WO2022208611A1 - 表面水素量解析方法及び表面水素量解析装置並びに表面水素量解析プログラム - Google Patents

表面水素量解析方法及び表面水素量解析装置並びに表面水素量解析プログラム Download PDF

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Abstract

鋼材(31)を用いた水素透過試験による水素透過電流の測定値を取得するステップと、ベクトルで表現されるパラメータを用いて、鋼材(31)の表面水素量の時間変化を表す水素量関数を設定し、水素量関数を用いて鋼材(31)における境界条件を設定するステップを有する。また、境界条件に基づいて、鋼材(31)内部における水素の拡散をシミュレーションし、水素透過電流の計算値を取得するステップと、水素透過電流の、測定値と計算値の誤差関数を算出するステップと、誤差関数が低減するように、パラメータを調整するステップと、を備える。

Description

表面水素量解析方法及び表面水素量解析装置並びに表面水素量解析プログラム
 本発明は、表面水素量解析方法及び表面水素量解析装置並びに表面水素量解析プログラムに関する。
 インフラ設備などの屋外に設置された金属構造物は、腐食反応によって発生した水素が金属内部に侵入することにより、水素脆弱による破断が発生する恐れがある。このため、腐食反応によって金属などの鋼材に侵入する水素量を測定して鋼材に与える影響を解析することが望まれる。鋼材に侵入する水素量を測定する方法として、例えば非特許文献1に開示されたものが知られている。
 非特許文献1には、平板形状の鋼材の一方の面を水素侵入面とし、他方の面を水素検出面として鋼材の表面水素量を測定することが開示されている。具体的に非特許文献1では、水素侵入面を腐食環境に接触させ、水素検出面に発生する電流を検出し、前記電流値を、所定の方程式に代入することにより、鋼材の表面水素量を算出する。
材料と環境,63,3-9(2014).電気化学法による鉄鋼への水素侵入・透過の計測.水流徹.東京工業大学.Electrochemical Measurements for Hydrogen Entryand Permeation of Steel. TooruTsuru.Tokyo Institute of Technology.
 しかし、上述した非特許文献1では、鋼材の水素侵入面における表面水素量は一定であるという条件下で、鋼材内部の水素透過が定常状態となり水素検出面における電流が一定値に収束した状態で、鋼材の表面水素量を測定している。このため、鋼材が腐食環境に置かれてからの時間経過に伴って変化する表面水素量を算出することができないという問題があった。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鋼材の表面水素量の時間経過に伴う変化を解析することが可能な表面水素量解析方法、表面水素量解析装置、及び表面水素量解析プログラムを提供することにある。
 本発明の一態様の表面水素量解析方法は、鋼材を用いた水素透過試験による水素透過電流の測定値を取得するステップと、ベクトルで表現されるパラメータを用いて、前記鋼材の表面水素量の時間変化を表す水素量関数を設定し、前記水素量関数を用いて前記鋼材における境界条件を設定するステップと、前記境界条件に基づいて、前記鋼材内部における水素の拡散をシミュレーションし、前記水素透過電流の計算値を取得するステップと、前記水素透過電流の、前記測定値と前記計算値の誤差関数を算出するステップと、前記誤差関数が低減するように、前記パラメータを調整するステップと、を備える。
 本発明の一態様の表面水素量解析装置は、ベクトルで表現されるパラメータを用いて、鋼材の境界条件を設定する境界条件設定部と、前記境界条件に基づいて、前記鋼材内部における水素の拡散をシミュレーションし、前記鋼材に生じる水素透過電流の計算値を算出するシミュレータと、前記鋼材に対して実施された水素透過試験により取得される水素透過電流の測定値と、前記水素透過電流の計算値と、の誤差関数を算出する比較部と、前記誤差関数が低減するように、前記パラメータを調整するパラメータ調整部と、を備える。
 本発明の一態様は、上記表面水素量解析装置としてコンピュータを機能させる表面水素量解析プログラムである。
 本発明によれば、鋼材の表面水素量の時間経過に伴う変化を解析することが可能になる。
図1は、鋼材内部における水素の透過原理を示す説明図である。 図2は、本実施形態に係る表面水素量解析装置の構成を示すブロック図である。 図3は、ベクトルで表現されるパラメータwを用いて設定される関数fw(t)を示すグラフである。 図4は、水素透過電流の測定値と計算値の時間変化を示すグラフである。 図5は、本実施形態に係る表面水素量解析装置の処理手順を示すフローチャートである。 図6は、経過時間と水素検出面に発生する電流の電流密度との関係を示すグラフである。 図7は、経過時間と表面水素濃度との関係を示すグラフである。 図8は、本実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。
 以下、本実施形態を図面を参照して説明する。
 [水素の透過原理]
 初めに、鋼材内部における水素の透過原理について説明する。図1は、鋼材内部における水素の透過原理を示す説明図である。図1は、鋼材31の断面及びその周囲環境を示している。鋼材31の一方の面(図中、右側の面)を水素侵入面31aとし、他方の面(図中、左側の面)を水素検出面31bとする。
 水素侵入面31aは、腐食環境32に接している。腐食環境32は、例えば外気に晒された環境である。
 水素検出面31bは、例えばNaOH水溶液33(水酸化ナトリウム水溶液)に浸されている。
 鋼材31の水素侵入面31aが腐食環境32に接すると、腐食環境32に存在する水素の一部が水素侵入面31aから鋼材31の内部に侵入する。即ち、水素侵入面31aで発生した水素はHガスとして外部に散逸するとともに、一部の水素は鋼材31の内部に吸収される。
 鋼材31の内部に侵入した水素は、鋼材31内で拡散し、その一部が反対側の面である水素検出面31bに到達する。水素検出面31bに到達した水素は、水素検出面31bからNaOH水溶液33内に放出される。NaOH水溶液33内に放出された水素はイオン化するので、NaOH水溶液33に電流が流れる。この電流を、水素透過電流「iH」とする。
 水素侵入面31aが腐食環境32に接してからの経過時間を「t」とする。水素侵入面31aから水素検出面31bに向く方向の距離を「x」とする。図1に示すように、鋼材31の板厚を「L」とすると、水素侵入面31aは「x=0」であり、水素検出面31bは「x=L」である。鋼材31の内部に侵入した水素量を、上記t、xを用いて「C(t,x)」で示すことにする。
 鋼材31の内部に侵入した水素量は、下記(1)式に示す一次元拡散方程式で表現することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 但し、Dは、水素拡散係数を示す。
 境界条件として、経過時間t=0のときの水素侵入面31aにおける水素量C(0,0)を「C0」とし、水素検出面31bにおける水素量C(0,L)を「0」とする。
 前述した(1)式に上記の境界条件を入力して解くと、水素透過電流iHは下記(2)式で算出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 (2)式において、C(t,0)は、経過時間tにおける鋼材31の水素侵入面31a(即ち、x=0)における水素量(表面水素量)を示している。nは反応電子数を示し、Fはファラデー定数を示している。
 (2)式に示すn、F、D、Lは既知の数値であるから、水素透過電流iHの測定値、及び経過時間tを(2)式に代入すれば、経過時間tに伴って変動する鋼材31の表面水素量C(t,0)を算出することができる。
 [水素量解析装置の構成]
 図2は、本実施形態に係る表面水素量解析方法を採用して鋼材31の表面水素量を解析する表面水素量解析装置100の構成を示すブロック図である。
 表面水素量解析装置100は、パラメータ調整部11と、境界条件設定部12と、シミュレータ13と、比較部14を備えている。
 パラメータ調整部11は、ベクトルで表現されるパラメータwを外部入力から取得する。「ベクトルで表現されるパラメータw」とは、2以上の変数で規定されるパラメータであり、例えば変数を4つとした場合には、w=(a,b,c,d)として表現することができる。
 パラメータ調整部11はまた、取得したパラメータwを初期値とし、該パラメータwが最適な数値になるように調整する。具体的に、比較部14より出力される誤差関数(詳細は後述)に基づき、表面水素量の測定値と計算値との誤差関数が最小となるように、パラメータwを調整する。なお、本実施形態では一例として誤差関数が最小となるようにパラメータwを調整する例について説明するが、誤差が最小にならなくても誤差が低減すれば本実施形態の効果を達成できる。
 境界条件設定部12は、パラメータ調整部11で設定されたパラメータwを用いて、鋼材31の境界条件を設定する。具体的に、鋼材31の水素侵入面31aにおける水素量である表面水素量C(t,0)を、パラメータwを用いて表現される関数fw(t)(水素量関数)に設定する。一例として関数fw(t)は、4つの変数a、b、c、dを用いて、下記(3)式で示すことができる。
 fw(t)=at+b        (t<c)
    =dt+(a-d)c+b  (t>c)  …(3)
 図3は、上述した(3)式で示される関数fw(t)を示すグラフであり、横軸は経過時間t、縦軸は表面水素量を示している。図3に示すように、関数fw(t)は、t=cまでの区間では、右側に下降する直線、t=c以降の区間では、右側に上昇する直線となるように変化する特性を有する。なお、(3)式に示した関数fw(t)は一例であり、任意の関数に設定することができる。また、変数の数は2以上であればよい。例えば、5個の変数a、b、c、d、eを用いて関数fw(t)を設定してもよい。
 境界条件設定部12はまた、鋼材31の水素透過試験をシミュレーションする際の境界条件として、C(t,0)、C(0,L)を、下記(4)、(5)式に設定する。
 C(t,0)=fw(t)     …(4)
 C(0,L)=0     …(5)
 (4)式に示すC(t,0)は、経過時間tにおける水素侵入面31a(x=0)の水素量である。(5)式に示すC(0,L)は、経過時間t=0における水素検出面31b(x=L)の水素量である。
 シミュレータ13は、上記(4)、(5)式に示した境界条件に基づいてシミュレーションを実施し、鋼材31の水素検出面31bに発生する水素透過電流iHの計算値を取得する。
 シミュレータ13は、例えば鋼材31内における水素の拡散を一次元拡散方程式で示し、更に、差分法などを用いて鋼材31中の水素分布を算出する。シミュレータ13は、算出した水素分布に基づいて、フィックの第二法則などを用いて鋼材31における水素透過電流iHを算出する。即ち、シミュレータ13は水素透過電流iHの計算値を取得する。
 比較部14は、図1にて説明した水素透過試験の結果から、鋼材31の水素検出面31bに発生する水素透過電流iHの測定値を取得する。比較部14はまた、水素透過電流iHの測定値と計算値を比較し、それぞれの数値の差分を示す誤差関数を算出する。例えば、図4に示すように、水素透過電流iHの計算値s11と測定値s12が得られた場合には、これらの差分を誤差関数として算出する。比較部14はまた、算出した誤差関数をパラメータ調整部11にフィードバックする。
 パラメータ調整部11は、フィードバックされた誤差関数に対して、例えばパウエル法などの手法を採用して誤差関数が最小となるように、パラメータwを調整する。パラメータ調整部11はまた、誤差関数が最小となったパラメータw(以下、「最適化パラメータw´」という)を出力する。
 [本実施形態の動作]
 次に、本実施形態に係る表面水素量解析装置100による表面水素量の測定手順について説明する。図5は、本実施形態に係る表面水素量解析装置100の処理手順を示すフローチャートである。
 初めに、ステップS11において、表面水素量解析装置100は、鋼材31を用いた水素透過試験による試験結果から、水素透過電流iHを取得する。具体的に、図1に示すように鋼材31の水素検出面31bに流れる電流を検出し、この電流を水素透過電流iHの測定値として取得する。この測定値は、比較部14に入力される。
 ステップS12において、パラメータ調整部11は、操作者により設定されるパラメータwの初期値を取得する。前述したように、パラメータwはベクトルで表現される数値であり、例えば4つの変数を用いたw=(a、b、c、d)として表現される。
 ステップS13において境界条件設定部12は、パラメータ調整部11で設定されたパラメータwに基づいて、鋼材31の表面水素量を示す関数fw(t)を設定する。関数fw(t)は、例えば、前述した(3)式で示される関数である。
 パラメータwの初期値として、例えばa=1、b=1、c=1、d=1とすると、前述した(3)式で示される関数fw(t)は、下記(3a)式となる。
 fw(t)=t+1  …(t<1)
     =t+1  …(t>1)   …(3a)
 ステップS14において、シミュレータ13は、境界条件設定部12で設定された境界条件に基づいて鋼材31の内部における水素の拡散を、例えば一次元拡散方程式を用いてシミュレーションする。
 ステップS15において、比較部14は、上記のシミュレーションにより得られる水素透過電流iHの計算値と、前述した水素透過電流iHの測定値との間の誤差関数を算出する。比較部14は、算出した誤差関数をパラメータ調整部11にフィードバックする。
 ステップS16において、パラメータ調整部11は例えばパウエル法を用いて、比較部14からフィードバックされた誤差関数が最小となるように、パラメータwを調整する。例えば、初期的に設定したパラメータwの、各変数a、b、c、dの数値を適宜変更して誤差関数が最小となるように調整する。パラメータ調整部11は、最小化したパラメータwを最適化パラメータw´として出力する。
 最適化パラメータw´を取得することにより、水素透過電流iHと表面水素量C(t,0)との関係を取得することができ、時間変化に伴って変化する表面水素量を定量的に評価することができる。
 図6は、鋼材31の水素侵入面31aに、チオシアン酸アンモニウム水溶液下で電気化学的に水素を侵入させた際の水素透過試験データを示すグラフである。試験に使用する鋼材31は、表面に研磨等の処理を行っておらず、鋼材31の表面が時々刻々と変化し、表面水素量が変動する系である。
 図6において、横軸は水素の侵入開始後の経過時間tを示し、縦軸は鋼材31の水素検出面31bに流れる水素透過電流iHの電流密度を示している。図6に示す曲線s21は水素透過電流の理論値を示し、曲線s22は本実施形態の方法を採用して算出した水素透過電流値を示し、曲線s23は水素侵入面31aにおける水素量を一定として算出した水素透過電流値を示している。
 各曲線s21~s23に示すように、本実施形態の解析方法を採用した場合には、試験対象となる鋼材31の水素検出面31bに流れる電流値が、理論値とほぼ一致している。従って、鋼材31の水素侵入面31aにおける水素量の変化を高精度に評価できることが理解される。
 図7に示す曲線s24は、経過時間tに対する表面水素濃度の変化を示すグラフである。曲線s24に示すように、鋼材31の表面水素濃度は、時間の経過に伴って変化している。本実施形態の解析方法を採用することにより、表面水素量の時間経過に伴う変化を高精度に評価することができる。
 [本実施形態の効果]
 このように、本実施形態に係る表面水素量の検出方法は、鋼材31を用いた水素透過試験による水素透過電流の測定値を取得するステップと、ベクトルで表現されるパラメータwを用いて、鋼材31の表面水素量の時間変化を表す水素量関数fw(t)を設定し、この水素量関数を用いて鋼材31における境界条件を設定するステップと、境界条件に基づいて、鋼材31内部における水素の拡散をシミュレーションし、水素透過電流の計算値を取得するステップと、水素透過電流の、測定値と計算値の誤差関数を算出するステップと、誤差関数が低減するように、パラメータwを調整するステップと、を備えている。
 本実施形態では、鋼材31の表面水素量の変化、即ち境界条件の変化を、ベクトルで表現されるパラメータwを含む関数(水素量関数)として表現し、その境界条件の下で鋼材31の内部への水素拡散をシミュレーションして水素透過電流iHの計算値を算出する。算出した計算値と、水素透過試験を実施して得られた測定値を比較し、誤差関数が最小となる、或いは低減するようにパラメータwを変更する。誤差関数が低減したパラメータwを採用することにより、表面水素量の時間経過に伴う変化を、測定開始から所定時間が経過するまでの間の全時間帯において定量的に評価することが可能となる。
 また、本実施形態では、境界条件として、経過時間に伴って変化する表面水素量C(t,0)を水素量関数fw(t)とし、水素検出面31bにおける水素量C(0,L)を「0」に設定して、パラメータwが低減するように調整するので、高精度なパラメータwの設定が可能になる。
 更に、本実施形態では、鋼材31内部における水素の拡散を一次元拡散方程式で示し、該一次元拡散方程式に基づいて鋼材31内部の水素分布を算出し、この水素分布からフィックの第二法則を用いて水素透過電流を算出するので、水素透過電流を高精度に算出することが可能になる。
 また、本実施形態では、パウエル法を用いて誤差関数が最小化するように、パラメータwを調整するので、高精度なパラメータwの設定が可能になる。
 更に、本実施形態では、誤差関数が最小化したパラメータwを用いて試験対象となる鋼材の表面水素量を測定することにより、鋼材の表面水素量を高精度に測定することが可能になる。
 上記説明した本実施形態の表面水素量解析装置100には、図9に示すように例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)901と、メモリ902と、ストレージ903(HDD:HardDisk Drive、SSD:SolidState Drive)と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906とを備える汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。メモリ902およびストレージ903は、記憶装置である。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、表面水素量解析装置100の各機能が実現される。
 なお、表面水素量解析装置100は、1つのコンピュータで実装されてもよく、あるいは複数のコンピュータで実装されても良い。また、表面水素量解析装置100は、コンピュータに実装される仮想マシンであっても良い。
 なお、表面水素量解析装置100用のプログラムは、HDD、SSD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
 11 パラメータ調整部
 12 境界条件設定部
 13 シミュレータ
 14 比較部
 31 鋼材
 31a 水素侵入面
 31b 水素検出面
 32 腐食環境
 33 水酸化ナトリウム水溶液
 100 表面水素量解析装置

Claims (7)

  1.  鋼材を用いた水素透過試験による水素透過電流の測定値を取得するステップと、
     ベクトルで表現されるパラメータを用いて、前記鋼材の表面水素量の時間変化を表す水素量関数を設定し、前記水素量関数を用いて前記鋼材における境界条件を設定するステップと、
     前記境界条件に基づいて、前記鋼材内部における水素の拡散をシミュレーションし、前記水素透過電流の計算値を取得するステップと、
     前記水素透過電流の、前記測定値と前記計算値の誤差関数を算出するステップと、
     前記誤差関数が低減するように、前記パラメータを調整するステップと、
     を備えた表面水素量解析方法。
  2.  前記水素透過試験の開始後の経過時間を「t」とし、前記鋼材の厚さ方向の距離を「x」として、前記水素量関数を「C(t,x)」としたとき、
     前記境界条件を、C(t,0)=fw(t)、C(0,L)=0に設定する請求項1に記載の表面水素量解析方法。
  3.  前記シミュレーションは、前記鋼材内部における水素の拡散を一次元拡散方程式で示し、前記一次元拡散方程式に基づいて前記鋼材内部の水素分布を算出し、前記水素分布からフィックの第二法則を用いて前記水素透過電流を算出する請求項1または2に記載の表面水素量解析方法。
  4.  前記パラメータを調整するステップは、前記誤差関数を、パウエル法を用いて最小化する請求項1~3のいずれか1項に記載の表面水素量解析方法。
  5.  前記誤差関数が低減するように調整されたパラメータを用いて、試験対象となる鋼材の表面水素量を測定するステップ、
     を更に備えた請求項1~4のいずれか1項に記載の表面水素量解析方法。
  6.  ベクトルで表現されるパラメータを用いて、鋼材の境界条件を設定する境界条件設定部と、
     前記境界条件に基づいて、前記鋼材内部における水素の拡散をシミュレーションし、前記鋼材に生じる水素透過電流の計算値を算出するシミュレータと、
     前記鋼材に対して実施された水素透過試験により取得される水素透過電流の測定値と、前記水素透過電流の計算値と、の誤差関数を算出する比較部と、
     前記誤差関数が低減するように、前記パラメータを調整するパラメータ調整部と、
     を備えた表面水素量解析装置。
  7.  請求項6に記載の表面水素量解析装置としてコンピュータを機能させる表面水素量解析プログラム。
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