WO2023153477A1

WO2023153477A1 - パンツ型着用物品

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Publication number: WO2023153477A1
Application number: PCT/JP2023/004380
Authority: WO
Inventors: 雄大小園; 昂平松田; 俊明一萬田; 宏子川口
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2022-02-09
Filing date: 2023-02-09
Publication date: 2023-08-17
Also published as: CN118555946A; JP2023116429A

Abstract

吸収性本体と外装体とを有するパンツ型着用物品であって、前記吸収性本体は、ウエスト周り方向の中央にて身丈方向に沿って延在して、腹側部及び背側部における前記外装体と接合固定されており、前記腹側部は、前記外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、中央幅狭接合領域と、前記中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い上方幅広接合領域及び下方幅広接合領域とを含み、前記腹側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、下方低伸長応力領域が配され、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い高伸長応力領域が配されている、パンツ型着用物品。

Description

パンツ型着用物品

　本発明は、おむつなどのパンツ型着用物品に関する。

　おむつなどの着用物品にはテープ型やパンツ型などの形態がある。
　パンツ型の着用物品では、腹側部と股下部とにおける外装体同士がウエスト周り方向の両端部において左右のウエスト接合部にて固定され、環状の胴回り部を形成している。該胴回り部に関し、ウエスト周り方向に弾性体を伸長状態で配して着用者の胴回りへのフィット性を高める技術が知られている（例えば、特許文献１及び２）。

特開２０２０－１６８２２１号公報特開２０２０－１５６９２９号公報

　本発明は、吸収性本体と外装体とを有し、着用者の腹側に配される腹側部と股間側に配される股下部と背側に配される背側部とを備え、ウエスト周り方向と身丈方向とを有するパンツ型着用物品であって、
　前記腹側部と前記背側部とにおける前記外装体同士は、前記ウエスト周り方向の両端部において一対のウエスト接合部にて接合され、前記身丈方向における前記腹側部及び前記背側部の上側にウエスト開口部が配されており、
　前記吸収性本体は、前記ウエスト周り方向の中央にて前記身丈方向に沿って延在しており、前記腹側部及び背側部における前記外装体と接合固定されており、
　前記腹側部及び背側部における前記外装体には、前記ウエスト周り方向に沿って延在し、前記身丈方向に沿って間隔をあけて複数配置されたウエスト弾性体が伸縮可能に接合されており、
　前記腹側部は、前記外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、中央幅狭接合領域と、前記中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い上方幅広接合領域及び下方幅広接合領域とを含み、
　前記腹側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、下方低伸長応力領域が配され、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い高伸長応力領域が配されている、
パンツ型着用物品を提供する。

図１は、本発明に係るパンツ型着用物品の好ましい一実施形態としてのパンツ型おむつを模式的に示した斜視図である。図２は、図１に示すパンツ型おむつをウエスト接合部で破断して展開し伸長させて肌側から見た状態を模式的に示した一部切欠展開平面図である。図３は、図２に示すパンツ型おむつのＩＩＩ－ＩＩＩ線断面図である。図４は、図３に示すパンツ型おむつのＩＶ－ＩＶ線断面図である。図５は、着用者が着座等する前の状態から着座等して足回りを屈曲させた場合の、図４に示す断面の状態から変化した状態を模式的に示す断面図である。図６は、図３に示すパンツ型おむつのＶＩ－ＶＩ線断面図である。図７は、（Ａ）は、着用者が着座等して足回りを屈曲させた状態の例を示す模式図であり、（Ｂ）は、（Ａ）の着用者の体に対して、図２に示すパンツ型おむつの上方幅広接合領域、中央幅狭接合領域及び下方幅広接合領域、並びに上方低伸長応力領域、高伸長応力領域及び下方低伸長応力領域を対応させて示した模式図である。図８は、（Ａ）は、着用者が着座等して足回りを屈曲させた状態の着用者の体に対して吸収体の高坪量部の外形を対応させて示した模式図であり、（Ｂ）は、腹側部における吸収体の構成を示す平面図である。図９は、腹側部における前記外装体に弾性体として、糸状伸縮材又は紐状伸縮材と伸縮シートとを配置する具体例を示した断面図である。図１０は、パンツ型おむつの背側部の好ましい形態を、パンツ型おむつをウエスト接合部で破断して展開し伸長させて肌側から見た状態として模式的に示した一部切欠展開平面図である。

発明の詳細な説明

　本発明は、着用者が座ったり屈んだりして体の下腹部の下側から鼠径部付近までに生じる窪みに対して、高いフィット性と優れた痕付き防止性とを両立できるパンツ型着用物品の提供に関する。

　パンツ型着用物品には、モレ防止などの観点から、高いフィット性が求められる。人体の構造上、座ったり屈んだりすると下腹部の下側（腸骨の高さ位置より下側）から鼠径部付近までに亘る領域に窪みができるため、おむつはフィットしにくくなることが知られている。この窪みにフィットさせるために、くぼみに対応する部分の伸長応力を高めてフィットさせる技術がある。しかし、このような構成では、上記伸長応力の高い部分が肌に強く当たるため、肌に痕がつくという問題がある。このため、フィット性向上と痕付き抑制とは両立し難い。

　これに対し、本発明のパンツ型着用物品は、着用者が座ったり屈んだりして体の下腹部の下側から鼠径部付近までに生じる窪みに対して、高いフィット性と優れた痕付き防止性とを両立できる。

　以下、本発明のパンツ型着用物品の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
　本明細書において、着用者の肌に接触する側を肌側又は内側といい、これと反対側を非肌側又は外側という。これらは、着用者の肌に接触する面を有さない部材に関しても、吸収性物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、着用時に着用者の前側に位置する方向を前方又は前側といい、後側に位置する方向を後方又は後側という。着用物品の表面又は裏面の法線方向、すなわち部材同士の積層方向を厚み方向という。

　図１に示すように、本実施形態のパンツ型おむつ１０（以下、おむつ１０ともいう）は、着用者の腹側に配される腹側部１０Ｆと、股間側に配される股下部１０Ｃと、背側に配される背側部１０Ｒとを備え、ウエスト周り方向Ｘと身丈方向Ｙとを有する。また、おむつ１０は、身丈方向Ｙにおける腹側部１０Ｆ及び背側部１０Ｒの上側に配されるウエスト開口部１２と股下部１０Ｃの左右に配される一対のレッグ開口部１３、１３とを備える。

　おむつ１０は、構成部材として吸収性本体１と外装体２とを有する。外装体２は、腹側部１０Ｆと背側部１０Ｒとに配される部分２１、２２を有する。腹側部１０Ｆと背側部１０Ｒとにおける外装体２１、２２同士は、ウエスト周り方向Ｘの端部において一対のウエスト接合部１１、１１にて接合されている。言い換えると、左右一対のウエスト接合部１１、１１に挟まれた外装体２の部分が、前述の腹側部１０Ｆと背側部１０Ｒとにおける外装体２１、２２となる。ウエスト接合部１１における接合は、この種の物品に用いられる種々の方法により行うことができる。例えば、融着接合（例えば、ヒートシール、超音波シール、レーザー熔融）、圧着接合（例えば、エンボス加工）等の圧密一体化する接合が挙げられる。

　本実施形態のおむつ１０においては、外装体２は、腹側部１０Ｆ及び背側部１０Ｒそれぞれの外表本体をなす腹側外装体２１と背側外装体２２とに分割されている。なお、外装体２としては、この分割形態に限定されず、この種の物品において通常取り得る形態とすることができる。例えば、外装体２が股下部１０Ｆ、股下部１０Ｃ及び背側部１０Ｒに亘り、股下部１０Ｃにおいて幅方向の内方側に窪んだ形状を有するものであってもよい。
　以下、おむつ１０における腹側部１０Ｆと背側部１０Ｒとにおける外装体２１、２２を、前述の分割形態の腹側外装体２１及び背側外装体２２として説明する。

　本実施形態のおむつ１０において、ウエスト接合部１１における接合によって、腹側外装体２１及び背側外装体２２からなる環状の胴周り部１０Ｄが形成されている。胴周り部１０Ｄから延出する吸収性本体１が股下部１０Ｃを形成している。更に、ウエスト接合部１１の位置よりも股下部１０Ｃ側に、背側外装体２２から延出する股側延部８が配されている。股側延部８は、股下部１０Ｃにおける吸収性本体１の非肌側の一部を被覆し、股下部１０Ｃの臀部側の外表本体の一部をなしている。

　図２は、おむつ１０をウエスト接合部１１、１１において破断して展開状態を示している。ここで展開状態とは、各部を伸長させてパンツ型吸収性物品を平面状に拡げた状態をいう。展開状態において、前述のウエスト周り方向Ｘ及び身丈方向Ｙは、幅方向Ｘ及び長手方向Ｙともいう。
　おむつ１０の展開状態において、腹側外装体２１及び背側外装体２２はウエスト周り方向Ｘに横長の形状を有する。吸収性本体１は縦長の形状を有し、ウエスト周り方向Ｘの中央にて身丈方向Ｙに沿って延在し、おむつ１０の腹側部１０Ｆ、股下部１０Ｃ及び背側部１０Ｒに向けて配されている。吸収性本体１は、腹側外装体２１及び背側外装体２２の肌面側と接合固定されている。また、吸収性本体１における長手方向Ｙの端部の肌側は、非肌側に配された腹側外装体２１及び背側外装体２２の折り返し部２３によって被覆され、折り返し接合部２３１によって接合固定されている。これらの接合固定は、この種の物品において通常用いられる種々の手段によってなすことができる。例えば、ホットメルト型等の各種の接着剤を塗布して接合固定することが挙げられる（以下に示される接合固定についても同様に当てはまる）。

　吸収性本体１は、図２に示すように、肌側の液透過性の表面シート１４、非肌側の防漏性の裏面シート１５、及び表面シート１４と裏面シート１５との間に配置される液保持性の吸収体１６を有する。更に吸収性本体１は、身丈方向Ｙの両側にレッグギャザー弾性体１８を有する。より具体的には、吸収性本体１の長手方向Ｙの両側に一対のサイドシート１７を備え、サイドシート１７の折り返し部分にレッグギャザー弾性体１８が挟持されて配されている。レッグギャザー弾性体１８は、長手方向Ｙに沿って伸長状態で伸縮可能に接合されている。これにより、レッグ開口部１３の周囲のレッグギャザーが形成されている。レッグギャザー弾性体１８は、サイドシート１７と共に腹側部１０Ｆ及び背側部１０Ｒに延出している。腹側部１０Ｆ及び背側部１０Ｒにおいて、レッグギャザー弾性体１８の身丈方向Ｙの両端部には、吸収性本体１における他の構成部材との接合固定部１８１が配されて、該両端部が伸縮の基点とされている。また、吸収性本体１は、各構成部材間が接合固定されて一体化されている。

　次に、腹側部１０Ｆ及び腹側外装体２１について説明する。
　腹側部１０Ｆの外表本体をなす腹側外装体２１は、外層シート６１と内層シート６２とを有し、これらのシートの間にウエスト弾性体（以下、単に弾性体ともいう）７が配置された積層構造を有する。ウエスト弾性体７は、ウエスト周り方向Ｘに沿って延在し、身丈方向Ｙに沿って間隔をあけて複数配置され、伸長状態で伸縮可能に接合されている。より具体的には、腹側外装体２１に配される弾性体７は、その両端が左右のウエスト接合部１１、１１に接合固定されながらウエスト周り方向Ｘに延在し、外層シート６１と内層シート６２と間、又は折り返された内層シート６２の間、に挟持されて接合固定されている。腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域では、弾性体７は、腹側外装体２１と吸収体１６との積層部分において、部分的に切断されている。切断された各弾性体７の端部は、吸収性本体１と重なる位置の腹側外装体２１にて接合され、ウエスト接合部１１に接合された他方の端部との間で伸縮可能にされている。
　弾性体７のウエスト周り方向Ｘの内方側（吸収性本体１と重なる位置）での接合固定位置は、特に限定されないが、後述の上方幅広接合領域５１、中央幅狭接合領域５２及び下方幅広接合領域５３に応じて異ならせることが好ましい。例えば、弾性体７のウエスト周り方向Ｘの内方側の接合固定位置は、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３それぞれと重なる位置とし、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方の位置とすることが好ましい。なお、腹側外装体２１における弾性体７の配置構成は、背側外装体２２も同様に有する。
　弾性体７と吸収体１６とはウエスト周り方向Ｘで重ならなくてもよいが一部重なることが望ましい。弾性体７の収縮により吸収体１６の端部が一部収縮することにより、吸収体１６が体の湾曲に沿うようになる。弾性体７と吸収体１６との重なり幅は、ウエスト周り方向Ｘ左右においてそれぞれ、吸収体１６のウエスト周り方向Ｘの幅の１０％～５０％が好ましく、２０％～４０％がより好ましい。

　腹側外装体２１は、腹側外装体２１と吸収性本体１が接合固定された領域５を有する。この領域５は、厚み方向において、腹側外装体２１の内層シート６２と吸収性本体１の裏面シート１５とが接合固定されて、腹側外装体２１と吸収性本体１が一体化された部分である。

　領域５は、腹側外装体２１の平面視において、腹側外装体２１と吸収性本体１とが重なる領域１０Ｇの一部であり、ウエスト周り方向Ｘの長さが異なる３種の領域を含む。具体的には、領域５は、中央幅狭接合領域５２と、中央幅狭接合領域５２の身丈方向Ｙの上下に配された、中央幅狭接合領域５２よりもウエスト周り方向Ｘの幅が広い上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３とを含む。これらの接合領域は互いに隣接しており、ウエスト周り方向Ｘの幅の違いを基準に区分できる。

　領域１０Ｇは、領域５に加えて、腹側外装体２１と吸収性本体１とが接合固定されていない腹側非接合領域４１を有してもよい。腹側非接合領域４１は、腹側中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方に配されていることが好ましい。

　おむつ１０における腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域１０Ｇは、身丈方向Ｙにおいて、着用者の臍下周辺から排泄ポイント（股間）の上周辺までを覆う領域に相当する。その中で、上方幅広接合領域５１は、着用者の臍下周辺に対向する位置に配される。中央幅狭接合領域５２は、着用者の下腹部の下側（腸骨の高さ位置より下側）から鼠径部が延出する部分に亘る領域（三角州状の領域）に対向する位置に配される。下方幅広接合領域５３は、着用者の鼠径部下方の左右の太腿の間部分周辺に対向する位置に配される。

　中央幅狭接合領域５２の身丈方向Ｙの長さＨ２は、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３の身丈方向Ｙの長さＨ１及びＨ３それぞれよりも長くされている。
　上記の関係において、中央幅狭接合領域５２の身丈方向Ｙの長さＨ２の、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３の身丈方向Ｙの長さＨ１及びＨ３の合計に対する比（Ｈ２／（Ｈ１＋Ｈ３））は、身体の構造（臍、腸骨、鼠径部の位置関係）の観点から、０．６以上が好ましく、０．８以上がより好ましく、１以上が更に好ましい。また、前記比（Ｈ２／（Ｈ１＋Ｈ３））は、吸収体１６の屈曲のしやすさの観点から、３以下が好ましく、２．５以下がより好ましく、２以下が更に好ましい。

　上方幅広接合領域５１は、腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域１０Ｇ（身丈方向の長さＨ４）において、身丈方向Ｙのウエスト側の端部を０％、股下側の端部を１００％とした場合に、０～３０％の範囲にあることが好ましく、５～２０％の範囲にあることがより好ましい。
　中央幅広接合領域５２は、腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域１０Ｇにおいて、身丈方向Ｙのウエスト側の端部を０％、股下側の端部を１００％とした場合に、２０～９０％の範囲にあることが好ましく、３０～７５％の範囲にあることがより好ましい。
　下方幅広接合領域５３は、腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域１０Ｇにおいて、身丈方向Ｙのウエスト側の端部を０％、股下側の端部を１００％とした場合に、７０～１００％の範囲にあることが好ましく、７５～９５％の範囲にあることがより好ましい。

　中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ２は、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３の幅Ｗ１及びＷ３よりも小さくされている。これにより、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ外方の領域が肌面へ向かう屈曲部となる。上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３は、前記屈曲部を挟む位置で変形を抑え、前記屈曲の基底部として着用者の肌面の膨らみにしっかりと当接する。例えば、着用者（例えば乳幼児）が着座したり屈んだりして下腹部の下側（腸骨の高さ位置より下側）から足の付け根（股関節）、鼠径部に亘る部分に窪みが生じたときに、肌面の膨らみの残る位置で上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３が肌面にしっかりと当接し、中央幅狭接合領域５２の幅方向外方の領域が屈曲して前記窪みに入り込むことができる。この作用は、後述の各伸長応力領域に係る構成との組み合わせにより更に効果的に発現する。この点は後述する。

　中央幅狭接合領域５２の幅Ｗ２は、上記の観点から、上方幅広接合領域５１の幅Ｗ１及び下方幅広接合領域５３の幅Ｗ３それぞれの９０％以下が好ましく、６０％以下がより好ましく、５０％以下が更に好ましい。また、幅Ｗ２は、腹側外装体２１と吸収性本体１とを確実に接着する観点から、幅Ｗ１及び幅Ｗ３それぞれの１０％以上が好ましく、１５％以上がより好ましく、２０％以上が更に好ましい。

　上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ１、Ｗ３はそれぞれ、同じであっても異なっていてもよい。吸収体１６の屈曲をより生じさせる観点から、同じであることが好ましい。
　上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ１、Ｗ３は、吸収性本体１のウエスト周り方向Ｘの幅と同じとしてもよく、短くしてもよく、長くしてもよい。ウエスト開口部の広げやすさの観点から、Ｗ１、Ｗ３は、吸収性本体１のウエスト周り方向Ｘの幅よりも短くすることが好ましい。

　中央幅狭接合領域５２は、腹側外装体２１のウエスト周り方向Ｘ中央部に位置することが好ましい。
　中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ２は、上述の、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ外方に屈曲部を形成する観点から、腹側外装体２１のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ４の３０％以下が好ましく、２５％以下がより好ましく、２０％以下がさらに好ましい。また、幅Ｗ２は、着用者の体の屈曲が生じ難い臍下周辺での吸収体１６の折り曲げを抑える観点、及び腹側外装体２１と吸収性本体１とを確実に接着する観点から、１０％以上が好ましく、１５％以上がより好ましい。このような形態とすることにより、着用者が着座等することによって股関節から体の前側の中央側に亘って生じる窪み（主に鼠径部に沿った窪み）の長さに、中央幅狭接合領域５２の幅方向外方の領域が十分対応して屈曲することができる。

　上記各接合領域の範囲（ウエスト周り方向Ｘ及び身丈方向Ｙの寸法）は、以下のようにして測定することができる。
　まず測定対象のパンツ型吸収性物品をウエスト接合部１１で破断して展開し、破断しない程度に十分に伸長させた状態とする。パンツ型着用物品の非肌面側に印刷用トナーを塗工し、パンツ型着用物品に塗布された接合剤に吸着させる。吸着していないトナーを取り除いた後、トナーにより浮かび上がった接合部の外形をスキャナーで読み取り面積計算ソフトにて、ウエスト周り方向Ｘと身丈方向Ｙの寸法を算出する。面積計算ソフトとしては、例えば、Media Cybernetics 社のImage-pro 10を使用することができる。

　加えて、腹側外装体２１は、ウエスト弾性体７によるウエスト周り方向Ｘの伸長応力が互いに異なる複数の領域を有する。具体的には、下方幅広接合領域５３のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、下方低伸長応力領域９３が一対配され、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、下方低伸長応力領域９３よりも伸長応力が高い高伸長応力領域９２が一対配されている。更に、上方幅広接合領域５１のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、上方低伸長応力領域９１が一対配されている。
　前記伸長応力は、伸長させようとする外力に対する上記領域の収縮力を意味する。前記伸長応力の大小は、弾性体７を含む腹側外装体２１における各領域の収縮力の大小関係を示す。下方低伸長応力領域９３は高伸長応力領域９２よりも伸長応力が小さく、収縮力が小さい。言い換えると、高伸長応力領域９２は、下方低伸長応力領域９３よりも伸長応力が大きく、収縮力が大きい。また、高伸長応力領域９２は、上方低伸長応力領域９１よりも伸長応力が大きく、収縮力が大きい。
　このように、本発明によれば、身丈方向Ｙにおいて着用者の体の周囲長の長さに応じて、伸長応力を異ならせることができる。

　これらの各伸長応力領域における伸長応力の大小は、種々の方法により設定することができる。例えば、本実施形態においては、各伸長応力領域９１～９３に配される弾性体７のウエスト周り方向Ｘにおける延出長さ、各伸長応力領域９１～９３にウエスト周り方向Ｘに隣接する各接合固定領域５１～５３における腹側外装体２１と吸収性本体１とのウエスト周り方向Ｘの接合長さなどによって設定される。また、弾性体７の伸長率、太さ、本数、材質等、及び弾性体７と外層シート６１及び内層シート６２との間の接着剤による接着長等により適宜設定できる。これらは１種によって弾性体７による伸長応力を設定してもよく、複数種組み合わせて弾性体７による伸長応力を設定してもよい。
　以下、ウエスト弾性体７は、上方低伸長応力領域９１、高伸長応力領域９２及び下方低伸長応力領域９３それぞれで区別する場合、弾性体７１、弾性体７２及び弾性体７３とそれぞれ言う。

　下方低伸長応力領域９３は、腹側外装体２１を構成する外層シート６１、内層シート６２、及び弾性体７３の積層構造からなる。下方低伸長応力領域９３は、主に、腹側外装体２１が吸収性本体１と重ならない領域（腹側外装体２１と吸収性本体１とが重なる領域１０Ｇよりもウエスト周り方向Ｘの左右外方の領域）にある。ただし、上記の伸長応力の大小関係が成立する限り、吸収性本体１のウエスト周り方向Ｘの端部のレッグギャザー弾性体１８の配置位置の一部と重なっていてもよい。この構成は、上方低伸長応力領域９１においても同様に当てはまる。
　高伸長応力領域９２は、腹側外装体２１を構成する外層シート６１、内層シート６２、及び弾性体７３の積層構造からなる。ただし、高伸長応力領域９２は、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方にあるため、一部に、吸収性本体１と非接合で重なる腹側外装体２１を含む。

　このような腹側外装体２１及び吸収性本体１の構成は、より具体的には図３～図６に示すような形態となる。なお、これらの図においては、吸収性本体１と腹側外装体２１との関係の理解のため、吸収性本体１が有する表面シート１４、裏面シート１５、吸収体１６、サイドシート１７及びレッグギャザー弾性体１８は省略して示している。

　腹側部１０Ｆの上方幅広接合領域５１、中央幅狭接合領域５２及び下方幅広接合領域５３が身丈方向Ｙに並ぶ位置では、図３に示すように、上方幅広接合領域５１に配される、腹側外装体２１と吸収性本体１との間の接合剤層５１Ａ、中央幅狭接合領域５２に配される、腹側外装体２１と吸収性本体１と間の接着剤層５２Ａ及び下方幅広接合領域５３に配される、腹側外装体２１と吸収性本体１と間の接合剤層５３Ａが身丈方向に並んで配されている。これにより、この位置では、腹側外装体２１と吸収性本体１が身丈方向Ｙに亘って一体化されており、一体化された状態で、着用者の肌面の膨らみに対してフィットしやすくされている。そればかりか、中央幅狭接合領域５２には、ウエスト周り方向Ｘに隣接する高伸長応力領域９２の伸長応力が適度に波及し、着用者の肌面の緩やかな窪みに対応した変形が生じ、柔らくフィットする。これにより、同時に着用者の下腹部の下側への締め付けを抑えて跡が付きにくくなる。

　中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ外方の高伸長応力領域９２と、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３が身丈方向Ｙに並ぶ位置では、図４に示すように、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ外方の領域には、接着剤層５２Ａはなく、腹側外装体２１と吸収性本体１が一体化されずそれぞれ独立して変形可能にされている。加えて、腹側外装体２１にウエスト弾性体７（弾性体７２）が配されて高伸長応力領域９２となっている。この位置で上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３が屈曲基底部（屈曲の土台）をなし、上下の屈曲基底部間において、吸収体と外装を接着しない領域を設けることにより、吸収性本体１が肌面に向かって屈曲するようになる。このとき、この位置における腹側外装体２１がウエスト周り方向Ｘに伸長され、その作用に伴って、上方幅広接合領域５１と下方幅広接合領域５３とが互いに引き寄せられて距離が縮まる。この距離の縮まりにより、上記の吸収性本体１の屈曲がより大きくなる（例えば、図４の状態から図５の状態に変化する）。これにより、着用者の下腹部の下側（腸骨の高さ位置より下側）から鼠径部が延出する部分に亘る部分に窪みより深く入り込み、フィット性を高めることができる。

　更に上方幅広接合領域５１、中央幅狭接合領域５２及び下方幅広接合領域５３のウエスト周り方向Ｘ外方の位置では、前述の上方低伸長応力領域９１、高伸長応力領域９２及び下方低伸長応力領域９３が配されている。この位置では、図６に示すように、主に腹側外装体２１からなり、吸収性本体１を構成する吸収体１６を含まない。加えて、ウエスト弾性体７（弾性体７１、７２及び７３）が腹側外装体２１に配されて伸縮性が付与されている。この位置では、着用者の足の付け根付近での屈曲が他の部位に比べて大きくなって、その屈曲の力が腹側外装体２１に大きく作用する。この体の屈曲作用によって、腹側外装体２１全体が着用者の下腹部の下側（腸骨の高さ位置より下側）から足の付け根（股関節）、鼠径部が延出する部分に亘る領域（三角州状の領域）に優しくフィットするようになる。加えて、この位置の高伸長応力領域９２においては、図４に示す上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３に挟まれた位置の高伸長応力領域９２にある腹側外装体２１の、吸収性本体１に拘束されない変形作用が波及しやすい。これにより高伸長応力領域９２は、股関節から体の中央側に亘って生じる窪み（主に鼠径部に沿った窪み）の大きさに対応して、より深い屈曲をしてフィット性を高めている。
　また、この位置において、下方低伸長応力領域９３は着用者の足周りに当たる。そのため、下方低伸長応力領域９３の伸長応力を高伸長応力領域９２もよりも小さくすることにより、前述のフィット性と共に、鼠径部よりも下の足周りに跡が付きにくくなる。
　また、上方低伸長応力領域９１は着用者の下腹部に当たる。そのため、上方低伸長応力領域９１の伸長応力を高伸長応力領域９２もよりも小さくすることにより、前述のフィット性と共に、下腹部に跡が付きにくくなる。

　上記の着用者の体の窪みは、例えば図７（Ａ）に示すように、下腹部の下側の窪みラインＫ１及び鼠径部の窪みラインＫ２が挙げられる。
　このような体の窪みに対し、おむつ１０は、図７（Ｂ）に示すように、異なる深さで窪みラインＫ１及びＫ２に入り込んでフィットする。すなわち、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３が変形を抑えた屈曲基底部となり、これらに挟まれた中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの外方の高伸長応力領域９２の位置において、吸収性本体１が比較的大きく体側に折れ曲がる（図５参照）。中央幅狭接合領域５２自体は、高伸長応力領域９２の影響を受けつつも、接合により剛性が比較的高いため、折れ曲がりの深さは小さく抑えられる。このように、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ外方に行くにつれて折れ曲がりの深さが大きくなる。これは、窪みラインＫ１及びＫ２に沿った体の窪み深さの大小に対応したものとなる。これにより、おむつ１０は、下腹部下の窪みラインＫ１や鼠径部の窪みラインＫ２の深さに対応して好適にフィットする。また、これにより、おむつ１０による体への圧迫を好適に押させることができる。さらに、上記の各接合領域５１～５３によってウエスト周り方向Ｘ中央方向では比較的強く体にフィットしつつ、下方低伸長応力領域９３により着用者の下腹部や足回りでの痕付きを抑制することができる。

　このように、本実施形態のおむつ１０は、上記の構成により、座ったり屈んだりする際に生じる窪みに対する高いフィット性と優れた痕付き防止性との両立を実現する。

　下方低伸長応力領域９３の身丈方向Ｙの長さＬ３は、隣接する下方幅広接合用域５３の身丈方向Ｙの長さＨ３と同じでも異なっていてもよい。腹側外装体２１と吸収性本体１との接着を確実に行う観点と、下腹部から太腿までの長さの関係性の観点から、下方低伸長応力領域９３の身丈方向Ｙの長さＬ３は、隣接する下方幅広接合用域５３の身丈方向Ｙの長さＨ３と同じか長いことが好ましい。下方低伸長応力領域９３の身丈方向Ｙの長さＬ３の下方幅広接合領域５３の身丈方向Ｙの長さＨ３に対する比（Ｌ３／Ｈ３）は、下腹部から太腿までの長さの観点から、１以上が好ましく、１．２以上がより好ましく、１．５以上が更に好ましい。また、前記比（Ｌ３／Ｈ３）は、腹側外装体２１と吸収性本体１との接着を確実に行う観点から、３以下が好ましく、２．５以下がより好ましく、２以下が更に好ましい。
　上記は、上方低伸長応力領域９１についても同様に当てはまる。

　下方低伸長応力領域９３の伸長応力は、前述の跡つき防止性をより効果的にする観点から、高伸長応力領域９２の伸長応力の９５％以下が好ましく、８０％以下がより好ましく、７０％以下がさらに好ましい。また、下方低伸長応力領域９３の伸長応力は、おむつのずれ落ちにくさの観点から、５％以上が好ましく、１０％以上がより好ましく、２０％以上が更に好ましい。
　高伸長応力領域９２は、下方低伸長応力領域９３の身丈方向Ｙ上方に隣接して配されていることが好ましい。高伸長応力領域９２は、中央幅狭接合領域５２と上方幅広接合領域５３とに身丈方向Ｙにおいて重なる位置に配されることが好ましい。

　腹側外装体２１の、上方幅広接合領域５１のウエスト周り方向Ｘ外方に上方低伸長応力領域９１を有することが好ましい。これにより、上方幅広接合領域５１が対応する着用者の下腹部の下側の肌面に対する跡付がより生じ難くなる。
　上方低伸長応力領域９１の伸長応力の高伸長応力領域９２の伸長応力に対する割合は、下方伸長応力領域９１におけるものと同様にすることが好ましい。上方低伸長応力領域９１の伸長応力は、下方低伸長応力領域９３の伸長応力と同じであっても同じでなくてもよい。下腹から太腿までの跡のつきにくさの観点から、下方低伸長応力領域９３の伸長応力の方が上方伸長応低力領域９１の伸長応力よりも小さい方が好ましい。
　下方低伸長応力領域９３の伸長応力を上方低伸長応力領域９１の伸長応力より小さくする場合、下方低伸長応力領域９３の伸長応力は、上方低伸長応力領域９１の伸長応力の９０％以下が好ましく、８０％以下がより好ましく、７０％以下が更に好ましい。また、下方低伸長応力領域９３の伸長応力は、おむつのずれ落ちにくさの観点から、上方低伸長応力領域９１の伸長応力の３０％以上が好ましく、４０％以上がより好ましく、５０％以上が更に好ましい。

　これらの領域の伸長応力は、以下のようにして測定することができる。
　まず測定対象のパンツ型吸収性物品をサイドシール部１１で破断し、腹側部１０Ｆの部分において、吸収性本体１と腹側外装体２１とが重なる身丈方向Ｙの位置を特定する。その位置において、腹側外装体２１に含まれる各種弾性体７のピッチ又は種類（直径、素材）の少なくともいずれか一方が切り替わる位置にて区画される腹側外装体２１の各応力帯領域９１、９２、９３を特定する。各領域の境界は直上の領域の際又は下端の弾性体７の下側の際とする。切り替わる位置を特定できない場合は、上方幅広接合領域５１、中央幅狭接合領域５２、下方幅広接合領域５３の身丈方向Ｙの高さに対応する領域で区分して各領域を特定する。各領域のウエスト周り方向Ｘの位置は、各領域に配された弾性体の端部までとする。
　次いで、各領域を弾性体７が配された状態でそれぞれ切り取る。切り取る際には、サイドシール部１１、及び、各領域と同じ身丈方向Ｙの位置の、吸収性本体１と腹側外装体２１とが接着されている部位（吸収体接着部位）を含むようにして切り取って試験片とする。
　切り取られた試験片に対し、一端側のサイドシール部１１及び他方端側の吸収体接着部位をそれぞれチャックし、オートグラフ試験機を用いて、速度３００ｍｍ／分の測定条件にて試験片の自然長から１．６倍に伸長した時の応力を測定する。なお、上記のオートグラフ試験機としては、例えば、オートグラフAG-X（商品名、SHIMADZU社製）を用いることができる。

　腹側外装体２１は、図２に示すように、ウエスト開口部で吸収性本体側に折り返された折り返し部２３を有する形態とすることができる。
　折り返し部２３は、ウエスト周り方向Ｘに沿って形成された折り返し接合部２３１により吸収性本体１の肌面側に接合固定されていることが好ましい。
　この折り返し接合部２３１は、上方幅広接合領域５１と少なくとも一部重なっていることが好ましい。この折り返し接合部２３１が上方幅広接合領域５１と少なくとも一部重なっている形態とすることにより、上方幅広接合部５１の屈曲基底部としての剛性がより高められる。これにより、上下の屈曲基底部に挟まれた高伸長応力領域９２にある吸収性本体１がより屈曲しやすくなる。
　折り返し接合部２３１と上方幅広接合領域５１が重なる部分の身丈方向の長さは、上方幅広接合領域５１の身丈方向Ｙの長さに対して５％以上が好ましく、３０％以上がより好ましく、５０％以上がさらに好ましい。
　折り返し接合部２３１は、中央幅狭接合領域５２とは重なっていないことが好ましいが、中央幅狭接合領域５２と一部重なる形態とすることもできる。

　折り返し部を配する場合の好ましい形態についてさらに説明する。
　図２及び図３に示すように、腹側外装体２１の折り返し部２３は、吸収性本体１よりも肌面側にて、腹側外装体２１と接合されている。より具体的には、折り返し部２３を構成する内層シート６２と腹側外装体２１を構成する内層シート６２との間で、複数のウエスト開口部周り弾性体７４が、ウエスト周り方向Ｘに沿って伸長状態で伸縮可能に接合固定配されている。

　吸収性本体１における吸収体１６は、坪量が均一の吸収体とすることもでき、坪量を異ならせた吸収体とすることもできる。吸収体１６は、図２及び図８に示すように、坪量を異ならせた高坪量部１６１とそれよりも坪量が低い低坪量部１６２とを有することが好ましい。
　高坪量部１６１の吸収材料の坪量は、漏れ性能の観点から、低坪量部１６２の坪量の１．１倍以上が好ましく、１．５倍以上がより好ましく、２．０倍以上がさらに好ましい。また、高坪量部１６１の吸収材料の坪量は、吸収体１６の屈曲をより生じさせる観点から、低坪量部１６２の坪量の５．０倍以下が好ましく、４．０倍以下がより好ましく、３．５倍以下が更に好ましい。

　吸収体１６における高坪量部１６１及び低坪量部１６２は、単層のもので層厚みを変えて形成してもよく、積層数を異ならせることで形成してもよい。本実施形態においては、図２及び図８に示すように、上層吸収部１６Ａと下層吸収部１６Ｂとの積層構造を有し、上下２層の積層部分が高坪量部１６１、下層吸収部１６Ｂのみの１層部分が、高坪量部１６１よりも坪量が低い低坪量部１６２となる。この低坪量部１６１と高坪量部１６２を形成するための積層構造は、背側部においても同様にすることができる。

　このような吸収体１６は、高坪量部１６１が腹側部１０Ｆに含まれていることが好ましい。これにより、上方幅広接合領域５１、中央幅狭接合領域５２及び下方幅広接合領域５３が身丈方向Ｙに並ぶ位置における屈曲基底部としての剛性をより確かなものとすることができる。
　更に、高坪量部１６１と低坪量部１６２との境目１６３（図８参照）が上方幅広接合領域５１と一部重なっていることが好ましい。これにより、吸収性本体１が中央幅狭接合領域５２の身丈方向Ｙと同じ範囲でより屈曲しやすくなる。

　高坪量部１６１の吸収性本体１中の位置は特に限定されないが、吸収体１６のウエスト周り方向Ｘの幅の中央において身丈方向Ｙに沿って延び、腹側外装体２１及び背側外装体２２に重なる位置に配されていることが好ましい。高坪量部１６１は、吸収体１６が腹側外装体２１と重なる部分においてウエスト周り方向Ｘの幅が広くなるように配されていることがより好ましい。

　高坪量部１６１は、平面視において、図２及び図８に示すように、腹側部１０Ｆに配される幅広吸収部１６４、股下部１０Ｃに配される幅狭吸収部１６５、幅広吸収部１６４と幅狭吸収部１６５を連結する傾斜吸収部１６６とを有することが好ましい。更に、幅広吸収部１６４のウエスト周り方向Ｘの外縁と傾斜吸収部１６６のウエスト周り方向Ｘの外縁との交点１６７（具体的には、身丈方向Ｙに沿って直線的に延びる、幅広吸収部１６４のウエスト周り方向Ｘの外縁が、傾斜吸収部１６６の外縁と接続する点であり、曲率又は角度がウエスト周り方向Ｘ内側へ変化する点）が、腹側部１０Ｆにおける下方幅広接合領域５３と重なる位置にあることが好ましい。交点１６７が下方幅広接合領域５３と少なくとも一部で重なることで、交点１６７が着用者の足の付け根寄りの鼠径部の窪みラインＫ２に引っ掛かりやすくなる。例えば、図８（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、図８（Ｂ）の点線で囲んで示す吸収体１６における交点１６７は、図８（Ａ）に示すように、着用者の鼠径部のくぼみに引っ掛かって入りやすくなる。
　この交点１６７の入り込みを起点にして、着用者が座ったり屈んだりすることによる体の屈曲の力で、腹側外装体２１の下方低伸長応力領域９３にある吸収体１６が腹側外装体２１と共に鼠径部の窪みラインＫ２に沿って折れ曲がり、柔らかくフィットするようになる。

　腹側外装体２１において、図２に示すように、レッグギャザー弾性体１８の接合固定部１８１と、下方幅広接合領域５３との、重なり部Ｑを有することが好ましい。この重なり部Ｑが屈曲の起点として作用する。これにより、レッグギャザー弾性体１８が鼠径部の窪みラインに効果的に押し付けられてフィット性がより高まる。
　この観点から、上記の重なり部Ｑが配される態様において、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方に腹側外装体２１と吸収性本体１とが接合されていない腹側非接合領域４１を有し、レッグギャザー弾性体１８が腹側非接合領域４１まで延在していることが好ましい。

　腹側外装体２１において、図２に示すように、前記レッグギャザー弾性体１８の接合固定部１８１と、吸収体１６の高坪量部１６１における幅広吸収部１６４のウエスト周り方向Ｘの外縁と傾斜吸収部１６６のウエスト周り方向Ｘの外縁との交点１６７と、下方幅広接合領域５３との、重なり領域Ｐを有することが好ましい。これにより、レッグギャザー弾性体１８が鼠径部の窪みラインにより効果的に押し付けられてフィット性が高まる。ここで、重なり領域Ｐは、前記交点１６７を中心とした半径１０ｍｍの円形の範囲を指す。このとき、重なり領Ｐに含まれるレッグギャザー弾性体１８は、吸収体１６の非肌面側と重なる位置にまで及んでもよく、吸収体１６と重ならない配置とされてもよい。

　上記の重なり領域Ｐが配される態様においても、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘの左右外方に腹側外装体２１と吸収性本体１とが接合されていない腹側非接合領域４１を有し、レッグギャザー弾性体１８が腹側非接合領域４１まで延在していることが好ましい。

　また、上記の重なり部Ｑ又は重なり領域Ｐが配される態様において、下方低伸長応力領域９３に配されるウエスト弾性体７３は、重なり部Ｑ又は重なり領域Ｐを越えて前記ウエスト周り方向Ｘ内側まで、好ましくは下方幅広接合領域５３にまで、延在していることが好ましい。これにより、身丈方向Ｙに延在するレッグギャザー弾性体１８に対しウエスト周り方向Ｘに延在するウエスト弾性体７３の収縮力で両側から固定することができ、着用者が動作しても、レッグギャザー弾性体１８が鼠径部にしっかり押さえつけられている状態を維持できる。

　ウエスト弾性体７は、糸状伸縮材又は紐状伸縮材から構成されていることが好ましい。この場合、ウエスト弾性体７は、上方低伸長応力領域９１、高伸長応力領域９２及び下方低伸長応力領域９３の全てにおいて同様の伸長率の糸状伸縮材又は紐状伸縮材から構成されていることがより好ましい。本発明によれば、各伸長応力領域のウエスト周り方向Ｘの長さに応じて弾性体７の長さを制御することにより、各伸長応力領域の応力を調製することが可能である。

　本発明においては、前述の各接合領域と各伸長応力領域とを組み合わせた構成により、ウエスト弾性体７として従来よりも伸長力の小さい（伸長率の低い）伸縮材又は伸縮シートを用いても、おむつ１０の肌へのフィット性を高めることを可能にする。
　従来では一般的に、鼠径部などの窪みへのフィット性を高めるたにはウエスト弾性体の伸長力を大きくする必要があると考えられている。しかしこの場合、例えば、不織布と伸縮繊維とをラミネートした上で、延伸加工して得られる伸縮材は、不織布部分が伸びにくいため、高い伸長力を発現させようとすると不織布が破損して外観を損ないかねない。また、伸縮フィルムを伸ばして不織布と張り合わせるタイプの伸縮材は、高い伸長率を発現させようとすると、おむつ１０に大きく不規則なひだが生じやすくなり、外観を損ないかねない。
　これに対し、本発明では、腹側外装体２１と吸収性本体１との接着幅を中央幅狭接合領域５２において狭くしたことで、中央幅狭接合領域５２のウエスト周り方向Ｘ左右外方の伸縮領域を従来に比較して長くしている。この部分の伸縮領域は、比較的長くされたことで、用いる弾性体自体の伸長率を従来よりも低くしても十分な伸長応力を確保することができる（高伸長応力領域９５）。また、中央幅狭接合領域５２の接合面積の抑制により、その左右外方の高伸長応力領域９５は、比較的剛性の高い吸収性本体１の影響を受け難くなり、高い伸長応力が発現されやすい。同時に、高伸長応力領域９５の弾性体と同等の伸長率の弾性体を、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５２の左右外方の伸縮領域に用いても、該伸縮領域が高伸長応力領域９５よりも短くしているため、過度な伸長応力にならないように制御することができる（上方低伸長応力領域９１及び下方低伸長応力領域９３）。その結果、外観を損なわずに鼠径部などの窪みへのフィット性を好適に高めることができる。
　その上、本発明において、前述のようにウエスト弾性体の伸長率を低くすることには、吸収性本体１の幅方向Ｘへの縮みを抑制することができるというメリットがある。
　従来、吸収性本体１と重なる部分に配される伸縮材の応力をヒートシールなどの方法により低下させ、吸収性本体１の幅方向Ｘへの縮みを抑制する方法が知られている。しかし、この従来の方法によっても上記応力を全く生じないようにすることは困難である。そのため、より伸長率の高い伸縮材を用いようとするほど応力が残ってしまい、吸収性本体１が幅方向に縮んで吸収性にまで影響しかねない。
　これに対し、本発明においては、上記のとおりウエスト弾性体自体の伸長率を低くしても、外観を損なわずにフィット性を高めることが可能である。該伸長率を低くすることで、腹側外装体２１と吸収性本体１との重なる部分（中央幅狭接合領域５２、上方幅広接合領域５１及び下方幅広接合領域５３）において、吸収性本体１に対するウエスト弾性体の応力の影響をより低減するよう制御することができる。このため、吸収性本体１（吸収体１６）が幅方向に縮みにくくなり、本来の吸収性をより効果的に発揮させることができる。

　腹側部１０Ｆにおける外装体（腹側外装体）２１に弾性体７として、糸状伸縮材又は紐状伸縮材と伸縮シート７５とを配することもできる。
　鼠径部への痕付きを抑制する観点からは、下方低応力領域９３の一部に、弾性体７として伸縮材のみが配されている部分を形成することが好ましい。例えば、図９に示すように、外層シート６１を伸縮シート７５とし、外層シート６１と内層シート６２との間に配置する糸状伸縮材又は紐状伸縮材の本数を下方低伸長応力領域９３において減じ、該下方低伸長応力領域９３の股下部１０Ｃの一部を伸縮シート７５のみの収縮力とすることが挙げられる。
　伸縮シート７５としては、例えば、特開２００８－１７９１２８号公報の段落［００１２］～［００８５］及び特開２００７－２２０６６号公報の［００１３］～［００５１］に記載されているような、２枚の繊維シートに弾性フィラメントを挟んで歯溝延伸加工したシート、特開２０１９－１０３８８９号公報の段落［００７９］に記載されているような伸縮フィルム、ポリウレタンフィルムなどが挙げられる。

　次に、おむつ１０の背側部１０Ｒの好ましい態様について図１０を参照しながら説明する。

　背側部１０Ｒの外表本体をなす背側外装体２２は、腹側部１０Ｆの外表本体をなす腹側外装体２１と同様に、外層シート６３と内層シート６４とを有し、これらのシートの間にウエスト弾性体７が配置された積層構造を有することが好ましい。背側外装体２２におけるウエスト弾性体７の配置構成及び接合位置は、腹側外装体２１におけるウエスト弾性体７の配置構成及び接合位置と同様にすることができる。

　背側外装体２２は、腹側外装体２１と同様に、背側外装体２２と吸収性本体１とが重なる領域１０Ｈに、背側外装体２２と吸収性本体１とが接合固定された領域３を有することが好ましい。この領域３は、厚み方向において、背側外装体２２の内層シート６４と吸収性本体１の裏面シート１５とが接合固定されて、背側外装体２２と吸収性本体１が一体化された部分である。

　背側接合領域３における、背側外装体２２と吸収性本体１との接着領域は、図１０に示すようにウエスト周り方向Ｘの長さが異なる３種の領域を含む形態とすることが好ましい。具体的には、背側接合領域３は、背側中央幅狭接合領域３２と、背側中央幅狭接合領域３２の身丈方向Ｙの上下に配された、背側中央幅狭接合領域３２よりもウエスト周り方向Ｘの幅が広い背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３とを含む。これらの接合領域は互いに隣接しており、ウエスト周り方向Ｘの幅の違いを基準に区分できる。なお、図１０に示す例において、背側下方幅広接合領域３３はウエスト周り方向Ｘの幅が２段階にされた階段状の平面形状を有する。

　おむつ１０における背側外装体２２と吸収性本体１が重なる領域１０Ｈは、身丈方向Ｙにおいて、着用者の背中の腰椎の高さ位置から尾骨の高さ位置の上方周辺までの肌面を覆う領域に相当する。その中で、背側上方幅広接合領域３１は、着用者の背中の腰椎に対向する位置に配される。背側中央幅狭接合領域３２は、着用者の腰椎の下端周辺から臀部の上部（仙骨の高さ位置）に対向する位置に配される。背側下方幅広接合領域３３は、着用者の尾骨の高さ位置の上方周辺に対向する位置に配される。
　これにより、例えば着用者が抱っこされたり、座ったりして吸収体１６が押し上げられるような場面において、その吸収体１６が押し上げられる力を利用して、吸収体１６ないし吸収性本体１を屈曲させその吸収体１６が便に対する防漏提になることができる。この作用は、後述する各伸長応力領域に係る構成との組み合わせによりさらに効果的に発現する。この点は後述する。

　背側中央幅狭接合領域３２の身丈方向Ｙの長さＨ６は、背側上方幅広接合領域３１の身丈方向Ｙの長さＨ５よりも長くされていることが好ましい。
　背側中央幅狭接合領域３２の身丈方向Ｙの長さＨ６は、背側下方幅広接合領域３３の身丈方向Ｙの長さＨ７と同程度か長くされていることが好ましい。
　上記の関係において、背側中央幅狭接合領域３２の身丈方向Ｙの長さＨ６の、背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３の身丈方向Ｙの長さＨ５及びＨ７の合計に対する比（Ｈ６／（Ｈ５＋Ｈ７））は、抱っこ等の際に屈曲した吸収体１６ないし吸収性本体１が防漏提になりやすくする観点から、０．４以上が好ましく、０．６以上がより好ましく、０．８以上が更に好ましい。また、前記比（Ｈ６／（Ｈ５＋Ｈ７））は、吸収性本体１と背側外装体２２との接着性を高める観点から、４以下が好ましく、３．５以下がより好ましく、３以下が更に好ましい。

　背側上方幅広接合領域３１は、背側外装体２２と吸収性本体１が重なる領域１０Ｈにおいて、身丈方向Ｙのウエスト開口部１２側の端部を０％、股下部１０Ｃ側の端部を１００％とした場合に、０％以上５０％以下の範囲にあることが好ましく、１０％以上４０％以下の範囲にあることがより好ましい。
　背側中央幅広接合領域３２は、背側外装体２２と吸収性本体１が重なる領域１０Ｈにおいて、身丈方向Ｙのウエスト開口部１２側の端部を０％、股下部１０Ｃ側の端部を１００％とした場合に、２０％以上８０％以下の範囲にあることが好ましく、３０％以上７０％以下の範囲にあることがより好ましい。
　背側下方幅広接合領域３３は、背側外装体２２と吸収性本体１が重なる領域１０Ｈにおいて、身丈方向Ｙのウエスト開口部１２側の端部を０％、股下部１０Ｃ側の端部を１００％とした場合に、４０％以上１００％以下の範囲にあることが好ましく、６０％以上９５％以下の範囲にあることがより好ましい。

　背側中央幅狭接合領域３２のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ８は、背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３の幅Ｗ７及びＷ９よりも小さくされている。これにより腹側部１０Ｆと同様に、背側中央幅狭接合領域３２のウエスト周り方向Ｘ外方の背側非接合領域４２では、吸収性本体１は、身丈方向Ｙに沿って肌面へ向かう屈曲部となる。
　加えて、腹側部１０Ｆと同様に、前記レッグギャザー弾性体１８が背側非接合領域４２にまで延在している。これにより、背側非接合領域４２においては、腹側非接合領域４１の場合と同様の作用が生じ、身丈方向Ｙに沿って変形する前記屈曲部がウエスト周り方向Ｘの内方側に向けて湾曲変形する。このようにして背側部１０Ｒにおいても、吸収性本体１が着用者の腰椎の下端周辺から臀部の上部（仙骨の高さ位置）、更には股間までを包み込むので、おむつ１０の股下からの漏れに対する防止性が高められている。

　背側中央幅狭接合領域３２の幅Ｗ８は、上記の観点から、背側上方幅広接合領域３１の幅Ｗ７及び背側下方幅広接合領域３３の幅Ｗ９それぞれの９０％以下が好ましく、８５％以下がより好ましく、８０％以下が更に好ましい。また、幅Ｗ８は、吸収性本体１と背側外装体２２との接着性を高める観点から、幅Ｗ７及び幅Ｗ９それぞれの１０％以上が好ましく、１５％以上がより好ましく、２０％以上が更に好ましい。
　幅Ｗ８は、腹側中央幅狭接合領域５２の幅Ｗ２と同じであることが好ましい。

　背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ７、Ｗ９はそれぞれ、同じであっても異なっていてもよい。吸収体１６ないし吸収性本体１の屈曲性高める観点から、同じであることが好ましい。
　背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ７、Ｗ９は、吸収性本体１のウエスト周り方向Ｘの幅と同じとしてもよく、短くしてもよい。ウエスト周りを広げやすくする観点から、吸収性本体１よりも短くすることが好ましい。
　図１０に示す例の平面形状が階段状にされた背側下方幅広接合領域３３において、幅の広い方の領域の幅Ｗ７Ａ、幅の狭い領域の幅をＷ７Ｂとする。幅Ｗ７Ａ及び幅７Ｂのいずれも上記の幅Ｗ７の範囲にあることが好ましく、幅Ｗ７Ｂは、左右のサイドシートの折り返し部分のウエスト周り方向Ｘの２点間の距離と同じか少し狭い幅であることが好ましい。

　背側中央幅狭接合領域３２は、背側外装体２２のウエスト周り方向Ｘ中央部に位置することが好ましい。
　背側中央幅狭接合領域３２のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ８は、着用者の体の屈曲が生じた際に、吸収性本体１の折り曲げを起こしやすくする観点から、背側外装体２２のウエスト周り方向Ｘの幅Ｗ１０の５０％以下が好ましく、４０％以下がより好ましく、３０％以下がさらに好ましい。また、幅Ｗ８は、背側部１０Ｒのフィット性を高める観点から、１０％以上が好ましく、１５％以上がより好ましい。このような形態とすることにより、着用者が着座等することによって吸収体１６が押し上げられる力により、背側中央幅狭接合領域３２の幅方向外方の領域が十分対応して屈曲することができる。

　加えて、背側外装体２２は、腹側外装体２１と同様に、ウエスト弾性体７によるウエスト周り方向Ｘの伸長応力が互いに異なる複数の領域を有することが好ましい。具体的には、背側下方幅広接合領域３３のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、背側下方低伸長応力領域９６が一対配され、背側中央幅狭接合領域３２のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、背側下方低伸長応力領域９６よりも伸長応力が高い背側高伸長応力領域９５が一対配されている。更に、背側上方幅広接合領域３１のウエスト周り方向Ｘの左右外方に、背側上方低伸長応力領域９４が一対配されていてもよい。
　前記伸長応力は、伸長させようとする外力に対する上記領域の収縮力を意味する。前記伸長応力の大小は、弾性体７を含む背側外装体２２における各領域の収縮力の大小関係を示す。背側下方低伸長応力領域９６は背側高伸長応力領域９５よりも伸長応力が小さく、収縮力が小さい。言い換えると、背側高伸長応力領域９５は、背側下方低伸長応力領域９６よりも伸長応力が大きく、収縮力が大きい。また、背側高伸長応力領域９５は、背側上方低伸長応力領域９４よりも伸長応力が大きく、収縮力が大きい。

　これらの背側外装体２２の各伸長応力領域における伸長応力の大小は、腹側外装体２１の各伸長応力領域における伸長応力の大小と同様に、種々の方法により設定することができる。

　背側下方低伸長応力領域９６は、背側外装体２２を構成する外層シート６３、内層シート６４、及び弾性体７の積層構造からなる。背側下方低伸長応力領域９６は、主に、背側外装体２２が吸収性本体１と重ならない領域（背側外装体２２と吸収性本体１とが重なる領域１０Ｈよりもウエスト周り方向Ｘの左右外方の領域）にある。ただし、上記の伸長応力の大小関係が成立する限り、吸収性本体１のウエスト周り方向Ｘの端部のレッグギャザー弾性体１８の配置位置の一部と重なっていてもよい。この構成は、背側上方低伸長応力領域９４においても同様に当てはまる。
　背側高伸長応力領域９５は、背側外装体２２を構成する外層シート６３、内層シート６４、及び弾性体７の積層構造からなる。ただし、背側高伸長応力領域９５は、背側中央幅狭接合領域３２のウエスト周り方向Ｘの左右外方にあるため、一部に、吸収性本体１と非接合で重なる背側外装体２２を含む。

　このような背側外装体２２及び吸収性本体１の構成は、より具体的には図３～図６に示される腹側外装体２１及び吸収性本体１の構成と同様とすることができる。

　上記背側外装体２２と吸収性本体１の接合に係る構造及び伸長応力の異なる領域を有する構造により、腹側外装体２１の場合と同様の作用が生じる。具体的には、着用者を座らせたり抱っこ紐や手を使って抱っこしたりする際に、吸収体１６ないし吸収性本体１が押し上げられる力を利用して、背側中央幅狭接合領域３２のウエスト方向左右外方に位置する吸収性本体１（背側非接合領域４２）を屈曲させることができる。また、その際に、背側高伸長応力領域９５の伸長応力が波及して、屈曲部により生じた防漏提を着用者の肌面に隙間なく密着させることができる。このようにして、着用者を抱っこ等する際に、便がおむつ１０外に押し出されにくくすることができる。

　さらに、吸収性本体１が吸収体１６を有し、この吸収体１６が、背側中央幅狭接合領域３２、背側上方幅広接合領域３１及び背側下方幅広接合領域３３と重なる領域に存在し、吸収体１６は、背側中央幅狭接合領域３２と重なる領域における坪量が、背側下方幅広接合領域３３と重なる領域における坪量と比べて低いことが好ましい。
　背側中央幅狭領域３２と重なる領域に配された吸収体１６の坪量を低坪量にすることでこの領域の剛性を低くすることができる。これにより、背側非接合領域４２と重なる領域に配された吸収体１６（吸収性本体１）の屈曲につられて、背側外装体２２との接着領域に配された吸収体１６（吸収性本体１）も屈曲しやすくなる。これにより、吸収体１６（吸収性本体１）の幅方向全体にわたって防漏提を形成することができる。

　背側部１０Ｒにおける吸収体１６ないし吸収性本体１の屈曲のしやすさを高める観点から、背側中央幅狭接合領域３２と重なる領域に配された吸収体１６の坪量は、背側下方幅広接合領域３３と重なる領域に配された吸収体１６の坪量の９０％以下が好ましく、７０％以下がより好ましく、５０％以下が更に好ましい。
　また、背側部１０Ｒでの液吸収性を高める観点から、背側中央幅狭接合領域３２と重なる領域に配された吸収体１６の坪量は、背側下方幅広接合領域３３と重なる領域に配された吸収体１６の坪量の１０％以上が好ましく、１５％以上がより好ましく、２５％以上が更に好ましい。

　おむつ１０を構成する各部材は、この種の物品に用いられる種々のものを用いて形成することができる。
　例えば、外装体２を構成する外層シート６１及び内層シート６２の素材としては、それぞれ、例えばエアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の各種製法による不織布、織布、編布、樹脂フィルム等が挙げられ、これらを積層一体化させてなるシート材等も用いることができる。その素材も種々のものを用いることができる。例えば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を用いることができる。
　また、内層シート６２は、通気性、風合いを良好にする観点から、不織布を用いることが好ましく、また、排泄物の漏れ防止の観点から、撥水性の不織布を用いることが好ましい。
　吸収体１６としては、この種の物品に用いられるものを特に制限することなく任意に採用できる。例えば、親水性の繊維集合体からなる吸収性コアをコアラップシートで被覆してなるものなどが挙げられる。前記吸収性コアにはさらに高吸水性ポリマーが配置されていてもよい。前記コアラップシートの素材としては、親水性繊維を原料として製造された紙やパルプシート、親水性の不織布などが挙げられる。
　また、吸収体１６としては、シート状にしたものでもよい。前記シート状のものとしては、例えば、親水性繊維を原料として製造された紙やパルプシートなどがある。また、二枚の基材シート（吸収紙又は不織布）の間に高吸水性ポリマー材の集合体からなる吸収性コアを挟持固定した吸水性シート（例えば、特開平８－２４６３９５号に記載の吸水性シートや特開２００４－２７５２２５号に記載のポリマーシート）などがある。

　前述の各種の弾性体の材料としては、おむつや生理用ナプキン等の着用物品に用いられる通常の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン－ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状（平ゴム等）のもの、またはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。

　また、吸収性本体１を構成する材料は通常この種のおむつに用いられる材料を特に制限なく用いることができる。

　本発明のパンツ型着用物品は、上述のようなおむつ１０の実施形態に限定されるものでなく、パンツ型の構造を有する種々のものを含む概念である。
　また、本発明のパンツ型着用物品は、乳幼児用のものであっても、成人用のものであってもよく、おむつ以外の形態のものであってもよい。例えば、おむつ以外の形態として、生理用ショーツ、ショーツ型ナプキン、使い捨てショーツ等であってもよい。また、上述のパンツ型着用物品１０のように吸収性本体を備えたものに限らず、吸収性本体がないおむつカバーや下着等であってもよい。

　上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のパンツ型着用物品を開示する。
＜１＞
　吸収性本体と外装体とを有し、着用者の腹側に配される腹側部と股間側に配される股下部と背側に配される背側部とを備え、ウエスト周り方向と身丈方向とを有するパンツ型着用物品であって、
　前記腹側部と前記背側部とにおける前記外装体同士は、前記ウエスト周り方向の両端部において一対のウエスト接合部にて接合され、前記身丈方向における前記腹側部及び前記背側部の上側にウエスト開口部が配されており、
　前記吸収性本体は、前記ウエスト周り方向の中央にて前記身丈方向に沿って延在しており、前記腹側部及び背側部における前記外装体と接合固定されており、
　前記腹側部及び背側部における前記外装体には、前記ウエスト周り方向に沿って延在し、前記身丈方向に沿って間隔をあけて複数配置されたウエスト弾性体が伸縮可能に接合されており、
　前記腹側部は、前記外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、中央幅狭接合領域と、前記中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い上方幅広接合領域及び下方幅広接合領域とを含み、
　前記腹側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、下方低伸長応力領域が配され、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い高伸長応力領域が配されている、
パンツ型着用物品。

＜２＞
　前記腹側部における前記外装体が、前記ウエスト開口部で前記吸収性本体側に折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部が前記ウエスト周り方向に沿って形成された折り返し接合部により前記吸収性本体の肌面側に接合されており、前記折り返し接合部が前記上方幅広接合領域と少なくとも一部重なる、前記＜１＞に記載のパンツ型着用物品。
＜３＞
　前記吸収性本体が吸収体を有し、該吸収体は、坪量を互いに異ならせた高坪量部と低坪量部とを備え、前記腹側部には前記高坪量部が含まれており、該高坪量部と前記低坪量部との境目が、前記上方幅広接合領域と一部重なる、前記＜１＞又は＜２＞に記載のパンツ型着用物品。
＜４＞
　前記下方低伸長応力領域の伸長応力が、前記高伸長応力領域の伸長応力の１０％以上８０％以下である、前記＜１＞～＜３＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜５＞
　前記上方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記高伸長応力領域よりも前記ウエスト周り方向の伸長応力が低い上方低伸長応力領域を有する、前記＜１＞～＜４＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜６＞
　前記中央幅狭接合領域は、前記腹側部における前記外装体の前記ウエスト周り方向の中央部に位置し、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の幅が、前記腹側部における前記外装体の前記ウエスト周り方向の幅の３０％以下である、前記＜１＞～＜５＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜７＞
　前記吸収性本体が、前記身丈方向の両側にレッグギャザー弾性体を有し、前記レッグギャザー弾性体は、前記身丈方向に沿って伸縮可能に接合され、該レッグギャザー弾性体の前記身丈方向の両端部に、前記吸収性本体における他の構成部材との接合固定部を有し、
　前記レッグギャザー弾性体の接合固定部と、前記下方幅広接合領域との重なり部を有する、前記＜１＞～＜６＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜８＞
　前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記腹側部における外装体と前記吸収性本体とが接合されていない非接合領域を有し、
　前記レッグギャザー弾性体が前記非接合領域まで延在している、前記＜７＞に記載のパンツ型着用物品。
＜９＞
　前記吸収体の前記高坪量部は、平面視において、前記腹側部に配される幅広吸収部、前記股下部に配される幅狭吸収部、前記幅広吸収部と前記幅狭吸収部とを連結する傾斜吸収部とを有し、
　前記幅広吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁と前記傾斜吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁との交点が、前記腹側部における前記下方幅広接合領域と重なる位置にある、前記＜３＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１０＞
　前記吸収性本体が、前記身丈方向の両側にレッグギャザー弾性体を有し、前記レッグギャザー弾性体は、前記身丈方向に沿って伸縮可能に接合され、該レッグギャザー弾性体の前記身丈方向の両端部に、前記吸収性本体における他の構成部材との接合固定部を有し、
　前記レッグギャザー弾性体の接合固定部と、前記吸収体の前記高坪量部における幅広吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁と前記傾斜吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁との交点と、前記下方幅広接合領域との重なり領域を有する、前記＜９＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１１＞
　前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記腹側部における外装体と前記吸収性本体とが接合されていない非接合領域を有し、
　前記レッグギャザー弾性体が前記非接合領域まで延在している、前記＜１０＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１２＞
　前記下方低伸長応力領域に配される前記ウエスト弾性体は、前記重なり部又は前記重なり領域を越えて前記ウエスト周り方向内側まで延在している、前記＜７＞又は＜１０＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１３＞
　前記ウエスト弾性体が、糸状伸縮材又は紐状伸縮材から構成される、前記＜１＞～＜１２＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜１４＞
　前記腹側部における前記外装体に弾性体として、糸状伸縮材又は紐状伸縮材と伸縮シートとが配されており、前記下方低応力領域の一部に、前記弾性体として前記伸縮シートのみが配されている部分を有する、前記＜１＞～＜１２＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜１５＞
　前記背側部は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、背側中央幅狭接合領域と、前記背側中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記背側中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い背側上方幅広接合領域及び背側下方幅広接合領域とを含み、
　前記背側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記背側下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、背側下方低伸長応力領域が配され、前記背側中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記背側下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い背側高伸長応力領域が配されている、前記＜１＞～＜１４＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜１６＞
　前記吸収性本体が吸収体を有し、該吸収体が、前記背側中央幅狭接合領域、前記背側上方幅広接合領域及び前記背側下方幅広接合領域と重なる領域に存在し、
　前記吸収体は、前記背側中央幅狭接合領域と重なる領域における坪量が、前記背側下方幅広接合領域と重なる領域における坪量と比べて低い、前記＜１５＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１７＞
　前記背側中央幅狭接合領域の前記身丈方向の長さＨ６の、前記背側上方幅広接合領域及び前記背側下方幅広接合領域の前記身丈方向の長さＨ５及びＨ７の合計に対する比（Ｈ６／（Ｈ５＋Ｈ７））が、０．４以上４以下であり、好ましくは０．６以上、より好ましくは０．８以上、また、好ましくは３．５以下、より好ましくは３以下である、前記＜１５＞又は＜１６＞に記載のパンツ型着用物品。
＜１８＞
　前記背側上方幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、０％以上５０％以下の範囲にあり、好ましくは１０％以上４０％以下の範囲にある、前記＜１５＞～＜１７＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜１９＞
　前記背側中央幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、２０％以上８０％以下の範囲にあり、好ましくは３０％以上７０％以下の範囲にある、前記＜１５＞～＜１８＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜２０＞
　前記背側下方幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、４０％以上１００％以下の範囲にあり、好ましくは６０％以上９５％以下の範囲にある、前記＜１５＞～＜１９＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。
＜２１＞
　前記背側中央幅狭接合領域の幅は、前記背側上方幅広接合領域の幅及び前記背側下方幅広接合領域の幅それぞれの１０％以上９０％以下であり、好ましくは８５％以下、より好ましくは８０％以下、また、好ましくは１５％以上、より好ましくは２０％以上である、前記＜１５＞～＜２０＞のいずれか１に記載のパンツ型着用物品。

　本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。

　本願は、２０２２年２月９日に日本国で特許出願された特願２０２２－０１８８１４に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。

　１　吸収性本体
　　１４　表面シート
　　１５　裏面シート
　　１６　吸収体
　　　１６Ａ　上層吸収部
　　　１６Ｂ　下層吸収部
　　　１６１　高坪量部
　　　１６２　低坪量部
　　　１６３　高坪量部と低坪量部との境界部
　　　１６４　幅広吸収部
　　　１６５　幅狭吸収部
　　　１６６　傾斜吸収部
　　　１６７　幅広吸収部のウエスト周り方向の外縁と傾斜吸収部のウエスト周り方向の外縁との交点
　　１７　サイドシート
　　１８　レッグギャザー弾性体
　　１８１　レッグギャザー接合固定部
　２　外装体
　　２１　腹側外装体
　　２２　背側外装体
　　２３　折り返し部
　　２３１　折り返し接合部
　３　背側部において外装体と吸収性本体とが接合固定された領域（背側接合領域）
　　３１　背側上方幅広接合領域
　　３２　背側中央幅狭接合領域
　　３３　背側下方幅広接合領域
　４１　腹側非接合領域
　４２　背側非接合領域
　５　腹側部において外装体と吸収性本体とが接合固定された領域
　　５１　上方幅広接合領域
　　５２　中央幅狭接合領域
　　５３　下方幅広接合領域
　　５１Ａ　上方幅広接合領域に配される、腹側外装体と吸収性本体との間の接合剤層
　　５２Ａ　中央幅狭接合領域に配される、腹側外装体と吸収性本体と間の接着剤層
　　５３Ａ　下方幅広接合領域５３に配される、腹側外装体と吸収性本体と間の接合剤層
　６１、６３　外層シート
　６２、６４　内層シート
　７　ウエスト弾性体
　７１　上方低伸長応力領域における弾性体
　７２　高伸長応力領域における弾性体
　７３　下方低伸長応力領域における弾性体
　７４　ウエスト開口部周り弾性体
　７５　伸縮シート
　８　股側延部
　　８１　襞部
　９１　上方低伸長応力領域
　９２　高伸長応力領域
　９３　下方低伸長応力領域
　９４　背側上方低伸長応力領域
　９５　背側高伸長応力領域
　９６　背側下方低伸長応力領域
　Ｐ　重なり領域
　Ｑ　重なり部
　１０　おむつ
　１０Ｆ　おむつの腹側部
　１０Ｃ　おむつの股下部
　１０Ｒ　おむつの背側部
　１０Ｄ　おむつの胴周り部
　１０Ｇ　腹側外装体２１と吸収性本体１が重なる領域
　１１　ウエスト接合部
　１２　ウエスト開口部
　１３　レッグ開口部
　Ｙ　おむつの身丈方向（又は吸収性本体の長手方向）
　Ｘ　おむつのウエスト周り幅方向（又は吸収性本体の幅方向）

Claims

　吸収性本体と外装体とを有し、着用者の腹側に配される腹側部と股間側に配される股下部と背側に配される背側部とを備え、ウエスト周り方向と身丈方向とを有するパンツ型着用物品であって、
　前記腹側部と前記背側部とにおける前記外装体同士は、前記ウエスト周り方向の両端部において一対のウエスト接合部にて接合され、前記身丈方向における前記腹側部及び前記背側部の上側にウエスト開口部が配されており、
　前記吸収性本体は、前記ウエスト周り方向の中央にて前記身丈方向に沿って延在しており、前記腹側部及び背側部における前記外装体と接合固定されており、
　前記腹側部及び背側部における前記外装体には、前記ウエスト周り方向に沿って延在し、前記身丈方向に沿って間隔をあけて複数配置されたウエスト弾性体が伸縮可能に接合されており、
　前記腹側部は、前記外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、中央幅狭接合領域と、前記中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い上方幅広接合領域及び下方幅広接合領域とを含み、
　前記腹側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、下方低伸長応力領域が配され、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い高伸長応力領域が配されている、
パンツ型着用物品。
　前記腹側部における前記外装体が、前記ウエスト開口部で前記吸収性本体側に折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部が前記ウエスト周り方向に沿って形成された折り返し接合部により前記吸収性本体の肌面側に接合されており、前記折り返し接合部が前記上方幅広接合領域と少なくとも一部重なる、請求項１に記載のパンツ型着用物品。
　前記吸収性本体が吸収体を有し、該吸収体は、坪量を互いに異ならせた高坪量部と低坪量部とを備え、前記腹側部には前記高坪量部が含まれており、該高坪量部と前記低坪量部との境目が、前記上方幅広接合領域と一部重なる、請求項１又は２に記載のパンツ型着用物品。
　前記下方低伸長応力領域の伸長応力が、前記高伸長応力領域の伸長応力の１０％以上８０％以下である、請求項１～３のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記上方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記高伸長応力領域よりも前記ウエスト周り方向の伸長応力が低い上方低伸長応力領域を有する、請求項１～４のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記中央幅狭接合領域は、前記腹側部における前記外装体の前記ウエスト周り方向の中央部に位置し、前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の幅が、前記腹側部における前記外装体の前記ウエスト周り方向の幅の３０％以下である、請求項１～５のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記吸収性本体が、前記身丈方向の両側にレッグギャザー弾性体を有し、前記レッグギャザー弾性体は、前記身丈方向に沿って伸縮可能に接合され、該レッグギャザー弾性体の前記身丈方向の両端部に、前記吸収性本体における他の構成部材との接合固定部を有し、
　前記レッグギャザー弾性体の接合固定部と、前記下方幅広接合領域との重なり部を有する、請求項１～６のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記腹側部における外装体と前記吸収性本体とが接合されていない非接合領域を有し、
　前記レッグギャザー弾性体が前記非接合領域まで延在している、請求項７に記載のパンツ型着用物品。
　前記吸収体の前記高坪量部は、平面視において、前記腹側部に配される幅広吸収部、前記股下部に配される幅狭吸収部、前記幅広吸収部と前記幅狭吸収部とを連結する傾斜吸収部とを有し、
　前記幅広吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁と前記傾斜吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁との交点が、前記腹側部における前記下方幅広接合領域と重なる位置にある、請求項３に記載のパンツ型着用物品。
　前記吸収性本体が、前記身丈方向の両側にレッグギャザー弾性体を有し、前記レッグギャザー弾性体は、前記身丈方向に沿って伸縮可能に接合され、該レッグギャザー弾性体の前記身丈方向の両端部に、前記吸収性本体における他の構成部材との接合固定部を有し、
　前記レッグギャザー弾性体の接合固定部と、前記吸収体の前記高坪量部における幅広吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁と前記傾斜吸収部の前記ウエスト周り方向の外縁との交点と、前記下方幅広接合領域との重なり領域を有する、請求項９に記載のパンツ型着用物品。
　前記中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記腹側部における外装体と前記吸収性本体とが接合されていない非接合領域を有し、
　前記レッグギャザー弾性体が前記非接合領域まで延在している、請求項１０に記載のパンツ型着用物品。
　前記下方低伸長応力領域に配される前記ウエスト弾性体は、前記重なり部又は前記重なり領域を越えて前記ウエスト周り方向内側まで延在している、請求項７又は１０に記載のパンツ型着用物品。
　前記ウエスト弾性体が、糸状伸縮材又は紐状伸縮材から構成される、請求項１～１２のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記腹側部における前記外装体に弾性体として、糸状伸縮材又は紐状伸縮材と伸縮シートとが配されており、前記下方低応力領域の一部に、前記弾性体として前記伸縮シートのみが配されている部分を有する、請求項１～１２のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側部は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体とが接合固定された領域を有し、該領域が、背側中央幅狭接合領域と、前記背側中央幅狭接合領域の前記身丈方向の上下に配された、前記背側中央幅狭接合領域よりも前記ウエスト周り方向の幅が広い背側上方幅広接合領域及び背側下方幅広接合領域とを含み、
　前記背側部は、前記ウエスト弾性体による前記ウエスト周り方向の伸長応力が互いに異なる複数の領域を有し、前記背側下方幅広接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、背側下方低伸長応力領域が配され、前記背側中央幅狭接合領域の前記ウエスト周り方向の左右外方に、前記背側下方低伸長応力領域よりも伸長応力が高い背側高伸長応力領域が配されている、請求項１～１４のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記吸収性本体が吸収体を有し、該吸収体が、前記背側中央幅狭接合領域、前記背側上方幅広接合領域及び前記背側下方幅広接合領域と重なる領域に存在し、
　前記吸収体は、前記背側中央幅狭接合領域と重なる領域における坪量が、前記背側下方幅広接合領域と重なる領域における坪量と比べて低い、請求項１５に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側中央幅狭接合領域の前記身丈方向の長さＨ６の、前記背側上方幅広接合領域及び前記背側下方幅広接合領域の前記身丈方向の長さＨ５及びＨ７の合計に対する比（Ｈ６／（Ｈ５＋Ｈ７））が、０．４以上４以下であり、好ましくは０．６以上、より好ましくは０．８以上、また、好ましくは３．５以下、より好ましくは３以下である、請求項１５又は１６に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側上方幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、０％以上５０％以下の範囲にあり、好ましくは１０％以上４０％以下の範囲にある、請求項１５～１７のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側中央幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、２０％以上８０％以下の範囲にあり、好ましくは３０％以上７０％以下の範囲にある、請求項１５～１８のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側下方幅広接合領域は、前記背側部における外装体と前記吸収性本体が重なる領域において、前記身丈方向の前記ウエスト開口部側の端部を０％、前記股下部側の端部を１００％とした場合に、４０％以上１００％以下の範囲にあり、好ましくは６０％以上９５％以下の範囲にある、請求項１５～１９のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。
　前記背側中央幅狭接合領域の幅は、前記背側上方幅広接合領域の幅及び前記背側下方幅広接合領域の幅それぞれの１０％以上９０％以下であり、好ましくは８５％以下、より好ましくは８０％以下、また、好ましくは１５％以上、より好ましくは２０％以上である、請求項１５～２０のいずれか１項に記載のパンツ型着用物品。