WO2023021661A1

WO2023021661A1 - 包装体

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Publication number: WO2023021661A1
Application number: PCT/JP2021/030415
Authority: WO
Inventors: 大樹西浦
Original assignee: 小林製薬株式会社
Priority date: 2021-08-19
Filing date: 2021-08-19
Publication date: 2023-02-23
Also published as: TW202321125A

Abstract

包装材の外面にラベルを貼り付けても包装材の開封作業の円滑性を大きく損なわせず、かつ、ラベルに施された表示を無理なく読むことができる包装体を提供する。包装体１は、商品２と、商品２を包装する包装材３と、を備え、包装材３に当該包装材３の切断を誘導して当該包装材３を開封するための包装材切断誘導線８が形成されている。包装体１は、商品２に関する表示７Ｂが施されたラベル４であって、包装材３の外面に包装材切断誘導線８の少なくとも一部分を覆うように貼り付けられるラベル４をさらに備える。ラベル４には、当該ラベル４の切断を誘導するラベル切断誘導線９が形成されており、ラベル４に覆われた包装材切断誘導線８に対して少なくとも一つのラベル切断誘導線９Ａが当該包装材切断誘導線８に沿って配置されている。

Description

包装体

　本発明は、商品を包装材で包装した包装体に関する。

　商品を保管、輸送、取引するなどに際しては、商品を包装材で包装することが従来より行われている。包装材としては、例えば、紙や合成樹脂からなるシート材で形作られる商品を収納可能な箱、商品を収容可能な凹部を有するブリスター容器と当該ブリスター容器に取り付けられて凹部を閉じる台紙との組み合わせ、商品の周囲に巻き付けられるシュリンクフィルムなどの外装フィルム、などがある。

　包装体は、包装材に例えばミシン目状の切れ込みなどの切断誘導線が形成されており、商品を使用する際には、箱や台紙を切断誘導線において切断して箱や台紙の一部分を開くことで商品を箱内や凹部内から取り出し可能とする、外装フィルムを切断誘導線において切断することで商品から外装フィルムを取り外すなど、事前に包装材の開封作業が行われる。例えば特許文献１には、ブリスター容器及び台紙により商品を包装した包装体が開示されており、この包装体は、台紙の一部分を外側（ブリスター容器の凹部と反対側）に開いてブリスター容器の凹部を露出させることで、凹部内から商品が取り出し可能となる

特開2016-047735号公報

　包装材の外面には、包装された商品に関する表示、例えば商品の宣伝広告やデザイン性向上のための装飾表示の他、商品の取扱説明、注意書き、使用方法、成分・素材などの重要表示などが施されている。例えばブリスター容器及び台紙により商品を包装した包装体では、台紙の表面（ブリスター容器が取り付けられる側の面）に装飾表示が施され、台紙の裏面に重要表示が施されるのが一般的である。

　商品に関する表示は、当初の表示内容を変更する必要が生じる場合があり、例えば当初は包装材に日本語で記載した重要表示などを施しているが、商品を外国に輸出するために重要表示などを外国語で記載する必要が生じる場合がある。この場合には、外国語で記載した重要表示などをラベルに施し、このラベルを包装材の外面の当初の重要表示などが施された部分の上に貼り付けることが行われる。例えばブリスター容器及び台紙により商品を包装した包装体では、台紙の裏面の当初の重要表示などが施された部分の上にラベルが貼り付けられる。

　しかし、ラベルを包装材の外面に貼り付ける際に、包装材の切断誘導線がラベルで覆われることが多く発生し、この場合には、包装材の開封時にラベルが開封を邪魔するために開封作業をスムーズに行うことができず、ユーザにとって使用しにくい仕様となる。そのうえ、包装材を切断誘導線においてラベルごと開封すると、ラベルを強引に破いてしまう結果、ラベルがひどく破れて、ユーザが使用時にラベルに記載された重要表示などを読むことができなくなる。よって、ユーザが重要表示などを理解できずに商品を誤って使用することでユーザにとって重大な事故につながるおそれがある。

　本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、包装材の外面にラベルを貼り付けても包装材の開封作業の円滑性を大きく損なわせず、かつ、ラベルに施された表示を無理なく読むことができる包装体を提供することを目的とする。

　本発明は、商品と、前記商品を包装する包装材と、を備え、前記包装材に当該包装材の切断を誘導して当該包装材を開封するための包装材切断誘導線が形成された包装体に関する。本発明の包装体は、前記商品に関する表示が施されたラベルであって、前記包装材の外面に前記包装材切断誘導線の少なくとも一部分を覆うように貼り付けられるラベルをさらに備え、前記ラベルには、当該ラベルの切断を誘導するラベル切断誘導線が形成されており、前記ラベルに覆われた前記包装材切断誘導線に対して少なくとも一つの前記ラベル切断誘導線が当該包装材切断誘導線に沿って配置されている、ことを特徴とする。

　本発明の包装体において好ましくは、前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線の直上に位置することで前記包装材切断誘導線に沿う、ことを特徴とするように構成することができる。

　また、本発明の包装体において好ましくは、前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線上において前記包装材切断誘導線から３ｍｍ以内の範囲に位置することで前記包装材切断誘導線に沿う、ことを特徴とするように構成することができる。

　また、本発明の包装体において好ましくは、前記ラベルには、一つの前記包装材切断誘導線に対して複数の平行な前記ラベル切断誘導線が形成されており、複数の前記ラベル切断誘導線の少なくとも一つの前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線に沿う、ことを特徴とするように構成することができる。

　また、本発明の包装体において好ましくは、前記ラベルには、前記商品に関する重要表示が施されている、ことを特徴とするように構成することができる。

　また、本発明の包装体において好ましくは、前記包装材は、前記商品を収容可能な凹部を有するブリスター容器と、前記ブリスター容器に取り付けられて前記凹部を閉じる台紙との組み合わせからなり、前記台紙に前記包装材切断誘導線が形成されており、前記ラベルは前記台紙に貼り付けられている、ことを特徴とするように構成することができる。

　本発明の包装体によれば、包装材の外面にラベルを貼り付けても包装材の開封作業の円滑性を大きく損なわせず、かつ、ラベルに施された表示を無理なく読むことができる。

本発明の一実施形態の包装体の斜視図である。本発明の一実施形態の包装体の背面図である。図１の包装体の包装材を構成する台紙を裏面側から見た図である。図１のラベルを表面側から見た図である。図１の包装体の台紙及びラベルの一部分を拡大して示す概略図であり、ラベルの一部分を破断して示している。変形例の包装体の台紙及びラベルの一部分を拡大して示す概略図であり、ラベルの一部分を破断して示している。変形例の包装体の台紙及びラベルの一部分を拡大して示す概略図であり、ラベルの一部分を破断して示している。図１の包装体の一部分を示す斜視図であり、包装材を開封した状態を示している。従来例の包装体の一部分を示す斜視図であり、包装材を開封した状態を示している。（Ａ）は変形例の包装体の商品及び包装材だけを示す正面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の包装材の開封時の商品を示す。（Ａ）は変形例の包装体の正面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の包装材の開封時の包装体を示し、（Ｃ）は開封した後の包装材を示す。

　本発明の包装体は、商品を包装材で包装した包装体に関する。包装材は、商品の少なくとも一部分を包装している。包装材は、例えば紙やプラスチックなどのシート材で形成されていて商品を内部に収納する箱、商品を収容する凹部を備えたブリスター容器と当該ブリスター容器に凹部を塞ぐように取り付けられて凹部内の商品を閉じ込める台紙との組み合わせ、商品の全体又は一部分の周囲に巻き付けられる外装フィルム（例えばシュリンクフィルムなど）、一方面において商品を保持する台紙と商品を台紙ごと一体に包み込む外装フィルム（例えばシュリンクフィルムなど）との組み合わせ、などを例示することができる。なお、包装材は、商品を保管、輸送、取引するなどに当たって商品の保護や商品価値の維持などのために商品の全体や一部分を包むものであれば特に限定されない。以下、本発明の包装体の実施形態について、添付図面を参照して説明する。

包装体の概要
　図１及び図２は、本実施形態に係る包装体１の外観を示す。包装体１は、商品２と、商品２を包装する包装材３と、包装材３の外面に貼り付けられるラベル４と、を備える。包装材３は、本実施形態では、商品２を収容可能な凹部５０を有するブリスター容器５、及び、ブリスター容器５に取り付けられて凹部５０を閉じる台紙６の組み合わせからなる。

商品の説明
　商品２は、包装材３で包装されるものであればいかなる種類、形状、サイズの物品であってもよく、本実施形態では、縦長の小型容器である。商品２の数も特に限定されず、本実施形態では、三つの商品２が包装材３を構成するブリスター容器５の凹部５０に横並びで収容されている。

包装材のブリスター容器の説明
　包装材３を構成するブリスター容器５は、図１に示すように、少なくとも一つの商品２を収容可能である。ブリスター容器５は、一方向の端が閉じられ他方向の端が開口した凹部（凹状の収容部）５０を備える。凹部５０は商品２を収容可能な空間を形作る。凹部５０は収容される商品２の数、形状、大きさなどに対応した形状及び大きさに形成される。本実施形態では、凹部５０は、三つの商品２を左右方向に並べて収容できるように三つの収容領域が区画形成されている。

　ブリスター容器５は、凹部５０の開口周縁に連なって設けられる平坦なフランジ部５１を備える。フランジ部５１は所定の幅を有しており、凹部５０の周囲にあるフランジ部５１が台紙６の表面に接着剤や熱融着などにより貼り付けられることで、凹部５０が台紙６から突き出るようにしてブリスター容器５が台紙６に取り付けられる。フランジ部５１の幅は、凹部５０の大きさに対する台紙６の大きさに応じて適宜設定することができる。フランジ部５１は、凹部５０の周囲の全周にわたって設けられていてもよいし、凹部５０内の商品２が台紙６により閉じ込められた状態でブリスター容器５外に容易に取り出すことができないのであれば凹部５０の周囲の一部だけにフランジ部５１が設けられていてもよい。フランジ部５１を台紙６に連結、固定する手段は、接着剤や熱融着に限定されるものではなく、種々の公知の手段を用いることができる。

　上述したブリスター容器５は、特に限定されるものではなく、従来からこの種のブリスター容器に用いられている材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂の成形体により形作ることができる。

包装材の台紙の説明
　包装材３を構成する台紙６は、図１、図２及び図３に示すように、二つの主面を有する偏平形状を呈している。台紙６は、その表面側にブリスター容器５が取り付けられ、ブリスター容器５の凹部５０の開口を閉鎖する。これにより、凹部５０に収容された商品２は凹部５０内に閉じ込められる。

　台紙６の平面視形状は特に限定されないが、本実施形態では長方形状である。台紙６は、図３における横方向に平行に延びる一対の短辺（上縁６０及び下縁６１）と、図３における縦方向に平行に延びる一対の長辺（左右の側縁６２，６３）と、を有する。台紙６の上縁６０の近傍であって左右方向の中央位置には、円形の貫通孔６４が形成されている。この貫通孔６４は、包装体１を店頭などで吊り掛けて陳列する際にフックなどを通すためのものである。

　なお、本開示において、台紙６の平面視形状は、台紙６を主面側からまっすぐ見たときの形状である。また、台紙６の二つの主面のうち、ブリスター容器５が取り付けられる側の面（商品２を直視できる側の面）を「表面」とし、その反対側の面を「裏面」としている。また、図３における台紙６の縦方向（台紙６の長辺が延びる方向）を「上下方向」とし、台紙６の横方向（台紙６の短辺が延びる方向）を「左右方向」としている。

　台紙６の表面及び／又は裏面には、包装材３により包装される商品２に関する表示７Ａ（以下、「商品表示７Ａ」という。）が例えば印刷などの方法によって施されており、包装材３で包装される商品２に関する情報を購買者やユーザに提示する。商品表示７Ａは、特に限定されないが、商品名、ブランド名、製造及び／又は販売会社名、ブランドマーク、ハウスマークなどの出所表示；商品の特徴や効用などの機能表示；商品の宣伝広告やデザイン性向上に供する文字（記号も含む）、模様（絵、図形、色など）、イラストなどの装飾表示；商品に関する取扱説明、注意書き、使用方法、成分・素材、内容量、サイズなどの購買者が適切な商品を選択したりユーザが商品を安全に正しく使用したりするために必要な重要表示；などを例示することができる。これらの表示の中で、出所表示、機能表示、装飾表示は購買者の購買意欲を増進させるために商品の店頭陳列時に購買者の目に付く台紙６の表面に主に施される一方で、重要表示は、商品の店頭陳列時には特に購買者に見せる必要がないために台紙６の裏面に主に施される。なお、出所表示、機能表示、装飾表示が台紙６の裏面に施されていてもよいし、重要表示が台紙６の表面に施されていてもよい。

　台紙６には、当該台紙６の切断を誘導する少なくとも一つの包装材切断誘導線８が形成されている。包装材切断誘導線８は、包装材３の開封を補助して包装材３で包装された商品２を使用できる状態とするためのものであり、本実施形態では、ユーザが手で台紙６を容易に切断することを可能とするために台紙６に形成されている。

　包装材切断誘導線８は、例えばミシン目状の切れ込みや連続線状のハーフカットなどで構成することができる。ミシン目状の切れ込みとは、台紙６を貫通する複数の切れ込み（幅のある長孔も含む）が間隔をあけて連続するものをいう。個々の切れ込みの長さや隣り合う切れ込みの間隔の長さは特に限定されず、台紙６の素材に応じて台紙６を容易に切断できる程度の長さに設定される。連続線状のハーフカットとは、台紙６を完全には貫通せずに厚み方向の途中まで入れられた切れ込み（ハーフカット）が切れずに連続するものをいう。ハーフカットの深さは特に限定されず、台紙６の素材に応じて台紙６を容易に切断できる程度の深さ長さに設定される。

　本実施形態では、二つ（左右一対）の包装材切断誘導線８が台紙６に形成されており、二つの包装材切断誘導線８は、ブリスター容器５の凹部５０の左右の側縁に沿って凹部５０の上縁近傍から下方に向かって互いに平行に延びる第一部分８０と、台紙６の下縁近傍において下方に向かうに連れて互いの距離が縮まるテーパ状に延びる第二部分８１と、再び下方に向かって互いに平行に延びて台紙６の下縁に到達する第三部分８３とで構成されている。二つの包装材切断誘導線８を切断すると、図８に示すように、二つの包装材切断誘導線８で挟まれた台紙６の一部分が開封片６５として外側（ブリスター容器５の凹部５０と反対側）に開き（台紙６の残部分から立ち上がり）、これにより、ブリスター容器５の凹部５０が露出することで、包装材３が開封されて、商品２が取り出し可能となる。開封片６５は、台紙６の下縁側の最も幅が狭い端部が開け口となる。

　二つの包装材切断誘導線８の上端同士は、特に限定されないが、包装材切断誘導線８と同様のミシン目状の切れ込みや連続線状のハーフカットなどで結んでもよいし、プレス加工などによって形成した凹部（罫線）で結んでもよい。これにより、台紙６の二つの包装材切断誘導線８の上端の間に折り目６６が設けられ、包装材３の開封時に台紙６の開封片６５を折り目６６を支点に開くことができる。なお、二つの包装材切断誘導線８の上端の間に必ずしも折り目６６を設ける必要はない。

　上述した台紙６を形成する材料は、特に限定されるものではなく、従来公知の材料を用いることができ、例えば紙や合成樹脂などを挙げることができる。台紙６は、安価で適度な剛性を有する厚紙（薄い合成樹脂製フィルム及び／又はアルミニウムなどの金属蒸着層が積層された厚紙を含む）を用いることが好ましい。台紙６の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば３００ｇ／ｍ^２以上４００ｇ／ｍ^２以下である。

ラベルの説明
　ラベル４は、図２及び図４に示すように、例えば紙や合成樹脂フィルムなどのシート状のものである。ラベル４の裏面（包装材３に貼り付けられる側の面）には、例えば粘着剤などが塗布されることによって接着層が設けられており、当該接着層によってラベル４は包装材３の外面に貼り付けられている。ラベル４は、本実施形態では、台紙６の裏面に貼り付けられている。ラベル４は有色及び無色のいずれであってもよく、透明、半透明及び不透明のいずれであってもよい。ラベル４の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば７０μｍ以上１３０μｍ以下である。

　ラベル４の平面視形状は特に限定されないが、本実施形態では台紙６よりも一回り小さい長方形状であり、図４における横方向に平行に延びる一対の短辺（上縁４０及び下縁４１）と、図４における縦方向に平行に延びる一対の長辺（左右の側縁４２，４３）と、を有する。本実施形態では、ラベル４の上縁４０には左右方向の中央位置において凹状に窪む溝部４４が形成されており、台紙６の裏面に貼り付けられた際に台紙６の貫通孔６４がラベル４によって覆われることなく露出している。

　ラベル４の表面（包装材３に貼り付けられる側の面と反対側の面）には、包装材３により包装される商品２に関する表示７Ｂ（以下、「商品表示７Ｂ」という。）が例えば印刷などの方法によって施されており、包装材３で包装される商品２に関する情報を購買者やユーザに提示する。ラベル４に施される商品表示７Ｂは、特に限定されるものではないが、好ましくは包装材３に施された商品表示７Ａとは異なる表示である。商品２に関する表示は、当初に包装材３に施した商品表示７Ａの表示内容を変更する必要が生じる場合があり、この場合に、表示内容を変更した商品表示７Ｂをラベル４に施し、包装材３に施された当初の商品表示７Ａをラベル４で覆い隠すことで、内容変更後の新たな商品表示７Ｂを購買者やユーザに提示することができる。

　具体的な例の一例としては、商品２に関する重要表示を当初は日本語で記載し、日本語による重要表示を包装材３に施していたが、商品２を外国に輸出するために重要表示を輸出先の言語で記載する必要が生じる場合に、その国の言語（外国語）で記載した重要表示をラベル４に施し、ラベル４を包装材３の外面の当初の重要表示が施された部分の上に貼り付けることで、輸出先の外国においても、商品２に関する重要表示を現地の購買者やユーザにその国の言語（外国語）で提示することができる。なお、重要表示だけでなく、出所表示や機能表示も外国語で記載したラベル４を包装材３の外面に貼り付けてもよい。本実施形態のラベル４は、ラベル４の下に位置する包装材３に施された当初の商品表示７Ａが見えないように不透明であることが好ましい。

　なお、ラベル４に施される商品表示７Ｂは、必ずしも上述した例に限定されるものではなく、言語以外の他の内容変更の目的を満たすために、包装材３に施された商品表示７Ａと異なる表示をラベル４に施してもよい。また当初の表示内容を変更する目的だけに限らず、他の目的、例えば包装材３には装飾表示を施し、ラベル４には重要表示、機能表示、出所表示を施すなどの目的で、包装材３及びラベル４にそれぞれ商品表示７Ａ，７Ｂを施してもよい。

　ラベル４には、当該ラベル４の切断を誘導する少なくとも一つのラベル切断誘導線９が形成されている。ラベル切断誘導線９は、ラベル４を容易に切断可能とするためにラベル４に形成されている。ラベル切断誘導線９は、包装材切断誘導線８と同様、例えばミシン目状の切れ込みや連続線状のハーフカットなどで構成することができる。

　ラベル４が包装材３の外面に包装材切断誘導線８の少なくとも一部分を覆うように貼り付けられると、包装材３を包装材切断誘導線８において切断して包装材３を開封する際にラベル４が開封の邪魔になり、開封作業をスムーズに行えない。そのうえ、包装材３が台紙６や箱などの紙製であると、包装材３の開封時にラベル４がスムーズに切断されずに開封の邪魔をすることで、図９に示すように、包装材３自体が包装材切断誘導線８以外の箇所で破れてしまい、所望形状の開封片６５によりブリスター容器５の凹部５０を開閉できないおそれがある。これに対して、ラベル４にラベル切断誘導線９が形成されていると、図８に示すように、包装材３の開封時に包装材３の包装材切断誘導線８における切断とともにラベル４がラベル切断誘導線９においてスムーズに切断される。そのため、ラベル４が包装材３の開封の邪魔をしないので、包装材３の開封作業をスムーズに行うことができる。そのうえ、包装材３自体も包装材切断誘導線８に沿って綺麗に切断されて所望形状の開封片６５によりブリスター容器５の凹部５０を開閉することができるため、包装材３の開封後に開封片６５を閉じてブリスター容器５の凹部５０の開口を再び閉鎖することができる。

　加えて、ラベル４にラベル切断誘導線９が形成されていない場合、図９に示すように、包装材３を包装材切断誘導線８においてラベル４ごと開封すると、ラベル４を強引に破くことになり、その結果、ラベル４がひどく破れてしまってユーザがラベル４に施された重要表示などの商品表示７Ｂを読むことができないおそれがある。この場合、ユーザは使用時に商品２の重要表示を理解できず、ユーザにより商品２を安全に正しく使用できないケースが生じ、ユーザが誤って使用することでユーザにとって重大な事故につながるおそれがある。これに対して、図８に示すように、ラベル４にラベル切断誘導線９が形成されていると、包装材３の包装材切断誘導線８における切断とともにラベル４をラベル切断誘導線９に沿って綺麗に切断することができ、包装材３の開封後も開封片６５を閉じれば、ユーザはラベル４に施された重要表示などの商品表示７Ｂを読むことができる。これにより、ユーザは使用時に商品２の重要表示を理解することができ、ユーザにより商品２を安全に正しく使用できないケースが生じるのを抑制して、ユーザの誤った使用による重大な事故の発生を抑制することができる。

　上述したラベル切断誘導線９の機能を奏するために、ラベル切断誘導線９は、図５に示すように、ラベル４を包装材３の外面に貼り付けた際に、包装材切断誘導線８のラベル４により覆われた部分に沿って配置されるように、ラベル４に形成されている。本実施形態では、二つの包装材切断誘導線８の第一部分８０及び第二部分８１が覆われるように台紙６の裏面にラベル４が貼り付けられている。そのため、二つ（左右一対）のラベル切断誘導線９がラベル４に形成されており、二つのラベル切断誘導線９は、互いに平行に上下方向に延びる第一部分９０と、下方に向かうに連れて互いの距離が縮まるテーパ状に延びてラベル４の下縁に到達する第二部分９１とで構成されている。そして、二つのラベル切断誘導線９の第一部分９０の間隔Ｄが二つの包装材切断誘導線８の第一部分８０の間隔Ｄと同じ大きさに設定され、二つのラベル切断誘導線９の第二部分９１の傾斜角度が二つの包装材切断誘導線８の第二部分８１の傾斜角度と同じ大きさに設定されている。これにより、ラベル４を包装材３の外面に貼り付けた際に、ラベル切断誘導線９（図５では９Ａ）の第一部分９０が包装材切断誘導線８の第一部分８０に沿い、ラベル切断誘導線９（図５では９Ａ）の第二部分９１が包装材切断誘導線８の第二部分８１に沿う。

　ラベル４のラベル切断誘導線９が包装材３の包装材切断誘導線８に沿うとは、図５に示すように、ラベル４を包装材３の外面に貼り付けた状態において、好ましくはラベル切断誘導線９（図５では９Ａ）が包装材切断誘導線８の直上に位置することを指すが、図６に示すように、ラベル切断誘導線９（図６では９Ａ）が包装材切断誘導線８上において包装材切断誘導線８から左右方向に３ｍｍ以内の範囲に位置することも含まれる。つまりは、３ｍｍ以内の範囲であれば、ラベル切断誘導線９（図６では９Ａ）が包装材切断誘導線８上において包装材切断誘導線８に対して左右方向に位置ずれしていても構わない。

　ラベル切断誘導線９は、包装材３（本実施形態では台紙６）の包装材切断誘導線８の数に合致した数（本実施形態では二つの包装材切断誘導線８に合わせて二つ）だけラベル４に形成されていてもよいが、包装材切断誘導線８の数よりも多い数のラベル切断誘導線９がラベル４に形成されていることが好ましい。本実施形態では、一つの包装材切断誘導線８に対して三つの平行なラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃがラベル４に形成されている。

　一つの包装材切断誘導線８に対して一つのラベル切断誘導線９がラベル４に形成されている場合は、ラベル４を包装材３の外面に貼り付ける際に、ラベル切断誘導線９が包装材切断誘導線８にきっちりと沿うようにラベル４を包装材３に対して正確に貼り付ける作業が必要になる。これに対して、一つの包装材切断誘導線８に対して複数（本実施形態では三つ）のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃがラベル４に形成されていると、ラベル４を包装材３の外面に貼り付ける際に、図７に示すように、複数のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの中の一つのラベル切断誘導線（図７では９Ａ）が包装材切断誘導線８から位置ずれしても、他のいずれかのラベル切断誘導線（図７では９Ｂ）が包装材切断誘導線８に沿うように配置される。そのため、ラベル４を包装材３に対して正確に貼り付けなくても、複数のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの少なくとも一つのラベル切断誘導線を包装材切断誘導線８に沿わせることができるので、包装材３に対するラベル４の貼付作業の負担を軽減することができる。

　本実施形態では、ラベル４に、二つの包装材切断誘導線８のそれぞれに対して三つの平行なラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃが形成されており、合計三組の左右一対のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃがラベル４に形成されている。各組の左右一対のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの第一部分９０同士の間隔Ｄは、二つの包装材切断誘導線８の第一部分８０の間隔Ｄと同じ大きさに設定されている。また、三つの平行なラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの隣り合う間隔ｄは、これらのラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの中の一つのラベル切断誘導線が包装材切断誘導線８から位置ずれしても、他のいずれかのラベル切断誘導線が包装材切断誘導線８に沿うために、１．５ｍｍ以上２．５ｍｍ以下であることが好ましい。

包装体の作用・効果
　上述の本実施形態の包装体１によると、包装材３の外面に貼り付けられたラベル４に、包装材３の包装材切断誘導線８に沿ったラベル切断誘導線９が形成されている。よって、図８に示すように、包装材３を包装材切断誘導線８において切断して包装材３を開封する際に、ラベル４もラベル切断誘導線９においてスムーズに切断されるため、ラベル４が包装材３の開封の邪魔にならず、包装材３の開封作業をスムーズに行うことができる。

　そのうえ、包装材３の開封時にラベル４をラベル切断誘導線９に沿って綺麗に切断することができるため、包装材３の開封時にラベル４がひどく破れてしまうことがない。よって、包装材３の開封後に開封片６５を閉じれば、ユーザは開封後においても台紙６に貼り付けられたラベル４の商品表示７Ｂを無理なく読むことができる。特にラベル４に施された商品表示７Ｂが商品２に関する重要表示である場合には、ユーザは使用時に商品２の重要表示を理解することができるため、ユーザにより商品２を安全に正しく使用できないケースが生じるのを抑制することができ、ユーザが商品２を誤って使用することによる重大な事故の発生を抑制することができる。

　また本実施形態の包装体１において、ラベル４のラベル切断誘導線９が包装材３の包装材切断誘導線８の直上に位置していることにより、包装材３の開封時にラベル４をよりスムーズかつ綺麗に切断することができる。

　また本実施形態の包装体１において、包装材３の一つの包装材切断誘導線８に対して複数の平行なラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃがラベル４に形成されていることにより、ラベル４を包装材３に対して正確に貼り付けなくても複数のラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃの少なくとも一つのラベル切断誘導線を包装材切断誘導線８に沿わせることができる。よって、包装材３に対するラベル４の貼付作業を容易にすることができる。

包装体の変形例
　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

　上述した実施形態では、包装材３はブリスター容器５及び台紙６の組み合わせであるが、包装材３はこれに限定されるものではなく、例えば図１０（Ａ）に示すように、商品２の全体又は一部分の周囲に巻き付けられる外装フィルム１０であってもよい。図１０（Ａ）に例示する商品２は、カバー付き容器であり、容器２１と、容器２１に取り外し可能に装着されるカバー２０とで構成されている。

　外装フィルム１０としては、例えば、容器２１及びカバー２０を囲むように筒状に配置され、加熱により収縮することで容器２１及びカバー２０の周囲に巻き付くシュリンクフィルムを用いることができる。外装フィルム１０には、上記実施形態の台紙６と同様に、商品表示７Ａが施されている。また、外装フィルム１０には、商品２のカバー２０を覆う第一部分１００と商品２の容器２１を覆う第二部分１０１とを容易に切断できるように、両部分１００，１０１の間に包装材切断破断線８´が周方向に全周にわたって形成されている。加えて、外装フィルム１０には、第一部分１００に包装材切断破断線８´と直交する包装材切断破断線８が形成されている。包装材切断破断線８，８´は、上記実施形態の台紙６の包装材切断破断線８と同じ構成のものである。ユーザは、図１０（Ｂ）に示すように、包装材切断破断線８，８´において外装フィルム１０を切断して、外装フィルム１０の第一部分１００を第二部分１０１と分離して商品２から剥がすことで、商品２の容器２１からカバー２０を取り外すなどして商品２を使用することができる。

　外装フィルム１０の第一部分１００の外面には、図１１（Ａ）に示すように、包装材切断破断線８を覆うようにラベル４が貼り付けられている。ラベル４には、上記実施形態のラベル４と同様に、商品表示７Ｂが施されている。また、ラベル４には、上記実施形態のラベル４と同様に、ラベル切断誘導線９（図示例では９Ａ）が、外装フィルム１０の第一部分１００の包装材切断誘導線８に沿って配置されるようにして形成されている。この実施形態では、上記実施形態の台紙６と同様に、外装フィルム１０の一つの包装材切断誘導線８に対して複数（図示例では三つ）の平行なラベル切断誘導線９Ａ，９Ｂ，９Ｃがラベル４に形成されている。

　図１１に示す実施形態においても、図１１（Ｂ）に示すように、包装材３としての外装フィルム１０を包装材切断誘導線８において切断して開封した際に、ラベル４がラベル切断誘導線９（図示例では９Ａ）においてスムーズに切断されるため、外装フィルム１０の開封作業をスムーズに行うことができる。そのうえ、外装フィルム１０の開封時にラベル４をラベル切断誘導線９（図示例では９Ａ）に沿って綺麗に切断することができるため、図１１（Ｃ）に示すように、ユーザは商品２から外装フィルム１０を取り外した後においても、外装フィルム１０に貼り付けられたラベル４の商品表示７Ｂを無理なく読むことができる。

　なお、図１１に示す実施形態において、外装フィルム１０の第一部分１００の包装材切断誘導線８の数は一つであるが、複数の平行な包装材切断誘導線８が外装フィルム１０の第一部分１００に形成されていて、ラベル４が複数の平行な包装材切断誘導線８を覆うように外装フィルム１０の第一部分１００に貼り付けられていてもよい。この場合には、それぞれの包装材切断誘導線８に対して一つ又は複数のラベル切断誘導線８がラベル４に形成される。

　包装材３はその他にも、図示は省略するが、例えば商品２を内部に収納可能な箱であってもよい。箱は、紙や合成樹脂からなるシート材で形作ることができる。箱の形状は特に限定されるものではなく、立方体や直方体型の他、円筒型や角筒型などであってもよい。

　箱には、上記実施形態の台紙６の商品表示７Ａと同様の商品表示が施されている。また、箱の少なくとも一面には、上記実施形態の台紙６と同様に、箱の一部分を開いて箱を開封するための包装材切断誘導線が形成され、この箱の一面に包装材切断誘導線を覆うようにしてラベルが貼り付けられる。ラベルには、上記実施形態のラベル４の商品表示７Ｂと同様の商品表示が施されている。また、ラベルには、上記実施形態のラベル切断誘導線９と同様のラベル切断誘導線が、箱の包装材切断誘導線に沿って配置されるようにして形成されている。

　この包装材３が箱である実施形態においても、箱を包装材切断誘導線において切断して開封した際に、ラベルがラベル切断誘導線においてスムーズに切断されるため、箱の開封作業をスムーズに行うことができる。そのうえ、箱の開封時にラベルをラベル切断誘導線に沿って綺麗に切断することができるため、ユーザは開封後においても箱に貼り付けられたラベルの商品表示を無理なく読むことができる。

　包装材３はその他にも、具体的な説明は省略するが、一方面において商品２を保持する台紙と商品２を台紙ごと一体に包み込む外装フィルム（例えばシュリンクフィルムなど）との組み合わせ、などの商品２を包装するとともに、包装材３の切断を誘導して包装材３を開封するための包装材切断誘導線が形成されたものであれば、種々の構成のものを用いることができる。

　１：包装体
　２：商品
　３：包装材
　４：ラベル
　５：ブリスター容器
　６：台紙
　７Ｂ：ラベルに施された商品に関する表示
　８：包装材切断誘導線
　９：ラベル切断誘導線

Claims

　商品と、前記商品を包装する包装材と、を備え、前記包装材に当該包装材の切断を誘導して当該包装材を開封するための包装材切断誘導線が形成された包装体であって、
　前記商品に関する表示が施されたラベルであって、前記包装材の外面に前記包装材切断誘導線の少なくとも一部分を覆うように貼り付けられるラベルをさらに備え、
　前記ラベルには、当該ラベルの切断を誘導するラベル切断誘導線が形成されており、
　前記ラベルに覆われた前記包装材切断誘導線に対して少なくとも一つの前記ラベル切断誘導線が当該包装材切断誘導線に沿って配置されている、ことを特徴とする包装体。
　前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線の直上に位置することで前記包装材切断誘導線に沿っている、請求項１に記載の包装体。
　前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線上において前記包装材切断誘導線から３ｍｍ以内の範囲に位置することで前記包装材切断誘導線に沿っている、請求項１に記載の包装体。
　前記ラベルには、一つの前記包装材切断誘導線に対して複数の平行な前記ラベル切断誘導線が形成されており、複数の前記ラベル切断誘導線の少なくとも一つの前記ラベル切断誘導線が前記包装材切断誘導線に沿っている、請求項１から３のいずれかに記載の包装体。
　前記ラベルには、前記商品に関する重要表示が施されている、請求項１から４のいずれかに記載の包装体。
　前記包装材は、前記商品を収容可能な凹部を有するブリスター容器と、前記ブリスター容器に取り付けられて前記凹部を閉じる台紙との組み合わせからなり、
　前記台紙に前記包装材切断誘導線が形成されており、前記ラベルは前記台紙に貼り付けられている、請求項１から５のいずれかに記載の包装体。