WO2023095230A1 - フィーダ移動支援システムおよびフィーダスタンド - Google Patents

Abstract

フィーダ移動支援システムは、複数のテープフィーダを保管するフィーダスタンドの複数の保管位置の各々に対応して配置され、複数の表示態様から選択された表示態様で保管位置を指し示す表示を行う複数の保管側表示部と、フィーダスタンドが保管しているテープフィーダと、保管位置とを対応付けて記憶する記憶部と、テープフィーダを移動させる候補となる複数の移動先機器にそれぞれ設けられて、互いに異なる表示態様で表示を行う複数の移動先表示部と、フィーダスタンドが保管しているテープフィーダを複数の移動先機器のいずれかに移動させる移動要求が発生した場合に、記憶部の記憶内容および移動要求の内容に基づいて、移動させるテープフィーダの保管位置を指し示す保管側表示部、およびテープフィーダを移動させる移動先機器に設けられた移動先表示部を対応する表示態様で表示させる表示制御部と、を備える。

Description

フィーダ移動支援システムおよびフィーダスタンド

　本明細書は、テープフィーダの移動作業を支援するフィーダ移動支援システム、およびフィーダスタンドに関する。

　回路パターンが形成された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。一般的な基板生産工場では、複数種類の対基板作業機を並べて構成した基板生産ラインが設置される。対基板作業機の代表例として、部品の装着作業を実施する部品装着機がある。多くの部品装着機は、複数の部品を収容したキャリアテープをリールから引き出して送るテープフィーダを用いる。テープフィーダには、リールを保持する一体形と、リールを別置きする別置形とがある。装着作業が進捗してキャリアテープが終端まで使用されたときに、一体形のテープフィーダでは、リールを交換するのでなくテープフィーダの全体を交換して部品を補給する。

　また、生産する基板製品の種類を変更するときの段取り替え作業では、テープフィーダから供給する部品の種類の相当数を変更する場合が多い。この場合、複数のテープフィーダまたはリールを一括して交換することになる。この一括交換作業を効率化するために、部品装着機に着脱可能に設けられる台車形状の部品供給装置が用いられる。複数のテープフィーダを部品供給装置に装備する準備作業は、外段取りエリアで予め実施される。基板生産工場では、多数のテープフィーダが複数の部品供給装置に対して様々に組み合わせられ、複数の部品装着機に対して互換使用される。テープフィーダの交換作業や移動作業を効率化するための技術例が、特許文献１および２に開示されている。

　特許文献１に開示されたフィーダ交換支援システムは、部品装着機において交換が必要なフィーダ（テープフィーダ）が同時に複数存在する場合に、取り外すフィーダと交換用のフィーダとの組み合わせが作業者に分かるように、表示部の表示態様を組み合わせ毎に変更する。具体的には、部品装着機のフィーダ交換位置表示器の表示態様と、フィーダ準備台車の表示器の表示態様とを組み合わせ毎に変更する。例えば、表示器の間欠点灯の点灯時間や消灯時間を変更したり、点滅周期を変更したりする表示方法を用いる。また、フィーダ準備台車に代えてフィーダ設置棚等を用いても良いことが記載されている。これによれば、作業者は、部品装着機側および準備台車側の両方の表示を見ることで、取り外すフィーダおよび交換用のフィーダの位置を簡単に知ることができ、交換作業が簡単になる、とされている。

　また、特許文献２に開示されたセットアップ支援装置は、複数のフィーダを積載する準備台車と、部品装着機の部品供給装置の識別情報を取得する識別装置と、部品供給装置の識別情報、準備台車の積載情報、および生産スケジュールに基づいて準備台車から部品供給装置にセットする複数のフィーダを特定するフィーダ特定部と、特定された複数のフィーダをまとめて案内する案内部と、を備える。これによれば、オペレータは、準備台車に積載された複数のフィーダのうち部品供給装置にセットするフィーダを容易に認識でき、部品装着機のセットアップを効率的にかつ正確に行うことが可能、とされている。

特開２０１６－１８９６８号公報 国際公開第２０１８／０９２２４９号

　ところで、特許文献１および２の構成では、フィーダ準備台車やフィーダ設置棚において多数のフィーダのうち交換取リ付けに必要なフィーダを選択的に表示（案内）する点は好ましい。しかしながら、フィーダ準備台車やフィーダ設置棚が部品装着機から離れて配置されている場合に、作業者は、部品装着機側の細かい表示を直視することができず、交換取リ付けに必要なフィーダをどこ（移動先）に持って行くか迷うことがあった。

　詳述すると、基板生産工場には複数の基板生産ラインが設置され、かつ一つの基板生産ラインに部品装着機が１台だけでなく複数並ぶ構成が多い。そして、フィーダ準備台車は、複数の部品装着機に対して共通に用いられる。このため、フィーダ準備台車の傍らの作業者は、台車側の表示を見て移動させるフィーダを台車から取り出すことができても、移動先となる部品装着機の細かい表示を遠方から見ることはできない。結局、作業者は、フィーダ交換支援システムやセットアップ支援装置を構成するパソコンの案内画面等を見てフィーダの移動先を確認する必要があり、移動作業の作業効率が低下していた。

　それゆえ、本明細書は、テープフィーダの移動元の位置と移動先機器とを対応付けて表示することにより、テープフィーダの移動作業を効率化することができるフィーダ移動支援システム、およびフィーダスタンドを提供することを解決すべき課題とする。

　本明細書は、複数のテープフィーダを保管するフィーダスタンドの複数の保管位置の各々に対応して配置され、複数の表示態様から選択された前記表示態様で前記保管位置を指し示す表示を行う複数の保管側表示部と、前記フィーダスタンドが保管している前記テープフィーダと、前記保管位置とを対応付けて記憶する記憶部と、前記テープフィーダを移動させる候補となる複数の移動先機器にそれぞれ設けられて、互いに異なる前記表示態様で表示を行う複数の移動先表示部と、前記フィーダスタンドが保管している前記テープフィーダを複数の前記移動先機器のいずれかに移動させる移動要求が発生した場合に、前記記憶部の記憶内容および前記移動要求の内容に基づいて、移動させる前記テープフィーダの前記保管位置を指し示す前記保管側表示部、および前記テープフィーダを移動させる前記移動先機器に設けられた前記移動先表示部を対応する前記表示態様で表示させる表示制御部と、を備えるフィーダ移動支援システムを開示する。

　また、本明細書は、テープフィーダをそれぞれ保管する複数の保管位置と、複数の前記保管位置の各々に対応して配置され、複数の表示態様から選択された前記表示態様で前記保管位置を指し示す表示を行う複数の保管側表示部と、保管している前記テープフィーダと前記保管位置との対応関係、および、前記テープフィーダを移動させる候補となる複数の移動先機器にそれぞれ設定された互いに異なる前記表示態様を記憶する記憶部と、保管している前記テープフィーダを複数の前記移動先機器のいずれかに移動させる移動要求が発生した場合に、前記記憶部の記憶内容および前記移動要求の内容に基づいて、移動させる前記テープフィーダの前記保管位置を指し示す前記保管側表示部の前記表示態様を、前記テープフィーダを移動させる前記移動先機器に設定された前記表示態様と対応付けて表示させる表示制御部と、を備えるフィーダスタンドを開示する。

　開示したフィーダ移動支援システムにおいて、表示制御部は、フィーダスタンドから移動させるテープフィーダの保管位置を指し示す保管側表示部、およびテープフィーダを移動させる移動先機器に設けられた移動先表示部を対応する表示態様で表示させる。または、開示したフィーダスタンドにおいて、表示制御部は、移動させるテープフィーダの保管位置を指し示す保管側表示部の表示態様を、移動先機器に設定された表示態様と対応付けて表示させる。表示を見た作業者は、テープフィーダの移動元の位置と移動先機器の対応関係を確認することができるので、テープフィーダを取り違えることがなく、かつ移動先に迷うことがなく、効率的な移動作業を行うことができる。したがって、開示したフィーダ移動支援システムやフィーダスタンドは、テープフィーダの移動作業を効率化することができる。

実際のフィーダスタンドの構成例を示す斜視図である。 図１の構成例と比較して保管可能なテープフィーダの台数を減じた実施形態のフィーダスタンドの構成を模式的に示す正面図である。 テープフィーダを使用する基板生産ラインの構成例を模式的に示す斜視図である。 フィーダスタンドを含んで構成される第１実施形態のフィーダ移動支援システムを模式的に示す全体構成図である。 第１実施形態のフィーダ移動支援システムの動作を説明する図である。 画面表示装置の画面表示例の図である。 テープフィーダを使用する部品装着機の構成例を模式的に示す平面図である。 第２実施形態のフィーダ移動支援システムの構成を模式的に示すとともに、動作を説明する図である。 第３実施形態のフィーダ移動支援システムの構成を模式的に示すとともに、動作の前半を説明する図である。 第３実施形態のフィーダ移動支援システムの動作の後半を説明する図である。

　１．実際のフィーダスタンド１Ａ
　実施形態のフィーダスタンド１の説明に先立ち、実際のフィーダスタンド１Ａの構成例について、図１を参考にして説明する。フィーダスタンド１Ａは、部品装着機に使用されるテープフィーダを保管する。図１の左上の矢印に示されるように、フィーダスタンド１Ａの前後左右を便宜的に定める。フィーダスタンド１Ａは、奥行き寸法と比較して幅寸法および高さ寸法が大きな概ね直方体形状に形成されている。フィーダスタンド１Ａは、底板１Ｂ、４本の柱材１Ｄ、上下２段の棚板１Ｅ、２枚の背面板１Ｇ、およびスタンド制御部１Ｋなどで構成される。

　底板１Ｂは、長方形板状の部材であり、床面に近接して水平に配置される。底板１Ｂの下面の四隅には、それぞれ移動用のキャスタ１Ｃが設けられる。底板１Ｂの上面の四隅には、上方に向かう柱材１Ｄがそれぞれ立てられる。４本の柱材１Ｄの途中高さには、上下２段の棚板１Ｅが水平に架け渡される。棚板１Ｅの各々は、長方形板状であり、５０条のスロット１Ｆをもつ。スロット１Ｆは、前後方向に延びる凹溝形状を有し、互いに平行している。作業者は、スロット１Ｆの各々に対して前側からテープフィーダを挿入して保管することができる。また、作業者は、スロット１Ｆに保管されているテープフィーダを前側に引き抜いて取り出すことができる。スロット１Ｆは、テープフィーダを保管する保管位置の一形態である。

　２枚の背面板１Ｇは、２段の棚板１Ｅの各々の後側上部に設けられる。背面板１Ｇの各々は、高さ寸法が小さく左右方向の幅寸法が大きな細長い長方形板状に形成されて、垂直配置される。背面板１Ｇの各々は、スロット１Ｆの各々に対応する位置に、５０組の位置決め部１Ｈおよび電気接続部１Ｊをもつ。位置決め部１Ｈは、電気接続部１Ｊの上下に分かれて配置される。位置決め部１Ｈの各々は、例えば上下一対の位置決め孔とされ、テープフィーダの後面に設けられた上下一対の位置決めピンが係入する。位置決め部１Ｈは、スロット１Ｆに挿入されるテープフィーダの位置を決めるとともに、保管状態のテープフィーダの位置を安定化する。

　電気接続部１Ｊの各々は、例えば凹形コネクタとされ、テープフィーダの後面に設けられた凸形コネクタが嵌合する。電気接続部１Ｊは、位置決め部１Ｈによる位置決めに同期して、自動的に嵌合される。電気接続部１Ｊは、保管するテープフィーダに電源を供給するとともに、テープフィーダ内のフィーダ制御部への通信接続を可能とする。

　スタンド制御部１Ｋは、下段の棚板１Ｅと底板１Ｂとの間に配置される。スタンド制御部１Ｋは、コンピュータ装置を用いて構成される。スタンド制御部１Ｋは、電気接続部１Ｊの嵌合により、保管されているテープフィーダ内のフィーダ制御部と通信接続される。これにより、スタンド制御部１Ｋとフィーダ制御部の間で、各種のデータの授受が行われる。

　実際のフィーダスタンド１Ａは、棚板１Ｅの各々に５０台ずつ、合計で１００台までのテープフィーダを保管することができる。また、フィーダスタンド１Ａは、保管しているテープフィーダに対して電源を供給するとともに、データの授受が可能となっている。さらに、フィーダスタンド１Ａは、キャスタ１Ｃを備えることにより、作業者の操作による移動が可能となっている。つまり、フィーダスタンド１Ａは、基板生産工場内の保管エリア、外段取りエリア、および基板生産ラインなどへ移動することができる。

　２．実施形態のフィーダスタンド１
　以降の説明を簡明化するためにスロット１Ｆの条数を２０条に減じた実施形態のフィーダスタンド１の例について、図２を参考にして説明する。図２において、上段の棚板１Ｅの１０条のスロット１Ｆの位置を左側から右側へと順番にＳ０１～Ｓ１０と定める。また、下段の棚板１Ｅの１０条のスロット１Ｆの位置を左側から右側へと順番にＳ１１～Ｓ２０と定める。この定めによれば、図２において、フィーダスタンド１の位置Ｓ０１～Ｓ１０、位置Ｓ１２、および位置Ｓ１４のスロット１Ｆに、合計で１２台のテープフィーダＦが保管されている。

　テープフィーダＦは、部品を複数個収容したキャリアテープを用いる。テープフィーダＦは、キャリアテープが巻回されたリールを回転自在に保持するリール保持部、および部品を供給する供給位置を有する。テープフィーダＦは、リールからキャリアテープを引き出して供給位置に送ることにより、部品を供給する。テープフィーダＦは、スロット１Ｆに嵌入する突条をその底面にもつ。

　フィーダスタンド１は、前述したフィーダスタンド１Ａの構成に加えて、複数の保管側表示部１１を備え、画面表示装置１９が付属される。複数の保管側表示部１１は、スロット１Ｆの各々に対応して配置される。具体的には、保管側表示部１１は、上下の棚板１Ｅの前面のスロット１Ｆの下側にそれぞれ配置される。したがって、保管側表示部１１の数量は、スロット１Ｆの条数に一致し、換言すると保管可能なテープフィーダＦの最大台数に等しい２０個となる。

　保管側表示部１１は、複数の表示態様から選択された表示態様でスロット１Ｆを指し示す表示を行う。本実施形態において、保管側表示部１１は、複数の表示態様として複数の色のいずれかを選択的に点灯可能な光源とされている。具体的には、保管側表示部１１として、７色の色を選択的に点灯可能な多色光源を用いることができる。多色光源は、光の三原色をそれぞれ発光する３種類の単色ＬＥＤ光源をもち、それらの輝度を調整して、７色のうちのいずれかの色を生成する。これに限定されず、保管側表示部１１は、相違する色で発光可能な複数の単色光源のいずれかを選択的に点灯させるものであってもよい。

　また、保管側表示部１１は、表示態様として色と光源の点滅態様とを併用することができる。例えば、前記した７色に加えて、光源の継続点灯、繰返し周期が短い点滅、繰返し周期が長い点滅の３種類を併用すれば、保管側表示部１１は、合計で２１種類（＝７×３）の表示態様をもつことになる。なお、点滅態様において、点滅の繰り返し周期が一定時間であっても点灯時間の比率（デューティ比）を変更して、表示態様の種類数を増やすことができる。

　スタンド制御部１Ｋは、ソフトウェアを用いて構成された三つの機能部、すなわち記憶部１３、要求受付部１４、および表示制御部１５を有する。記憶部１３は、保管しているテープフィーダＦと、スロット１Ｆの位置（Ｓ０１～Ｓ２０）とを対応付けて記憶する。詳細には、記憶部１３は、まず、テープフィーダＦ内のフィーダ制御部との通信により、フィーダ制御部に記憶された次の（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）のいずれかのコード、または複数のコードを取得する。
（Ａ）テープフィーダＦを識別するフィーダ識別コード
（Ｂ）テープフィーダＦに保持されているリールを識別するリール識別コード
（Ｃ）テープフィーダＦが供給する部品の種類を識別する部品種識別コード

　記憶部１３は、次に、フィーダ制御部との通信に用いた電気接続部１Ｊの位置に対応するスロット１Ｆの位置（Ｓ０１～Ｓ２０）と、取得したコードとを対応付けて記憶する。一般的に、部品装着機が装着作業に用いる部品は、部品種識別コードによって管理される場合が多い。この場合、記憶部１３は、上記（Ｃ）を用いた記憶を行えばよい。ただし、部品装着機に用いられるテープフィーダＦやリールが予め予約されており、または、リールの使用順序が制約される場合もある。この場合、記憶部１３は、上記（Ａ）や（Ｂ）を用いた記憶を行う必要がある。

　また、記憶部１３は、テープフィーダＦとの通信以外の手段により、所定の対応付けのデータを取得して記憶してもよい。例えば、フィーダスタンド１に付設されたハンディスキャナを作業者が操作して、スロット１Ｆに保存されているテープフィーダＦまたはリールに表示されたコードを取得し、記憶部１３に受け渡してもよい。また、電気接続部１Ｊが省略された構成において、所定の対応付けのデータが別の装置からスタンド制御部１Ｋに転送されてもよい。別の装置として、保管するテープフィーダＦのスロット１Ｆを作業者に指示するフィーダ管理装置などがある、

　要求受付部１４は、フィーダスタンド１が保管しているテープフィーダＦを移動先機器（後述）に移動させる移動要求を受け付ける。移動要求は、フィーダスタンド１の外部から入力される。表示制御部１５は、記憶部１３の記憶内容および移動要求の内容に基づいて、複数の保管側表示部１１の表示を制御する。つまり、表示制御部１５は、複数の保管側表示部１１の各々の点灯と消灯の切り替え制御、および点灯させる場合の色の選択制御を行う。さらに、保管側表示部１１が点滅態様を併用する場合、表示制御部１５は、保管側表示部１１の複数種類の点滅態様の切り替え制御を行う。

　画面表示装置１９は、表示制御部１５が編集した表示用データの内容を画面に表示する。本実施形態において、画面表示装置１９は、作業者が携帯する携帯端末とされている。携帯端末からなる画面表示装置１９は、無線で通信接続されたスタンド制御部１Ｋから表示用データを受信する。画面表示装置１９は、他の用途と共用されてもよく、例えば、基板生産ラインの稼働状況等を表示する用途を兼ねてもよい。

　画面表示装置１９は、上記した携帯端末に限定されず、画面表示機能を有してスタンド制御部１Ｋに有線または無線で通信接続される様々な装置が適用可能である。なお、スタンド制御部１Ｋの一部または全部の機能が、フィーダスタンド１と別体の制御装置に設けられていてもよい。要求受付部１４、表示制御部１５、および画面表示装置１９の機能については、後で詳述する。

　３．基板生産ライン９の構成例
　次に、テープフィーダＦを使用する基板生産ライン９の構成例について、図３を参考にして説明する。図３の左上の矢印に示されるように、基板生産ライン９の前後左右を便宜的に定める。基板生産ライン９は、複数の対基板作業機が左右方向に並んで構成される。すなわち、はんだ印刷機９１、印刷検査機９２、第１部品装着機９３、第２部品装着機９４、第３部品装着機９５、図略の基板外観検査機、および図略のリフロー機が、左側（上流側）から右側（下流側）へと並んでいる。左側から右側へ向かう方向は、基板搬送方向である。

　それぞれの対基板作業機は、基板に対する所定の作業、すなわち対基板作業を実施する。詳述すると、はんだ印刷機９１は、ペースト状のはんだを定められたパターン形状で基板に印刷する。印刷検査機９２は、基板上のはんだ印刷状態を撮像して検査する。第１部品装着機９３、第２部品装着機９４、および第３部品装着機９５は、テープフィーダＦから部品を吸着して、基板に印刷されたはんだの上に装着する。基板外観検査機は、基板に装着された部品を撮像して、その装着状態を検査する。リフロー機は、はんだを加熱して再溶解し、さらに冷却固化することによって、部品のはんだ付け状態を確かなものとする。

　第１部品装着機９３、第２部品装着機９４、および第３部品装着機９５は、互いに同一構造である。部品装着機（９３、９４、９５）は、デバイスパレット９Ａ、補給用パレット９Ｂ、図３には見えない基板搬送装置、部品移載装置、および図略の制御装置などが基台９９に組み付けられて構成される。

　デバイスパレット９Ａは、基台９９の前側の概ね中間高さに配置される。デバイスパレット９Ａは、部品供給装置として機能する。デバイスパレット９Ａは、フィーダスタンド１Ａのスロット１Ｆ、位置決め部１Ｈ、および電気接続部１Ｊと同等の構成をもつ。デバイスパレット９Ａの各スロットには、それぞれテープフィーダＦが前側から挿入されてセットされる。テープフィーダＦは、第１部品装着機９３、第２部品装着機９４、および第３部品装着機９５で互換使用が可能となっている。デバイスパレット９Ａは、さらに、左右方向の幅寸法や内部構造の相違する複数種類のテープフィーダＦの混用が許容されてもよい。

　補給用パレット９Ｂは、基台９９の前側のデバイスパレット９Ａの下側に配置される。補給用パレット９Ｂは、フィーダスタンド１Ａのスロット１Ｆ、位置決め部１Ｈ、および電気接続部１Ｊと同等の構成をもつ。補給用パレット９Ｂは、スロットの各々に使用済みのテープフィーダＦや、使用済みのテープフィーダＦと入れ替えて使用する交換取り付け用のテープフィーダＦなどを収納する。補給用パレット９Ｂのスロット数は、デバイスパレット９Ａと同数であるが、異なっていてもよい。

　基板搬送装置は、基板の搬入、位置決め、および搬出を行う。部品移載装置は、吸着ノズルを用いて、デバイスパレット９Ａ上のテープフィーダＦから部品を吸着し、基板に印刷されたはんだの上に部品を装着する。制御装置は、作業データに基づいて、テープフィーダＦ、基板搬送装置、および部品移載装置を制御し、部品の装着作業を進める。制御装置は、コンピュータ装置を用いて構成され、あるいは、部品装着機（９３、９４、９５）内に分散配置された複数のコンピュータ装置が通信接続されて構成される。

　基板生産ライン９には、さらにフィーダバッファ９６、フィーダ搬送装置９７、ライン管理装置９８、および移動先表示部３が設けられる。フィーダバッファ９６は、はんだ印刷機９１の左側に隣接して設けられる。フィーダバッファ９６は、フィーダスタンド１から移動させたテープフィーダＦを一時的に保持する。フィーダバッファ９６は、部品装着機（９３、９４、９５）のデバイスパレット９Ａと同じ高さに配置される。フィーダバッファ９６は、フィーダスタンド１Ａのスロット１Ｆ、位置決め部１Ｈ、および電気接続部１Ｊと同等の構成をもつ。フィーダバッファ９６の各スロットには、それぞれテープフィーダＦが前側から挿入されてセットされる。

　フィーダ搬送装置９７は、デバイスパレット９Ａ、補給用パレット９Ｂ、およびフィーダバッファ９６の三者間で、テープフィーダＦを着脱および搬送する。フィーダ搬送装置９７は、後側が開いた縦長の箱形状に形成される。フィーダ搬送装置９７は、３台の部品装着機（９３、９４、９５）およびフィーダバッファ９６の前側に設けられた軌道部に沿って、左右方向に移動可能に設けられる。

　軌道部に該当する中段レール９７１および下段レール９７２は、複数の対基板作業機の基台９９の前面、およびフィーダバッファ９６の前面にそれぞれ設けられる。中段レール９７１および下段レール９７２は、左右方向に延在する。中段レール９７１の高さ位置は、デバイスパレット９Ａと補給用パレット９Ｂの中間の高さに統一されている。下段レール９７２の高さ位置は、補給用パレット９Ｂの下部の高さに統一されている。これにより、複数の中段レール９７１および複数の下段レール９７２は、フィーダバッファ９６から第３部品装着機９５まで続いて互いに平行する２条の軌道部を形成する。

　一方、フィーダ搬送装置９７は、その後側に中段走行部９７３および下段走行部９７４を有する。中段走行部９７３は、中段レール９７１に走行可能に係合する。下段走行部９７４は、下段レール９７２に走行可能に係合する。中段走行部９７３は、さらに走行用の動力を発生する駆動源、例えば走行車輪を駆動するモータを含んでいる。これにより、フィーダ搬送装置９７は、中段レール９７１および下段レール９７２に装架され、左右方向に走行して移動する。

　さらに、フィーダ搬送装置９７は、中段走行部９７３と下段走行部９７４の間の高さ位置であって、テープフィーダＦの着脱を阻害しない高さ位置に非接触受電部９７５を備える。非接触受電部９７５は、複数の対基板作業機の対応する高さに設けられた非接触送電部（図略）から非接触で電力を受電する。これにより、フィーダ搬送装置９７内の消費電力が賄われる。

　また、フィーダ搬送装置９７は、昇降駆動部９７６および交換部９７７を箱形状の内部に有する。昇降駆動部９７６は、デバイスパレット９Ａの高さから補給用パレット９Ｂの高さまで、交換部９７７を昇降駆動する。昇降駆動部９７６として、ボールねじ送り機構を例示することができ、これに限定されない。

　交換部９７７は、一つまたは複数のテープフィーダＦを収容する内部空間をもつ。また、交換部９７７は、図略のフィーダ着脱機構を有する。フィーダ着脱機構は、内部空間に収容されたテープフィーダＦを後方に向かって駆動することにより、パレットにセットする。また、フィーダ着脱機構は、パレットにセットされているテープフィーダＦを前方に向かって駆動することにより、パレットからテープフィーダＦを引き抜いて内部空間に収容する。上記したパレットは、前記したデバイスパレット９Ａ、補給用パレット９Ｂ、およびフィーダバッファ９６を意味する。なお、本願出願人は、交換部９７７の詳細な構成例について、国際公開第２０１９／２３９４７５号に開示している。

　ライン管理装置９８は、フィーダバッファ９６の左側に隣接して配置される。ライン管理装置９８は、コンピュータ装置を用いて構成される。ライン管理装置９８は、複数の対基板作業機の制御装置と通信接続される。ライン管理装置９８は、基板の種類ごとに異なる対基板作業の作業内容を記述した作業データを管理する。ライン管理装置９８は、基板の生産計画に基づいて、複数の対基板作業機の制御装置にそれぞれの作業データを送出する。

　ライン管理装置９８は、さらに、複数の対基板作業機の動作状況を監視する。ライン管理装置９８は、いずれかの部品装着機（９３、９４、９５）のテープフィーダＦが部品切れとなった場合に、フィーダ搬送装置９７を制御して当該のテープフィーダＦを交換させ、部品を補給する。さらに、ライン管理装置９８は、使用できるテープフィーダＦが減少して新たなテープフィーダＦをフィーダバッファ９６に移動させる移動要求が発生した場合に、移動要求の内容を画面表示部９８１に表示する。加えて、ライン管理装置９８は、移動要求の内容を含んだ移動要求信号ＳＤ（図４参照）を出力する。

　ここで、移動要求の内容は、前記した（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）の少なくともひとつのコードを含むものである。作業者は、画面表示部９８１の表示にしたがい、移動要求に適合するテープフィーダＦをフィーダバッファ９６のスロットに挿入する。この後、ライン管理装置９８およびフィーダ搬送装置９７の動作により、必要に応じてテープフィーダＦが部品装着機（９３、９４、９５）まで搬送されて取り付けられ、自動で部品が補給される。

　補給用パレット９Ｂおよびフィーダバッファ９６には交換取り付け用のテープフィーダＦを予め準備しておくことができるので、基板生産ライン９は、部品切れに対して無人で対応することができる。加えて、部品切れが発生したときの生産中断時間も短くて済む。さらに、部品切れが発生するたびに１台のテープフィーダＦを移動させるのでなく、必要となる時期が接近した複数のテープフィーダＦを予めまとめて移動させることができるので、移動作業の効率が高い。

　移動先表示部３は、ライン管理装置９８の後側に設けられる。移動先表示部３は、支持ポール３Ｐを用いて高い位置に配置されており、遠方の作業者から見易くなっている。なお、支持ポール３Ｐは必須でなく、移動先表示部３は、遠方から見易い他の形態とされてもよい。移動先表示部３は、特定の色を点灯可能な光源とされている。具体的には、移動先表示部３は、保管側表示部１１と同じ７色の色を選択的に点灯可能でありながらいつも特定の１色で点灯する多色光源、または単色光源が適用可能である。移動先表示部３は、移動要求が発生したときだけ点灯して、テープフィーダＦの移動作業の必要性を明瞭に表示する。これに限定されず、移動先表示部３は、常時点灯していてもよい。

　さらに、移動先表示部３は、点灯と消灯の切り替えに加えて、光源の点滅態様を併用することができる。移動先表示部３は、ライン管理装置９８から制御される。また、移動先表示部３は、特定の色を表示するプラカード、換言すると制御が不要な特定の色のみの表示を行うもの（一つの表示態様）でもよい。

　４．第１実施形態のフィーダ移動支援システム２
　次に、第１実施形態のフィーダ移動支援システム２の構成および動作について、図４～図６を参考にして説明する。フィーダ移動支援システム２は、フィーダスタンド１、および複数の基板生産ラインにそれぞれ設けられた移動先表示部（３１、３２、３３）などで構成される。複数の基板生産ラインの具体例である第１基板生産ライン９０１、第２基板生産ライン９０２、および第３基板生産ライン９０３は、テープフィーダＦを移動させる候補となる複数の移動先機器に相当する。各基板生産ラインの移動先表示部（３１、３２、３３）は、互いに異なる表示態様で表示を行う。

　具体的に、第１基板生産ライン９０１の移動先表示部３１は黄色の表示が割り当てられ、第２基板生産ライン９０２の移動先表示部３２は青色の表示が割り当てられ、第３基板生産ライン９０３の移動先表示部３３は赤色の表示が割り当てられている。フィーダスタンド１の記憶部１３は、複数の移動先機器にそれぞれ設定された互いに異なる表示態様を記憶する。つまり、記憶部１３は、各基板生産ラインに割り当てられて互いに異なる３色の色を、ラインナンバー（第１～第３）と対応付けて記憶する。

　保管側表示部１１が７色の色を選択的に点灯可能な多色光源であり、換言すると７種類の表示態様をもつ場合、フィーダ移動支援システム２は、表示態様の種類数に等しい７ラインまでの基板生産ラインが適用対象となる。保管側表示部１１が７色の色を選択的に点灯可能でかつ点滅態様との併用により２１種類の表示態様をもつ場合、フィーダ移動支援システム２は、２１ラインまでの基板生産ラインが適用対象となる。また、フィーダ移動支援システム２は、複数のフィーダスタンド１の同時使用（例えば、フィーダスタンドＡとフィーダスタンドＢとの併用）を許容する。

　フィーダスタンド１は、通信接続可能であることを条件として、基板生産ラインから離隔配置される。例えば、フィーダスタンド１は、外段取りエリアに配置され、外段取りエリアに設置された作業管理装置を介して基板生産ラインに接続される。図４に示されるように、フィーダスタンド１の要求受付部１４は、基板生産ラインの各々のライン管理装置９８に通信接続される。そして、要求受付部１４は、各ライン管理装置９８が出力する移動要求信号ＳＤを受け付ける。複数のフィーダスタンド１を使用している場合には、それぞれの要求受付部１４が独立して別々に移動要求信号ＳＤを受け付ける。

　以降では、フィーダスタンド１が１台のシステム構成で、第１基板生産ライン９０１から移動要求信号ＳＤが出力され、続いて第２基板生産ライン９０２から移動要求信号ＳＤが出力された場合を例にして、フィーダ移動支援システム２の動作を説明する。要求受付部１４は、まず、第１基板生産ライン９０１の移動要求信号ＳＤを受け付ける。移動要求信号ＳＤは、移動させるテープフィーダＦが１台の場合に限定されず、複数の場合もあり得る。要求受付部１４は、移動要求信号ＳＤを受け付けた旨、および移動要求信号ＳＤの内容を表示制御部１５に転送する。

　表示制御部１５は、まず、記憶部１３の記憶内容および移動要求の内容に基づいて、移動させるテープフィーダＦが保管されている保管位置を求める。つまり、表示制御部１５は、移動要求信号ＳＤに含まれる（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）の少なくともひとつのコードを用いて記憶部１３の記憶内容を検索し、コードが一致するテープフィーダＦを求め、それが保管されている保管位置（スロット１Ｆの位置）を求める。ここでは、当該の位置が、位置Ｓ０１および位置Ｓ０３であったとする。なお、コードが一致するテープフィーダＦが存在しない場合、表示制御部１５は、その旨を画面表示装置１９に送信して画面表示させる。

　表示制御部１５は、次に、位置Ｓ０１および位置Ｓ０３を指し示す保管側表示部１１、および移動先の第１基板生産ライン９０１に設けられた移動先表示部３１を対応する表示態様で表示させる。別の言い方をすると、表示制御部１５は、移動させるテープフィーダＦの保管位置である位置Ｓ０１および位置Ｓ０３を指し示す保管側表示部１１の表示態様を、移動先の第１基板生産ライン９０１に設けられた移動先表示部３１に設定された表示態様と対応付けて表示させる。

　対応する表示態様とは、第１基板生産ライン９０１に割り当てられた黄色の表示を意味する。つまり、表示制御部１５は、位置Ｓ０１および位置Ｓ０３を指し示す２つの保管側表示部１１を黄色で点灯させる。同時に、表示制御部１５は、第１基板生産ライン９０１のライン管理装置９８に点灯要求信号ＳＬを送信する。点灯要求信号ＳＬを受け付けたライン管理装置９８は、移動先表示部３１を黄色（保管側表示部１１と同じ色）で点灯させる。

　図５において、点灯する保管側表示部１１および移動先表示部（３１、３２）は便宜的に大きな丸印を用いて見易く図示される。また、保管側表示部１１および移動先表示部３１の黄色の点灯は三重の丸印で示され、保管側表示部１１および移動先表示部３２の青色の点灯は斜線のハッチングを付した丸印で示されている。黄色の点灯を見た作業者は、テープフィーダＦを引き抜く位置Ｓ０１および位置Ｓ０３と、移動先である第１基板生産ライン９０１との対応関係を容易に確認することができる。このとき、移動先表示部３１が高くて見易い位置に配置されているので、遠方の作業者でも直視による確認が可能である。一方、特許文献１の技術では、部品装着機（９３、９４、９５）のデバイスパレット９Ａに設けられた表示器を用いて移動先を表示するので、遠方の作業者はこの表示を直視することができない。

　上述した表示制御部１５の制御は、第２基板生産ライン９０２からの移動要求信号ＳＤに対して同様に実行される。第２基板生産ライン９０２に移動させるテープフィーダＦの位置が、位置Ｓ０８および位置Ｓ１４であったとする。表示制御部１５は、位置Ｓ０８および位置Ｓ１４を指し示す２つの保管側表示部１１を青色で点灯させ、同時に、第２基板生産ライン９０２のライン管理装置９８に点灯要求信号ＳＬを送信する。点灯要求信号ＳＬを受け付けたライン管理装置９８は、移動先表示部３２を青色で点灯させる。青色の点灯を見た作業者は、テープフィーダＦを引き抜く位置Ｓ０８および位置Ｓ１４と、移動先である第２基板生産ライン９０２との対応関係を容易に確認することができる。

　このように、表示制御部１５は、移動させる複数のテープフィーダＦに対応するように複数の保管側表示部１１および一つ以上の移動先表示部（３１、３２）を同時に表示させる。作業者は、点灯している４個の保管側表示部１１に基づいて、フィーダスタンド１から４台のテープフィーダＦを引き抜き、移動用台車を用いて第１基板生産ライン９０１および第２基板生産ライン９０２まで移動させることができる。したがって、複数のテープフィーダＦをまとめて移動させることができ、移動作業が効率化される。なお、作業者は、移動用台車を用いずに、フィーダスタンド１そのものを第１基板生産ライン９０１および第２基板生産ライン９０２まで移動させてもよい。

　さらに、表示制御部１５は、移動させる４台のテープフィーダＦの保管位置と移動先機器との対応関係を表す表示用データを編集して、画面表示装置１９に送信する。表示用データを受信した画面表示装置１９は、各基板生産ラインに割り当てられた色を用いて、前記した対応関係を図６に示されるように表示する。図６の画面表示例で、２行目の左側には移動元を意味する「Ｆｒｏｍ」が表示され、右側には移動先機器を意味する「Ｔｏ」が表示される。また、第１基板生産ライン９０１を移動先とする３行目および４行目の表示用データは黄色で表示され、第２基板生産ライン９０２を移動先とする５行目および６行目の表示用データは青色で表示される。

　携帯端末からなる画面表示装置１９を用いることにより、作業者は、フィーダスタンド１や基板生産ラインから離れていても、テープフィーダＦの移動作業が要求されていることを認識可能である。また、移動途中に保管側表示部１１や移動先表示部（３１、３２）が見えなくなっても、画面表示装置１９の対応する色を用いた表示により、テープフィーダＦの移動先を間違えるおそれが抑制される。

　さらに、複数の基板生産ラインの各々に対して、テープフィーダＦの移動作業を担当する作業者を固定的に定めた運用形態を用いることができる。これによれば、作業者は、保管側表示部１１および移動先表示部（３、３１、３２、３３）が表示している色を見るだけで、自分の担当であるか否かをすぐに判断することができ、すこぶる便利である。

　第１実施形態のフィーダ移動支援システム２において、表示制御部１５は、フィーダスタンド１から移動させるテープフィーダＦの保管位置を指し示す保管側表示部１１、およびテープフィーダＦを移動させる移動先機器に設けられた移動先表示部（３１、３２、３３）を対応する表示態様で表示させる。換言すると、実施形態のフィーダスタンド１において、表示制御部１５は、移動させるテープフィーダＦの保管位置を指し示す保管側表示部１１の表示態様を、移動先機器に設定された表示態様と対応付けて表示させる。表示を見た作業者は、テープフィーダＦの移動元の位置と移動先機器の対応関係を確認することができるので、テープフィーダＦを取り違えることがなく、かつ移動先に迷うことがなく、効率的な移動作業を行うことができる。したがって、フィーダ移動支援システム２やフィーダスタンド１は、テープフィーダＦの移動作業を効率化することができる。

　５．部品装着機８の構成例
　次に、テープフィーダＦを使用する部品装着機８の構成例について、図７を参考にして説明する。部品装着機８は、基板Ｋに部品を装着する装着作業を実施する。部品装着機８は、テープフィーダＦを移動させる候補となる移動先機器に相当する。図７の紙面左側から右側に向かう方向が基板Ｋを搬送するＸ軸方向、紙面下側（前側）から紙面上側（後側）に向かう方向がＹ軸方向となる。部品装着機８は、基板搬送装置８２、着脱形の部品供給装置７、部品移載装置８４、制御装置８５、および移動先表示部３４などが基台８０に組み付けられて構成される。

　基板搬送装置８２は、一対のガイドレール８２１、図略の一対の搬送ベルト、およびクランプ機構８２３などで構成される。一対のガイドレール８２１は、基台８０の上面中央を横断して搬送方向（Ｘ軸方向）に延在し、かつ互いに平行して基台８０に組み付けられる。一対の搬送ベルトは、基板Ｋの平行する二辺が戴置された状態でガイドレール８２１に沿って輪転し、基板Ｋを基台８０の中央付近の作業実施位置に搬入する。クランプ機構８２３は、搬入された基板Ｋを押し上げて、ガイドレール８２１との間にクランプして位置決めする。部品移載装置８４による部品の装着作業が終了した後、クランプ機構８２３は基板Ｋを解放し、搬送ベルトは基板Ｋを機外に搬出する。

　着脱形の部品供給装置７は、基台８０の前部に着脱可能に設けられる。部品供給装置７は、部品移載装置８４に部品を供給する。部品供給装置７は、パレット７１、パレット制御部７２、複数の位置表示部４、および複数のテープフィーダＦなどで構成される。パレット７１は、平面視で概ね長方形に形成されて水平配置される。パレット７１は、図略の移動用車輪および移動用ハンドルをもつ台車形状に形成される。パレット７１は、フィーダスタンド１Ａのスロット１Ｆ、位置決め部１Ｈ、および電気接続部１Ｊと同等の構成をもつ。パレット７１の各スロットには、それぞれテープフィーダＦが前側から挿入されてセットされる。

　パレット制御部７２は、パレット７１の内部に配置される。パレット制御部７２は、制御装置８５に通信接続される。さらに、パレット制御部７２は、セットされているテープフィーダＦのフィーダ制御部に通信接続される。パレット制御部７２は、制御装置８５からの指令に基づいてフィーダ制御部に動作指令を送り、テープフィーダＦの部品供給動作を制御する。

　複数の位置表示部４は、スロットの各々に対応して設けられる。位置表示部４は、テープフィーダＦを取り付ける取付位置としてのスロットを指し示すものである。位置表示部４の各々は、パレット７１の前面のスロットの下側にそれぞれ配置される。したがって、位置表示部４の数量は、スロットの条数に一致し、換言すると取り付け可能なテープフィーダＦの最大台数に等しい数量となる。位置表示部４として、例えば白色の単色光源を用いることができる。位置表示部４は、パレット制御部７２から制御される。

　部品移載装置８４は、Ｙ軸移動体８４１、Ｘ軸移動体８４２、装着ヘッド８４３、ロータリツール８４４、複数の吸着ノズル８４５、基板認識用カメラ８４６、および部品認識用カメラ８４９などで構成される。Ｙ軸移動体８４１は、Ｘ軸方向に長い部材で形成され、Ｙ方向駆動機構に駆動されてＹ軸方向に移動する。Ｘ軸移動体８４２は、Ｙ軸移動体８４１に装架され、Ｘ方向駆動機構に駆動されてＸ軸方向に移動する。装着ヘッド８４３は、Ｘ軸移動体８４２の前面に設けられた図略のクランプ機構に取り付けられ、Ｘ軸移動体８４２と共に水平二方向に移動する。装着ヘッド８４３の下側に、ロータリツール８４４が回転可能に設けられる。ロータリツール８４４は、複数（図７の例では１２本）の吸着ノズル８４５を垂直中心軸から等距離に有する。吸着ノズル８４５は、負圧エアおよび正圧エアが選択的に供給されて、部品の吸着動作および装着動作を行う。

　基板認識用カメラ８４６は、装着ヘッド８４３と並んでＸ軸移動体８４２に設けられる。基板認識用カメラ８４６は、光軸が下向きとなるように配設され、基板Ｋに付設された位置基準マークを上方から撮像する。取得された画像データは画像処理され、基板Ｋの作業実施位置が正確に求められる。部品認識用カメラ８４９は、基板搬送装置８２と部品供給装置７の間の基台８０上に設けられる。部品認識用カメラ８４９は、光軸が上向きとなるように配置される。部品認識用カメラ８４９は、装着ヘッド８４３が部品供給装置７から基板Ｋに移動する途中で、吸着ノズル８４５に保持された部品を下方から撮像して認識する。これにより、部品の種類の正誤が判定され、また、吸着ノズル８４５に対する部品の位置や向きが検出されて装着作業に反映される。

　制御装置８５は、基台８０に組み付けられており、その配設位置は特に限定されない。制御装置８５は、コンピュータ装置を用いて構成される。制御装置８５は、基板Ｋの種類ごとに作成された装着作業データに基づいて、基板搬送装置８２、部品供給装置７、および部品移載装置８４を制御する。装着作業データは、装着作業の詳細な手順や実施方法などを記述したデータである。制御装置８５は、装着作業の進捗状況や動作エラーの発生状況などを表示する表示部８５１を備える。

　移動先表示部３４は、基台８０の左後方に設けられる。移動先表示部３４は、第１実施形態の移動先表示部３と同様、支持ポール３Ｐを用いて高い位置に配置されており、遠方の作業者から見易くなっている。移動先表示部３４は、第１実施形態の移動先表示部３と同様、特定の１色で点灯する多色光源または単色光源が適用可能である。移動先表示部３４は、制御装置８５から制御される。

　６．第２実施形態のフィーダ移動支援システム２Ａ
　次に、第２実施形態のフィーダ移動支援システム２Ａの構成および動作について、図８を参考にして説明する。フィーダ移動支援システム２Ａは、外段取りエリアのエリア内に構成される。フィーダ移動支援システム２Ａは、フィーダスタンド１、第１部品供給装置７０１に設けられた移動先表示部３５、第２部品供給装置７０２に設けられた移動先表示部３６、位置表示部４、および作業管理装置１Ｘなどで構成される。

　第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２は、部品装着機８から取り外されて外段取りエリアに移動したもの、または、保管エリアから外段取りエリアに移動したものである。第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２は、テープフィーダＦを交換する段取り替え作業、または空のスロットにテープフィーダＦを取り付ける作業が行われる。第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２は、テープフィーダＦを移動させる候補となる複数の移動先機器に相当する。

　第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２は、前述した部品供給装置７に移動先表示部（３５、３６）が付加されて構成される。移動先表示部（３５、３６）の位置は、作業者が見易い位置であれば特に限定されない。移動先表示部（３５、３６）は、７色の色を選択的に点灯可能な多色光源とされる。第１実施形態において移動先表示部（３１、３２、３３）の色は固定されているが、第２実施形態では、移動先表示部（３５、３６）の色は変更可能とされている。この理由は、基板生産工場で使用される部品供給装置７の台数が基板生産ラインのライン数と比較して多数であることから、仮に移動先表示部３５の色を固定すると、同色の移動先表示部３５がシステム内に複数存在して区別できなくなる場合が生じ得るからである。

　そして、システム内に存在する限られた数量の部品供給装置７に相違する色を割り当てることで、区別できなくなるおそれを解消する。以降の説明では、第１部品供給装置７０１の移動先表示部３５に青色を割り当て、第２部品供給装置７０２の移動先表示部３６に赤色を割り当てるものとする。割り当てた色は、第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２がシステム内に留まる期間を通して変更されない。フィーダスタンド１の記憶部１３は、各部品供給装置に割り当てられた互いに異なる色（表示態様）を記憶する。

　図８に示されるように、第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２のパレット制御部７２は、作業管理装置１Ｘに通信接続される。さらに、作業管理装置１Ｘは、フィーダスタンド１の要求受付部１４に通信接続される。作業管理装置１Ｘは、第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２から取り外すテープフィーダＦ、および取り付けるテープフィーダＦに関する段取り替えデータを保持している。段取り替えデータは、パレット７１のスロットの位置と、着脱するテープフィーダＦに関する前記した（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）のいずれかのコードとを対応付けたものである。段取り替えデータは、フィーダスタンド１が保管しているテープフィーダＦを移動先機器に移動させる移動要求の一形態である。

　以降では、第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２の段取り替え作業を行う場合を例にして、フィーダ移動支援システム２Ａの動作を説明する。まず、作業管理装置１Ｘは、段取り替えデータの内容を付属の画面表示部１Ｙに表示するとともに、段取り替えデータをパレット制御部７２および要求受付部１４に送信する。段取り替えデータを受信したパレット制御部７２は、パレット７１の段取り替え作業の対象となるスロットを指し示す位置表示部４を点灯させる。

　図８に示される例で、点灯する位置表示部４は、便宜的に×を付した大きな丸印を用いて見易く示されている。図示されるように、第１部品供給装置７０１では、左端、左側から２番目、および右端の位置表示部４が点灯している。左端および右端のスロットは、テープフィーダＦが取り付けられておらず、左側から２番目のスロットには、テープフィーダＦが取り付けられている。このように、段取り替え作業の対象となるスロットは、空である場合と、テープフィーダＦが取り付けられている場合とがある。また、第２部品供給装置７０２では、右側から２番目および３番目の位置表示部４が点灯している。

　一方、段取り替えデータを受信した要求受付部１４は、段取り替えデータの内容を表示制御部１５に転送する。表示制御部１５は、記憶部１３の記憶内容および段取り替えデータの内容に基づいて、移動させるテープフィーダＦの保管位置を求める。つまり、表示制御部１５は、段取り替えデータに含まれる（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）の少なくともひとつのコードを用いて記憶部１３の記憶内容を検索し、コードが一致するテープフィーダＦを求め、それが保管されているスロット１Ｆの位置を求める。ここでは、第１部品供給装置７０１に関する当該の位置が、位置Ｓ０５、位置０６、および位置Ｓ０８であったとする。また、第２部品供給装置７０２に関する当該の位置が、位置Ｓ１３および位置Ｓ１５であったとする。

　表示制御部１５は、位置Ｓ０５、位置０６、および位置Ｓ０８を指し示す保管側表示部１１、および移動先の第１部品供給装置７０１に設けられた移動先表示部３５を対応する表示態様で表示させる。対応する表示態様とは、第１部品供給装置７０１に割り当てられた青色の表示を意味する。つまり、表示制御部１５は、上記した３個の保管側表示部１１を青色で点灯させる。同時に、表示制御部１５は、作業管理装置１Ｘを経由して第１部品供給装置７０１のパレット制御部７２に点灯要求信号ＳＬを送信する。点灯要求信号ＳＬを受け付けたパレット制御部７２は、移動先表示部３５を青色で点灯させる。

　また、表示制御部１５は、位置Ｓ１３および位置Ｓ１５を指し示す保管側表示部１１、および移動先の第２部品供給装置７０２に設けられた移動先表示部３６を対応する表示態様で表示させる。対応する表示態様とは、第２部品供給装置７０２に割り当てられた赤色の表示を意味する。つまり、表示制御部１５は、上記した２個の保管側表示部１１を赤色で点灯させる。同時に、表示制御部１５は、作業管理装置１Ｘを経由して第２部品供給装置７０２のパレット制御部７２に点灯要求信号ＳＬを送信する。点灯要求信号ＳＬを受け付けたパレット制御部７２は、移動先表示部３６を赤色で点灯させる。

　図８において、点灯する保管側表示部１１は便宜的に大きな丸印を用いて見易く図示されている。また、保管側表示部１１および移動先表示部３５の青色の点灯は斜線のハッチングを付した丸印で示され、保管側表示部１１および移動先表示部３６の赤色の点灯は黒丸印で示されている。色別の点灯を見た作業者は、テープフィーダＦを引き抜くスロット１Ｆの位置と、移動先である第１部品供給装置７０１および第２部品供給装置７０２との対応関係を容易に確認することができる。したがって、作業者は、移動先の部品供給装置を間違えることが無い。

　なお、位置表示部４は、テープフィーダＦの取付位置（パレット７１のスロット）であることを表示して、作業者の便宜を図っている。しかしながら、位置表示部４は、取付位置を表示しても、取り付けるテープフィーダＦを表示していない。したがって、作業者は、作業管理装置１Ｘの画面表示部１Ｙを見て、複数のテープフィーダＦとその取付位置の対応関係を確認する。以上説明したように、フィーダ移動支援システム２Ｂでは、移動先表示部（３５、３６）を用いてテープフィーダＦの移動先機器を案内し、画面表示部１Ｙを用いてテープフィーダＦの取付位置を案内するようになっている。したがって、位置表示部４を省略することが可能である。

　７．第３実施形態のフィーダ移動支援システム２Ｂ
　次に、第３実施形態のフィーダ移動支援システム２Ｂの構成および動作について、図９および図１０を参考にして説明する。フィーダ移動支援システム２Ｂは、フィーダスタンド１、部品装着機８に設けられた移動先表示部３４、および部品供給装置７に設けられた位置表示部４などで構成される。フィーダスタンド１の要求受付部１４は、複数の部品装着機８の制御装置８５に通信接続される。図９において、２台目以降の部品装着機８は、図示省略されている。

　部品装着機８の装着作業が進捗していずれかのテープフィーダＦで部品切れが発生したときに、制御装置８５は、当該のテープフィーダＦの位置（スロット)を記憶し、前記した移動要求信号ＳＤを要求受付部１４に送信する。要求受付部１４は、移動要求信号ＳＤを受け付けた旨、および移動要求信号ＳＤの内容を表示制御部１５に転送する。

　表示制御部１５は、まず、記憶部１３の記憶内容および移動要求の内容に基づいて、移動させるテープフィーダＦの保管位置を求める。つまり、表示制御部１５は、移動要求信号ＳＤに含まれる（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）の少なくともひとつのコードを用いて記憶部１３の記憶内容を検索し、コードが一致するテープフィーダＦを求め、それが保管されているスロット１Ｆの位置を求める。ここでは、当該の位置が、位置Ｓ０７であったとする。

　表示制御部１５は、次に、位置Ｓ０７を指し示す保管側表示部１１、および移動先の部品装着機８に設けられた移動先表示部３４を対応する表示態様で表示させる。対応する表示態様とは、同じ色で表示することを意味し、以降では黄色で表示するものとする。つまり、表示制御部１５は、位置Ｓ０７を指し示す保管側表示部１１を黄色で点灯させる。同時に、表示制御部１５は、制御装置８５に点灯要求信号ＳＬを送信する。点灯要求信号ＳＬを受け付けた制御装置８５は、移動先表示部３４を黄色で点灯させる。

　図９において、点灯する保管側表示部１１は便宜的に大きな丸印を用いて見易く図示されている。また、保管側表示部１１および移動先表示部３４の黄色の点灯は三重の丸印で示されている。黄色の点灯を見た作業者は、テープフィーダＦを引き抜く位置Ｓ０７と、移動先である部品装着機８との対応関係を容易に確認することができる。作業者は、位置Ｓ０７のスロット１ＦからテープフィーダＦを引き抜いて保持する。さらに、作業者は、点灯している移動先表示部３４に案内され、部品装着機８に向かって移動する。移動途中において、作業者は、位置表示部４を直視することができない。

　ここで、図１０に示される動作の後半に移る。表示制御部１５は、特定条件が成立した後に位置表示部４を表示させる。実際には、表示制御部１５は、特定条件が成立した後、制御装置８５に点灯要求信号ＳＬを送信し、点灯要求信号ＳＬを受信したパレット制御部７２が位置表示部４を点灯させる。特定条件は、テープフィーダＦをパレット７１のスロットへ挿入する時期が近いことを判定する条件であり、次の（Ｄ）、（Ｅ）、（Ｆ）のいずれかとされる。
（Ｄ）フィーダスタンド１からテープフィーダＦが取り出された条件
（Ｅ）テープフィーダＦが移動先表示部３４に対して所定距離まで接近した条件
（Ｆ）作業者が位置表示部４を表示させる指令を発した条件

　上記した（Ｄ）の条件は、スタンド制御部１Ｋが当該のテープフィーダＦと通信できなくなることで自動的に判定される。また、（Ｅ）の条件は、テープフィーダＦにＧＰＳ機能を付与して、位置情報を表示制御部１５に送る構成により判定される。あるいは、テープフィーダＦと部品装着機８との間で微弱電波を用いた無線通信を試行し、所定距離まで接近して無線通信が可能となることで判定される。さらに、（Ｆ）の条件は、作業者が携帯端末からなる画面表示装置１９を用いて指令を表示制御部１５に送信したことにより判定される。

　図１０の例で、左側から４番目のスロットのテープフィーダＦが部品切れになっている。点灯要求信号ＳＬを受信した制御装置８５は、パレット制御部７２に点灯要求信号ＳＬを転送する。点灯要求信号ＳＬを受信したパレット制御部７２は、部品切れになったテープフィーダＦの位置に対応する位置表示部４を点灯させる。図１０において、点灯する位置表示部４は、便宜的に×を付した大きな丸印で示されている。作業者Ｍは、移動先表示部３４に案内されて部品装着機８に接近すると、位置表示部４の点灯を直視することができるようになる。したがって、作業者Ｍは、移動先機器を誤らないことに加え、取付位置を誤ることなく部品切れのテープフィーダＦを取り外して、フィーダスタンド１から移動させたテープフィーダＦを取り付けることができる。

　一方、フィーダスタンド１では、テープフィーダＦが引き抜かれた後に、位置Ｓ０７を指し示す保管側表示部１１が消灯される。これにより、位置Ｓ０７のスロット１Ｆに別のテープフィーダＦの保管が可能な状態となる。このように、位置表示部４および保管側表示部１１の点灯時間を限定する制御により、作業者Ｍから見えない無意味な点灯（表示）を省略して、省電力に寄与することができる。加えて、不必要な点灯が無いことで、別の作業者の勘違い等が抑制される。

　８．実施形態の変形および応用
　なお、第１～第３実施形態は、重畳した構成が可能である。つまり、フィーダスタンド１の要求受付部１４は、ライン管理装置９８、作業管理装置１Ｘ、および制御装置８５に対して、同時に通信接続されることが可能である。また、表示制御部１５は、様々な移動先機器の移動先表示部（３、３１、３２、３３、３４、３５、３６）、および位置表示部４を同時に制御することが可能である。さらに、第２および第３実施形態において、位置表示部４に代え、テープフィーダＦに設けられてパレット制御部７２から制御される表示部を用いる形態としてもよい。ただし、この形態では、パレット７１の空のスロットを指し示すことは省略される。

　また、第１実施形態において、保管側表示部１１および移動先表示部３の点滅態様は、表示態様の種類数を増やすために用いられるが、緊急性の高低を示すために用いられてもよい。例えば、第３実施形態の変形例で、表示制御部１５は、テープフィーダＦの部品切れによる緊急性の高い移動要求が発生した場合に、保管側表示部１１および移動先表示部３４を同色の継続点灯とする。さらに、表示制御部１５は、テープフィーダＦの部品残数が所定数以下となった部品切れ予告による緊急性の低い移動要求が発生した場合に、保管側表示部１１および移動先表示部３４を同色の点滅とする。これによれば、作業者は、継続点灯によって指し示されるテープフィーダＦの移動作業を優先し、点滅によって指し示されるテープフィーダＦの移動作業を後回しにして、移動作業の順序を適正化することができる。その他にも、第１～第３実施形態は、様々な変形や応用が可能である。

　１、１Ａ：フィーダスタンド　　１１：保管側表示部　　１３：記憶部　　１４：要求受付部　　１５：表示制御部　　１９：画面表示装置　　１Ｅ：棚板　　１Ｆ：スロット　　１Ｋ：スタンド制御部　　１Ｘ：作業管理装置　　２、２Ａ、２Ｂ：フィーダ移動支援システム　　３、３１、３２、３３、３４、３５、３６：移動先表示部　　４：位置表示部　　７：部品供給装置　　７０１：第１部品供給装置　　７０２：第２部品供給装置　　７１：パレット　　７２：パレット制御部　　８：部品装着機　　８２：基板搬送装置　　８４：部品移載装置　　８５：制御装置　　９：基板生産ライン　　９３：第１部品装着機　　９４：第２部品装着機　　９５：第３部品装着機　　９６：フィーダバッファ　　９７：フィーダ搬送装置　　９８：ライン管理装置　　Ｆ：テープフィーダ　　ＳＤ：移動要求信号　　ＳＬ：点灯要求信号

Claims (13)

1. 　複数のテープフィーダを保管するフィーダスタンドの複数の保管位置の各々に対応して配置され、複数の表示態様から選択された前記表示態様で前記保管位置を指し示す表示を行う複数の保管側表示部と、
   　前記フィーダスタンドが保管している前記テープフィーダと、前記保管位置とを対応付けて記憶する記憶部と、
   　前記テープフィーダを移動させる候補となる複数の移動先機器にそれぞれ設けられて、互いに異なる前記表示態様で表示を行う複数の移動先表示部と、
   　前記フィーダスタンドが保管している前記テープフィーダを複数の前記移動先機器のいずれかに移動させる移動要求が発生した場合に、前記記憶部の記憶内容および前記移動要求の内容に基づいて、移動させる前記テープフィーダの前記保管位置を指し示す前記保管側表示部、および前記テープフィーダを移動させる前記移動先機器に設けられた前記移動先表示部を対応する前記表示態様で表示させる表示制御部と、
   　を備えるフィーダ移動支援システム。
2. 　前記保管側表示部は、複数の前記表示態様として複数の色のいずれかを選択的に点灯可能な光源であり、
   　前記移動先表示部は、特定の色を点灯可能な光源、または特定の色を表示するプラカードである、
   　請求項１に記載のフィーダ移動支援システム。
3. 　前記保管側表示部および前記移動先表示部は、前記表示態様として色と前記光源の点滅態様とを併用する、
   　請求項２に記載のフィーダ移動支援システム。
4. 　前記表示制御部は、移動させる複数の前記テープフィーダに対応するように複数の前記保管側表示部および一つ以上の前記移動先表示部を同時に表示させる、請求項１～３のいずれか一項に記載のフィーダ移動支援システム。
5. 　移動させる前記テープフィーダの前記保管位置と前記移動先機器との対応関係を、前記保管側表示部および前記移動先表示部に対応する前記表示態様を用いて画面に表示する画面表示装置を備える、請求項１～４のいずれか一項に記載のフィーダ移動支援システム。
6. 　複数の前記移動先機器は、前記テープフィーダが装備される部品装着機、前記部品装着機を含んで構成される基板生産ライン、および、前記テープフィーダが装備された状態で前記部品装着機に着脱可能に設けられる着脱形部品供給装置の一つ以上を含む、請求項１～５のいずれか一項に記載のフィーダ移動支援システム。
7. 　前記移動先機器は、
   　前記部品装着機、移動させた前記テープフィーダを一時的に保持するフィーダバッファ、および前記部品装着機と前記フィーダバッファとの間で前記テープフィーダの搬送を行うフィーダ搬送装置を含んで構成される前記基板生産ラインである、請求項６に記載のフィーダ移動支援システム。
8. 　前記移動先機器は、前記テープフィーダをそれぞれ取り付け可能な複数の取付位置を有する前記部品装着機、または、前記部品装着機を含んで構成される前記基板生産ラインであり、
   　前記フィーダ移動支援システムは、複数の前記取付位置の各々に対応して配置され、前記取付位置を指し示す表示を行う複数の位置表示部を備え、
   　前記表示制御部は、移動させる前記テープフィーダの前記保管位置を指し示す前記保管側表示部、前記テープフィーダを移動させる前記部品装着機または前記基板生産ラインに設けられた前記移動先表示部、および移動させた前記テープフィーダを取り付ける前記取付位置を指し示す前記位置表示部を表示させる、
   　請求項６に記載のフィーダ移動支援システム。
9. 　前記表示制御部は、前記移動要求が発生した場合に、前記保管側表示部および前記移動先表示部を表示させるとともに、特定条件が成立した後に、前記位置表示部を表示させる、
   　請求項８に記載のフィーダ移動支援システム。
10. 　前記特定条件は、前記フィーダスタンドから前記テープフィーダが取り出された条件、前記テープフィーダが前記移動先表示部に対して所定距離まで接近した条件、および作業者が前記位置表示部を表示させる指令を発した条件のいずれかを含む、請求項９に記載のフィーダ移動支援システム。
11. 　複数の前記移動先機器の各々に対して、前記テープフィーダを移動させる作業者が定められている、請求項１～１０のいずれか一項に記載のフィーダ移動支援システム。
12. 　請求項１～１１のいずれか一項に記載されたフィーダ移動支援システムに用いられるフィーダスタンド。
13. 　テープフィーダをそれぞれ保管する複数の保管位置と、
    　複数の前記保管位置の各々に対応して配置され、複数の表示態様から選択された前記表示態様で前記保管位置を指し示す表示を行う複数の保管側表示部と、
    　保管している前記テープフィーダと前記保管位置との対応関係、および、前記テープフィーダを移動させる候補となる複数の移動先機器にそれぞれ設定された互いに異なる前記表示態様を記憶する記憶部と、
    　保管している前記テープフィーダを複数の前記移動先機器のいずれかに移動させる移動要求が発生した場合に、前記記憶部の記憶内容および前記移動要求の内容に基づいて、移動させる前記テープフィーダの前記保管位置を指し示す前記保管側表示部の前記表示態様を、前記テープフィーダを移動させる前記移動先機器に設定された前記表示態様と対応付けて表示させる表示制御部と、
    　を備えるフィーダスタンド。

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