WO2023176356A1

WO2023176356A1 - 印刷用塗工紙

Info

Publication number: WO2023176356A1
Application number: PCT/JP2023/006723
Authority: WO
Inventors: 雅樹岸本; 光保山本
Original assignee: 日本製紙パピリア株式会社
Priority date: 2022-03-17
Filing date: 2023-02-24
Publication date: 2023-09-21

Abstract

水分散性でありながらも印刷品質が良好である新規な印刷用塗工紙を提供することを課題とする。解決手段として、基紙と、該基紙の少なくとも一面に形成された塗工層とを有し、　前記基紙のフロック状水分散時間が１０秒未満であり、　前記塗工層が、顔料と接着剤とを含有し、　前記接着剤として、非水溶性樹脂を含有する印刷用塗工紙を提供する。

Description

印刷用塗工紙

　本発明は、オフセット印刷、グラビア印刷、電子写真、レーザービームプリンター方式等に用いることができる印刷用塗工紙に関し、特に、水との接触により少なくともその一部が分散または溶解して崩壊する印刷用塗工紙に関する。

　新聞、書籍、雑誌、ポスター、カレンダー、パンフレット、包装紙などの一般的な紙は、多くの場合、オフセット印刷やグラビア印刷などにより印刷が施されて使用されている。良好な印刷物を得るために、紙の表面強度や表面平滑性を上げる工夫がされており、より高い印刷品質を要望される用途では、紙表面に顔料と接着剤からなる塗工層を設けて表面平滑性や表面強度を向上させた塗工紙が用いられており、これにより高印刷品質を達成している。特に、オフセット印刷は色の再現性が高く、仕上がりが綺麗である点からメジャーな印刷方法であるが、印刷時に印刷用紙が湿し水と接触するため、ある程度の耐水性が求められる。このように、印刷用紙の種類および特性は、各種印刷方式や用途によって様々であるが、印刷物を水に溶かすことを前提に製造された印刷用紙は検討されていない。

　一方、水に速やかに分散する水分散紙（水解紙または水溶性紙ともいう）は、水で簡単に洗い流せるラベルの基材、機密文書用紙、またサニタリー用品の包装材、農業資材などに、その水分散性能から使用されている。水分散紙は、木材パルプとαセルロース含有率８８重量％以上の精製パルプを特定の配合比で配合したものや（特許文献１）、木材パルプとアルカリ化された繊維状カルボキシメチルセルロースを特定の配合比で配合したもの（特許文献２）が提案されているが、いずれもそのままでは一般的な印刷用紙に比べて表面性が悪いため印字品質は劣る。
　そのため、水分散紙に印刷を施す場合、印刷方式に合わせた特性を付与する必要があり、例えば、水分散紙の表面に感熱記録層やインクジェット記録層などの塗工層を設けた製品構成として使用されるもの（特許文献３）が知られている。

国際公開第２０１２／０１４９７０号特開２００６－２９９４９８号公報特開２００４－３１４６２３号公報

　従来の水分散性の感熱紙やインクジェット印刷用紙は、オフセット印刷及びグラビア印刷での高印刷品質を達成することはできない。一方、一般的なオフセット印刷やグラビア印刷を想定した印刷用紙は、印刷品質が考慮されているものの、水分散性を有さず、水に分散あるいは溶解することが必要な用途に使用することはできない。すなわち、これまで、水分散性と良好な印刷適性とを両立した紙は存在しなかった。
　そこで、本発明は、水分散性でありながらも印刷品質が良好である新規な印刷用塗工紙を提供することを課題とする。

　本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
１．基紙と、該基紙の少なくとも一面に形成された塗工層とを有し、
　前記基紙のフロック状水分散時間が１０秒未満であり、
　前記塗工層が、顔料と接着剤とを含有し、
　前記接着剤として、非水溶性樹脂を含有する印刷用塗工紙。
２．フロック状水分散時間が６０秒未満である１．に記載の印刷用塗工紙。
３．前記非水溶性樹脂が、スチレン・ブタジエン系樹脂を含む１．または２．に記載の印刷用塗工紙。
４．前記塗工層における非水溶性樹脂の含有量が、１０重量％以上４０重量％以下である１．～３．のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
５．塗工層の片面あたり塗工量が、３ｇ／ｍ^２以上４０ｇ／ｍ^２以下である１．～４．のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
６．前記顔料として、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルクから選択される第１の顔料と、中空型顔料またはシリカから選択される第２の顔料とを含有することを特徴とする１．～５．のいずれかに記載の印刷用塗工紙。

　本発明の印刷用塗工紙は、水分散性と印刷品質とを高いレベルで両立することができる。

　本発明の印刷用塗工紙は、基紙と、基紙の少なくとも一面に形成された塗工層とを有し、基紙のフロック状水分散時間が１０秒未満であり、塗工層が、顔料と接着剤とを含有し、接着剤として、非水溶性樹脂を含有する。

（基紙）
　本発明の基紙は、２３℃、５０％ＲＨの雰囲気下で２４時間以上保管した３ｃｍ×３ｃｍの試験片を、６５０ｒｐｍの条件で撹拌した２０±５℃の脱イオン水３００ｍｌに投入した時に、試験片が２つ以上に千切れるまでのフロック状水分散時間（以下、水分散時間ともいう）が１０秒未満である。基紙の水分散時間が１０秒以上の場合、塗工層を設けた印刷用塗工紙の水分散時間が６０秒を超えて、水分散性が低下する場合がある。基紙のフロック状水分散時間は、９秒未満であることが好ましく、８秒未満であることがより好ましく、７秒未満であることがさらに好ましく、６秒未満であることがよりさらに好ましい。

　基紙としては、フロック状水分散時間が１０秒未満であるものを特に制限することなく使用することができる。例えば、特許文献１に記載の木材パルプ及び／又は非木材パルプからなる水分散紙であって、αセルロース含有率８８重量％以上の精製パルプが全パルプの１５～９５重量％である水分散紙、特許文献２に記載の水分散性繊維と水溶性繊維であるカルボキシアルキルセルロース塩とを含む水剥離性塗工紙用基紙、特開２０２０－１４３３９９号公報に記載の製紙用繊維と水溶性アルカリ性化合物とを含有する基紙を有し、前記製紙用繊維のカナダ標準ろ水度が５００ｍｌＣＳＦ以上７５０ｍｌＣＳＦ以下である分散紙、特開２０２０－１５８９３８号公報に記載の繊維幅（Ｄ）に対するルーメン幅（ｌ）の比（ｌ／Ｄ）が平均０．６０以下である針葉樹パルプを１０重量％以上含む嵩高層を備える基紙と、前記基紙に含浸された水溶性高分子と、を有する水分散紙等が挙げられる。

　基紙は、坪量が１０ｇ／ｍ^２以上２００ｇ／ｍ^２以下であることが好ましい。坪量がこの範囲内であると、水分散性と、印刷時の裏抜け防止性とに優れている。基紙の坪量は、２０ｇ／ｍ^２以上がより好ましく、３０ｇ／ｍ^２以上がさらに好ましく、また、１６０ｇ／ｍ^２以下がより好ましく、１２０ｇ／ｍ^２以下がさらに好ましい。
　さらに、基紙の密度は、０．５ｇ／ｃｍ^３以上１．０ｇ／ｃｍ^３以下であることが好ましい。密度がこの範囲内であると、水分散性には影響せずに塗工層を設ける際の塗工液の内部浸透が抑えられるため、基紙表面に均一な塗工層が形成できる。基紙の密度は０．６ｇ／ｃｍ^３以上が好ましく、０．７５ｇ／ｃｍ^３以上がさらに好ましく、また、０．９ｇ／ｃｍ^３以下がより好ましく、０．８５ｇ／ｃｍ^３以下がさらに好ましい。

（塗工層）
　塗工層は、顔料と接着剤とを含有する。塗工層は、基紙の少なくとも１面に設けられ、両面に設けることもできる。
（顔料）
　顔料としては、塗工紙に用いられているものを特に制限することなく使用することができ、例えば、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料を１種または２種以上を選択して用いることができる。これらの中で、塗工層が嵩高となり、また顔料自身も水を取り込みやすいため、水と接触して崩壊しやすい塗工層となる中空型顔料またはシリカを使用することが好ましい。しかし、中空型顔料またはシリカは、粒径や接着剤要求量の影響で、塗工層の表面平滑性や強度が落ちる場合がある。そのため、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルクから選択される第１の顔料と、中空球顔料またはシリカから選択される第２の顔料とを含有することが好ましい。第１の顔料と第２の顔料とを使用する場合、第１の顔料と第２の顔料との重量比（第１：第２）は、４０：６０～９９：１であることが好ましく、５０：５０～９０：１０であることがより好ましい。

（接着剤）
　接着剤は、非水溶性樹脂（非水溶性接着剤）を含有する。非水溶性樹脂は、澱粉などの水溶性接着剤と比較して固形分濃度が高いにもかかわらず粘度が低いため、塗工液中の水分量を低くしつつ塗工適性に優れた塗工液を得ることができる。塗工液の水分量を低くすることで、水分散性の基紙に塗工液を塗布する際の紙への負荷を低減することができ、塗工中の断紙リスクを減らすことができる。非水溶性樹脂としては、塗工層に用いられているものを特に制限することなく使用することができ、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいは無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の非水溶性樹脂の１種または２種以上を使用することができる。これらの中で、スチレン・ブタジエン系樹脂を塗工層の接着剤として使用した場合、高い表面強度や印刷光沢、耐水性をもつ印刷用紙を得ることができる点から好ましい。水分散性の基紙上に、適度に耐水性を付与した塗工層を設けることで、オフセット印刷などの水を使用する印刷に耐えうる水分散性印刷用紙を得ることができる。また、スチレン・ブタジエン系樹脂におけるスチレン／ブタジエンのモル比は、通常１／９９～９９／１であり、要求される品質に対応するように適宜調整することが好ましい。

　接着剤として、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの水溶性接着剤を併用することもできる。ただし、水溶性接着剤の含有量は少ないことが好ましく、接着剤全量に対する水溶性接着剤の配合量は、２０重量％以下であることが好ましく、１０重量％以下であることがより好ましく、５重量％以下であることがさらに好ましく、３重量％以下であることがよりさらに好ましく、含まないこと（０重量％）が最も好ましい。

（その他助剤など）
　塗工層は、顔料と接着剤の他に、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、サイズ剤等の通常使用される各種助剤や添加剤を適宜配合することができる。ただし、印刷用塗工紙の水への分散性を損なわないためにも、サイズ剤の含有量は少ないことが好ましく、具体的には、サイズ剤の塗工量は１ｇ／ｍ^２以下であることが好ましく、０．５ｇ／ｍ^２以下であることがより好ましく、０．１ｇ／ｍ^２以下であることがさらに好ましく、塗工しないこと(０ｇ／ｍ^２)が最も好ましい。

　塗工層における非水溶性樹脂の含有量は、１０重量％以上４０重量％以下であることが、水分散性と印刷適性との両立の観点から好ましい。この非水溶性樹脂の含有量が１０重量％未満では、印刷適性が低下する場合があり、４０重量％を超えると水分散性が低下する場合がある。塗工層における非水溶性樹脂の含有量は、１５重量％以上であることがより好ましく、また、３０重量％以下であることがより好ましい。

（塗工方法及び塗工層）
　少なくとも顔料と接着剤とを含む塗料は、塗工機によって塗布し、ドライヤーで加熱乾燥することによって塗工層となる。塗工機としては、特に限定されるものではなく、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を使用することができる。なお、顔料と接着剤とを含む塗工層以外に、他の塗工層、例えば、顔料を含まないアンダー層等を設けることもできる。

　塗工層の片面あたり塗工量（固形分）は、３ｇ／ｍ^２以上４０ｇ／ｍ^２以下であることが、水分散性と印刷適性との両立の観点から好ましい。この塗工量（固形分）が３ｇ／ｍ^２より少ないと、十分な表面強度が得られない場合があり、４０ｇ／ｍ^２を超えると水分散性が低下する場合がある。この塗工量（固形分）は、４ｇ／ｍ^２以上であることがより好ましく、５ｇ／ｍ^２以上であることがさらに好ましく、また、３０ｇ／ｍ^２以下であることがより好ましく、２０ｇ／ｍ^２以下であることがさらに好ましく、１５ｇ／ｍ^２以下であることがよりさらに好ましい。

（印刷用塗工紙）
　本発明の印刷用塗工紙は、坪量１３ｇ／ｍ^２以上２６０ｇ／ｍ^２以下であることが好ましい。
　本発明の印刷用塗工紙は、水分散性を有し、具体的には、フロック状水分散時間が６０秒未満であることが好ましい。フロック状水分散時間は、３０秒未満であることがより好ましく、２０秒未満であることがさらに好ましく、１０秒未満であることがよりさらに好ましい。フロック状水分散時間は、２秒以上であることが好ましい。フロック状水分散時間が２秒未満であると、オフセット印刷時の湿し水等の僅かな水により断紙トラブルが発生してしまう可能性がある。フロック状水分散時間は３秒以上であることがより好ましく、４秒以上であることがさらに好ましく、５秒以上であることがよりさらに好ましい。

　本発明の印刷用塗工紙は、水に容易に分散することができるため、印刷後、比較的短時間で廃棄される用途に適している。本発明の印刷用塗工紙の用途は、例えば、チラシ、メモ用紙、包装紙（サニタリー用途等）、ファンシー用途等が挙げられる。

「評価方法」
・平滑度、透気抵抗度
　印刷用塗工紙の塗工面について、Ｊａｐａｎ　ＴＡＰＰＩ　紙パルプ試験法　Ｎｏ．５－２：２０００に従い、王研式平滑度透気度試験器により測定した。
・水分散性
　２３℃、５０％ＲＨの雰囲気で２４時間以上保管した後、３ｃｍ角の試験片を作製した。次に３００ｍｌビーカーに脱イオン水３００ｍｌを入れて水温２０±５℃に調整した後、スターラーで６５０ｒｐｍに撹拌しながら上記試験片１枚を投入した。試験片が２つ以上に千切れ、フロック状になるフロック状水分散時間を計測した。５回の測定の平均値で下記のように判断した。
　　〇：３０秒未満
　　△：３０秒以上６０秒未満
　　×：６０秒以上

・印刷適性
　印刷用塗工紙の塗工面上に、石川島産業機械株式会社製ＲＩ印刷機（４色機）を用い、東洋インキ製造株式会社製のオフセット用エコインキである高粘度ＡＦインキを使用してベタ印刷した。着肉性（印刷ムラ）、裏抜けのそれぞれについて以下の基準で目視評価を行なった。
（インキ着肉性）
　　〇：印刷面にムラがなく、均一な画像が得られている。
　　△：印刷面にムラが若干あり、少し不均一な画像が得られている（実用ＯＫ）。
　　×：印刷面にムラがあり、不均一な画像が得られている。
（裏抜け）
　　○：印刷裏面にほとんどインキが浸透していない。
　　△：印刷裏面に若干インキが浸透している（実用ＯＫ）。
　　×：印刷裏面にインキが浸透している。

「基紙の調製」
（基紙１）
　針葉樹晒クラフトパルプ４５重量％、広葉樹晒クラフトパルプ１８重量％、αセルロース含有率８８重量％以上である精製パルプ３７重量％をカナダ標準ろ水度６００ｍｌＣＳＦまで混合叩解した後、円網式抄紙機で坪量６０ｇ／ｍ^２の紙シートを抄造した。
　得られた紙シートに対して水溶性アルカリ性化合物の割合が８．３重量％となるように塗工した。これに、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩粉末（日本製紙株式会社製、商品名サンローズＡＰＰ８４、エーテル化度０．７５、Ｂ型粘度８ｍＰａ・ｓ：以下、ＣＭＣ塩ともいう）を溶解した水溶液を、紙シートに対してＣＭＣ塩が４．１重量％となるように塗工した。その後、スーパーカレンダー処理により厚さが７５μｍ程度になるように加工して基紙１とした。基紙１のフロック状水分散時間は、５．１秒であった。

（基紙２）
　針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ、そしてアルカリ化した繊維状カルボキシメチルセルロースから製造された市販の水分散性基材（日本製紙パピリア株式会社製、商品名６０ＭＤＰ、坪量６０ｇ／ｍ^２）をスーパーカレンダー処理により厚さが７５μｍ程度になるように加工して基紙２とした。基紙２のフロック状水分散時間は、２．８秒であった。
（基紙３）
　針葉樹晒クラフトパルプとアルカリ化した繊維状カルボキシメチルセルロースから製造された市販の水分散性基材（日本製紙パピリア株式会社製、商品名６０ＣＤ－２、坪量６０ｇ／ｍ^２）をスーパーカレンダー処理により厚さが７５μｍ程度になるように加工して基紙３とした。基紙３のフロック状水分散時間は、３．１秒であった。

「実施例１」
　焼成カオリン（Ｋａｏｃａｌ：Ｔｈｉｅｌｅ　Ｋａｏｌｉｎ　Ｃｏｍｐａｎｙ）とＳＢＲラテックス（ＰＢ－０６００：日本エイアンドエル社製、固形分５０％）とを固形分重量比で８３／１７となるように水に分散し、３０％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７～８ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例２」
　焼成カオリンとＳＢＲラテックスとを固形分重量比で７７／２３となるように配合した以外は、実施例１と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「実施例３」
　焼成カオリンとＳＢＲラテックスを固形分重量比で６５．７／３４．３となるように配合した以外、実施例１と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「実施例４」
　目標塗工量を３．５ｇ／ｍ^２とした以外、実施例３と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「実施例５」
　目標塗工量を２０ｇ／ｍ^２とした以外、実施例３と同様にして印刷用塗工紙を得た。

「実施例６」
　使用する顔料を焼成カオリンと中空型顔料（Ｊｅｓｏｎｓ　Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ　Ｌｔｄ．社製　ＢＯＮＤＥＸ　ＯＰＥＸ９０：粒径６００～８００ｎｍ、固形分３０％）の併用とし、焼成カオリン、中空型顔料、そしてＳＢＲラテックスを固形分重量比で６７／１６／１７となるように配合して水に分散し、３８％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．５ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例７」
　目標塗工量を２４ｇ／ｍ^２とした以外、実施例６と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「実施例８」
　目標塗工量を３７．５ｇ／ｍ^２とした以外、実施例６と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「実施例９」
　基紙２の片面に、実施例６で調製した塗工液を目標塗工量２４ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。
「実施例１０」
　基紙３の片面に、実施例６で調製した塗工液を目標塗工量２４ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例１１」
　焼成カオリン、中空型顔料、そしてＳＢＲラテックスを固形分重量比で４３／３４／２３となるように配合して水に分散し、３８％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．２ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「比較例１」
　ＳＢＲラテックスを３０％濃度になるように調整した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が２ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。
「比較例２」
　目標塗工量を４ｇ／ｍ^２とした以外は、比較例１と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「比較例３」
　目標塗工量を５ｇ／ｍ^２とした以外は、比較例１と同様にして印刷用塗工紙を得た。
「比較例４」
　基材１に水を塗工（バー＃０）し、乾燥させた。

「実施例１２」
　使用する顔料を焼成カオリンとシリカ（ニップシールＥ－７４Ｐ：東ソー・シリカ株式会社製）の併用とし、焼成カオリン、シリカ、そしてスチレン・アクリル系エマルジョン（ＮＥ－２２６０：星光ＰＭＣ株式会社製、固形分４９％）を固形分重量比で６７／１６／１７となるように配合して水に分散し、３４％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．０ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例１３」
　使用する顔料を焼成カオリン、シリカ（ニップシールＥ－７４Ｐ：東ソー・シリカ株式会社製）の併用とし、焼成カオリン、シリカ、そしてスチレン・アクリル系エマルジョン（ＮＥ－２２６０：星光ＰＭＣ株式会社製、固形分４９％）を固形分重量比で７３／１０／１７となるように配合して水に分散し、３４％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．６ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例１４」
　使用する顔料を炭酸カルシウム（タマパールＴＰ－１２３：奥多摩工業株式会社）とシリカ（ニップシールＥ－７４Ｐ：東ソー・シリカ株式会社製）の併用とし、炭酸カルシウム、シリカ、そしてスチレン・アクリル系エマルジョン（ＮＥ－２２６０：星光ＰＭＣ株式会社製、固形分４９％）を固形分重量比で６７／１６／１７となるように配合して水に分散し、４０％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．３ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

「実施例１５」
　使用する顔料を炭酸カルシウム（タマパールＴＰ－１２３：奥多摩工業株式会社）とシリカ（ニップシールＥ－７４Ｐ：東ソー・シリカ株式会社製）の併用とし、炭酸カルシウム、シリカ、そしてスチレン・アクリル系エマルジョン（ＮＥ－２２６０：星光ＰＭＣ株式会社製、固形分４９％）を固形分重量比で７３／１０／１７となるように配合して水に分散し、４０％濃度の塗工液を調製した。
　これを基紙１の片面に、目標塗工量が７．３ｇ／ｍ^２になるようにバー塗工し、乾燥させて塗工層を形成し、印刷用塗工紙を得た。

Claims

　基紙と、該基紙の少なくとも一面に形成された塗工層とを有し、
　前記基紙のフロック状水分散時間が１０秒未満であり、
　前記塗工層が、顔料と接着剤とを含有し、
　前記接着剤として、非水溶性樹脂を含有する印刷用塗工紙。
　フロック状水分散時間が６０秒未満である請求項１に記載の印刷用塗工紙。
　前記非水溶性樹脂が、スチレン・ブタジエン系樹脂を含む請求項１または２に記載の印刷用塗工紙。
　前記塗工層における非水溶性樹脂の含有量が、１０重量％以上４０重量％以下である請求項１～３のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
　塗工層の片面あたり塗工量が、３ｇ／ｍ^２以上４０ｇ／ｍ^２以下である請求項１～４のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
　前記顔料として、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルクから選択される第１の顔料と、中空型顔料またはシリカから選択される第２の顔料とを含有することを特徴とする請求項１～５のいずれかに記載の印刷用塗工紙。