WO2022269728A1

WO2022269728A1 - 給餌用トラフ構造及び給餌用補助具

Info

Publication number: WO2022269728A1
Application number: PCT/JP2021/023492
Authority: WO
Inventors: 勝彦安田; 義仁長田
Original assignee: 株式会社ハイテム
Priority date: 2021-06-22
Filing date: 2021-06-22
Publication date: 2022-12-29
Also published as: EP4360453A1; JPWO2022269728A1; CN115715148A; KR20230169260A

Abstract

フック部（１０）とウイング部（２０）とを備える給餌用補助具（１）において、フック部（１０）を、平板状の底面部（１１）、底面部（１１）と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部（１２）、底面部（１１）及び天面部（１２）を同じ側で連結している側面部（１３）、及び、天面部（１２）における側面部（１３）とは反対側の端部から下方に向かって延出している爪部（１５）を備える構成とすると共に、ウイング部（２０）を、側面部（１３）から左右方向にそれぞれＶ字形に延出しており、Ｖ字形の角度が小さくなるように圧縮された際に元に戻ろうとする弾性を有している構成とする。

Description

給餌用トラフ構造及び給餌用補助具

　本発明は、養鶏施設においてケージ列に沿って配されているトラフ内で、チェーンフィード装置を使用して餌を搬送する場合の給餌用トラフ構造、及び、この構造に使用される給餌用補助具に関するものである。

　多数のケージで多数羽のトリを飼育する施設では、複数のケージが水平方向に並設されたケージ列が複数段に積層されている。各ケージ列に沿って、長いトラフが水平方向に配されており、その内部にトリの餌が供給される。一般的には、長いトラフのある部分で外部から導入された餌が、フィード装置によってトラフ内を搬送される。このようなフィード装置として、トラフの底部に配されたチェーンと、このチェーンをトラフに沿って移動させる駆動装置を有するチェーンフィード装置（チェーンフィーダ）がある。チェーンの移動に伴い、餌が撹拌されつつトラフ内を搬送されることにより、各ケージで飼育されているトリが餌を摂取することができる。

　しかしながら、チェーンフィード装置を使用した給餌の場合、チェーンに接触しなかった餌がトラフ内で滞留してしまうことがある。滞留により鮮度が低下した餌をトリが摂取すると、トリの健康に悪影響を及ぼすおそれがある。また、滞留している餌がトリの唾液で湿りトラフに固着すると、その部分でトラフが腐食するおそれがある。

　そのため、チェーンフィード装置を使用して餌をトラフ内で搬送する場合に、餌の滞留やトラフへの餌の固着を抑制することができる技術が要請されていた。

　そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、チェーンフィード装置を使用して餌をトラフ内で搬送するに当たり、餌の滞留やトラフへの餌の固着を抑制することができる給餌用トラフ構造、及び、該構造に使用される給餌用補助具の提供を、課題とするものである。

　上記の課題を解決するため、本発明にかかる給餌用トラフ構造は、
「トリ飼育用のケージの複数が水平方向に並設されたケージ列に沿って設けられているトラフの内部に、チェーンフィード装置のチェーンが配されていると共に、前記チェーンの一部に給餌用補助具が取り付けられており、
　該給餌用補助具は、
前記チェーンを構成するリングの連結部分に引掛けられているフック部と、
前記リングが連続する方向に直交する方向である左右方向における少なくとも一方向に、前記フック部から延出しているＶ字形またはＵ字形のウイング部と、を備えており、
　前記ウイング部は、Ｖ字形の角度またはＵ字形の開き度が小さくなるように圧縮された状態で、元に戻ろうとする弾性により端部が前記トラフに圧接されている」ものである。

　本構成は、チェーンフィード装置で給餌するタイプのトラフにおいて、トラフの内部に配されたチェーンに給餌用補助具が取り付けられているものである。チェーンフィード装置を使用する場合、トラフの長手方向にチェーンを移動させることにより、トラフ内に供給された餌が搬送され、ケージ列を構成するケージ内で飼育されているトリに餌を与えることができる。

　給餌用補助具は、そのフック部がチェーンを構成するリングの連結部分に引掛けられており、フック部からは左右方向における少なくとも一方向にウイング部がＶ字形またはＵ字形に延出している。そのため、チェーンの移動に伴って餌が左右方向に押しやられ、後続のチェーンに接触しにくくなって滞留したとしても、チェーンと共に移動する給餌用補助具のウイング部によって餌が前方に押され、搬送される。

　また、ウイング部は、Ｖ字形の角度またはＵ字形の開き度が小さくなるように圧縮された状態で、元に戻ろうとする弾性により端部がトラフに圧接されている。つまり、ウイング部は、バネとして作用する。この作用により、トリの唾液で湿った餌がトラフに固着しかけていたとしても、トラフに圧接されつつ移動するウイング部の端部が“スクレーパ”のように作用し、餌が掻き取られるため、トラフへの餌の固着が有効に抑制される。

　本発明にかかる給餌用トラフ構造は、上記構成において、
「前記フック部は、
平板状の底面部と、
該底面部と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部と、
前記底面部及び前記天面部を同じ側で連結している側面部と、
前記天面部における前記側面部とは反対側の端部から下方に向かって延出している爪部と、を備える」ものとすることができる。

　フック部がこのような構成であることにより、何ら工具を要することなく、容易な作業でフック部をチェーンの連結部分に引掛けることができる。

　次に、本発明にかかる給餌用補助具は、
「フック部と、少なくとも一つのウイング部とを備える給餌用補助具であり、
　前記フック部は、平板状の底面部、該底面部と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部、前記底面部及び前記天面部を同じ側で連結している側面部、及び、前記天面部における前記側面部とは反対側の端部から下方に向かって延出している爪部を備え、
　前記ウイング部は、前記側面部において、前記上下方向に直交している左右方向の両端部の少なくとも一方からＶ字形またはＵ字形に延出しており、Ｖ字形の角度またはＵ字形の開き度が小さくなるように圧縮された際に、元に戻ろうとする弾性を有している」ものである。

　これは、上記の給餌用トラフ構造に使用される給餌用補助具のうち、フック部の構成を特定した場合の給餌用補助具の構成である。

　本発明にかかる給餌用補助具は、上記構成に加え、
「前記ウイング部の端部は、上下方向の長さが残部より大きく形成されている」ものとすることができる。

　本構成では、ウイング部において、端部が上下方向に長く形成されているため、端部をスクレーパのようにトラフに圧接させるに当たり、広い面積で餌を掻き取ることができる。また、ウイング部は、端部を除き細く形成することができるため、その細さの設定により、バネの作用を調整することができる。

　以上のように、本発明によれば、チェーンフィード装置を使用して餌をトラフ内で搬送するに当たり、餌の滞留やトラフへの餌の固着を抑制することができる給餌用トラフ構造、及び、該構造に使用される給餌用補助具を提供することができる。

図１は本実施形態の給餌用補助具の斜視図である。図２は図１の給餌用補助具がチェーンに取り付けられている給餌用トラフ構造を、一部を拡大して示す斜視図である。図３（ａ）及び図３（ｂ）は、給餌用補助具のチェーンへの取り付けを説明する図である。図４は給餌用補助具が取り付けられているチェーンを真上から見た図である。

　以下、本発明の具体的な実施形態である給餌用トラフ構造、及び、この構造に使用される給餌用補助具１について、図面を用いて説明する。

　給餌用のトラフ５０は、トリ飼育用のケージの複数が水平方向に並設されたケージ列に沿って設けられている。トラフ５０は、細長い長方形の底部５１と、底部５１の一対の長辺からそれぞれ上方に延出している側壁部５２を備えている。一対の側壁部５２は、上方に向かうほど互いに離隔するように傾斜している。

　トラフ５０の底部５１には、チェーンフィード装置（チェーンフィーダ）のチェーン３０が配されている。一般的なチェーンは、構成する多数のリングにおいて、隣接するリングの一方が他方のリングによって囲まれている空間を貫通することにより、隣接するリングそれぞれによって囲まれる空間が交差している。これに対し、チェーンフィード装置のチェーン３０は、隣接するリング３１それぞれによって囲まれる空間が同一平面上となり得るように、リング３１とリング３１とが連結具３２によって連結されているものである。

　図２に示すように、あるケージ列９０ａに沿って配されたトラフ５０の底部５１と、そのケージ列９０ａと背中合わせのケージ列９０ｂに沿って配されたトラフ５０の底部５１とを、無端のチェーン３０が循環して連続的に移動できるように、二つのトラフ５０の同じ側の端部同士が連結路６０で連結されている。連結路６０は、細長い長方形の底部６１と、底部６１の一対の長辺からそれぞれ上方に延出している側壁部６２を備えている。

　また、それぞれのトラフ５０の両端には、プーリの回転によってチェーン３０の走行方向を直角に転換するコーナー部７０が設けられている。ケージ列９０ａに沿ったトラフ５０の底部５１を移動したチェーン３０は、コーナー部７０で方向転換して連結路６０を移動した後、コーナー部７０で方向転換してケージ列９０ｂに沿ったトラフ５０の底部５１を移動し、更にコーナー部７０で方向転換して連結路６０を移動し、コーナー部７０で方向転換することにより元のトラフ５０に戻る。このように、チェーン３０はケージ列を周回する環状のチェーン走行路８０に沿って循環する。

　チェーン走行路８０の途中には、チェーン３０を駆動する駆動機構が設けられている。この駆動機構は、モータ７１と、モータ７１の出力軸の回転をチェーン３０に伝達する伝達装置７２とを備えている。このようなチェーン走行路８０及び駆動機構は、ケージが多段に積重されている場合、その段ごとに設けられる。

　給餌用補助具１は、無端のチェーン３０一つ当たり、一つ以上がチェーン３０に取り付けられる。本実施形態の給餌用補助具１は、フック部１０と、二つのウイング部２０とを備えている。フック部１０は、平板状の底面部１１と、底面部１１と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部１２と、底面部１１及び天面部１２を同じ側で連結している側面部１３と、天面部１２における側面部１３とは反対側の端部２０ｅから下方に向かって延出している爪部１５とを備えている。爪部１５は二つあり、二つの爪部１５の間には、チェーン３０の連結具３２の幅より僅かに大きな距離で間隔があけられている。

　ウイング部２０は、フック部１０の側面部１３において、上下方向に直交する左右方向の両端部から、それぞれＶ字形に延出している。ウイング部２０は端部２０ｅのみ、上下方向の長さが大きく形成されている。換言すると、ウイング部２０は、端部２０ｅを除き、細長い。

　上記のようなフック部１０及びウイング部２０を備える給餌用補助具１は、金属製の平板をカットし、折り曲げ成形することにより製造することができる。ウイング部２０は、金属製の平板を細長く切断した部分をＶ字形に折り曲げて形成されているため、Ｖ字形の角度が小さくなるように圧縮することができると共に、圧縮された状態から元に戻ろうとする弾性を有している。つまり、ウイング部２０は、バネとして作用する。ウイング部２０の厚さ、及び、端部２０ｅを除くウイング部２０の上下方向の長さにより、このバネの作用の大きさを調整することができる。

　給餌用補助具１をチェーン３０に取り付ける際は、トラフ５０の底部５１に配されたチェーン３０の下に給餌用補助具１を置き、フック部１０をチェーン３０の連結部分に引掛ける。フック部１０では、二つの爪部１５がチェーン３０の連結具３２の幅より僅かに広く離隔しているため、爪部１５で連結具３２を両側から挟み込むように、フック部１０がチェーン３０の連結部分に引掛けられる。このように、工具を要することなく、給餌用補助具１を容易にチェーン３０に取り付けることができる。なお、給餌用補助具１は、フック部１０において側面部１３がチェーン３０の進行方向を向くと共に、ウイング部２０においてＶ字形の頂部がチェーン３０の進行方向を向くように、チェーン３０に取り付けられる。

　このように給餌用補助具１がチェーン３０に取り付けられた状態で、ウイング部２０が少し圧縮され、ウイング部２０の端部２０ｅがトラフ５０の側壁部５２に圧接されている状態となるように、トラフ５０における一対の側壁部５２間の距離との関係で、ウイング部２０の延出長さが設定される。

　ケージで飼育されているトリに給餌する際は、トラフ５０の端部近傍でホッパ（図示を省略）を介してトラフ５０内に餌を供給し、駆動機構によりチェーン３０を移動させる。これにより、チェーン３０の移動に伴って、餌はチェーン３０で撹拌されつつチェーン３０の移動方向に搬送されるため、ケージ列を構成する全てのケージにいるトリに餌を与えることができる。

　このとき、移動するチェーン３０によって左右方向に押しやられた餌は、後続のチェーン３０には接触しにくく、トラフ５０の底部５１と側壁部５２との境界５３付近で滞留しやすい。また滞留した餌がトリの唾液で湿ると、トラフ５０に固着してしまうことがある。

　これに対し、本実施形態ではチェーン３０の途中に給餌用補助具１が取り付けられており、給餌用補助具１ではフック部１０から左右方向にウイング部２０が延出している。そのため、チェーン３０に接触しにくい位置で滞留している餌は、チェーン３０の移動に伴いウイング部２０に押されて搬送される。

　また、ウイング部２０は、Ｖ字形の角度が小さくなるように圧縮された状態で、元に戻ろうとする弾性により端部２０ｅがトラフ５０に圧接されている。ウイング部２０の端部２０ｅが圧接されている位置は、トラフ５０において底部５１との境界５３付近の側壁部５２である。そのため、この付近で餌が固着しかけていたとしても、側壁部５２に圧接されつつ移動するウイング部２０の端部２０ｅが“スクレーパ”のように作用して餌が掻き取られるため、トラフ５０への固着が有効に抑制される。

　また、ウイング部２０は、端部２０ｅのみが上下方向に長く、残部が細長く形成されている。そのため、Ｖ字形の角度が小さくなるように圧縮されることによりバネの作用を発揮しやすい一方で、上下方向に長い端部２０ｅによって、トラフ５０の側壁部５２を広い面積で掻き取ることができる。

　トラフ５０は、ケージ列の長さに合わせて非常に長いものとするために、複数の部分を継ぎ合わせて形成されている。トラフ５０の継ぎ目では、連結用のプレートが当てられていることにより、一対の側壁部５２間の距離が小さくなっていることがある。また、コーナー部７０では、湾曲部の強度を補強するための部材が配されていることにより、トラフ５０における一対の側壁部５２間の距離より幅長さが小さくなっていることがある。

　これに対し、給餌用補助具１は、ウイング部２０がＶ字形の角度が小さくなるように圧縮されると共に、圧縮された状態では元に戻ろうとする弾性を有しているため、トラフ５０において一対の側壁部５２間の距離が他の部分より小さくなっている部分や、コーナー部７０で幅長さが小さくなっている部分を、問題なく通り抜けることができる。加えて、狭い部分を通り抜けた後は、再びウイング部２０が左右方向に広がって、トラフ５０の一対の側壁部５２または連結路６０の一対の側壁部６２に圧接される。

　以上のように、本実施形態によれば、非常に簡易な構成である給餌用補助具１をチェーン３０に取り付けるのみにより、トラフ５０内に餌が滞留するおそれや、トラフ５０に餌が固着するおそれを、有効に低減することができる。

　また、給餌用補助具１は、もともとチェーンフィード装置を導入している養鶏施設が備えている駆動機構によって駆動されるため、トラフ５０内における餌の滞留やトラフ５０への餌の固着を防止するために、新たな動力源を設ける必要がない利点を有している。

　以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。

　例えば、上記の実施形態では、ウイング部２０がフック部１０から左右の双方向に延出している給餌用補助具１を例示したが、ウイング部２０を一つしか備えない給餌用補助具とすることができる。ケージで飼育されているトリは、トラフ５０内の餌のうち、ケージから離れている側の側壁部５２に近い部分にある餌を食べる傾向にあり、餌の付着もケージから離れている側の側壁部５２と底部５１との境界５３付近で生じやすいことが経験上分かっている。そのため、ウイング部２０を一つしか備えない給餌用補助具では、ケージから離れている側の側壁部５２に向かってウイング部２０を延出させると望ましい。

　また、ウイング部２０を一つしか備えない給餌用補助具の場合、ウイング部２０がない側には、ウイング部２０とバランスをとるための部材を延出させることができる。

　更に、上記の実施形態では、ウイング部２０がＶ字形を呈している場合を例示したが、Ｕ字形とすることができる。Ｕ字形のウイング部であっても、Ｕ字形の開き度が小さくなるように圧縮されることで、元に戻ろうとするバネとして作用するため、ウイング部の端部が常にトラフに圧接されるという同様の作用を発揮する。

Claims

　トリ飼育用のケージの複数が水平方向に並設されたケージ列に沿って設けられているトラフの内部に、チェーンフィード装置のチェーンが配されていると共に、前記チェーンの一部に給餌用補助具が取り付けられており、
　該給餌用補助具は、
前記チェーンを構成するリングの連結部分に引掛けられているフック部と、
前記リングが連続する方向に直交する方向である左右方向における少なくとも一方向に、前記フック部から延出しているＶ字形またはＵ字形のウイング部と、を備えており、
　前記ウイング部は、Ｖ字形の角度またはＵ字形の開き度が小さくなるように圧縮された状態で、元に戻ろうとする弾性により端部が前記トラフに圧接されている
ことを特徴とする給餌用トラフ構造。
　前記フック部は、
平板状の底面部と、
該底面部と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部と、
前記底面部及び前記天面部を同じ側で連結している側面部と、
前記天面部における前記側面部とは反対側の端部から下方に向かって延出している爪部と、を備える
ことを特徴とする給餌用トラフ構造。
　フック部と、少なくとも一つのウイング部とを備える給餌用補助具であり、
　前記フック部は、平板状の底面部、該底面部と平行に上下方向に離隔している平板状の天面部、前記底面部及び前記天面部を同じ側で連結している側面部、及び、前記天面部における前記側面部とは反対側の端部から下方に向かって延出している爪部を備え、
　前記ウイング部は、前記側面部において、前記上下方向に直交している左右方向の両端部の少なくとも一方からＶ字形またはＵ字形に延出しており、Ｖ字形の角度またはＵ字形の開き度が小さくなるように圧縮された際に、元に戻ろうとする弾性を有している
ことを特徴とする給餌用補助具。
　前記ウイング部の端部は、上下方向の長さが残部より大きく形成されている
ことを特徴とする請求項３に記載の給餌用補助具。