WO2023162621A1 - 固体電解質、活物質層、電解質層、および、二次電池 - Google Patents

固体電解質、活物質層、電解質層、および、二次電池 Download PDF

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Abstract

Liと、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素Rと、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる元素M1と、を含むほう酸化物を含有する固体電解質。

Description

固体電解質、活物質層、電解質層、および、二次電池
 本発明は、固体電解質及び、該電解質を備える活物質層、電解質層、および、二次電池に関するものである。
 固体電解質を用いた全固体二次電池は、高耐熱性を向上することが可能である。また、電解質が漏液せず、揮発もしないため、安全性も向上できる。よって、モジュールコストを低減できるとともに、エネルギー密度を高めることが可能である。
 かかる固体電解質の一つとして硫化物系固体電解質が報告されている。しかし、硫化物系固体電解質は、その製造原料に硫化物を使用するため、作業性の観点からの課題があった。そこで、硫化物系ではない固体電解質として、酸化物系の固体電解質が報告されている。
 Li系の固体電解質として、NASICON型のLi+xAlxTi2-x(PO(LATP)、ペロブスカイト型のLi3+xLa2/3-xTiO(LLT)、ガーネット型で立方晶のLiLaZr12(LLZ)が報告されている。また、Na系の固体電解質として、β’’アルミナ型のNa・(5~7)Al、NASICON型のNaZrSiPO12が、報告されている。しかしながら、これら固体電解質は、使用可能な負極材料が限定されたり、固体電解質間や、固体電解質と活物質間の界面を密着させることで導電性を向上させるために1000℃を超える高温での焼結が必要であったりする等の課題があった。特に、高温での焼結は、固体電解質間や、固体電解質と活物質間の界面に高抵抗相が形成されることがあり、イオン伝導性の向上を制限するものとなっていた。
 そのため近年、焼結温度を下げる試みがなされている。特許文献1は、Li2+x1-xのように、ホウ酸リチウムを含む固体電解質とすることで、焼成温度を900℃程度まで低下することが可能であることが開示されている。
 また、特許文献2は、LLZ系の酸化物に、LiBOを混合することで、固体電解質を形成する際の焼結温度を650~800℃に下げることができるとされている。
特開平5-54712号公報 特開2013-37992号公報
 特許文献1および特許文献2に開示の固体電解質を含む二次電池による焼成温度が低下され、他の材料との間に中間層として高抵抗相が形成され難くなった。しかしながら、固体電解質が占める領域のイオン伝導性σSEが、室温で、1×10-7S/cmより低い場合があり、よりイオン伝導性が高められた酸化物系の固体電解質が求められていた。
 本発明は、低温での焼結によって作製可能で、かつイオン伝導性の高い固体電解質、及び、かかる固体電解質を含む電解質層、活物質層、二次電池を提供することを目的とする。
 本発明の実施形態に係る固体電解質は、一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を含む。但し、式中、RはYb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる希土類元素であり、M1は、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる2価の元素であり、xは、0<x<1を満たす実数である。
 さらに、本発明の実施形態に係る固体電解質は、Liと、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素Rと、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる元素M1と、を含むほう酸化物を含有するものである。
 本発明によれば、低温での焼結によって作製可能で、かつイオン伝導性の高い固体電解質を提供することができる。また、本発明によれば、かかる固体電解質を含む電解質層、活物質層、二次電池を提供することができる。
第1の実施形態に含まれる実施例1~11に係る固体電解質のイオン伝導率と、置換元素M1の組成x(=x1+x2)の値との関係を示す図である。 実施例1~11に係る固体電解質のX線回折曲線を示すものである。 実施例3~5に係る固体電解質のX線回折曲線を示すものである。 第2の実施形態に係る二次電池の概略断面図である。 第2の実施形態に係る二次電池の正極と電解質層を示す図である。 第2の実施形態に係る二次電池の正極活物質層を示す図である。 第2の実施形態に係る二次電池の電解質層の部分拡大図である。
 以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
 (第1の実施形態)
 本実施形態に係る固体電解質は、一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を含む。式中、RはYb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる希土類元素であり、M1は、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる2価の元素であり、xは、0<x<1を満たす実数である。
 また、式中、Rが3価の元素Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる少なくとも二の元素を含む場合は、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素の組み合わせだけでなく、これらの元素とイオン半径の近い他の3価の元素と組み合わせても良い。
 本実施形態に係る固体電解質は、一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を含むと換言される。一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を有する固体電解質においてイオン伝導率が向上する理由について、本願発明者等は以下のように推察している。
 希土類元素であるYb、Er、Tm、Laの一部を、2価の価数をとる元素M1で置換すると、結晶全体として中性になるよう電荷のバランスが調整されるため、結晶格子中にLiが過剰に存在する状態が生成される。かかるLiが過剰に存在する状態は、結晶格子中にLiが詰め込まれた状態であると換言される。
 結晶格子中にLiが詰め込まれた状態は格子間イオンと呼ばれる。かかる格子間のLiが次々に押されて移動する現象が協奏的に起きるためイオン伝導率が向上すると考えられる。すなわち、Li占有サイトを利用してLiが移動していく現象が協奏的に起きるためイオン伝導率が向上すると考えられる。
 本実施形態の固体電解質は、Liと、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素Rと、Mgを含む群から選ばれる元素M1と、を含むほう酸化物を含有する固体電解質であると換言される。M1は2価の元素である。また、M1は、Mgを含む群から選ばれる少なくとも一つの元素である。Yb、Er、Tm、Laを含む3価元素Rを置換する元素としては、イオン半径が3価元素Rと近い元素が置換しやすく、具体的にはMg2+が候補して挙げられる。
 本実施形態の固体電解質は、単斜晶系の結晶構造を備えることが好ましい。
 CuKα線を用いた2θ法によるX線回折分析(以下、XRD)において、回折角2θが28度付近に発生する回折ピークは、固体電解質の組成によって変化する。
 本実施形態の一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物のRがYbを含む固体電解質においては、CuKα線を用いたXRDにおいて、2θ=28.0度以上28.1度以下の範囲に回折ピークを有することが好ましい。上記一般式中、xは、置換元素M1の元素Rの置換量に対応するxであり、0<x<1が採用される。好ましい置換量xとしては、0.01以上0.30以下が採用される。さらに、より好ましいxとしては、0.01以上0.10以下が採用される。
 上記xの範囲が好ましい理由としては以下のように推察される。xの値が0.01より小さいと、元素Rの置換量が少ないために十分な構造変化が起きず、Liイオンが格子間に十分供給されないため、結果イオン伝導率が向上しない。また、xの値が0.30より大きいと、置換元素M1の量が多くなりすぎるために結晶中で元素Rと置換に寄与しない過剰な元素M1が、結晶中で置換効果よりもイオン伝導の阻害成分として寄与することになる。
 CuKα線を用いたXRDにおいて、2θ=28度付近に発生する回折ピークの位置は、上記一般式中のxの値を調整すること、あるいは、M1が示す元素を変更することで制御することができる。
 次に、本実施形態の固体電解質の製造方法について説明する。
 本実施形態の固体電解質の製造方法は、一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を含む固体電解質を構成する元素であるLi、R、M1、またはこれらの酸化物を酸素含有雰囲気下で加熱する焼成工程を有する(式中、Rは希土類元素Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる少なくとも一または二の元素であり、M1は2価の元素である。)。
 本実施形態の固体電解質の製造方法は、該酸化物の融点未満の温度で加熱処理することによって上記一般式で表される酸化物を固相合成する仮焼成工程と、得られた酸化物を、加熱処理することによって緻密化する工程と、を含むことができる。
 [固体電解質の製造方法]
 以下、上記仮焼成工程と、上記本焼成と、を含む本実施形態の固体電解質の製造方法について詳細に説明する。
 <仮焼成工程>
 仮焼成工程では、Li6+x1-xM1(BOとなるように、化学試薬グレードのLiBO、HBO、Yb、Er、Tm、MgO、Laなどの原材料を所定の化学量論比を指標として秤量し混合する。ここで、Rは希土類元素Yb、Er、Tm、La、を含む群から選ばれる少なくとも一または二の元素であり、M1は2価の元素が採用される。
 混合に用いる装置は乳鉢・乳棒の他、ボールミルなどの混合機を用いることができる。
 該混合処理により上記各原材料の混合粉末を得た後、得られた混合粉末を加圧成型してペレットにする。ここで加圧成型法としては、冷間一軸成型法、冷間静水圧加圧成型法など公知の加圧成型法を用いることができる。仮焼成工程での加圧成型の条件としては、特に制限されないが、例えば圧力100~300MPaとすることができる。
 得られたペレットについて、大気焼成装置などを用いて500℃~800℃で仮焼成して固相合成する。仮焼成工程の時間は特に制限されないが、例えば700~750分(例えば720分)程度とすることができる。
 得られた仮焼成体が、上記一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物である。該仮焼結体を、乳鉢・乳棒などを用いて粉砕することで仮焼成粉末を得ることができる。
 <粒子粉砕工程>
 仮焼成工程と後述する本焼成工程の間において、粒子の粉砕工程を追加しても良い。この粒子粉砕工程で仮焼結体の微粒化、及び非晶質化により本焼結工程における焼結温度の低下や粒界の合一が進行しやすくする。粒子の粉砕にはボールミル、遊星ボールミル、ペイントシェイカー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどを用いると良い。粉砕工程においては湿式、乾式どちらで行っても良い。湿式で行う場合の溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類を用いると良い。粉砕後の粒子は十分に加熱し溶媒が除去される。
 <本焼成工程>
 本焼成工程では、仮焼成工程で得られた仮焼成体および仮焼成体を含む群から選択される少なくとも一を加圧成型、本焼成して緻密な焼結体を得る。
 加圧成型と本焼成は、放電プラズマ焼結やホットプレスなどを用いて同時に行ってよく、冷間一軸成型でペレットを作製してから大気雰囲気などで本焼成を行ってもよい。本焼成での加圧成型の条件としては、特に制限されないが、例えば圧力100~300MPaとすることができる。
 本焼成する際の温度は、好ましくは800℃以下、より好ましくは700℃以下、さらに好ましくは680℃以下である。
 本焼成工程の時間は、本焼成の温度等に応じて適宜変更することができるが、例えば700~750分が採用される。本焼成工程の冷却方法は特に制限されず、自然放冷よりも徐々に冷却してもよい。
 次に、本開示にかかる物性の測定方法について説明する。
 ・R、Mの同定
 採集した試料が他の材料との混合物でない場合は、採集した試料を溶液化処理したのち、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析(ICP-AES)、波長分散型蛍光X線分析装置(WDXRF)等により試料の組成比を同定することができる。WDXRFは、WDXと換言する場合がある。
 一方、採集した試料が混合物である蓋然性が高い場合は、X線光電子分光分析装置(XPS,ESCA)、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)を備えた走査型電子顕微鏡等の元素マッピング像が得られる走査型分析装置が適用可能である。これ以降、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)を備えた走査型電子顕微鏡は、SEM/EDXと省略する場合がある。また、採集した試料が混合物である蓋然性が高い場合は、電子線回折機能を備えた透過電子顕微鏡(TEM-ED)により、結晶構造を同定しても良い。なお、EDXRFは、EDXと換言する場合がある。
 なお、軽元素であるLiと他のB、O、Zr、希土類等のより高い原子番号の元素との組成比を精緻に取得する点においては、ICP-AES、XPSが採用される。
 また、採集した試料が混合物である場合は、ダイシング、イオンビーム加工等の物理的除去処理、ドライエッチング、ウエットエッチング等の化学的除去、それらの組み合わせにより、分析の非対象部位を選択的に除去する前処理が採用される。前処理には、洗浄、脱脂、切片化、粉砕、ペレット化等が採用される場合がある。
 標準試料について、SEM/EDXは、(株)日立ハイテクノロジーズ製S-4800を分析装置として採用可能である。
 ・X線回折ピークの測定
 固体電解質のX線回折分析には、(株)リガク製RINT-2100を使用する。
 固体電解質を乳鉢・乳棒で粉砕して得た粉末を、CuKαの特性X線を用いてX線回折分析を行う。温度は室温、分析範囲は10度~70度、ステップは0.016度、スキャンスピードは0.5ステップ/秒とする。
 (第2の実施形態)
 <二次電池の構造>
 第1の実施形態に係る固体電解質を有する電解質層40ならび電解質層40を備える二次電池100について図4A、図4Bの各図を用いて説明する。
 図4Aは、本実施形態の固体電解質が適用される二次電池100の概略断面図である。二次電池100は、正極活物質層20と接する正極集電体層10の側とは反対側の面において、電解質層40を備えている。二次電池100は、電解質層40が正極活物質層20と接している側とは反対側において、負極70を備えている。負極70は、電解質層40の正極活物質層20と接している面とは反対面において負極活物質層50を備えている。負極70は、負極活物質層50が電解質層40と接している面とは反対面において、負極集電体層60を備えている。二次電池100は、積層方向200において、負極70、電解質層40、正極30を備えていると換言される。
 (正極活物質層)
 本実施形態の固体電解質が適用される正極活物質層20は、図4Bに示す通り、正極集電体層10と、活物質粒子22と正極内電解質24を含む正極活物質層20と、を有する正極30と接している。本願明細書においては、電解質層40とリチウムイオン(活物質イオン)の授受が行われる構造を正極と称するため、図4Aの正極30から正極集電体層10を除いた正極活物質層20を、正極20と称する場合がある。また、本実施形態の正極活物質層20は、正極内電解質24を含むため、複合正極活物質層20あるいは複合正極構造20と換言される場合がある。
 集電体層10は、不図示の外部回路、活物質層との間で電子伝導を行う導体である。集電体層10は、SUS、アルミ二ウム等の金属の自立膜、金属箔、樹脂ベースとの積層形態が採用される。
 正極活物質層20は、サブレイヤーとして正極活物質層20a、20b、20cを備えている。正極活物質層20a、20b、20cは、活物質粒子22、正極内電解質24が焼結される前の層厚方向200における積層する単位で区別されている。正極活物質層20a、20b、20cは、活物質粒子22と正極内電解質24の体積分率、不図示の導電助剤、空隙率(ポロシティ)等において、層厚方向の分布を有する場合がある。層厚方向200は、各層を積層する積層方向と平行か、逆平行であるため、積層方向200と換言する場合がある。
 本実施形態に係る固体電解質は、正極活物質層20に含まれる正極内電解質24に適用される。
 (電解質層)
 正極内電解質24と電解質層40に含まれる固体電解質44とは、組成、粒径分布、を含めて共通のものを採用しても良いし、異なる組成、粒径分布等の特性を呈するものを採用しても良い。すなわち、本実施形態に係る固体電解質は、電解質層40に含まれる固体電解質44に適用される場合がある。電解質層40の固体電解質44に採用される第1の実施形態以外の材料は、例えば、LiPO、LiLaZr12、Li0.33La0.55TiO、Li1.5Al0.5Ge1.5(POが採用される。
 固体電解質44に占める本実施形態の固体電解質の含有量は、好ましく25質量%以上である。より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは75重量%以上100質量%以下である。
 本実施形態の二次電池は、正極と固体電解質と負極を積層し、成型、加熱処理するなど、公知の方法により得ることができる。本実施形態の固体電解質は、従来技術と比較して低温の加熱処理で作製できるため、固体電解質と電極活物質が反応して生じる電気的な高抵抗を呈する高抵抗相の形成を低減できるため、出力特性に優れた二次電池を得ることができる。なお、本願明細書においける「固体」とは、対象物の姿勢を変更しても一定の形・体積を保つ程度に自立性を有するものを含み、粘性が1×10cP未満(1×10Pa・秒未満)の非流動性を有するものと換言される。
 (負極活物質層)
 負極活物質層50は、正極30と同様に負極活物質と固体電解質とが層内に混在する形態としされてもよいし、金属LiやIn-Li等の負極活物質で構成される単相の膜としてもよい。
 負極活物質は、金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物、各種合金材料などが採用される。負極活物質は、なかでも、容量密度の観点から、金属、酸化物、炭素材料、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物などが好ましい。負極活物質に採用される金属としては、金属LiやIn-Li、酸化物としては、例えば、LiTi12(LTO:チタン酸リチウム)などが挙げられる。負極活物質に採用される炭素材料としては、各種天然黒鉛(グラファイト)、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛、非晶質炭素などが挙げられる。負極活物質に採用される珪素化合物としては、珪素含有合金、珪素含有無機化合物、珪素含有有機化合物、固溶体などが挙げられる。負極活物質に採用される錫化合物としては、SnO(0<b<2)、SnO、SnSiO、NiSn、MgSnなどが挙げられる。また、負極活物質層50は、導電助剤を含んでいてもよい。負極活物質層50に採用される導電助剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維などの導電性繊維、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末、酸化亜鉛などの導電性ウィスカー、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘電体などの有機導電性材料などが挙げられる。
 本実施形態に係る固体電解質が複合正極活物質層20の正極内電解質24に適用される二次電池100について以下に述べる。
 正極30は、図4Cのように、本実施形態の固体電解質24と、固体電解質24との間でリチウムイオンの授受が行われる正極活物質22と、を有し、固体電解質24と正極活物質22とが並べられた面20ASを備える。正極活物質層20は、本実施形態の固体電解質24と、固体電解質24との間でリチウムイオンの授受が行われる正極活物質22と、を有し、固体電解質24と正極活物質22とが並べられた面20ASを備えると換言される。またあ、本実施形態の電解質層40は、面20ASに接するように配置され、正極30とリチウムイオンの授受を行うように設けられた層である。二次電池100は、正極30と、正極30の面20ASに接するように配置され、正極30とリチウムイオンの授受を行う電解質層40と、電解質層40の面20ASと接する側の反対面と接する負極70と、を有する。
 次に、本実施形態の変形形態に係る固体電解質が電解質層40の固体電解質44に適用される二次電池100について以下に述べる。
 本変形形態に係る電解質層40は、図4Bのように、第1の実施形態の固体電解質が層厚方向200と交差する方向に並べられた面40ASを有する。二次電池100は、電解質層40と、面40ASに接するように配置され、電解質層40との間でリチウムイオンの授受が行われるように配置された正極30と、電解質層40の面40ASの反対面と接する負極50と、を備える。
 本実施形態の固体電解質を焼結体として作製・評価した例を説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
 [実施例1]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.02Yb0.98Mg0.02(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [実施例2]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)、La(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.01Yb0.891La0.099Mg0.01(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [実施例3~7]
 <仮焼成工程>
 R1、R2の比率、及びxが表1に記載された値となるように実施例2に記載の各原料を所定の化学量論比で秤量した以外は、実施例1と同じ工程で仮焼成体及び仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼結粉末を、実施例1と同じ本焼成工程で焼結体を作製した。
 [実施例8]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Tm(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.02Tm0.98Mg0.02(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 [実施例9]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)、Tm(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.01Yb0.882Tm0.098Mg0.02(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [実施例10]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Er(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.02Er0.98Mg0.02(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [実施例11]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)、Er(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.01Yb0.882Er0.098Mg0.02(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [比較例1]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLiYb(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [比較例2]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)La(高純度化学研究所製)、を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLiYb0.9La0.1(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 [参考例1]
 <仮焼成工程>
 LiBO(豊島製作所製)、HBO(キシダ化学製)、Yb(高純度化学研究所製)、La(高純度化学研究所製)、MgO(高純度化学研究所製)を固体電解質の原料として用意した。焼結後の組成がLi6.4Yb0.54La0.06Mg0.4(BOとなるように所定の化学量論比で秤量し、乳鉢・乳棒で混合した。
 その後、混合した粉末を、島津製作所製油圧プレスSSP-10Aを用いて冷間一軸成型し、大気雰囲気で加熱処理した。加熱温度は650℃、保持時間は720分とした。
 得られた仮焼成体を乳鉢・乳棒で粉砕して仮焼成粉末を作製した。
 <本焼成工程>
 上記で得られた仮焼成粉末を、仮焼成と同様の方法で成型、加熱処理して実施例1の焼結体を作製した。加熱温度は670℃、保持時間は720分とした。
 実施例1~11、比較例1~2、参考例1の焼結体について、上記方法により組成分析、X線回折ピークの測定を行った。また、以下の方法によりイオン伝導率の測定を行った。イオン伝導率の測定方法を以下に述べる。
 ・イオン伝導率の測定
 本焼成で得られた平板形状の焼結体の上下面に、(株)真空デバイス製マグネトロンスパッタ装置MSP-10を用いて、金の電極を成膜し、交流インピーダンス測定を行うための試料とした。
 交流インピーダンス測定にはSolartron Analytical社製のポテンショ/ガルバノスタットSI1287A及び周波数応答アナライザー1255Bを使用した。測定条件は、室温、周波数1MHz~0.1Hzとした。
 焼結体の抵抗は、インピーダンス測定で得られた複素インピーダンスプロットから算出した。算出した抵抗と焼結体の厚みと電極面積から、以下の式を用いてイオン伝導率を求めた。
イオン伝導率(S/cm)=焼結体の厚み(cm)/(焼結体の抵抗(Ω)×電極面積(cm))
 ・結果
 表1に、実施例1~11、比較例1~2、参考例1に係る固体電解質を製造する際の原料の化学量論量、本焼成時の加熱温度、回折ピーク位置、イオン伝導率、置換金属の組成比率[M1]/[R]を示す。また、図1に第1の実施例1~11の固体電解質のイオン電導率の置換元素M1の元素Rの置換量xとの関係を散布図を用いて示す。
 また、図2にXRDで得られた2θ=10度~40度の範囲の回折曲線を示す。実施例1~7は結晶構造がLiYb(BO、実施例8、9は結晶構造がLiTm(BO、実施例10、11は結晶構造がLiEr(BOのLiYb(BOと同型の単斜晶系結晶構造であることが分かる。
 図3にXRDで得られた2θ=27度以上29度以下の範囲の回折曲線を示す。イオン電導率σが4×10-7S/cm以上を呈した実施例3~5の固体電解質は、回折角2θ=28.1度及び28.5度付近のピーク位置が、比較例1のピーク位置よりも低角側にシフトしていることが分かる。これらは、元素M1を含む群から選択される少なくとも一の元素が、希土類元素であるYb少なくとも一部を置換していることで生じた結晶構造の変化に対応するX線回折プロファイルの変化と考えている。
 また、イオン電導率σが1×10-7S/cm以上を呈した実施例1~11に係る固体電解質は、表1に示す通り、X線回折角ピークのシフトに伴い、双峰型の回折角ピークの高角側ピークと低角側ピークのシフト量の差が認められる。この結果、回折角2θが27.9度以上28.6度以下の範囲において、28.3~29.0度に認められる高角側の回折ピークと27.9~28.3度に認められる低角側の回折ピークの回折角の差2θdが0.43度以上と拡大していることが読み取れる。イオン電導率σが1×10-7S/cm以上を呈した実施例1~11に係る固体電解質が、X線回折角2θが28.3~29.0度において呈する双峰型の回折角ピークの回折角差2θdは、0.432度以上0.448度以下であった。
 すなわち、本実施形態に係る固体電解質は、Liと、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素Rと、Mgを含む群から選ばれる元素M1と、を含むほう酸化物を含有するものであると換言される。さらに、本実施形態に係る固体電解質は、CuKα線を用いたXRDにおいて、回折角2θが27.9度以上28.6度以下の範囲に2つの回折ピークを呈し、高角側と低角側の回折ピークとの回折角の差2θdが0.43度以上である電解質であると換言される。
 なお、回折角2θが27.9度以上28.6度以下の範囲に認められる2つの回折角ピークは、結晶性により、さらに三峰、四峰を含む複数のピークを呈する場合がある。本願明細書においては、28.3度の回折角2θを境に、それぞれ低角側と高角側の2つの回折角ピークを1峰ずつ有するように代表させる。このようにして、双峰型の回折角プロファイルにフィッティングすることで回折角ピークを分離する。
 かかる高角側の回折角ピークは、置換元素Mの成分の増大に伴い、或いは、イオン伝導率の増大に伴い、低角側の回折角ピークより顕著に、ブロード化と高角側にシフトが認められる。このことからは、本実施形態の固体電解質44は、格子間隔、結晶子サイズに分布を有する複数の結晶構造が混在しているように、無置換の比較例に比べて結晶構造が変化していると読み取られる。
 表1に記載の実施例2~7、9、11に係る固体電解質、希土類元素Rが二元系(Yb、Tm)、(Yb、Er)、(Yb、La)となっている点が、実施例1、8、10に係る固体電解質と相違する。
 イオン電導率が1E-7(S/cm)以上を呈する実施例1~11に係る固体電解質は、希土類元素Rに対する置換元素Mの原子濃度比[M1]/[R]が、0.020以上0.429以下であった。また、イオン電導率が0.4E-6(S/cm)以上を呈する実施例3~5、11に係る固体電解質は、希土類元素Rに対する置換元素M1の原子濃度比[M1]/[R]が、0.020以上0.111以下であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
 本願は、2022年2月25日提出の日本国特許出願特願2022-028467を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (15)

  1.  一般式Li6+x1-xM1(BOで表される酸化物を含む固体電解質。
     但し、式中、RはYb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる希土類元素であり、M1は、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる2価の元素であり、xは、0<x<1を満たす実数である。
  2.  前記xが0.01≦x≦0.30を満たす請求項1に記載の固体電解質。
  3.  前記RがYbとLaとを含み、前記xが0.02≦x≦0.10を満たす、請求項1または2に記載の固体電解質。
  4.  Liと、Yb、Er、Tm、Laを含む群から選ばれる元素Rと、Mg、Sr、Caを含む群から選ばれる元素M1と、を含むほう酸化物を含有する固体電解質。
  5.  前記M1はMgである請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解質。
  6.  CuKα線を用いたX線回折分析において、2θ法における回折角が27.9度以上28.6度以下の範囲に2つの回折ピークを呈し、高角側の回折ピークと低角側の回折ピークとの回折角の差2θdが0.43度以上である請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解質。
  7.  前記回折角の差2θdが0.432度以上0.448度以下である請求項6に記載の固体電解質。
  8.  前記元素Rに対する前記元素M1の原子濃度比[M1]/[R]が、0.020以上0.429以下である請求項1から7のいずれか1項に記載の固体電解質。
  9.  前記原子濃度比[M1]/[R]が、0.020以上0.111以下である請求項8に記載の固体電解質。
  10.  前記元素Rは、複数の希土類元素を含む請求項1から9のいずれか1項に記載の固体電解質。
  11.  前記複数の希土類元素は、Ybを少なくとも含む請求項10に記載の固体電解質。
  12.  請求項1から11のいずれか1項に記載の固体電解質と、前記電解質との間でリチウムイオンの授受が行われる正極活物質と、を有し、前記固体電解質と前記正極活物質とが並べられた面を備える正極。
  13.  請求項12に記載の正極と、
     前記面に接するように配置され前記正極とリチウムイオンの授受を行う電解質層と、
     前記電解質層の前記面と接する側の反対面と接する負極と、を含む二次電池。
  14.  請求項1から11のいずれか1項に記載の固体電解質が層厚方向と交差する方向に並べられた面を有する電解質層。
  15.  請求項14に記載の電解質層と、前記面に接するように配置され前記電解質層との間でリチウムイオンの授受が行われるように配置された正極と、前記電解質層の前記面の反対面と接する負極と、を含む二次電池。
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WO2013035526A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 株式会社 村田製作所 全固体電池用積層成形体、全固体電池およびその製造方法
JP2017091953A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 旭化成株式会社 リチウムイオン伝導体及びこれを用いたリチウムイオン電池

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