WO2023145642A1

WO2023145642A1 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

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Publication number: WO2023145642A1
Application number: PCT/JP2023/001692
Authority: WO
Inventors: 弘一吉田; 幸代青木; 泰成畠澤; 隆広会沢
Original assignee: 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Priority date: 2022-01-31
Filing date: 2023-01-20
Publication date: 2023-08-03

Abstract

表示装置（１４）に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで表示装置（１４）に送信する情報処理装置であって、表示用フレーム画像を描画し、描画した表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで表示装置（１４）に対して送信し、表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を表示装置（１４）に表示させる場合に、動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える情報処理装置である。

Description

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

　本発明は、表示装置の画面に表示する映像を生成する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。

　一般的に、家庭用テレビ受像機などの表示装置は、画面に表示する静止画像（フレーム画像）を予め定められた周期（リフレッシュレート）で更新し続けることによって、映像を表示する。そのため、表示装置に表示させる映像を生成する情報処理装置は、このリフレッシュレートに合わせた固定のフレームレートで、映像を構成する各フレーム画像を描画する必要がある。しかしながら、フレームレートが固定されていると、情報処理装置の描画性能を十分に生かせなかったり、逆に情報処理装置の描画性能が不足している場合にスタッタリングやティアリングなどの表示の乱れが発生したりするなどの問題があった。

　そこで、ＨＤＭＩ（登録商標）などの映像規格においては、表示装置のリフレッシュレートを可変とする可変リフレッシュレート（ＶＲＲ）と呼ばれる技術が提案されている。この技術によれば、表示装置が任意のリフレッシュレートで表示画像を更新することができるので、情報処理装置は自身の描画速度などに応じてフレームレートを動的に変化させることにより、より望ましいフレームレートでフレーム画像を描画することができる。

　上述した技術においては、情報処理装置は自身の描画速度などに応じて変化するフレームレートでフレーム画像を更新することになる。しかしながら、場合によっては、このように可変フレームレートでフレーム画像を更新することが適切でない場合がある。

　本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、状況に応じて適切な手法で映像を構成するフレーム画像を更新することのできる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。

　本発明の一態様に係る情報処理装置は、表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信する情報処理装置であって、前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画部と、前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画部の動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える動作モード切り替え部と、を含むことを特徴とする。

　本発明の一態様に係る情報処理方法は、表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信する情報処理方法であって、前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画ステップと、前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画ステップにおいて固定フレームレートで前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信するよう動作モードを切り替える動作モード切り替えステップと、を含むことを特徴とする。

　本発明の一態様に係るプログラムは、表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信するコンピュータに、前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画ステップと、前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画ステップにおいて固定フレームレートで前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信するよう動作モードを切り替える動作モード切り替えステップと、を実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能で非一時的な情報記憶媒体に格納されて提供されてよい。

本発明の実施の形態に係る情報処理装置の概略構成を示す構成ブロック図である。本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実現する機能を示す機能ブロック図である。表示装置に表示される表示用フレーム画像の一例を示す図である。本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実現する機能の別の例を示す機能ブロック図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。

　本発明の一実施形態に係る情報処理装置１０は、家庭用ゲーム機やパーソナルコンピュータ等であって、図１に示すように、制御部１１と、記憶部１２と、インタフェース部１３と、を含んで構成されている。また、情報処理装置１０は、表示装置１４、及び操作デバイス１５とデータ通信可能に接続されている。

　制御部１１は、ＣＰＵ等のプロセッサを少なくとも一つ含み、記憶部１２に記憶されているプログラムを実行して各種の情報処理を実行する。制御部１１は、画像処理に特化したＧＰＵなどの演算装置を含んでもよい。なお、本実施形態において制御部１１が実行する処理の具体例については、後述する。記憶部１２は、ＲＡＭ等のメモリデバイスを少なくとも一つ含み、制御部１１が実行するプログラム、及び当該プログラムによって処理されるデータを格納する。また、記憶部１２は、後述するフレーム画像を一時的に格納するバッファメモリを含む。

　インタフェース部１３は、表示装置１４、及び操作デバイス１５との間のデータ通信のためのインタフェースである。情報処理装置１０は、インタフェース部１３を介して有線又は無線のいずれかで表示装置１４、及び操作デバイス１５のそれぞれと接続される。具体的にインタフェース部１３は、情報処理装置１０が供給する映像信号を表示装置１４に送信するためのマルチメディアインタフェースを含むこととする。特に本実施形態においてインタフェース部１３は、ＨＤＭＩなどの可変リフレッシュレートに対応した規格で映像信号を送信可能なインタフェースを備えることとする。また、インタフェース部１３は、ユーザーによる操作入力の内容を示す操作信号を操作デバイス１５から受信するためのデータ通信インタフェースを含んでいる。さらにインタフェース部１３は、インターネット等の通信ネットワークを介して他のコンピュータとデータを送受信するための通信インタフェースを含んでもよい。

　表示装置１４は、家庭用テレビ受像機やパーソナルコンピュータ用のモニタ装置などであって、情報処理装置１０から受信した映像信号に基づく映像を表示する。特に本実施形態では、表示装置１４は可変リフレッシュレート技術に対応しており、情報処理装置１０が供給する映像信号に含まれる同期信号に応じて決まる任意のタイミングで、画面に表示されるフレーム画像を更新する。すなわち、表示装置１４は、予め定められた固定のリフレッシュレートではなく、動的に変化するリフレッシュレートで表示するフレーム画像を更新することができる。

　操作デバイス１５は、情報処理装置１０のユーザーによる操作入力を受け付けるためのデバイスであって、例えば家庭用ゲーム機用のコントローラやキーボード、マウス等であってよい。操作デバイス１５は、ユーザーの操作入力を受け付けるためにボタンやタッチパッド等の操作部材を備え、その操作部材に対するユーザーの操作入力の内容を示す操作信号を情報処理装置１０に対して送信する。

　以下、本実施形態において情報処理装置１０が実現する機能について、図２の機能ブロック図を用いて説明する。同図に示されるように、情報処理装置１０は、機能的に、描画命令発行部２１と、フレーム画像描画部２２と、動作モード切り替え部２３と、を含んで構成されている。これらの機能は、記憶部１２に格納されている１又は複数のプログラムを制御部１１が実行することにより、実現される。これらのプログラムは、インターネット等の通信ネットワークを経由して情報処理装置１０に提供されてもよいし、光ディスク等の情報記憶媒体に格納されて情報処理装置１０に提供されてもよい。

　描画命令発行部２１は、表示装置１４の画面に表示すべきフレーム画像（以下、表示用フレーム画像という）の内容を決定し、その描画命令をフレーム画像描画部２２に対して発行する。描画命令発行部２１は、ゲームプログラムなどのアプリケーションプログラムによって実現される。一例として、仮想空間内でキャラクターを操作するタイプのゲームの処理を実行する場合、描画命令発行部２１は仮想空間内に配置される各種オブジェクトの位置や状態、また視点位置などを決定し、その仮想空間の様子を描画する描画命令を発行する。

　描画命令発行部２１は、ループ処理を継続して実行することにより、このような表示用フレーム画像の描画命令を繰り返し発行する。これにより、表示装置１４の画面に表示されるフレーム画像が順次更新され、映像としてユーザーに提示される。前述したように、表示装置１４は可変リフレッシュレートに対応しているため、描画命令発行部２１は描画命令を一定時間おきに発行する必要はなく、フレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像の描画を終了したタイミングで適宜次に表示すべき表示用フレーム画像の描画命令を発行することができる。

　フレーム画像描画部２２は、描画命令発行部２１から受け付けた描画命令に応じて、表示装置１４の画面に表示するための表示用フレーム画像を描画し、描画した表示用フレーム画像のデータを含む映像信号を表示装置１４に対して送信する。フレーム画像描画部２２は、例えばグラフィックライブラリやゲームエンジンなど、描画命令発行部２１を実現するプログラムとは独立したプログラムによって実現されてよい。

　フレーム画像描画部２２は、可変フレームレート、及び固定フレームレートのいずれかの動作モードで表示用フレーム画像を更新する。ここで表示用フレーム画像の更新とは、フレーム画像描画部２２が描画済みの表示用フレーム画像の表示装置１４への送信を開始し、次の表示用フレーム画像を描画可能な状態にすることを指している。

　具体的に、描画命令発行部２１を実現するプログラムや接続されている表示装置が可変リフレッシュレートに対応していない場合、フレーム画像描画部２２は固定フレームレートで表示用フレーム画像の更新を行う。この場合、フレーム画像描画部２２は描画命令に応じて描画した表示用フレーム画像を、予め定められたフレームレートで一定時間おきに表示装置１４に対して送信する。

　これに対して、可変リフレッシュレートに対応する表示装置１４が接続されており、描画命令発行部２１を実現するプログラムが可変フレームレートでの描画に対応するプログラムである場合には、フレーム画像描画部２２は可変フレームレートで表示用フレーム画像を更新する。この場合、フレーム画像描画部２２は、所定時間の経過を待たずに、表示用フレーム画像の描画が終了するごとに、順次描画した表示用フレーム画像を表示装置１４に送信する。

　どちらの動作モードにおいても、描画命令発行部２１は、フレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像を更新するタイミングで、次の表示用フレーム画像の描画命令を発行するための処理を実行する。これにより、フレーム画像描画部２２がどちらの動作モードで動作していても、描画命令発行部２１は表示用フレーム画像が更新されるタイミングに合わせたサイクルで描画命令を発行し続けることができる。

　ここで、描画命令発行部２１は、予め用意された動画像や情報処理装置１０の外部から提供される動画像など、フレーム画像描画部２２自身がリアルタイムで表示用フレーム画像の描画を行う際には既に描画済みの部分を含む動画像を、表示装置１４に表示させる場合がある。このように、表示装置１４に表示される対象となる動画像であるが、フレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像を描画するタイミングにおいてその表示用フレーム画像に含めるべきフレーム画像が既に描画済みの動画像を、以下では描画済み動画像という。

　具体的に、描画済み動画像には、事前にエンコーディングされ、情報処理装置１０に接続されたハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどの記憶デバイスに予め保存されている動画像（保存動画像）が含まれてよい。例えば描画命令発行部２１は、ゲームの実行中に所定のイベントが発生した場合などに、記憶デバイスに保存されているムービーシーンの動画像を表示することがある。また、描画命令発行部２１は、ユーザーがプレイ中のゲーム画面とともに、表示画面内の一部の領域にゲームのヒントなどを表す動画像を同時に表示することがある。

　図３は、このように保存動画像の内容が画面の一部に含まれる場合の表示用フレーム画像の一例を示している。この図の例では、表示装置１４に表示される表示用フレーム画像全体のうち、一部を占める領域Ａ内に保存動画像の内容が含まれている。この場合フレーム画像描画部２２は、画面全体について描画命令発行部２１の描画命令に基づいてリアルタイムで表示すべき内容を描画するとともに、領域Ａの位置に保存動画像を構成するフレーム画像を配置することによって、表示用フレーム画像を生成する。

　一般的に、保存動画像は固定フレームレートで予め作成された動画像である。そのため、保存動画像の内容を含む表示用フレーム画像を可変フレームレートで描画すると、保存動画像を構成する各フレーム画像が表示されるタイミングが作成時とずれてしまうおそれがある。

　また、描画済み動画像には、情報処理装置１０とは別のコンピュータから通信ネットワークを経由して情報処理装置１０に対して配信される動画像（配信動画像）が含まれてよい。例えば情報処理装置１０は、情報処理装置１０のユーザー自身がプレイ中のゲーム画面とは別に、オンラインで接続された他のプレイヤーがプレイ中のゲーム画面を表す動画像を通信ネットワーク経由で受信し、表示装置１４の画面に表示する場合がある。この場合、配信元のコンピュータによる描画及び配信と、情報処理装置１０における受信及び表示が、並行して実行されることとなる。

　このようにリアルタイムで配信が行われる場合も、情報処理装置１０は、配信元コンピュータで描画された配信動画像のフレーム画像を順次受信し、表示用フレーム画像に含めることとなる。すなわち、配信動画像の内容を表示装置１４の画面に表示する場合、フレーム画像描画部２２が描画する表示用フレーム画像には、配信元コンピュータで描画済みの配信動画像のフレーム画像が含まれることとなる。この場合に配信動画像を構成する各フレーム画像は、フレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像を描画するタイミングと同期するタイミングで描画されたものとは限らない。具体的に、配信動画像は配信元コンピュータによって固定フレームレート又は可変フレームレートで描画された動画像であるが、どちらの場合にも所与のフォーマットでエンコーディングされて情報処理装置１０に配信されることとなる。そのため、配信動画像が配信元コンピュータにおいて可変フレームレートで描画された動画像であったとしても、元のフレームレートと同期したフレームレートで情報処理装置１０が表示用フレーム画像を更新することは難しい。

　以上説明したように、描画済み動画像を表示対象に含める場合、描画処理の終了を契機に新たな表示画像の描画命令を発行する可変フレームレートの動作モードでは、描画済み動画像の内容が適切に表示されないおそれがある。描画済み動画像は、固定フレームレートで予め生成された動画像や、情報処理装置１０において表示用フレーム画像の描画に要する時間とは異なるフレームレートで生成された動画像であるためである。

　そこで本実施形態に係る情報処理装置１０においては、動作モード切り替え部２３が、必要に応じてフレーム画像描画部２２の動作モードを切り替える切り替え命令を発行する。描画命令発行部２１と動作モード切り替え部２３は、同じプログラムによって実現されてよい。

　具体的に、動作モード切り替え部２３は、描画済み動画像の内容を表示すると描画命令発行部２１が決定した場合、固定フレームレートで動作するよう要求する動作モード切り替え命令をフレーム画像描画部２２に対して発行する。この切り替え命令は、フレーム画像描画部２２を実現するプログラムが提供するＡＰＩの呼び出しなどによって実現されてよい。

　その後、描画命令発行部２１は、描画済み動画像を含む画面の描画命令を定期的に発行する。これに応じてフレーム画像描画部２２は、描画済み動画像の内容を含む表示用フレーム画像を固定フレームレートで更新し、表示装置１４の画面に表示させる。なお、前述したようにフレーム画像描画部２２による表示用フレーム画像の更新タイミングに応じて描画命令発行部２１が次の描画命令を発行することによって、描画命令発行部２１はフレーム画像描画部２２がどちらの動作モードで動作しているか関知することなく、描画命令発行のループ処理を継続して実行することができる。

　この固定フレームレートへの切り替え命令には、切り替え後のフレームレートの値を指定する情報が含まれてもよい。そのような切り替え命令を受け付けた場合、フレーム画像描画部２２は、それ以降、指定されたフレームレートの値に応じた時間間隔で表示用フレーム画像を更新する。

　さらに、描画命令発行部２１が描画済み動画像の表示を終了するタイミングで、動作モード切り替え部２３は固定フレームレートから可変フレームレートに動作モードを切り替える切り替え命令をフレーム画像描画部２２に対して発行してもよい。こうすれば、フレーム画像描画部２２は可変フレームレートによる表示用フレーム画像の更新を再開できる。

　なお、フレーム画像描画部２２は、動作モードの切り替え命令を受け付けた場合に、直ちに切り替えを行ってフレームレートを完全に変更するのではなく、フレームレートを段階的に変更してもよい。例えばフレームレートの値の指定を含む固定フレームレートへの切り替え命令を受け付けた際に、変更後の固定フレームレートが直近のフレームレートに対して所与の閾値以上に異なる場合、フレーム画像描画部２２は、徐々に指定されたフレームレートの値まで変化するように、所定の変化量ずつ段階的にフレームレートを変化させてもよい。

　以下、本実施形態に係る情報処理装置１０が実行する処理の流れの一例について、図４のシーケンス図を用いて説明する。

　まず、ユーザーの操作デバイス１５に対する操作入力などによって描画命令発行部２１を実現するアプリケーションプログラムの実行が開始される。その後、描画命令発行部２１は、アプリケーションプログラムの処理を実行しつつ、その処理結果を表示装置１４の画面に表示するために、毎フレームの描画命令を発行する（Ｓ１）。

　フレーム画像描画部２２は、描画命令発行部２１からの描画命令を受け付けて、フレーム画像の描画処理を実行する（Ｓ２）。このとき、フレーム画像描画部２２は、プログラムの種類や予め定められている設定内容などに応じて決定される動作モードで表示用フレーム画像を更新する。ここではフレーム画像描画部２２は、可変フレームレートで表示用フレーム画像を更新することとする。そのためフレーム画像描画部２２は、表示用フレーム画像の描画が終了すると、直ちに描画された表示用フレーム画像の表示装置１４に対する送信を開始するとともに、表示用フレーム画像の更新完了を描画命令発行部２１に通知する（Ｓ３）。描画命令発行部２１は、この通知を受けて、次の表示用フレーム画像の描画命令を発行するための処理を実行する。これにより、フレームレートはフレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像の描画に要する時間に応じて動的に変化することとなる。描画済み動画像の表示が行われない間は、以上説明したようなＳ１からＳ３のサイクルによって、可変フレームレートによる表示用フレーム画像の更新処理が繰り返し実行される。

　その後、ここでは描画命令発行部２１は、アプリケーションプログラムの処理の進行に応じて、描画済み動画像を表示装置１４の画面に表示することを決定したとする（Ｓ４）。この決定を受けて、動作モード切り替え部２３は、フレーム画像描画部２２に対して固定フレームレートへの切り替え命令を発行する（Ｓ５）。この切り替え命令を受け付けたフレーム画像描画部２２は、自身の動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える。

　固定フレームレートの動作モードに切り替えられた後は、前述したＳ１からＳ３までのサイクルと類似する表示用フレーム画像の更新処理が繰り返し実行される。すなわち、描画命令発行部２１は描画済み動画像の内容を含む描画命令を発行し（Ｓ６）、この描画命令に応じてフレーム画像描画部２２は表示用フレーム画像の描画処理を実行する（Ｓ７）。このとき、表示用フレーム画像には、描画済み動画像を構成するフレーム画像が含まれることになる。そして、ここではフレーム画像描画部２２は、表示用フレーム画像の描画を終了した後、直ちに表示用フレーム画像の送信を開始するのではなく、固定フレームレートによって決定される時間の経過を待ってから、描画した表示用フレーム画像を表示装置１４に送信するとともに、表示用フレーム画像の更新完了を描画命令発行部２１に通知する（Ｓ８）。

　さらにその後、描画命令発行部２１が、描画済み動画像の表示の終了を決定したとする（Ｓ９）。この決定を受けて、動作モード切り替え部２３は、フレーム画像描画部２２に対して可変フレームレートへの切り替え命令を発行する（Ｓ１０）。この切り替え命令を受け付けたフレーム画像描画部２２は、自身の動作モードを可変フレームレートの動作モードに切り替える。その後は、前述したＳ１からＳ３のサイクルと同様に、可変フレームレートによる表示用フレーム画像の更新処理が行われる。

　なお、以上の説明においては、一つのアプリケーションプログラムによって表示用フレーム画像に含まれる表示内容が全て決定されるものとしている。しかしながら、情報処理装置１０は複数のアプリケーションプログラムを同時期に実行し、そのそれぞれによる処理の結果が表示装置１４の画面に表示されることがある。例えば情報処理装置１０は、ゲームプログラムを実行してその結果を表示装置１４の画面全体に表示しつつ、その結果に重ねて一部のサブウィンドウ内に他のアプリケーションプログラムの処理結果を表示したりする場合がある。その場合、複数のプログラムがそれぞれ描画命令を発行し、フレーム画像描画部２２は複数の描画命令を受け付けてそれらの内容を含む一枚の表示用フレーム画像を描画することになる。

　図５は、二つのアプリケーションプログラムを並列実行する場合に情報処理装置１０が実現する機能の一例を示す機能ブロック図である。この図の例では、情報処理装置１０がプログラムＰ１及びプログラムＰ２を同時期に実行し、これら二つのプログラムがどちらも描画命令発行部２１及び動作モード切り替え部２３の機能を実現することとしている。すなわち、プログラムＰ１は描画命令発行部２１－１及び動作モード切り替え部２３－１の機能を実現し、プログラムＰ２は描画命令発行部２１－２及び動作モード切り替え部２３－２の機能を実現している。

　描画命令発行部２１－１及び２１－２は、それぞれのプログラムの処理結果を示す画像の描画命令をフレーム画像描画部２２に対して発行する。これらの描画命令を受けて、フレーム画像描画部２２は双方の描画命令に応じた内容を含む１枚の表示用フレーム画像を描画し、表示装置１４に対して送信する。

　そして、この例において動作モード切り替え部２３－１は、描画命令発行部２１－１が描画済み動画像の内容を表示内容に含めると決定した場合に、フレーム画像描画部２２に対して固定フレームレートへの切り替え命令を発行する。同様に、動作モード切り替え部２３－２は、描画命令発行部２１－２が描画済み動画像の内容を表示内容に含めると決定した場合に、フレーム画像描画部２２に対して固定フレームレートへの切り替え命令を発行する。

　フレーム画像描画部２２は、いずれかのプログラムから固定フレームレートへの切り替え命令を受け付けた場合、固定フレームレートで表示用フレーム画像を更新する動作モードへと切り替える。このとき、固定フレームレートへの切り替えを要求していない側のプログラムも、フレーム画像描画部２２が表示用フレーム画像を更新するタイミングに応じて次の描画命令を発行することにより、フレーム画像描画部２２がどちらの動作モードで動作しているかにかかわらず、適切なタイミングで描画命令の発行を継続することができる。

　さらにフレーム画像描画部２２は、固定フレームレートへの切り替え命令を発行したプログラムが後に可変フレームレートへの切り替え命令を発行した場合、可変フレームレートの動作モードへの切り替えを行う。なお、仮に二つのプログラムがどちらも固定フレームレートへの切り替え命令を発行していた場合、双方のプログラムが可変フレームレートへの切り替え命令を発行するまで、フレーム画像描画部２２は固定フレームレートでの動作を継続することとする。すなわち、フレーム画像描画部２２は、並列実行される複数のプログラムのうち、いずれか一つでも固定フレームレートでの動作を要求するプログラムがあれば固定フレームレートで表示用フレーム画像を更新することとし、全てのプログラムが固定フレームレートでの動作を要求していない場合に限って可変フレームレートで表示用フレーム画像を更新することとする。これにより、描画済み動画像を表示する場合、その描画済み動画像の表示を要求するのがどのプログラムであっても、描画済み動画像の内容を含む表示用フレーム画像を固定フレームレートで更新することができる。

　以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置１０によれば、可変フレームレートで表示することが適切でない描画済み動画像の内容を含む表示を行う場合に、固定フレームレートで表示用フレーム画像の更新を行うことができ、可変フレームレートでの更新に伴う表示の乱れを軽減することができる。

　なお、本発明の実施の形態は以上説明したものに限られない。例えば以上の説明では、１又は２のプログラムが描画命令を発行する場合の例について説明したが、これに限らず３以上のプログラムが並列に動作する場合にも、それぞれのプログラムからの描画命令及び切り替え命令に応じてフレーム画像描画部２２が動作することにより、固定フレームレート及び可変フレームレートのうち状況に応じて適切な動作モードで表示用フレーム画像を更新することができる。

　また、描画済み動画像は以上例示したものに限られず、動作モード切り替え部２３は、可変フレームレートよりも固定フレームレートで表示することが望ましい各種の動画像を表示する場合に、動作モードの切り替えを行うこととしてよい。例えば描画済み動画像は、フレーム画像描画部２２自身が過去に描画した動画像であって、後に再生するために記憶デバイスに保存された動画像などを含んでもよい。

　１０　情報処理装置、１１　制御部、１２　記憶部、１３　インタフェース部、１４　表示装置、１５　操作デバイス、２１　描画命令発行部、２２　フレーム画像描画部、２３　動作モード切り替え部。

Claims

　表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信する情報処理装置であって、
　前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画部と、
　前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画部の動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える動作モード切り替え部と、
　を含むことを特徴とする情報処理装置。
　請求項１に記載の情報処理装置において、
　前記動作モード切り替え部は、前記動画像の表示を終了する場合に、前記フレーム画像描画部の動作モードを可変フレームレートの動作モードに切り替える
　ことを特徴とする情報処理装置。
　請求項１又は２に記載の情報処理装置において、
　前記動作モード切り替え部は、前記フレーム画像描画部の動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える際に、フレームレートの値を併せて指定し、
　前記フレーム画像描画部は、前記指定されたフレームレートの値に応じた時間間隔で前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信する
　ことを特徴とする情報処理装置。
　請求項１に記載の情報処理装置において、
　前記情報処理装置は複数のプログラムを同時期に実行し、
　前記複数のプログラムのそれぞれは、自身が前記動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画部の動作モードを固定フレームレートの動作モードに切り替える前記動作モード切り替え部として機能し、
　前記フレーム画像描画部は、前記複数のプログラムのいずれか少なくとも一つが固定フレームレートへの切り替えを要求する場合に、固定フレームレートの動作モードで前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信する
　ことを特徴とする情報処理装置。
　請求項１に記載の情報処理装置において、
　前記動画像は、事前に描画され、前記情報処理装置に接続された記憶デバイスに保存されている動画像を含む
　ことを特徴とする情報処理装置。
　請求項１に記載の情報処理装置において、
　前記動画像は、前記情報処理装置とは別のコンピュータから配信される動画像を含む
　ことを特徴とする情報処理装置。
　表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信する情報処理方法であって、
　前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画ステップと、
　前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画ステップにおいて固定フレームレートで前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信するよう動作モードを切り替える動作モード切り替えステップと、
　を含むことを特徴とする情報処理方法。
　表示装置に表示させる表示用フレーム画像を描画し、固定フレームレート、及び可変フレームレートのいずれかの動作モードで前記表示装置に送信するコンピュータに、
　前記表示用フレーム画像を描画し、描画した前記表示用フレーム画像を可変フレームレートの動作モードで前記表示装置に対して送信するフレーム画像描画ステップと、
　前記表示用フレーム画像を描画する際に既に描画済みの内容を含む動画像を前記表示装置に表示させる場合に、前記フレーム画像描画ステップにおいて固定フレームレートで前記表示用フレーム画像を前記表示装置に対して送信するよう動作モードを切り替える動作モード切り替えステップと、
　を実行させるためのプログラム。