WO2023189290A1 - トグル型手動弁、及び、バルブユニット - Google Patents

Abstract

流路を開閉する弁部（２）に連結されるケース（４）に、弁棒（５０）が往復直線運動可能に配置されている。弁棒（５０）は、スプリング（９）により弁部方向に付勢されている。弁棒（５０）の上端部には、手動レバー（６）が回動可能に軸支されている。弁棒（５０）は、手動レバー（６）に連結される第１ロッド部（５１）と、弁部（２）側に位置する第２ロッド部（５２）とに分割されており、第１ロッド部（５１）に固定された連結ピン（５５）が、第２ロッド部（５２）に軸線方向に沿って形成された長穴（５２ｂ）に挿通され、第１ロッド部（５１）が第２ロッド部（５２）に対して長穴（５２ｂ）の範囲で相対的に移動できるようにする。

Description

トグル型手動弁、及び、バルブユニット

　本発明は、手動レバーを回動させることにより弁部を開閉するトグル型手動弁に関する。

　例えば、半導体製造ラインのガスラインでは、手動レバーを回動させることにより弁部を開閉するトグル型手動弁が使用されている。例えば、特許文献１に記載されるトグル型手動弁では、弁棒の弁部と反対側に位置する端部に手動レバーが回転可能に軸支されている。手動レバーが水平方向に回動して水平状態であるとき、弁棒がスプリングに付勢されて弁部方向に移動し、弁部を閉じる。一方、手動レバーが起立方向に回動して倒立姿勢であるとき、弁棒がスプリングに抗して弁部と反対向きに移動し、弁部を開く。

特許第４０５３１１８号公報

　上記トグル型手動弁は、弁棒が１部品で構成されていた。そのため、手動レバーが、例えば、作業者の手が当たるなどして回動すると、直ちに弁棒が手動レバーに追従して移動し、作業者の意図に反して漏れが生じることがあった。

　本明細書において開示する技術は、上記問題点を解決するためになされたものであり、手動レバーを回動させることにより弁部を開閉するトグル型手動弁において、作業者の意図に反する漏れを抑制する技術を提供することを目的とする。

  本明細書において開示する技術の一態様は、（１）流路を開閉する弁部と、前記弁部に連結されるケースと、前記弁部に向かって直線往復運動可能に前記ケースに保持される弁棒と、前記弁棒を弁部方向に付勢する付勢部材と、前記弁棒の前記弁部と反対側に位置する端部に回動可能に軸支される手動レバーと、を備え、前記手動レバーを回動させることにより前記弁部を開閉するトグル型手動弁において、前記弁棒は、前記手動レバーに連結される第１ロッド部と、弁部側に位置する第２ロッド部とに分割されており、前記第１ロッド部と前記第２ロッド部の一方に固定されるピンと、前記第１ロッド部と前記第２ロッド部の他方に前記弁棒の軸方向に沿って形成され、前記ピンが摺動可能に挿通される長穴が形成されている。

　このような構成を有するトグル型手動弁は、ピンが長穴内で移動できる範囲であれば、手動レバーに連結される第１ロッド部が第２ロッド部に対して相対的に移動することが許容される。これにより、例えば、作業者の手が手動レバーに当たるなどして、手動レバーに外力が作用しても、第１ロッド部のみが手動レバーに追従して移動し、第２ロッド部は動かない。よって、トグル型手動弁は、作業者の意図に反する漏れを抑制することができる。

（２）（１）に記載するトグル型手動弁において、外形の幅寸法が１０ｍｍの薄い直方体形状をなし、前記手動レバーは、水平方向に回動して前記弁部を閉じる水平位置と、起立方向に回動して前記弁棒を前記付勢部材に抗して移動させる起立位置との間で揺動する、ことが好ましい。

　このような構成を有するトグル型手動弁によれば、幅が１０ｍｍと薄くても、作業者の意図しない漏れが抑制されているので、複数個のトグル型手動弁をユニット化した場合でも使い勝手がよい。また、トグル型手動弁は、手動レバーが水平位置と起立位置の２位置で回動するので、弁の開閉状態を目視で確認しやすい。

（３）（１）または（２）に記載するトグル型手動弁において、前記ケースの前記手動レバーが配置される上面に立設され、南京錠が取り付けられる取付穴を有する錠軸部材を有し、前記手動レバーは、前記錠軸部材が挿通される挿通穴が形成されている、ことが好ましい。

　このような構成を有するトグル型手動弁によれば、南京錠が取り付けられる錠軸部材をケースの上面に取り付けることで、手動レバーの誤操作を防止するロック機構を簡単に付加することができる。

（４）（３）に記載するトグル型手動弁において、前記ケースの前記上面には、前記弁棒を挟んで対称位置に、前記錠軸部材を取付可能な第１取付孔部と第２取付孔部とが形成されており、前記錠軸部材は、前記第１取付孔部と前記第２取付孔部の何れか一方に選択的に取り付け可能であり、少なくとも、前記第１ロッド部の前記手動レバーを取り付けられる部分が円柱形状であり、前記手動レバーを前記第１ロッド部を挟んで反転させて取り付けることが可能である、ことが好ましい。

　このような構成を有するトグル型手動弁によれば、錠軸部材を第１取付孔部と第２取付孔部に選択的に取り付けることができ、さらに、錠軸部材の位置に応じて手動レバーの向きを変えることができる。よって、トグル型手動弁は、流体の流れ方向に束縛されずに手動レバーの向きを変更でき、使い勝手がよい。

（５）（１）から（４）の何れか１つに記載するトグル型手動弁において、前記付勢部材は、前記第２ロッド部を前記弁部方向に付勢しており、前記弁部が弁閉状態である場合に、前記ピンと、前記長穴の前記弁部と反対側に位置する内側面と、の間に第１隙間が設けられ、さらに、前記第２ロッド部と前記第１ロッド部との間に第２隙間が設けられている、ことが好ましい。

　上記構成を有するトグル型手動弁によれば、ピンと、長穴の弁部と反対側に位置する内側円と、の間に第１隙間が形成されているので、例えば、弁部が弁閉状態であるときに手動レバーに手が当たっても、ピンが第１隙間を移動して、第２ロッド部を引き上げず、流体が漏れない。また、トグル型手動弁は、第２隙間によって、弁閉時に付勢部材以外の外力が第２ロッド部に作用しないので、付勢部材以外の外力によって弁部が破損することを防止できる。

（６）（１）から（５）の何れか１つに記載するトグル型手動弁において、前記第１ロッド部および前記第２ロッド部は、太さが同じ丸棒であり、前記第１ロッド部の前記弁部側に位置する第１端部に、前記第２ロッド部側に突出する第１突片が設けられ、前記第２ロッド部の前記弁部と反対側に位置する第２端部に、前記第１ロッド部側に突出する第２突片が設けられ、前記ピンは、前記第１突片と前記第２突片との何れか一方に固定され、前記第１突片と前記第２突片の他方に前記長穴が形成されている、ことが好ましい。

　上記構成を有するトグル型手動弁によれば、第１ロッド部の第１突片と第２ロッド部の第２突片とをピンと長穴とを介して連結させたコンパクトな構造で、手動レバーの誤操作に伴う流体漏れを防止できる。

（７）（６）に記載するトグル型手動弁において、前記第１突片を前記第１ロッド部の軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が半円形状であり、前記第２突片を前記第２ロッド部の軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が半円形状である、ことが好ましい。

　上記構成を有するトグル型手動弁によれば、弁棒を収容する領域内で第１ロッド部と第２ロッド部とを連結できるので、バルブサイズをコンパクトにできる。

（８）（６）に記載するトグル型手動弁において、前記第２突片は、前記第２ロッド部の直径方向に沿って板状に設けられた板状突片であり、前記第１突片は、前記板状突片の両側に配置される一対の突部であり、前記長穴は、前記板状突片に形成され、前記連結ピンは、前記第１ロッド部の軸線に対して直交する方向に沿って前記一対の突部に固定されている、ことが好ましい。

　上記構成を有するトグル型手動弁によれば、弁棒を収容する領域内で第１ロッド部と第２ロッド部とを連結できるので、バルブサイズをコンパクトにできる。また、トグル型手動弁は、ピンが板状突片の両側に配置される一対の突部に固定されているので、例えば、第１ロッド部がピンを介して第２ロッド部を弁部と反対側に引っ張って弁を開く際に、荷重がピンにほぼ均等に作用する。そのため、弁を繰り返し開閉する場合でも、ピンが第１ロッド部から抜けにくい。

　本明細書において開示する技術の他の態様は、（９）（１）から（８）の何れか１つに記載する複数のトグル型手動弁を連設したバルブユニットであって、前記複数のトグル型手動弁は、前記手動レバーが水平方向に揺動して前記弁部を閉じる状態で前記手動レバーが互い違いの向きに配置されている。

　上記構成を有するバルブユニットは、複数のトグル型手動弁が連設された場合に、手動レバーの向きが互い違いにされているので、手動レバーの向きを一方向に揃えた場合と比べ、隣り合う手動レバーの配置間隔が広くなっている。そのため、作業者がある手動レバーを操作する際に、隣の手動レバーが誤って一緒に動かされることを回避しやすい。また、各トグル型手動弁は、手動レバーに外力が作用しても作業者の意図に反する漏れが生じにくい。よって、上記構成を有するバルブユニットによれば、作業者の意図に反する漏れがトグル型手動弁から発生することを抑制できる。

（１０）（９）に記載するバルブユニットにおいて、前記複数のトグル型手動弁の前記手動レバーは、それぞれ、起立方向に揺動させた場合に先端部を前記弁棒を超えて回動させた姿勢で前記ケースに回動を制限されるストッパ部を有する、ことが好ましい。

　上記構成を有するバルブユニットは、互い違いに配置される手動レバーが、起立方向に揺動させた場合に、ストッパ部によって、先端部を弁棒を超えて回動させた姿勢で回動を制限される。そのため、作業者がある手動レバーを水平方向に回動させる場合に隣の手動レバーに触ってしまっても、隣の手動レバーがそれ以上回転できない。このように、操作対象のトグル型手動弁だけが弁閉され、操作対象でないトグル型手動弁が弁閉されないので、誤操作が抑制される。

　本明細書において開示する技術によれば、手動レバーを回動させることにより弁部を開閉するトグル型手動弁において、作業者の意図に反する漏れを抑制することができる。

南京錠が取り付けられた第１実施形態のトグル型手動弁の外観斜視図である。 トグル型手動弁の正面図である。 トグル型手動弁の上面図である。 図２のＡ－Ａ断面図である。 図４に対応する断面図であって、弁開状態を示す。 図３のＢ－Ｂ断面図である。 図６のＣ部拡大図である。 第１ロッド部と第２ロッド部との連結構造を説明する図である。 図７に対応する拡大断面図であって、弁開状態を示す。 弁閉時のトグル型手動弁の部分断面図である。 ４連バルブユニットの上面図である。 ４連バルブユニットの外観斜視図である。 ４連バルブユニットの外観斜視図である。 図１２の上面図である。 南京錠が取り付けられた４連バルブユニットの外観斜視図である。 第２実施形態のトグル型手動弁の断面図である。 第１ロッド部と第２ロッド部との連結構造を説明する図である。 ４連バルブユニットの断面図である。

（第１実施形態）
　以下に、本明細書において開示するトグル型手動弁の一実施形態について図面に基づいて説明する。図１は、南京錠１０が取り付けられたトグル型手動弁１の外観斜視図である。

　図１に示すように、トグル型手動弁１は、例えば、反応容器に複数のガスを切り替えて供給するガス供給ユニットに組み込まれる。ガス供給ユニットをコンパクト化するため、本形態のトグル型手動弁１は、幅寸法Ｗ１が１０ｍｍに設定された薄い直方体形状をなし、広い面同士を当接させてユニット化される。

　トグル型手動弁１は、流体が流れる弁部２にケース４が取り付けられている。ケース４の弁部２と反対側に位置する面（以下「上面」とする）４ａには、弁部２の開閉を制御するための手動レバー６が設けられている。手動レバー６には、挿通穴６２が形成されている。錠軸部材８は、ケース４の上面４ａに立設され、手動レバー６の挿通穴６２に挿通されている。挿通穴６２から突出する錠軸部材８の先端部に南京錠１０が取り付けられることにより、手動レバー６の操作が制限される。

　図２は、トグル型手動弁１の正面図である。手動レバー６は、図２に実線で示すように、水平方向に揺動して弁部２を閉じる水平位置と、図２に二点鎖線で示すように、起立方向に揺動して弁部２を開く起立位置との間を揺動するように配設されている。

　図３は、トグル型手動弁１の上面図である。手動レバー６は、ケース４の一対の広い面４ｂ，４ｃより外側に張り出さないように、１０ｍｍ以下の幅寸法で設けられている。手動レバー６には、錠軸部材８が挿通される挿通穴６２が形成されている。挿通穴６２は、錠軸部材８がケース４の上面４ａに立設されていても手動レバー６が水平位置と起立位置との間を回動できるように、長細く形成されている。

　図２の実線で示すように、手動レバー６は、水平位置にある場合に、先端部６１がケース４の一対の広い面４ｂ，４ｃの間に位置する側面４ｄより側方に突き出ている。これにより、手動レバー６は、下方から指先で先端部６１を押し上げやすくなっている。先端部６１は、先細り形状に形成されている。

　図４は、図２のＡ－Ａ断面図であって弁閉状態を示す。図５は、図４に対応する図であって弁開状態を示す。図６は、図３のＢ－Ｂ断面図である。図７は、図６のＣ部拡大図である。図８は、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２との連結構造を説明する図である。図９は、図７に対応する拡大断面図であって、弁開状態を示す。図１０は、弁閉時のトグル型手動弁の部分断面図である。

　図４、図５、図６、図１０に示すように、ケース４には、中央部に第１中空孔部４ｇと、第２中空孔部４ｈと、第３中空孔部４ｉとが同軸上に形成されている。図１０に示すように、第１中空孔部４ｇと第２中空孔部４ｈは、断面円形状をなす。第２中空孔部４ｈは、第１中空孔部４ｇより大径に設けられ、第１中空孔部４ｇと第２中空孔部４ｈとの間に段差部４ｋが設けられている。第３中空孔部４ｉは、直方体形状に設けられ、ケース４の下面４ｆに開口している。第３中空孔部４ｉにはダイアフラム押さえ３４が収容されている。

　図４、図５、図１０に示すように、弁棒５０は、第１中空孔部４ｇと、第２中空孔部４ｈと、第３中空孔部４ｉに貫き通されている。弁棒５０の弁部２と反対側に位置する端部（図中上端部）は、第１中空孔部４ｇより上方に突出している。その弁棒５０の突出部分には、カム軸５６を介して手動レバー６が回動可能に連結されている。弁棒５０は、第２中空孔部４ｈに配置される部分に鍔部５２ｃが設けられている。スプリング９は、第１中空孔部４ｇと第２中空孔部４ｈとの間の段差部４ｋと弁棒５０の鍔部５２ｃとの間に圧縮された状態で設けられ、弁棒５０に対して弁部方向（図中下向き）の力を常時付与している。スプリング９は付勢部材の一例である。図６に示すように、弁棒５０は、下端部が弁部２側に突出し、スプリング９の付勢力を加圧部材５３を介してダイアフラム３１に伝えている。

　図６に示すように、弁部２は、第１流路２２と第２流路２３とが形成された流路ブロック２１を備えている。流路ブロック２１は、ダイアフラム３１により気密に区画された弁室２４を備えている。第１流路２２と第２流路２３とは弁室２４を介して連通している。弁室２４は、第２流路２３が弁室２４に開口する開口部分の外周に沿って、弁座２５が設けられている。弁部２は、ダイアフラム３１が弁座２５に当接または離間することで流体の流通を制御する。流路ブロック２１に第１保持部材３３をねじ込み、第２保持部材３５をダイアフラム３１の外縁部に押し付けることにより、ダイアフラム３１が流路ブロック２１に気密に取り付けられている。第２保持部材３５には、円柱形状の加圧部材５３が摺動可能に収容されている。第１保持部材３３は、第３中空孔部４ｉに装着された矩形状のゆるめ止め部材３２によって回転を制限され、緩み止めされている。ダイアフラム押さえ３４は、第１保持部材３３と第２保持部材３５と緩み止め部材３２により構成されている。

　弁棒５０は、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２とに分割されている。第１ロッド部５１と第２ロッド部５２は、断面円形状の丸棒であり、太さが同じである。第１ロッド部５１は、第１中空孔部４ｇに摺動可能に挿通され、軸方向に安定して移動することができる。第２ロッド部５２は、鍔部５２ｃを備えている。第２ロッド部５２は、上端部が第１中空孔部４ｇに摺動可能に支持され、鍔部５２ｃが第２中空孔部４ｈに摺動可能に装填され、さらに、下端部が第１保持部材３３に摺動可能に保持されることにより、軸方向に安定して移動することができる。

　図７および図８に示すように、第１ロッド部５１の第２ロッド部５２側、すなわち弁部２側に位置する端部（図中下端部、第１端部の一例）には、断面半円形状の第１突片５１ａが軸方向に突出して設けられている。第２ロッド部５２の第１ロッド部５１側、すなわち弁部２と反対側に位置する端部（図中上端部、第２端部の一例）には、断面半円形状の第２突片５２ａが軸方向に突出して設けられている。

　このように、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２とは、突き合わされる端部が凹凸状に形成されている。弁棒５０は、第１中空孔部４ｇの領域内において、第１突片５１ａの直径部分の平坦面５１ｇと第２突片５２ａの直径部分の平坦面５２ｇとを対向させた状態で凹凸係合させることによって、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２とを同軸上に配置している。

　図４、図５に示すように、第１突片５１ａには、連結ピン５５が嵌合する嵌合穴５１ｂが形成されている。第２突片５２ａには、長穴５２ｂが第２ロッド部５２の軸線方向に沿って長く形成されている。なお、連結ピン５５が第２突片５２ａに固定され、第１突片５１ａに長穴を形成してもよい。連結ピン５５は、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２の一方に固定されるピンの一例である。長穴５２ｂは、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２の他方に形成される長穴の一例である。

　ケース４は、一対の広い面４ｂ，４ｃの間にガイド穴４５が貫通して設けられている。ガイド穴４５は、弁棒５０の移動方向（図中上下方向）に沿って長く形成されている。連結ピン５５は、嵌合穴５１ｂの両端開口部から突出している。連結ピン５５の一端は第２ロッド部５２の長穴５２ｂを貫通してガイド穴４５にスライド可能に保持されている。連結ピン５５の他端は、ガイド穴４５にスライド可能に保持されている。よって、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２は、連結ピン５５を介して軸方向に案内されながら図中上下方向に往復直線運動することができる。

　図７に示すように、手動レバー６が水平位置にある場合、連結ピン５５は長穴５２ｂの中央付近に配置されている。そのため、連結ピン５５と長穴５２ｂの上側内側面（長穴５２ｂの弁部２と反対側に位置する内側面）との間には、隙間Ｓ１が設けられている。また、第２突片５２ａの先端面と、第１ロッド部５１との間にも、隙間Ｓ２が設けられている。よって、第１ロッド部５１は、水平位置にある手動レバー６に図中反時計方向の力が作用しても、連結ピン５５が隙間Ｓ１を移動して長穴５２ｂの上側内側面に当接するまでは手動レバー６の回転力を第２ロッド部５２に伝達しない。また、第１ロッド部５１は、起立位置にある手動レバー６に図中下向き（弁部方向）の力が作用しても、隙間Ｓ２だけ下降して第２ロッド部５２に当接するまでは図中下向きの力を第２ロッド部５２に伝達しない。このように、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２とに分割された弁棒５０には、手動レバー６の操作開始時に、手動レバー６に追従して弁部２を開閉させないための遊びが設けられている。隙間Ｓ１は、第１隙間の一例である。隙間Ｓ２は、第２隙間の一例である。

　図７および図９に示すように、手動レバー６は、弁棒５０を図中上下方向に移動させるためのカム機構６４を備えている。具体的に、手動レバー６は、弁棒５０の上端部を配置するための収容空間部６３を備えている。第１ロッド部５１に挿通されたカム軸５６は、収容空間部６３を横切るように手動レバー６に架設されている。

　手動レバー６には、第１カム面６５と第２カム面６６とが設けられている。第２カム面６６はストッパ部の一例である。カム軸５６は、第２カム面６６までの距離が第１カム面６５までの距離より長くなる位置に、配置されている。そのため、手動レバー６は、図７において第１カム面６５が上面４ａに当接する水平位置から、図９において第２カム面６６が上面４ａに当接する起立位置へ回転すると、弁棒５０をスプリング９の付勢力に抗して引き上げることができる。

　図７に示すように、第１カム面６５と第２カム面６６とがなす角度θは、９０°より小さい。より好ましくは、角度θは、７５°以上８５°以下の範囲であることが好ましい。角度θが７５°より小さいと、手動レバー６が弁開時に倒れすぎて、弁閉時の操作性が悪くなるからである。角度θが８５°を超えると、手動レバー６が上面４ａに対してほぼ直角に配置され、トグル型手動弁１を連設した場合に弁閉時の操作を行いにくくなるからである。手動レバー６は、図９に示すように第２カム面６６が上面４ａに当接する位置まで回転されると、先端部６１が弁棒５０の上端部を超えた位置まで移動することができる。

　図１０に示すように、トグル型手動弁１では、ケース４の上面４ａに第１取付孔部４３と第２取付孔部４４とが円柱状に開設されている。第１取付孔部４３と第２取付孔部４４は、錠軸部材８を取り付けるための孔である。第１取付孔部４３と第２取付孔部４４は、弁棒５０（第１ロッド部５１）を挟んで対称位置に形成されている。錠軸部材８は、例えば、第１取付孔部４３に嵌め込んだ状態で固定ピン８１がケース４と錠軸部材８とに貫き通されることにより、ケース４に固定されている。錠軸部材８の固定方法は、固定ピン８１に限らず、圧入、接着、溶着などであってもよい。

　手動レバー６に連結される第１ロッド部５１が断面円形状の丸棒により構成されている。そのため、図中実線に示すようにケース４の側面４ｄ側に倒される手動レバー６は、カム軸５６を外せば、反対側（ケース４の側面４ｅ側）に倒すように反転させて第１ロッド部５１に取り付け直し、トグル型手動弁１の仕様を変更することができる。この場合、トグル型手動弁１は手動レバー６以外の配置が変更されない。

　続いて、上記トグル型手動弁１の動作について説明する。図１に示すように、南京錠１０が取り付けられたトグル型手動弁１に弁開動作させる場合、南京錠１０が錠軸部材８から外される。

　図７に示す水平位置にある手動レバー６が図中反時計方向に回転されると、図９に示すように、手動レバー６が回転に応じてスプリング９に抗して弁棒５０を上方に引き上げる。手動レバー６は、挿通穴６２によって錠軸部材８に干渉することなく回動できる。弁棒５０が加圧部材５３を介してダイアフラム３１を加圧しなくなるので、ダイアフラム３１は、自身の弾性力あるいは流体の圧力によって弁座２５から離間する。これにより、第１流路２２と第２流路２３との間が解放され、流体が流通するようになる。

　図９に示すように、手動レバー６は、第２カム面６６をケース４の上面４ａに当接させる位置まで回動すると、それ以上回転できなくなる。この場合、手動レバー６は、先端部６１が第１ロッド部５１を超えた位置に配置され、ケース４の上面４ａに対して傾斜した姿勢で、弁開状態を維持する。作業者は、手動レバー６の姿勢から、トグル型手動弁１が弁開状態であることを視認できる。

　また、トグル型手動弁１は、例えば、作業者の手が起立位置にある手動レバー６に当たっても、第２カム面６６により手動レバー６が回転しない。また、例えば、起立位置にある手動レバー６に図中下向きの力が作用しても、手動レバー６が第２カム面６６をケース４の上面４ａに当接させて動かない。よって、弁開中に手動レバー６に外力が作用しても、弁棒５０が動かず、弁開状態を維持できる。

　トグル型手動弁１に弁閉動作させる場合、手動レバー６が、図９に示す起立位置から図中時計方向に回転され、カム機構６４によって第１ロッド部５１を弁部２側へ押し下げる。第１ロッド部５１は、連結ピン５５を長穴５２ｂ内で移動させながら下降し、連結ピン５５を介して第２ロッド部５２を引き上げる力を低下させる。すなわち、手動レバー６は、弁棒５０を引き上げる力を低下させる。図６に示すように、第２ロッド部５２は、スプリング９に付勢されて下降し、加圧部材５３を介してダイアフラム３１を弁座２５に押し付けてシールさせる。これにより、第１流路２２と第２流路２３との間が閉鎖され、流体が流通しなくなる。

　図７に示すように、トグル型手動弁１は、弁閉状態のとき、第１ロッド部５１と第２ロッド部５２との間に隙間Ｓ２が形成されている。また、連結ピン５５は、長穴５２ｂの中央付近に配置されている。よって、トグル型手動弁１は、手動レバー６を水平位置にした場合に、隙間Ｓ２によって、スプリング９の付勢力以外の外力が第２ロッド部５２に対して掛からない。つまり、弁座２５がダイアフラム３１を過剰に押し付けられて破損することを回避できる。

　水平位置にある手動レバー６から突出する錠軸部材８の先端部には、錠装着穴８ａが設けられている。鍵装着穴８ａは取付穴の一例である。図１に示すように、南京錠１０は、錠装着穴８ａに装着され、施錠される。これにより、トグル型手動弁１は、錠装着穴８ａに取り付けられた南京錠１０によって手動レバー６の反時計回りの回転が制限されるので、誤って手動レバー６を反時計回りに回転させて弁開させることを回避できる。

　ところで、本実施形態のトグル型手動弁１では、図７に示すように、手動レバー６に連結される弁棒５０が第１ロッド部５１と第２ロッド部５２に分割されている。そして、第１ロッド部５１に嵌合する連結ピン５５が第２ロッド部５２の長穴５２ｂにスライド可能に挿通され、連結ピン５５と長穴５２ｂの上側内側面との間に隙間Ｓ１が形成されている。例えば、トグル型手動弁１の手動レバー６は、水平位置まで回動して弁部２を弁閉させた後、作業者の手が当たるなどして、起立方向の力が作用することがある。この場合、手動レバー６にカム軸５６を介して連結される第１ロッド部５１が手動レバー６の回動に従って上方へ移動する。しかし、第２ロッド部５２は、連結ピン５５が長穴５２ｂの上側内側面に当接するまで動かない。よって、トグル型手動弁１は、水平位置にある手動レバー６に外力が作用しても、弁閉状態を維持することができ、作業者が意図しない流体の漏れを抑制できる。

　上記トグル型手動弁１は、一対の広い面を当接させた状態で図示しないベースプレートに対して流路ブロック２１の取付部２７を固定することにより、コンパクトなバルブユニットを構成できる。例えば図１１に示すように、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄが同一方向に倒れて水平位置に配置されるように、第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄを連設してバルブユニット１０１を構成したとする。第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは、幅寸法Ｗ１が１０ｍｍの薄型形状をなし、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの幅寸法も１０ｍｍにされている。一般的に、作業者の指Ｆの幅は１０ｍｍ以上あることが多い。そのため、作業者が第３トグル型手動弁１Ｃの手動レバー６Ｃに指Ｆを下方から当てて手動レバー６Ｃを水平位置から起立位置まで移動させようとした場合に、指Ｆが隣の手動レバー６Ｂ，６Ｄに当たって一緒に水平位置から起立方向に回動させる恐れがある。

　そこで、本実施形態では、図１２に示すように、水平位置にある手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄが先端部を互い違いに反対を向くように、第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄを連設してバルブユニット１０２を構成している。

　具体的に、図１３に示すように、第１トグル型手動弁１Ａと第３トグル型手動弁１Ｃは、それぞれ、錠軸部材８Ａ，８Ｃを第１取付孔部４３Ａ，４３Ｃに取り付け、手動レバー６Ａ，６Ｃを第１取付孔部４３Ａ，４３Ｃ側に倒して水平位置まで回転させるように弁棒５０Ａ，５０Ｃの第１ロッド部５１Ａ，５１Ｃに連結する。また、第２トグル型手動弁１Ｂと第４トグル型手動弁１Ｄは、それぞれ、錠軸部材８Ｂ，８Ｄを第２取付孔部４４Ｂ，４４Ｄに取り付け、手動レバー６Ｂ，６Ｄを第２取付孔部４４Ｂ，４４Ｄ側に倒して水平位置まで回転させるように弁棒５０Ｂ，５０Ｄの第１ロッド部５１Ｂ，５１Ｄに連結する。

　第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの向きが反転されているだけで、その他の構成は同じである。つまり、図１２および図１３に示すバルブユニット１０２は、図１１に示すバルブユニット１０１と同様に流路が構成されている。よって、第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは、運用に合わせて手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの向きだけを変えることができ、使い勝手がよい。

　このようなバルブユニット１０２では、図１４に示すように、作業者が第３トグル型手動弁１Ｃの手動レバー６Ｃに指Ｆを下方から当てて手動レバー６Ｃを水平位置から起立位置まで移動させようとした場合に、隣の手動レバー６Ｂ，６Ｄが反対向きに倒れている。そのため、手動レバー６Ｃに当てた指Ｆが隣の手動レバー６Ｂ，６Ｄに当たらず、作業者は手動レバー６Ｃだけを操作することができる。

　また、図１３に示すように、第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄが全て弁開状態にされたとする。この場合、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄがそれぞれ弁棒５０Ａ，５０Ｂ，５０Ｃ，５０Ｄを超えて回動し、傾斜した姿勢でケース４の上面４ａに起立する。これにより、起立位置にある手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄは、先端部が互い違いにずれて配置されている。起立位置にある手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄは、それぞれ、第２カム面６６をケース４の上面４ａに当接させることで、それ以上の起立方向への回転が制限されている。よって、例えば、第３トグル型手動弁１Ｃの起立位置にある手動レバー６Ｃを第１取付孔部４３Ｃ側に倒して弁閉しようとする際に、指Ｆが隣の起立する手動レバー６Ｂ，６Ｄに当たっても、手動レバー６Ｂ，６Ｄは回動を制限されているので、手動レバー６Ｃだけを操作して第３トグル型手動弁１Ｃを弁閉することができる。

　さらに、図１５に示すように、第１～第４トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄの手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄを南京錠１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄによりロックする場合、南京錠１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄが手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの上に横向き載せて置くことができる。そして、南京錠１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０ＤのＵ字型のロックバーが互い違いに向いているので、作業者は、例えば、指Ｆをロックバーに引っ掛けて引っ張ったり、南京錠１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄにロックバーを押し込んだりして、施解錠する作業を行いやすい。

　以上説明したように、本実施形態のトグル型手動弁１は、連結ピン５５が長穴５２ｂ内で移動できる範囲であれば、手動レバー６に連結される第１ロッド部５１が第２ロッド部５２に対して相対的に移動することが許容される。これにより、例えば、弁閉中に作業者の手が手動レバー６に当たるなどして、手動レバー６に外力が作用しても、第１ロッド部５１のみが手動レバー６に追従して移動し、第２ロッド部５２は動かない。よって、トグル型手動弁１は、作業者の意図に反する漏れを抑制することができる。

　また、本実施形態のバルブユニット１０２は、４個のトグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄが連設された場合に、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの向きが互い違いにされているので、例えば図１１に示すように同じ向きで配置される手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄの配置間隔と比べ、隣り合う手動レバー６Ａ，６Ｃ並びに隣り合う手動レバー６Ｂ，６Ｄの配置間隔が広くなっている。そのため、作業者がある手動レバー６Ｃを操作する際に、隣の手動レバー６Ｂ，６Ｄが誤って一緒に動かされることを回避しやすい。また、各トグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅは、手動レバー６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄに外力が作用しても作業者の意図に反する漏れが生じにくい。よって、上記構成を有するバルブユニット１０２によれば、作業者の意図に反する漏れがトグル型手動弁１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄから発生することを抑制できる。

（第２実施形態）
　トグル型手動弁の別の実施形態について図面に基づいて説明する。図１６は、第２実施形態のトグル型手動弁３０１の部分拡大断面図である。図１６は、弁閉状態を示す。図１７は、第１ロッド部３５１と第２ロッド部３５２との連結構造を説明する図である。

　本形態のトグル型手動弁３０１は、第１ロッド部３５１の一対の突部３５１ｃ，３５１ｄの間に第２ロッド部３５２の板状突片３５２ａを配置した状態で第１ロッド部３５１と第２ロッド部３５２とが連結されている。トグル型手動弁３０１は、この点が、断面半円形状の第１突片５１ａと第２突片５２ａとを連結する第１実施形態と相違し、その他の点が第１実施形態と共通している。そこで、本形態では、第１実施形態と相違する構成を中心に説明し、第１実施形態と共通する構成については説明および図面に第１実施形態と同じ符号を使用し、説明を適宜省略する。

　トグル型手動弁３０１の第１ロッド部３５１および第２ロッド部３５２は、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄと板状突片３５２ａを除き、第１実施形態の第１ロッド部５１および第２ロッド部５２と同様に構成されている。

　一対の突部３５１ｃ，３５１ｄは、第１ロッド部３５１の第２ロッド部３５２側に位置する端部、すなわち、第１ロッド部３５１の弁部２側に位置する端部（第１端部の一例）に、弁部２側（第２ロッド部３５２側）へ突出して設けられている。第１ロッド部３５１は、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄの間にスリット３５１ｅが設けられている。第１ロッド部３５１は、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄが第１ロッド部３５１の軸線を挟んで対称に設けられ、スリット３５１ｅが第１ロッド部３５１の軸線上に設けられている。

　板状突片３５２ａは、第１ロッド部３５１側に位置する端部、すなわち、弁部２と反対側に位置する端部（第２端部の一例）に、弁部２と反対側（第１ロッド部３５１側）へ突出して設けられている。板状突片３５２ａは、第２ロッド部３５２の軸線上に設けられている。板状突片３５２ａは、第２ロッド部３５２の直径方向に沿って板状に設けられている。板状突片３５２ａは、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄの間、すなわち、スリット３５１ｅにスライド可能に挿入できる厚さを有する。

　このように、第１ロッド部３５１と第２ロッド部３５２とは、突き合わされる端部が凹凸状に形成されている。第１ロッド部３５１と第２ロッド部３５２とは、第１中空孔部４ｇの領域内において、第２ロッド部３５２の板状突片３５２ａを一対の突部３５１ｃ，３５１ｄの間、すなわちスリット３５１ｅに挿入した状態で、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄと板状突片３５２ａとを凹凸係合させることによって、同軸上に配置されている。

　板状突片３５２ａには、長穴５２ｂが形成されている。長穴５２ｂは、板状突片３５２ａに対して第２ロッド部３５２の軸線に沿って長く形成されている。一対の突部３５１ｃ，３５１ｄは、長穴５２ｂに対応する位置に、嵌合穴５１ｂが形成されている。嵌合穴５１ｂは、第１ロッド部３５１の軸線に対して直交する方向に沿って一対の突部３５１ｃ，３５１ｄに形成されている。連結ピン５５は、一対の突部３５１ｃ，３５１ｄの嵌合穴５１ｂに圧入されて嵌合し、板状突片３５２ａの長穴５２ｂにスライド可能に配置されている。連結ピン５５は、板状突片３５２ａの両側にて一対の突部３５１ｃ，３５１ｄに固定されている。

　図１６に示すように、トグル型手動弁３０１は、手動レバー６が水平位置に配置されて、弁部２が弁閉状態である場合に、連結ピン５５と、長穴５２ｂの弁部２と反対側に位置する内側面と、の間に隙間Ｓ１が形成されている。また、トグル型手動弁３０１は、弁部２が弁閉状態である場合に、第２ロッド部３５２の先端部と、スリット３５１ｅの底部３５１ｆとの間に、隙間Ｓ２が形成されている。よって、トグル型手動弁３０１は、隙間Ｓ１によって形成される遊びにより、誤操作による流体漏れを防止できる。また、トグル型手動弁３０１は、隙間Ｓ２によって形成される遊びにより、弁閉時にスプリング９以外の外力が弁座２５に作用することを抑制し、弁部２の破損を防止できる。

　トグル型手動弁３０１は、弁棒３５０を収容する第１中空孔部４ｇ内で第１ロッド部３５１と第２ロッド部３５２とを連結できるので、バルブサイズをコンパクトにできる。また、トグル型手動弁３０１は、連結ピン５５が板状突片３５２ａの両側に配置される一対の突部３５１ｃ，３５１ｄに固定されているので、例えば、第１ロッド部３５１が連結ピン５５を介して第２ロッド部３５２を弁部２と反対側に引っ張って弁を開く際に、荷重が連結ピン５５にほぼ均等に作用する。そのため、弁を繰り返し開閉する場合でも、連結ピン５５が第１ロッド部３５１から抜けにくい。

　尚、本明細書で開示する技術は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。例えば、トグル型手動弁１は、半導体製造装置以外の装置に使用されてもよい。

　また、図１８に示すトグル型手動弁２０１Ａのように、分割されていない１本の弁棒１５０がケース４Ａに往復直線運動可能に配置してもよい。ただし、上記実施形態のトグル型手動弁１のように、分割された弁棒５０を使用することで、第１ロッド部５１が手動レバー６の回動に応じて軸方向に移動しても、その動きが第２ロッド部５２に伝達されないようにできる。これにより、手動レバー６の誤操作により第１ロッド部５１が弁部２と反対向きに動いても、第２ロッド部５２が動かずに弁閉状態を維持することができる。

　また、手動レバー６は、ケース４の上面４ａに対して垂直な姿勢で起立するようにしてもよい。ただし、手動レバー６は、先端部６１が弁棒５０を超えて起立方向に回転した姿勢で起立し、第２カム面６６によりそれ以上の回動を制限されることにより、図１３に示すように、トグル型手動弁１を複数個連設してバルブユニット１０２を構成した際に、作業者がある起立する手動レバー６Ｃを水平方向に回動させる場合に隣の起立する手動レバー６Ｂ、６Ｄに触ってしまっても、隣の手動レバー６Ｂ，６Ｄがそれ以上回転できない。このように、操作対象のトグル型手動弁１Ｃだけが弁閉され、操作対象でないトグル型手動弁１Ｂ，１Ｄが弁閉されないので、誤操作が抑制される。

　第１ロッド部５１は、手動レバー６が連結される部分を円柱形状とし、その他の部分を丸棒以外の形状にしてもよい。ただし、第１ロッド部５１全体を丸棒形状にすることにより、第１ロッド部５１の取付作業性や、第１ロッド部５１やケース４の製作性をよくすることができる。

　１　　　トグル型手動弁
　２　　　弁部
　４　　　ケース
　６　　　手動レバー
　９　　　スプリング
　５０　　弁棒
　５１　　第１ロッド部
　５２　　第２ロッド部
　５５　　連結ピン
　５２ｂ　長穴

Claims (10)

1. 　流路を開閉する弁部と、前記弁部に連結されるケースと、前記弁部に向かって直線往復運動可能に前記ケースに保持される弁棒と、前記弁棒を弁部方向に付勢する付勢部材と、前記弁棒の前記弁部と反対側に位置する端部に回動可能に軸支される手動レバーと、を備え、前記手動レバーを回動させることにより前記弁部を開閉するトグル型手動弁において、
   　前記弁棒は、前記手動レバーに連結される第１ロッド部と、弁部側に位置する第２ロッド部とに分割されており、
   　前記第１ロッド部と前記第２ロッド部の一方に固定されるピンと、
   　前記第１ロッド部と前記第２ロッド部の他方に前記弁棒の軸方向に沿って形成され、前記ピンが摺動可能に挿通される長穴が形成されている、
   ように構成されているトグル型手動弁。
2. 請求項１に記載するトグル型手動弁において、
   　外形の幅寸法が１０ｍｍの薄い直方体形状をなし、
   　前記手動レバーは、水平方向に回動して前記弁部を閉じる水平位置と、起立方向に回動して前記弁棒を前記付勢部材に抗して移動させる起立位置との間で揺動する、
   ように構成されているトグル型手動弁。
3. 請求項１または請求項２に記載するトグル型手動弁において、
   　前記ケースの前記手動レバーが配置される上面に立設され、南京錠が取り付けられる取付穴を有する錠軸部材を有し、
   　前記手動レバーは、前記錠軸部材が挿通される挿通穴が形成されている、
   ように構成されているトグル型手動弁。
4. 請求項３に記載するトグル型手動弁において、
   　前記ケースの前記上面には、前記弁棒を挟んで対称位置に、前記錠軸部材を取付可能な第１取付孔部と第２取付孔部とが形成されており、
   　前記錠軸部材は、前記第１取付孔部と前記第２取付孔部の何れか一方に選択的に取り付け可能であり、
   　少なくとも、前記第１ロッド部の前記手動レバーを取り付けられる部分が円柱形状であり、前記手動レバーを前記第１ロッド部を挟んで反転させて取り付けることが可能である、
   ように構成されているトグル型手動弁。
5. 請求項１から請求項４の何れか１つに記載するトグル型手動弁において、
   　前記付勢部材は、前記第２ロッド部を前記弁部方向に付勢しており、
   　前記弁部が弁閉状態である場合に、前記ピンと、前記長穴の前記弁部と反対側に位置する内側面と、の間に第１隙間が設けられ、さらに、前記第２ロッド部と前記第１ロッド部との間に第２隙間が設けられている、
   ように構成されているトグル型手動弁。
6. 請求項１から請求項５の何れか１つに記載するトグル型手動弁において、
   　前記第１ロッド部および前記第２ロッド部は、太さが同じ丸棒であり、
   　前記第１ロッド部の前記弁部側に位置する第１端部に、前記第２ロッド部側に突出する第１突片が設けられ、
   　前記第２ロッド部の前記弁部と反対側に位置する第２端部に、前記第１ロッド部側に突出する第２突片が設けられ、
   　前記ピンは、前記第１突片と前記第２突片との何れか一方に固定され、前記第１突片と前記第２突片の他方に前記長穴が形成されている、
   ように構成されているトグル型手動弁。
7. 請求項６に記載するトグル型手動弁において、
   　前記第１突片を前記第１ロッド部の軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が半円形状であり、
   　前記第２突片を前記第２ロッド部の軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が半円形状である、
   ように構成されているトグル型手動弁。
8. 請求項６に記載するトグル型手動弁において、
   　前記第２突片は、前記第２ロッド部の直径方向に沿って板状に設けられた板状突片であり、
   　前記第１突片は、前記板状突片の両側に配置される一対の突部であり、
   　前記長穴は、前記板状突片に形成され、前記連結ピンは、前記第１ロッド部の軸線に対して直交する方向に沿って前記一対の突部に固定されている、
   ように構成されているトグル型手動弁。
9. 　請求項１から請求項８の何れか１つに記載する複数のトグル型手動弁を連設したバルブユニットであって、
   　前記複数のトグル型手動弁は、前記手動レバーが水平方向に揺動して前記弁部を閉じる状態で前記手動レバーが互い違いの向きに配置されている、
   ように構成されているバルブユニット。
10. 請求項９に記載するバルブユニットにおいて、
    　前記複数のトグル型手動弁の前記手動レバーは、それぞれ、起立方向に揺動させた場合に先端部を前記弁棒を超えて回動させた姿勢で前記ケースに回動を制限されるストッパ部を有する、
    ように構成されているバルブユニット。

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