WO2023189786A1 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

本発明に係る太陽電池モジュール(10)は、太陽電池ストリング(1)と、該太陽電池ストリング(1)の光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板(2)と、前記太陽電池ストリング(1)の光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板(3)と、前記太陽電池ストリング(1)を封止すべく、前記第1の保護板(2)と前記第2の保護板(3)との間に配される封止材(4)と、前記封止材(4)と前記第1の保護板(2)との間、及び、前記封止材(4)と前記第2の保護板(3)との間の少なくとも一方に配される吸水層(5)と、を備え、前記封止材(4)は、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含み、前記吸水層(5)は、アイオノマー樹脂を含んでいる。

Description

太陽電池モジュール 関連出願の相互参照
 本願は、日本国特願2022-057379号の優先権を主張し、その開示内容は、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
 本発明は、太陽電池モジュールに関する。
 従来、複数の発電セルが互いに接続されて構成された太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングの光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板(例えば、ガラス板など)と、前記太陽電池ストリングの光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板(例えば、ガラス板など)と、前記太陽電池ストリングを封止すべく、前記第1の保護板と前記第2の保護板との間に配される封止材と、を備える太陽電池モジュールが知られている。
 上記のような太陽電池モジュールは、通常、封止樹脂を含む封止層を有する2枚の封止シートで前記太陽電池ストリングを上下方向から挟み込み、一方の封止シートの封止層上に前記第1の保護板を配し、他方の封止シートの封止層上に前記第2の保護板を配した後、第1の保護板側及び第2の保護板側からプレスすることにより製造される。
 すなわち、上記のような太陽電池モジュールでは、前記封止材は、2枚の封止シートの封止層で形成されている。
 上記のような太陽電池モジュールは、例えば、ビルなどの建築物の壁面に設置して使用されたり、家屋などの建築物の屋根に設置して使用されたりすることが多い。
 すなわち、上記のような太陽電池モジュールは、雨や雪などに曝され得る環境で使用されることが多い。
 そして、雨や雪などが原因となる水分が前記太陽電池モジュールの内部に侵入すると、前記第1の保護板から前記封止層が剥離されるようになるとともに、第1の保護板側から見たときに白濁が確認されるようになる。
 前記第1の保護板から前記封止層が剥離されると、前記太陽電池モジュールの内部への水分の侵入が促進されることから好ましくない。
 また、上記のように、前記太陽電池モジュールをビルなどの建築物の壁面に設置して使用する場合、第1の保護板側から見たときに白濁が確認されることは、美感の点から好ましくない。
 そのため、雨や雪などが原因となる水分が前記太陽電池モジュールの内部に侵入することを抑制するために、下記特許文献1では、前記封止シートの封止層を、吸水性に優れるアイオノマー樹脂を含むアイオノマー層と、接着性に優れるポリオレフィンエラストマー樹脂を含む接着剤層との積層体として構成することが開示されている。
 そして、下記特許文献1では、上記のように構成した2枚の封止シートで前記太陽電池ストリングを挟み込む例として、以下のものが開示されている。
 
・封止シートの封止層をアイオノマー層の両面に接着剤層を積層させた3層積層体とし、2枚の封止シートの一方の接着剤層どうしで前記太陽電池ストランドを挟み込むこと(以下、第1の態様ともいう)
・封止シートの封止層をアイオノマー層の一方面に接着剤層を積層された2層積層体とし、2枚の封止シートのアイオノマー層どうしで前記太陽電池ストランドを挟み込むこと(以下、第2の態様ともいう)
国際公開第2017/057217号
 ところで、上記のように、前記太陽電池モジュールは、第1の保護板側及び第2の保護板側からプレスすることにより製造される。
 前記第1の保護板及び前記第2の保護板は、通常、矩形状をなしている。
 そして、上記のようにプレスを行った際には、前記第1の保護板の四隅及び前記第2の保護板の四隅は、前記第1の保護板の中央部分及び前記第2の保護板の中央部分に比べて、必ずしも、前記封止層と十分に圧着させることができず、四隅部分に僅かな空隙が生じるようになる。
 そのため、雨や雪などが原因となる水分は、四隅部分に生じた僅かな空隙を通って前記太陽電池モジュールの内部に侵入するようになる。
 そして、上記特許文献1の第1の態様では、接着剤層が第1の保護板及び第2の保護板と接するように太陽電池モジュールが構成されることから、四隅部分からの水分の侵入を、必ずしも、十分に抑制することはできない。
 また、アイオノマー樹脂は、該アイオノマー樹脂を構成する高分子の種類とイオンの含有量を適切に制御しない限りにおいては、必ずしも、十分な弾性を示すものとはならない。
 そのため、上記特許文献1の第2態様のように、アイオノマー層どうしで太陽電池ストランドを挟み込んだ状態でプレスすると、アイオノマー層が十分な弾性を示さないことが原因となって、太陽電池ストリングを構成する発電セルにワレなどの破損が生じる虞がある。
 また、発電セルの接続部分に破損が生じる虞がある。
 すなわち、太陽電池ストリングに破損が生じる虞がある。
 しかしながら、太陽電池モジュールの内部への水分の侵入を抑制しつつ、太陽電池ストリングに破損が生じる虞を低減させることについて、未だ十分な検討がなされているとは言い難い。
 そこで、本発明は、内部への水分の侵入を抑制しつつ、太陽電池ストリングに破損が生じる虞を低減させることができる、太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
 本発明に係る太陽電池モジュールは、
 太陽電池ストリングと、
 該太陽電池ストリングの光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板と、
 前記太陽電池ストリングの光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板と、
 前記太陽電池ストリングを封止すべく、前記第1の保護板と前記第2の保護板との間に配される封止材と、
 前記封止材と前記第1の保護板との間、及び、前記封止材と前記第2の保護板との間の少なくとも一方に配される吸水層と、を備え、
 前記封止材は、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含み、
 前記吸水層は、アイオノマー樹脂を含んでいる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを模式的に示した平面図。 図1のII-II位置における模式的な断面図。 本発明の第1の変形例に係る太陽電池モジュールを模式的に示した断面図。 本発明の第2の変形例に係る太陽電池モジュールを模式的に示した断面図。 本発明の第3の変形例に係る太陽電池モジュールを分解した状態で模式的に示した断面図。 解体する直前の実施例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の実施例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の実施例3に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の実施例3に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の比較例1に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の比較例1に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の比較例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真。 解体する直前の比較例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真。
 以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
 なお、以下では、本発明の一実施形態を、単に、本実施形態と称することがある。
[太陽電池モジュール]
 図1及び2に示したように、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、太陽電池ストリング1と、太陽電池ストリング1の光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板2と、太陽電池ストリング1の光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板3と、太陽電池ストリング1を封止すべく、第1の保護板2と第2の保護板3との間に配される封止材4と、封止材4と第1の保護板2との間、及び、封止材4と第2の保護板3との少なくとも一方に配される吸水層5と、を備える。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、吸水層5は、封止材4と第2の保護板3との間にのみ配されている。
 すなわち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、吸水層5は、太陽電池ストリング1の光入射面と反対面側にのみ配されている。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、封止材4は、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含む。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、吸水層5は、アイオノマー樹脂を含む。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、封止材4は封止層として構成されている。
 また、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、図1及び2に示したように、太陽電池ストリング1と透光性を有する第1の保護板2との間に配され、かつ、透光性を有する第1の保護板2を透過した光の一部を減光または遮光する装飾層6をさらに備える。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、装飾層6は、太陽電池ストリング1と重ならずに配されていることが好ましい。
 すなわち、装飾層6は、太陽電池ストリング1の外周端縁よりも外側に配されていることが好ましい。
 装飾層6がこのような配されることにより、太陽電池ストリング1の全体に太陽光を十分に照射させることができる。
 これにより、太陽電池ストリング1における発電量が小さくなることを抑制できる。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、第1の保護板2と第2の保護板3とは、平面視において略同一寸法を有しており、外周端縁が略一致するように互いに対面して配されている。
 なお、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、封止層として構成される封止材4は、平面視において、第1の保護板2及び第2の保護板3と略同一寸法を有している。
 また、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、吸水層5も、平面視において、第1の保護板2及び第2の保護板3と略同一寸法を有している。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、封止層として構成される封止材4の一方面に第1の保護板2が積層され、封止層として構成される封止材4の他方面に吸水層5が積層され、吸水層5における封止材4の積層面の反対面に第2の保護板3が積層されている。
 すなわち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、図2に示したように、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3は、この順に積層されて積層体を形成している。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3の積層体の外周端部を覆った状態で、前記積層体を保持する枠部7をさらに備える。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、平面視において、通常、矩形状をなしている。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第1の保護板2側から太陽光が照射されるように、家屋などの建築物の屋根やビルなどの建築物の窓枠内などに取り付けられる。
 すなわち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第1の保護板2が太陽光の照射側に向くように、家屋などの建築物の屋根やビルなどの建築物の窓枠内(すなわち、建築物の壁)などに取り付けられる。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、太陽電池ストリング1は、受光により発電する複数の発電セル1aを備える。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10では、複数の発電セル1aのそれぞれは、平面視において、細長形状、より詳しくは、細長の矩形状を有している。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、複数の発電セル1aのそれぞれは、互いにシングリング接続されている。
 すなわち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、複数の発電セル1aのそれぞれが互いにシングリング接続されて、太陽電池ストリング1を構成している。
 シングリング接続とは、細長形状を有する複数の発電セル1aを、各発電セル1aの長辺どうしが重なるように接続しながら順次配していくことである。
 なお、太陽電池モジュール10においては、図5に示したように、複数の発電セル1aのそれぞれは、配線(電気配線)を介して接続されていてもよい。
 ここで、太陽電池モジュール10をビルなどの建築物の窓枠内などに設置した場合においては、通行人やビルなどの建築物の近くを走行する車の運転者は、太陽電池モジュール10の内部を視認できるようになる。
 すなわち、通行人や運転者は、太陽電池モジュール10の内部に備えられている太陽電池ストリング1を視認できるようになる。
 そのため、太陽電池ストリング1が白色などの明色を呈していると、通行人や運転者の目に刺激を与える虞があることから好ましくない。
 このような観点から、太陽電池ストリング1は暗色を呈していることが好ましく、暗色な中でも特に黒色を呈していることが好ましい。
 また、先に説明したように、太陽電池ストリング1は、複数の発電セル1aどうしが接続されて構成されている。
 そして、発電セル1aどうしの接続箇所において隙間が生じてしまうことがある。
 発電セル1aどうしの接続箇所において隙間が生じると、前記通行人や前記運転者は、その隙間から、封止材4と第2の保護板3との間に配された吸水層5を視認できるようになる。
 このような場合、太陽電池ストリング1の色調と、封止材4と第2の保護板3との間に配された吸水層5の色調とが異なっていることは美感の点から好ましくない。
 このような観点から、上記のように、太陽電池ストリング1が暗色を呈している場合、封止材4と第2の保護板3との間に配された吸水層5も暗色を呈していることが好ましい。
 また、封止材4と第2の保護板3との間に配された吸水層5は、太陽電池ストリング1と同様に、暗色の中でも特に黒色を呈していることが好ましい。
 第1の保護板2は、例えば、ガラスである。
 第1の保護板2の厚みは、例えば、2mm以上8mm以下である。
 第2の保護板3も、第1の保護板2と同様に、例えば、ガラスである。
 第2の保護板3の厚みも、第1の保護板2と同様に、2mm以上8mm以下である。
 上記したように、封止材4は、ポリオレフィンエラストマー(POE)樹脂を含む。
 前記ポリオレフィンエラストマー(POE)樹脂は、ゴム弾性を示す。
 前記ポリオレフィンエラストマー(POE)樹脂としては、例えば、ポリエチレン系エラストマー樹脂、ポリプロピレン系エラストマー樹脂などが挙げられる。
 ここで、ポリエチレン系エラストマー樹脂とはエチレンを50質量%以上含むエラストマー樹脂を意味し、ポリプロピレン系エラストマー樹脂とはプロピレンを50質量%以上含むエラストマー樹脂を意味する。
 また、前記ポリオレフィンエラストマー樹脂は、α-オレフィン、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレートなどの共重合可能な単量体を共重合させた変性ポリオレフィンエラストマー樹脂であってもよい。
 前記ポリオレフィンエラストマー樹脂の市販品としては、例えば、Dow Chemical Company社製のENGAGE 8000番台シリーズ、7000番台シリーズ;Dow Chemical Company社製のAFFINITY GA 1900、1950、1875、1000R;ExxonMobil社製のVistamaxx 8380、8780、8880、6102、6202、6502、3000、3020、3588FL、3980FL;三井化学社製のTAFMER DFシリーズ、Aシリーズ、Pシリーズ、XMシリーズ;First社製のTF4などが挙げられる。
 封止材4は、前記ポリオレフィンエラストマー樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
 前記ポリオレフィンエラストマー樹脂以外の樹脂は、前記ポリオレフィンエラストマー樹脂と同様に適度なゴム弾性を有していることが好ましい。
 封止材4による太陽電池ストリング1の封止は、2枚の樹脂シートで太陽電池ストリング1を一方面側(表面側)及び他方面側(裏面側)から挟み込んだ状態とした後、これら2枚の樹脂シートを外方からプレスすることにより実施することができる。
 すなわち、封止材4は、2枚の樹脂シートをプレスすることによって構成されたものであってもよい。
 ここで、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、封止材4はポリオレフィンエラストマー樹脂を含んでいるので、十分なゴム弾性を有している。
 すなわち、封止材4が、2枚の樹脂シートをプレスすることによって構成されたものである場合には、これら2枚の樹脂シートもポリオレフィンエラストマー樹脂を含んでいることから、これら2枚の樹脂シートも十分なゴム弾性を有している。
 そのため、2枚の樹脂シートで挟み込んだ状態とした後、これら2枚の樹脂シートを外方からプレスして太陽電池ストリング1を封止するときに、太陽電池ストリング1を構成する発電セル1aにワレなどの破損が生じる虞を低減でき、また、発電セル1aの接続部分に破損が生じる虞を低減できる。
 すなわち、封止材4を用いた太陽電池ストリング1の封止時に、太陽電池ストリング1に破損が生じる虞を低減できる。
 上記したように、吸水層5は、アイオノマー樹脂を含む。
 吸水層5はアイオノマー樹脂を含むことにより吸水性を示す。
 そのため、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3の積層体を、第1の保護板2側及び第2の保護板3側からプレスなどして得られる太陽電池モジュール10において、第1の保護板2及び第2の保護板3の少なくとも一方の四隅部分に僅かな隙間が生じていて、この隙間から内部に水分が侵入したとしても、吸水層5によって侵入した水分を吸収することができる。
 前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンなどのオレフィン由来の構成単位、及び、α,β-不飽和カルボン酸に由来の構成単位を有し、α,β-不飽和カルボン酸の少なくとも一部が金属イオンによって中和された熱可塑性樹脂が挙げられる。
 金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオン;マグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン;亜鉛イオンなどが挙げられる。
 金属イオンによって中和される前のエチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体において、α,β-不飽和カルボン酸の構成単位の含有量は、α,β-不飽和カルボン酸の質量に基づいて2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。
 また、前記α,β-不飽和カルボン酸の構成単位の含有量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
 前記アイオノマー樹脂が有するα,β-不飽和カルボン酸由来の構成単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸に由来する構成単位などが挙げられ、中でも、アクリル酸またはメタクリル酸に由来する構成単位が特に好ましい。
 前記アイオノマー樹脂としては、入手することが容易である点から、エチレン-アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂、及び、エチレン-メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂がより好ましく、エチレン-アクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体のナトリウムアイオノマー樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体のナトリウムアイオノマー樹脂が特に好ましい。
 前記アイオノマー樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 吸水層5は、前記アイオノマー樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
 前記アイオノマー樹脂以外の樹脂は、前記アイオノマー樹脂と同様に吸水性を有するものであることが好ましい。
 装飾層6は、例えば、太陽電池ストリング1の周囲に配された配線(電気配線)を隠すなどして、太陽電池モジュール10の美感を整えるために備えられている。
 前記配線は、例えば、太陽電池ストリング1によって太陽エネルギーから変換された電気エネルギーを外部に取り出すためなどに配されている。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、装飾層6は、第1の保護板2の光入射面と反対面に形成された塗膜である。
 前記塗膜は、樹脂組成物を第1の保護板2の光入射面と反対面に塗布して乾燥させることにより形成することができる。
 このように、装飾層6が第1の保護板2の光入射面と反対面に形成されていることにより、装飾層6が第1の保護板2の光入射面に形成されている場合と比べて、経年によって塗膜の剥離が生じることを抑制し易くなる。
 装飾層6が塗膜である場合、該塗膜の厚みは5μm以上50μm以下であることが好ましい。
 前記塗膜は、例えば、セラミック印刷によって形成することができる。
 装飾層6は、第1の保護板2を透過した入射光の一部を遮光(遮蔽)したり、前記入射光のうちある程度の光を透過したりする。
 すなわち、装飾層6では、第1の保護板2を透過した入射光の一部が遮光されたり、前記入射光の一部が減光されたりする。
 太陽電池ストリング1の周囲に配された配線(電気配線)を隠すとともに、内部を視認した際に目立ち難くする観点から、装飾層6は、暗色を呈していることが好ましく、暗色の中でも黒色を呈していることがより好ましい。
 なお、暗色とは、黒色、灰色、藍色、紺色などを意味する。
 また、灰色とは鼠色を含む概念であり、紺色は濃紺色(ネイビー)を含む概念である。
 さらに、藍色とは紺色よりも緑味が強い色を意味する。
 装飾層6を形成するための樹脂組成物に暗色を呈する顔料を含有させておくことにより、装飾層6は暗色を呈するものとなる。
 暗色を呈する顔料としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。
 装飾層6は、例えば、第1の保護板2の光入射面と反対面において所定範囲を塗りつぶすことにより(べた塗りすることにより)形成される塗膜である。
 装飾層6は、第1の保護板2の光入射面と反対面において複数の遮光領域と複数の透光領域とを隣接して形成することにより、遮光領域と透光領域との組み合わせで厚み方向における減光がなされる塗膜であってもよい。
 具体的には、装飾層6は、第1の保護板2の光入射面と反対面において所定範囲をドット状や網状などに塗った塗膜であってもよい。
 装飾層6は、第1の保護板2の光入射面と反対面に貼り合わせることが可能な黒色や他の色の遮光フィルムであってもよい。
 なお、装飾層6は、封止材4において、太陽電池ストリング1の外周端縁よりも外側の領域を黒色などに着色することにより形成されてもよい。
 例えば、封止材4が、上記のように2枚の樹脂シートによって構成される場合には、2枚の樹脂シートのうち、第1の保護板2側に配される樹脂シートにおいて、太陽電池ストリング1の外周端縁よりも外側に相当する部分を黒色に着色しておき、この一部が黒色に着色された樹脂シートと黒色に着色されていない樹脂シートとで、太陽電池ストリング1を一方面側(表面側)及び他方面側(裏面側)から挟み込んだ状態とした後、これら2枚の樹脂シートを外方からプレスすることにより、封止材4に備えさせた状態で、太陽電池ストリング1の外周端縁よりも外側に装飾層6を設けることができる。
 なお、装飾層6は、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3の積層体の外周端部を覆った状態で、前記積層体を保持する枠部7とは、別部材である。
 上記したように、枠部7は、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3の積層体の外周端部を覆った状態で、前記積層体を保持する。
 枠部7は、前記積層体の外周端部を覆うべく、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3よりも一回り大きな平面寸法を有している。
 すなわち、枠部7の外周端縁は、第1の保護板2、封止材4、吸水層5、及び、第2の保護板3の外周端縁よりも外側に位置している。
 また、枠部7は、前記積層体の外周端部を覆うべく、前記積層体よりも高く構成されている。
 さらに、図2に示したように、枠部7は、前記積層体を保持すべく、前記積層体を嵌入可能な嵌入部7aを備えている。
 枠部7によって前記積層体を保持した状態で太陽電池モジュール10を構成することより、枠部7によって前記積層体を保持させない状態で構成された太陽電池モジュール10と比べて、機械的強度を向上させることができる。
 枠部7によって前記積層体を保持させておくことにより、太陽電池モジュール10に寸法変動が生じることを抑制できる。
 すなわち、太陽電池モジュール10を一定の形態に整えた状態で維持することができる。
 次に、図3を参照しながら、本発明の第1の変形例に係る太陽電池モジュール10について説明する。
 本発明の第1の変形例に係る太陽電池モジュール10は、第1の保護板2と封止材4との間にも、吸水層5が配されている点で、先に説明した実施形態に係る太陽電池モジュール10と異なる。
 このように構成されていることにより、第1の保護板2側から水分が侵入したとしても、第1の保護板2側に配された吸水層5によって前記水分を効率良く吸収することができる。
 なお、第1の保護板2と封止材4との間に配される吸水層5は、太陽電池ストリング1に太陽光が入射され難くなることを抑制する観点から、着色されておらず透明であることが好ましい。
 次に、図4を参照しながら、本発明の第2の変形例に係る太陽電池モジュール10について説明する。
 本発明の第2の変形例に係る太陽電池モジュール10は、第2の保護板3と封止材4との間に吸水層5が配されておらず、第1の保護板2と封止材4との間にのみ、吸水層5が配されている点で、先に説明した実施形態に係る太陽電池モジュール10と異なる。
 このように構成されていることにより、特に、第1の保護板2側から太陽電池モジュール10の内部に侵入する水分を効率良く吸収することができる。
 なお、上で説明したように、本発明の第2の変形例に係る太陽電池モジュール10においても、第1の保護板2と封止材4との間に配される吸水層5は、着色されておらず透明であることが好ましい。
 次に、図5を参照しながら、本発明の第3の変形例に係る太陽電池モジュール10について説明する。
 本発明の第3の変形例に係る太陽電池モジュール10は、(1)複数の発電セル1aのそれぞれが配線Wを介して接続されて太陽電池ストリング1が構成されている点、(2)配線Wが、太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びた後、第2の保護板3を通って太陽電池モジュール10の外部にまで延出している点、(3)太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びている配線Wの部分と太陽電池ストリング1との間に、絶縁層(隔壁)ISが配されている点、(4)封止材4が、第1の保護板2と太陽電池ストリング1との間に配される第1の樹脂シート4aと、太陽電池ストリング1と絶縁層ISとの間に配される第2の樹脂シート4bと、絶縁層ISと太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びている配線Wの部分との間に配される第3の樹脂シート4cと、の3枚の樹脂シートで構成されている点、及び、(5)配線Wを外部にまで延出させるために、第2の保護板3が厚さ方向に貫通する孔3aを備えている点において、先に説明した上記実施形態に係る太陽電池モジュール10と異なる。
 なお、図5に示したように、配線Wは、太陽電池ストリング1の一端側から第2の樹脂シート4b及び第3の樹脂シート4cを厚さ方向に貫通した後、折り返して太陽電池ストリング1の他端側までさらに延びて吸水層5を厚さ方向に貫通した後、第2の保護板3の孔3aを通って太陽電池モジュール10の外部にまで延出している。
 本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びている配線Wの部分を有しているので、第2の保護板3において孔3aを形成する箇所についての自由度が増す。
 これにより、太陽電池モジュール10の外部に配される端子箱の選定の自由度が増すようになる。
 また、孔3aを形成する箇所の自由度が増すことで、孔3aが形成されることにより第2の保護板3の強度が低下して、これが原因となって太陽電池モジュール10の強度が低下することを抑制できる。
 また、本実施形態に係る太陽電池モジュール10においては、太陽電池ストリング1と太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びている配線Wの部分の間に、絶縁層ISが配されているので、太陽電池モジュール10内において十分な絶縁性を確保することができる。
 また、絶縁層ISによって、太陽電池ストリング1の一端側から折り返して他端側まで延びている配線Wの部分を隠すことができる。
 これにより、意匠性を向上させることができる。
 本発明の第3の変形例に係る太陽電池モジュール10においては、第2の保護板3に配線Wを外部に延出させるための孔3aが形成されているものの、図5に示したように、第3の樹脂シート4c(封止材4)と第2の保護板3との間に吸水層5が備えられているので、孔3aを通って内部に侵入する水分を好適に吸収することができる。
 なお、封止材4(第1の樹脂シート4a、第2の樹脂シート4b、及び、第3の樹脂シート4c)はゴム弾性を有するポリオレフィンエラストマー樹脂を含んでおり、吸水層5はポリオレフィンエラストマーのゴム弾性には劣るもののある程度のゴム弾性を示すアイオノマー樹脂を含んでいるので、配線Wが封止材4及び吸水層5を厚さ方向に貫通した後においては、封止材4及び吸水層5は配線Wを隙間なく保持するように収縮する。
 そのため、配線Wが封止材4及び吸水層5を厚さ方向に貫通した後においても、封止材4及び吸水層5には、水分を内部へと侵入させるような貫通孔は形成されていない。
 本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
 太陽電池ストリングと、
 該太陽電池ストリングの光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板と、
 前記太陽電池ストリングの光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板と、
 前記太陽電池ストリングを封止すべく、前記第1の保護板と前記第2の保護板との間に配される封止材と、
 前記封止材と前記第1の保護板との間、及び、前記封止材と前記第2の保護板との間の少なくとも一方に配される吸水層と、を備え、
 前記封止材は、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含み、
 前記吸水層は、アイオノマー樹脂を含んでいる。
 太陽電池モジュール。
 斯かる構成によれば、内部への水分の侵入を抑制しつつ、太陽電池ストリングに破損が生じる虞を低減させることができる。
(2)
 前記封止材と前記第2の保護板との間に、前記吸水層が配され、
 前記封止材と前記吸水層との間に、前記太陽電池ストリングによって太陽エネルギーから変換された電気エネルギーを外部に取り出すための配線が配されており、
 前記第2の保護板には、前記配線を外部に延出させるための孔が形成されている
 上記(1)に記載の太陽電池モジュール。
 斯かる構成によれば、前記封止材と前記第2の保護板との間に前記吸水層が配されているので、前記第2の保護板に配線を外部に延出させるための孔が形成されている場合であっても、前記孔を介して前記太陽電池モジュールの内部に水分が侵入することを十分に抑制することができる。
(3)
 前記太陽電池ストリングは、受光により発電する複数の発電セルどうしが互いに接続されて構成されているとともに、暗色を呈しており、
 前記封止材と前記第2の保護板との間に配された前記吸水層が暗色を呈している
 上記(2)に記載の太陽電池モジュール。
 前記太陽電池ストリングは、受光により発電する複数の発電セルどうしが互いに接続されて構成されている。
 そして、前記発電セルどうしの接続箇所において隙間が生じてしまうことがある。
 しかしながら、上記のように、前記太陽電池ストリング及び前記吸水層が共に暗色を呈している場合には、上記のように、前記発電セルどうしの接続箇所に隙間が生じていたとしても、その隙間から前記吸水層が視認されることを抑制できる。
 また、前記太陽電池ストリング及び前記吸水層が共に暗色を呈していることにより、前記太陽電池モジュールの内部の視認者に対して、目に刺激を与える虞を低減できる。
 なお、本発明に係る太陽電池モジュールは、前記実施形態によって限定されるものではない。
 また、本発明に係る太陽電池モジュールは、前記した作用効果によって限定されるものでもない。
 本発明に係る太陽電池モジュールは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
 次に、実施例を挙げて本発明についてさらに説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
 第2の保護板に、吸水層、第3の樹脂シート、隔壁(絶縁層)、第2の樹脂シート、太陽電池ストリング、第1の樹脂シート、及び、第1の保護板をこの順に積層させて第1積層体を得て、該第1積層体を第1の保護板側及び第2の保護板側からプレスして、実施例1に係る太陽電池モジュールを作製した。
 前記第1の保護板及び前記第2の保護板としては、ガラス板を用いた。
 前記吸水層としては、アイオノマー樹脂とカーボンブラックとを含む樹脂シートを用いた。
 前記アイオノマー樹脂は、エチレン由来の構成単位、及び、α,β-不飽和カルボン酸に由来の構成単位を有し、かつ、α,β-不飽和カルボン酸の少なくとも一部が金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂であった。
 なお、アイオノマー樹脂を含む樹脂シートは、黒色を呈するものであった。
 前記第1の樹脂シート、前記第2の樹脂シート、及び、前記第3の樹脂シートとしては、ポリオレフィンエラストマー樹脂としてFisrt社製のTF4を含む樹脂シートを用いた。
 前記隔壁(絶縁層)としては、PETフィルムとフッ素フィルムとを貼合した絶縁シートを用いた。
 また、前記第1積層体は、圧力40kPaで12分間プレスした。
 なお、第1の保護板及び第2の保護板は、平面寸法が907mm×551mm、厚みが2.5mmであり、第1の樹脂シート、第2の樹脂シート、第3の樹脂シート、及び、吸水層は、平面寸法が907mm×551mm、厚みが0.5mmであった。
 また、太陽電池ストリングは、平面寸法が706mm×485mm、厚みが0.2mmであった。
 さらに、隔壁は、平面寸法が490mm×90mm、厚みが0.1mmであった。
(実施例2)
 第2の保護板に、吸水層、隔壁(絶縁層)、第2の樹脂シート、太陽電池ストリング、第1の樹脂シート、及び、第1の保護板をこの順に積層させて第2積層体を得た以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る太陽電池モジュールを作製した。
(実施例3)
 前記第1積層体のプレス条件を、圧力80kPaで20分とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る太陽電池モジュールを作製した。
(比較例1)
 隔壁(絶縁層)及び吸水層を用いない以外は、実施例2と同様にして、比較例1に係る太陽電池モジュールを作製した。
 すなわち、比較例1に係る太陽電池モジュールは、第2の保護板に、第2の樹脂シート、太陽電池ストリング、第1の樹脂シート、及び、第1の保護板がこの順に積層された積層体を有するものであった。
(比較例2)
 隔壁(絶縁層)及び吸水層を用いない以外は、実施例3と同様にして、比較例2に係る太陽電池モジュールを作製した。
 すなわち、比較例2に係る太陽電池モジュールは、第2の保護板に、第3の樹脂シート、第2の樹脂シート、太陽電池ストリング、第1の樹脂シート、及び、第1の保護板がこの順に積層された積層体を有するものであった。
[水分量]
<実施例1に係る太陽電池モジュール>
 実施例1に係る太陽電池モジュールを、相対湿度85%、温度85℃の環境下に3000時間放置した後、実施例1に係る太陽電池モジュールを解体した。
 そして、第1の樹脂シート及び吸水層の水分量を測定した。
 前記第1の樹脂シート及び前記吸水層の水分量は、前記第1の樹脂シート及び前記吸水層の角部付近及び中央部付近から切り出した試験片について、カールフィッシャー水分計(水分測定装置として、微量水分測定装置CA-200型(日東精工エアナリテック社製)を備え、気化装置として、水分気化装置VA-200型(日東精工エアナリテック社製)を備えたもの)を用いて実施した。
 具体的には、前記第1の樹脂シート及び前記吸水層の角部付近及び中央部付近から試験片をそれぞれ切り出した後、各試験片から水分測定用試料を採取し、カールフィッシャー水分計を用いて前記水分測定用試料の水分量を測定することにより実施した。
 角部付近については、前記第1の樹脂シート及び前記吸水層から20mm×15mmの平面寸法を有するように長方形状に試験片を切り出した。
 中央部付近については、前記第1の樹脂シート及び前記吸水層から15mm×15mmの平面寸法を有するように正方形状に試験片を切り出した。
 カールフィッシャー水分計による水分量の測定は、前記第1の樹脂シートから切り出した試験片、及び、前記吸水層から切り出した試験片から、それぞれ0.1~0.4gの水分測定用試料を採取し、以下の条件にて実施した。
 
・試料加熱温度:150℃
・N流量:300mL/min
・陽極液:アクアミクロンAX(三菱ケミカル社製)
・陰極液:アクアミクロンCXU(三菱ケミカル社製)
 
 また、カールフィッシャー水分計による水分量の測定は、各試験片について、任意の5箇所から採取した水分測定用試料について実施し、これらを算術平均した値を各試験片についての水分量とした。
 前記第1の樹脂シートの角部付近及び中央部付近の水分量と、前記吸水層の角部付近及び中央部付近の水分量を以下の表1に示した。
<実施例2及び3に係る太陽電池モジュール>
 相対湿度85%、温度85℃の環境下に6720時間装置した以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び3に係る太陽電池モジュールの第1の樹脂シート及び吸水層について水分量を測定した。
 その結果を以下の表1に示した。
<比較例1及び2に係る太陽電池モジュール>
 相対湿度85%、温度85℃の環境下に6000時間放置した以外は、実施例1と同様にして、比較例1及び2に係る太陽電池モジュールの第1の樹脂シート及び吸水層について水分量を測定した。
 その結果を以下の表1に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 表1から、吸水層を有する実施例1~3に係る太陽電池モジュールでは、第1の樹脂シートの角部付近の水分量は、最大でも240μg/gとなっていて、第1の樹脂シートの中央部付近の水分量は、最大でも92μg/gでとなっていることが分かる。
 また、実施例1~3に係る太陽電池モジュールでは、吸水層の角部付近の水分量は、1100μg/g以上となっており、吸水層の中央部付近の水分量は、510μg/g以上となっていることが分かる。
 これに対し、吸水層を有さない比較例1及び2に係る太陽電池モジュールでは、第1の樹脂シートの角部付近の水分量は、最小でも455μg/gとなっていて、第1の樹脂シートの中央部の水分量は、最小でも121μgとなっていることが分かる。
 この結果から、実施例1~3に係る太陽電池モジュールでは、太陽電池モジュールの角部付近に生じている僅かな隙間から内部へと侵入した水分を吸水層で十分に吸収できているので、第1の樹脂シートの角部付近及び中央部付近での水分量が十分少ないのに対し、比較例1及び2に係る太陽電池モジュールは、吸水層を備えていないので、太陽電池モジュールの角部付近に生じている僅かな隙間から内部へと侵入した水分を吸収できず、第1の樹脂シートの角部付近及び中央部付近での水分量が極めて多くなっていることが分かる。
 また、図6Aに、解体する直前の実施例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側(太陽光が入射される側)から撮像した写真を示し、図6Bに、解体する直前の実施例2に太陽電池モジュールの角部気分を第2の保護板側から撮像した写真を示し、図7Aに、解体する直前の実施例3に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真を示し、図7Bに、解体する直前の実施例3に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真を示しているが、いずれの写真においても、第1の保護板の一部及び第2の保護板の一部が剥離されている様子は確認されなかった。
 これに対し、図8Aに、解体する直前の比較例1に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真を示し、図8Bに、解体する直前の比較例1に係る太陽電池モジュールの角部付近を第2の保護板側から撮像した写真を示し、図9Aに、解体する直前の比較例2に係る太陽電池モジュールの角部付近を第1の保護板側から撮像した写真を示し、図9Bに、解体する直前の比較例2に係る太陽電池モジュールを第2の保護板側から撮像した写真を示しているが、いずれの写真においても、第1の保護板の一部及び第2の保護板の一部が剥離されていることが原因となる白化現象が確認された。
 これは、比較例1及び2に係る太陽電池モジュールでは、角部付近から内部へと侵入する水分が吸水層で吸収されないから、内部に侵入した水分によってポリオレフィンエラストマーを含む樹脂シートに対する第1の保護板及び第2の保護板の密着性が低下したことが一因であると考えられる。
[太陽電池ストリングの破損]
 実施例1~3に係る太陽電池モジュール及び比較例1及び2に係る太陽電池モジュールを作製した後に、各例に係る太陽電池モジュールの内部を目視にて観察したところ、いずれの太陽電池モジュールについても、太陽電池ストリングの破損は確認されなかった。
 これは、いずれの例においても、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含む2枚のシートで太陽電池ストリングを挟み込んで封止したことによるものと考えられる。
 このことから、封止層がポリオレフィンエラストマー樹脂を含んでいることにより、太陽電池ストリングが破損する虞を低減させることができることが分かる。
 1 太陽電池ストリング、2 第1の保護板、3 第2の保護板、4 封止材、5 吸水層、6 装飾層、7 枠部、10 太陽電池モジュール、
  7a 嵌入部、
 IS 絶縁層(隔壁)、W 配線。

Claims (3)

  1.  太陽電池ストリングと、
     該太陽電池ストリングの光入射面側に重ねられた、透光性を有する第1の保護板と、
     前記太陽電池ストリングの光入射面と反対面側に重ねられた、第2の保護板と、
     前記太陽電池ストリングを封止すべく、前記第1の保護板と前記第2の保護板との間に配される封止材と、
     前記封止材と前記第1の保護板との間、及び、前記封止材と前記第2の保護板との間の少なくとも一方に配される吸水層と、を備え、
     前記封止材は、ポリオレフィンエラストマー樹脂を含み、
     前記吸水層は、アイオノマー樹脂を含んでいる
     太陽電池モジュール。
  2.  前記封止材と前記第2の保護板との間に、前記吸水層が配され、
     前記封止材と前記吸水層との間に、前記太陽電池ストリングによって太陽エネルギーから変換された電気エネルギーを外部に取り出すための配線が配されており、
     前記第2の保護板には、前記配線を外部に延出させるための孔が形成されている
     請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3.  前記太陽電池ストリングは、受光により発電する複数の発電セルどうしが互いに接続されて構成されているとともに、暗色を呈しており、
     前記封止材と前記第2の保護板との間に配された前記吸水層が暗色を呈している
     請求項2に記載の太陽電池モジュール。
     
     
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