WO2023120421A1 - 電解質 - Google Patents

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  • alkenylene groups include lower alkenylene groups (especially alkenylene groups having 2 to 10 carbon atoms, more preferably 2 to 8 carbon atoms) such as a vinylene group, an arylene group, and a butenylene group.
  • the alkenylene group may also have 1 to 6 (especially 1 to 3) substituents such as a hydroxy group and the above halogen atom.
  • a CO stripping voltammogram was measured to evaluate changes in the platinum surface area. After holding the potential at 0.05 V for 600 seconds in a CO atmosphere at 25° C., a cyclic voltammogram was measured in an argon atmosphere. Since the peak area of the cyclic voltammogram after CO adsorption is proportional to the platinum surface area, this measurement can evaluate the change in the platinum surface area before and after the endurance test.

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Abstract

メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する、電解質は、空気極における白金触媒の劣化を効率よく抑制することができる。

Description

電解質
 本発明は、電解質に関する。
 固体高分子形燃料電池(PEFC)は、小型で効率がよく、また地球環境問題の観点からも早期の普及が期待されている。
 一般に、PEFCに使用されている高分子電解質は強酸性のカチオン交換膜であるため、電極触媒は強酸性条件下で安定に作用することが必要である。このような理由から、現在のところ、実用に耐え得る電極触媒は白金又はその合金のみである。しかしながら、空気極の酸素還元反応は遅いために過電圧が大きく、十分な反応速度を得るために多くの白金が使用されているが、空気極の白金触媒の耐久性が低いことが問題視されている。
 このような大きな過電圧を低減する方法として、白金を合金化する手法や、白金を含むコアシェル型ナノ粒子を使用する手法も知られている(例えば、特許文献1参照)。また、テトラアザポルフィリン化合物を白金表面に修飾することによって、過電圧を低減する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
 しかしながら、特許文献1~2のような従来の方法では、常温での耐久性は示されていても、実用的な温度条件である70~85℃における耐久性はまだ十分とは言えず、実用的な温度条件である70~85℃における耐久性については改善の余地があり、PEFCの長時間の使用や負荷変動等により白金触媒が劣化してしまう。
 PEFCの耐久性向上のためには、従来は、白金の粒径を5nm程度に大きくしたり、負荷変動の上限電位を0.9V程度に低くすること等が行われてきた。しかしながら、前者の場合は白金使用量が増え、後者の場合は制御システムの複雑化が必要となる。いずれも、コスト上昇を招く対応であり、より効率よく白金触媒の劣化を抑制できる対策が求められている。
 ところで、金属空気電池は、亜鉛、鉄、アルミニウム等をはじめとする金属を負極に使用し、空気極を正極に使用した電池である。これらの電池は、正極側活物質として空気中の酸素を利用することができ、電気容量は負極容量のみで決まるため、高いエネルギー密度を実現できる。この金属空気電池においても、空気極(カソード極)側の反応は、放電時には酸素還元反応、充電時には酸素発生反応となることが知られている。したがって、金属空気電池においても、PEFC等と同様に、酸素を活物質とする空気極が使用されることから、白金触媒の劣化を効率よく抑制することが求められている。
特開2011-092940号公報 特開2018-086640号公報
 本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、空気極における白金触媒の劣化を効率よく抑制することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねてきた。その結果、空気極中の触媒を工夫せずとも、電解質中にメラミン化合物又はそのポリマーを含ませることにより、白金触媒の保護膜としては機能しないものの白金触媒の酸化を抑制して白金触媒の粒径増大をする電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材としての機能を奏することができ、この結果、充放電中に白金触媒の粒径増大を抑制し、白金触媒の表面積の減少を抑制することができるため、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させることができることを見いだした。本発明は、このような知見に基づきさらに研究を重ね完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
 項1.メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する、電解質。
 項2.前記メラミン化合物が、一般式(1):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
[式中、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。]
で表されるメラミン化合物である、項1に記載の電解質。
 項3.電解液である、項1又は2に記載の電解質。
 項4.前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度が、0.1~100μmol/Lである、項3に記載の電解質。
 項5.燃料電池又は金属空気電池用電解質である、項1~4のいずれか1項に記載の電解質。
 項6.メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する、電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材。
 項7.前記メラミン化合物が、一般式(1):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
[式中、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。]
で表されるメラミン化合物である、項6に記載の酸化抑制材。
 項8.前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物を含有する溶液である、項6又は7に記載の酸化抑制材。
 項9.前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度が、0.1~100μmol/Lである、項8に記載の酸化抑制材。
 項10.前記電極電気化学的酸素還元用触媒が、白金ナノ粒子を含有する、項6~9のいずれか1項に記載の酸化抑制材。
 項11.前記電極電気化学的酸素還元用触媒が、燃料電池用カソード触媒である、項6~10のいずれか1項に記載の酸化抑制材。
 項12.項1~5のいずれか1項に記載の電解質又は項6~11のいずれか1項に記載の酸化抑制材を含有する、燃料電池。
 項13.項1~5のいずれか1項に記載の電解液又は項6~11のいずれか1項に記載の酸化抑制材を含有する、金属空気電池。
 本発明によれば、空気極における白金触媒の劣化を効率よく抑制することのできる電解質を提供することができる。
実施例1の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の結果を示すリニアスイープボルタモグラムである。 実施例2の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の結果を示すリニアスイープボルタモグラムである。 実施例3の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の結果を示すリニアスイープボルタモグラムである。 実施例4の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の結果を示すリニアスイープボルタモグラムである。 比較例1の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の結果を示すリニアスイープボルタモグラムである。 実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の白金触媒について、耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後の酸素還元活性の変化を示すグラフである。 実施例1及び比較例1の白金触媒について、耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)後の平均粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定した結果である。 実施例1の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムである。 実施例2の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムである。 実施例3の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムである。 実施例4の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムである。 比較例1の耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムである。 実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の白金触媒について、耐久試験(0.6V-1.0V、10000回)前後のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積変化を示すグラフである。
 本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of」のいずれも包含する概念である。
 また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で表記する場合、「A以上B以下」を示す。
 1.電解質及び酸化抑制材
 本発明の電解質は、メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する。本発明の電解質は、当該メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を単独で含むこともできるし、2種類以上含むこともできる。
 本発明では、電解質中にメラミン化合物又はそのポリマーを含ませることにより、白金触媒の保護膜としては機能しないものの白金触媒の酸化を抑制して白金触媒の粒径増大をする電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材としての機能を奏することができ、この結果、充放電中に白金触媒の粒径増大を抑制し、白金触媒の表面積の減少を抑制することができるため、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させることができる。
 (1-1)メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体
 メラミン化合物としては、メラミンの他、これらの誘導体を制限なく使用することができる。例えば、一般式(1):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
[式中、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。]
で表されるメラミン化合物が挙げられる。
 一般式(1)において、R、R、R、R、R及びRで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
 一般式(1)において、R、R、R、R、R及びRで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等の低級アルキル基(特に炭素数1~10、さらに1~8の直鎖又は分岐鎖アルキル基)が挙げられる。また、このアルキル基は、例えば、ヒドロキシ基、上記ハロゲン原子等の置換基を1~6個(特に1~3個)有することもできる。
 一般式(1)において、R、R、R、R、R及びRで示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチルアリル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセニル基等の低級アルケニル基(特に炭素数2~10、さらに炭素数2~8の直鎖又は分岐鎖アルケニル基)が挙げられる。また、このアルケニル基は、例えば、ヒドロキシ基、上記ハロゲン原子等の置換基を1~6個(特に1~3個)有することもできる。
 一般式(1)において、R、R、R、R、R及びRとしては、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基が好ましく、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。なお、R、R、R、R、R及びRは、同一でもよいし異なっていてもよい。
 上記のような条件を満たすメラミン化合物としては、例えば、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
等が挙げられる。このようなメラミン化合物は、市販品を用いることもでき、別途合成することもできる。
 メラミン化合物をモノマーとする重合体としては、上記したメラミン化合物を繰り返し単位の主鎖に有するメラミン樹脂を使用することができる。例えば、一般式(2):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
[式中、R、R、R、R10、R11及びR12は同一又は異なって、2価の基を示す。R13、R14、R15及びR16は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。OR13、OR14、OR15及びOR16が一部又は全部脱離し、R、R、R、R10、R11及びR12で示される2価の基に架橋され三次元網目構造を構成してもよい。]
で表される繰り返し単位を有するメラミン樹脂等を使用することができる。
 なお、主鎖にメラミン骨格のいずれも有さず側鎖にメラミン骨格を有する樹脂を使用しても、白金触媒の酸化抑制作用はないために燃料電池や金属空気電池の耐久性は向上させることができないし、酸素還元活性の改善効果も得られない。
 R、R、R、R10、R11及びR12で示される2価の基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基等が挙げられる。
 アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等の低級アルキレン基(特に炭素数1~10、さらに1~8の直鎖又は分岐鎖アルキレン基)が挙げられる。また、このアルキレン基は、例えば、ヒドロキシ基、上記ハロゲン原子等の置換基を1~6個(特に1~3個)有することもできる。
 アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基等の低級アルケニレン基(特に炭素数2~10、さらに2~8のアルケニレン基)が挙げられる。また、このアルケニレン基は、例えば、ヒドロキシ基、上記ハロゲン原子等の置換基を1~6個(特に1~3個)有することもできる。
 一般式(2)において、R、R、R、R10、R11及びR12としては、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、置換若しくは非置換アルキレン基が好ましい。なお、R、R、R、R10、R11及びR12は、同一でもよいし異なっていてもよい。
 一般式(2)において、R13、R14、R15及びR16で示されるアルキル基及びアルケニル基としては、上記したものを採用できる。置換基の種類及び数も同様である。
 上記のような条件を満たす繰り返し単位としては、例えば、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
等が挙げられる。
 このようなメラミン化合物をモノマーとする重合体は、一般式(2)で表される繰り返し単位のみからなる重合体として、一般式(3):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
[式中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は前記に同じである。nは2~1000の整数を示す。]
で表されるメラミン樹脂の重合体とすることもできる。
 また、メラミン化合物をモノマーとする重合体は、一般式(2)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位(例えば、OR13、OR14、OR15及びOR16が一部又は全部脱離し、R、R、R、R10、R11及びR12で示される2価の基(アルキレン基、アルケニレン基等)に架橋され三次元網目構造になった構造)を含むことも可能である。
 メラミン化合物をモノマーとする重合体の重合度(一般式(3)で表されるメラミン樹脂の場合はnに相当する)は、特に限定はないが、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、その平均的(代表的)重合度は2~1000が好ましく、3~500がより好ましい。
 なお、メラミン化合物をモノマーとする重合体の末端基は特に制限されない。通常、水素原子、ヒドロキシ基、上記アルキル基、上記アルケニル基等とすることができる。
 (1-2)電解質
 本発明の電解質は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)等の固体電解質を使用する燃料電池に適用する電解質として使用する場合は、固体電解質膜とすることができる。
 本発明の電解質を固体電解質膜とする場合、固体電解質膜は、パーフルオロスルホン酸ポリマー、アルキルアンモニウムポリマー等をはじめとする各種イオン交換樹脂等の固体電解質を含み、常法により膜状に成形することができる。この成形した電極にメラミン類をイオン交換により導入したり、メラミン溶液を含浸することによりメラミン含有固体電解質を作成することができる。
 本発明の電解質を固体電解質膜とする場合、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の含有量については、特に限定はない。例えば、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、固体電解質膜100質量部に対して、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体を0.000001~0.002質量部含むことが好ましく、0.000005~0.0002質量部含むことがより好ましい。なお、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体のうち複数使用する場合は、その総量が上記範囲となるように調整することが好ましい。なお、この数値範囲は、後述の実施例における電解液の結果に準じた数値範囲である。
 一方、本発明の電解質は、例えば、アルカリ形燃料電池(AFC)やリン酸形燃料電池(PAFC)、金属空気電池等の水溶液を電解液として使用する電池に適用する場合は、溶液の電解液とすることができる。
 本発明の電解質を電解液とする場合、電解液は、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の他、水酸化カリウム、リン酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の電解質を含む水溶液とすることができる。
 本発明の電解質を電解液とする場合、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度については、特に限定はない。例えば、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度は0.1~100μmol/Lが好ましく、0.5~20μmol/Lがより好ましい。なかでも、一般式(1)においてR、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが水素原子以外(ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基)であるメラミン化合物又は当該メラミン化合物をモノマーとする重合体を用いる場合は、白金触媒の酸化を抑制しやすく、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させやすいとともに、より高い電位で酸素還元反応を行わせ酸素還元活性をより向上させやすい(過電圧をより小さくしやすい)観点から、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度は高濃度、例えば、2~100μmol/L、好ましくは5~20μmol/Lとすることも可能である。また、同様に、電解質の濃度は0.1~10mol/Lが好ましく、1~10mol/Lがより好ましい。なお、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体のうち複数使用する場合は、その総量が上記範囲となるように調整することが好ましい。
 以上のような本発明の電解質は、白金触媒の保護膜としては機能しないものの白金触媒の酸化を抑制して白金触媒の粒径増大をする電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材としての機能を奏することができ、この結果、充放電中に白金触媒の粒径増大を抑制し、白金触媒の表面積の減少を抑制することができるため、燃料電池や金属空気電池の耐久性を向上させることができる。このため、本発明の電解質は、燃料電池用電解質(特に燃料電池の電解質膜又は電解液用電解質)や金属空気電池用電解質(特に金属空気電池の電解液用電解質)等として有用である。
 2.電池
 本発明の電池が、固体電解質を使用する固体高分子形燃料電池(PEFC)である場合固体電解質膜は、パーフルオロスルホン酸ポリマー、アルキルアンモニウムポリマーをはじめとする各種イオン交換樹脂等の固体電解質を含み、常法により膜状に成形することができる。この成形した電極にメラミン類をイオン交換により導入したり、メラミン溶液を含浸することによりメラミン含有固体電解質を作成することができる。
 また、本発明の電池が、電解液を使用するアルカリ形燃料電池(AFC)やリン酸形燃料電池(PAFC)、金属空気電池等の水溶液を電解液として使用する電池の場合、上記のとおり、メラミン化合物及び/又はメラミン化合物をモノマーとする重合体の他、水酸化カリウム、リン酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の電解質を含む水溶液とすることができる。
 本発明の電池において、電解質膜又は電解液以外の構成は、従来から使用される燃料電池や金属空気電池と同様とすることができる。
 例えば、本発明の電池における空気極は、従来から知られている白金ナノ粒子等の電気化学的酸素還元用触媒を用いた空気極触媒層を有し得る。使用できる電気化学的酸素還元用触媒としては、例えば、特開2017-010853号公報、特開2018-086640号公報、国際公開第2019/019229号、国際公開第2021/090746号等の記載の電気化学的酸素還元用触媒を使用することもできる。
 空気極触媒層の厚さについては特に限定的ではなく、通常、0.1~100μm程度とすることができる。また、触媒量としても特に制限はなく、例えば、0.01~20mg/cm程度とすることができる。
 このような空気極触媒層の形成方法としては、特に制限されず、ガス拡散層、集電体等に、電気化学的酸素還元用触媒と樹脂溶液とを混合して作製した触媒インクを塗布及び乾燥する方法等によって空気極触媒層を作製し得る。
 その他の空気極の構成については公知の空気極と同様にし得る。例えば、空気極の触媒層側にカーボンペーパー、カーボンクロス、金属メッシュ、金属焼結体、発泡金属板、金属多孔体等の集電材を配置し、撥水性膜、拡散膜、空気分配層等を配置した構造ともし得る。
 燃料極の構造についても特に限定はなく、公知の電池の構造と同様とすることができる。燃料極用の触媒としても、従来から知られている種々の金属、金属合金、金属錯体等を使用することができる。使用できる金属種としては、従来から使用される白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、金等の貴金属の他、ニッケル、銀、コバルト、鉄、銅、亜鉛等の卑金属等も挙げられる。これらの金属のなかから選ばれた単一の金属触媒若しくは金属錯体、二種以上の金属の任意の組合せからなる合金若しくは金属錯体の複合体を使用し得る。また、上記から選ばれる金属触媒と別の金属酸化物との複合触媒、触媒微粒子を炭素質材料、金属酸化物等の担体上に分散させた担持触媒として使用することもできる。
 固体高分子形燃料電池を製造する場合は、電解質膜を使用して得られた膜-電極接合体の両面をカーボンペーパー、カーボンクロス等の集電体で挟んでセルに組み込むことによって、固体高分子形燃料電池セルを作製することも可能である。
 一方、固体高分子形燃料電池ではなく、リン酸形燃料電池等の水溶液系の電解液を用いる電池に適用する場合は、電解液を各種セパレータに含浸させて用いることができる。その他の部材については上記固体高分子形燃料電池と同様である。
 また、本発明の電池を金属空気電池とする場合は、金属空気電池における正極は上記の空気極と同様とすることができ、また、金属空気電池における金属負極としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄等の金属を使用し得る。具体的な金属負極の構造は、公知の金属空気電池と同様とすることができる。その他の部材は固体高分子形燃料電池と同様である。
 上記した構造の電池では、いずれの場合においても、空気極側には酸素又は空気を供給又は自然拡散させ得る。また、燃料電池(特に固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池等)には、燃料極側に燃料となる物質を供給し得る。燃料物質としては、水素ガスの他、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ギ酸、水素化ホウ素塩、ヒドラジン、糖等の溶液を使用し得る。
 なお、本発明の電池が燃料電池(特に固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池等)である場合の作動温度は、使用する電解質によって異なるが、通常0~250℃程度であり、好ましくは10~100℃程度である。
 以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
 なお、メラミンは市販品(東京化成工業株式会社製)を用いた。
 製造例1:オクチルメラミンの合成
 2-クロロ-4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(東京化成工業株式会社製)及びn-オクチルアミン(東京化成工業株式会社製)を等モルずつ水とジオキサンの混合溶媒中に投入して攪拌しながら還流した。原料と等モルの水酸化ナトリウムをあらかじめ水に溶かし、反応液にゆっくり加えていき、さらに還流した。反応物を水及びトルエンの混合溶媒で分液し、トルエン層を集めたものを粗生成物とした。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したのち、NMRによって目的物であるオクチルメラミンの生成を確認した。
1H NMR (CDCl3, 600 MHz)
δ 0.88 (3 H, t, J = 7 Hz, -CH3), 1.28-1.55 (12 H, m, -CH2-), 3.31-3.34 (2 H, m, -CH2-), 4.88-5.01 (5 H, m, -NH2, -NH-)。
 なお、オクチルメラミンの構造式は以下のとおりである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 実施例1
 白金触媒(田中貴金属工業(株)製,TEC10E50E;平均粒子径2.5nm)5mgを超純水5.14mLと2-プロパノール1.62mLの混合溶媒に懸濁し、この懸濁液3.6μLをビー・エー・エス(株)製のグラッシーカーボン電極(表面積:0.0707cm)に滴下して、乾燥させ、触媒修飾電極を得た。
 得られた触媒修飾電極を作用極として使用し、可逆水素電極を参照極、白金コイルを対極として、25℃において三電極式で電気化学測定を行った。電解液は0.1mol/Lの過塩素酸水溶液とした。まず、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った後、ガス雰囲気を酸素に変えて、低電位側からリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験前の酸素還元活性を評価した。
 また、白金表面積の変化を評価するためにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行った。25℃においてCO雰囲気下で0.05Vに電位を600秒保持したあと、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った。CO吸着後のサイクリックボルタモグラムのピーク面積は白金表面積に比例するので、この測定により耐久試験前後の白金表面積の変化を評価することができる。
 次に、電解液にメラミンを10μmol/L溶解させ、アルゴン雰囲気下で79℃で0.6V(三秒間保持)-1.0V(三秒間保持)の間で10000回の矩形波電位サイクル(燃料電池実用化推進協議会「固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」)を行った後に、もう一度、同様にサイクリックボルタモグラムとリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の白金触媒の酸素還元活性の維持率(耐久性)が評価できる。さらにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行い、ピーク面積を評価した。耐久前のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積と比較することにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験後の白金表面積の変化を評価した。
 実施例2
 白金触媒(田中貴金属工業(株)製,TEC10E50E;平均粒子径2.5nm)5mgを超純水5.14mLと2-プロパノール1.62mLの混合溶媒に懸濁し、この懸濁液3.6μLをビー・エー・エス(株)製のグラッシーカーボン電極(表面積:0.0707cm)に滴下して、乾燥させ、触媒修飾電極を得た。
 得られた触媒修飾電極を作用極として使用し、可逆水素電極を参照極、白金コイルを対極として、25℃において三電極式で電気化学測定を行った。電解液は0.1mol/Lの過塩素酸水溶液とした。まず、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った後、ガス雰囲気を酸素に変えて、低電位側からリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験前の酸素還元活性を評価した。
 また、白金表面積の変化を評価するためにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行った。25℃においてCO雰囲気下で0.05Vに電位を600秒保持したあと、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った。CO吸着後のサイクリックボルタモグラムのピーク面積は白金表面積に比例するので、この測定により耐久試験前後の白金表面積の変化を評価することができる。
 次に、電解液にメラミンを1μmol/L溶解させ、アルゴン雰囲気下で79℃で0.6V(三秒間保持)-1.0V(三秒間保持)の間で10000回の矩形波電位サイクル(燃料電池実用化推進協議会「固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」)を行った後に、もう一度、同様にサイクリックボルタモグラムとリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の白金触媒の酸素還元活性の維持率(耐久性)が評価できる。さらにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行い、ピーク面積を評価した。耐久前のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積と比較することにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験後の白金表面積の変化を評価した。
 実施例3
 白金触媒(田中貴金属工業(株)製,TEC10E50E;平均粒子径2.5nm)5mgを超純水5.14mLと2-プロパノール1.62mLの混合溶媒に懸濁し、この懸濁液3.6μLをビー・エー・エス(株)製のグラッシーカーボン電極(表面積:0.0707cm)に滴下して、乾燥させ、触媒修飾電極を得た。
 得られた触媒修飾電極を作用極として使用し、可逆水素電極を参照極、白金コイルを対極として、25℃において三電極式で電気化学測定を行った。電解液は0.1mol/Lの過塩素酸水溶液とした。まず、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った後、ガス雰囲気を酸素に変えて、低電位側からリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験前の酸素還元活性を評価した。
 また、白金表面積の変化を評価するためにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行った。25℃においてCO雰囲気下で0.05Vに電位を600秒保持したあと、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った。CO吸着後のサイクリックボルタモグラムのピーク面積は白金表面積に比例するので、この測定により耐久試験前後の白金表面積の変化を評価することができる。
 次に、電解液にオクチルメラミンを10μmol/L溶解させ、アルゴン雰囲気下で79℃で0.6V(三秒間保持)-1.0V(三秒間保持)の間で10000回の矩形波電位サイクル(燃料電池実用化推進協議会「固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」)を行った後に、もう一度、同様にサイクリックボルタモグラムとリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にオクチルメラミンを含む場合の白金触媒の酸素還元活性の維持率(耐久性)が評価できる。さらにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行い、ピーク面積を評価した。耐久前のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積と比較することにより、電解液中にオクチルメラミンを含む場合の耐久試験後の白金表面積の変化を評価した。
 実施例4
 白金触媒(田中貴金属工業(株)製,TEC10E50E;平均粒子径2.5nm)5mgを超純水5.14mLと2-プロパノール1.62mLの混合溶媒に懸濁し、この懸濁液3.6μLをビー・エー・エス(株)製のグラッシーカーボン電極(表面積:0.0707cm)に滴下して、乾燥させ、触媒修飾電極を得た。
 得られた触媒修飾電極を作用極として使用し、可逆水素電極を参照極、白金コイルを対極として、25℃において三電極式で電気化学測定を行った。電解液は0.1mol/Lの過塩素酸水溶液とした。まず、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った後、ガス雰囲気を酸素に変えて、低電位側からリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験前の酸素還元活性を評価した。
 また、白金表面積の変化を評価するためにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行った。25℃においてCO雰囲気下で0.05Vに電位を600秒保持したあと、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った。CO吸着後のサイクリックボルタモグラムのピーク面積は白金表面積に比例するので、この測定により耐久試験前後の白金表面積の変化を評価することができる。
 次に、電解液にオクチルメラミンを1μmol/L溶解させ、アルゴン雰囲気下で79℃で0.6V(三秒間保持)-1.0V(三秒間保持)の間で10000回の矩形波電位サイクル(燃料電池実用化推進協議会「固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」)を行った後に、もう一度、同様にサイクリックボルタモグラムとリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にオクチルメラミンを含む場合の白金触媒の酸素還元活性の維持率(耐久性)が評価できる。さらにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行い、ピーク面積を評価した。耐久前のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積と比較することにより、電解液中にオクチルメラミンを含む場合の耐久試験後の白金表面積の変化を評価した。
 比較例1
 白金触媒(田中貴金属工業(株)製,TEC10E50E;平均粒子径2.5nm)5mgを超純水5.14mLと2-プロパノール1.62mLの混合溶媒に懸濁し、この懸濁液3.6μLをビー・エー・エス(株)製のグラッシーカーボン電極(表面積:0.0707cm)に滴下して、乾燥させ、触媒修飾電極を得た。
 次に、0.1mol/Lの過塩素酸水溶液を電解液とした。
 得られた触媒修飾電極を作用極として使用し、また、得られた電解液を使用し、可逆水素電極を参照極、白金コイルを対極として、25℃において三電極式で電気化学測定を行った。まず、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った後、ガス雰囲気を酸素に変えて、低電位側からリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミン化合物もメラミン化合物をモノマーとする重合体も含まない場合の耐久試験間の酸素還元活性を評価した。
 また、白金表面積の変化を評価するためにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行った。25℃においてCO雰囲気下で0.05Vに電位を600秒保持したあと、アルゴン雰囲気下でサイクリックボルタモグラムの測定を行った。CO吸着後のサイクリックボルタモグラムのピーク面積は白金表面積に比例するので、この測定により耐久試験前後の白金表面積の変化を評価することができる。
 次に、アルゴン雰囲気下で79℃で0.6V(三秒間保持)-1.0V(三秒間保持)の間で10000回の矩形波電位サイクル(燃料電池実用化推進協議会「固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案」)を行った後に、もう一度、同様にサイクリックボルタモグラムとリニアスイープボルタモグラムの測定を行った。これにより、電解液中にメラミンを含む場合の白金触媒の酸素還元活性の維持率(耐久性)が評価できる。さらにCOストリッピングボルタモグラムの測定を行い、ピーク面積を評価した。耐久前のCOストリッピングボルタモグラムのピーク面積と比較することにより、電解液中にメラミンを含む場合の耐久試験後の白金表面積の変化を評価した。
 結果(耐久性)
 実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の耐久試験前後の酸素還元活性の結果を図1~5に示す。
 比較例1では、0.6V-1.0Vの間で10000回の耐久試験を行った場合は、0.95Vにおける質量当たりの電気化学的酸素還元活性は、耐久試験後に54%低下していた。それに対し、実施例1では、0.95Vにおける質量当たりの電気化学的酸素還元活性は、逆に耐久試験後に42%増加し、実施例2では、0.95Vにおける質量当たりの電気化学的酸素還元活性は、逆に耐久試験後に108%増加し、実施例3では、0.95Vにおける質量当たりの電気化学的酸素還元活性は、耐久試験前後でほとんど変わらず、実施例4では、0.95Vにおける質量当たりの電気化学的酸素還元活性は、逆に耐久試験後に20%増加した。この結果として、耐久試験前後の質量当たりの酸素還元活性の変化(耐久試験後の質量当たりの酸素還元活性/耐久試験前の質量当たりの酸素還元活性)は、図6に示すとおりとなった。
 また、実施例1及び比較例1の白金触媒について、耐久試験後の平均粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定した。結果を図7に示す。
 比較例1は約5.4nmであり、白金触媒の酸化が抑制できていないためか、白金触媒中の白金ナノ粒子が大きくなり活性表面積の低下が避けられないため、耐久性が悪化していることが示唆される。それに対して、実施例1は約3.4nmであり、白金触媒の酸化が抑制できているためか、白金触媒中の白金ナノ粒子は大きくならず、活性表面積の低下を抑制できており、耐久性が悪化していないことが示唆される。
 また、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の白金触媒について、耐久試験前後のCOストリッピングボルタモグラムを図8~12に示す。
 比較例1では、0.6V-1.0Vの間で10000回耐久試験を行った場合は、0.8V vs RHE近傍に現れるピークの積分値は、耐久試験後には約63%低下したのに対し、実施例1では、0.8V vs RHE近傍に現れるピーク面積は14%しか低下せず、実施例2では0.8V vs RHE近傍に現れるピーク面積は19%しか低下せず、実施例3では0.8V vs RHE近傍に現れるピーク面積は12%しか低下せず、実施例4では0.8V vs RHE近傍に現れるピーク面積は31%しか低下しなかった。このピークの積分値は白金触媒の表面積に比例し、白金触媒が劣化して白金ナノ粒子の粒径が大きくなるとこの積分値は低下することから、本発明では耐久性が向上していることが示唆される。図13に、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の白金触媒について、耐久試験前後のピーク面積値の変化(耐久試験後のピーク面積値/耐久試験前のピーク面積値)を示す。
 以上から、電解液中にメラミン化合物やメラミン化合物をモノマーとする重合体を含ませることで、電池の耐久性を向上させることができることが理解できる。
 本発明の電解質及び電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材は、燃料電池及び金属空気電池の電解質に利用することができる。

Claims (13)

  1. メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する、電解質。
  2. 前記メラミン化合物が、一般式(1):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    [式中、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。]
    で表されるメラミン化合物である、請求項1に記載の電解質。
  3. 電解液である、請求項1に記載の電解質。
  4. 前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度が、0.1~100μmol/Lである、請求項3に記載の電解質。
  5. 燃料電池又は金属空気電池用電解質である、請求項1に記載の電解質。
  6. メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体を含有する、電極電気化学的酸素還元用触媒の酸化抑制材。
  7. 前記メラミン化合物が、一般式(1):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    [式中、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アルケニル基を示す。]
    で表されるメラミン化合物である、請求項6に記載の酸化抑制材。
  8. 前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物を含有する溶液である、請求項6に記載の酸化抑制材。
  9. 前記メラミン化合物及び/又は前記メラミン化合物をモノマーとする重合体の濃度が、0.1~100μmol/Lである、請求項8に記載の酸化抑制材。
  10. 前記電極電気化学的酸素還元用触媒が、白金ナノ粒子を含有する、請求項6に記載の酸化抑制材。
  11. 前記電極電気化学的酸素還元用触媒が、燃料電池用カソード触媒である、請求項6に記載の酸化抑制材。
  12. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電解質又は請求項6~11のいずれか1項に記載の酸化抑制材を含有する、燃料電池。
  13. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電解液又は請求項6~11のいずれか1項に記載の酸化抑制材を含有する、金属空気電池。
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