JP2005304402A - 養鶏用飼料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉状餌と練り餌の2種類の飼料を選択的に供給することを実現し、畜産業者にとって、ランニングコストやメンテナンス費用の他、新たな設備投資が最小限に抑えられてコスト的に有利な養鶏用飼料供給装置を提供する。
【解決手段】飼料搬送手段Aは、搬送パイプラインPに、水の注入を制御する調整バルブを備えた給水手段17を連結し、搬送パイプライン内に水が注入されると、可撓性を有する螺旋状の搬送スクリュ15で水と粉状飼料を攪拌して練り餌を生成しながら搬送する一方、飼料給餌手段Bは、チェーンコンベアbを、金属製の鎖環38にその大きさに合わせて小径なディスク状の搬送駒40をインサート樹脂成形により一体に組み付けた構造にする。そして、粉状飼料の供給時、第1コンベアガイド45を飼料樋aに取り付ける一方、練り餌の供給時は、第2コンベアガイド50を飼料樋に取り付け、飼料の種類に応じて選択的に取り替えて使用可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】飼料搬送手段Aは、搬送パイプラインPに、水の注入を制御する調整バルブを備えた給水手段17を連結し、搬送パイプライン内に水が注入されると、可撓性を有する螺旋状の搬送スクリュ15で水と粉状飼料を攪拌して練り餌を生成しながら搬送する一方、飼料給餌手段Bは、チェーンコンベアbを、金属製の鎖環38にその大きさに合わせて小径なディスク状の搬送駒40をインサート樹脂成形により一体に組み付けた構造にする。そして、粉状飼料の供給時、第1コンベアガイド45を飼料樋aに取り付ける一方、練り餌の供給時は、第2コンベアガイド50を飼料樋に取り付け、飼料の種類に応じて選択的に取り替えて使用可能にする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鶏舎の周りでエンドレスに形成する飼料樋に無端状のチェーンコンベアを配設し、飼料供給時、飼料タンクから飼料を搬送して給餌ホッパを介して飼料樋に送給する一方、駆動装置でチェーンコンベアを回動し、飼料を、飼料樋を通して循環させながら給餌する養鶏用飼料供給装置に関する。
従来の養鶏用飼料供給装置の中には、たとえば図8に示すようなカート式のものと、図9に示すようなプレートコンベア式のものがある。カート式飼料供給装置は、鶏舎1に飼料樋2と平行にカートレール3を搭載し、カートレール3にカート4を、その給餌用ホッパ4aの飼料落下口を飼料樋2に向けて走行可能に懸架した構造になっている。
そして、飼料供給時は、カート4をカートレール3に沿って走行させながら、図示省略したが、飼料タンク内から飼料搬送手段によってカート4内へ搬送する飼料を、給餌ホッパ4aから飼料樋2へ落下させて給餌している
一方、プレートコンベア式飼料供給装置は、図9(A)に示すように、鶏舎1の周りで給餌路をエンドレスに形成する断面コ形状の溝型飼料樋2を備え、その飼料樋2に無端状のチェーンコンベア5を配設すると共に、給餌路の途中に、給餌ホッパ6と、チェーンコンベア5を駆動する大型駆動装置mを設置している。チェーンコンベア5は、図9(B)に示すように、それぞれ比較的厚肉な細長い金属プレートを台形状に曲げ成形して個々の鎖環5a‥を加工し、互いに隣接する鎖環5aに金属製の連結片5bを巻き込んで、個々の鎖環5aを繋いで無端状に連結した構造になっている。そして、チェーンコンベア5を、給餌路の各コーナー部2a内で軸支した金属製の搬送プーリ7に巻き掛けて飼料樋2にエンドレスに配設している。一方、駆動装置mは、駆動モータ8で回転駆動する駆動スプロケット9を、その歯をチェーンコンベア5の鎖環5aに係止させて設置している。
そして飼料供給時は、図示省略した飼料タンク内から飼料搬送手段によって給餌ホッパ6へ飼料が搬送されてくると、飼料を、給餌ホッパ6から飼料樋2へ落下させる一方、駆動装置mの駆動モータ8を作動して駆動スプロケット9を回転駆動し、その歯9aを鎖環5aの連結片5bに押し当ててチェーンコンベア5を回動し、飼料を、飼料樋2を通して図中矢示方向へ循環させながら給餌している。
しかしながら、まず従来のプレートコンベア式の養鶏用飼料供給装置では、チェーンコンベア5として、鎖環5aを1つ1つ曲げ加工して塗装を施し、いちいち隣接する鎖環5aに金属製連結片5bを巻き込んで無端状に連結した複雑な構造の専用プレートコンベアを使用するため、それだけ部品コストが高くなるという課題があった。しかも、チェーンコンベア5の鎖環5aと、それに押し当てる同じ金属製の駆動スプロケット9とが噛み合うとき、その歯9aの磨耗が激しく、それが原因の故障が多発するために、これを未然に防止するためのメンテナンスサイクルも短くなり、それだけ作業上の労力が増大し、メンテナンス費用も高くなるという課題があった。
ところで、一般に、養鶏用飼料供給装置を用いて供給する養鶏用飼料は、予め粉砕されて粉状に生成された乾燥状態の餌が使用されている。従来、この粉状の飼料を養鶏用飼料供給装置で供給する場合には、鶏舎内で大量の粉塵が飛散して空気中を舞い、この粉塵が呼吸器に侵入し、それが原因で養鶏が呼吸器系病気にかかって死亡する事故が多発しているのが現状である。そこで、本発明者は、養鶏用飼料として、粉餌に水を混合させた、所謂練り餌を使用することを提案している。練り餌を使用すると、粉塵が舞うことはなく、養鶏にとって健康的で且つ衛生的であると共に、水と粉餌を別個に供給する場合と比較しても、養鶏にとって消化が良く、しかも、飼料供給上の無駄が少なく、昨今、規模縮小傾向にある畜産事業にあっても、経営効率が著しく向上するという利点があるからである。
ところが、従来の上記カート式飼料供給装置において、現状の粉状飼料に代えて、仮に練り餌を、そのまま供給しようとしても、大きな飼料落下口のあいたカート4の給餌用ホッパ4aから、練り餌を適量ずつ落下させて給餌することは不可能である。また、コンベアプレート式飼料供給装置においても、仮に練り餌を供給しようとすると、チェーンコンベア5の鎖環5aや連結片5bの隙間や裏側に練り餌の一部が侵入し、それらが経時、腐敗した残渣となって飼料樋2内に残留し、それが原因で、結局、養鶏が病気になるという健康・衛生上の問題が残り、同様に練り餌を供給することができないという課題がある。
一方で、従来、以上のように粉状飼料専用であったカート式やコンベア式の養鶏用飼料供給装置において、粉状飼料に代え、練り餌を供給可能な構造にするには、装置全体を全く新たに構築し直す必要があると考えられ、これは、将来も規模縮小傾向にある畜産業者にとって、コスト的に、とても困難であるという課題があった。
そこで、本発明の目的は、粉状餌と練り餌の2種類の養鶏用飼料を選択的に供給することを実現し、しかも、規模縮小傾向にある畜産業者にとって、ランニングコストやメンテナンス費用の他、新たな設備投資が最小限に抑えられてコスト的にも著しく有利な養鶏用飼料供給装置を提供することにある。
上記した発明の目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、飼料タンクから搬送パイプライン内へ送り込まれる粉状の飼料を、該搬送パイプライン内に挿設した搬送媒介部材を回転駆動させて搬送する飼料搬送手段と、複数のコーナー部で屈曲させてエンドレスに形成した溝型の飼料樋内に無端状のチェーンコンベアを配設すると共に、前記飼料樋の長さに応じて幾つかのコーナー部にドライブユニットを軸支し、該ドライブユニットに備えた駆動ホイールに前記チェーンコンベアを巻き掛け、前記飼料搬送手段で搬送させてくる飼料を給餌ホッパから前記飼料樋へ送給する一方、前記ドライブユニットで前記チェーンコンベアを回動し、飼料を、前記飼料樋を通して循環させながら給餌する飼料給餌手段と、を備えた養鶏用飼料供給装置であって、前記飼料搬送手段は、前記搬送パイプラインの途中に、該搬送パイプライン内への水の注入を制御する調整バルブを備えた給水手段を連結すると共に、前記搬送媒介部材を、可撓性を有する螺旋状の搬送スクリュで形成し、飼料搬送時、前記搬送パイプライン内に水が注入されると、前記搬送スクリュで水と粉状飼料を攪拌して練り餌を生成しながら搬送する構成とし、前記飼料給餌手段は、前記チェーンコンベアを、金属製の鎖環に、その大きさに合わせて小径なディスク状の搬送駒をインサート樹脂成形により一体に組み付けたディスクコンベア構造にする一方、上面を該チェーンコンベアの搬送駒のディスク形状に合わせた形状の凹面状に形成して全体に細長板レール状をなし、前記飼料樋の溝底面上に着脱自在に取り付ける第1コンベアガイドと、溝底部を該チェーンコンベアの搬送駒のディスク形状に合わせた凹形状に長さ方向に沿って形成すると共に、両側縁に掛止フック部を設けて全体に樋状をなし、その掛止フック部で前記飼料樋の溝側縁に掛け外し自在に取り付ける第2コンベアガイドとを備え、粉状飼料の供給時は、前記第1コンベアガイドを前記飼料樋に取り付ける一方、練り餌の供給時は、前記第2コンベアガイドを前記飼料樋に取り付け、飼料の種類に応じて、前記第1コンベアガイドと第2コンベアガイドの何れかを選択的に取り替えて使用可能な構成にしてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の養鶏用飼料供給装置において、前記駆動ホイールは、その駆動軸の外周に環状の弾性パッドを同軸に備え、該弾性パッドの外周面に、溝幅が前記駆動軸に向かうに従い漸次狭まるテーパ溝からなるガイド溝を設けることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、(1)飼料供給時、飼料搬送手段において、飼料タンクから粉状飼料を搬送パイプライン内へ送り込む一方、給水手段の調整バルブを開けて適宜量の水を搬送パイプライン内に注入すると共に、搬送スクリュを回転駆動し、搬送パイプライン内で粉状飼料と注ぎ水とを搬送スクリュによって攪拌しながら練り餌を生成し、この練り餌を搬送パイプラインを通して搬送スクリュで搬送して飼料搬送手段の飼料樋へ送給する一方、飼料給餌手段において、チェーンコンベアを駆動して第2コンベアガイドの溝底部上を摺動しながら回動し、ディスク状搬送駒によって練り餌を第2コンベアガイド内を通して送って循環させながら給餌する構成により、養鶏用飼料として、練り餌の供給を可能とし、そのように練り餌を使用する結果、従来の如く鶏舎内で粉塵が舞うことはなく、養鶏にとって健康的で且つ衛生的であると共に、水と粉餌を別個に供給する場合と比較しても、養鶏にとって消化が良く、しかも、飼料供給上の無駄が少なく、昨今、規模縮小傾向にある畜産事業にあっても、経営効率を著しく向上させることができる利点がある。
また、(2)飼料樋を通して給餌する養鶏用飼料が粉状餌か又は練り餌か、その種類に応じて、第1コンベアガイドと第2コンベアガイドの何れかを選択的に取り替えるだけで、同じ既存の飼料樋に対し簡単に取り付け可能な構成でるため、既存設備をほとんど新たに取り替える必要なく、粉状飼料と練り餌の2種類の飼料を選択的に供給することが実現し、しかも、今後、規模縮小傾向にある畜産業者にとっては、設備投資を最小限に抑えられ、コスト的にも著しく有利な養鶏用飼料供給装置を得ることができる。
更に、(3)本発明の養鶏用飼料供給装置を、カート式やプレートコンベア式など、他の既存の飼料供給装置に代えて付け替えようとする場合でも、それら既存の飼料供給装置に備えた飼料樋に、第1コンベアガイドと第2コンベアガイドの何れかを選択して取り付ければ、既設の飼料樋は取り外さず、そのまま利用して簡単に付け替えることができ、しかも、既存設備を活かしながら、粉状飼料と練り餌の2種類の飼料を選択的に供給することが実現し、その結果、同様に、畜産業者にとっては、設備投資を最小限に抑えられ、コスト的にも著しく有利な養鶏用飼料供給装置を得ることができる。
加えて、(4)チェーンコンベアが、従来のごとく複雑な構造のプレートコンベアではなく、市販チェーンの金属製鎖環に、その大きさ合わせた小径なディスク状搬送駒をインサート樹脂成形により組み付けた、容易に作製可能な簡単な構造であるため、それだけ必要な樹脂材料費が著しく削減され、全体の構成部品のコストを飛躍的に低減させることができる。(5)チェーンコンベアが、重量物ではなく、市販チェーンの金属製鎖環に樹脂製のディスク状搬送駒を組み付けた軽量な構造である一方、給餌路の長さに応じて幾つかのコーナー部にドライブユニットを設置し、それら複数のドライブユニットで分けてチェーンコンベアを駆動するコーナー駆動方式であるから、給餌路の長さに関係なく、従来の如く大型の駆動モータを用いる必要がなく、その結果、チェーンコンベアに過大な負荷が加わることを防止でき、これにより、それが原因の故障も著しく減少するため、それだけメンテナンスサイクルが長くなり、その分だけ作業上の労力も少なくて済み、維持コストも安価にすることができる。しかも、消費電力を少なくして日々のランニングコストも廉価で済むという利点もある。(6)そして、チェーンコンベアは、市販チェーンの金属製鎖環に樹脂製搬送駒を組み付けた構成であるため、駆動時、チェーンコンベアがコーナー部を通って飼料樋内を摺動するときに、接触する他部材との間で従来の如く大きな金属音を発生することがほとんどなく、これによって鶏舎内での騒音の問題も解消することができる。
請求項2に記載の発明によれば、駆動時、チェーンコンベアは、コーナー部内では、個々の先細な搬送駒が駆動ホイールのガイド溝に嵌り込んで咬合しながら回動する構成であるため、コーナー部で駆動ホイールに引っ掛かったり、スリップしたりすることなく、常にスムーズにコーナリングすることができ、その結果、コンベアの駆動トラブルの発生をなくして安定した飼料供給を行うこともできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による養鶏用飼料供給装置の全体構成を示す斜視図である。図示飼料供給装置は、全体に飼料搬送手段Aと、飼料給餌手段Bとで構成されている。飼料搬送手段Aは、図1(A)に示すように、餌補給装置10を備えると共に、餌補給装置10と飼料給餌手段Bの給餌ホッパ11との間を、複数の直管状パイプや円弧状パイプを繋いで配管された搬送パイプラインPで連結している。餌補給装置10は、大容量の、予め粉砕されて粉状に生成された飼料を収容する飼料タンク12と、飼料タンク12の下でそれと連結して飼料補給量の調節機能を有した補給用ホッパ13を備えている。
搬送パイプラインPは、始端側の直管状パイプ10aを、補給用ホッパ13と連結して連通させる一方、終端側の直管状パイプ10bを、飼料給餌手段Bの給餌ホッパ11の真上で垂設した細管状のドロップパイプ14と連結し、そのドロップパイプ14を介して給餌ホッパ11と連通させている。斯かる搬送パイプラインPには、図1(B)に一部を拡大して示すように、飼料の搬送媒介部材として、長尺な螺旋状の搬送スクリュ15が挿設されている。この螺旋状の搬送スクリュ15は、パイプラインの屈曲箇所に対応させるべく、可撓性を有したコイル板ばね材で形成されている。斯かる搬送パイプラインPには、直管状パイプ10bの端部に、搬送スクリュ15の終端を連結したギヤモータ16を組み付け、該ギヤモータ16を給餌ホッパ11上で支持してなる。従って、搬送スクリュ15は、ギヤモータ16を駆動すると、搬送パイプラインP内で軸心周りに回転して飼料を攪拌しながら図中矢印X方向へ搬送する構造になっている。
加えて、搬送パイプラインPは、図1(A)に示すように、直管状パイプ10aにおける飼料タンク12の下流位置に、水を注入する給水手段17を連結している。給水手段17は、たとえば水道栓等とホースを介して連結して搬送パイプラインP内へ水を注入する構造であり、図示しないが、搬送パイプラインP内への水の注入と、その水量を制御する外部操作可能な調整バルブを付設してなる。
そこで、本発明の養鶏用飼料供給装置は、斯かる構成の飼料搬送手段Aを用い、飼料として、乾燥した粉状の餌を飼料給餌手段Bへ送給する場合は、給水手段17の調整バルブを閉め、一方で、ギヤモータ16で搬送スクリュ15を回転駆動し、飼料タンク12から補給ホッパ13で搬送パイプラインP内へ送り込まれる粉状飼料を、そのまま搬送パイプラインPを通して搬送スクリュ15で飼料給餌手段Bへ搬送する構成になっている。
他方、同じ飼料搬送手段Aを用い、飼料として、水を含んだ練り餌を飼料給餌手段Bへ送給する場合は、給水手段17の調整バルブを開けて適宜量の水を搬送パイプラインP内に注入し、一方で、ギヤモータ16で搬送スクリュ15を回転駆動し、飼料タンク12から補給ホッパ13で搬送パイプラインP内へ送り込まれる粉状飼料と、注ぎ水とを搬送スクリュ15で攪拌して練り餌を生成しながら、その練り餌を、搬送パイプラインPを通して搬送スクリュ15で飼料給餌手段Bへ搬送する構成になっている。
上述の如く、養鶏用飼料として、粉状餌又は練り餌が送給される飼料給餌手段Bは、鶏舎Hの周りに構築され、複数のコーナーで屈曲させてエンドレスに給餌路を形成した飼料樋aを備え、飼料樋a内に、無端状のチェーンコンベアbを配設すると共に、給餌路の途中に前記給餌ホッパ11を設置している。給餌ホッパ11は、前記搬送用パイプラインPを通して飼料が搬送されてくると、その飼料を飼料樋aへ落して案内する構造になっている。
図示例の飼料樋aは、金属板製で、上側を鶏が飼料を啄めるように開放した溝型レール状の直線ライン部20と、各コーナー部21の浅底な円形缶状のコーナージョイント22〜25を繋いで、エンドレスに連通する全体に略矩形な給餌路を形成し、その給餌路にチェーンコンベアbを配設している。
更に、飼料給餌手段Bは、飼料樋aにおいて、対角位置にあるコーナージョイント22・24に、チェーンコンベアbを駆動するドライブユニットdを設置したコーナー駆動方式を採っている。ドライブユニットdは、駆動モータ26を備え、その駆動軸26aで駆動ホイール30を軸支してなる。そして、図示例では、ドライブユニットdを、給餌路の距離、つまりチェーンコンベアbの長さに応じて、対角位置にあるコーナージョイント22・24の2箇所にドライブユニットdを設置している。したがって、残りの対角位置にあるコーナージョイント23・25では、従動ホイール29を回転可能に軸支し、チェーンコンベアbの駆動に応じて連れ回り可能な構成にしている。
駆動ホイール30は、図2に示すように、中心に駆動軸26aの取付貫通穴31aをあけたボス31を有し、特に、そのボス31の外周に環状の弾性パッド32を同軸に備えた構成になっている。弾性パッド32は、図示例では、一対のゴム製パッドリング33・33と、複数のスペーサ34とを備えてなる。パッドリング33・33は、ボス31の外径に合わせた大きさの環状をなし、片面にテーパ面33aを付けたリング形状に成形されてなる。一方、スペーサ34は、ボス31の外径に合わせた大きさの環状プレートで、それぞれ等厚の鉄製リングからなる。そこで、駆動ホイール30は、ボス31にスペーサ34を嵌め付けてから、それらスペーサ34を間に挟んで、パッドリング33・33を、互いのテーパ面33aを対向させてボス31に嵌め付けることにより、ボス31の外周に弾性パッド32を形成し、この弾性パッド32を、一対の取付円板35・35で挟んでボス31にボルトとナットで脱着可能に固定している。従って、駆動ホイール30の弾性パッド32には、その外周面32aに、パッドリング33・33のテーパ面33aによって溝幅が駆動軸26aに向かうに従い漸次狭まる断面形状のガイド溝36が形成されてなる。なお、上記の従動ホイール29も、駆動ホイール30と同じ構造になっている。
チェーンコンベアbは、図3に示すように、多数のリング状鎖環38を相互に係合させて繋いだ市販の金属製チェーン39を用い、そのチェーン39の鎖環38に、1つ置きに樹脂製のディスク状搬送駒40を一体に組み付けたディスクコンベア構造になっている。そこで、図示例の搬送駒40は、インサート樹脂成形法により、鎖環38の大きさに合わせた小径なディスク形に成形し、鎖環38に対し直交する向きに組み付けてなり、これにより、使用する樹脂量が必要最小限で済む構造にしている。そして、斯かるチェーンコンベアbは、給餌路の距離に合わせた長さで、その両端を不図示のジョイントで繋いで無端状に形成し、コーナージョイント22〜25内で駆動ホイール30および従動ホイール29に巻き掛けて、エンドレスに飼料桶aに配設する。このとき、チェーンコンベアbは、コーナージョイント22〜25内にて、図2に示すように、個々の搬送駒40が弾性パッド32のガイド溝36に嵌り込んで、駆動ホイール30および従動ホイール29に巻き掛けられてなる。
さて、飼料給餌手段Bにおいて、斯かるチェーンコンベアbは、図1(C)で給餌路を一部拡大して示すように、ガイドレール状の第1コンベアガイド45上に乗せて飼料樋aの溝底面44上に配設した構成になっている。
第1コンベアガイド45は、図4(A)に示すように、例えば樹脂成形し、上面45aを搬送駒40のディスク形状に合わせた形状の凹面状に形成し、下面に複数の位置決めピン45bを突設した細長板状のレール体からなる。第1コンベアガイド45は、鋼製などの金属製であってもよい。一方、飼料樋aには、図4(C)に示すように溝底面44の幅方向中央に、第1コンベアガイド45の位置決めピン45bに対応させて、取付ピン穴44aを設けている。そして、斯かる第1コンベアガイド45は、取付ピン穴44aに位置決めピン45bを係合し、図5中鎖線で矢示するように、飼料樋aの溝底面44上に着脱自在に取り付け、チェーンコンベアbの走行ガイドレールとして敷設する。
そこで、本発明の養鶏用飼料供給装置では、斯かる構成の飼料給餌手段Bを用い、飼料として、飼料搬送手段Aから送給される粉状餌を給餌する場合は、飼料樋aの溝底面44上に第1コンベアガイド45を敷設する構成になっている。
また、本発明の養鶏用飼料供給装置は、飼料給餌手段Bにおいて、チェーンコンベアbを、図1(D)で給餌路を一部拡大して示すように、第2コンベアガイド50上に乗せて飼料樋aに配設することもできる構成になっている。
第2コンベアガイド50は、図4(B)に示すように、例えば樹脂製で、溝底部50aを搬送駒40のディスク形状に合わせた凹形状に長さ方向に沿って形成すると共に、両側縁に掛止フック部50bを設けて全体に樋状に成形してなる。また、溝底部50aの裏面には、それぞれ位置決めピン51aを突設した複数の取付リブ51を付設している。そして、位置決めピン51aを、図5中破線で矢示するように飼料樋aの取付ピン穴44aに係合すると共に、掛止フック部50bを飼料樋aの溝側縁46に掛けて、飼料樋a上に第2コンベアガイド50を被せて掛け外し自在に取り付ける。斯かる第2コンベアガイド50は、飼料樋aの長さに応じて、これを複数本連結して形成するが、図4(D)に示すように、連結部において互いの端部を重ねて、そこをコーティングするなど、適宜の防水処理49を施すことが望ましい。なお、第2コンベアガイド50は、鋼製などの金属製であってもよい。
従って、本発明の養鶏用飼料供給装置は、同じ飼料給餌手段Bを用い、飼料として、飼料搬送手段Aから送給される練り餌を給餌する場合は、飼料樋a上に第2コンベアガイド50を被せて取り付ける。これによって、本発明では、飼料樋aを通して給餌する飼料が粉状餌か又は練り餌か、その種類に応じて、第1コンベアガイド45と第2コンベアガイド50の何れかに取り替えて、選択的に飼料樋aに対し取り付け可能な構成になっている。
さて、以上の如く構成した養鶏用飼料供給装置において、その構築時、飼料として粉状餌を使用し、粉状飼料を飼料搬送手段Aで送給して飼料給餌手段Bで給餌する場合は、飼料樋aの溝底面44中央に、第1コンベアガイド45を取り付けて敷設し、その第1コンベアガイド45上にチェーンコンベアbをのせて配設した給餌路を形成する。
そして、飼料供給時は、飼料搬送手段Aにおいて、図1で示す給水手段17の調整バルブを閉め、給水手段17による注水を規制しておく。しかる後、飼料タンク12に収容した粉状飼料を、補給用ホッパ13で補給量を調整しながら、搬送パイプラインP内に送り込む一方、ギヤモータ16を駆動して搬送スクリュ15を回転し、粉状飼料を、搬送パイプラインPを通して搬送スクリュ15で矢印X方向に搬送し、ドロップパイプ14を通して給餌ホッパ11から飼料樋aに落して送給する。他方、飼料給餌手段Bでは、ドライブユニットdの駆動モータ26を作動して駆動ホイール30を回転駆動し、搬送駒40をガイド溝36に咬合させて、チェーンコンベアbを、従動ホイール29を連れ回りしながら回転駆動させると共に、図6に示すように、飼料樋a内で第1コンベアガイド45上を摺動しながら給餌路に沿って回動し、ディスク状搬送駒40によって図中矢印Y方向へ粉状飼料sを送り、飼料樋aを通してエンドレスの給餌路を循環させながら給餌する。
このとき、チェーンコンベアbは、ディスク状搬送駒40が第1コンベアガイド45で案内され、左右に蛇行することなく飼料樋aの溝底面44中央を走行しながら給餌路を回動し、これにより、粉状飼料sを、養鶏が啄ばみやすいように搬送駒40によって溝底面44上で左右に振り分けて全面に拡散しながら、ムラなく運ぶことができる。また、飼料樋aの溝底面44に、たとえ上下左右の歪があっても、その上に重ねた第1コンベアガイド45によって、チェーンコンベアbは、歪の影響なく溝底面44中央を安定して走行することができる。
一方、図示飼料供給装置において、その構築時、飼料として練り餌を使用し、練り餌を飼料搬送手段Aで送給して飼料給餌手段Bで給餌する場合は、第1コンベアガイド45に代え、既存の飼料樋a上に第2コンベアガイド50を被せて付け替え、今度は、第2コンベアガイド45に同じチェーンコンベアbを配設して給餌路を形成する。
そして、練り餌の飼料供給時は、飼料搬送手段Aにおいて、飼料タンク12から粉状飼料を補給ホッパ13で搬送パイプラインP内へ送り込む一方、給水手段17の調整バルブを開けて、適宜量の水を搬送パイプラインP内に注入すると共に、ギヤモータ16を作動して搬送スクリュ15を回転駆動し、搬送パイプラインP内で粉状飼料と注ぎ水を搬送スクリュ15によって攪拌しながら練り餌を生成し、この練り餌を搬送パイプラインPを通して搬送スクリュ15で矢印X方向に搬送し、ドロップパイプ14を通して給餌ホッパ11から飼料樋a上の第2コンベアガイド50に落して送給する。このとき、本発明の飼料供給装置では、飼料搬送手段Aにおいて、調整バルブを外部操作して給水手段17による搬送パイプラインPへの注水量を適宜に調節する一方、ギヤモータ16の回転速度を適宜に調整することにより、粉状飼料と水の混合比率を変更して所望の練り餌を生成するようになっている。
他方、飼料給餌手段Bでは、上述したと同様に、ドライブユニットdの駆動モータ26を作動し、駆動ホイール30を駆動してチェーンコンベアbを回転駆動させると共に、図7に示すように第2コンベアガイド50の溝底部50a上を摺動しながら、給餌路に沿って回動し、ディスク状搬送駒40によって図中矢印Y方向へ練り餌wを送り、第2コンベアガイド50内を通してエンドレスの給餌路を循環させながら給餌する。
このとき、チェーンコンベアbは、ディスク状の搬送駒40が第2コンベアガイド50で案内され、左右に蛇行することなく第2コンベアガイド50の溝底部50aに沿って走行し、これにより、練り餌wを、下方の既存の飼料樋a側へ侵入させることなく、しかも、練り餌wを、途中で滞ることなく、養鶏が啄ばみやすいように凹状の溝底部50aに沿ってムラなく運ぶことができる。
なお、図示飼料供給装置では、経時、図2で示した駆動ホイール30において、弾性パッド32のガイド溝36が磨耗すると、いったん弾性パッド32をボス31から取り外し、ガイド溝36の磨耗の程度に応じて、必要な数のスペーサ34を抜き取り、ガイド溝36のテーパ開き角度を調節する。そして、チェーンコンベアbの駆動時、搬送駒40が駆動ホイール30および従動ホイール29のガイド溝36を通過するときに、スリップすることなく、常にガイド溝36に嵌り込んでスムーズに咬合し、正確に駆動伝達されるように調整する。
ところで、上述した本発明の養鶏用飼料供給装置は、これを、他の既存の養鶏用飼料供給装置に代えて付け替える場合、既存の飼料供給装置に備えた飼料樋は取り外さず、そのまま利用して付け替えることができる。
たとえば図5(A)に従って説明すると、本発明の養鶏用飼料供給装置を、他の、例えばコンベアプレート式飼料供給装置(図9参照)に代えて付け替える場合は、粉状餌用の第1コンベアガイド45を使用し、この第1コンベアガイド45を、コンベアプレート式飼料供給装置に既設の上記飼料樋aと同様な断面コ形状の溝型飼料樋に取り付ければ、既設の飼料樋を新たに取り替えることなく、そのまま活かして粉状飼料の供給が可能な本発明の新たな飼料供給装置を、簡単に構築することができる。その場合、既設の飼料樋には、溝底面の幅方向中央に、第1コンベアガイド45の位置決めピン45bに合わせて、穴加工して前記取付ピン穴44aと同様なピン穴を設ける。一方、練り餌用の第2コンベアガイド50を使用し、この第2コンベアガイド50をコンベアプレート式飼料供給装置に既設の溝型飼料樋上に被せて取り付ければ、同様に、既設の飼料樋を新たに取り替えることなく、そのまま活かして練り餌の供給が可能な本発明の新たな飼料供給装置を、簡単に構築することもできる。
また、たとえば図5(B)に従って説明すると、本発明の養鶏用飼料供給装置を、他のカート式飼料供給装置(図8参照)に代えて付け替える場合は、同様に、粉状餌用の第1コンベアガイド45を使用し、これをカート式飼料供給装置に既設した断面変形円弧形状の飼料樋a´の溝底面略中央に取り付ければ、既設の飼料樋a´を取り替えることなく、そのまま活かして粉状飼料の供給が可能な本発明の新たな飼料供給装置を、簡単に構築することができる。一方、練り餌用の第2コンベアガイド50を使用し、これをカート式飼料供給装置に既設の飼料樋a´上に被せて取り付ければ、同様に、既設の飼料樋a´を取り替えることなく、そのまま活かして練り餌の供給が可能な本発明の新たな飼料供給装置を、簡単に構築することもできる。
A 飼料搬送手段
B 飼料給餌手段
P 搬送パイプライン
a 飼料樋
b チェーンコンベア
d ドライブユニット
s 粉状飼料
w 練り餌
11 飼料ホッパ
12 飼料タンク
15 搬送スクリュ
17 給水手段
30 駆動ホイール
32 弾性パッド
38 鎖環
40 搬送駒
45 第1コンベアガイド
50 第2コンベアガイド
B 飼料給餌手段
P 搬送パイプライン
a 飼料樋
b チェーンコンベア
d ドライブユニット
s 粉状飼料
w 練り餌
11 飼料ホッパ
12 飼料タンク
15 搬送スクリュ
17 給水手段
30 駆動ホイール
32 弾性パッド
38 鎖環
40 搬送駒
45 第1コンベアガイド
50 第2コンベアガイド
Claims (2)
- 飼料タンクから搬送パイプライン内へ送り込まれる粉状の飼料を、該搬送パイプライン内に挿設した搬送媒介部材を回転駆動させて搬送する飼料搬送手段と、複数のコーナー部で屈曲させてエンドレスに形成した溝型の飼料樋内に無端状のチェーンコンベアを配設すると共に、前記飼料樋の長さに応じて幾つかのコーナー部にドライブユニットを軸支し、該ドライブユニットに備えた駆動ホイールに前記チェーンコンベアを巻き掛け、前記飼料搬送手段で搬送させてくる飼料を給餌ホッパから前記飼料樋へ送給する一方、前記ドライブユニットで前記チェーンコンベアを回動し、飼料を、前記飼料樋を通して循環させながら給餌する飼料給餌手段と、を備えた養鶏用飼料供給装置であって、
前記飼料搬送手段は、
前記搬送パイプラインの途中に、該搬送パイプライン内への水の注入を制御する調整バルブを備えた給水手段を連結すると共に、前記搬送媒介部材を、可撓性を有する螺旋状の搬送スクリュで形成し、飼料搬送時、前記搬送パイプライン内に水が注入されると、前記搬送スクリュで水と粉状飼料を攪拌して練り餌を生成しながら搬送する構成とし、
前記飼料給餌手段は、
前記チェーンコンベアを、金属製の鎖環に、その大きさに合わせて小径なディスク状の搬送駒をインサート樹脂成形により一体に組み付けたディスクコンベア構造にする一方、
上面を該チェーンコンベアの搬送駒のディスク形状に合わせた形状の凹面状に形成して全体に細長板レール状をなし、前記飼料樋の溝底面上に着脱自在に取り付ける第1コンベアガイドと、
溝底部を該チェーンコンベアの搬送駒のディスク形状に合わせた凹形状に長さ方向に沿って形成すると共に、両側縁に掛止フック部を設けて全体に樋状をなし、その掛止フック部で前記飼料樋の溝側縁に掛け外し自在に取り付ける第2コンベアガイドとを備え、
粉状飼料の供給時は、前記第1コンベアガイドを前記飼料樋に取り付ける一方、練り餌の供給時は、前記第2コンベアガイドを前記飼料樋に取り付け、飼料の種類に応じて、前記第1コンベアガイドと第2コンベアガイドの何れかを選択的に取り替えて使用可能な構成にしてなることを特徴とする、養鶏用飼料供給装置。 - 前記駆動ホイールは、その駆動軸の外周に環状の弾性パッドを同軸に備え、該弾性パッドの外周面に、溝幅が前記駆動軸に向かうに従い漸次狭まるテーパ溝からなるガイド溝を設けることを特徴とする、請求項1に記載の養鶏用飼料供給装置。
Priority Applications (1)
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JP2004126759A JP2005304402A (ja) | 2004-04-22 | 2004-04-22 | 養鶏用飼料供給装置 |
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- 2004-04-22 JP JP2004126759A patent/JP2005304402A/ja active Pending
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