WO2023149468A1 - 三次元形状測定装置、三次元形状測定装置の参照面位置調整方法、及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法 - Google Patents

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Abstract

設置環境温度に関係なく、低コストで測定光路長と参照光路長とを高精度に一致させられる三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の参照面位置調整方法の提供を第1の目的とし、WLI方式による被測定面の三次元形状測定とFV方式による被測定面の三次元形状測定とを切替可能な三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法の提供を第2の目的とする。第1の目的を達成するため、温度変化に応じて参照光路長を変化させるホルダ(24)と、ホルダ(24)の温度を目標温度に調整する温度調整部(26)と、を備える。第2の目的を達成するため、ホルダ(24)の温度を調整する温度調整部(26)と、温度調整部(26)を制御して、参照光路長を測定光路長に一致させる第1測定モードと測定光路長とは異ならせる第2測定モードとに選択的に切替可能な温度制御部(100)と、を備える。

Description

三次元形状測定装置、三次元形状測定装置の参照面位置調整方法、及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法
 本発明は、被測定面の三次元形状を測定する三次元形状測定装置、三次元形状測定装置の参照面位置調整方法、及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法に関する。
 非特許文献1及び特許文献1に記載の白色干渉方式(White Light Interferometry:WLI)又は非特許文献2に記載のフォーカスバリエーション(Focus Variation:FV)方式などの三次元形状測定装置を用いて、測定対象物の被測定面の全焦点画像、表面形状、及び表面粗さ形状などの三次元形状を光学的に測定する方法が知られている。
 WLI方式の三次元形状測定装置は、光源、干渉部、対物レンズ、及びカメラを備える白色干渉顕微鏡と、駆動機構と、カメラと、制御装置と、を備える。光源は、干渉部に向けて白色光を出射する。干渉部は、光源から出射された白色光からその一部を参照光として分割し、残りの白色光を被測定面に出射すると共に参照光を参照面に出射する。また、干渉部は、被測定面で反射した白色光と参照面で反射した参照光との干渉光をカメラに向けて出射する。
 対物レンズの焦点は、公知の合焦制御により被測定面に合わせられており、干渉部による分割前(例えばマイケルソン型)或いは分割後(例えばリニック型)の白色光を被測定面に集光させる。駆動機構は、干渉部又は白色干渉顕微鏡を走査方向(上下方向)に沿って走査する。カメラは、走査機構による干渉部等の走査の間、干渉部から出射される干渉光を連続的に撮像して、干渉縞を含む複数の画像を取得する。制御装置は、各画像の同一座標の画素ごとの輝度値を比較して、画素ごとに被測定面の高さ情報を演算することで、被測定面の三次元形状を測定する。
 FV方式の三次元形状測定装置は、駆動機構と、カメラと、制御装置と、を備える。駆動機構は、カメラを走査方向に沿って走査する。カメラは、駆動機構により走査されている間、被測定面を連続的に撮影して複数の画像を取得する。制御装置は、各画像の同一座標の画素ごとの合焦度を演算して、画素ごとの合焦度の変化を検出することで、被測定面の三次元形状を測定する。
 図13から図15は、従来の三次元形状測定装置を構成する白色干渉顕微鏡の課題を説明するための説明図である。ここでは、マイケルソン型の白色干渉顕微鏡を例に挙げて説明を行う。
 図13の符号XIIIAに示すように、白色干渉顕微鏡の少なくとも干渉対物レンズ500、干渉部501、参照面502、及び対物レンズ504は、例えば真鍮などの金属材料で形成されたホルダ506に収納されている。そして、被測定面Wの三次元形状の測定時には、対物レンズ504の焦点を被測定面Wに合わせると共に、干渉部501と被測定面Wとの間の測定光L1の光路長である測定光路長D1に対して、干渉部501と参照面502との間の参照光L2の光路長である参照光路長D2を一致させている。これにより、干渉対物レンズ500から出射される干渉光L3に干渉縞が発生するため、被測定面Wの三次元形状の測定が可能になる。
 この際に、真鍮などで形成されているホルダ506は、設置環境温度の変化に応じて可逆的に熱変形(膨張、収縮)する。このため、図13の符号XIIIB及び図14の符号XIVAに示すように、例えばホルダ506が熱膨張すると、参照光路長D2が変化して測定光路長D1と参照光路長D2とが不一致になる。その結果、干渉光L3中の干渉縞の発生が抑えられてしまうので、被測定面Wの三次元形状の測定が困難になる。
 そこで、図14の符号XIVBに示すように、ホルダ506の熱膨張により変化した参照光路長D2に対して測定光路長D1を一致させるために、ホルダ506(干渉対物レンズ500)と被測定面Wとの間の距離を変更、すなわち測定光路長D1を変更することが考えられる。しかしながら、測定光路長D1を変更すると、対物レンズ504の焦点が被測定面Wに合わなくなる。この状態で被測定面Wの三次元形状の測定を行うと、図15に示すように、被測定面Wの実形状(符号XVA参照)に対して測定形状(符号XVB参照)が崩れてしまい、測定精度が低下してしまう。また、カメラに入射する干渉光の強度が低下するため、被測定面Wの三次元形状が測定不能になったり或いは測定精度が低下したりする。
 そのため、ホルダ506には、参照面502の位置を手動調整可能な参照面位置調整機構が設けられている。そして、白色干渉顕微鏡の設置環境温度に応じて、オペレータが参照面位置調整機構を操作して、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように参照面502の位置を手動調整していた。このため、参照面502の位置の精度、調整分解能、及び再現性が低くなり、さらに被測定面Wの三次元形状測定の効率化(自動化)の妨げになっていた。
 また、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように、参照面位置調整機構により参照面502の位置を調整するためには、高精度な参照面位置調整機構を用意する必要がある。例えば、対物レンズ504の開口数(Numerical Aperture:NA)が0.7であり、測定光L1の波長を550nmと仮定した場合に、対物レンズ24aの焦点深度(Depth of Field:DOF)は「DOF=λ/(2×(NA))=0.56μm」となる。この場合には、参照面位置調整機構は0.56μmより十分に小さい制御分解能が必要になるため、コストが大幅に増加してしまう。
 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、設置環境温度に関係なく、低コストで測定光路長と参照光路長とを高精度に一致させられる三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の参照面位置調整方法を提供することを第1の目的とする。
 ところで、WLI方式には、被測定面の垂直分解能が高くなるという長所と、測定時間が長くなる共に傾斜面の三次元形状測定に不向きであるという短所と、が存在する。このため、WLI方式は、被測定面の表面粗さ形状の測定に適している。一方、FV方式は、測定時間が短くなると共に白色干方式よりも傾斜面の三次元形状測定に適しているという長所と、被測定面の垂直分解能が低くなるという短所と、が存在する。このため、FV方式は、被測定面の形状測定に適している。
 このようにWLI方式とFV方式との間には、互いに相反する長所及び短所が存在するため、相補的な関係が成り立つ。このため、被測定面の種類及び測定内容などに応じて、1台の三次元形状測定装置でWLI方式及びFV方式の使い分けを可能にすることが要望されている。
 この際に、WLI方式による被測定面の三次元形状測定には、干渉部として、例えば、対物レンズ、ビームスプリッタ、及び参照面(参照ミラー)などにより構成される干渉対物レンズが必要になる。しかしながら、この干渉対物レンズを通してカメラにより撮像された被測定面の画像には干渉縞が含まれてしまう。この干渉縞は、FV方式での被測定面の三次元形状の演算に悪影響を及ぼす。このため、WLI方式とFV方式とで共通の対物レンズを使用した場合には、FV方式で測定された被測定面の三次元形状の測定精度が低下してしまう。その結果、従来の三次元形状測定装置では、WLI方式の測定を行う場合には対物レンズを干渉対物レンズに切り替え、FV方式の測定を行う場合には対物レンズを通常の対物レンズに切り替えていた。
 従って、従来の三次元形状測定装置では、複数種類の対物レンズを用意する必要があり、さらに対物レンズの切替機構も必要になるので、コストが増加してしまう。また、対物レンズの着脱によって、例えば被測定面の三次元形状の演算に必要な補正値が変わるなどの原因により、被測定面の三次元形状の測定精度が低下するおそれもある。
 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、対物レンズの交換を行うことなく、WLI方式による被測定面の三次元形状測定とFV方式による被測定面の三次元形状測定とを切替可能な三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法を提供することを第2の目的とする。
 本発明の第1の目的を達成するための三次元形状測定装置は、白色光である測定光を出射する光源部と、光源部より出射された測定光から測定光の一部を参照光として分割し、測定光を被測定面に出射し且つ参照光を参照面に出射して、被測定面から戻る測定光と参照面から戻る参照光との干渉光を生成する干渉部と、干渉部及び参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、温度変化に応じて干渉部と参照面との間の参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、干渉部と被測定面との間の測定光の光路長を測定光路長とした場合に、ホルダの温度を、参照光路長が測定光路長に一致する目標温度に調整する温度調整部と、を備える。
 この三次元形状測定装置によれば、ホルダの温度調整により参照光路長を測定光路長に高精度に一致させることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、ホルダの温度を測定する温度測定部と、測定光を被測定面に集光させる対物レンズと、干渉部が生成した干渉光を撮像するカメラと、温度調整部を制御して、ホルダの温度を予め定められた仮目標温度に調整する仮目標温度制御部と、対物レンズの焦点を被測定面に合わせる合焦制御部と、ホルダが仮目標温度に調整され且つ対物レンズの焦点が被測定面に合っている状態で、参照面の位置の手動調整を受け付けて、参照光路長を測定光路長に概略一致させる参照面位置調整機構と、参照光路長が測定光路長に概略一致している状態で、温度調整部を制御して、ホルダの温度を変化させる温度変化制御部と、温度変化制御部がホルダの温度を変化させている間、カメラに干渉光を繰り返し撮像させてカメラから複数の画像を取得する画像取得部と、カメラが干渉光の撮像を行うごとに、温度測定部の温度測定結果を取得する温度取得部と、画像取得部が取得した複数の画像と、画像ごとに温度取得部が取得した温度測定結果と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定部と、を備える。これにより、低コストで測定光路長と参照光路長とを高精度に一致させることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、ホルダの温度を測定する温度測定部と、測定光を被測定面に集光させる対物レンズと、干渉部が生成した干渉光を撮像するカメラと、対物レンズの焦点を被測定面に合わせる合焦制御部と、対物レンズの焦点が被測定面に合っている状態で、温度調整部を制御して、ホルダの温度を変化させる温度変化制御部と、温度変化制御部がホルダの温度を変化させている間、カメラに干渉光を繰り返し撮像させてカメラから複数の画像を取得する画像取得部と、温度変化制御部がホルダの温度を変化させている間、温度測定部の温度測定結果を繰り返し取得する温度取得部と、画像取得部が取得した複数の画像と、画像ごとに温度取得部が取得した複数の温度測定結果と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定部と、を備える。これにより、目標温度の決定を自動化することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、ホルダの温度を測定する温度測定部と、目標温度と温度測定部の温度測定結果とに基づき、温度調整部を制御して、ホルダの温度を目標温度に調整する目標温度制御部と、を備える。これにより、ホルダの温度を目標温度に正確に調整及び維持することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、温度調整部が、ホルダの中で参照面を収納している参照面収納部の温度を変化させ、温度測定部が、参照面収納部の温度を測定する。これにより、ホルダの温度制御によって参照光路長を調整することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、少なくとも、参照面収納部、温度測定部、及び温度調整部を覆う断熱材を備える。これにより、参照面収納部及びその近傍の温度を安定させることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、ホルダ、温度調整部、及び温度測定部を含む複数のレンズ系が選択的に装着されるアダプタ部と、複数のレンズ系と、レンズ系ごとに定められた目標温度と、の対応関係を記憶した目標温度記憶部と、アダプタ部に装着されたレンズ系を判別するレンズ系判別部と、レンズ系判別部の判別結果に基づき、目標温度記憶部からアダプタ部に装着されているレンズ系に対応した目標温度を取得する目標温度取得部と、を備え、目標温度制御部が、目標温度取得部が取得した目標温度に従って温度調整部を制御する。これにより、レンズ系の個体差の影響を抑えて、参照光路長を測定光路長に確実に一致させることができるので、被測定面の三次元形状の測定をより高精度に行うことができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、測定光を被測定面に集光する対物レンズを備え、干渉部が、対物レンズと被測定面との間に配置され、参照面が、対物レンズと干渉部との間に配置されている。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、干渉部が生成した干渉光を撮像するカメラと、被測定面に対して少なくとも干渉部を、測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、走査部による走査の間、カメラが干渉光を繰り返し撮像して得られた複数の画像における同一座標の画素ごとの輝度値に基づき、画素ごとに被測定面の高さ情報を演算して被測定面の三次元形状を求める形状演算部を備える。
 本発明の第1の目的を達成するための三次元形状測定装置の参照面位置調整方法は、白色光である測定光から測定光の一部を参照光として分割し、測定光を被測定面に出射し且つ参照光を参照面に出射して、被測定面から戻る測定光と参照面から戻る参照光との干渉光を生成する干渉部と、測定光を被測定面に集光させる対物レンズと、干渉部及び参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、温度変化に応じて干渉部と参照面との間の参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、を備える三次元形状測定装置の参照面位置調整方法において、ホルダの温度を予め定められた仮目標温度に調整する仮目標温度調整ステップと、対物レンズの焦点を被測定面に合わせる合焦ステップと、ホルダが仮目標温度に調整され且つ対物レンズの焦点が被測定面に合っている状態で、参照面の位置を手動調整して、干渉部と被測定面との間の測定光の光路長である測定光路長に参照光路長を概略一致させる概略位置調整ステップと、概略位置調整ステップの後に、ホルダの温度を変化させる温度変化ステップと、ホルダの温度が変化している間、干渉光を繰り返し撮像する撮像ステップと、撮像ステップで干渉光の撮像が行われるごとに、ホルダの温度を取得する温度取得ステップと、撮像ステップで得られた複数の画像と、温度取得ステップで得られた画像ごとのホルダの温度と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定ステップと、ホルダの温度を、目標温度決定ステップで決定した目標温度に調整する目標温度調整ステップと、を有する。
 本発明の第1の目的を達成するための三次元形状測定装置の参照面位置調整方法は、白色光である測定光から測定光の一部を参照光として分割し、測定光を被測定面に出射し且つ参照光を参照面に出射して、被測定面から戻る測定光と参照面から戻る参照光との干渉光を生成する干渉部と、測定光を被測定面に集光させる対物レンズと、干渉部及び参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、温度変化に応じて干渉部と参照面との間の参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、を備える三次元形状測定装置の参照面位置調整方法において、対物レンズの焦点を被測定面に合わせる合焦ステップと、合焦ステップの後に、ホルダの温度を変化させる温度変化ステップと、ホルダの温度が変化している間、干渉光を繰り返し撮像する撮像ステップと、撮像ステップで干渉光の撮像が行われるごとに、ホルダの温度を取得する温度取得ステップと、撮像ステップで得られた複数の画像と、温度取得ステップで得られた画像ごとのホルダの温度と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定ステップと、ホルダの温度を、目標温度決定ステップで決定した目標温度に調整する温度調整ステップと、を有する。
 本発明の第2の目的を達成するための三次元形状測定装置は、白色光である測定光を出射する光源部と、光源部より出射された測定光から測定光の一部を参照光として分割し、測定光を被測定面に出射し且つ参照光を参照面に出射して、被測定面から戻る測定光と参照面から戻る参照光との合波光を生成する干渉部と、干渉部が生成した合波光を撮像するカメラと、干渉部と被測定面との間の測定光の光路長を測定光路長とした場合に、被測定面に対して干渉部及びカメラを、測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、走査部による走査の間、カメラに合波光を繰り返し撮像させる測定制御部と、干渉部及び参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、温度変化に応じて干渉部と参照面との間の参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、ホルダの温度を調整する温度調整部と、温度調整部を制御して、参照光路長を測定光路長に一致させることで合波光に干渉縞を発生させる第1測定モードと、参照光路長を測定光路長とは異ならせることで合波光における干渉縞の発生を抑える第2測定モードと、に選択的に切替可能な温度制御部と、を備える。
 この三次元形状測定装置によれば、ホルダの温度制御を行うことで、第1測定モードと第2測定モードとを選択的に切り替えることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、温度制御部が第1測定モードへの切り替えを行った場合に、カメラが、走査部による走査の間、合波光を繰り返し撮像して干渉縞を含む複数の第1画像を出力し、カメラから出力された複数の第1画像の同一座標の画素ごとの輝度値に基づき、画素ごとに被測定面の高さ情報を演算して被測定面の三次元形状を求める第1形状演算部を備える。これにより、光干渉方式での被測定面の三次元形状を測定することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、温度制御部が第2測定モードへの切り替えを行った場合に、カメラが、走査部による走査の間、合波光を繰り返し撮像して干渉縞の発生が抑えられている複数の第2画像を出力し、カメラから出力された複数の第2画像の同一座標の画素ごとに、走査方向における合焦度の変化を演算した結果に基づき、被測定面の三次元形状を求める第2形状演算部を備える。これにより、FV方式での被測定面の三次元形状を測定することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、ホルダの温度を測定する温度測定部を備え、温度制御部が、第1測定モードに対応する温度である第1温度と、第2測定モードに対応する温度である第2温度と、を含む目標温度を予め取得しており、温度制御部が、温度測定部の測定結果と目標温度とに基づき、温度調整部を制御して、第1測定モードと第2測定モードとの切り替えを行う。これにより、ホルダの温度制御によって第1測定モードと第2測定モードとを選択的に切り替えることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、温度調整部が、ホルダの中で参照面を収納している参照面収納部の温度を変化させ、温度測定部が、参照面収納部の温度を測定する。これにより、ホルダの温度制御によって第1測定モードと第2測定モードとを選択的に切り替えることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、少なくとも、参照面収納部、温度測定部、及び温度調整部を覆う断熱材を備える。これにより、参照面収納部及びその近傍の温度を安定させることができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、走査部が、少なくともホルダ及びカメラを走査方向に移動させる。これにより、被測定面に対して干渉部及びカメラを走査方向に相対的に走査することができる。
 本発明の他の態様に係る三次元形状測定装置において、測定光を被測定面に集光する対物レンズを備え、干渉部が、対物レンズと被測定面との間に配置され、参照面が、対物レンズと干渉部との間に配置されている。これにより、参照光の光路中にシャッタを挿入することができないミラウ型の光干渉計においても、ホルダの温度制御のみによって第1測定モードと第2測定モードとを選択的に切り替えることができる。
 本発明の第2の目的を達成するための三次元形状測定装置の測定モード切替方法は、白色光である測定光を出射する光源部と、光源部より出射された測定光から測定光の一部を参照光として分割し、測定光を被測定面に出射し且つ参照光を参照面に出射して、被測定面から戻る測定光と参照面から戻る参照光との合波光を生成する干渉部と、干渉部が生成した合波光を撮像するカメラと、干渉部と被測定面との間の測定光の光路長を測定光路長とした場合に、被測定面に対して干渉部及びカメラを、測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、干渉部及び参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、温度変化に応じて干渉部と参照面との間の参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、を備える三次元形状測定装置の測定モード切替方法において、ホルダの温度を調整して、参照光路長を測定光路長に一致させることで合波光に干渉縞を発生させる第1測定モードと、参照光路長を測定光路長とは異ならせることで合波光における干渉縞の発生を抑える第2測定モードと、に選択的に切り替える。
 本発明の第1の目的を達成するための三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の参照面位置調整方法によれば、設置環境温度に関係なく、低コストで測定光路長と参照光路長とを高精度に一致させられる。また、本発明の第2の目的を達成するための三次元形状測定装置及び三次元形状測定装置の測定モード切替方法によれば、対物レンズの交換を行うことなく、WLI方式による被測定面の三次元形状測定とFV方式による被測定面の三次元形状測定とが切替可能になる。
第1実施形態の三次元形状測定装置の概略図である。 制御装置の機能ブロック図である。 符号3A~3Cは、参照面収納部の目標温度の決定処理の流れを説明するための説明図である。 符号4Aは、図3の符号3Aの状態に対応したカメラの撮像画像であり、符号4Bは、図3の符号3Bの状態に対応したカメラの撮像画像であり、符号4Cは、図3の符号3Cの状態に対応したカメラの撮像画像である。 温度制御部の機能ブロック図である。 形状演算部による被測定面の三次元形状の演算を説明するための説明図である。 第1実施形態の三次元形状測定装置による被測定面の三次元形状の測定処理、特に参照面位置調整方法の流れを示したフローチャートである。 図7中の形状測定ステップの処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態の三次元形状測定装置による被測定面の三次元形状の測定処理の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態の三次元形状測定装置の温度制御部の機能ブロック図である。 第4実施形態の三次元形状測定装置の白色干渉顕微鏡の干渉対物レンズ及び断熱材の拡大図である。 第5実施形態の三次元形状測定装置の白色干渉顕微鏡の干渉対物レンズの拡大図である。 従来の三次元形状測定装置を構成する白色干渉顕微鏡の課題を説明するための説明図である。 従来の三次元形状測定装置を構成する白色干渉顕微鏡の課題を説明するための説明図である。 従来の三次元形状測定装置を構成する白色干渉顕微鏡の課題を説明するための説明図である。 被測定面の三次元形状を測定する第6実施形態の三次元形状測定装置の概略図である。 第6実施形態の制御装置の機能ブロック図である。 参照面収納部を温度TWLIに調整した場合の参照面のX方向位置と、参照面収納部を温度TFVに調整した場合の参照面のX方向位置と、を比較した図である。 温度制御部による測定モードに応じた参照面収納部の温度制御を説明するための説明図である。 第2形状演算部による被測定面の三次元形状の演算を説明するための説明図である。 第6実施形態の三次元形状測定装置よる被測定面の三次元形状の測定処理の流れを示したフローチャートである。 第7実施形態の三次元形状測定装置の白色干渉顕微鏡の干渉対物レンズ及び断熱材の拡大図である。 第8実施形態の三次元形状測定装置の白色干渉顕微鏡の干渉対物レンズの拡大図である。
 [第1実施形態]
 図1は、第1実施形態の三次元形状測定装置9の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向のうちでXY方向は水平方向に平行な方向であり、Z方向は上下方向に平行な方向である。
 図1に示すように、三次元形状測定装置9は、WLI方式での被測定面Wの三次元形状測定を行う。この三次元形状測定装置9は、大別して、白色干渉顕微鏡10と、駆動機構12と、スケール14と、制御装置16と、操作部17と、を備える。
 白色干渉顕微鏡10は、マイケルソン型の走査型白色干渉顕微鏡であり、光源部20と、ビームスプリッタ22と、干渉対物レンズ24と、温度調整部26と、温度センサ28と、断熱材30と、結像レンズ32と、カメラ34と、を備える。被測定面WからZ方向上方側に沿って、干渉対物レンズ24と、ビームスプリッタ22と、結像レンズ32と、カメラ34と、の順で配置されている。また、ビームスプリッタ22に対してX方向(Y方向でも可)に対向する位置に光源部20が配置されている。
 光源部20は、制御装置16の制御の下、ビームスプリッタ22に向けて平行光束の白色光(可干渉性の少ない低コヒーレンス光)を、測定光L1として出射する。この光源部20は、図示は省略するが、発光ダイオード、半導体レーザ、ハロゲンランプ、及び高輝度放電ランプなどの測定光L1を出射可能な光源と、この光源から出射された測定光L1を平行光束に変換するコレクタレンズと、を備える。
 ビームスプリッタ22は、例えばハーフミラーが用いられる。ビームスプリッタ22は、光源部20から入射した測定光L1の一部をZ方向下方側の干渉対物レンズ24に向けて反射する。また、ビームスプリッタ22は、干渉対物レンズ24から入射する後述の干渉光L3の一部をZ方向上方側に透過して、この干渉光L3を結像レンズ32に向けて出射する。
 干渉対物レンズ24は、マイケルソン型であり、対物レンズ24aとビームスプリッタ24bと参照面24cとホルダ24dとを備える。被測定面WからZ方向上方側に沿ってビームスプリッタ24b及び対物レンズ24aが順に配置され、また、ビームスプリッタ24bに対してX方向(Y方向でも可)に対向する位置に参照面24cが配置されている。
 対物レンズ24aは、集光作用を有しており、ビームスプリッタ22から入射した測定光L1を、ビームスプリッタ24bを通して被測定面Wに集光させる。この対物レンズ24aとしては、例えばNAが0.7以上の高倍率対物レンズが用いられる。
 ビームスプリッタ24bは、本発明の干渉部に相当するものであり、例えばハーフミラーが用いられる。ビームスプリッタ24bは、対物レンズ24aから入射する測定光L1の一部を参照光L2として分割し、残りの測定光L1を透過して被測定面Wに出射し且つ参照光L2を参照面24cに向けて反射する。なお、図中の符号D1は、ビームスプリッタ24bと被測定面Wとの間の測定光L1の光路長である測定光路長を示す。ビームスプリッタ24bを透過した測定光L1は、被測定面Wに照射された後、被測定面Wにより反射されてビームスプリッタ24bに戻る。
 参照面24cは、例えば反射ミラーが用いられ、ビームスプリッタ24bから入射した参照光L2をビームスプリッタ24bに向けて反射する。この参照面24cは、参照面位置調整機構25によってX方向の位置を手動調整可能である。
 参照面位置調整機構25は、例えばネジ式の微調整機構であり、オペレータからの操作を受けて参照面24cのX方向位置を調整する。これにより、ビームスプリッタ24bと参照面24cとの間の参照光L2の光路長である参照光路長D2を調整可能である。参照面位置調整機構25は、参照光路長D2が測定光路長D1に概略一致するように、参照面24cのX方向位置を調整する手動調整(概略調整)に用いられる。
 ビームスプリッタ24bは、被測定面Wから戻る測定光L1と参照面24cから戻る参照光L2との干渉光L3を生成し、この干渉光L3をZ方向上方側の対物レンズ24aに向けて出射する。この干渉光L3は、対物レンズ24a及びビームスプリッタ22を透過して結像レンズ32に入射する。干渉光L3は干渉縞101(図4参照)を含む光である。
 ホルダ24dは、例えば真鍮のような金属材料、すなわち可逆的に熱変形する材料で形成されている。このホルダ24dは、レンズ鏡胴24d1と参照面収納部24d2とを備える。レンズ鏡胴24d1は、Z方向に延びた筒形状に形成されており、対物レンズ24a及びビームスプリッタ24bを収納(保持)する。参照面収納部24d2は、レンズ鏡胴24d1におけるビームスプリッタ24bの保持位置からX方向に延びた筒形状に形成されており、参照面24cを収納する。なお、既述の通り、参照面24cは、参照面位置調整機構25によりX方向の位置の手動調整が可能である。
 温度調整部26は、参照面収納部24d2の近傍に設けられており、後述の制御装置16の制御の下、少なくともビームスプリッタ24bと参照面24cとの間の温度、すなわち参照面収納部24d2の温度を調整する。この温度調整部26としては、例えば、ヒータ及びペルチェ素子などが用いられる。
 参照面収納部24d2は、既述の通り真鍮で形成されているので、温度変化に応じて可逆的に熱変形(膨張、収縮)する。このため、温度調整部26により参照面収納部24d2の温度を変化させることで、参照面収納部24d2を熱変形させてこの熱変形に応じて参照面24cのX方向位置を調整可能である。そして、参照面収納部24d2の温度制御を厳密に行うことで、参照面位置調整機構25よりも参照面24cのX方向位置を高精度(高分解能)で調整可能、すなわち参照光路長D2を高精度に調整可能である。本実施形態では、制御装置16の制御の下、温度調整部26による参照面収納部24d2の温度調整を行うことで、参照光路長D2が測定光路長D1と一致するように、参照面24cのX方向位置(参照光路長D2)の精密調整を行う。
 温度センサ28は、本発明の温度測定部に相当する。温度センサ28は、参照面収納部24d2の近傍に設けられており、ホルダ24dの中で少なくとも参照面収納部24d2(ビームスプリッタ24bと参照面24cとの間)の温度を測定し、その温度測定結果を制御装置16へ出力する。この温度センサ28の測定結果は、制御装置16による温度調整部26の制御、すなわち参照面24cのX方向位置の調整(参照光路長D2の調整)に利用される。
 断熱材30は、干渉対物レンズ24の全体、温度調整部26、及び温度センサ28を覆うように設けられている。これにより、断熱材30の内部の温度、特に参照面収納部24d2及びその近傍の温度が外部の影響を受けて変化することが防止される。
 結像レンズ32は、ビームスプリッタ22から入射した干渉光L3をカメラ34の撮像面(図示は省略)に結像させる。具体的には結像レンズ32は、対物レンズ24aの焦点面上における点を、カメラ34の撮像面上の像点として結像する。
 カメラ34は、図示は省略するがCCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子を備える。カメラ34は、結像レンズ32により撮像素子の撮像面に結像された干渉光L3を撮像し、この撮像により得られた干渉光L3の撮像信号を信号処理して撮像画像36を出力する。この撮像画像36は干渉縞101(図4参照)を含む画像である。
 駆動機構12は、本発明の走査部に相当する。駆動機構12は、公知のリニアモータ或いはモータ駆動機構などの各種アクチュエータにより構成されており、白色干渉顕微鏡10を走査方向であるZ方向に移動自在に保持している。この駆動機構12は、制御装置16の制御の下、白色干渉顕微鏡10をZ方向に沿って走査する。これにより、被測定面Wの三次元形状の測定時に測定光路長D1の変更が可能になる。
 なお、駆動機構12は、被測定面Wに対して白色干渉顕微鏡10又はその少なくともビームスプリッタ24bをZ方向に相対的に走査可能であればよく、例えば被測定面W(被測定面Wを支持する支持部)をZ方向に走査してもよい。
 スケール14は、白色干渉顕微鏡10のZ方向位置を検出する位置検出センサであり、例えばリニアスケールが用いられる。このスケール14は、白色干渉顕微鏡10のZ方向位置を繰り返し検出し、その位置検出結果を制御装置16に対して繰り返し出力する。
 第1実施形態の制御装置16は、操作部17に対する入力操作に応じて、参照面24cのX方向位置調整、白色干渉顕微鏡10による被測定面Wの三次元形状の測定動作、及び被測定面Wの三次元形状の演算などを統括的に制御する。この制御装置16は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
 図2は、第1実施形態の制御装置16の機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置16には、白色干渉顕微鏡10の各部(光源部20、温度調整部26、温度センサ28、及びカメラ34)、駆動機構12、及びスケール14、及び操作部17が接続されている。
 制御装置16は、不図示の記憶部から読み出した不図示の制御プログラムを実行することで、合焦制御部98、温度制御部100、測定制御部102、及び形状演算部104として機能する。
 合焦制御部98は、参照面24cのX方向位置調整時(後述の目標温度の決定時)と、被測定面Wの三次元形状の測定時とにおいて、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせる合焦制御を行う。
 例えば、合焦制御部98は、光源部20から測定光L1を出射させると共に、駆動機構12により白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査し、さらにこの走査が行われている間、カメラ34による干渉光L3の撮像及び撮像画像36の出力を繰り返し実行させる。次いで、合焦制御部98は、カメラ34から出力された複数の撮像画像36に基づき各撮像画像36の画素ごとに合焦度(コントラスト値)を演算し、この演算結果に基づき対物レンズ24aの焦点が被測定面Wに合う白色干渉顕微鏡10のZ方向位置を決定する。そして、合焦制御部98は、白色干渉顕微鏡10のZ方向位置の決定結果に基づき、駆動機構12を制御して、白色干渉顕微鏡10のZ方向位置を調整することで、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせる。
 なお、合焦制御部98による合焦制御の方法は、上述の方法に限定されるものではなく、公知の各種方法を用いてもよい。また、本実施形態では、参照面24cのX方向位置調整に使用される被測定面W上に、合焦制御用のテストパターン99が形成されている(図4参照)。
 温度制御部100は、温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を調整する。これにより、温度制御部100は、参照面24cのX方向位置、すなわち参照光路長D2を調整可能である。既述の通り、参照面収納部24d2(ホルダ24d)は可逆的に熱変形する材料で形成されている。このため、白色干渉顕微鏡10の設置環境温度に応じて参照面収納部24d2が熱変形することで、参照光路長D2が変化してしまう。従って、逆に参照面収納部24d2の温度を調整することで、参照光路長D2を所望の値に調整可能である。
 そこで、本実施形態では、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせた状態において、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するような参照面収納部24d2(ホルダ24d)の目標温度を事前に決定して、参照面収納部24d2を目標温度に調整する。これにより、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように参照面24cのX方向位置を調整する。
 図3の符号3A~3Cは、参照面収納部24d2の目標温度の決定処理の流れを説明するための説明図である。図4の符号4Aは、図3の符号3Aの状態に対応したカメラ34の撮像画像36であり、符号4Bは、図3の符号3Bの状態に対応したカメラ34の撮像画像36であり、符号4Cは、図3の符号3Cの状態に対応したカメラ34の撮像画像36である。なお、図4中の縦軸は、カメラ34による撮像時の白色干渉顕微鏡10のZ方向位置を示す。
 白色干渉顕微鏡10には、テストパターン99が形成された被測定面Wが予めセットされている。図3の符号3A及び図4の符号4Aに示すように、温度制御部100により温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を予め定められた仮目標温度に調整する。この場合に、温度制御部100は本発明の仮目標温度制御部として機能する。仮目標温度は、例えば、メーカによって定められた干渉対物レンズ24の使用環境温度の推奨値である。この状態では、カメラ34により撮像される撮像画像36内のテストパターン99の像はピンボケしている。
 次いで、図3の符号3B及び図4の符号4Bに示すように、既述の合焦制御部98が合焦制御(白色干渉顕微鏡10のZ方向位置調整)を行って、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wのテストパターン99に合わせる。これにより、カメラ34により撮像される撮像画像36内のテストパターン99の像のピントが合うが、測定光路長D1が変化して測定光路長D1と参照光路長D2とが不一致になるので、撮像画像36内の干渉縞101の発生が抑えられる。
 図3の符号3C及び図4の符号4Cに示すように、合焦制御部98による合焦制御の完了後、オペレータが参照面位置調整機構25による参照面24cのX方向位置の手動調整(概略調整)を行って、参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させる。例えばオペレータは、カメラ34により撮像される撮像画像36を観察しながら参照面位置調整機構25を操作して、参照面24cのX方向位置を、撮像画像36内の干渉縞101の強度が最も強くなる位置に調整する。
 既述の通り、参照面位置調整機構25のみで参照光路長D2を測定光路長D1に精密一致させるためには、対物レンズ24aの焦点深度(例えばDOF=0.56μm)よりも十分に小さい制御分解能を有する参照面位置調整機構25が必要になる。一方、本実施形態のように参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させるだけであれば、ネジ式の参照面位置調整機構25でも実行可能である。
 参照面位置調整機構25による手動調整が完了した後、温度制御部100により温度調整部26を制御して参照面収納部24d2の温度を仮目標温度から変化させながら、カメラ34による干渉光L3の撮像及び撮像画像36の出力と、温度センサ28による参照面収納部24d2の温度測定と、を繰り返し行う。なお、参照面収納部24d2の温度変化の範囲は、例えば、仮目標温度を中心とする一定範囲内に設定される。
 次いで、温度制御部100は、参照面収納部24d2の温度変化の間に得られた複数の撮像画像36及び参照面収納部24d2の温度に基づき、詳しくは後述するが、参照光路長D2が測定光路長D1に一致する目標温度を探索及び決定する。そして、温度制御部100が温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を目標温度に調整する。この場合に、温度制御部100は本発明の目標温度制御部として機能する。
 図5は、温度制御部100の機能ブロック図である。図5に示すように、温度制御部100は、参照面収納部24d2の仮目標温度への調整と、参照面収納部24d2の温度変化と、目標温度の決定と、参照面収納部24d2の目標温度への調整と、を制御する。
 なお、温度制御部100による参照面収納部24d2の温度制御方法としては、例えば、温度センサ28の測定結果に基づき参照面収納部24d2の温度を調整するフィードバック制御が行われる。このフィードバック制御としては、PID(Proportional-Integral-Differential)制御が例として挙げられる。
 温度制御部100は、温度取得部100aと、目標温度記憶部100bと、計算処理部100cと、出力制御部100dと、温度変化制御部100eと、画像取得部100fと、目標温度決定部100gと、を備える。
 温度取得部100aは、例えば温度センサ28に接続されたインタフェースである。温度取得部100aは、温度センサ28から参照面収納部24d2の温度測定結果が繰り返し出力されるごとに、温度センサ28からの温度測定結果の取得と、計算処理部100c又は目標温度決定部100gへの温度測定結果の出力と、を繰り返し行う。なお、温度取得部100aは、参照面収納部24d2を仮目標温度又は目標温度に調整する温度調整時には、温度測定結果を計算処理部100cへ出力する。また、温度取得部100aは、参照面収納部24d2の温度変化時は、カメラ34による干渉光L3の撮像に合わせて温度測定結果を目標温度決定部100gへ出力する。
 目標温度記憶部100bは、干渉対物レンズ24の種類に応じて予め定められた仮目標温度と、後述の目標温度決定部100gが決定した目標温度と、を記憶する。なお、目標温度記憶部100bがインターネット上のサーバに設けられていてもよい。
 計算処理部100cは、目標温度の決定前には目標温度記憶部100bから仮目標温度を取得し、目標温度の決定後には目標温度記憶部100bから目標温度を取得する。そして、計算処理部100cは、温度センサ28から新たな温度測定結果が入力されるごとに、この温度測定結果と、仮目標温度又は目標温度(以下、目標温度等と略す)と、の差分を計算して、この差分計算結果を出力制御部100dへ出力する。
 出力制御部100dは、温度調整部26の温度制御を行う。この出力制御部100dには、例えば、計算処理部100cによる差分計算結果と、参照面収納部24d2の温度を目標温度等に調整するために必要な温度調整部26の温度調整量と、の関係を定めたデータテーブル或いは演算式が記憶されている。これにより、出力制御部100dは、計算処理部100cから入力される差分計算結果に基づき、上述のデータテーブル等を参照して温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を目標温度等に調整する。
 温度変化制御部100eは、オペレータが参照面位置調整機構25の手動調整後に例えば操作部17で温度変化開始操作を実行した場合に、出力制御部100dを介して温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を、例えば仮目標温度を中心とする一定範囲内で変化させる。
 画像取得部100fは、例えばカメラ34に接続されたインタフェースである。画像取得部100fは、参照面収納部24d2の温度変化が行われている間、カメラ34に干渉光L3の撮像を繰り返し実行させると共に、カメラ34からの撮像画像36の取得と目標温度決定部100gへの撮像画像36の出力と、を繰り返し行う。
 目標温度決定部100gは、参照面収納部24d2の目標温度の決定を行う。この目標温度決定部100gには、カメラ34と温度取得部100aとが接続されている。そして、目標温度決定部100gは、温度調整部26が参照面収納部24d2の温度変化を行っている間、画像取得部100fから撮像画像36を繰り返し取得すると共に、温度取得部100aから温度測定結果を繰り返し取得して、目標温度の探索及び決定を行う。
 具体的には目標温度決定部100gは、画像取得部100fから入力された複数の撮像画像36ごとに、撮像画像36内の干渉縞101を検出し、さらにその強度(画素値)を検出する。次いで、目標温度決定部100gは、画像取得部100fから入力された複数の撮像画像36の中で干渉縞101の強度が最大になる撮像画像36、すなわち測定光路長D1と参照光路長D2とが一致している状態で撮像された撮像画像36を選択する。
 そして、目標温度決定部100gは、選択した撮像画像36に対応する温度測定結果を目標温度として決定し、この目標温度を目標温度記憶部100bに記憶させる。これにより、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせた状態で、温度制御部100により参照面収納部24d2の温度を目標温度に調整することで、自動的に参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように参照面24cのX方向位置が調整される。
 図2に戻って、測定制御部102は、駆動機構12、光源部20、及びカメラ34を制御して、WLI方式での被測定面Wの三次元形状測定を行う。
 具体的には測定制御部102は、光源部20からの測定光L1の出射を開始させた後、駆動機構12を制御して白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査させる。また、測定制御部102は、駆動機構12が白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査する間、スケール14による白色干渉顕微鏡10のZ方向位置の検出結果に基づき、白色干渉顕微鏡10がZ方向に一定のピッチだけ移動するごとに、カメラ34による干渉光L3の撮像及び制御装置16への撮像画像36の出力を繰り返し実行させる。そして、ピッチごとの撮像画像36は、カメラ34から形状演算部104に入力される。
 なお、カメラ34で干渉光L3を撮像する際のカメラ34のZ方向位置はスケール14により検出可能であるので、白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査する際のピッチは一定ピッチに限定されるものでなく不等ピッチであってもよい(以下同じ)。
 図6は、形状演算部104による被測定面Wの三次元形状の演算を説明するための説明図である。形状演算部104は被測定面Wの三次元形状を演算する。形状演算部104は、白色干渉顕微鏡10が一定のピッチだけ移動するごとに、既述の画像取得部100fのようなインタフェースを介して、カメラ34から入力される撮像画像36を取得する。
 次いで、形状演算部104は、図6に示すように、干渉縞101が発生している各撮像画像36の画素ごとの輝度値を検出する。そして、形状演算部104は、各撮像画像36(カメラ34の撮像素子)の同一座標の画素ごとの輝度値(符号P1参照)を比較する。ここで、図6は任意の1つの画素における輝度値とZ方向位置との関係を示している。形状演算部104は、各撮像画像36の同一座標の画素ごとに輝度値が最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに被測定面Wの高さ情報を演算する。これにより、被測定面Wの三次元形状が求められる。なお、WLI方式での被測定面Wの三次元形状の演算については公知技術(上記特許文献1参照)であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
 [第1実施形態の作用]
 図7は、第1実施形態の三次元形状測定装置9による被測定面Wの三次元形状の測定処理、特に参照面位置調整方法の流れを示したフローチャートである。図7に示すように、三次元形状測定装置9による被測定面Wの三次元形状の測定処理は、大別して、目標温度決定ステップS10と形状測定ステップS20とに分かれる。
 目標温度決定ステップS10では、参照面収納部24d2(ホルダ24d)の目標温度を決定する。なお、目標温度決定ステップS10は、例えば、白色干渉顕微鏡10に新たな干渉対物レンズ24を装着するごと、或いは一定期間ごとに実行される。
 最初にオペレータは、テストパターン99が形成された被測定面Wを白色干渉顕微鏡10にセットする。なお、三次元形状の測定対象の被測定面Wに形成されている各種パターンをテストパターン99として用いてもよい。
 白色干渉顕微鏡10への被測定面W(テストパターン99)のセット完了後、オペレータが操作部17を操作して目標温度の決定開始操作を行うと、温度取得部100aが、温度センサ28からの参照面収納部24d2の温度測定結果の取得と、計算処理部100cへの温度測定結果の出力と、を繰り返し行う。
 また同時に、計算処理部100cが目標温度記憶部100bから仮目標温度の情報を取得する。次いで、計算処理部100cが、温度取得部100aから新たな温度測定結果が入力されるごとに、この温度測定結果と仮目標温度との差分を計算して、この差分計算結果を出力制御部100dへ出力する。そして、出力制御部100dが、差分計算結果に基づき温度調整部26を制御することで、参照面収納部24d2を仮目標温度に調整する(ステップS11、本発明の仮目標温度調整ステップに相当)。
 この際に本実施形態では、干渉対物レンズ24、温度調整部26、及び温度センサ28を断熱材30で覆っているので、断熱材30の内部の温度、特に参照面収納部24d2及びその近傍を仮目標温度で安定させることができる。
 合焦制御部98は、温度センサ28の温度測定結果に基づき参照面収納部24d2が仮目標温度に調整された場合には、光源部20、駆動機構12、及びカメラ34を制御して、対物レンズ24aの焦点をテストパターン99に合わせる合焦制御を行う(ステップS12、本発明の合焦ステップに相当)。なお、ステップS12は、ステップS11の前、或いはステップS11と同時に実行してもよい。
 合焦制御が完了すると、オペレータが、参照面位置調整機構25による参照面24cのX方向位置の手動調整を行って、参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させる(ステップS13、本発明の概略位置調整ステップに相当)。既述の通り、参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させればよいので、ネジ式等の参照面位置調整機構25でも実行可能であり、白色干渉顕微鏡10のコストが抑えられる。そして、オペレータは、操作部17にて参照面収納部24d2の温度変化の開始操作を行う。
 操作部17にて温度変化の開始操作が行われると、温度変化制御部100eが、出力制御部100dを介して温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度変化を開始させる(ステップS14、本発明の温度変化ステップに相当)。
 参照面収納部24d2の温度変化が開始されると、画像取得部100fがカメラ34に干渉光L3の撮像を繰り返し実行させると共に、カメラ34からの撮像画像36の取得と目標温度決定部100gへの撮像画像36の出力とを繰り返し実行する(ステップS15、本発明の撮像ステップに相当)。また同時に温度取得部100aが、カメラ34による干渉光L3の撮像に合わせて温度センサ28による温度測定結果を繰り返し取得して目標温度決定部100gへ繰り返し出力する(ステップS15、本発明の温度取得ステップに相当)。
 以下、参照面収納部24d2の温度変化が継続している間、画像取得部100fから目標温度決定部100gへの撮像画像36の出力と、温度取得部100aから目標温度決定部100gへの温度測定結果の出力と、が繰り返し実行される(ステップS16でNO)。
 参照面収納部24d2の温度変化の完了後(ステップS16でYES)、目標温度決定部100gが、画像取得部100fから入力された各撮像画像36の中から干渉縞101の強度が最大になる撮像画像36を選択し、この撮像画像36に対応する温度測定結果を目標温度として決定する(ステップS17、本発明の目標温度決定ステップに相当)。そして、目標温度決定部100gは、決定した目標温度を目標温度記憶部100bに記憶させる。以上で目標温度決定ステップS10の全ての処理が終了する。
 図8は、図7中の形状測定ステップS20の処理の流れを示したフローチャートである。図8に示すように、オペレータは、目標温度決定ステップS10の完了後、測定対象の被測定面Wを白色干渉顕微鏡10にセットすると共に、操作部17を操作して被測定面Wの三次元形状の測定開始操作を行う。
 測定開始操作がなされると、合焦制御部98が、既述のステップS13と同様の合焦制御を行って、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせる(ステップS21)。なお、ステップS21の合焦制御は省略してもよい。
 合焦制御が完了すると、温度取得部100aが、温度センサ28からの参照面収納部24d2の温度測定結果の取得と、計算処理部100cへの温度測定結果の出力と、を繰り返し行う。
 また同時に計算処理部100cが、目標温度記憶部100bから目標温度の情報を取得して、温度取得部100aから温度センサ28の新たな温度測定結果が入力されるごとに、この温度測定結果と目標温度との差分計算結果を出力制御部100dへ出力する。そして、出力制御部100dが、差分計算結果に基づき温度調整部26を制御することで、参照面収納部24d2を目標温度に調整する(ステップS22、本発明の目標温度調整ステップに相当)。なお、干渉対物レンズ24、温度調整部26、及び温度センサ28は断熱材30で覆われているので、参照面収納部24d2及びその近傍は目標温度で安定する。
 参照面収納部24d2が目標温度決定ステップS10で決定した目標温度に調整されることで、参照面収納部24d2を熱変形させて、参照面24cのX方向位置を、参照光路長D2が測定光路長D1に一致する位置に自動調整することができる。
 ここで、例えば真鍮の線熱膨張係数を20×10-6(1/℃)とし、参照光路長D2を5mmとすると、参照面収納部24d2の1℃あたりの温度変化に対する参照面24cのX方向位置の変化量は0.1μm[=(20×10-6)×(5×10-3)×1]となる。一般に1℃単位の温度制御は容易であるので、参照面収納部24d2の温度調整により参照面24cのX方向位置を調整する場合には、対物レンズ24aの焦点深度(DOF=0.56μm)に対して十分な制御分解能が得られる。これにより、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせた状態において、参照光路長D2を測定光路長D1に高精度に一致させることができる。その結果、ビームスプリッタ24bで生成される干渉光L3に含まれる干渉縞101の強度が強くなる。
 また、本実施形態では、白色干渉顕微鏡10の設置環境温度に関係なく、温度調整部26により参照面収納部24d2の温度を目標温度に調整及び維持することができるので、参照光路長D2を測定光路長D1に一致させた状態を維持可能である。
 ステップS22の実施タイミングはこれに限らない。例えば、システム(三次元形状測定装置9)の電源投入時にステップS22の実行を開始して、すべての測定対象物(被測定面W)の測定が終わるまでホルダ(参照面収納部24d2)の温度を調整し続けても良い。
 そして、測定制御部102は、温度センサ28の温度測定結果に基づき参照面収納部24d2が目標温度に調整されると、駆動機構12を制御して白色干渉顕微鏡10のZ方向の走査を開始させる(ステップS23)。また、測定制御部102は、スケール14による白色干渉顕微鏡10のZ方向位置の検出結果に基づき、白色干渉顕微鏡10がZ方向に一定のピッチだけ移動するごとに、カメラ34による干渉光L3の撮像を繰り返し実行させる(ステップS24、ステップS25でNO、ステップS26)。これにより、カメラ34から形状演算部104に対して、干渉縞101が発生している撮像画像36が逐次入力される。
 白色干渉顕微鏡10の走査が終了すると(ステップS25でYES)、形状演算部104が、干渉縞101が発生している各撮像画像36の画素ごとに輝度値を検出し、各撮像画像36の同一座標の画素ごとに輝度値が最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに被測定面Wの高さ情報を演算する。これにより、形状演算部104によって被測定面Wの三次元形状が演算される(ステップS27)。
 以下、測定対象の被測定面Wが変わるごとに上述のステップS21(ステップS21は省略可)からステップS27の処理が繰り返し実行される。なお、白色干渉顕微鏡10に装着する干渉対物レンズ24の切り替える場合には、上述の目標温度決定ステップS10から繰り返し実行される。
 以上のように第1実施形態では、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせた状態において参照光路長D2が測定光路長D1に一致するような参照面収納部24d2の目標温度を事前に決定して、この目標温度に参照面収納部24d2を温度調整することで、自動的に参照光路長D2を測定光路長D1に高精度に一致させられる。また、コストの高い高分解能な参照面位置調整機構25が不要になる。白色干渉顕微鏡10の設置環境温度に関係なく、参照光路長D2を測定光路長D1に一致した状態を低コストで維持することができる。
 [第2実施形態]
 次に、本発明の第2実施形態の三次元形状測定装置9の説明を行う。上記第1実施形態の三次元形状測定装置9では、参照面収納部24d2の目標温度の決定を行う場合にオペレータが参照面位置調整機構25の手動調整を行って、参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させている。これに対して第2実施形態の三次元形状測定装置9は、参照面位置調整機構25の手動調整を行うことなく、参照面収納部24d2の目標温度の決定を自動で行う。
 図9は、第2実施形態の三次元形状測定装置9による被測定面Wの三次元形状の測定処理の流れを示したフローチャートである。なお、第2実施形態の三次元形状測定装置9は、上記第1実施形態の目標温度決定ステップS10の代わりに目標温度決定ステップS10Aを実行する点を除けば、上記第1実施形態の三次元形状測定装置9と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
 図9に示すように、第2実施形態の目標温度決定ステップS10Aでは、白色干渉顕微鏡10への被測定面Wのセット完了後、オペレータが操作部17を操作して目標温度の決定開始操作を行うと、合焦制御部98が対物レンズ24aの焦点をテストパターン99に合わせる合焦制御を行う(ステップS12)。
 第2実施形態では合焦制御が完了すると、温度変化制御部100eが、出力制御部100dを介して温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度変化を開始させる(ステップS14)。なお、第2実施形態では、第1実施形態のように事前に参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させてはないので、参照面収納部24d2の温度変化の範囲を第1実施形態よりも広く設定することが好ましい。
 以下、第1実施形態(図7参照)と同様に、参照面収納部24d2の温度変化が継続している間、画像取得部100fから目標温度決定部100gへの撮像画像36の出力と、温度取得部100aから目標温度決定部100gへの温度測定結果の出力と、が繰り返し実行される(ステップS15、ステップS16でNO)。
 次いで、目標温度決定部100gが、参照面収納部24d2の温度変化中に画像取得部100fから入力された複数の撮像画像36と、温度取得部100aから入力された複数の温度測定結果と、に基づき、第1実施形態と同様に目標温度の決定及び目標温度記憶部100bへの記憶を行う(ステップS16でYES、ステップS17)。以上で第2実施形態の目標温度決定ステップS10Aの全ての処理が終了する。なお、形状測定ステップS20については、第1実施形態(図8参照)と同じであるので、具体的な説明は省略する。
 以上のように第2実施形態では、参照面位置調整機構25による手動調整を行うことなく、参照面収納部24d2の目標温度の決定を全て自動で行うことができるので、上記第1実施形態で説明した効果に加えて、第1実施形態よりも被測定面Wの三次元形状測定が効率化(自動化)されるという効果が得られる。
 [第3実施形態]
 図10は、第3実施形態の三次元形状測定装置9の温度制御部100の機能ブロック図である。第3実施形態の三次元形状測定装置9の白色干渉顕微鏡10には、アダプタ部23が設けられている。このアダプタ部23には、干渉対物レンズ24に温度調整部26及び温度センサ28を組み付けた複数のレンズ系110が選択的に装着される。
 ここでレンズ系110には、温度調整部26の位置、温度センサ28の位置、及び断熱材30の状態などに起因する温度ムラが生じる。この温度ムラにはレンズ系110ごとに個体差があり、同じ種類の干渉対物レンズ24を備えるレンズ系110同士であったとしても必ずしも目標温度が共通にはならない。このため、レンズ系110ごとに目標温度の管理を行う必要がある。そこで、第3実施形態の三次元形状測定装置9は、複数のレンズ系110ごとの目標温度の管理を行うと共に、アダプタ部23に装着されているレンズ系110に対応した目標温度に従って参照面収納部24d2の温度調整を行う。
 図10に示すように、第3実施形態の三次元形状測定装置9は、温度制御部100の目標温度記憶部100bにデータベース112が格納されている点と、温度制御部100がレンズ系判別部100h及び目標温度取得部100iとして機能する点とを除けば、上記第各実施形態の三次元形状測定装置9と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。なお、図10では、図面の煩雑化を防止するために、温度制御部100の一部の機能(温度変化制御部100e、画像取得部100f、及び目標温度決定部100g)の図示を省略している。
 データベース112には、レンズ系110ごとの固有識別情報(個体識別番号)であるレンズID(identification)と、レンズ系110ごとに既述の目標温度決定ステップS10,S10Aで決定した目標温度と、の対応関係を示す情報が記憶されている。なお、データベース112は、目標温度記憶部100b内ではなく外部のサーバに設けられていてもよい。
 レンズ系判別部100hは、アダプタ部23に装着されているレンズ系110のレンズIDを判別し、その判別結果を目標温度取得部100iへ出力する。例えば、レンズ系110にレンズIDを記憶したID記憶部(図示は省略)を設け、レンズ系判別部100hがID記憶部からレンズIDを取得することでレンズIDの判別を行ってもよい。また、オペレータが操作部17を操作して入力したレンズIDに基づき、レンズ系判別部100hがレンズIDの判別を行ってもよい。
 目標温度取得部100iは、レンズ系判別部100hから入力されるレンズIDに基づき、このレンズIDに対応した目標温度をデータベース112から取得して、計算処理部100cへ出力する。これにより、計算処理部100cが、温度取得部100aから繰り返し入力される温度センサ28の温度測定結果と、目標温度取得部100iから入力された目標温度との差分を計算する。そして、上記各実施形態と同様に、出力制御部100dが、差分計算結果に基づき温度調整部26を制御することで、レンズ系110の参照面収納部24d2を目標温度(仮目標温度)に調整する。
 以上のように第3実施形態では、アダプタ部23に装着されているレンズ系110に対応した目標温度をデータベース112から取得可能であるため、参照面収納部24d2をレンズ系110ごとに定められた目標温度に調整することができる。その結果、レンズ系110の個体差の影響を抑えて、対物レンズ24aの焦点を被測定面Wに合わせた状態において参照光路長D2を測定光路長D1に確実に一致させることができる。これにより、被測定面Wの三次元形状の測定をより高精度に行うことができる。
 [第4実施形態]
 図11は、第4実施形態の三次元形状測定装置9の白色干渉顕微鏡10の干渉対物レンズ24及び断熱材30Aの拡大図である。
 上記各実施形態では、断熱材30により干渉対物レンズ24の全体、温度調整部26、及び温度センサ28を覆っているが、図11に示すように、第4実施形態では、断熱材30Aにより参照面収納部24d2、温度調整部26、及び温度センサ28のみを覆う。なお、第4実施形態は、上記各実施形態の断熱材30とは異なる断熱材30Aを備える点を除けば、上記各実施形態と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
 このように、断熱材30Aにより参照面収納部24d2、温度調整部26、及び温度センサ28を覆うことで、上記各実施形態と同様に参照面収納部24d2及びその近傍を目標温度(仮目標温度)で安定させることができる。さらに、温度調整部26で発生する熱による対物レンズ24aの収差発生を最小に抑えることができるので、温度変化に強い被測定面Wの三次元形状測定を行うことができる。その結果、さらなる高精度及び高信頼度の被測定面Wの三次元形状測定が可能になる。
 [第5実施形態]
 図12は、第5実施形態の三次元形状測定装置9の白色干渉顕微鏡10の干渉対物レンズ200の拡大図である。
 上記各実施形態では白色干渉顕微鏡10にマイケルソン型の干渉対物レンズ24を設けているが、図12に示すように、第5実施形態では、白色干渉顕微鏡10にミラウ型の干渉対物レンズ200を設けている。なお、第5実施形態は、上記各実施形態の干渉対物レンズ24とは異なる干渉対物レンズ200を備える点を除けば、上記各実施形態と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
 ミラウ型の干渉対物レンズ200は、対物レンズ200aと、ビームスプリッタ200bと、参照面200cと、ホルダ200dと、参照面位置調整機構202と、を備える。被測定面WからZ方向上方側に沿って、ビームスプリッタ200bと、参照面200cと、対物レンズ200aと、が順に配置されている。すなわち、対物レンズ200aとビームスプリッタ200bとの間に参照面200cが配置されている。
 対物レンズ200aは、集光作用を有しており、ビームスプリッタ22(図1参照)から入射した測定光L1を、ビームスプリッタ200bを通して被測定面Wに集光させる。
 ビームスプリッタ200bは、本発明の干渉部に相当するものであり、対物レンズ200aから入射する測定光L1の一部を参照光L2として分割し、残りの測定光L1をZ方向下方側に透過して被測定面Wに出射し且つ参照光L2をZ方向上方側の参照面24cに向けて反射する。
 参照面200cは、例えば反射ミラーが用いられ、Z方向下方側のビームスプリッタ200bから入射した参照光L2をビームスプリッタ200bに向けて反射する。この参照面200cは、例えばネジ式の参照面位置調整機構202によってZ方向の位置を手動調整可能である。これにより、ビームスプリッタ200bと参照面200cとの間の参照光路長D2を手動調整することができる。その結果、上記第1実施形態のように、参照面位置調整機構202による手動調整を行うことで、参照光路長D2を測定光路長D1に概略一致させることができる。
 ビームスプリッタ200bは、被測定面Wから戻る測定光L1と参照面200cから戻る参照光L2との干渉光L3を生成し、この干渉光L3をZ方向上方側の対物レンズ200aに向けて出射する。この干渉光L3は、対物レンズ200aからビームスプリッタ22に入射した後、上記各実施形態と同様に、結像レンズ32を経てカメラ34により撮像される。
 ホルダ200dは、上記各実施形態のホルダ24dと同様に真鍮等の可逆的に熱変形可能な材料によってZ方向に延びた筒形状に形成されており、対物レンズ200a、ビームスプリッタ200b、及び参照面200cを収納(保持)する。このホルダ200dの中でビームスプリッタ200b及び参照面200cを収納している部分(領域)が、参照面収納部200d1となる。
 第5実施形態の温度調整部26は、参照面収納部200d1の近傍に設けられており、既述の温度制御部100の制御の下、少なくともビームスプリッタ200bと参照面200cとの間の温度、すなわち参照面収納部200d1の温度を調整する。これにより、参照面収納部200d1の温度を変化させることで、参照面収納部200d1を熱変形させて、この熱変形に応じて参照面200cのZ方向位置を調整可能である。その結果、上記各実施形態と同様に、参照面200cのZ方向位置を、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように調整可能になる。
 温度センサ28は、参照面収納部200d1の近傍に設けられており、ホルダ200dの中で少なくとも参照面収納部200d1の温度を測定し、その温度測定結果を温度制御部100へ出力する(図5参照)。これにより、上記各実施形態と同様に、温度制御部100は、温度センサ28の測定結果に基づき、参照面収納部24d2が目標温度(仮目標温度)に調整されるように温度調整部26を制御するフィードバック制御を行うことができる。
 第5実施形態の断熱材30は、干渉対物レンズ200、温度調整部26、及び温度センサ28を覆うように設けられている。これにより、参照面収納部200d1及びその近傍を目標温度(仮目標温度)で安定させることができる。なお、既述の図11に示した第4実施形態と同様に、断熱材30Aにより参照面収納部200d1、温度調整部26、及び温度センサ28のみを覆うようにしてもよい。
 以上のように第5実施形態においても、ミラウ型の干渉対物レンズ200の参照面収納部200d1(ホルダ200d)の温度制御により、参照光路長D2が測定光路長D1と一致するように参照面200cのZ方向位置(参照光路長D2)を精密調整することができる。その結果、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
 [第6実施形態]
 図16は、被測定面Wの三次元形状を測定する第6実施形態の三次元形状測定装置9の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向のうちでXY方向は水平方向に平行な方向であり、Z方向は上下方向に平行な方向である。
 図16に示すように、第6実施形態の三次元形状測定装置9は、WLI方式での被測定面Wの三次元形状測定と、FV方式での被測定面Wの三次元形状測定と、を切替可能である。この三次元形状測定装置9は、大別して、白色干渉顕微鏡10と、駆動機構12と、スケール14と、制御装置16と、操作部17と、を備える。
 第6実施形態の白色干渉顕微鏡10は、マイケルソン型の走査型白色干渉顕微鏡であり、WLI方式での被測定面Wの三次元形状測定に対応したWLIモード(本発明の第1測定モードに相当)と、FV方式での被測定面Wの三次元形状測定に対応したFVモード(本発明の第2測定モードに相当)と、を含む2種類の測定モードを有する。
 第6実施形態の白色干渉顕微鏡10は、上記第1実施形態(図1参照)の白色干渉顕微鏡10と基本的に同じものであり、光源部20と、ビームスプリッタ22と、干渉対物レンズ24と、温度調整部26と、温度センサ28と、断熱材30と、結像レンズ32と、カメラ34と、を備える。
 第6実施形態の光源部20及びビームスプリッタ22については、上記第1実施形態(図1参照)の光源部20及びビームスプリッタ22と基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第6実施形態の干渉対物レンズ24は、上記第1実施形態(図1参照)の干渉対物レンズ24と基本的に同じものであり、対物レンズ24aとビームスプリッタ24bと参照面24cとホルダ24dとを備える。
 第6実施形態の対物レンズ24a及びビームスプリッタ24bは、上記第1実施形態(図1参照)の対物レンズ24a及びビームスプリッタ24bと基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第6実施形態の参照面24cは、上記第1実施形態(図1参照)の参照面24cと基本的に同じものである。この参照面24cは、不図示の位置調整機構[例えば第1実施形態の参照面位置調整機構25(図1参照)]によってX方向の位置を手動調整可能である。これにより、ビームスプリッタ24bと参照面24cとの間の参照光L2の光路長である参照光路長D2を調整することができる。この参照光路長D2は、WLIモード時において測定光路長D1と一致(略一致を含む)するように調整される。
 第6実施形態のビームスプリッタ24bは、被測定面Wから戻る測定光L1と参照面24cから戻る参照光L2との合波光L3Aを生成し、この合波光L3AをZ方向上方側の対物レンズ24aに向けて出射する。この合波光L3Aは、対物レンズ24a及びビームスプリッタ22を透過して結像レンズ32に入射する。合波光L3Aは、詳しくは後述するが、WLIモード時には干渉縞を含む干渉光であり、FVモード時には干渉縞の発生が抑えられた光となる。
 第6実施形態のホルダ24d及び温度調整部26は、上記第1実施形態(図1参照)のホルダ24d及び温度調整部26と基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第6実施形態の参照面収納部24d2は、上記第1実施形態(図1参照)の参照面収納部24d2と基本的に同じものであり、温度変化に応じて可逆的に熱変形(膨張、収縮)する。これにより、温度調整部26により参照面収納部24d2の温度を変化させることで、参照面収納部24d2を熱変形させてこの熱変形に応じて参照面24cのX方向位置を調整可能である。その結果、既述の参照面位置調整機構25(図1参照)等によらず、参照光L2の参照光路長D2を調整することができる。従って、温度調整部26は、詳しくは後述するが、WLIモードとFVモードとの切り替えに用いられる。
 第6実施形態の温度センサ28は、上記第1実施形態(図1参照)の温度センサ28と基本的に同じものである。この温度センサ28は、少なくとも参照面収納部24d2(ビームスプリッタ24bと参照面24cとの間)の温度を測定し、その温度測定結果を制御装置16へ出力する。この温度センサ28の測定結果は、制御装置16による温度調整部26の制御、すなわちWLIモードとFVモードとの切り替えに利用される。
 第6実施形態の断熱材30及び結像レンズ32は、上記第1実施形態(図1参照)の断熱材30及び結像レンズ32と基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第6実施形態のカメラ34は、上記第1実施形態(図1参照)で説明したカメラ34と基本的に同じものである。このカメラ34は、結像レンズ32により撮像素子の撮像面に結像された合波光L3Aを撮像し、この撮像により得られた合波光L3Aの撮像信号を信号処理して撮像画像36を出力する。撮像画像36は、詳しくは後述するが、WLIモード時には干渉縞を含む画像であり、FVモード時には干渉縞を含まない画像である。
 第6実施形態の駆動機構12は、上記第1実施形態(図1参照)で説明した駆動機構12と基本的に同じものである。この駆動機構12は、制御装置16の制御の下、WLIモード時及びFVモード時の双方において白色干渉顕微鏡10をZ方向に沿って走査する。これにより、WLI方式の測定で必要な測定光路長D1の変更と、FV方式の測定で必要なカメラ34の焦点の移動と、を同時に行うことができる。
 第6実施形態のスケール14は、上記第1実施形態(図1参照)で説明したスケール14と基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第6実施形態の制御装置16は、操作部17に対する入力操作に応じて、白色干渉顕微鏡10(三次元形状測定装置9)の測定モード(WLIモード、FVモード)の切り替え、測定モードごとの白色干渉顕微鏡10による被測定面Wの三次元形状の測定動作、及び測定モードごとの被測定面Wの三次元形状の演算などを統括的に制御する。この制御装置16は、既述の各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。なお、制御装置16の各種機能が、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
 図17は、第6実施形態の制御装置16の機能ブロック図である。図17に示すように、制御装置16には、第6実施形態の白色干渉顕微鏡10の各部(光源部20、温度調整部26、温度センサ28、及びカメラ34)、駆動機構12、及びスケール14、及び操作部17が接続されている。
 第6実施形態の制御装置16は、不図示の記憶部から読み出した不図示の制御プログラムを実行することで、温度制御部300、測定制御部302、第1形状演算部304、及び第2形状演算部306として機能する。
 温度制御部300は、操作部17に対する白色干渉顕微鏡10の測定モード(WLIモード、FVモード)の選択操作に応じて、白色干渉顕微鏡10の測定モードの切り替えを行う。具体的には温度制御部300は、温度調整部26を制御して、参照面収納部24d2の温度を、WLIモードに対応した所定の温度TWLI(℃)とFVモードに対応した所定の温度TFV(℃)とに選択的に切り替える。これにより、温度TWLI及び温度TFVにそれぞれ応じて参照面収納部24d2が熱変形することで、参照面24cのX方向位置が変わる。その結果、参照光路長D2が、WLIモードに対応した長さと、FVモードに対応した長さと、に選択的に切り替えられる。なお、温度TWLIは本発明の第1温度に相当し、温度TFVは本発明の第2温度に相当する。
 図18は、参照面収納部24d2を温度TWLIに調整した場合の参照面24cのX方向位置と、参照面収納部24d2を温度TFVに調整した場合の参照面24cのX方向位置と、を比較した図である。
 図18の符号XVIIIAに示すように、参照面24cのX方向位置は、参照面収納部24d2が温度TWLIに調整されている場合には基準位置Aに一致するように、既述の位置調整機構(不図示)により手動調整されている。基準位置Aとは、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている状態において、参照光路長D2が測定光路長D1に一致するように定められた参照面24cの位置である。
 既述の通り、参照面収納部24d2(ホルダ24d)は可逆的に熱変形する材料で形成されている。このため、参照面収納部24d2を温度TWLIに調整することにより、参照面24cのX方向位置が自動的に基準位置Aに調整される。その結果、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている状態において測定光路長D1と参照光路長D2とが一致する。これにより、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている場合には、ビームスプリッタ24bにおいて被測定面Wから戻った測定光L1と参照面24cから戻った参照光L2とが強く干渉することで、ビームスプリッタ24bで生成される合波光L3Aは干渉縞を含む干渉光になる。従って、この合波光L3Aを撮像したカメラ34から出力される撮像画像36(本発明の第1画像に相当)にも干渉縞が含まれるため、WLI方式の測定が可能になる。
 図18の符号XVIIIBに示すように、温度TFVは、参照面収納部24d2内の参照面24cのX方向位置がシフト位置Bに一致するように設定されている。シフト位置Bとは、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている状態において、参照光路長D2が測定光路長D1とは異なるように定められた参照面24cの位置であって且つ合波光L3A中の干渉縞の発生が抑えられる位置である。以下、温度TFVの決定方法の一例について説明する。
 対物レンズ24aの焦点深度を「DOF(mm)」とし、参照面収納部24d2の線熱膨張係数を「α(/℃)」とし、温度TFVと温度TWLIとの差分を「ΔT」とし、温度TWLIでの参照光路長D2を「d(mm)」とする。そして。参照面収納部24d2の温度が温度TWLIからΔTだけ変化した場合の参照光路長D2の変化量ΔD2は、下記[数1]式で表される。
[数1]
ΔD2=|B-A|×2=ΔT×α×d
 FV方式の測定に影響を与えないように干渉縞の発生を抑えるためには、下記[数2]式に示すように、変化量ΔD2を、焦点深度(DOF)のN倍(Nは任意の自然数)の値よりも大きくする必要がある。すなわち、本願発明の参照光路長D2を測定光路長D1とは異ならせるとは、参照光路長D2を測定光路長D1に一致する状態から変化量ΔD2だけ変化させることに相当する。
[数2]
 ΔD2=ΔT×α×d>|N×DOF|
 上記[数2]式において、例えばNを2以上に設定することで、FV方式の測定に影響を与えないように干渉縞の発生を抑えることができる。よって、上記[数2]式を変形することで、ΔTは以下の[数3]式のように表される。
[数3]
 ΔT=|TFV-TWLI|>|N×DOF/(α×d)|
 上記[数3]式において「DOF」、「α」、及び「d」は既知の値であり、「N」は任意に設定可能である。例えば、白色干渉顕微鏡10で使用されるNA(Numerical Aperture)が0.7の対物レンズ24aの焦点深度を「DOF=0.56μm」とし、参照面収納部24d2の線熱膨張係数を「α=20×10-6」とし、温度TWLIでの参照光路長D2を「d=5mm」とし、Nを2と仮定した場合には、上記[数3]式は下記の[数4式]で表される。
[数4]
 ΔT>2×(0.56×10-3)×/[(20×10-6)×5]=11.2(℃)
 温度TWLIに対して上記[数4]式を満たす温度TFVを設定することで、合波光L3Aの干渉縞の発生が抑えられる。
 既述の通り、参照面収納部24d2は可逆的に熱変形する材料で形成されているので、参照面収納部24d2を温度TFVに調整することにより、参照面24cのX方向位置が自動的にシフト位置Bに調整される。これにより、合波光L3A中の干渉縞の発生が抑えられるので、この合波光L3Aを撮像したカメラ34から出力される撮像画像36(本発明の第2画像に相当)内の干渉縞の発生も抑えられる。その結果、FV方式の測定が可能になる。
 図19は、温度制御部300による測定モードに応じた参照面収納部24d2の温度制御を説明するための説明図である。図19に示すように、温度制御部300は、操作部17で選択された測定モードに応じて参照面収納部24d2の温度を温度TWLIと温度TFVとに選択的に切り替える。
 具体的には温度制御部300は、温度センサ28の測定結果に基づき、参照面収納部24d2が温度TWLI(WLIモード時)又は温度TFV(FVモード時)に調整されるように、温度調整部26を制御するフィードバック制御を行う。このフィードバック制御としては、PID(Proportional-Integral-Differential)制御が例として挙げられる。
 温度制御部300は、温度取得部300aと、目標温度記憶部300bと、計算処理部300cと、出力制御部300dと、を備える。
 温度取得部300aは、例えば温度センサ28に接続されたインタフェースであり、温度センサ28から温度測定結果が繰り返し出力されるごとに、温度センサ28からの温度測定結果の取得と計算処理部300cへの温度測定結果の出力とを繰り返し行う。目標温度記憶部300bは、温度TWLI及び温度TFVを目標温度として予め記憶している。なお、目標温度記憶部300bがインターネット上のサーバに設けられていてもよい。
 計算処理部300cは、操作部17で選択されている測定モード(WLIモード、FVモード)に対応した目標温度(温度TWLI、温度TFV)を目標温度記憶部300bから取得する。そして、計算処理部300cは、温度センサ28から新たな温度測定結果が入力されるごとに、この温度測定結果と目標温度との差分を計算して、この差分計算結果を出力制御部300dへ出力する。
 出力制御部300dは、温度調整部26の温度制御を行う。この出力制御部300dには、例えば、計算処理部300cによる差分計算結果と、参照面収納部24d2の温度を目標温度に調整するために必要な温度調整部26の温度調整量との関係を定めたデータテーブル或いは演算式が記憶されている。これにより、出力制御部300dは、計算処理部300cから入力される差分計算結果に基づき、上述のデータテーブル等を参照して温度調整部26を制御することで、参照面収納部24d2の温度を目標温度に調整する。
 このように温度制御部300は、操作部17で選択された測定モードに応じて参照面収納部24d2の温度を温度TWLIと温度TFVとに選択的に切り替えることで、参照面24cのX方向位置を基準位置Aとシフト位置Bとに選択的に切替可能である。その結果、温度制御部300は、白色干渉顕微鏡10の測定モードをWLIモードとFVモードとに選択的に切り替えることができる。
 図17に戻って、測定制御部302は、駆動機構12、光源部20、及びカメラ34を制御して、操作部17で選択した測定モード(WLIモード、FVモード)に応じて、被測定面Wの三次元形状測定を行う。
 具体的には測定制御部302は、光源部20からの測定光L1の出射を開始させた後、駆動機構12を制御して白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査させる。また、測定制御部302は、駆動機構12が白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査する間、スケール14による白色干渉顕微鏡10のZ方向位置の検出結果に基づき、白色干渉顕微鏡10がZ方向に一定のピッチだけ移動するごとに、カメラ34による合波光L3Aの撮像及び制御装置16への撮像画像36の出力を繰り返し実行させる。なお、FVモード時の上述のピッチは、WLIモード時のピッチと同じであってもよいし、或いはWLIモード時のピッチよりも広く設定されていてもよい。
 上述のピッチごとの撮像画像36は、WLIモード時には第1形状演算部304に入力され、FVモード時には第2形状演算部306に入力される。
 第1形状演算部304は、WLIモード時に上記各実施形態の形状演算部104と同様の方法(図20参照)で被測定面Wの三次元形状を演算する。
 図20は、第2形状演算部306による被測定面Wの三次元形状の演算を説明するための説明図である。第2形状演算部306は、FVモード時に被測定面Wの三次元形状を演算する。第2形状演算部306は、白色干渉顕微鏡10が一定のピッチだけ移動するごとに、不図示の画像取得部を介して、カメラ34から入力される撮像画像36を取得する。
 次いで、第2形状演算部306は、干渉縞の発生が抑えられている各撮像画像36(カメラ34の撮像素子)の画素ごとに合焦度(コントラスト値)を演算する。そして、第2形状演算部306は、図20に示すように、各撮像画像36の同一座標の画素ごとに合焦度(符号P2参照)を比較する。ここで、図20は任意の1つの画素における合焦度とZ方向位置との関係を示している。第2形状演算部306は、同一座標の画素ごとに合焦度が最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに被測定面Wに対するカメラ34の焦点位置を決定する。これにより、被測定面Wの三次元形状が求められる。なお、FVモードでの被測定面Wの三次元形状の演算についても公知技術(上記特許文献1参照)であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
 [第6実施形態の作用]
 図21は、上記構成の第6実施形態の三次元形状測定装置9よる被測定面Wの三次元形状の測定処理の流れを示したフローチャートである(本発明の測定モードの切替方法に相当)。なお、測定制御部302が光源部20からの測定光L1の出射を開始させていると共に、温度センサ28が参照面収納部24d2の温度測定を開始して、その温度測定結果を温度制御部300の温度取得部300aへ繰り返し出力しているものとする。
 図21に示すように、オペレータは、被測定面Wの種類(平面、斜面)、及び測定内容(表面粗さ形状測定、形状測定)に応じて、白色干渉顕微鏡10の測定モードをWLIモード及びFVモードのいずれか一方に決定し、操作部17を操作して測定モードの選択操作を行う(ステップS31)。例えばオペレータは、被測定面Wの表面粗さ形状を測定する場合には操作部17によりWLIモードの選択操作を行い、被測定面Wが斜面である場合或いは被測定面Wの形状測定を行う場合には操作部17によりFVモードの選択操作を行う。
 WLIモードの選択操作が行われると、温度制御部300の計算処理部300cが目標温度記憶部300bから目標温度である温度TWLIの情報を取得する。次いで、計算処理部300cは、温度センサ28から新たな温度測定結果が入力されるごとに、この温度測定結果と温度TWLIとの差分を計算して、この差分計算結果を出力制御部300dへ出力する。そして、出力制御部300dが、差分計算結果に基づき温度調整部26を制御することで、参照面収納部24d2を温度TWLIに調整する(ステップS32A)。
 この際に本実施形態では、干渉対物レンズ24、温度調整部26、及び温度センサ28を断熱材30で覆っているので、断熱材30の内部の温度、特に参照面収納部24d2及びその近傍を温度TWLIで安定させることができる。
 参照面収納部24d2が温度TWLIに調整されると、既述の図18の符号XVIIIAに示したように、参照面24cのX方向位置が基準位置Aに一致するように参照面収納部24d2が熱変形する。この際に、断熱材30により参照面収納部24d2を温度TWLIで安定させているので、参照面24cのX方向位置を基準位置Aに精度よく調整することができる。
 このように可逆的に熱変形可能な参照面収納部24d2を温度制御することにより、不図示の位置調整機構により参照面24cのX方向位置を手動調整する場合と比較して、再現性良く参照面24cのX方向位置を基準位置Aに合わせることができる。また、数十nmの分解能を有する高精度な自動位置調整機構を設ける場合よりも低コストに参照面24cのX方向位置を調整可能である。
 参照面24cのX方向位置を基準位置Aに一致させることで、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている状態において、参照光路長D2が測定光路長D1に一致する。このためビームスプリッタ24bで生成される合波光L3Aに干渉縞が含まれる。これにより、白色干渉顕微鏡10がWLIモードに切り替えられる(ステップS33A)。
 一方、FVモードの選択操作が行われると、温度制御部300の計算処理部300cが目標温度記憶部300bから目標温度である温度TFVの情報を取得する。以下、WLIモードが選択された場合と同様に、計算処理部300cによる差分計算と、出力制御部300dによる温度調整部26の制御と、が実行されることで、参照面収納部24d2の温度が温度TFVに調整される(ステップS32B)。また、既述の通り、干渉対物レンズ24等が断熱材30で覆われているため、参照面収納部24d2及びその近傍を温度TFVで安定させることができる。
 参照面収納部24d2が温度TFVに調整されると、既述の図18の符号XVIIIBに示したように、参照面24cのX方向位置がシフト位置Bに一致するように参照面収納部24d2が熱変形する。この際に、断熱材30により参照面収納部24d2を温度TFVで安定させているので、参照面24cのX方向位置をシフト位置Bに精度よく調整することができる。これにより、参照面24cのX方向位置を手動調整する場合と比較して再現性良く参照面24cのX方向位置をシフト位置Bに合わせることができ、さらに、高精度な自動位置調整機構を用いる場合よりも低コスト化が実現可能である。
 参照面24cのX方向位置をシフト位置Bに一致させることで、干渉対物レンズ24の焦点が被測定面Wに合っている状態において、参照光路長D2が測定光路長D1とは異なる長さになる。このため、ビームスプリッタ24bで生成される合波光L3Aにおける干渉縞の発生が抑えられる。その結果、白色干渉顕微鏡10がFVモードに切り替えられる(ステップS33B)。
 測定制御部302は、白色干渉顕微鏡10の測定モードの切り替えが完了すると、駆動機構12を制御して白色干渉顕微鏡10のZ方向の走査を開始させる(ステップS34)。そして、測定制御部302は、スケール14による白色干渉顕微鏡10のZ方向位置の検出結果に基づき、白色干渉顕微鏡10がZ方向に一定のピッチだけ移動するごとに、カメラ34による合波光L3Aの撮像を繰り返し実行させる(ステップS35、ステップS36でNO、ステップS37)。測定モードがWLIモードである場合には、カメラ34から第1形状演算部304に対して、干渉縞が発生している撮像画像36が逐次入力される。一方、測定モードがFVモードである場合には、カメラ34から第2形状演算部306に対して、干渉縞の発生が抑えられた撮像画像36が逐次入力される。
 なお、FVモードでは、WLIモードよりも上述のピッチを広げられるため、測定時間を短くするができる。また逆にWLIモードでは、FVモードよりも上述のピッチが狭くなるため、被測定面Wの三次元形状測定の垂直分解能が高くなる。
 白色干渉顕微鏡10の走査が終了すると(ステップS36でYES)、測定モードに応じて第1形状演算部304又は第2形状演算部306が作動する(ステップS38)。
 測定モードがWLIモードである場合、第1形状演算部304が、干渉縞が発生している各撮像画像36の画素ごとに輝度値を検出し、各撮像画像36の同一座標の画素ごとに輝度値が最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに被測定面Wの高さ情報を演算する。これにより、第1形状演算部304によって被測定面Wの三次元形状が演算される(ステップS39A)。
 一方、測定モードがFVモードである場合、第2形状演算部306が、干渉縞の発生が抑えられている各撮像画像36の画素ごとに合焦度を演算し、各撮像画像36の同一座標の画素ごとに合焦度が最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに被測定面Wに対するカメラ34の焦点位置を決定する。これにより、第2形状演算部306によって被測定面Wの三次元形状が演算される(ステップS39B)。
 以上のように第6実施形態では、可逆的に熱変形可能な参照面収納部24d2の温度制御により、参照面24cのX方向位置を基準位置Aとシフト位置Bとに再現性良く移動させることができる。これにより、干渉対物レンズ24の交換を行ったり或いは参照面24cのX方向位置を手動調整したりすることなく、白色干渉顕微鏡10の測定モードの切り替えが可能になる。その結果、測定モードの種類に応じた複数種類の干渉対物レンズ24を用意したり、干渉対物レンズ24の切替機構を用意したり、高精度な参照面24cの位置調整機構を設けたりする必要がなくなるので、低コスト化が実現可能である。また、干渉対物レンズ24の着脱によって被測定面Wの三次元形状の測定精度が低下するという問題の発生も防止される。
 [第7実施形態]
 図22は、第7実施形態の三次元形状測定装置9の白色干渉顕微鏡10の干渉対物レンズ24及び断熱材30Aの拡大図である。
 上記第6実施形態では、断熱材30により干渉対物レンズ24の全体、温度調整部26、及び温度センサ28を覆っているが、図22に示すように、第7実施形態では、上記第4実施形態(図11参照)と同様の断熱材30Aにより参照面収納部24d2、温度調整部26、及び温度センサ28のみを覆う。なお、第7実施形態は、上記第6実施形態の断熱材30とは異なる断熱材30Aを備える点を除けば、第6実施形態と基本的に同じ構成であるので、上記第6実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
 このように、断熱材30Aにより参照面収納部24d2、温度調整部26、及び温度センサ28を覆うことで、上記第6実施形態と同様に参照面収納部24d2及びその近傍を目標温度(温度TWLI、温度TFV)で安定させることができる。さらに、温度調整部26で発生する熱による対物レンズ24aの収差発生を最小に抑えることができるので、温度変化に強い被測定面Wの三次元形状測定を行うことができる。その結果、さらなる高精度及び高信頼度の被測定面Wの三次元形状測定が可能になる。
 [第8実施形態]
 図23は、第8実施形態の三次元形状測定装置9の白色干渉顕微鏡10の干渉対物レンズ200の拡大図である。
 上記各実施形態では白色干渉顕微鏡10にマイケルソン型の干渉対物レンズ24を設けているが、図23に示すように、第8実施形態では、上記第5実施形態(図12参照)と同様に白色干渉顕微鏡10にミラウ型の干渉対物レンズ200を設けている。なお、第8実施形態は、上記各実施形態の干渉対物レンズ24とは異なる干渉対物レンズ200を備える点を除けば、上記第6実施形態及び上記第7実施形態と基本的に同じ構成であるので、上記第6実施形態及び上記第7実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
 第8実施形態のミラウ型の干渉対物レンズ200は、対物レンズ200aと、ビームスプリッタ200bと、参照面200cと、ホルダ200dと、を備える。
 第8実施形態の対物レンズ200a及びビームスプリッタ200bは、上記第5実施形態(図12参照)の対物レンズ200a及びビームスプリッタ200bと基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第8実施形態の参照面200cは、上記第5実施形態(図12参照)の参照面200cと基本的に同じものである。この参照面200cは、不図示の位置調整機構によってZ方向の位置を手動調整可能である。これにより、ビームスプリッタ200bと参照面200cとの間の参照光路長D2を調整することができる。この参照光路長D2は、WLIモード時において、ビームスプリッタ200bと被測定面Wとの間の測定光路長D1と一致するように調整される。
 第8実施形態のビームスプリッタ200bは、被測定面Wから戻る測定光L1と参照面200cから戻る参照光L2との合波光L3Aを生成し、この合波光L3AをZ方向上方側の対物レンズ200aに向けて出射する。この合波光L3Aは、対物レンズ200aからビームスプリッタ22に入射した後、上記第6実施形態及び上記第7実施形態と同様に、結像レンズ32を経てカメラ34により撮像される。
 第8実施形態のホルダ200dは、上記第5実施形態(図12参照)のホルダ200dと基本的に同じものであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
 第8実施形態の温度調整部26は、上記第5実施形態(図12参照)の温度調整部26と基本的に同じものであり、参照面収納部200d1の温度を調整する。これにより、参照面収納部200d1を熱変形させて、この熱変形に応じて参照面200cのZ方向位置を調整可能である。その結果、参照面200cのZ方向位置を、参照光路長D2が測定光路長D1に一致する基準位置A(図示は省略)と、参照光路長D2が測定光路長D1に一致しないシフト位置B(図示は省略)と、に調整することができる。このため、上記各実施形態と同様に参照光路長D2が調整可能になるので、白色干渉顕微鏡10の測定モードを、WLIモードとFVモードとに選択的に切替可能になる。
 第8実施形態の温度センサ28は、上記第5実施形態(図12参照)の温度センサ28と基本的に同じものであり、ホルダ200dの中で少なくとも参照面収納部200d1の温度を測定し、その温度測定結果を温度制御部300へ出力する(図19参照)。これにより、上記各実施形態と同様に、温度制御部300は、温度センサ28の測定結果に基づき、参照面収納部24d2が目標温度(温度TWLI、温度TFV)に調整されるように温度調整部26を制御するフィードバック制御を行うことができる。
 第8実施形態の断熱材30は、上記第5実施形態(図12参照)の断熱材30と同様に、干渉対物レンズ200、温度調整部26、及び温度センサ28を覆うように設けられている。これにより、参照面収納部200d1及びその近傍を目標温度(温度TWLI、温度TFV)で安定させることができる。なお、既述の図22に示した第7実施形態と同様に、断熱材30Aにより参照面収納部200d1、温度調整部26、及び温度センサ28のみを覆うようにしてもよい。
 以上のように第8実施形態においても、ミラウ型の干渉対物レンズ200の参照面収納部200d1(ホルダ200d)の温度制御により、参照面200cのZ方向位置を基準位置Aとシフト位置Bとに再現性良く移動させられるので、上記各実施形態と同様に白色干渉顕微鏡10の測定モードの切り替えが可能になる。その結果、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
 なお、白色干渉顕微鏡10の測定モードを切り替える方法として、例えばマイケルソン型の干渉対物レンズ24であれば、参照光L2の光路中にシャッタを挿脱することで測定モードをFVモードとWLIモードとに切替可能である。しかしながら、ミラウ型の干渉対物レンズ200の場合には、参照光L2の光路中にシャッタを挿入すると、測定光L1までシャッタにより遮られてしまうため、FVモードでの測定を行うことができない。従って、第8実施形態の白色干渉顕微鏡10のようにミラウ型の干渉対物レンズ200を備えている場合には、参照面収納部200d1(ホルダ200d)の温度制御により測定モードの切り替えを行うことが有効である。
 [その他]
 上記各実施形態では、白色干渉顕微鏡10にマイケルソン型の干渉対物レンズ24又はミラウ型の干渉対物レンズ200が設けられている場合を例に挙げて説明したが、例えばリニック型などの公知の各種干渉対物レンズを設けてもよい。また、干渉対物レンズ24の各部(対物レンズ24a,200a、ビームスプリッタ24b,200b、参照面24c,200c)が別体に設けられていてもよい。
 上記各実施形態では、駆動機構12により白色干渉顕微鏡10をZ方向に走査しているが、少なくとも干渉対物レンズ24、200及びカメラ34をZ方向に走査可能であれば、走査対象は特に限定はされない。
9 三次元形状測定装置
10 白色干渉顕微鏡
12 駆動機構
14 スケール
16 制御装置
17 操作部
20 光源部
22 ビームスプリッタ
23 アダプタ部
24 干渉対物レンズ
24a 対物レンズ
24b ビームスプリッタ
24c 参照面
24d ホルダ
24d1 レンズ鏡胴
24d2 参照面収納部
25 参照面位置調整機構
26 温度調整部
28 温度センサ
30 断熱材
30A 断熱材
32 結像レンズ
34 カメラ
36 撮像画像
98 合焦制御部
99 テストパターン
100 温度制御部
100a 温度取得部
100b 目標温度記憶部
100c 計算処理部
100d 出力制御部
100e 温度変化制御部
100f 画像取得部
100g 目標温度決定部
100h レンズ系判別部
100i 目標温度取得部
101 干渉縞
102 測定制御部
104 形状演算部
110 レンズ系
112 データベース
200 干渉対物レンズ
200a 対物レンズ
200b ビームスプリッタ
200c 参照面
200d ホルダ
200d1 参照面収納部
202 参照面位置調整機構
300 温度制御部
300a 温度取得部
300b 目標温度記憶部
300c 計算処理部
300d 出力制御部
302 測定制御部
304 第1形状演算部
306 第2形状演算部
500 干渉対物レンズ
501 干渉部
502 参照面
504 対物レンズ
506 ホルダ
D1 測定光路長
D2 参照光路長
L1 測定光
L2 参照光
L3 干渉光
W 被測定面
A 基準位置
B シフト位置
L3A 合波光
FV 温度
WLI 温度
W 被測定面
ΔD2 変化量

Claims (20)

  1.  白色光である測定光を出射する光源部と、
     前記光源部より出射された前記測定光から前記測定光の一部を参照光として分割し、前記測定光を被測定面に出射し且つ前記参照光を参照面に出射して、前記被測定面から戻る前記測定光と前記参照面から戻る前記参照光との干渉光を生成する干渉部と、
     前記干渉部及び前記参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、前記温度変化に応じて前記干渉部と前記参照面との間の前記参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、
     前記干渉部と前記被測定面との間の前記測定光の光路長を測定光路長とした場合に、前記ホルダの温度を、前記参照光路長が前記測定光路長に一致する目標温度に調整する温度調整部と、
     を備える三次元形状測定装置。
  2.  前記ホルダの温度を測定する温度測定部と、
     前記測定光を前記被測定面に集光させる対物レンズと、
     前記干渉部が生成した前記干渉光を撮像するカメラと、
     前記温度調整部を制御して、前記ホルダの温度を予め定められた仮目標温度に調整する仮目標温度制御部と、
     前記対物レンズの焦点を前記被測定面に合わせる合焦制御部と、
     前記ホルダが前記仮目標温度に調整され且つ前記対物レンズの焦点が前記被測定面に合っている状態で、前記参照面の位置の手動調整を受け付けて、前記参照光路長を前記測定光路長に概略一致させる参照面位置調整機構と、
     前記参照光路長が前記測定光路長に概略一致している状態で、前記温度調整部を制御して、前記ホルダの温度を変化させる温度変化制御部と、
     前記温度変化制御部が前記ホルダの温度を変化させている間、前記カメラに前記干渉光を繰り返し撮像させて前記カメラから複数の画像を取得する画像取得部と、
     前記カメラが前記干渉光の撮像を行うごとに、前記温度測定部の温度測定結果を取得する温度取得部と、
     前記画像取得部が取得した複数の前記画像と、前記画像ごとに前記温度取得部が取得した前記温度測定結果と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を前記目標温度として決定する目標温度決定部と、
     を備える請求項1に記載の三次元形状測定装置。
  3.  前記ホルダの温度を測定する温度測定部と、
     前記測定光を前記被測定面に集光させる対物レンズと、
     前記干渉部が生成した前記干渉光を撮像するカメラと、
     前記対物レンズの焦点を前記被測定面に合わせる合焦制御部と、
     前記対物レンズの焦点が前記被測定面に合っている状態で、前記温度調整部を制御して、前記ホルダの温度を変化させる温度変化制御部と、
     前記温度変化制御部が前記ホルダの温度を変化させている間、前記カメラに前記干渉光を繰り返し撮像させて前記カメラから複数の画像を取得する画像取得部と、
     前記温度変化制御部が前記ホルダの温度を変化させている間、前記温度測定部の温度測定結果を繰り返し取得する温度取得部と、
     前記画像取得部が取得した複数の前記画像と、前記温度取得部が取得した複数の前記温度測定結果と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を前記目標温度として決定する目標温度決定部と、
     を備える請求項1に記載の三次元形状測定装置。
  4.  前記ホルダの温度を測定する温度測定部と、
     前記目標温度と前記温度測定部の温度測定結果とに基づき、前記温度調整部を制御して、前記ホルダの温度を前記目標温度に調整する目標温度制御部と、
     を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  5.  前記温度調整部が、前記ホルダの中で前記参照面を収納している参照面収納部の温度を変化させ、
     前記温度測定部が、前記参照面収納部の温度を測定する請求項4に記載の三次元形状測定装置。
  6.  少なくとも、前記参照面収納部、前記温度測定部、及び前記温度調整部を覆う断熱材を備える請求項5に記載の三次元形状測定装置。
  7.  前記ホルダ、前記温度調整部、及び前記温度測定部を含む複数のレンズ系が選択的に装着されるアダプタ部と、
     複数の前記レンズ系と、前記レンズ系ごとに定められた前記目標温度と、の対応関係を記憶した目標温度記憶部と、
     前記アダプタ部に装着された前記レンズ系を判別するレンズ系判別部と、
     前記レンズ系判別部の判別結果に基づき、前記目標温度記憶部から前記アダプタ部に装着されている前記レンズ系に対応した前記目標温度を取得する目標温度取得部と、
     を備え、
     前記目標温度制御部が、前記目標温度取得部が取得した前記目標温度に従って前記温度調整部を制御する請求項4から6のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  8.  前記測定光を前記被測定面に集光する対物レンズを備え、
     前記干渉部が、前記対物レンズと前記被測定面との間に配置され、
     前記参照面が、前記対物レンズと前記干渉部との間に配置されている請求項1から7のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  9.  前記干渉部が生成した前記干渉光を撮像するカメラと、
     前記被測定面に対して少なくとも前記干渉部を、前記測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、
     前記走査部による走査の間、前記カメラが前記干渉光を繰り返し撮像して得られた複数の画像における同一座標の画素ごとの輝度値に基づき、前記画素ごとに前記被測定面の高さ情報を演算して前記被測定面の三次元形状を求める形状演算部を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  10.  白色光である測定光から前記測定光の一部を参照光として分割し、前記測定光を被測定面に出射し且つ前記参照光を参照面に出射して、前記被測定面から戻る前記測定光と前記参照面から戻る前記参照光との干渉光を生成する干渉部と、
     前記測定光を前記被測定面に集光させる対物レンズと、
     前記干渉部及び前記参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、前記温度変化に応じて前記干渉部と前記参照面との間の前記参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、
     を備える三次元形状測定装置の参照面位置調整方法において、
     前記ホルダの温度を予め定められた仮目標温度に調整する仮目標温度調整ステップと、
     前記対物レンズの焦点を前記被測定面に合わせる合焦ステップと、
     前記ホルダが前記仮目標温度に調整され且つ前記対物レンズの焦点が前記被測定面に合っている状態で、前記参照面の位置を手動調整して、前記干渉部と前記被測定面との間の前記測定光の光路長である測定光路長に前記参照光路長を概略一致させる概略位置調整ステップと、
     前記概略位置調整ステップの後に、前記ホルダの温度を変化させる温度変化ステップと、
     前記ホルダの温度が変化している間、前記干渉光を繰り返し撮像する撮像ステップと、
     前記撮像ステップで前記干渉光の撮像が行われるごとに、前記ホルダの温度を取得する温度取得ステップと、
     前記撮像ステップで得られた複数の画像と、前記温度取得ステップで得られた前記画像ごとの前記ホルダの温度と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定ステップと、
     前記ホルダの温度を、前記目標温度決定ステップで決定した前記目標温度に調整する目標温度調整ステップと、
     を有する三次元形状測定装置の参照面位置調整方法。
  11.  白色光である測定光から前記測定光の一部を参照光として分割し、前記測定光を被測定面に出射し且つ前記参照光を参照面に出射して、前記被測定面から戻る前記測定光と前記参照面から戻る前記参照光との干渉光を生成する干渉部と、
     前記測定光を前記被測定面に集光させる対物レンズと、
     前記干渉部及び前記参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、前記温度変化に応じて前記干渉部と前記参照面との間の前記参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、
     を備える三次元形状測定装置の参照面位置調整方法において、
     前記対物レンズの焦点を前記被測定面に合わせる合焦ステップと、
     前記合焦ステップの後に、前記ホルダの温度を変化させる温度変化ステップと、
     前記ホルダの温度が変化している間、前記干渉光を繰り返し撮像する撮像ステップと、
     前記撮像ステップで前記干渉光の撮像が行われるごとに、前記ホルダの温度を取得する温度取得ステップと、
     前記撮像ステップで得られた複数の画像と、前記温度取得ステップで得られた前記画像ごとの前記ホルダの温度と、に基づき、干渉縞の強度が最大になる温度を目標温度として決定する目標温度決定ステップと、
     前記ホルダの温度を、前記目標温度決定ステップで決定した前記目標温度に調整する温度調整ステップと、
     を有する三次元形状測定装置の参照面位置調整方法。
  12.  白色光である測定光を出射する光源部と、
     前記光源部より出射された前記測定光から前記測定光の一部を参照光として分割し、前記測定光を被測定面に出射し且つ前記参照光を参照面に出射して、前記被測定面から戻る前記測定光と前記参照面から戻る前記参照光との合波光を生成する干渉部と、
     前記干渉部が生成した前記合波光を撮像するカメラと、
     前記干渉部と前記被測定面との間の前記測定光の光路長を測定光路長とした場合に、前記被測定面に対して前記干渉部及び前記カメラを、前記測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、
     前記走査部による走査の間、前記カメラに前記合波光を繰り返し撮像させる測定制御部と、
     前記干渉部及び前記参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、前記温度変化に応じて前記干渉部と前記参照面との間の前記参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、
     前記ホルダの温度を調整する温度調整部と、
     前記温度調整部を制御して、前記参照光路長を前記測定光路長に一致させることで前記合波光に干渉縞を発生させる第1測定モードと、前記参照光路長を前記測定光路長とは異ならせることで前記合波光における前記干渉縞の発生を抑える第2測定モードと、に選択的に切替可能な温度制御部と、
     を備える三次元形状測定装置。
  13.  前記温度制御部が前記第1測定モードへの切り替えを行った場合に、前記カメラが、前記走査部による走査の間、前記合波光を繰り返し撮像して前記干渉縞を含む複数の第1画像を出力し、
     前記カメラから出力された複数の前記第1画像の同一座標の画素ごとの輝度値に基づき、前記画素ごとに前記被測定面の高さ情報を演算して前記被測定面の三次元形状を求める第1形状演算部を備える請求項12に記載の三次元形状測定装置。
  14.  前記温度制御部が前記第2測定モードへの切り替えを行った場合に、前記カメラが、前記走査部による走査の間、前記合波光を繰り返し撮像して干渉縞の発生が抑えられている複数の第2画像を出力し、
     前記カメラから出力された複数の前記第2画像の同一座標の画素ごとに、前記走査方向における合焦度の変化を演算した結果に基づき、前記被測定面の三次元形状を求める第2形状演算部を備える請求項12又は13に記載の三次元形状測定装置。
  15.  前記ホルダの温度を測定する温度測定部を備え、
     前記温度制御部が、前記第1測定モードに対応する前記温度である第1温度と、前記第2測定モードに対応する前記温度である第2温度と、を含む目標温度を予め取得しており、
     前記温度制御部が、前記温度測定部の測定結果と前記目標温度とに基づき、前記温度調整部を制御して、前記第1測定モードと前記第2測定モードとの切り替えを行う請求項12から14のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  16.  前記温度調整部が、前記ホルダの中で前記参照面を収納している参照面収納部の温度を変化させ、
     前記温度測定部が、前記参照面収納部の温度を測定する請求項15に記載の三次元形状測定装置。
  17.  少なくとも、前記参照面収納部、前記温度測定部、及び前記温度調整部を覆う断熱材を備える請求項16に記載の三次元形状測定装置。
  18.  前記走査部が、少なくとも前記ホルダ及び前記カメラを前記走査方向に移動させる請求項12から17のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  19.  前記測定光を前記被測定面に集光する対物レンズを備え、
     前記干渉部が、前記対物レンズと前記被測定面との間に配置され、
     前記参照面が、前記対物レンズと前記干渉部との間に配置されている請求項12から18のいずれか1項に記載の三次元形状測定装置。
  20.  白色光である測定光を出射する光源部と、
     前記光源部より出射された前記測定光から前記測定光の一部を参照光として分割し、前記測定光を被測定面に出射し且つ前記参照光を参照面に出射して、前記被測定面から戻る前記測定光と前記参照面から戻る前記参照光との合波光を生成する干渉部と、
     前記干渉部が生成した前記合波光を撮像するカメラと、
     前記干渉部と前記被測定面との間の前記測定光の光路長を測定光路長とした場合に、前記被測定面に対して前記干渉部及び前記カメラを、前記測定光路長が変化する走査方向に相対的に走査する走査部と、
     前記干渉部及び前記参照面を収納するホルダであって、温度変化に応じて可逆的に熱変形する材料で形成されており、前記温度変化に応じて前記干渉部と前記参照面との間の前記参照光の光路長である参照光路長を変化させるホルダと、
     を備える三次元形状測定装置の測定モード切替方法において、
     前記ホルダの温度を調整して、前記参照光路長を前記測定光路長に一致させることで前記合波光に干渉縞を発生させる第1測定モードと、前記参照光路長を前記測定光路長とは異ならせることで前記合波光における前記干渉縞の発生を抑える第2測定モードと、に選択的に切り替える三次元形状測定装置の測定モード切替方法。
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