この車載無線システムは、例えば車両の屋根に取り付けられる屋根上アンテナ筐体と、車室内に配置された車室内アンテナ筐体とを備える。屋根上アンテナ筐体は、中空部を有し、この中空部にV2X用のアンテナとGNSS(Global Navigation Satellite System)用のアンテナとが収容される。車室内アンテナ筐体には、アプリケーションを実行するスマートフォン等と通信可能な電話用のアンテナが収容される。車両に搭載されるアンテナ装置に対する通信相手の位置は不定であることが多いため、車両に搭載されるアンテナは、等方性が理想とされる。
特開2019-216342号公報
 特許文献1に記載された屋根上アンテナ筐体は、樹脂材で成型される。樹脂材が電波を透過させることは周知であるが、現実には、アンテナ筐体の中空部において様々な経路で電波が伝搬する。そのため、アンテナが等方性であっても、指向特性が乱れるリップル(Ripple)と呼ばれる現象が生じる。リップルが最小値となる領域と隣り合う領域では、リップルが最大値になることが多い。アンテナからみて、指向特性のリップルが最小値となる領域の方向に通信相手が存在する場合、その通信相手との通信に支障が生じてしまう。
 本発明の目的の一例は、送信時又は受信時の指向特性のリップルを低減させることにある。本発明の他の目的は、本明細書の開示から明らかになるであろう。
 本発明の一態様は、内部に中空部を形成するアンテナ筐体と、前記内部に位置し、電波の送信および受信の少なくとも一方を行うアンテナと、前記中空部を伝搬する前記電波を前記アンテナ筐体の所定部位で散乱させる散乱体と、を備える、アンテナ装置である。
 上記態様によれば、散乱体が所定部位において、アンテナ筐体の中空部を伝搬する電波を散乱させるので、送信時又は受信時の指向特性のリップルを低減させることができる。
第1実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。 第1実施形態に係るアンテナ装置の水平面内指向特性図である。 第1実施形態に係るアンテナ装置と比較例アンテナ装置のレベル偏差のグラフである。 導体棒の長さがレベル(利得)偏差に与える影響を示すグラフである。 導体棒の水平面内のサイズがレベル偏差に与える影響を示すグラフである。 導体棒を配置可能な部位の候補となる領域の説明図である。 導体棒の配置候補となる複数のエリアの説明図である。 図7のエリアにおけるレベル偏差を示すグラフである。 2本の導体棒間の間隔の相違を示す複数のエリアの説明図である。 図9に示したエリアにおけるレベル偏差を示すグラフである。 導体棒数を変えたアンテナ装置の構造説明図である。 図11に示した態様の導体棒数におけるレベル偏差を示すグラフである。 2本の導体棒が接地型の場合と非接地型の場合におけるz方向の長さとレベル偏差との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第2実施形態に係るアンテナ装置の上面図である。 第2実施形態に係るアンテナ装置の側面図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置の上面図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置の側面図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置の前方斜視図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置の上面図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置の後方斜視図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置のアンテナ部分の左側面図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置の水平面内指向特性図である。 第5実施形態に係るアンテナ装置の前方斜視図である。 第5実施形態に係るアンテナ装置の上面図である。 第5実施形態に係るアンテナ装置の左側面図である。 他の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 他の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 他の実施形態に係るアンテナ装置の水平面内指向特性図である。
 以下、本発明を車両のルーフ等に取付可能なアンテナ筐体を備えるアンテナ装置に適用した場合の実施の形態例を説明する。本明細書では、方向について、車両の運転席から見た前後左右上下でx/y/z方向を定義する。z方向は、アンテナ装置の底面に対して法線方向である。x方向は、z方向に垂直な水平方向の一つである。y方向は、z方向とx方向に垂直な水平方向の一つである。本明細書では、x方向が前後方向(前が+、後ろが-)、y方向が左右方向(左が+、右が-)z方向が上下方向(上が+、下が-)として説明する。また、図面において、x軸、y軸、z軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方、左方向、上方向と呼ぶ場合がある。また、x軸とy軸とを含む平面をxy面又は水平面と呼ぶ場合がある。また、上方向からアンテナ装置を見ることを上面視、左方向/右方向からアンテナ装置を見ることを側面視、左上方/右上方/左下方/右下方/左前方/右前方/左後方/右後方からアンテナ装置を見ることを斜視と呼ぶ場合がある。
 [第1実施形態]
 図1は、第1実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。第1実施形態のアンテナ装置1は、アンテナ筐体10を備える。アンテナ筐体10は、その内部に中空部を有する。中空部は、アンテナやアンテナ部品を収容する空間である。アンテナ筐体10は、例えば、上面視で略楕円形となるアンテナベース11と、アンテナベースとともに空間を画定するアンテナケース12とを有する。アンテナベース11は、例えばアルミダイキャストなど、一定以上の強度を有する導電ベースである。ただし、アンテナベース11は、板金で形成される1以上の金属プレートで形成されてもよい。あるいは、アンテナベース11は、1以上の金属プレートと導電ベースとで形成されてもよい。あるいは、アンテナベース11は、樹脂等で構成される絶縁ベースと導電ベースおよび1以上の金属プレートの少なくとも1つとで形成されてもよい。アンテナケース12は、アンテナベース11を封止する中空立体形状の樹脂製である。しかし、便宜上、図1の上面視においては、アンテナケース12を省略し、側面視においては、アンテナケース12を破線で示す。
 アンテナベース11の上面側には、アンテナ13と、散乱体の一例となる2本の導体棒14a、14bとが位置している。アンテナ13は、その給電点から+z方向に延びる線状、棒状、面状、螺旋状、あるいはジグザグ状の共振型のエレメントである。第1実施形態におけるアンテナ13の共振周波数(以下「動作周波数」ということがある)は、例えばV2X帯の一つとなる5.9GHz帯(波長λ:約50mm)とする。アンテナ13は、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、スリーブアンテナ、コリニアアンテナ、スロットアンテナ、スリットアンテナ、パッチアンテナと呼ばれるアンテナであってよい。
 2本の導体棒14a、14bは、例えばアンテナ13の前方において、アンテナ筐体10の中空部における電波の伝搬を散乱させる所定部位に配置され、所定高さで、アンテナ13と略平行に配置される。各導体棒14a、14bは、導電性のアンテナベース11と電気的に接続することで、接地型の散乱体となる。第1実施形態において、各導体棒14a、14bは、アンテナベース11からz方向の長さ(高さ)がL[mm]で、一辺の寸法がW[mm]の四角柱導体であるが、それぞれの断面形状やサイズは任意であってよい。また、各導体棒14a、14bは、四角柱状や棒状に限らず、円柱状、楕円柱状、長円柱状、多角柱状、有頭筒状、円筒状、楕円筒状、長円筒状、多角筒状、円錐状、楕円錐状、長円錘状、多角錐状、面状、螺旋状、ジグザグ状であってもよい。
 所定部位は、アンテナ筐体10において、電波の強度分布の偏差が相対的に小さくなる部位である。あるいは、所定部位は、アンテナ筐体10内を伝搬する進行波、反射波等の干渉等へ影響を与え、アンテナ筐体10において、指向特性のリップルの最大値と最小値との差(レベル偏差)を相対的に小さくすることが出来る部位である。例えば、所定部位は、第1実施形態における導体棒14a、14b等の構造物を配置することで、指向特性のリップルの最大値と最小値との差が相対的に小さくなる部位である。
 所定長さ(高さ)は、例えば、アンテナ装置1が車両ルーフに設置される状態の上方向(z方向)において、アンテナ筐体10の中空部におけるアンテナケース12の内面及びアンテナ13を除いて存在する構造物の最も高い点と車両ルーフの取付部位との距離とする。 
 図1の例では、アンテナベース11の形状がx軸を境とする水平面で対称形状である。ここでいうx軸は、アンテナベース11の長尺端同士を結ぶ中心軸のことである。また、アンテナ13の中心点とアンテナベース11の幾何中心点110とを結ぶx軸上の長尺端間の距離が約220mm、幾何中心点110を通るy方向の短尺端間の距離が約90mmである。
 アンテナ13は、アンテナベース11の長尺端同士をx方向で結ぶ中心軸(x軸)線上で、幾何中心点110から-x方向に90mmの部位に配置される。2本の導体棒14a、14bは、アンテナベース11の長尺端同士を結ぶ中心軸線上で、幾何中心点110から+x方向に90mmの部位を基点として当該中心軸線から+y方向と-y方向に等距離で1本ずつ、アンテナ13と平行に配置される。
 対向する2本の導体棒14a、14b間の最短距離(間隔)は、例えば5.9GHz帯の場合、35mmとする。アンテナ13のz方向の長さ(高さ)は、動作周波数の共振波長λとなる約12.5mmである。この場合、2本の導体棒14a、14bのz方向の長さLは、約11mmとする。
 第1実施形態に係るアンテナ装置1の水平面(xy平面)内指向特性を図2に実線で示す。また、比較例である比較例アンテナ装置Rの水平面(xy平面)内指向特性を2に太い破線で併記する。比較例アンテナ装置Rは、導体棒数が存在しない、すなわち、導体棒数が0である点において、第1実施形態のアンテナ装置1と異なる。比較例アンテナ装置Rの形状、構造、サイズは、第1実施形態のアンテナ装置1と同様である。
 図2では、アンテナ13の前方(+x方向)を0度とし、その角度(0度)を基準角度としている。そして、その基準角度から左廻りに30度ずつ角度をずらして360度(=0度)に至るまでの計測ポイントでの水平面指向特性が図2に示されている。動径方向はレベル(アンテナ13側では利得)を示し、単位は[dBi]であるが、図面および以後の説明では[dB]と表記する。また、図面および以後の説明では、レベル(利得)を「レベル」、レベル(利得)の偏差を「レベル偏差」と表記する。
 第1実施形態のアンテナ装置1において、比較例アンテナ装置Rとのレベル偏差が顕著となる角度範囲を図2に網掛で表記する。角度範囲は、基準角度に対して45度と315度、すなわち、基準角度に対して±45度の範囲である。この角度範囲における導体棒が2本のアンテナ装置1のレベル偏差と導体棒が0本の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差のグラフを図3に示す。
 図2の指向特性図において、比較例アンテナ装置Rの基準角度(0度)におけるレベルは2.59dBである。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1は、基準角度におけるレベルが8.15dBであり、5.56dB増大している。
 また、上記角度範囲における比較例アンテナ装置Rのレベル偏差は、図3に示されるように13.63dBであるが、第1実施形態のアンテナ装置1では7.37dBとなり、6.26dB低減されている。
 比較例アンテナ装置Rの場合、アンテナ13以外に、アンテナベース11及びアンテナケース12のみの構成であるにも関わらず、図2に破線で示すように、基準角度から約15度と約345度(基準角度から約±15度)に利得が急激に落ち込む部位(Null点)が存在する。この現象は、主にアンテナ13から放射された電波がアンテナケース12を透過する際に散乱されることで生じる。
 しかし、第1実施形態のように、2本の導体棒14a,14bをアンテナベース11の所定部位に配置することで、アンテナ筐体10の中空部における電波の散乱態様が、アンテナケース12のみの場合の散乱態様から変化する。つまり、第1実施形態による散乱態様は、アンテナケース12による散乱と各導体棒14a,14bによる散乱とを含んだ態様となる。この結果、基準角度から約15度と約345度(基準角度から約±15度)のNull点が緩和され、かつ、基準角度におけるレベルも増大した。また、上記角度範囲におけるリップルも格段に低減した。つまり、既に設計・製造されたアンテナ筐体10に、後から導体棒14a,14bを付加することで、リップルの低減効果が得られるだけでなく、アンテナ13の指向特性を事後的に変化させることができる。
<変形例1>
 導体棒14a,14bの長さLがレベル偏差に与える影響を図4のグラフに実線で示す。比較例として、上記の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差を図4のグラフに点線で併記する。導体棒が存在しない比較例アンテナ装置Rのレベル偏差は13.63dBである。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1の場合、2本の導体棒14a,14bの長さLが、5mmで12.04dB、8mmで7.81dB、11mmで6,46dB、14mmで7.07dB、17mmで8,68dB、20mmで9.55dB、23mmで9.16dBであった。
 つまり、導体棒14a,14bの長さLをアンテナ13の動作周波数の波長λの1/10以上(第1実施形態の動作周波数の場合、5mm以上)とすることで、リップルの低減効果が得られる。特に、長さLが上記波長λの約1/4(第1実施形態の動作周波数の場合、11mm)前後の場合、リップルの低減効果が顕著になる。
<変形例2>
 導体棒14a,14bの水平面内のサイズ(太さ)Wがレベル偏差に与える影響を図5のグラフに実線と長破線で示す。比較例として、上記の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差を図5のグラフに点線で併記する。比較例アンテナ装置Rのレベル偏差は、上記の通り、13.63dBである。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1において、長さLが6mmの場合、導体棒14a,14bの一辺のサイズWが、0.5mmで13.28dB、1mmで13.27dB、3mmで12.89dB、5mmで12.58dBであった。
 また、第1実施形態のアンテナ装置1において、長さLが11mmの場合、導体棒14a,14bの一辺のサイズWが、0.5mmで11.65dB、1mmで11.23dB、3mmで10.87dB、5mmで10.79dBであった。つまり、導体棒14a,14bの長さLを充分に確保できない場合であっても、導体棒14a,14bの水平面内のサイズWをアンテナ13よりも大きくすることで、リップルの低減効果が得られる。また、導体棒14a,14bの長さLをアンテナ13の動作周波数の波長λの約1/4(第1実施形態の動作周波数の場合、11mm)の場合、上記サイズWを大きくすることで、リップルの低減効果が顕著に得られる。
<変形例3>
 導体棒14a,14bが配置される部位は、図1に示した部位以外であってもよい。ここでは、導体棒14a,14bを配置可能な部位の候補となる領域を、図6~図10を参照して説明する。図6は、導体棒を配置可能な部位の候補となる領域の説明図であり、アンテナベース11を上面視した図である。
 ここでは、上記領域を説明する際の便宜として、第1の円15と第2の円16とを規定する。第1の円15は、アンテナ13の給電位置130とアンテナベース11の幾何中心点110とを結ぶx軸上にその中心を持つ円である。さらに、第1の円15は、半径が動作周波数の波長λの1/2の円であって、アンテナ13の給電位置130を通る円である。第2の円16は、導体棒14a,14bがアンテナベース11に接地している場合、前述の第1の円15をx軸上でアンテナ13の給電位置130から、長さ(高さ)L[mm]×2倍の距離を移動させた円である。
 導体棒14a,14bがアンテナベース11に接地していない場合の第2の円16は、図6には示されていないが、前述の第1の円15をx軸上でアンテナ13の給電位置130から、長さ(高さ)L[mm]×1倍の距離を移動させた円となる。また、アンテナ13の給電位置130を通り、第2の円16と接する2本の接線をそれぞれ、接線17,18と規定する。さらに、第2の円と2本の接線17,18とが接する点を各々接点151、152と規定する。さらに、アンテナベース11の内縁と2本の接線17,18との交点を各々交点111、112と規定する。また、第2の円16の接点151,152同士をy方向に繋いだ線19とアンテナベース11の内縁との交点を各々交点113、114と規定する。
 導体棒14a,14bを配置可能な部位の候補となる第1の候補領域Ar1は、アンテナベース11の内側で、交点113~接点151~アンテナ13の給電位置130~接点152~交点114~交点113を繋ぐx軸後方側の領域とすることができる。また、導体棒14a,14bを配置可能な部位の候補となる第2の候補領域Ar2は、アンテナベース11の内側で、交点111~接点151~アンテナ13の給電位置130~接点152~交点112~交点111を繋ぐx軸前方側の領域とすることができる。
 図7は、図6で規定した第1の候補領域Ar1と第2の候補領域Ar2において、2本の導体棒14a,14bの配置候補となる複数のエリアの説明図である。第1エリアAは、第1の候補領域Ar1において、アンテナ13の後方となるエリアである。第2エリアBは、第1の候補領域Ar1において、アンテナ13の前方となる領域で第1エリアAよりもアンテナ13から離れたエリアである。第3エリアCは、アンテナベース11の内側で、第1の候補領域Ar1において、アンテナ13の前方となる領域で第2エリアBよりもアンテナ13から離れたエリアである。第4エリアDは、第2の候補領域Ar2で、図1に示した部位よりもアンテナ13に近づけたエリアである。
 導体棒14a,14bの間隔は、エリアAで12.5mm、エリアBで17.5mm、エリアCで27.5mm、エリアD15mmである。導体棒14a,14bの高さは、いずれも11mmである。
 図8は、図7に示したエリアA~Dにおけるレベル偏差を示すグラフである。比較例として、上記の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差を図8のグラフに併記する。比較例アンテナ装置Rのレベル偏差は、上記の通り、13.63dBで一定である。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1の場合、エリアAで9.38dB、エリアBで6.46dB、 エリアCで11.15dB、エリアDで8.54dBである。そのため、第1の候補領域Ar1および第2の候補領域Ar2においても、リップルの低減効果が得られる。
 図9は、2本の導体棒間の間隔の相違を示す複数のエリアの説明図であり、特に、第2の候補領域Ar2における、2本の導体棒14a,14bの配置を大まかに分類した複数のエリアの説明図である。
アンテナ13がアンテナ装置1の後方に存在する場合、2本の導体棒14a,14bは、概ねアンテナ装置1の前方に配置することで、レベル偏差の低減効果が得られる。特に、x軸を境に一定の間隔、およそ波長λの1/2程度の間隔で配置することで、レベル偏差を低減させる効果がより顕著になる。
 図9の例では、導体棒14a,14bは、アンテナベース11の中心軸(x軸)を境に+y方向、-y方向に互いに等距離に配置されている。エリア#3は、概ねアンテナ装置1の前方かつ、2本の導体棒14a,14bを、x軸を境に一定の間隔、およそ波長λの1/2程度の間隔で配置するエリアである。エリア#2は、概ねアンテナ装置1の前方であるが、2本の導体棒14a,14bの間隔がおよそ波長λの1/2程度の間隔から若干離れ、あるいは近づくように配置するエリアである。エリア#1は、概ねアンテナ装置1の前方であるが、2本の導体棒14a,14bの間隔がエリア#2からさらに離れているエリアである。導体棒14a,14bのz方向の長さLは、いずれも11mmである。ここで、エリア#4は、各候補領域Ar1、Ar2のどちらにも属さず、アンテナベース11の周縁に近い領域である。
 図10は、図9に示したエリア#1~#4におけるレベル偏差を示すグラフである。比較例として、上記の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差を図10のグラフに併記する。比較例アンテナ装置Rのレベル偏差は、上記の通り、13.63dBである。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1の場合、エリア#1で11.99dB、エリア#2で11.47dB、 エリア#3で10.95dB、エリア#4で14.02dBである。さらに、エリア#1~エリア#3では、いずれもリップルの低減効果が得られている。ただし、エリア#4では、レベル偏差が大きくなっている。
 このように、アンテナ13がアンテナベース11の後方に存在する場合、2本の導体棒14a,14bは、概ねアンテナベース11の前方に配置することで、アンテナ装置1のレベル偏差を低減させる効果がある。特に、x軸を境に一定の間隔、およそ波長λの1/2程度の間隔で導体棒14a、14bを配置することで、リップルの低減効果を効果的に発揮できることがわかる。他方、各候補領域Ar1、Ar2以外の領域では、リップルが十分に改善できないことがわかる。
<変形例4>
 散乱体として用いる導体棒は、2本に限らない。図11は、第1実施形態の変形例4に係るアンテナ装置の構造例を示す図であり、導体棒数を変えたアンテナ装置の構造説明図である。導体棒が1本の場合、例えば、1つの導体棒14をアンテナベース11の中心軸であるx軸上に配置する。アンテナ13と導体棒14との距離は、導体棒14がアンテナ13の導波器として作用する距離にしてもよい。
 導体棒が4本の場合、例えばそのうち2本の導体棒14a、14bを、図1と同じ位置に配置し、残りの2本の導体棒14c,14dを、導体棒14a、14bよりもアンテナ13に近く、かつ互いの間隔を導体棒14a、14bよりも大きい位置にx軸から等距離に配置してもよい。導体棒が6本の場合、例えばそのうち4本の導体棒14a、14b、14c、14dを、導体棒が4本の場合と同様に配置し、残りの2本の導体棒14e、14fを第1の候補領域Ar1に、x軸から等距離で配置してもよい。ただし、6本の場合の導体棒の位置は、図11の通りでなくともよい。また、導体棒は偶数本に限定されず、3本や5本などの奇数本でもよく、必ずしも左右対称配置でなくともよい。
 図12は、図11に示した態様の導体棒本数におけるそれぞれのレベル偏差を示すグラフである。比較例として、上記の比較例アンテナ装置Rのレベル偏差を図12のグラフに併記する。比較例アンテナ装置Rのレベル偏差が13.63dBで、導体棒が2本の場合に7.37dBとなることは、前述の通りである。これに対して、第1実施形態のアンテナ装置1において、レベル偏差は、導体棒が1本の場合は9.80dB、導体棒が4本の場合は7.27dB、導体棒が6本の場合は9.93dBとなり、導体棒が1本以上であっても、リップル低減効果が得られている。ただし、導体棒が1本よりも2本又は4本の方がリップル低減効果は大きい。導体棒を3本以上に増やすことで、2本の場合よりもレベル偏差を抑えることはできる。一方で、単に導体棒を増やすだけだと、レベル偏差の低減効果が収束してしまうことがある点に留意すべきである。
<変形例5>
 導体棒14a,14bは、アンテナベース11に対して絶縁されていてもよい。この場合、導体棒14a,14bは、それぞれ非接地型となる。そのため、各導体棒14a,14bは、それらがアンテナベース11と電気的に接続される接地型の場合とは、少なくともz方向の長さLが異なってくる。
 図13は、2本の導体棒が接地型の場合と非接地型の場合におけるz方向の長さとレベル偏差との関係を示すグラフである。具体的には、導体棒14a,14bが接地型Gの場合と非接地型UGの場合のそれぞれのz方向の長さLと、各長さLに対するレベル偏差との関係を示すグラフである。図13を参照すると、導体棒14a,14bが接地型Gの場合のレベル偏差は、長さLが6mmで12.25dB、長さLが11mmで6.46dB、長さLが23mmで9.16dBである。これに対し、導体棒14a,14bが非接地型UGの場合のレベル偏差は、長さLが6mmで12.87dB、長さLが11mmで11.07dB、長さLが23mmで5.39dBである。
 従って、導体棒14a,14bが接地型Gの場合、各導体棒14a,14bのz方向の長さLは、アンテナ13の動作周波数の電波の波長λの約1/4以上であれば、リップルの低減効果を得ることができる。他方、導体棒14a,14bが非接地型UGの場合、各導体棒14a,14bのz方向の長さLは、アンテナ13の動作周波数の電波の波長λの約1/2以上であれば、リップルの低減効果を得ることができる。
 また、接地型Gの場合は、非接地型UGの場合よりも導体棒14a,14bのz方向の長さを短くできるため、非接地型UGのものよりもアンテナケース12の上下方向の高さを抑えることができる。すなわち、アンテナデザインを損なわずにリップルを低減することができる。また、接地型Gの場合はアンテナベース11に導体棒14a,14bを直接固定することも可能であり、導体棒14a,14bの保持部品を別途設ける必要がないという利点がある。
<その他の変形例>
 ・散乱体は、導電性の導体棒だけに限らず、非導電性部材、あるいは、導電性部材と非導電性部材との組み合わせであってもよい。
 ・アンテナベース11にアンテナケース12を接合する際に使用する接合用ネジ、アンテナ筐体10の中空部に存在するケーブルや基板の位置決めガイド、アンテナ筐体10の中空部に同梱される他のアンテナユニットあるいはそのアンテナユニットをアンテナべース11に取り付けるための金属性ネジや給電ピン等を散乱体として兼用することもできる。接合用ネジとアンテナベース11とは、物理的な接触により、あるいは容量結合により電気的に接続される。これにより、既存のアンテナ装置において、リップルの低減効果を得るための追加の部材が不要となり、小型化、コストを抑制できる利点がある。また、一般的にアンテナベース11をアンテナケース12に接合するための接合用ネジの配置は、防水や嵌合力の観点から、アンテナベース11のxz平面に対して左右対称に配置されるため、散乱体としてそのまま利用することができる。
 ・散乱体は、アンテナベース11以外にも、アンテナケース12の内壁等に離脱自在に装着され、あるいは、アンテナケース12の内壁から所定角度で突出する突起体として一体形成される構成であってもよい。
 ・アンテナ13は、アンテナベース11の後方よりではなく、幾何中心点110に近い配置してもよい。
 ・アンテナ13は、アンテナベース11の後方よりではなく、幾何中心点110よりもアンテナベース11の前方に配置してもよい。
 [第2実施形態]
 本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図14~図16を参照して、第1実施形態のアンテナ装置1を具体的なアンテナ装置に適用した場合の例について説明する。図14は、第2実施形態に係るアンテナ装置2の斜視図である。図15は、第2実施形態に係るアンテナ装置2の上面図である。図16は、第2実施形態に係るアンテナ装置2の側面図である。図14~図16において、第1実施形態のアンテナ装置1と同じ機能の部品については、便宜上、同じ符号を付している。また、図1に示したアンテナケース12を外した構造例を示している。
 第2実施形態のアンテナ装置2は、アンテナ13と衛星信号対応ユニット33とが一つのアンテナ筐体に同梱された複合型のアンテナ装置である。アンテナ13は、放射素子131と、この放射素子131を支持する樹脂製の支持体132とが、図1に示したアンテナ13の位置からz方向に延びるV2X用のコリニアアンテナである。
 放射素子131は、給電部となる基端からz方向に直線状に延びる第1直線部と、ループ形状部と、ループ形状部から再びz方向に直線状に延びる第2直線部と、この第2直線部の先端手前で後方側に折曲された第3直線部とを有する。支持体132は、骨組み構造であり、アンテナベース11に対してz方向に延伸する一対の柱部と、これらの柱部を連結する複数の連結部と、を有する。連結部には、放射素子131を固定するための孔又は切欠きが形成されている。
 衛星信号対応ユニット33は、誘電体331と、この誘電体331の上面に実装された電極332と、誘電体331の裏面側の回路基板と電極332とを電気的に接続する給電ピン(図示省略)と、を有する。誘電体331は、上面視で略四辺形であり、導電性のアンテナベース11の幾何中心点付近でz方向に厚み(長さL)を有する。本実施形態の誘電体331はセラミックであるが、誘電率や硬度が異なる他の誘電体、例えばテフロン(登録商標)等を用いてもよい。電極332は、衛星信号受信用に調整されたサイズの例えばスリットが形成された4給電の電極であり、アンテナベース11の板状の面に対して略平行に実装される。衛星信号対応ユニット33は、アンテナ13との干渉を回避するために、アンテナ13の動作周波数の電波の波長λの1/2以上離れており、かつ、z方向の厚みがアンテナ13の動作に影響を与えないようにするため、z方向の高さを抑えることが可能な平面アンテナを採用している。
 アンテナベース11は、図1、図6、図7、図9、図11に示した、上面視において略楕円形ではなく、+x方向、-x方向の丸みが無くなっている。また、アンテナベース11のうち、衛星信号対応ユニット33の誘電体を挟む+y方向および-y方向の縁部が、楕円形よりも外側に非流線形状に膨らんでいる。このような構造のアンテナ装置2は、アンテナベース11が上面視において、略楕円形で、アンテナ筐体に他のアンテナ部品が存在しない第1実施形態のアンテナ装置1よりも、指向特性のリップルが生じる部位が必然的に多くなる。また、アンテナケース12をアンテナベース11に水密に接合するための接合用ネジ(接合具の一つ)の本数も、上面視において、略楕円形状のアンテナベース11を有する第1実施形態のアンテナ装置1よりも多くなる。
 そこで、第2実施形態のアンテナ装置2では、リップルを低減するため、そのz方向の長さが11mm以上となる2本の導体棒14a,14bのほか、アンテナケース12をアンテナベース11に水密に接合するための金属製の接合用ネジを散乱体として利用している。接合用ネジをそれぞれ導体棒14c~14jと表記する。また、これらの導体棒14c~14jは、導体棒14a,14bよりも短くてよい。これにより、第1実施形態と同様、これらの導体棒14a~14jを散乱体として用いない場合よりもリップルの低減効果を奏することができる。
 衛星信号対応ユニット33の電極と衛星信号用の回路基板とを接続するための給電ピン(図示省略)をも導体棒として用いることができる。給電ピンは、パッチ電極を載置する誘電体基台の厚みとほぼ同じ長さの柱状の導体である。給電ピンの長さは約10mmであり、V2X帯の周波数においてアンテナベース11に接地された接地導体となる。したがって、散乱体として機能する他の導体棒と同様の動作、効果を得ることができる。
 第2実施形態のアンテナ装置2は、接合用ネジ(導体棒14a~14j)の挿入量(ねじ込み量)を調整可能な樹脂製の装着ボスがアンテナベース11の該当箇所に立設されている。装着ボスは、その内壁にネジ溝がz方向に向かって螺刻された装着穴又は装着孔を有する。装着穴は底部があるボスであり、装着孔は接合用ネジが貫通するボスである。
 ある態様では、装着ボスにおける装着穴又は装着孔を設計値よりも長めに形成しておき、接合用ネジのうち散乱体として機能する導体棒14c~14jの長さ、あるいはそれらの挿入量(ねじ込み量)を変えることにより、アンテナ13の指向特性を任意の方向に調整できるようにしている。例えば、アンテナ装置2の組立後に導体棒14c~14jのいずれかのねじ込み量を調整することで、散乱体として機能するz方向の長さを自由に変えることが可能である。導体棒14c~14jの長さは、アンテナケース12とアンテナベース11の保持力を確保できる範囲であればよく、全て同じ長さであってもよいし、指向特性に合わせて異なる長さに調整できるようにしてもよい。
 また、装着ボスをあらかじめ余分に形成しておき、必要に応じて、この装着ボスに、金属ネジまたは非導電性部材からなるネジを、アンテナ装置2の組立後に離脱自在および露出量調整自在に装着する構成であってもよい。これにより、リップル低減量の調整、アンテナ13の指向特性の任意の方向への制御あるいはその微調整が可能になる。
 [第3実施形態]
 本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図17~図19を参照して、第1実施形態のアンテナ装置1を他のアンテナ装置に適用した場合の例について説明する。図17は、第3実施形態に係るアンテナ装置3の斜視図である。図18は、第3実施形態に係るアンテナ装置3の上面図である。図19は、第3実施形態に係るアンテナ装置3の側面図である。図17~図19において、第1実施形態のアンテナ装置1および第2実施形態のアンテナ装置2と同じ機能の部品については、便宜上、同じ符号を付している。また、図1に示したアンテナケース12を外した構造例を示している。
 第3実施形態のアンテナ装置3は、第2実施形態のアンテナ装置2が備える衛星信号対応ユニット33の電極332の上面に、導電性の無給電素子334を配置している。本実施形態において、無給電素子334は、板状の面を有し、樹脂製の支持材により、板状の電極の面に対して所定間隔で略平行に支持される。この無給電素子334は、衛星信号対応ユニット33の導波器として作用させることができる。無給電素子334に、孔、スリット、あるいはスロットを形成することで、共振周波数を変えることもできる。
 [第4実施形態]
 本発明の第4実施形態について説明する。図20は、第4実施形態に係るアンテナ装置4の前方斜視図である。図21は第4実施形態に係るアンテナ装置4の上面図である。図22は第4実施形態に係るアンテナ装置4の後方斜視図である。図23は、第4実施形態に係るアンテナ装置4のアンテナ部分の左側側面図であり、具体的には、前方左側からみたアンテナ13の側面図である。図20~図23において、これまで説明したアンテナ装置1,2,3と同じ機能の部品については、便宜上、同じ符号を付している。また、いずれも図1に示したアンテナケース12を外した構造例を示している。
 第4実施形態のアンテナ装置4は、主として、以下の構成が上述したアンテナ装置2、3と異なる。
(1)衛星信号対応ユニット33が高精度全球測位衛星システム(High Definition Global Navigation Satellite System)用の信号を受信するユニットであり、それぞれ導電板からなる2つの無給電素子334が、互いに平行に配置されている。(2)アンテナ13の放射素子131の基端の取付位置が、支持体132のx方向の長さ分だけ後方側にずれ、かつ、放射素子131のループ形状部131Rから先端に向かう第2直線部131-2が第1直線部131-1に対して前方側に傾斜し、さらに、第2直線部131-2から折曲する第3直線部131-3の角度がアンテナ装置2,3における第3直線部131-3の角度よりも大きくなっている。
(3)アンテナ装置2,3の前方の2本の導体棒14a,14bに代えて、アンテナベース11の中心軸上において衛星信号対応ユニット33よりも前方に1本の導体棒14m、衛星信号対応ユニット33の後方で放射素子131の前方に導体棒14AL、アンテナ13の後方に導体棒14BLがそれぞれ存在する。前方の導体棒14mと衛星信号対応ユニット33との間には、接地電位の金属プレート40が配されている。なお、金属プレート40は、アンテナベース11の金属ベース部分と一体であってもよい。
 上記(1)の構成により、受信可能な信号数が少ない通常の衛星信号を受信する構成に比べて1/10以下の誤差で位置情報を取得することができる。また、上記(2)の構成により、水平面の放射利得の低下を抑制することができる。また、上記(3)の構成により、アンテナ13の前方に衛星信号対応ユニット33のようなV2X帯以内の周波数を動作周波数とするアンテナユニットが存在する場合に、アンテナ13の前方側の放射利得を小さくし、後方側についてはAzimuth角が60°~300°の範囲、特に90°~270°の範囲の放射利得を安定的に高く維持することができる。つまり、後方特化型のアンテナ13の態様を実現することができる。
 以下、上記(2)、(3)の構成について詳しく説明する。
 例えば、アンテナ装置2,3を車両ルーフへ取り付ける場合、車種によっては車両ルーフにおける取付部位が、その前後方向で大きく傾斜していることがある。例えば、セダンなどでは、車両ルーフが、前方側から後方側へ10°あるいはそれ以上傾斜している車両もしばしばみられる。このような車両に、アンテナベース11に対して鉛直方向に延びるアンテナ13をそのまま取り付けると、アンテナ13の水平面における放射利得が低下することがある。他方、アンテナベース11はそのままで、アンテナ13だけを単純に車両ルーフの傾斜分だけあらかじめ車両ルーフの傾斜方向とは逆方向に傾けるだけでは偏波面が乱れてしまい、大地と平行の水平面における放射利得の低下を抑制することができない。
 そこで、第4実施形態のアンテナ装置4では、車両ルーフの取付部位が、水平面に対して後方側へθ°傾いている場合に、アンテナ13の放射素子131の一部、例えば第2直線部131-2を第1直線部131-1に対して約2θ°だけ前方側へ傾斜させ、第3直線部131-3についてはアンテナベース11と略平行にする(上記(2)の構成)。つまり、アンテナ装置4を、そのような車両ルーフに取り付けた際に、放射素子131の第1直線部131-1と第2直線部131-2とが、水平面に対してそれぞれほぼ均等にθ°傾いた略L状になるようにする。第3直線部131-3は、放射素子131のz方向の高さを短縮するとともに該放射素子131に所定の容量を装荷する効果を奏する。第1直線部131-1から第2直線部131-2へ傾斜する部分と第2直線部131-2から第3直線部131-3へ折曲する部分は、R状であってもよい。
 アンテナ13の放射素子131をこのような形状にすることで、アンテナ装置4を取り付ける車両ルーフに傾斜があっても、偏波面を水平方向に修正することができ、アンテナ13の水平面内の放射利得の低下を抑制することができる。また、あらかじめ支持体132の連結部にそれぞれ放射素子131を固定するための複数の孔又は切欠きを形成しておき、車種に応じて放射素子131を固定させるための孔又は切欠きを選択することで、放射素子131における第1直線部131-1に対する第2直線部131-2の傾きθ°をアンテナ装置4の取付後に変更できるようにしてもよい。
 上記(3)の構成では、まず1本の導体棒14mにより、V2X帯において前方0°方向の散乱を大きくすることができる。あるいは、1本の導体棒14mにより、V2X帯において前方0°付近にNull点を形成することができる。また、導体棒14ALを、V2X帯におけるアンテナ13の反射素子として動作させる。詳しく説明すると、支持体132の一対の柱部のうち前方側の柱部は、図23に示すように後方側よりも相対的に太くなっており、その内側にはネジ穴が螺刻された装着ボスになっている。導体棒14ALは、V2X用の回路基板の裏面側から回路基板を挟んでネジ穴にねじ込まれ、支持体132を回路基板に接合させる。つまり、導体棒14ALは、支持体132と回路基板との接合用ネジを兼ねている。回路基板の裏面側にはアンテナ13の給電部と導通する導体パターンが形成されており、導体棒14ALは、支持体132と回路基板との接合時に導体パターンと電気的に接続される。回路基板は、導体棒14ALとは別の導体ネジによりアンテナベース11に固定されているため、導体パターンとアンテナベース11は、電気的に接続され、接地導体として機能する。
 導体棒14ALは、アンテナ13の第1直線部131-1の前方側に第1直線部131-1と約12mm離れた位置に配置される。接地導体からの距離は約12mmであり、V2X帯で約1/4λ(波長)となる。そのため、導体棒14ALは、V2X帯ではアンテナ13の反射素子として動作する。これにより、アンテナ13の指向特性をy方向(車両幅方向)および後方側60°~300°のAzimuth角に向けることが可能となる。ところで、第4実施形態では、接地導体からの導体棒14ALの距離を約1/4λに設定したが、1/4λ~1/2λ内で設定することで、放射する方位角範囲を調整することが可能である。
 また、導体棒14ALの代わりに非接地型の導体棒に置き換えても、反射素子として利用することができる。この場合は、導体棒の長さを約1/2λに設定すればよい。
 導体棒14BLについて説明する。導体棒14BLは、y方向(車両幅方向)および後方側の指向特性のリップルを低減するために、支持体132の後方、つまりアンテナ13の後方に配置される。導体棒14BLの形状は、略円錐形であってもよいが、四角柱状、棒状、円柱状、楕円柱状、長円柱状、多角柱状、有頭筒状、円筒状、楕円筒状、長円筒状、多角筒状、楕円錐状、長円錘状、多角錐状、面状、螺旋状、ジグザグ状など、その他の形状の立体であってもよい。導体棒14BLのz方向の長さ(高さ)は約6mmである。また、放射素子131からのx方向の距離は約6mmである。
 第4実施形態においても、第1~3実施形態のように導体棒14BLの長さや導体棒14BLのアンテナ13(放射素子131)からの距離を調整することにより、指向特性のリップルを低減することが可能である。また、導体棒14BLの形状や位置を変化させることで、所望のAzimuth角範囲、例えば、アンテナ13の後方側150°~210°における放射利得を増加させることもできる。さらに、導体棒14BLを導波素子としても機能させることができる。
 導体棒14ALおよび導体棒14BLが無い場合(例えば支持体132を接着剤等で固定しただけの場合)、アンテナ13の後方側135°~225°におけるリップルのレベル偏差は3.7dBであるが、導体棒14ALのみを追加した場合、レベル偏差は2.5dBとなり、1.2dB低減されることがわかった。このときの導体棒14ALの長さは11mmであった。また、この状態から導体棒14BLを追加した場合、アンテナ13の後方側の利得が増加し、リップルのレベル偏差も低減されることがわかった。このときの導体棒14BLの長さは8mmであった。このように、導体棒14BLの長さを適宜変更することにより、アンテナ13の後方側の放射利得やレベル偏差を調整することが可能である。
 2つの上記導体棒14AL、14BLを有する第4実施形態のアンテナ装置4と、導体棒14ALだけの比較例アンテナ装置4’の水平面内指向特性を図24に示す。図中、実線はアンテナ装置4、破線は比較例アンテナ装置4’である。比較例アンテナ装置4’の場合、アンテナ13の後方側180°の放射利得は8.2dBであるが、アンテナ装置4の場合、アンテナ13の後方側180°の放射利得は9.9dBである。したがって、導体棒14BLを追加しただけで、アンテナ13の放射利得が1.7dBほど向上した。また、比較例アンテナ装置4’の場合、アンテナ13の後方側135°~225°におけるレベル偏差は2.5dBであるが、アンテナ装置4のレベル偏差は1.3dBである。したがって、導体棒14BLを追加しただけで、レベル偏差も低減し、かつ指向特性のリップルも低減した。
 本例では、導体棒14ALのz方向の長さの中心部からアンテナ13の放射素子131までのx方向の距離は11.9mmであり、導体棒14BLのz方向の長さ(高さ)の中心部からアンテナ13の放射素子131までのx方向の距離は6.2mmであるが、任意の距離に設定し、所望の指向特性が得られるように放射利得を調整してもよい。
 また、これまでの説明では、リップルが低減されるように導体棒14BLの長さや位置を設定した。一方で、指向特性を事後的に変えるために、当該位置でリップルが大きくなるように導体棒14BLの長さや位置を設定してもよい。
 アンテナケース12の接合用ネジ(導体棒14c~14j)を固定する部分の構造について詳しく説明する。アンテナケース12に接合用ネジを装着するための装着ボス(樹脂)が備えられていることは、第2実施形態で説明した通りである。装着ボスの周囲は、アンテナケース12内の防水のため、アンテナベース11とアンテナケース12とを挟み込むためのリブ状のパッド50が設けられている。ここで、パッド50は、樹脂製であり、弾性を有している。
 装着ボスとパッド50のリブ状の構造により、アンテナ13の近傍の導体棒14i,14jによる散乱の態様が影響を受けることがある。つまり、導体棒14i,14j単体の散乱の態様と異なるため、これらの構造物の影響を加味して導体棒14i,14jの長さや位置を設定することが望ましい。例えば、導体棒14i,14jの存在が指向特性へ与える影響が大きい場合、導体棒14ALのように、導体棒14i,14jを放射素子131に近づけて配置することにより、導体棒14i,14jよりも導体棒14ALによる散乱の効果の方を支配的にすることで、指向特性を調整することができる。
 このように、第4実施形態では、搭載する車両の幅方向(y方向)および後方側60°~300°の範囲をカバーするアンテナ装置4の例について説明したが、車両の前方側0°~60°、300°~0°の範囲は、例えば、車両のフロントガラスに備え付けられる別のV2X用アンテナでカバーする構成にしてもよい。すなわち、第4実施形態のアンテナ13とは別のV2X用アンテナによって車両の全周囲をカバーする構成にしてもよい。
 [第5実施形態]
 本発明の第5実施形態について説明する。図25は、第5実施形態に係るアンテナ装置5の前方斜視図である。図26は第5実施形態に係るアンテナ装置5の上面図である。図27は第5実施形態に係るアンテナ装置5の前方左側からみた側面図である。図25~図27において、第4実施形態のアンテナ装置4と同様の機能部品については、同じ符号を付して重複説明を省略する。例えば、衛星信号対応ユニット33は、2つの無給電素子備えており、無給電素子は中央部だけが刳り抜かれた形状である。
また、いずれの図においても、図1に示したアンテナケース12を外した構造例を示している。
 第5実施形態のアンテナ装置5は、第4実施形態に係るアンテナ装置4との比較では、衛星信号対応ユニット33の前方で導体棒14mの後方となる金属プレート40の表面に、SXM(SiriusXMデジタルラジオ)対応ユニット34が存在する点が異なる。
 SXM対応ユニット34は、基板に固定されたセラミック等の基台341と、基台341のz方向の表面に設けられたパッチアンテナ342と、導電性の無給電素子344とを備えて構成される。SXM対応ユニット34は、アンテナ13で送受信される信号に対する散乱波の影響を低減する位置に配置される。アンテナベース11の背面側、すなわち、アンテナ装置5の取付時に車両ルーフを指向する側には、アンテナ取付部18が固定されている。
 なお、図25~図27の例では、第4実施形態に係るアンテナ装置4の導体棒14BLが存在しないが、導体棒14BLが存在するアンテナ装置5であってもよい。
 [その他の実施形態]
 第4実施形態では、アンテナケース12の形状・構造については説明を省略したが、アンテナケース12を含むケースデザインがアンテナ13の指向特性に影響を与えることがある。例えば、図28は第1ケースデザイン(シャークフィン形状のアンテナケース12)のアンテナ装置6であり、図29は第2ケースデザイン(ロケット形状のアンテナケース12)のアンテナ装置7である。これらのアンテナ装置6,7のケース内のアンテナ構造は、第4実施形態と同様である。図30は、これらのアンテナ装置6,7の水平面指向特性図である。
 このように、ケースデザインの違いにより、アンテナ13の放射利得の調整、リップルのレベル偏差が設計値から変わることがあるが、第4実施形態の技術を適用して導体棒14m、14c~14i、14AL、14BL等を適切なサイズで適所に配置することにより、設計値通りに修正することができる。
 以上、複数の実施形態により車両に搭載されるアンテナ装置1~7の例を説明したが、本発明は、ドローンやロボットなど、アンテナ筐体に収容されるアンテナが等方性であることが望まれる他の移動体用のアンテナ装置としての実施も可能である。
 上述の実施形態において、導体棒は固定されていてもよいし、取り外し可能に構成されていてもよい。導体棒が取り外し可能に構成されている場合、導体棒の取り付け及び取り外しにより、所望する指向特性となるように調整することが容易となり、設計の自由度を増すことができる。また、導体棒を取り外し可能に構成している場合、専用のアンテナベースを用いる必要がないため、様々なアンテナベースに対応することができ、さらにコストを抑制することができる上に、設計の自由度を増すことができる。さらに、取り外しが可能な導体棒を採用することで、不要な位置への導体棒の配置をなくすことができるため、コストを抑制することができる。
 本明細書の開示によれば、例えば以下の各態様のアンテナ装置が提供される。
[態様1]
 態様1のアンテナ装置は、内部に中空部を形成するアンテナ筐体と、前記内部に位置し、電波の送信および受信の少なくとも一方を行うアンテナと、前記中空部を伝搬する前記電波を前記アンテナ筐体の所定部位で散乱させる散乱体と、を備える。
 散乱体は、例えば、外来電波等の作用を受けて電波を散乱させる受動部材である。
 上述の態様によれば、アンテナ筐体の中空部を伝搬する電波を散乱体が散乱させる。そのため、送信時又は受信時の指向特性のリップルを低減させることができる。特に、リップルの最小値となるNull点の影響を緩和することができる。また、散乱体により指向特性を任意に変化させることができる。
[態様2]
 態様2は、前記電波の指向特性のリップルが他の部位よりも小さい部位に、少なくとも1つの前記散乱体が存在する。あるいは、前記散乱体は、2つ以上であり、前記アンテナ筐体において、少なくとも1つの第1の散乱体が前記所定部位に位置し、前記所定部位近傍の電波の強度分布の偏差が相対的に小さくなる部位に少なくとも1つの第2の散乱体が位置する。あるいは、前記散乱体は、2つ以上であり、前記アンテナ筐体において、少なくとも1つの第1の散乱体が前記所定部位に位置し、指向特性のリップルが生じる部位に少なくとも1つの第2の散乱体が位置する。あるいは、前記散乱体は、前記アンテナの給電点と前記アンテナ筐体の幾何中心点とを結ぶ軸線に対して対称となる部位に2つ以上存在する。あるいは、前記散乱体は、前記アンテナの給電点と前記アンテナ筐体の幾何中心点とを結ぶ軸線上に存在する。
 上述の態様によれば、アンテナの指向特性におけるリップルが緩和される。そのため、アンテナ筐体におけるアンテナの指向特性を等方性に近づけることができる。
[態様3]
 態様3は、前記散乱体は、非接地の導電性部材で構成される。あるいは、前記散乱体は、接地された導電性部材で構成される。あるいは、前記散乱体は、非導電性部材で構成される。あるいは、前記アンテナが接地面から垂直方向に延びる等方性エレメントであり、前記散乱体は、前記アンテナと平行に、前記アンテナの動作周波数の波長λの0.1~1の長さで配置される。
 上述の態様によれば、アンテナ装置の構造に応じて散乱体のサイズや配置態様を変えることができる。そのため、アンテナ装置の設計の自由度を高めることができる。
[態様4]
 態様4は、内部に中空部を形成するアンテナ筐体と、前記内部に位置し、電波の送信および受信の少なくとも一方を行うアンテナと、前記中空部を伝搬する前記電波を前記アンテナ筐体の所定部位で散乱させる散乱体と、を備え、前記アンテナ筐体は、アンテナベースと、前記アンテナベース上に前記中空部を形成するアンテナケースとを有し、前記散乱体は、2つ以上であり、前記アンテナベースおよび前記アンテナケースのうち、伝搬する前記電波の強度が相対的に小さくなる部位に存在する。
 上述の態様によれば、アンテナ筐体の中空部を伝搬する電波を散乱体が散乱させる。そのため、送信時又は受信時の指向特性のリップルを低減させることができる。また、散乱体により指向特性を任意に変化させることができる。
 また、従来は、例えばV2Xの一つであるV2V通信の場合、前方と後方それぞれ指向特性を持ったアンテナが1つずつ必要であったが、散乱体により、例えば1つのアンテナで前後方向の電波の強度を高めることができるので一つのアンテナで足りるようになる。また、散乱体により、前後方向だけでなく左右方向の指向特性を変化させることもできる。そのため、アンテナ装置の小型化・コストを低減することができる。
[態様5]
 態様5は、前記散乱体は、前記アンテナベース又は前記アンテナケースに離脱自在に装着される。あるいは、前記アンテナベースに前記散乱体の挿入量を調整可能な樹脂製の装着ボスが形成されている。あるいは、前記アンテナベースと前記アンテナベースとを接合するための接合具が前記散乱体を兼ねる。
 上述の態様によれば、アンテナ装置の構造に応じて散乱体のサイズや配置態様を変えることができる。そのため、アンテナ装置の設計の自由度を高めることができる。
[態様6]
 態様6は、前記中空部に前記アンテナ以外のアンテナ部品が存在し、前記アンテナ部品を前記アンテナ筐体に接合するための接合具が前記散乱体を兼ねる。
 上述の態様によれば、アンテナ筐体にアンテナ部品が設けられる場合に、接合具を散乱体として動作するので、散乱体を別途設ける必要がなくなる。
[態様7]
 態様7は、前記アンテナがV2X用アンテナであり、前記アンテナ部品の一つが衛星信号対応ユニットである。あるいは、前記衛星信号対応ユニットは、その取付部位からの高さが前記アンテナよりも低いパッチ電極を有する。あるいは、前記衛星信号対応ユニットは、前記パッチ電極を非接触で覆う無給電素子が設けられている。あるいは、前記無給電素子は、前記パッチ電極に対する導波機能を有する。
 上述の態様によれば、V2X用アンテナと衛星信号対応ユニットとが共にアンテナ筐体に混在する場合であっても、リップルの緩和が容易になる。
[態様8]
 態様8は、前記アンテナが有する放射素子の一部が、所定方向、例えば取付部位が傾斜しているときに該傾斜角と逆の方向に傾斜している。放射素子の一部の傾斜角度は、取付部位の傾斜角度の約2倍にすることができる。
 上述の態様によれば、取付部位が傾斜していることに起因する放射素子の水平面内における利得の低下を抑制することができる。
[態様9]
 態様9は、前記アンテナの前方に反射素子として機能する導体棒が存在し、前記アンテナの後方に散乱体となる別の導体棒が存在する。
 上述の態様によれば、アンテナの指向特性を事後的に変更することができる。また、リップルのレベル偏差を低減させることができる。
 1,2,3,4,5,6,7 アンテナ装置
 10 アンテナ筐体
 11 アンテナベース
 12 アンテナケース
 13 アンテナ
 131 放射素子
 132 支持体
 14,14a~14j,14m,14AL,14BL 導体棒
 33 衛星信号対応ユニット
 331 誘電体
 332 電極
 334 無給電素子
 34 SXM対応ユニット
 341 基台
 342 パッチアンテナ
 344 無給電素子

Claims (10)

  1.  内部に中空部を形成するアンテナ筐体と、
     前記内部に位置し、電波の送信および受信の少なくとも一方を行うアンテナと、
     前記中空部を伝搬する前記電波を前記アンテナ筐体の所定部位で散乱させる散乱体と、
     を備える、アンテナ装置。
  2.  前記電波の指向特性のリップルが他の部位よりも小さい部位に、少なくとも1つの前記散乱体が存在する、
     請求項1に記載のアンテナ装置。
  3.  前記散乱体は、2つ以上であり、
     前記アンテナ筐体において、少なくとも1つの第1の散乱体が前記所定部位に位置し、
     前記所定部位近傍の電波の強度分布の偏差が相対的に小さくなる部位に少なくとも1つの第2の散乱体が位置する、
     請求項1に記載のアンテナ装置。
  4.  前記散乱体は、2つ以上であり、
     前記アンテナ筐体において、少なくとも1つの第1の散乱体が前記所定部位に位置し、
     指向特性のリップルが相対的に小さくなる部位に少なくとも1つの第2の散乱体が位置する、
     請求項1に記載のアンテナ装置。
  5.  前記散乱体は、前記アンテナの給電点と前記アンテナ筐体の幾何中心点とを結ぶ軸線に対して略対称となる部位に2つ以上存在する、
     請求項1に記載のアンテナ装置。
  6.  前記散乱体は、前記アンテナの給電点と前記アンテナ筐体の幾何中心点とを結ぶ軸線上に存在する、
     請求項1に記載のアンテナ装置。
  7.  前記散乱体は、非接地の導電性部材で構成される、
     請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8.  前記散乱体は、接地された導電性部材で構成される、
     請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9.  前記散乱体は、非導電性部材で構成される、
     請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10.  前記アンテナは、接地面から垂直方向に延びる共振型のエレメントであり、
     前記散乱体は、前記アンテナと平行に、前記アンテナの動作周波数の波長λの0.1~1倍の長さで配置されている、
     請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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