WO2022230113A1

WO2022230113A1 - 圧縮機の梱包材

Info

Publication number: WO2022230113A1
Application number: PCT/JP2021/016996
Authority: WO
Inventors: 唱生奥
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2021-04-28
Filing date: 2021-04-28
Publication date: 2022-11-03

Abstract

圧縮機の梱包材は、複数台の圧縮機の少なくとも上部を覆って保護する梱包冠部材を備えている。梱包冠部材は、本体シェルの上面に配置される弾性素材の押さえブロックと、押さえブロックの上面に配置されて、該押さえブロックを本体シェルに向かって押し付ける押圧部材と、を有している。

Description

圧縮機の梱包材

　本開示は、圧縮機の梱包材に関するものである。

　従来、圧縮機の梱包材が種々開示されており、実用に供されている。例えば特許文献１に開示された圧縮機の梱包装置は、圧縮機の脚部を固定させる凹状を有する台座と、上面が開口され、台座を内底部に収容する下箱と、圧縮機の頂部に立設したロッドを保護する円筒状の緩衝管材と、緩衝管材の上面を押さえ付ける天板と、下面が開口され、緩衝管材を上方から被せる上箱と、を備えた構成である。この梱包装置は、上箱と下箱とを嵌め合わせた後、周囲を帯状部材で締め付けることにより、上箱と下箱との間に配置された圧縮機が緩衝管材を介して押圧されて固定される。

実開平３－４３４９２号公報

　しかしながら、特許文献１に開示された圧縮機の梱包装置では、圧縮機本体の上面の凹凸形状に緩衝管材を確実に着座させることができない。更に複数台の圧縮機を纏めて梱包する際に、設置した圧縮機本体の高さにバラツキが発生する。そのため、圧縮機本体を上箱で押さえ付けても、緩衝管材と天板との間にわずかな隙間が発生するおそれがあり、梱包材の輸送時に発生する振動又は衝撃によって緩衝管材の位置がずれ、圧縮機を十分に保持できないおそれがある。

　本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、梱包材の輸送時に振動又は衝撃が発生しても、複数台の圧縮機を安定させて保持することができる、圧縮機の梱包材を提供することを目的とする。

　本開示に係る圧縮機の梱包材は、外郭を形成する本体シェルを有する圧縮機の梱包材であって、複数台の前記圧縮機の少なくとも上部を覆って保護する梱包冠部材を備え、前記梱包冠部材は、前記本体シェルの上面に配置される弾性素材の押さえブロックと、前記押さえブロックの上面に配置されて、該押さえブロックを前記本体シェルに向かって押し付ける押圧部材と、を有しているものである。

　本開示の圧縮機の梱包材は、圧縮機の本体シェルと押圧部材との間に弾性素材からなる押さえブロックが設置されているので、押さえブロックの弾性特性により、本体シェルの上面の凹凸形状にかかわらず、押圧部材を押さえブロックの上面に着座させることができ、設置した本体シェルの高さのバラツキも吸収することができる。よって、梱包材の輸送時に振動又は衝撃が発生しても、押圧部材の位置がずれることがなく、複数台の圧縮機を安定させて保持することができる。

実施の形態に係る圧縮機の梱包材を分解して示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の縦断面図である。梱包材に梱包される圧縮機の一例を示した正面図である。図３に示した圧縮機の上面図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の基台を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の下箱を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材のロアシェル板を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材であって、吐出管の方向に規則性を持たせて圧縮機を配置した状態を示した上面図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の押さえ箱を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の押さえブロックを下面側から示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の押さえブロックを上面側から示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材の押圧部材を下面側から示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材であって、押さえブロックの上面に管体を押し付ける位置関係を示した説明図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材であって、押さえブロックの上面に押圧部材を設置した状態を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の梱包材であって、押さえブロックの上面に押圧部材を設置した状態の要部を拡大して示した説明図である。比較例として挙げた圧縮機の梱包材であって、圧縮機と管体との関係を示した説明図である。比較例として挙げた圧縮機の梱包材の縦断面図である。本体シェルの上面に管体を直接載置させた場合の問題点を示した説明図である。

　以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。

　実施の形態．
　図１は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００を分解して示した斜視図である。図２は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の縦断面図である。図１及び図２に示すように、梱包材１００は、複数台の圧縮機２００を纏めて梱包できる構成を特徴としている。図１及び図２に示す梱包材１００では、一例として、１６台の圧縮機２００を縦横４列ずつ配置して梱包する場合を示している。

　先ず、図１及び図２を参照しつつ、図３及び図４に基づいて圧縮機２００の構成について説明する。図３は、梱包材１００に梱包される圧縮機２００の一例を示した正面図である。図４は、図３に示した圧縮機２００の上面図である。圧縮機２００は、図３及び図４に示すように、外郭を形成する本体シェル２０１と、図示省略の電動機及び圧縮機構部と、を有している。電動機は、圧縮機構部を駆動させるものである。圧縮機構部は、電動機から伝達される駆動力によって冷媒を圧縮するものである。電動機及び圧縮機構部は、本体シェル２０１の内部に設けられている。

　本体シェル２０１は、図３に示すように、密閉空間を有する円筒形状に形成されたものであって耐圧性を有している。本体シェル２０１は、円筒状のミドルシェル２０２と、ミドルシェル２０２の上面開口を塞ぐ略半球状のアッパーシェル２０３と、ミドルシェル２０２の下面開口を塞ぐ略半球状のロアシェル２０４と、で構成されている。アッパーシェル２０３及びロアシェル２０４は、それぞれミドルシェル２０２に溶接等で固着されている。

　ミドルシェル２０２には、冷媒及び潤滑油を本体シェル２０１の内部に取り込む吸入管２０５が接続されている。吸入管２０５は、ミドルシェル２０２に形成された孔に一部が挿入された状態で溶接等によりミドルシェル２０２に接続されている。また、ミドルシェル２０２には、平坦部２０２ａが設けられており、該平坦部２０２ａに端子箱２０６が溶接等によって取り付けられている。端子箱２０６は、圧縮機２００に給電するために設けられている。

　アッパーシェル２０３には、圧縮した冷媒を本体シェル２０１から外部へ吐出させる吐出管２０７が接続されている。吐出管２０７は、アッパーシェル２０３に設けられた孔に一部が挿入された状態で溶接等によりアッパーシェル２０３に接続されている。

　ロアシェル２０４には、圧縮機２００を支える固定台２０８が取り付けられている。固定台２０８は、外方へ突き出す４つの脚部２０８ａを有している。脚部２０８ａには、ネジ孔が形成されている。固定台２０８は、ネジ孔にねじ込んだネジによって、図示省略の室外機の筐体等の他の部材にネジ固定される。

　次に、図１及び図２を参照しつつ、図５～図１６に基づいて梱包材１００の各構成について説明する。梱包材１００は、図１及び図２に示すように、複数台の圧縮機２００を載置させる梱包底部材１０と、梱包底部材１０に載置させた複数台の圧縮機２００の上部を覆って保護する梱包冠部材２０と、梱包底部材１０と梱包冠部材２０との間に配置される外枠材３と、を備えている。なお、図１では、圧縮機２００の配置をわかりやすく説明するために、外枠材３を省略した状態を示している。

　梱包底部材１０は、図１に示すように、凹状の下箱１と、下箱１の凹内部に配置されるロアシェル板２と、を有している。下箱１は、基台３００の上面に載置される。

　図５は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の基台３００を示した斜視図である。基台３００は、例えば木枠で作られたパレット等である。基台３００は、四角形状とされている。基台３００には、圧縮機２００を梱包した梱包材１００を運搬する際に、フォークリフトのアームが差し込まれる貫通孔３００ａが形成されている。貫通孔３００ａは、運搬に使用されるフォークリフトのアームの大きさを考慮して形成されている。圧縮機２００を梱包した梱包材１００は、貫通孔３００ａに挿し込まれたアームによって基台３００ごと持ち上げられ、フォークリフトで運搬される。

　図６は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の下箱１を示した斜視図である。下箱１は、凹状に形成された段ボールである。下箱１は、基台３００の上面とほぼ同じ形状及び大きさである底面１ａと、底面１ａの周縁に沿って立ち上がる側壁面１ｂと、を有している。

　図７は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００のロアシェル板２を示した斜視図である。図８は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００であって、吐出管２０７の方向に規則性を持たせて圧縮機２００を配置した状態を示した上面図である。ロアシェル板２は、図１、図２及び図７に示すように、各圧縮機２００の固定台２０８を下箱１の凹内部で固定させ、圧縮機２００の平面方向のズレを防止するために設けている。ロアシェル板２は、四角形状であり、下箱１の凹内部に嵌め込まれ、下箱１の底面１ａ上に載置される。ロアシェル板２は、複数枚の段ボールを貼り合わせて形成されている。ロアシェル板２は、下箱１の側壁面１ｂとの間に隙間が形成されるように、下箱１の底面１ａよりも少し小さい外形とされている。当該隙間には、外枠材３の下端部が嵌め込まれる。

　ロアシェル板２は、図７に示すように、圧縮機２００の固定台２０８の形状に応じた凹状の台座部２ａを有している。台座部２ａは、図示例の場合、圧縮機２００の台数に合わせて、縦横４列ずつ計１６個形成されている。なお、台座部２ａの個数は、図示した個数に限定されず、梱包される圧縮機２００の個数に応じて形成される。図８に示すように、梱包材１００は、ロアシェル板２を用いて圧縮機２００を固定させることで、吐出管２０７の方向に規則性を持たせた状態で圧縮機２００を配置することができるので、梱包サイズを最小にすることができる。

　外枠材３は、図２に示すように、筒状に形成された段ボールである。外枠材３は、ロアシェル板２に固定された１６台の圧縮機２００の周囲を囲うものである。外枠材３の下端部は、下箱１の側壁面１ｂとロアシェル板２との間に形成された隙間に差し込まれて固定される。外枠材３の上端部は、上箱７の側壁面７ｂと押さえ箱４との間に形成された隙間に差し込まれて固定される。

　梱包冠部材２０は、図１に示すように、本体シェル２０１の上部の周囲を囲う凹状の押さえ箱４と、押さえ箱４の凹内部に嵌め込まれ、本体シェル２０１の上面に配置される押さえブロック５と、押さえブロック５の上面に配置されて、該押さえブロック５を本体シェル２０１に向かって押し付ける押圧部材６と、押圧部材６の上面に被せる凹状の上箱７と、を有している。

　図９は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の押さえ箱４を示した斜視図である。押さえ箱４は、図９に示すように、凹状に形成された段ボールである。押さえ箱４は、図１及び図２に示すように、外枠材３の内側に配置されている。押さえ箱４は、一列に並んだ４台の圧縮機２００を１グループとして、４台の圧縮機２００のアッパーシェル２０３の周囲を囲うものである。図示例の場合、４台の圧縮機２００を４列配置しているので、４つの押さえ箱４が外枠材３の内側に配置されている。

　押さえ箱４は、圧縮機２００の列に沿って延びる長方形状の底面４ａと、底面４ａの周縁に沿って立ち上がる側壁面４ｂと、を有している。底面４ａには、圧縮機２００のアッパーシェル２０３を嵌め込む円形状の開口部４ｃが形成されている。開口部４ｃは、底面４ａの長手方向に沿って４つ並列させて形成されている。開口部４ｃには、吐出管２０７を通すための切り欠き孔４ｄが、開口縁の一部に形成されている。押さえ箱４は、凹状の開口面を上にして、開口部４ｃに各圧縮機２００のアッパーシェル２０３を嵌め込み、ミドルシェル２０２の上部付近で固定される。押さえ箱４は、開口部４ｃに嵌め込まれたアッパーシェル２０３の周囲を側壁面４ｂで囲うことで、圧縮機２００の上部の平面方向における位置ズレを防止することができる。

　なお、梱包材１００は、図８に示すように、吐出管２０７の方向に規則性を持たせた状態で圧縮機２００をロアシェル板２に載置させている。そのため、４つの押さえ箱４は、同一形状のものを使用することができる。また、押さえ箱４は、４台からなる圧縮機２００のアッパーシェル２０３の周囲を囲う構成に限定されず、例えば１台以上からなる圧縮機２００のアッパーシェル２０３の周囲を囲う構成であればよい。

　図１０は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の押さえブロック５を下面側から示した斜視図である。図１１は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の押さえブロック５を上面側から示した斜視図である。押さえブロック５は、図１０及び図１１に示すように、直方体形状であり、上面が平面状とされている。押さえブロック５は、ウレタンゴム又は発泡ポリエチレン等の弾性素材で、硬度が約２０～５０の特性からなるものである。押さえブロック５は、ウレタンゴム又は発泡ポリエチレンで形成することで、耐久性及び対候性に優れ、かつ管体６ｂの劣化も防止することができる。また、押さえブロック５を再利用することも可能となる。

　押さえブロック５は、押さえ箱４の上方から凹内部に嵌め込まれ、各圧縮機２００のアッパーシェル２０３を上から押さえ付けるものである。押さえブロック５は、一列に並んだ４台の圧縮機２００を１グループとして、４台の圧縮機２００のアッパーシェル２０３を上方から同時に押さえ付ける。押さえブロック５は、図１０に示すように、アッパーシェル２０３と対向する下面に、アッパーシェル２０３を嵌め込む４つの凹状の嵌合い部５ａが形成されている。嵌合い部５ａは、アッパーシェル２０３の凹凸形状に合わせた形状に成形されている。本体シェル２０１の上部であるアッパーシェル２０３は、嵌合い部５ａに嵌め込まれることで、押さえブロック５で保護されている。また、各嵌合い部５ａには、図１０及び図１１に示すように、圧縮機２００の吐出管２０７を挿通させて、押さえブロック５の上面から該吐出管２０７を突き出させる貫通孔５ｂが形成されている。貫通孔５ｂは、吐出管２０７の形状に合わせた形状に形成されている。

　なお、押さえブロック５は、４台の圧縮機２００のアッパーシェル２０３を同時に押さえ付ける構成に限定されず、１台以上の圧縮機２００のアッパーシェル２０３を押さえ付ける構成であればよい。また、押さえブロック５は、前記の素材及び硬度に限定されず、他の素材及び硬度でもよい。

　図１２は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の押圧部材６を下面側から示した斜視図である。図１３は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００であって、押さえブロック５の上面に管体６ｂを押し付ける位置関係を示した説明図である。図１４は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００であって、押さえブロック５の上面に押圧部材６を設置した状態を示した斜視図である。図１４では、押圧部材６の設置状態をわかりやすく説明するために、外枠材３を省略した状態を示している。図１５は、実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００であって、押さえブロック５の上面に押圧部材６を設置した状態の要部を拡大して示した説明図である。

　押圧部材６は、図１２に示すように、平面板６ａと、圧縮機２００に対向する平面板６ａの一方の面に固定され、押さえブロック５を各圧縮機２００に向かって押し付ける複数の管体６ｂと、を有している。平面板６ａは、四角形状の段ボール板であり、上箱７に凹内部に収まる大きさに形成されている。

　管体６ｂは、例えば紙管である。管体６ｂは、平面板６ａに一端部が接着剤等で固定されている。管体６ｂは、各圧縮機２００に対応する位置に、縦横４列ずつ計１６個配置されている。管体６ｂには、開口端縁に吐出管２０７を通すために切り欠き部６ｃが形成されている。切り欠き部６ｃは、対応する嵌合い部５ａの貫通孔５ｂと一致する位置に形成されている。つまり、１６個の管体６ｂは、平面板６ａの平面上において、切り欠き部６ｃが吐出管２０７の方向に合うように、規則性を持たせて配置されている。押圧部材６は、押さえブロック５を押さえ箱４の凹内部に嵌め込んだ後、図１３に示すように、管体６ｂの切り欠き部６ｃを貫通孔５ｂの位置に合わせることで、貫通孔５ｂから突き出した吐出管２０７の位相に合わせることができる。そして、図１４及び図１５に示すように、管体６ｂの開口端縁を押さえブロック５の上面に押し当てて、押さえブロック５の上面に着座させる。

　複数の押圧部材６は、図１５に示すように、管体６ｂの端部が押さえブロック５の上面に沈み込むことで、梱包後における圧縮機２００の高さのバラツキを吸収することができる。また、押圧部材６は、平面状とされた押さえブロック５の上面に確実に接地させることができる。これらにより、梱包材１００を複数段積み重ねた際に、下段の梱包材１００に作用する荷重を均等に分散させることができ、梱包材１００の損傷を防止することができる。また、１つの押さえブロック５が複数台の圧縮機２００を一体に支持しているので、該圧縮機２００の平面方向のガタツキを抑制することができる。

　上箱７は、図１に示すように、下箱１と同じ構成である。具体的には、上箱７は、凹状に形成された段ボールである。上箱７は、基台３００の上面とほぼ同じ形状及び大きさである上面７ａと、上面７ａの周縁に沿って立ち上がる側壁面７ｂと、を有している。上箱７は、凹状の開口面を押圧部材６の平面板６ａに対向させて配置される。上箱７の側壁面７ｂによって、押圧部材６及び押さえ箱４の周囲が囲まれる。上箱７の側壁面７ｂと、押さえ箱４との間には、外枠材３の上部が差し込まれる。

　なお、梱包材１００は、押圧部材６の平面板６ａの上面に上箱７を被せた後に、周囲を図示省略の締結バンドで締め付けて固定される。

　次に、本実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００の梱包方法について説明する。先ず、図１に示すように、基台３００の上面に下箱１を載置する。次に、下箱１の凹内部にロアシェル板２を入れ、下箱１の底面１ａにロアシェル板２を載置させる。次に、ロアシェル板２の台座部２ａに、圧縮機２００に取り付けられた固定台２０８を嵌め込む（図８を参照）。図示例の場合、１６台の圧縮機２００がロアシェル板２の台座部２ａに固定される。次に、外枠材３を設置し、外枠材３で１６台の圧縮機２００の周囲を囲う（図２を参照）。外枠材３は、圧縮機２００の上方から筒内部に１６台の圧縮機２００を通し、下端部を下箱１とロアシェル板２の間の隙間に差し込んで設置される。

　次に、圧縮機２００の列ごとに、押さえ箱４を設置する。押さえ箱４は、開口部４ｃをアッパーシェル２０３に嵌め込むことで、ミドルシェル２０２の上部付近で固定される。

　次に、押さえブロック５を押さえ箱４の凹内部に嵌め込み、押さえブロック５の嵌合い部５ａに各圧縮機２００のアッパーシェル２０３を嵌め込んで上から押さえ付ける（図２及び図１４を参照）。このとき、各圧縮機２００の吐出管２０７は、嵌合い部５ａに形成された貫通孔５ｂに挿通させる。押さえブロック５は、１列ごと４つ並べて設置される。

　次に、押圧部材６を押さえブロック５の上面に載置する。押圧部材６は、管体６ｂを取り付けた面を押さえブロック５の上面に対向させて載置させる。押圧部材６は、管体６ｂの切り欠き部６ｃを吐出管２０７の位相に合わせ、該管体６ｂの開口端縁を押さえブロック５の上面に押し当てる（図１５を参照）。このとき、押さえブロック５に押し付けた紙管からなる管体６ｂは、押さえブロック５の上面へ沈み込むので、切り欠き部６ｃの拡がりを抑制できる。よって、切り欠き部６ｃの変形を最小限に抑えることができ、管体６ｂの強度低下を抑制することができる。また、切り欠き部６ｃの変形を抑えることで、管体６ｂを再利用も可能となる。

　次に、上箱７を押圧部材６の上面に被せる。このとき、外枠材３の上端部を、上箱７の側壁面７ｂと押さえ箱４との間に形成された隙間に差し込んで固定する。最後に、梱包材１００の周囲を図示省略の締結バンドで締め付けて固定する。

　ここで、図１６～図１８に基づいて、上記押さえブロック５を有さない場合の梱包材１０１について説明する。図１６は、比較例として挙げた圧縮機２００の梱包材１０１であって、圧縮機２００と管体６ｂとの関係を示した説明図である。図１７は、比較例として挙げた圧縮機２００の梱包材１００の縦断面図である。図１８は、本体シェル２０１の上面に管体６ｂを直接載置させた場合の問題点を示した説明図である。

　比較例の梱包材１０１では、図１６及び図１７に示すように、弾性素材の押さえブロック５を有しておらず、且つ管体６ｂが平面板６ａから独立して設けられた構成である。管体６ｂの側面には、圧縮機２００の吐出管２０７を通すための貫通孔６ｄが形成されている。このように、管体６ｂが平面板６ａから独立した構成の場合、吐出管２０７の方向に合わせて貫通孔６ｄに吐出管２０７を通し、管体６ｂを一つずつ本体シェル２０１の上面に設置しなければならないため、梱包作業に手間と時間を要する。

　また、図１７に示すように、本体シェル２０１の上面に管体６ｂを直接載置させると、本体シェル２０１の凹凸形状により管体６ｂをしっかりと着座させることができない。この状態で、梱包材１０１を複数段積み重ねると、下方の梱包材１０１が段積み荷重に耐えられず、図１８に示すように、管体６ｂの下部が矢印Ｘの方向に拡がろうとするため、管体６ｂの強度が低下する。また、管体６ｂの強度の低下により、管体６ｂの部分的な劣化を免れることもできないため、管体６ｂを再利用することもできない。更に、梱包材１００の輸送時において発生する衝撃及び振動によって、管体６ｂと本体シェル２０１の間でこすれ等が生じ、本体シェル２０１の表面が損傷したり、本体シェル２０１の塗装が剥がれたりするおそれがある。

　また、梱包した複数台の圧縮機２００の本体シェル２０１に、高さのバラツキ等がある場合には、図１７に示すように、管体６ｂの上面を平面板６ａで押さえ付けても、管体６ｂと平面板６ａとの間に隙間が発生してしまう。この場合、梱包材１０１の輸送時において発生する衝撃及び振動によって、管体６ｂの位置がずれてしまうため、圧縮機２００を安定させて保持することができないおそれがある。

　一方、本実施の形態に係る圧縮機２００の梱包材１００は、複数台の圧縮機２００の少なくとも上部を覆って保護する梱包冠部材２０を備えている。梱包冠部材２０は、本体シェル２０１の上面に配置される弾性素材の押さえブロック５と、押さえブロック５の上面に配置されて、該押さえブロック５を本体シェル２０１に向かって押し付ける押圧部材６と、を有している。

　よって、梱包材１００は、圧縮機２００の本体シェル２０１と押圧部材６との間に弾性素材からなる押さえブロック５が設置されているので、押さえブロック５の弾性特性により、本体シェル２０１の上面の凹凸形状にかかわらず、押圧部材６を押さえブロック５の上面に着座させることができ、設置した本体シェル２０１の高さのバラツキも吸収することができる。よって、梱包材１００の輸送時に振動又は衝撃が発生しても、押圧部材６の位置がずれることがなく、複数台の圧縮機２００を安定させて保持することができる。また、押さえブロック５によって、本体シェル２０１の上部が保護されているので、本体シェル２０１の表面が損傷したり、本体シェル２０１の塗装が剥がれたりするおそれもない。

　押さえブロック５は、本体シェル２０１の上面の形状に合わせて形成され、本体シェル２０１の上面を嵌め込む嵌合い部５ａを有している。押圧部材６は、平面板６ａと、本体シェル２０１に対向する平面板６ａの一方の面に取り付けられ、押さえブロック５の嵌合い部５ａを各圧縮機２００に向かって押し付ける複数の管体６ｂと、を有している。つまり、梱包材１００は、本体シェル２０１の上面が押さえブロック５の嵌合い部５ａに嵌め込まれ、管体６ｂによって押し付けられているので、本体シェル２０１の上面と、押さえブロック５との密着性を高めることができる。よって、梱包材１００では、輸送時に衝撃及び振動等が発生しても、圧縮機２００の位置ずれを防止でき、圧縮機２００を安定させて保持することができる。

　また、押さえブロック５の嵌合い部５ａの内部には、圧縮機２００の吐出管２０７を通すための貫通孔５ｂが形成されている。管体６ｂには、吐出管２０７を通すための切り欠き部６ｃが形成されている。よって、圧縮機２００の吐出管２０７の存在にかかわらず、複数台の圧縮機２００を安定させて保持することができる。

　また、梱包冠部材２０は、本体シェル２０１の上部の周囲を囲う凹状の押さえ箱４を備えている。押さえブロック５は、押さえ箱４の凹内部に嵌め込まれる。つまり、梱包材１００は、押さえ箱４の凹内部に押さえブロック５を嵌め込むことで、本体シェル２０１の上面に配置した押さえブロック５の安定性を高めることができる。

　押さえ箱４は、凹状の底面４ａに本体シェル２０１の上部を嵌め込む開口部４ｃが形成されており、開口部４ｃに嵌め込まれた本体シェル２０１の上部の周囲を、凹状の側壁面４ｂで囲う構成である。よって、梱包材１００は、開口部４ｃに嵌め込まれた本体シェル２０１の上部を押さえ箱４で固定させることができるので、圧縮機２００の上部の平面方向における位置ズレを防止することができる。

　また、梱包材１００は、複数台の圧縮機２００を載置させる梱包底部材１０を備えている。梱包冠部材２０は、梱包底部材１０に載置された複数台の圧縮機２００の上部を覆って保護するものである。つまり、梱包材１００は、複数台の圧縮機２００を梱包底部材１０に載置させることで、該圧縮機２００を安定させて保持することができる。

　梱包底部材１０は、凹状の下箱１と、下箱１の凹内部に配置されるロアシェル板２と、を有している。ロアシェル板２には、固定台２０８の形状に応じた凹状の台座部２ａが複数形成されている。よって、梱包材１００は、本体シェル２０１の下端部をロアシェル板２の台座部２ａでしっかりと固定することができるので、圧縮機２００の位置ずれを防止でき、圧縮機２００を安定させて保持することができる。

　梱包冠部材２０は、押圧部材６の上面に被せる凹状の上箱７を有している。上箱７と下箱１の間には、複数台の圧縮機２００の周囲を囲う外枠材３が設けられている。外枠材３は、上端部が上箱７の側壁面７ｂと押さえ箱４との間に形成された隙間に差し込まれて固定され、下端部が下箱１の側壁面１ｂとロアシェル板２との間に形成された隙間に差し込まれて固定されている。

　よって、梱包材１００は、外枠材３で埃又は異物等から圧縮機２００を保護することができる。また、外枠材３は、上端部及び下端部がしっかりと固定されているので、梱包材１００を複数段積み重ねて保管する際の衝撃、及び梱包材１００の輸送時の振動又は衝撃が発生しても、容易に外れることがない。

　押さえブロック５は、ウレタンゴム又は発泡ポリエチレンで形成されている。よって、押さえブロック５は、耐久性及び対候性に優れており、かつ紙管からなる管体６ｂの劣化も防止することができる。また、押さえブロック５を再利用することも可能となる。

　以上に、圧縮機２００の梱包材１００を、実施の形態に基づいて説明したが、圧縮機２００の梱包材１００は、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば圧縮機２００の梱包材１００は、上述した構成要素に限定されるものではなく、他の構成要素を含んでもよい。また、梱包底部材１０は、省略してもよい。また、梱包冠部材２０は、複数台の圧縮機２００の少なくとも上部を覆っていればよく、上部以外のその他の部分も覆う構成としてもよい。要するに、圧縮機２００の梱包材１００は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。

　１　下箱、１ａ　底面、１ｂ　側壁面、２　ロアシェル板、２ａ　台座部、３　外枠材、４　押さえ箱、４ａ　底面、４ｂ　側壁面、４ｃ　開口部、４ｄ　切り欠き孔、５　押さえブロック、５ａ　嵌合い部、５ｂ　貫通孔、６　押圧部材、６ａ　平面板、６ｂ　管体、６ｃ　切り欠き部、６ｄ　貫通孔、７　上箱、７ａ　上面、７ｂ　側壁面、１０　梱包底部材、２０　梱包冠部材、１００、１０１　梱包材、２００　圧縮機、２０１　本体シェル、２０２　ミドルシェル、２０２ａ　平坦部、２０３　アッパーシェル、２０４　ロアシェル、２０５　吸入管、２０６　端子箱、２０７　吐出管（配管）、２０８　固定台、２０８ａ　脚部、３００　基台、３００ａ　貫通孔。

Claims

　外郭を形成する本体シェルを有する圧縮機の梱包材であって、
　複数台の前記圧縮機の少なくとも上部を覆って保護する梱包冠部材を備え、
　前記梱包冠部材は、
　前記本体シェルの上面に配置される弾性素材の押さえブロックと、
　前記押さえブロックの上面に配置されて、該押さえブロックを前記本体シェルに向かって押し付ける押圧部材と、を有している、圧縮機の梱包材。
　前記押さえブロックは、前記本体シェルの上面の形状に合わせて形成され、前記本体シェルの上面を嵌め込む凹状の嵌合い部を有しており、
　前記押圧部材は、平面板と、前記本体シェルに対向する前記平面板の一方の面に取り付けられ、前記押さえブロックの前記嵌合い部を各前記圧縮機に向かって押し付ける複数の管体と、を有している、請求項１に記載の圧縮機の梱包材。
　前記圧縮機は、前記本体シェルの上面に接続された配管を有しており、
　前記押さえブロックの前記嵌合い部の内部には、前記圧縮機の前記配管を通すための貫通孔が形成され、
　前記管体には、前記配管を通すための切り欠き部が形成されている、請求項２に記載の圧縮機の梱包材。
　前記梱包冠部材は、前記本体シェルの上部の周囲を囲う凹状の押さえ箱を更に備えており、
　前記押さえブロックは、前記押さえ箱の凹内部に嵌め込まれる、請求項１～３のいずれか一項に記載の圧縮機の梱包材。
　前記押さえ箱は、凹状の底面に前記本体シェルの上部を嵌め込む開口部が形成されており、前記開口部に嵌め込まれた前記本体シェルの上部の周囲を、凹状の側壁面で囲う構成である、請求項４に記載の圧縮機の梱包材。
　複数台の前記圧縮機を載置させる梱包底部材を更に備えており、
　前記梱包冠部材は、前記梱包底部材に載置された複数台の前記圧縮機の上部を覆って保護するものである、請求項１～５のいずれか一項に記載の圧縮機の梱包材。
　前記圧縮機は、前記本体シェルの下端部に設けられ、該本体シェルを支持する固定台を有しており、
　前記梱包底部材は、凹状の下箱と、前記下箱の凹内部に配置されるロアシェル板と、を有しており、
　前記ロアシェル板には、前記固定台の形状に応じた凹状の台座部が複数形成されている、請求項６に記載の圧縮機の梱包材。
　前記梱包冠部材は、前記押圧部材の上面に被せる凹状の上箱を更に有しており、
　前記上箱と前記下箱の間には、複数台の前記圧縮機の周囲を囲う外枠材が設けられており、
　前記外枠材は、上端部が前記上箱の側壁面と前記押さえ箱との間に形成された隙間に差し込まれて固定され、下端部が前記下箱の側壁面と前記ロアシェル板との間に形成された隙間に差し込まれて固定されている、請求項４及び請求項５に従属する請求項７に記載の圧縮機の梱包材。
　前記押さえブロックは、ウレタンゴム又は発泡ポリエチレンで形成されている、請求項１～８のいずれか一項に記載の圧縮機の梱包材。