WO2023068339A1 - 側壁型スプリンクラーヘッド用の付属品 - Google Patents

Abstract

側壁型スプリンクラーヘッドを給水配管に接続する際に、側壁型スプリンクラーヘッド及びデフレクターの配置の調整を容易にする。デフレクター１５を備える側壁型スプリンクラーヘッド１００に着脱可能な保護キャップ２００は、側壁型スプリンクラーヘッド１００を内部に収容可能な筒状体であり、筒状体は、係合部としての舌状片５３と、付属品用基準指示部としての第２平面部５５とを有する。係合部としての舌状片５３は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の凹部１８と供回り可能に係合可能であり、付属品用基準指示部としての第２平面部５５は、デフレクターの配置の状態を指示可能として構成されている。

Description

側壁型スプリンクラーヘッド用の付属品

　本開示は側壁型スプリンクラーヘッド用の付属品に関する。

　側壁型スプリンクラーヘッドは、建物内の壁の天井付近に埋め込まれて設置されている。ここで「側壁」とは、建物の床面又は天井面に対して交差する上下方向に沿った壁を意味する。側壁型スプリンクラーヘッドは、そのような側壁に設置されるスプリンクラーヘッドであり、その一つの例示としてフラットコンシールドタイプの側壁型スプリンクラーヘッドが知られている（例えば、特許文献１参照。）

　特許文献１の側壁型スプリンクラーヘッドは、スプリンクラーヘッド本体と、感熱部と、デフレクターと、カバープレートとを備える。スプリンクラーヘッド本体は、そのノズルが側壁の裏側（側壁に対する室外側）に配置された給水配管と接続されている。感熱部は、スプリンクラーヘッド本体におけるノズルと反対の端に設置される。感熱部は、側壁にあけられた穴の内側で室内側に向けて設置されている。カバープレートは、側壁の表側（側壁に対する室内側）に設置されるように、スプリンクラーヘッド本体に取付けられている。カバープレートは、円盤状に形成されており、それによって側壁の穴と感熱部とを室内に対して覆い隠している。このためカバープレートを備える側壁型スプリンクラーヘッドは、意匠性が優れたものとなっている。

　側壁型スプリンクラーヘッドは、矩形の防護範囲を有している。ここで「防護範囲」とは、側壁型スプリンクラーヘッドが消火できる領域を意味する。デフレクターは、ノズルから放出される水を、その矩形の防護範囲に飛散させる機能を有する。そのためデフレクターは、その形状が複雑である。例えば特許文献１においてノズルの中心軸よりも床側に配置されたデフレクターは、側壁に近い防護範囲へ水を飛散する。これに対して、ノズルの中心軸よりも天井側に配置されたデフレクターは、側壁から離れた防護範囲へ水を飛散する。したがって、防護範囲に対する散水を適切に行うためには、デフレクターが正しく配置されるように、側壁型スプリンクラーヘッドを給水配管に接続する必要がある。

　しかしながら、側壁型スプリンクラーヘッドと給水配管との接続はネジ構造である。このためデフレクターが正しい位置となるように側壁型スプリンクラーヘッドと給水配管とをネジ接続しないと、必要な防護範囲をカバーできる正規の散水パターンが得られない。このため側壁型スプリンクラーヘッドの本体には上面を表す表示や平面等の基準指示部が設けられている。しかしながら従来技術の基準指示部は、側壁型スプリンクラーヘッドを給水配管に接続する際に、保護キャップやソケットレンチに隠れてしまうため、目視により確認しにくいものであった。また、給水配管や側壁型スプリンクラーヘッドの近傍に柱等の構造物がある場合には、基準指示部が見えにくいケースや、構造物が障害となって基準指示部に対して水平器が使えないケースがあった。

米国特許第８９６０３１９号明細書

　そこで本開示は、側壁型スプリンクラーヘッドを給水配管に接続する際に、側壁型スプリンクラーヘッド及びデフレクターの配置の調整を容易にする技術の提供を目的とする。

　本開示の一態様は、側壁型スプリンクラーヘッド用付属品である。その一実施形態は、デフレクターを備える側壁型スプリンクラーヘッドに着脱可能な付属品であり、前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドを内部に収容可能な筒状体であり、前記筒状体は、係合部と、付属品用基準指示部とを有し、前記係合部は、前記側壁型スプリンクラーヘッドと供回り可能に係合可能であり、前記付属品用基準指示部は、前記デフレクターの配置の状態を指示可能として構成されている。

　本開示の一態様によれば、側壁型スプリンクラーヘッド及びデフレクターの配置の調整を容易に行える。

　本開示の一態様を例示する実施形態に基づき明瞭に説明するため、その説明に必要な図面を簡単に説明する。図面は、実施形態を例示するものにすぎず、本開示の実施形態の範囲を限定するためのものではない。当業者は、特段の発明能力を用いることなく、本開示の図面に基づいて他の関連する実施形態の図面を得ることができる。

側壁型スプリンクラーヘッドに保護キャップを装着した状態の斜視図。 側壁型スプリンクラーヘッドの正面図。 図２に示すＩＩＩ－ＩＩＩ線の断面図。 側壁型スプリンクラーヘッドに装着された保護キャップの断面図。 保護キャップの正面図。 保護キャップの平面図。 保護キャップの底面図。 レンチの斜視図。 レンチの底面図。 レンチの平面図。 保護キャップを装着した側壁型スプリンクラーヘッドが収容されたレンチの側面図。 取外し具の斜視図。 取外し具を用いて保護キャップを取り外す際の状態図。 図１３の取外し具にカバープレート取付具を接続した状態の側面図。 図１４の工具を用いて保護キャップの取外しからカバープレートを取り付けるまでの工程の説明図。

　以下、本開示にて例示する一態様について、各種の実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下に示す実施形態は、特許請求の範囲の記載を限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが、本開示にて例示する解決手段として必須であるとは限らない。

　本開示に含む全ての実施形態及び選択可能な実施形態は、互いに組み合わせて新たな実施形態を形成してもよい。また、本開示に含む全ての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴は、互いに組合わせることにより新たな技術的特徴を形成できる。

　本開示で使用する用語「又は」は包括的な用語として使用される。例えば、「Ａ又はＢ」は「Ａ、Ｂ、又はＡとＢの両方」を意味する。「Ａ」、「Ｂ」、「ＡとＢの両方」は、いずれもそれぞれが「Ａ又はＢ」を満たす。

　本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解される。例えば、固定接続、取外し可能な接続、着脱可能な接続、一体的な接続は、いずれもそれらの用語に含まれ得る。また、中間物が介在しない直接接続、中間物が介在する間接接続もそれらの用語に含まれ得る。当業者は、本開示での上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解する。

　本明細書および特許請求の範囲において「第１」および「第２」と記載する場合、それらは、異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。また、各実施形態で共通する構成で同一の効果を奏するものについては、同一符号を付して重複説明を省略する。

　本開示の実施形態の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語及びそれらの用語を含む用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、実施形態を便宜的に及び簡略に説明するためのものにすぎない。したがって、明確な定義や限定がない限り、特定の構造要素やその使用が、必ずしも特定の方向に限定されたり、特定の方向に構成されたりすることを明示又は暗示するものではなく、特許請求の範囲及び実施形態を限定するものではないと理解すべきである。

　本明細書および特許請求の範囲において「約」、「略（ほぼ）」、「実質的に」などの用語を使用する場合、それらの用語が形容する数値や構造要素については、その数値とその数値を中心とする前後の数値を含むものとして、またその構造要素とその構造要素と同じと言えるものを含むものとして理解される。例えば「約３」と記載する場合、本開示で主張する技術的特徴、技術的意義を有する限りその前後の数値も「約３」に含まれ得る。また「Ａと実質的に同一のＢ」という場合、ＢがＡと完全同一である場合のほか、本開示で主張する技術的特徴、技術的意義を有する限り完全同一ではなく相違点を有する構造要素も「実質的」の範囲に含み得る。

側壁型スプリンクラーヘッド１００の説明

　本開示の実施形態について図面を参照して説明する。側壁型スプリンクラーヘッド１００は、本体１、デフレクター２、感熱部３を備えている。

　図１～図３に示す本体１は、ノズル１１を有する。ノズル１１は、第1の端部が側壁Ｗの裏側（室外側）に設置された給水配管Ｐと接続される。ノズル１１の第１の端部の外周面は、給水配管Ｐと接続するための牡ネジ１２となっている。第１の端部と反対側にあるノズル１１の第２の端部は、ノズル１１の出口になっている。ノズル１１の出口は、ディスク１３により閉塞されている。

　本体１は、フランジ部１４を有する。フランジ部１４は、ノズル１１の出口端（第２の端部）と牡ネジ１２（第１の端部）との間に形成されている。フランジ部１４は、外方向に拡張する円盤状の形状を有する。フランジ部１４の外縁には、筒状連結部１５が形成されている。筒状連結部１５は、ノズル１１の中心軸Ａから離れた位置に円筒形状に形成されている。筒状連結部１５の内側は、牝ネジが形成されており、該牝ネジはフレーム１６の一端に形成された牡ネジと螺合される。筒状連結部１５とフレーム１６とは、その牝ネジと牡ネジの螺合によって連結されることにより、一体構造を形成する。

　筒状連結部１５の外側には、１つの第１平面部１７を有する。第１平面部１７は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の設置状態で実質的に水平に配置される水平面として形成されている。第１平面部１７は、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続する際の「第１基準指示部」として用いられる。また、第１平面部１７は、本体１に形成されているため「本体用基準指示部」を構成する。

　第１平面部１７は、正規の散水パターンが得られるように、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続した状態で、デフレクター２が正しい位置に配置された場合に、側壁型スプリンクラーヘッド１００の「上面」に位置する。ここで「上面」とは、図２を正面図とした場合の側壁型スプリンクラーヘッド１００の天面を指す。また「上面」は、側壁型スプリンクラーヘッド１００を側壁Ｗに設置した状態で、建物の天井面と向き合う面を指す。筒状連結部１５には、複数の凹部１８（係合溝）を有している。図２に示すように、複数の凹部１８は、筒状連結部１５の外周の２か所に形成されている。２つの凹部１８は、図２で示すように、ノズル１１の中心軸Ａから伸びて第１平面部１７と垂直に交差する仮想線Ｌ１に対して左右対称に設置されている。

　デフレクター２は、フレーム１６の内部に収容されている。デフレクター２は、図３で示すように、側壁型スプリンクラーヘッド１００の中心軸Ａに沿ってフレーム１６の内部を移動可能である。デフレクター２は、感熱部３が作動しない平常時は、フレーム１６の内部に収容されており、感熱部３の作動後はフレーム１６から外部に突出する。より具体的には、図３で示すフレーム１６の側壁Ｗの側の端部を超えて室内側に向けて突出する。

　デフレクター２は、フレーム１６内に設置されたガイドリング２１と連結している。平常時においてガイドリング２１は、フランジ部１４の側に配置されている。しかしながら、感熱部３が作動することによって、感熱部３がディスク１３に対して付与していた支持力が解除されると、ディスク１３によって閉止されていたノズル１１の出口が開放して、消火水が出口から放水される。デフレクター２は、ノズル１１からの放水を受けてフレーム１６の内部を移動して、フレーム１６の側壁Ｗの側の開口端１６ａから外部に向けて突出する。その際、ガイドリング２１は、フレーム１６の開口端１６ａに形成された内向きに突出する段１９に対して係止して、移動が停止する。側壁型スプリンクラーヘッド１００は、フレーム１６の内側にピン２２を有する。ピン２２は、ガイドリング２１が移動可能な状態で、ガイドリング２１と係合している。ピン２２は、デフレクター２が移動するときに、デフレクター２が側壁型スプリンクラーヘッド１００の中心軸Ａの軸回りに回転するのを阻止するために、ガイドリング２１と係合している。

　デフレクター２は、図２に示す仮想線Ｌ１に対して左右対称な形状をしている。これにより側壁型スプリンクラーヘッド１００は、防護エリアに対して均一に消火水を散布することが可能となる。側壁型スプリンクラーヘッド１００は給水配管Ｐとネジ接続する。したがって、そのネジ接続を行う際には、デフレクター２が左右対称に配置されることを確実にするために、第１平面部１７に水平器を載置して第１平面部１７の姿勢が水平となるようにデフレクター２の位置が調整される。図２は、デフレクター２が正しく配置されている状態を示している。即ち、側壁型スプリンクラーヘッド１００を図２で示す方向から見たときに、第１平面部１７とデフレクター２とは平行の配置となる。したがって、第１平面部１７が水平に見えていれば、デフレクター２も、図２で示すように水平に正しく配置されていることになる。第１平面部１７の姿勢が実質的に水平ならば、側壁型スプリンクラーヘッド１００は防護エリアに対して均一に消火水を散水できる。

　なお、本開示で例示するデフレクター２は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の中心軸Ａに沿う方向では、図３で示すようにその基端側から先端側にかけて上向きに傾斜する構成を例示するが、それ以外にも上向きに傾斜したり、下向きに傾斜したり、水平であってもよい。前述のデフレクター２の正しい配置は、図２で示す方向で見たときにデフレクター２の前縁が実質的に水平に見えるように配置されていればよい。また、本開示のデフレクター２は、図３で示すように中心軸Ａの上側に配置するものを例示するが、本開示はそれに限定するものではなく、図３で示す中心軸Ａの下側に配置するデフレクター、中心軸Ａの上側と下側の双方に配置するデフレクターも含みうる。

　感熱部３は、フレーム１６に支持されている。具体的には、感熱部３は、一対のレバー２５を介してフレーム１６に支持されている。各レバー２５は、それぞれ、一端（フレーム１６側の外側端部）がフレーム１６の段１９に係止され、他端（感熱部３側の内側端部）が感熱部３に形成された穴に係止されている。感熱部３は、フレーム１６の開口端１６ａを越えてフレーム１６の外部に突出して配置される。一対のレバー２５とディスク１３の間には、「支持部材」としてのサドル２６とスクリュー２７が設置されている。

　サドル２６は、図３で示すように、断面がＵ字形状の棒状に形成されており、その両端の内側に一対のレバー２５が配置される。サドル２６の中央には、牝ネジを有するネジ孔２６ａが形成されており、そのネジ孔２６ａには、図３で示すようにスクリュー２７が螺合される。図３で示すように、ネジ孔２６ａに挿入されたスクリュー２７をディスク１３に向けてねじ込むと、スクリュー２７がボス２８に当接し、ボス２８がディスク１３をノズル１１に向けて押圧する。これによりディスク１３がノズル１１の出口を液密に閉止しつつ支持される。それと同時にサドル２６の内部に収容されているレバー２５がサドル２６により押圧され、レバー２５には段１９との係止部位を支点としてレバー２５のリンク側の端（感熱部３側の内側端部）が互いに離れる方向に回動する力が作用する。

　感熱部３は、リンクであり、２枚の薄い金属板を可溶合金で張り合わせたものである。火災の熱によって可溶合金が溶融すると、前述のサドル２６からレバー２５に印加された力によりレバー２５が回動して２枚の金属板が剥がれてレバー２５がフレーム１６から外れる。これによりディスク１３はノズル１１の出口端から離れてノズル１１が開放される。

　以上のような側壁型スプリンクラーヘッド１００は、デフレクター２の板面と第１平面部１７の面とが、中心軸Ａに対して相対的に回転することなく水平に配置されている。側壁型スプリンクラーヘッド１００の組立時には、スクリュー２７を締め込んでボス２８をディスク１３に押圧させる。その際に、デフレクター２と第１平面部１７とは、中心軸Ａに対して相互に回転方向に傾かない状態で配置された状態となる。

側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品の説明

　側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品の実施形態を例示して説明する。具体的には、側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品として、保護キャップ２００、カバープレート４００、工具（レンチ３００、取外し具５００）を例示して説明する。

保護キャップ２００〔図４～図７〕

　付属品の一つの実施形態の例示として、保護キャップ２００を説明する。側壁型スプリンクラーヘッド１００を外力や埃、塗料から保護するために、側壁型スプリンクラーヘッド１００には、保護キャップ２００が取付られる（図４参照）。保護キャップ２００は、通常、製造時に側壁型スプリンクラーヘッド１００の完成品に取付けられ、施工時に側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続した後に外される。

　保護キャップ２００は、その内部に側壁型スプリンクラーヘッド１００の全部又は一部を収容可能な「筒状体」として形成されている。「筒状体」は、後述する「係合部」と「付属品用基準指示部」とを有する。

　「係合部」は、側壁型スプリンクラーヘッド１００と供回り可能に係合可能として構成されている。「付属品用基準指示部」は、側壁型スプリンクラーヘッド１００のデフレクター２の配置姿勢の状態（正しい配置に対するズレの有無）を目視可能に指示可能として構成されている。

　より具体的に例示すると、図４～図７に示す保護キャップ２００は、円筒形状に形成されており、その一端には閉鎖平面５１が設置され、他端は開口５２となっている。開口５２の内側には、感熱部３及びフレーム１６を収容可能である。

　開口５２は、舌状片５３を有する。舌状片５３は、開口５２の縁から突出して形成されている。舌状片５３は、本体１の２つの凹部１８に対応した位置にそれぞれ形成されている。したがって、複数の舌状片５３は、保護キャップ２００を側壁型スプリンクラーヘッド１００に装着した状態において、それぞれ凹部１８と係合する。舌状片５３は、保護キャップ２００が本体１と供回り可能に係合するための「係合部」として機能する。そして、凹部１８と舌状片５３との係合状態で、第１平面部１７と後述の第２平面部５５とが同一平面上に配置される。

　保護キャップ２００の周壁５０は、円筒状に形成されている。周壁５０には、拡張周壁５４が形成されている。拡張周壁５４は、閉鎖平面５１から円筒状に伸長して形成されている。拡張周壁５４は、第２平面部５５を有する。第２平面部５５は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の設置状態で実質的に水平に配置される水平面として形成されている。第２平面部５５は、正規の散水パターンが得られるように、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続した状態で、デフレクター２が正しい位置に配置された場合に、側壁型スプリンクラーヘッド１００の「上面」に位置する。具体的には、保護キャップ２００を装着した状態の側壁型スプリンクラーヘッド１００を図２で示す方向から見たときに、第２平面部５５とデフレクター２とは平行の配置となる。したがって、保護キャップ２００の第２平面部５５が水平に見えていれば、保護キャップ２００の中にあるデフレクター２も、図２で示すように水平に正しく配置されていることになる。このように第２平面部５５は、第１平面部１７と同じように「第１基準指示部」として機能し得る。

　また、第２平面部５５は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品が有する「付属品用基準指示部」の例示である。さらに、第２平面部５５は、保護キャップ２００に形成されているため「保護キャップ用基準指示部」の例示である。

　そして、第２平面部５５は、第１平面部１７と平行に形成されている。側壁型スプリンクラーヘッド１００に保護キャップ２００を取付けると、第１平面部１７と第２平面部５５とは、それらを拡張すると、段差や傾斜が無い、同一の平面（水平面）を形成する。換言すると、第１平面部１７と第２平面部５５に水平器４を跨いて載せることができる一つの拡張平面部を形成する。そして、拡張平面部は、第１平面部１７を拡張した大きな平面によって、正しく水平度を計測することが容易となる。このように保護キャップ２００は、側壁型スプリンクラーヘッド１００に装着することにより、側壁型スプリンクラーヘッド１００の「第１基準指示部」である第１平面部１７の平面を拡張した拡張平面部を形成するための第２平面部５５を有する。

　閉鎖平面５１は、ノズル１１の中心軸Ａの方向に突出する突起５６を有する。突起５６は、図５で示すように、ノズル１１の中心軸Ａから三方向に伸びた三又の壁状の片５６ａ、５６ｂ、５６ｃを有する。突起５６は、作業者が保護キャップ２００を持つことのできる把持突起として使用可能である。それぞれの片５６a、５６ｂ、５６ｃは、中心軸Ａの周りに等角度（１２０°）で配置されている。

　そのうち、片５６ａは、第２平面部５５に対して垂直方向に伸長する「垂直突起」として形成されている。したがって、片５６aは、デフレクター２を正しい位置に調整する際の「第２基準指示部」として用いることができる。具体的に説明すると、片５６ａが、錘を付けて垂らした糸と平行になるように、側壁型スプリンクラーヘッド１００と給水配管Ｐとの取付け状態を調整すると、デフレクター２が正しい位置となる。

　片５６ａは「第２基準指示部」の例示である。拡張周壁５４には、第２平面部５５に対して拡張周壁５４の外周面の一部を垂直に形成した垂直溝５７が形成されており、この垂直溝５７は「第２基準指示部」の他の例示である。垂直溝５７は、図５で示すように、直線の仮想線Ｌ１に対して左右対称に形成されている。前述の片５６ａと同様に、錘を付けて垂らした糸と垂直溝５７の底面５７ａの縁とを平行に調整すると、デフレクター２が正しい位置となる。また、垂直溝５７は、保護キャップ２００を側壁型スプリンクラーヘッド１００から取り外す際に指や工具を引掛けるための「係止部」として利用できる。

　垂直突起（片５６ａ）と垂直溝５７は、次のような技術的意義も有する。図３に示すように、本体１の第１平面部１７は、側壁Ｗの裏側に配置される。そして、通常、側壁Ｗは、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続した後に設置される。このため、側壁Ｗが設置された後では、作業者が側壁Ｗの室内側から第１平面部１７に水平器を載せて水平度を測定することはできない。しかしながら、垂直突起（片５６ａ）と垂直溝５７は、本体１と保護キャップ２００とが供回り可能に係合された状態において、第１平面部１７（第１基準指示部）に対して垂直である。したがって、側壁Ｗの設置後に第１平面部１７を利用できない場合には、それらを用いてデフレクター２が正しい位置となるように調整できる。より具体的には、保護キャップ２００を装着した状態の側壁型スプリンクラーヘッド１００を図２で示す方向から見たときに、垂直突起（片５６ａ）及び垂直溝５７とデフレクター２とは垂直に交差する配置となる。したがって、保護キャップ２００の垂直突起（片５６ａ）及び垂直溝５７が、建物の床や天井に対して垂直に見えていれば、保護キャップ２００の中にあるデフレクター２も、図２で示すように水平に正しく配置されていることになる。

　周壁５０には、図６で示すように、第１の取付範囲表示５８を有している。第１の取付範囲表示５８は、側壁Ｗの室内側の表面に対して側壁型スプリンクラーヘッド１００の取付許容範囲を示すものである。側壁Ｗの室内側の表面が第１の取付範囲表示５８の範囲内に位置するように、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに取付けなければならない。図６では、第１の取付範囲表示５８を、周壁５０の全周にわたる溝で構成する例を示したが、突起、不連続の溝、模様、色、文字などにより構成することもできる。また、これらを組み合わせで構成してもよい。

　図５及び図７で示すように、拡張周壁５４の外側には、溝５９が設けられている。溝５９は、第２平面部５５に対して垂直な片５６ａを通る仮想線Ｌ１の延長上における拡張周壁５４の外面に形成されている。溝５９はデフレクター２が正しい位置のとき、床面と対向して配置される。したがって、溝５９は「第２基準指示部」のさらなる例示である。また、閉鎖平面５１には、溝５９の近傍に水抜き穴５１ａが設けられている。

　以上のような垂直突起（片５６ａ）、垂直溝５７、溝５９は、いずれも側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品が有する「付属品用基準指示部」の例示である。また、垂直突起（片５６ａ）、垂直溝５７、溝５９は、保護キャップ２００に形成されているため「保護キャップ用基準指示部」の例示である。

レンチ３００〔図８～図１１〕

　付属品の他の実施形態の例示として、レンチ３００を説明する。レンチ３００は、側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続する際に使用される。

　レンチ３００は、前述の保護キャップ２００と同様に、その内部に側壁型スプリンクラーヘッド１００の全部又は一部を収容可能な「筒状体」として形成されている。「筒状体」は、保護キャップ２００と同様に、後述する「係合部」と「付属品用基準指示部」とを有する。

　「係合部」は、側壁型スプリンクラーヘッド１００と供回り可能に係合可能として構成されている。「付属品用基準指示部」は、側壁型スプリンクラーヘッド１００のデフレクター２の配置姿勢の状態（正しい配置に対するズレの有無）を目視可能に指示可能として構成されている。

　より具体的に例示すると、図８～図１１で示すように、レンチ３００は、円筒形状に形成されており、その一方の端は底面部７１となっており、底面部７１の中央には矩形の穴７２が設けられている。レンチ３００の他方の端は開口７３となっており、レンチ３００の内周面には突起７４と平面７５を有する。突起７４は、本体１の凹部１８と係止可能であり、平面７５は、本体１の第１平面部１７と係止可能である。具体的には、突起７４と凹部１８は、中心軸Ａを回転軸とするレンチ３００の回転方向で係止することにより、側壁型スプリンクラーヘッド１００とレンチ３００とを供回り可能とする。また、平面７５と第１平面部１７は、中心軸Ａを回転軸とするレンチ３００の回転方向で係止することにより、側壁型スプリンクラーヘッド１００とレンチ３００とを供回り可能とする。したがって、これらの突起７４と平面７５は、本体１との「係合部」として機能する。

　レンチ３００は、第３平面部７６を有している。第３平面部７６は、穴７２を形成した柱状突起の上面として形成されている。第３平面部７６は、保護キャップ２００の第２平面部５５と同様な効果、即ち「第１基準指示部」として機能し得る。

　また、第３平面部７６は、側壁型スプリンクラーヘッド１００の付属品が有する「付属品用基準指示部」の例示である。さらに、第３平面部７６は、レンチ３００に形成されているため「レンチ用基準指示部」の例示である。

　レンチ３００は、第３平面部７６に対して垂直に設けられた「垂直突起」としての垂直部７７を有する。垂直部７７は、前述の垂直突起である片５６ａと同様な効果を有しており、「第２基準指示部」として機能し得る。そして、垂直部７７も前述の「付属品用基準指示部」の例示であり、さらに前述の「レンチ用基準指示部」の例示である。

　より具体的には、側壁型スプリンクラーヘッド１００がレンチ３００の内部に収容され、本体１との「係合部」である突起７４と平面７５とが、本体１の凹部１８と第１平面部１７とに対して、それぞれ係合した状態において、レンチ３００には、第１平面部１７（第１基準指示部）に対して垂直に伸びた垂直部７７（第２基準指示部）と、垂直部７７に対して垂直に交差する第３平面部７６（第１基準指示部）とを有している。

　レンチ３００は、第３平面部７６と垂直部７７とを有するため、レンチ３００の内部に側壁型スプリンクラーヘッド１００を収容した状態においても、デフレクター２を正しい位置に調整するための基準（第３平面部７６及び垂直部７７）が目視可能である。レンチ３００を装着した状態の側壁型スプリンクラーヘッド１００を図２で示す方向から見たときに、第３平面部７６とデフレクター２とは平行の配置となる。これと同様に、垂直部７７とデフレクター２とは垂直に交差する配置となる。したがって、レンチ３００の第３平面部７６が水平に見えていれば、レンチ３００の中にあるデフレクター２も、図２で示すように水平に正しく配置されていることになる。また、レンチ３００は、第３平面部７６に水平器を載せて水平度を測定することによって、デフレクター２を正しい位置に調整可能である。さらに、レンチ３００は、垂直部７７と錘を付けて垂らした糸とを平行に調整することによって、デフレクター２を正しい位置に調整可能である。

　レンチ３００の周面には、前述の第１の取付範囲表示５８と同様な第２の取付範囲表示７８が設けられている。第２の取付範囲表示７８は、保護キャップ２００を装着した側壁型スプリンクラーヘッド１００をレンチ３００に収容した状態（図１１参照）において、保護キャップ２００の第１の取付範囲表示５８の位置と合致する。さらに、レンチ３００の周面には開口７９が複数設けられているため、開口７９から第１の取付範囲表示５８の位置と第２の取付範囲表示７８の位置とが合致していることを、目視で容易に確認することができる。

　以上のような第１の取付範囲表示５８と第２の取付範囲表示７８は、ともに「付属品用取付範囲表示」を構成する。その例示である第１の取付範囲表示５８は「保護キャップ用取付範囲表示」を構成し、その他の例示である第２の取付範囲表示７８は「レンチ用取付範囲表示」を構成することとなる。

カバープレート４００〔図１４〕

　付属品の他の実施形態の例示として、カバープレート４００を説明する。

　側壁型スプリンクラーヘッド１００を給水配管Ｐに接続して側壁Ｗが設置された後、保護キャップ２００は取り外され、フレーム１６にはカバープレート４００が取付られる。カバープレート４００は円盤状のプレート９１と筒状のリテーナー９２を備えており、リテーナー９２の一端には複数の脚９３が延出して設置されている。

　脚９３の先端はプレート９１に対して平行に形成されており、プレート９１と可溶合金９４によって接合される。可溶合金９４は感熱部３に用いられる可溶合金よりも融点が低いものを用いる。

　リテーナー９２には側壁Ｗと接触する突起９５が形成されている。側壁型スプリンクラーヘッド１００から保護キャップ２００を取り外した後、フレーム１６にリテーナー９２挿通する際、突起９５が側壁Ｗと接触する位置までリテーナー９２を側壁Ｗの方向に押し込む。すると側壁Ｗとプレート９１の縁との間に僅かな隙間が設けられる。

取外し具５００及びそれを用いる付属品の着脱方法〔図１２～図１５〕

　上記に説明した保護キャップ２００の取り外しからカバープレート４００の取付までの工程について、以下に説明する工具を使用すると作業を効率化できる。ここでは付属品の他の実施形態の例示として、取外し具５００を説明する。

　保護キャップ２００を取外す際には、図１２に示す取外し具５００を使用する。取外し具５００は、保護キャップ２００と係合可能なキャップ係合部５１０を有する。具体的には、キャップ係合部５１０は、保護キャップ２００の垂直溝５７と係合し得る。

　図１２で示すように、取外し具５００は、一対のキャップ係合部５１０の下方（床側）にキャップ受容部５１１を有する。キャップ受容部５１１は、円弧状の溝として形成されており、その溝内には拡張周壁５４を収容可能である。キャップ係合部５１０の上方（天井側）は、開放空間５１Ａとなっている。そのため取外し具５００は、開放空間５１Ａを通じて、一対のキャップ係合部５１０の間に拡張周壁５４を抜き差し可能に構成されている。

　キャップ係合部５１０の先端を垂直溝５７の溝内に挿通させると、拡張周壁５４がキャップ受容部５１１によって支持される。キャップ受容部５１１は、保護キャップ２００を側壁型スプリンクラーヘッド１００から外した後に、拡張周壁５４を支持し続けることによって、保護キャップ２００が取外し具５００から脱落するのを防いでいる。

　保護キャップ２００には、垂直溝５７と拡張周壁５４の端部の間に鍔部５７ｂが設けられている。鍔部５７ｂは、垂直溝５７を形成する溝面を含んで構成されている。キャップ係合部５１０は、側壁Ｗと対向する外面部５１Ｂと、保護キャップ２００を取り外す際に鍔部５７ｂと係合する内面部５１Ｃとを備えている。内面部５１Ｃの上端（天井側の端）は、外面部５１Ｂに向かって傾斜している。内面部５１Ｃにおける垂直溝５７との係合部分は、係合突起として機能する。また、図１２に点線で示すように、キャップ係合部５１０は、その内縁の先端の角５１Ｄを斜めに切欠いて構成したり、あるいは円弧形状に構成してもよい。角５１Ｄを、そのように構成することにより、垂直溝５７に対してキャップ係合部５１０を引っ掛かりなく挿通させることができる。

　図１２の取外し具５００において、キャップ係合部５１０とキャップ受容部５１１は、筐体５１２に設けられている。筐体５１２には、その一方の端にキャップ係合部５１０とキャップ受容部５１１とが配置されており、作業者が筐体５１２を手で掴んで操作することができる。

　また、図１３の例示では、取外し具５００がロッド５１３を有する。ロッド５１３付の取外し具５００を使用することにより、作業者は脚立や踏み台を使わなくても、室内の側壁Ｗの天井近くの位置に配置された保護キャップ２００を取り外すことができ、作業効率と安全性を高めることができる。

　図１３の取外し具５００は、Ｔ字形状に形成されている。具体的には、筐体５１２は、Ｔ字形状の横片に対応するように設けられ、ロッド５１３は、Ｔ字形状の縦片に対応するように設けられている。筐体５１２の一端部には、キャップ係合部５１０とキャップ受容部５１１とを有している。ロッド５１３は、筒状の筐体５１２の中心軸と交差する方向に伸長するように形成されている。

　図１３で示すように、キャップ係合部５１０を保護キャップ２００の下方に配置して、側壁Ｗに沿って天井側（図１３中の上方）へ移動させると、保護キャップ２００の拡張周壁５４が開放空間５１Ａを通過して垂直溝５７にキャップ係合部５１０が係合する。その後、取外し具５００を側壁Ｗから離れる方向に移動すれば、側壁型スプリンクラーヘッド１００から保護キャップ２００を取り外すことができる。

　前述の図１３の構成に加えて、図１４の例示では、取外し具５００が筐体５１２の他端にカバープレート取付具６００を有する。図１４の構成により取外し具５００とカバープレート取付具６００を一体化することができる。これにより、前述した保護キャップ２００の取外しに続けてカバープレート４００の取付作業を行うことができ作業効率を格段に向上することができる。

　図１４において、ロッド５１３は、筐体５１２の軸Ｌ２と交差する方向に伸びている。本実施形態においてロッド５１３の軸Ｌ３は、筐体５１２の軸Ｌ２に対して鉛直方向に伸びている。ロッド５１３からキャップ係合部５１０までの距離Ｂは５１０から２０ｍｍ～２００ｍｍほど離間している。これにより側壁Ｗとロッド５１３との間に、作業者の手を差し入れるための作業スペースが確保される。筐体５１２には、ロッド５１３を接続するための差込穴５１４が設置されている。

　カバープレート取付具６００は、皿板状に形成されている。カバープレート取付具６００は、カバープレート４００のプレート９１を載置して保持可能な凹部６０１を有している。カバープレート４００を載置する凹部６０１の底面にはマグネット６０２が設置されている。リテーナー９２の脚９３の先端は鋼製であり、マグネット６０２の磁力により脚９３が引き寄せられ、カバープレート４００を凹部６０１内に保持する。

　凹部６０１の裏側には、筐体５１２との接続に用いられる穴６０３を備えている。これに対応して筐体５１２には、カバープレート取付具６００を装着可能な接続部５１５を有する。接続部５１５は、キャップ係合部５１０を有する筐体５１２の一方側の端の反対側に位置する他方側の端に設けられている。接続部５１５には穴６０３と嵌合する凸部を備える。接続部５１５は先端が天井側に傾いて形成されており、図１４では、鉛直方向に延びるロッド５１３の軸Ｌ３に対してカバープレート４００が載置される凹部６０１の底面の角度αは５°以上１５°以下に傾いて設置される。

　続いて図１４で例示する工具を用いて、側壁型スプリンクラーヘッド１００から保護キャップ２００を取り外して、カバープレート４００を取り付けるまでの手順を図１５により説明する。

　図１５（１）で示すように、側壁型スプリンクラーヘッド１００は天井Ｃから約１００ｍｍ下方の側壁Ｗに設置されている。側壁型スプリンクラーヘッド１００は、保護キャップ２００を装着した状態で側壁Ｗの裏側に設置された給水配管Ｐに接続されており、側壁Ｗにあけられた穴Ｈから拡張周壁５４が室内側に突出した状態にある。保護キャップ２００は、側壁Ｗから拡張周壁５４が突き出ており、垂直溝５７の隣に鍔部５７ｂを備えている。

　側壁型スプリンクラーヘッド１００は、デフレクター２が正しい位置に配置されるように、保護キャップ２００の第２平面部５５が建物の床面に対して平行に取付けられた状態にある。

　保護キャップ２００を取り外す前に、カバープレート取付具６００の凹部６０１にカバープレート４００をセットする。前述のようにカバープレート４００はマグネット６０２の磁力によって凹部６０１に保持されている。

　取外し具５００を用いて保護キャップ２００を取り外す際、キャップ係合部５１０を側壁Ｗに向けて、保護キャップ２００の垂直溝５７の隣にある鍔部５７ｂにキャップ係合部５１０を係合させる（図１５（２）参照）。その際には、先ず、取外し具５００を側壁Ｗに沿うように拡張周壁５４に対して床面側から近づけて、キャップ係合部５１０を垂直溝５７の内側に挿通させる。

　より具体的には、キャップ係合部５１０を開放空間５１Ａ側から垂直溝５７に挿通させ、保護キャップ２００の拡張周壁５４を一対のキャップ係合部５１０の内側に収容する。続いて取外し具５００を側壁Ｗから離れる方向に引くと、鍔部５７ｂとキャップ係合部５１０が係合して保護キャップ２００は取外し具５００とともに移動して側壁型スプリンクラーヘッド１００から外れる（図１５（３）参照）。

　保護キャップ２００は、キャップ受容部５１１に支持され、取外し具５００との係合状態が維持される。その状態でロッド５１３を軸回りに１８０°回転させると、カバープレート４００と側壁Ｗとが向かい合う（図１５（４）参照）。側壁Ｗには保護キャップ２００が取り外された側壁型スプリンクラーヘッド１００が露出した状態にある。

　続いて図１５（５）で示すように、側壁Ｗに対してロッド５１３を傾けて、リテーナー９２の軸がノズル１１の中心軸Ａと同軸になるように調整する。その後、カバープレート取付具６００を側壁Ｗに向かって移動させ、リテーナー９２の内部にフレーム１６を挿通する。その際、ロッド５１３は側壁Ｗに対して５°～１５°傾いた状態となる。つまり、取外し具５００は、カバープレート４００を側壁Ｗの方向に押しやすくなるように構成されている。

　リテーナー９２に設けられた突起９５が側壁Ｗと接触したらカバープレート取付具６００を側壁Ｗから離れる方向に移動させる。マグネット６０２により保持されていたカバープレート４００が凹部６０１から離脱することにより、カバープレート４００の取付作業が完了する（図１５（６）参照）。

実施形態の他の特徴

　以下に、前述の実施形態で説明していない本発明の特徴について記す。

　保護キャップ２００が有する本体１との係合部（舌状片５３）と本体１の凹部１８とにより、本体１と保護キャップ２００の係合位置が限定され、第１平面部１７と第２平面部５５との位置関係が限定される。同様に、レンチ３００が有する本体１との係合部（突起７４及び平面７５）と本体１の凹部１８及び第１平面部１７とにより、本体１とレンチ３００との係合位置が限定され、第１平面部１７と垂直部７７との位置関係が限定される。

　したがって、側壁型スプリンクラーヘッド１００に保護キャップ２００を装着するとき、保護キャップ２００の装着位置が限定されるので、装着作業においても側壁型スプリンクラーヘッド１００に対して誤った位置で保護キャップ２００が装着されることが無い。側壁型スプリンクラーヘッド１００をレンチ３００に挿入する場合についても同様である。

　保護キャップ２００の片５６a及び垂直溝５７、溝５９、レンチ３００の垂直部７７は、目視によっておおよその建物の床面に対する垂直度を確認可能である。

　図１及び図５に示す保護キャップ２００の三又の突起５６は、閉鎖平面５１の中心から放射方向に延出されており、片５６ａの延出方向には第２平面部５５が配置されている。片５６ｂ、片５６ｃの延出方向には本体１の凹部１８が配置されている。これにより、第２平面部５５と突起５６の位置を目安にして保護キャップ２００が装着された側壁型スプリンクラーヘッド１００をレンチ３００に挿入できる。

　また、側壁型スプリンクラーヘッド１００が給水配管Ｐに接続された後、床に立っている作業者が天井側に配置されている第１平面部１７や第２平面部５５を目視で確認するには脚立等の足場に上らなければならないが、片５６ａを目視することでデフレクター２が正しい位置にあることを確認できる。

　保護キャップ２００の第１の取付範囲表示５８は閉鎖平面５１付近にあり、そのため拡張周壁５４は側壁Ｗよりも室内側に突出して配置される。拡張周壁５４に第２平面部５５を設置したことで、側壁Ｗの設置後に第２平面部５５に水平器を載せて水平度を測定できる。さらに拡張周壁５４に垂直溝５７を設置したことで、作業者が垂直溝５７の位置を把握しやすく、側壁Ｗに接触せずに保護キャップ２００を取り外せる。

　図１２の取外し具５００は、キャップ係合部５１０とキャップ受容部５１１がＵ字型に配置されている。これ以外にもキャップ係合部５１０を傾けて構成し、キャップ係合部５１０が交差する箇所をキャップ受容部５１１としてＶ字型に配置することが可能である。

１００　側壁型スプリンクラーヘッド、２００　保護キャップ、３００　レンチ、４００　カバープレート、５００　取外し具

 

Claims (24)

1. デフレクターを備える側壁型スプリンクラーヘッドに着脱可能な付属品であり、
   前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドを内部に収容可能な筒状体であり、
   前記筒状体は、係合部と、付属品用基準指示部とを有し、
   　前記係合部は、前記側壁型スプリンクラーヘッドと供回り可能に係合可能であり、
   　前記付属品用基準指示部は、前記デフレクターの配置の状態を指示可能として構成されている、
   側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
2. 前記付属品用基準指示部は、第１基準指示部を含み、
   前記第１基準指示部は、水平面である、
   請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
3. 前記付属品用基準指示部は、第２基準指示部を含み、
   前記第２基準指示部は、前記筒状体の外面に設けた垂直突起である、
   請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
4. 前記付属品用基準指示部は、第２基準指示部を含み、
   前記第２基準指示部は、前記筒状体の外面に設けた垂直溝である、
   請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
5. 前記付属品用基準指示部は、第２基準指示部を含み、
   前記第２基準指示部は、前記筒状体の外面に設けた溝である、
   請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
6. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの保護キャップであり、
   前記水平面は、前記側壁型スプリンクラーヘッドが有する水平な第１平面部と平行に前記保護キャップに設けた第２平面部である、
   請求項２記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
7. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの給水配管への接続用のレンチであり、
   前記水平面は、前記側壁型スプリンクラーヘッドが有する水平な第１平面部と平行に前記レンチに設けた第３平面部である、
   請求項２記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
8. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの保護キャップであり、
   前記垂直突起は、前記側壁型スプリンクラーヘッドが有する水平な第１平面部に対して垂直に前記保護キャップに設けた突起である、
   請求項３記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
9. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの給水配管への接続用のレンチであり、
   前記垂直突起は、前記側壁型スプリンクラーヘッドが有する水平な第１平面部に対して垂直に前記レンチに設けた垂直部である、
   請求項３記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
10. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの保護キャップであり、
    前記垂直溝は、前記側壁型スプリンクラーヘッドが有する水平な第１平面部に対して垂直に前記保護キャップの外周面に形成したものである、
    請求項４記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
11. 前記筒状体は、外周面に、側壁の室内側の表面に対して前記側壁型スプリンクラーヘッドの取付許容範囲を示す取付範囲表示を有する、
    請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
12. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの保護キャップであり、
    前記取付範囲表示は、前記保護キャップの外周面に形成したものである、
    請求項１１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
13. 前記付属品は、前記側壁型スプリンクラーヘッドの給水配管への接続用のレンチであり、
    前記取付範囲表示は、前記レンチの外周面に形成したものである、
    請求項１１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
14. 前記レンチは、前記取付範囲表示と交差する位置に、前記レンチの内部に収容される前記側壁型スプリンクラーヘッドの保護キャップに設けた取付範囲表示を露出するための開口を有する、
    請求項１３記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
15. 前記係合部は、前記筒状体の中心軸に沿う回転方向で前記側壁型スプリンクラーヘッドと係合可能な舌状片である、
    請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
16. 前記係合部は、前記筒状体の内周面に設けられ、前記筒状体の中心軸に沿う回転方向で前記側壁型スプリンクラーヘッドと係合可能な突起である、
    請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
17. 前記係合部は、前記筒状体の内周面に設けられ、前記筒状体の中心軸に沿う回転方向で前記側壁型スプリンクラーヘッドと係合可能な平面である、
    請求項１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
18. 前記付属品は、側壁に設置された前記側壁型スプリンクラーヘッドから請求項１０記載の保護キャップを取外すための工具であり、
    前記工具は、キャップ係合部と、キャップ受容部とを有し、
    前記キャップ係合部は、前記保護キャップの前記垂直溝に対して係止可能な係合突起を有し、
    前記キャップ受容部は、前記保護キャップの外周面を保持する溝として形成されており、
    さらに、前記工具は、前記キャップ係合部を前記垂直溝に係合させた状態で、前記側壁から離れる方向に引くことで、前記側壁型スプリンクラーヘッドに付属する前記保護キャップを取外し可能である、
    側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
19. 前記保護キャップには、前記垂直溝に隣接する鍔部を有し、
    前記キャップ係合部は、前記鍔部に対して係合可能である、
    請求項１８記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
20. 前記キャップ係合部は、前記側壁と対向する側に位置する外面部と、前記外面部と対向して位置しており前記鍔部と係合する内面部とを有しており、
    前記内面部は、その上端が外面に向かって傾斜している、
    請求項１９記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
21. さらに、前記工具は、Ｔ字形状に形成されており、前記Ｔ字形状の横片に対応する筐体と、前記Ｔ字形状の縦片に対応するロッドとを有しており、
    前記筐体には、その一端部に前記キャップ係合部及び前記キャップ受容部を有しており、
    前記ロッドは、前記筐体の軸と交差する方向に伸長する、
    請求項１８記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
22. 前記ロッドは、前記キャップ係合部に対して離間した位置に配置されている、
    請求項２１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
23. さらに、前記工具は、前記筐体の他端にカバープレート取付具を有する、
    請求項２１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
24. 前記カバープレート取付具は、カバープレートを保持可能な凹部を有し、
    前記凹部は、前記カバープレートを載置する底面が、前記ロッドの軸に対して５°以上１５°以下の角度で傾斜している、
    請求項２１記載の側壁型スプリンクラーヘッドの付属品。
    
     

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