WO2023067916A1

WO2023067916A1 - シャットオフノズル、射出装置、および射出成形機

Info

Publication number: WO2023067916A1
Application number: PCT/JP2022/033149
Authority: WO
Inventors: 優也堀本; 隆文西部
Original assignee: 株式会社日本製鋼所
Priority date: 2021-10-22
Filing date: 2022-09-02
Publication date: 2023-04-27
Also published as: CN118119494A; JP2023062994A

Abstract

シャットオフノズル（５）を、ノズル本体（２５）とロータリーバルブ（２７）と、補強部材（２９）とから構成する。ノズル本体（２５）にはノズル内流路（３２）が形成され、その側面からバルブ挿入穴（３３）を開ける。ロータリーバルブ（２７）は、バルブ挿入穴（３３）に嵌合する円柱部（３５）と、小径の操作軸部（３６）とを備える。この円柱部（３５）に貫通孔（３９）を開け、ロータリーバルブ（２７）の回転位置に応じてノズル内流路（３２）を開閉する。補強部材（２９）はバルブ挿入穴（３３）に挿入される円筒補強部（４１）を備え、この円筒補強部（４１）に操作軸部（３６）が貫通する軸穴（４４）を開ける。ロータリーバルブ（２７）の円柱部（３５）の外側になるように、この円筒補強部（４１）をバルブ挿入穴（３３）に挿入する。

Description

シャットオフノズル、射出装置、および射出成形機

　本発明は、射出成形機に設けられるシャットオフノズル、およびシャットオフノズルが設けられている射出装置、並びにシャットオフノズルが設けられている射出成形機に関するものである。

　射出成形機の射出装置に設けられるシャットオフノズルは、射出ノズルの射出材料が流れる流路を開閉するようになっている。流路を開閉することによって、射出ノズルの先端から射出材料が漏れること（液だれ）を防止したり、発泡成形を実施するとき射出ノズル内で射出材料が発泡することを防止したりすることができる。

　シャットオフノズルとしては、例えば特許文献１に記載されているように、ロータリーバルブを備えたシャットオフノズルが知られている。このタイプのシャットオフノズルは、ノズル本体とロータリーバルブとを備えている。ノズル本体には射出材料が通るノズル内流路に対し、これと直交する方向にバルブ挿入穴が開けられ、円柱状のロータリーバルブが挿入されている。ロータリーバルブには、円柱の直径方向に貫通する貫通孔が開けられており、ロータリーバルブを回転すると回転位置に応じて、ノズル内流路がロータリーバルブの円柱面によって閉鎖されたり、ノズル内流路が貫通孔と整合して連通したりするようになっている。

日本国特開２０１５－２３１６７１号公報

　このような従来のシャットオフノズルは、バルブ挿入穴に対してロータリーバルブが滑らかに回転するように、かつこれらの隙間から射出材料が漏れ出ないように、適切な嵌め合いになるよう設計されている。しかしながら、シャットオフノズルを金型に押し付けるノズルタッチを実施すると、その押圧力によりバルブ挿入穴がわずかに変形する。この変形によりバルブ挿入穴とロータリーバルブとがわずかに接触（カジリの発生）する場合がある。接触が僅かな場合にはロータリーバルブは回転することができる。しかしながら、長期間運転すると摩耗が生じてバルブ挿入穴とロータリーバルブの隙間が拡大する。これによって射出材料漏れが発生するという問題がある。

　以上のような問題を鑑み、本開示において、長期間運転しても射出材料の漏れを防止することができるシャットオフノズルと、そのようなシャットオフノズルを備えた射出装置、および射出成形機を提供することを目的とする。

　その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。

　本発明者らは、以下のような構成とすることにより上記課題を解決できることを見出した。すなわち、シャットオフノズルを、ノズル本体とロータリーバルブと、補強部材とから構成する。ノズル本体には射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されており、その側面からバルブ挿入穴を開ける。ロータリーバルブは、バルブ挿入穴に挿入されており、バルブ挿入穴に嵌合する円柱部と、該円柱部より小径の操作軸部とを備えている。この円柱部に貫通孔を開け、ロータリーバルブの回転位置に応じてノズル内流路がこの貫通孔と整合して連通し、あるいは遮断されるようにする。補強部材はバルブ挿入穴に挿入される円筒補強部を備え、この円筒補強部に操作軸部が貫通する軸穴を開ける。ロータリーバルブの円柱部に隣接して、この円筒補強部をバルブ挿入穴に挿入する。

　本開示によれば、ロータリーバルブのカジリを防止して摩耗を防止し射出材料の漏れを防止することができるシャットオフノズル、シャットオフノズルを備えた射出装置、および射出成形機を提供することができる。

本実施の形態に係る射出成形機を示す正面図である。本実施の形態に係るシャットオフノズルと射出装置の一部を示す正面断面図である。本実施の形態に係るシャットオフノズルを構成する、ロータリーバルブと補強部材とを示す斜視図である。本実施の形態に係るシャットオフノズルの一部を示す上面断面図である。本実施の形態に係るシャットオフノズルの一部を示す上面断面図である。本実施の形態に係るシャットオフノズルの一部を示す正面断面図である。従来のシャットオフノズルの一部を示す上面断面図である。従来のシャットオフノズルの一部を示す正面断面図である。第２の実施の形態に係るシャットオフノズルの一部を示す上面断面図である。第３の実施の形態に係るシャットオフノズルの一部を示す上面断面図である。

　以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。

　本実施の形態を説明する。
　本実施の形態に係るシャットオフノズルは、射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されていると共にその側面からバルブ挿入穴が開けられているノズル本体と、
　前記バルブ挿入穴に挿入されているロータリーバルブと、
　前記バルブ挿入穴に挿入されている補強部材と、を備え、
　前記ロータリーバルブは、前記バルブ挿入穴に嵌合する円柱部と、該円柱部より小径の操作軸部とを備え、前記操作軸部を回転するとその回転位置に応じて前記円柱部の側面から開けられている貫通孔が前記ノズル内流路に整合し、あるいは前記ノズル内流路を閉鎖するようになっており、
　前記補強部材は、軸穴が開けられている円筒補強部を備え、前記円筒補強部が前記バルブ挿入穴に挿入されて前記ロータリーバルブの円柱部より前記バルブ挿入穴の開口側に配置され、前記操作軸部が前記軸穴を貫通して外部に露出している。

　また、本実施の形態に係る射出装置は、加熱シリンダと、該加熱シリンダ内に入れられているスクリュと、前記加熱シリンダの先端に設けられている上述のシャットオフノズルと、を備えている。

　また、本実施の形態に係る射出成形機は、射出材料を射出する射出装置と、金型を型締めする型締装置と、を備えた射出成形機であって、前記射出装置には上述のシャットオフノズルが設けられている。

＜射出成形機＞
　本実施の形態に係る射出成形機１は、図１に示されているように、トグル式の型締装置２と、射出装置３と、を備えている。本実施の形態に係る射出装置３には後で説明する本実施の形態に係るシャットオフノズル５が設けられている。

＜型締装置＞
　型締装置２は、ベッドＢに固定されている固定盤７と、ベッドＢ上をスライド自在に設けられている可動盤８と、型締ハウジング９と、を備えている。固定盤７と型締ハウジング９は複数本のタイバー１１、１１、…により連結されており、可動盤８は固定盤７と型締ハウジング９の間でスライド自在になっている。型締ハウジング９と可動盤８の間には型締機構１３が設けられている。本実施の形態において型締機構はトグル機構１３からなる。固定盤７と可動盤８には、それぞれ固定側金型１５、可動側金型１６が設けられている。従って、トグル機構１３を駆動すると金型１５、１６が型開閉される。

＜射出装置＞
　射出装置３は、加熱シリンダ１９と、加熱シリンダ１９内に設けられているスクリュ２０と、スクリュ駆動装置２２と、を備えている。加熱シリンダ１９はスクリュ駆動装置２２に支持されており、スクリュ２０はスクリュ駆動装置２２によって回転方向と軸方向とに駆動されるようになっている。加熱シリンダ１９にはホッパ２３と、次に説明する本実施の形態に係るシャットオフノズル５が設けられている。ホッパ２３から射出材料を供給し、加熱シリンダ１９を加熱してスクリュ駆動装置２２によりスクリュ２０を回転すると、射出材料が溶融し、計量される。スクリュ駆動装置２２によりスクリュ２０を軸方向に駆動すると射出材料を金型１５、１６に射出することができる。

＜本実施の形態に係るシャットオフノズル＞
　本実施の形態に係るシャットオフノズルは、射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されていると共にその側面からバルブ挿入穴が開けられているノズル本体と、前記バルブ挿入穴に挿入されているロータリーバルブと、前記バルブ挿入穴に挿入されている補強部材と、を備える。
　本実施の形態に係るシャットオフノズル５について、図２、図３、図４によって説明する。本実施の形態に係るシャットオフノズル５は、ノズル本体２５と、ロータリーバルブ２７と、図３、図４に示されている補強部材２９、２９と、図４に示されているメタルＯリング３１と、図２に示されている駆動機構３０とを備えている。

＜ノズル本体＞
　ノズル本体２５は、図２に示されているように、加熱シリンダ１９の先端に取り付けられており、その内部には射出材料が流れるノズル内流路３２が形成されている。ノズル本体２５には、その側面から円柱状に貫通する穴つまりバルブ挿入穴３３が開けられており、ノズル内流路３２を横切っている。このバルブ挿入穴３３はロータリーバルブ２７が挿入されると共に、補強部材２９、２９（図３、図４参照）の一部が挿入されるようになっている。

＜ロータリーバルブ＞
　ロータリーバルブ２７は、図３に示されているように、円柱部３５と、２本の操作軸部３６、３６と、から構成されこれらが一体的に形成されている。円柱部３５は、その径がバルブ挿入穴３３（図２参照）より若干小さく、バルブ挿入穴３３に挿入された状態で滑らかに回転するようになっている。円柱部３５には、その直径方向に貫通孔３９が開けられており、図２に示されているようにロータリーバルブ２７の回転位置に応じて、ノズル内流路３２と貫通孔３９とが連通し、あるいはノズル内流路３２が閉鎖されるようになっている。２本の操作軸部３６、３６は、図３に示されているように、円柱部３５より小径になっており、円柱部３５の両端面から外方に向かって円柱部３５と同軸に形成されている。操作軸部３６、３６の先端には、円柱面が両側から切り落とされた爪部３７、３７が形成されており、後で説明する駆動機構３０の部材と接続されるようになっている。

＜補強部材＞
　補強部材は、軸穴が開けられている円筒補強部を備える。本実施の形態において、円筒補強部の外径は、ロータリーバルブの円柱部の外径より大きいことが好ましい。補強部材は、円筒補強部と一体的にフランジ部が形成され、前記フランジ部に開けられたボルト穴にボルトが挿入されてノズル本体に固定されていることが好ましい。
　また、本実施の形態において、前記円柱部と前記円筒補強部とが互いに摺動する摺動面にメタルＯリングが設けられていることが好ましく、前記円筒補強部には前記摺動面に円形溝が形成され、該円形溝にメタルＯリングが入れられていることがより好ましい。

　補強部材２９、２９（図３、図４参照）は、本開示において特徴的な部材であると共に重要な部材であり、円筒状の円筒補強部４１と、この円筒補強部４１と一体的に形成されているフランジ部４２とから形成されている。円筒補強部４１はバルブ挿入穴３３（図２、図４参照）に挿入されるようになっているが、その径はロータリーバルブ２７の円柱部３５よりわずかに大きい。したがって、バルブ挿入穴３３に対する嵌め合いは、ロータリーバルブ２７の円柱部３５に比して、補強部材２９、２９の円筒補強部４１の方がきつくなっている。補強部材２９、２９には円筒補強部４１、４１と同軸に軸穴４４、４４が開けられ、ロータリーバルブ２７の操作軸部３６、３６が貫通するようになっている。補強部材２９、２９においてフランジ部４２、４２には複数個のボルト穴４５、４５、…が開けられ、円筒補強部４１、４１の端面には、メタルＯリング３１が入れられる円形溝４６が形成されている。

　ロータリーバルブ２７と補強部材２９、２９は次のようにしてノズル本体２５に設けられている。まず、図４に示されているようにノズル本体２５のバルブ挿入穴３３に、ロータリーバルブ２７が挿入される。続いてバルブ挿入穴３３の両端の開口部からメタルＯリング３１、３１が入れられる。次にバルブ挿入穴３３の両端の開口部から補強部材２９、２９を挿入する。ロータリーバルブ２７の円柱部３５は、円筒補強部４１、４１によって両方の外側から挟み込まれ、操作軸部３６、３６は軸穴４４、４４を貫通して外方に露出する。複数本のボルト４８、４８、…によって補強部材２９、２９がノズル本体２５に固定される。

　このようにしてロータリーバルブ２７と補強部材２９、２９とをノズル本体２５に取り付けると、メタルＯリング３１、３１は円柱部３５の端面と円筒補強部４１、４１の円形溝４６との間で挟み込まれる。
　本実施の形態において、メタルＯリングは、その外径がバルブ挿入穴の内径以下であり、バルブ挿入穴との距離が軸穴との距離より近くなっていることが好ましい。図４において、メタルＯリング３１、３１の外径はバルブ挿入穴３３の内径以下になっており、バルブ挿入穴３３のボア近傍に配置している。したがって射出材料がバルブ挿入穴３３とロータリーバルブ２７の円柱部３５の隙間に侵入しても、メタルＯリング３１、３１によって外部への漏れが効率的に防止されるようになっている。

＜駆動機構＞
　駆動機構３０は、図２に示されているように、加熱シリンダ１９に固定された固定部材５０に設けられているピストンシリンダユニット５１と、このピストンシリンダユニット５１によって駆動されるコンロッド５３とから構成されている。コンロッド５３は、ロータリーバルブ２７の操作軸部３６、３６（図３参照）の爪部３７、３７に接続されている。したがって、ピストンシリンダユニット５１を駆動するとコンロッド５３を介してロータリーバルブ２７が回転する。前記したようにロータリーバルブ２７の回転位置に応じて、ノズル内流路３２が閉鎖され、あるいは貫通孔３９によって連通することになる。

　　以上、図２～図４を用いて説明したように、本実施の形態に係るシャットオフノズルは、バルブ挿入穴がノズル本体を貫通しており、ロータリーバルブは前記操作軸部が前記円柱部の両端にそれぞれ設けられ、前記補強部材は２個からなり、それぞれの前記円筒補強部が前記円柱部を両側から挟み込むようにして前記ノズル本体に設けられている態様が好ましい一態様として挙げられる。

＜本実施の形態に係るシャットオフノズルの作用＞
　本実施の形態に係るシャットオフノズル５の作用を説明する。シャットオフノズル５を固定側金型１５（図１参照）にタッチすると、図５に示されているようにノズル本体２５の先端にタッチ力６０（図５、６参照）が作用する。ノズル本体２５は加熱シリンダ１９（図１参照）から押圧力６１を受けているので、内部に応力が発生する。ノズル本体２５にはバルブ挿入穴３３が開けられているので、バルブ挿入穴３３近傍に応力集中が発生するはずであるが、本実施の形態においてはバルブ挿入穴３３の両側に補強部材２９、２９の円筒補強部４１、４１が挿入されている。つまり、これら円筒補強部４１、４１によってバルブ挿入穴３３の一部が実質的に埋められた状態になっている。したがって、応力集中は緩和される。バルブ挿入穴３３の弾性変形は小さく、ロータリーバルブ２７の円柱部３５とバルブ挿入穴３３との間にカジリは発生しない。

　シャットオフノズル５の正面断面が示されている図６によって、応力集中が緩和されることを説明する。バルブ挿入穴３３にはほとんど隙間なく円筒補強部４１が挿入されている。したがって、タッチ力６０と押圧力６１とによる応力が発生しても、バルブ挿入穴３３近傍の応力６２は、概ね均一に分布することになる。弾性変形する前のバルブ挿入穴３３が一点鎖線で示されているが、応力集中がほとんどないので、バルブ挿入穴３３と補強部材２９の円筒補強部４１の弾性変形はわずかである。このように弾性変形はわずかであるので、前記したようにロータリーバルブ２７の円柱部３５とバルブ挿入穴３３との間にカジリは発生しない。なお、図６において弾性変形の大きさは強調して示されている。

＜従来のシャットオフノズル＞
　本実施の形態に係るシャットオフノズル５の作用について理解を深めるために、図７、８によって従来のシャットオフノズル７０について説明する。従来のシャットオフノズル７０は、ノズル内流路７１が開けられたノズル本体７２と、ノズル本体７２に開けられたバルブ挿入穴７４に入れられたロータリーバルブ７６と、ロータリーバルブ７６を両端から押さえる押さえ部材７７、７７、とから構成されている。従来のシャットオフノズル７０は、ロータリーバルブ７６の円柱部７９の長さがバルブ挿入穴７４の長さと等しい。ロータリーバルブ７６はバルブ挿入穴７４全体に対して滑らかに回転するようになっている。

　従来のシャットオフノズル７０にタッチ力８０、押圧力８１が作用すると、図７に示されているように応力は均等に作用する。そうすると図８において応力分布８２が示されているように、バルブ挿入穴７４の近傍において、応力集中が生じる。図８には変形前のバルブ挿入穴７４が一点鎖線で示されているが、応力集中によりバルブ挿入穴７４が大きく弾性変形していることわかる。これによってノズル本体７２の円柱部７９とバルブ挿入穴７４との間にカジリが発生することになる。

＜第２の実施の形態に係るシャットオフノズル＞
　本実施の形態に係るシャットオフノズル５は色々な変形が可能である。図９には変形した第２の実施の形態に係るシャットオフノズル５Ａが示されている。本実施の形態と同じ部材には同じ参照番号を付して説明を省略する。この第２の実施の形態に係るシャットオフノズル５Ａは、ノズル本体２５Ａに開けられているバルブ挿入穴３３Ａが、いわゆるメクラ穴になっている。そしてロータリーバルブ２７Ａは、円柱部３５と１本の操作軸部３６とから構成されている。そして補強部材２９とメタルＯリング３１は、それぞれ１個ずつ設けられている。この第２の実施の形態に係るシャットオフノズル５Ａにおいても、タッチ力が作用するときバルブ挿入穴３３Ａ近傍の応力集中が抑制され、ロータリーバルブ２７Ａの円柱部３５とバルブ挿入穴３３Ａとの間にカジリは発生しない。

＜第３の実施の形態に係るシャットオフノズル＞
　図１０には第３の実施の形態に係るシャットオフノズル５Ｂが示されている。この実施の形態においては、補強部材２９Ｂ、２９Ｂが変形されている。変形した第１の点は、補強部材２９Ｂ、２９Ｂが円筒補強部４１、４１のみから形成され、フランジ部が設けられていない点である。変形した第２の点は、円形溝４６Ｂ、４６Ｂの位置と半径である。第１の実施の形態に比して、小径になっている。したがって、これら円形溝４６Ｂ、４６Ｂに入れられるメタルＯリング３１Ｂ、３１Ｂも小径のものが採用されている。補強部材２９Ｂ、２９Ｂはバルブ挿入穴３３に挿入され、押さえ部材８５、８５によって固定されている。この第３の実施の形態に係るシャットオフノズル５Ｂにおいても、タッチ力が作用するときバルブ挿入穴３３近傍の応力集中が抑制され、ロータリーバルブ２７の円柱部３５とバルブ挿入穴３３との間にカジリは発生しない。

＜他の変形例＞
　本実施の形態についての説明では、各部材の材質について特に言及していなかったが、異なる材質から構成して機械的性質を変えることができる。例えば、補強部材２９の材料について、ノズル本体２５やロータリーバルブ２７の材料よりも硬い材料、つまり弾性係数が大きい材料を採用することができる。そうすると、補強部材２９が弾性変形しにくくなるので、さらにバルブ挿入穴３３の弾性変形を抑制することができる。

　以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
　本出願は、２０２１年１０月２２日出願の日本特許出願（特願２０２１－１７３２１６）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　　１　　　射出成形機　　　　　　　　２　　　型締装置
　　３　　　射出装置　　　　　　　　　５　　　シャットオフノズル
　　７　　　固定盤　　　　　　　　　　８　　　可動盤
　　９　　　型締ハウジング　　　　　１１　　　タイバー
　１３　　　トグル機構　　　　　　　１５　　　固定側金型
　１６　　　可動側金型　　　　　　　１９　　　加熱シリンダ
　２０　　　スクリュ　　　　　　　　２２　　　スクリュ駆動装置
　２３　　　ホッパ　　　　　　　　　２５　　　ノズル本体
　２７　　　ロータリーバルブ　　　　２９　　　補強部材
　３０　　　駆動機構　　　　　　　　３１　　　メタルＯリング
　３２　　　ノズル内流路　　　　　　３３　　　バルブ挿入穴
　３５　　　円柱部　　　　　　　　　３６　　　操作軸部
　３７　　　爪部　　　　　　　　　　３９　　　貫通孔
　４１　　　円筒補強部　　　　　　　４２　　　フランジ部
　４４　　　軸穴　　　　　　　　　　４５　　　ボルト穴
　４６　　　円形溝　　　　　　　　　４８　　　ボルト
　５０　　　固定部材　　　　　　　　５１　　　ピストンシリンダユニット
　５３　　　コンロッド　　　　　　　６０　　　タッチ力
　６１　　　押圧力　　　　　　　　　６２　　　応力
　　Ｂ　　　ベッド
　７０　　　シャットオフノズル　　　７１　　　ノズル内流路
　７２　　　ノズル本体　　　　　　　７４　　　バルブ挿入穴
　７６　　　ロータリーバルブ　　　　７７　　　押さえ部材
　７９　　　円柱部　　　　　　　　　８０　　　タッチ力
　８１　　　押圧力　　　　　　　　　８２　　　応力分布
　５Ａ、５Ｂ　シャットオフノズル　２５Ａ　　　ノズル本体
　２７Ａ　　　ロータリーバルブ　　２９Ｂ　　　補強部材
　３１Ｂ　　　メタルＯリング　　　３３Ａ　　　バルブ挿入穴
　４６Ｂ　　　円形溝　　　　　　　　８５　　　　押さえ部材

Claims

　射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されていると共にその側面からバルブ挿入穴が開けられているノズル本体と、
　前記バルブ挿入穴に挿入されているロータリーバルブと、
　前記バルブ挿入穴に挿入されている補強部材と、を備え、
　前記ロータリーバルブは、前記バルブ挿入穴に嵌合する円柱部と、該円柱部より小径の操作軸部とを備え、前記操作軸部を回転するとその回転位置に応じて前記円柱部の側面から開けられている貫通孔が前記ノズル内流路に整合し、あるいは前記ノズル内流路を閉鎖するようになっており、
　前記補強部材は、軸穴が開けられている円筒補強部を備え、前記円筒補強部が前記バルブ挿入穴に挿入されて前記ロータリーバルブの前記円柱部より前記バルブ挿入穴の開口側に配置され、前記操作軸部が前記軸穴を貫通して外部に露出している、シャットオフノズル。
　前記円筒補強部の外径は前記円柱部の外径より大きい、請求項１に記載のシャットオフノズル。
　前記補強部材は前記円筒補強部と一体的にフランジ部が形成され、前記フランジ部に開けられたボルト穴にボルトが挿入されて前記ノズル本体に固定されている、請求項１または２に記載のシャットオフノズル。
　前記バルブ挿入穴は前記ノズル本体を貫通しており、前記ロータリーバルブは前記操作軸部が前記円柱部の両端にそれぞれ設けられ、前記補強部材は２個からなりそれぞれの前記円筒補強部が前記円柱部を両側から挟み込むようにして前記ノズル本体に設けられている、請求項１～３のいずれかの項に記載のシャットオフノズル。
　前記円柱部と前記円筒補強部とが互いに摺動する摺動面にメタルＯリングが設けられている、請求項１～４のいずれかの項に記載のシャットオフノズル。
　前記メタルＯリングは、その外径が前記バルブ挿入穴の内径以下であり、前記バルブ挿入穴との距離が前記軸穴との距離より近くなっている、請求項５に記載のシャットオフノズル。
　前記円筒補強部には前記摺動面に円形溝が形成され、該円形溝に前記メタルＯリングが入れられている、請求項５または６に記載のシャットオフノズル。
　加熱シリンダと、
　該加熱シリンダ内に入れられているスクリュと、
　前記加熱シリンダの先端に設けられているシャットオフノズルと、を備え、
　前記シャットオフノズルは、射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されていると共にその側面からバルブ挿入穴が開けられているノズル本体と、
　前記バルブ挿入穴に挿入されているロータリーバルブと、
　前記バルブ挿入穴に挿入されている補強部材と、を備え、
　前記ロータリーバルブは、前記バルブ挿入穴に嵌合する円柱部と、該円柱部より小径の操作軸部とを備え、前記操作軸部を回転するとその回転位置に応じて前記円柱部の側面から開けられている貫通孔が前記ノズル内流路に整合し、あるいは前記ノズル内流路を閉鎖するようになっており、
　前記補強部材は、軸穴が開けられている円筒補強部を備え、前記円筒補強部が前記バルブ挿入穴に挿入されて前記ロータリーバルブの前記円柱部より前記バルブ挿入穴の開口側に配置され、前記操作軸部が前記軸穴を貫通して外部に露出している、射出装置。
　前記円筒補強部の外径は前記円柱部の外径より大きい、請求項８に記載の射出装置。
　前記補強部材は前記円筒補強部と一体的にフランジ部が形成され、前記フランジ部に開けられたボルト穴にボルトが挿入されて前記ノズル本体に固定されている、請求項８または９に記載の射出装置。
　前記バルブ挿入穴は前記ノズル本体を貫通しており、前記ロータリーバルブは前記操作軸部が前記円柱部の両端にそれぞれ設けられ、前記補強部材は２個からなりそれぞれの前記円筒補強部が前記円柱部を両側から挟み込むようにして前記ノズル本体に設けられている、請求項８～１０のいずれかの項に記載の射出装置。
　前記円柱部と前記円筒補強部とが互いに摺動する摺動面にメタルＯリングが設けられている、請求項８～１１のいずれかの項に記載の射出装置。
　前記メタルＯリングは、その外径が前記バルブ挿入穴の内径以下であり、前記バルブ挿入穴との距離が前記軸穴との距離より近くなっている、請求項１２に記載の射出装置。
　前記円筒補強部には前記摺動面に円形溝が形成され、該円形溝に前記メタルＯリングが入れられている、請求項１２または１３に記載の射出装置。
　射出材料を射出する射出装置と、
　金型を型締めする型締装置と、を備えた射出成形機であって、
　前記射出装置にはシャットオフノズルが設けられ、
　前記シャットオフノズルは、射出材料が通るノズル内流路が射出方向に形成されていると共にその側面からバルブ挿入穴が開けられているノズル本体と、
　前記バルブ挿入穴に挿入されているロータリーバルブと、
　前記バルブ挿入穴に挿入されている補強部材と、を備え、
　前記ロータリーバルブは、前記バルブ挿入穴に嵌合する円柱部と、該円柱部より小径の操作軸部とを備え、前記操作軸部を回転するとその回転位置に応じて前記円柱部の側面から開けられている貫通孔が前記ノズル内流路に整合し、あるいは前記ノズル内流路を閉鎖するようになっており、
　前記補強部材は、軸穴が開けられている円筒補強部を備え、前記円筒補強部が前記バルブ挿入穴に挿入されて前記ロータリーバルブの前記円柱部より前記バルブ挿入穴の開口側に配置され、前記操作軸部が前記軸穴を貫通して外部に露出している、射出成形機。
　前記円筒補強部の外径は前記円柱部の外径より大きい、請求項１５に記載の射出成形機。
　前記補強部材は前記円筒補強部と一体的にフランジ部が形成され、前記フランジ部に開けられたボルト穴にボルトが挿入されて前記ノズル本体に固定されている、請求項１５または１６に記載の射出成形機。
　前記バルブ挿入穴は前記ノズル本体を貫通しており、前記ロータリーバルブは前記操作軸部が前記円柱部の両端にそれぞれ設けられ、前記補強部材は２個からなりそれぞれの前記円筒補強部が前記円柱部を両側から挟み込むようにして前記ノズル本体に設けられている、請求項１５～１７のいずれかの項に記載の射出成形機。
　前記円柱部と前記円筒補強部とが互いに摺動する摺動面にメタルＯリングが設けられている、請求項１５～１８のいずれかの項に記載の射出成形機。
　前記メタルＯリングは、その外径が前記バルブ挿入穴の内径以下であり、前記バルブ挿入穴との距離が前記軸穴との距離より近くなっている、請求項１９に記載の射出成形機。
　前記円筒補強部には前記摺動面に円形溝が形成され、該円形溝に前記メタルＯリングが入れられている、請求項１９または２０に記載の射出成形機。