JP5953348B2 - 変調熱重量分析用の分析システム及び分析方法 - Google Patents

変調熱重量分析用の分析システム及び分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5953348B2
JP5953348B2 JP2014182402A JP2014182402A JP5953348B2 JP 5953348 B2 JP5953348 B2 JP 5953348B2 JP 2014182402 A JP2014182402 A JP 2014182402A JP 2014182402 A JP2014182402 A JP 2014182402A JP 5953348 B2 JP5953348 B2 JP 5953348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
dtg
sample
amplitude
activation energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014182402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015055628A (ja
Inventor
ムヒナ エレナ
ムヒナ エレナ
Original Assignee
ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー
ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー, ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー filed Critical ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー
Publication of JP2015055628A publication Critical patent/JP2015055628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5953348B2 publication Critical patent/JP5953348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N25/00Investigating or analyzing materials by the use of thermal means
    • G01N25/20Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating the development of heat, i.e. calorimetry, e.g. by measuring specific heat, by measuring thermal conductivity
    • G01N25/48Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating the development of heat, i.e. calorimetry, e.g. by measuring specific heat, by measuring thermal conductivity on solution, sorption, or a chemical reaction not involving combustion or catalytic oxidation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Description

本発明は,変調熱重量分析技術に関し,特に,変調熱重量分析により試料の動的パラメータを決定するための分析システム(例えば分析装置)及び分析方法に関する。
変調熱重量分析技術は,R. L. Blaine 及び B. K. Hahn 著, "Obtaining kinetic parameters by modulated thermogravimetry", Journal of Thermal Analysis, 第54巻(1998年), 第695-704頁, により導入された温度変調熱重量分析としても既知である。この手法は,現在では変調熱重量分析の標準技術として広範に使用されるに至っている。この熱重量分析技術については,例えば2002年発行の米国特許第6,336,741号に記載されている。
先ず,この標準技術の主要概念について説明する。熱重量分析測定は変調された温度条件下で行う必要があり,ここに温度はその基礎をなす線形的な加熱及び温度振動の和である。温度振動の振幅は通常は5K〜10Kであり,変調DSC(例えば,M. Reading, B. K. Hahn 及び B. S. Crow に付与された米国特許第5,224,775号〔1993〕参照)よりかなり高い必要があり,ここに典型的な温度振幅は約0.5K,周期は通常は60〜300s,昇温率は通常は1〜20K/minである。
主要な動的方程式は,次の通りである。
ここに,αは変換度,tは時間,zは指数化前係数,Eaは活性化エネルギ,Rはガス定数,Tは温度(絶対温度)である。
本明細書において使用する上記及びその他の記号は,本明細書の末尾に列記した通りである。
数式(1)を,変換率α1, α2及び対応する時間T1, T2の異なる同一の化学プロセスについて各別に記述すれば,各反応率は次式で表すことができる。
上記反応率を互いに除して対数を求めれば,次式の通りである。
数式(4)から活性化エネルギを求めれば,次の通りである。
いわゆるDTG信号は,熱重量信号(重量変化信号)の一次導関数として算出され,変調計測に係る振動成分を有する。この場合,二本の追加的な曲線を描くことができる。変調信号DTGのピーク点を通るトップ曲線DTGtopと,反応率dα2/dt及びdα1/dtの対応する値を有する谷底を通るボトム曲線DTGbottomとである。Aを温度振幅,T0 を基礎線形温度とすれば,T1= T0+A, T2= T0-A, α12, f(α1)=f(α2) であり,活性化エネルギは最終的に次のようにあらわされる。
ここに,ln(dα1/2) は最少反応率と最大反応率の比の対数である。より具体的に言えば,この対数は,特定温度Tの下で分析すべき試料の重量を表す熱重量信号の一次導関数の対数の振幅である。通常,この標準的方法で計算された活性化エネルギの刊行された曲線は,反応率が最高のときに極小点を有し,反応の開始段階及び終了段階では非常に高い値を呈する(Kun Cheng, William T. Winter 及び Arthur J. Stipanovic 著, "A modulated-TGA approach to the kinetics of lignocellulosic biomass pyrolysis/combustion", Polymer Degradation and Stability 第97巻第9号, 2012年9月, 第1606-1615頁を参照)。これらの値は,ポリマーについては 1000 kJ/mol を超えることがあり(R. L. Blaine及び B. K. Hahn 著, "Obtaining kinetic parameters by modulated thermogravimetry", Journal of Thermal Analysis, 第54巻(1998年), 第695-704頁を参照),従って化学的な意味での活性化エネルギでなく,遅い反応率の下での数値的な問題であると考えられる。数式(6)から,dα1がほぼゼロである非常に遅い反応率の下での対数計算は非常に高い不確定性を生じさせることが理解でき,これは対数関数が非常に速くゼロ近傍に変化するからである。その結果,ゼロ近傍での測定誤差は,活性化エネルギについて非常に大きな誤差を生じさせるものである。
従来のアルゴリズムの問題点を列記すれば,次の通りである。
1.従来の方法ではゼロに近すぎない反応率αが必要であり,これは,ゼロ点においては対数関数が負の無限大となるため,反応率の対数が計算できないからである。
2.従来の方法では,対数計算で正の比を得るために,同一符号のトップ曲線DTGtop及びボトム曲線DTGbottomが必要である。しかし,実際問題として,常に符号が同一となるとは限らない。
3.トップ曲線DTGtop及びボトム曲線DTGbottomの位置はノイズに依存するものであり,従ってノイズが結果に大きな影響を及ぼす。
4.計測データがノイズを含む場合,トップ曲線DTGtop及びボトム曲線DTGbottomの位置を正確に確定することが非常に困難となる。平滑化されていないデータの場合,両者の位置はノイズ振幅に依存する。しかし,未知形状の信号についてのノイズの平滑化は,計測されたDTG信号の形状を歪ませると共に振動振幅を低減させることとなる。更に,この方法のためのトップ曲線及びボトム曲線の位置は,主周波数のみのフーリエ分析から決定することができない。これは,反応率信号の形状が正弦波から乖離している場合があるからである。
R. L. Blaine 及び B. K. Hahn 著, "Obtaining kinetic parameters by modulated thermogravimetry", Journal of Thermal Analysis, 第54巻(1998年), 第695-704頁 Kun Cheng, William T. Winter 及び Arthur J. Stipanovic 著, "A modulated-TGA approach to the kinetics of lignocellulosic biomass pyrolysis/combustion", Polymer Degradation and Stability 第97巻第9号, 2012年9月, 第1606-1615頁 米国特許第6,336,741号明細書 米国特許第5,224,775号明細書
本発明は,上述した問題を伴うことなく,試料に係る少なくとも1つの動的パラメータ,特に活性化エネルギを決定すべく変調熱重量分析を実行する代替的な方法を提案するものである。
本発明の主要な着眼点は,動的パラメータを決定するための対数計算を回避することであり,これはゼロ近傍値を有する遅い反応率の場合に対数計算が大きな誤差を生じさせるからである。特に,本発明は,数式(6)における対数項 ln (dα1/dα2) の計算を回避する。その理由は,このような対数項が,活性化エネルギEaの解に対して上述した問題を惹起するからである。即ち,最広義で表せば,本発明は,試料の変調温度プログラムに基づく変調熱重量試験から活性化エネルギEa等の動的パラメータを計算するに当たり,当該パラメータの決定が,熱重量信号の一次導関数から得られる非指数関数についての対数計算を除外する装置及び方法に関するものである。ln(e(f(x))) は簡単に f(x) に戻すことにより対数が計算から除外され,これが本発明では上述した対数及び非指数関数の計算が除外される所以である。
本明細書における用語「対数」及び「非指数関数」は,底「e」が記述されているが,特定の底に限定されるものではない。例えば,用語「対数」は,底がeである自然対数や別の底,例えば10である対数log10(x)等,任意の底を有する対数を含む。また,用語「非指数関数」は,その関数の底が自然対数の底(例えば e(x) における「e」)であるか,別の底(例えば10(x)における10)であるかを問わず指数的でない関数を意味する。本這うt名に係る方法の要点は,熱重量信号から導かれる対数の計算を,計算されたパラメータにノイズや不所望の影響を与えるために,その底のいかんを問わず回避することである。
本発明は,第1の観点において,試料の動的パラメータを決定するためのシステムを提供する。このシステムは:
温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するためのヒータを有する加熱炉と;
試料の重量に対応する熱重量信号を検出するための検出手段と;
前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定する手段と;
試料の少なくとも1つの動的パラメータを,温度,温度振幅,前記熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を用いるも,前記一次導関数から得られる非指数関数の対数を用いずに決定する手段と;
を備える。
本発明は,他の観点において,試料の動的パラメータを決定する方法を提供する。この方法は:
温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するステップと;
試料の重量に対応する熱重量信号を検出するステップと;
前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定するステップと;
試料の少なくとも1つの動的パラメータを,温度,温度振幅,前記熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を用いるも,前記一次導関数から得られる非指数関数の対数を用いずに決定するステップと;
を備える。
本発明は,更に他の観点において,材料試料の活性化エネルギを決定する方法を提供する。この方法は:
温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って材料試料を加熱するステップと;
該試料の加熱時の重量を計測して該重量を代表する熱重量信号を検出するステップと;
前記温度プログラムに従う前記試料の加熱に伴って前記試料の重量が変化する際の熱重量信号を観察するステップと;
前記温度プログラムにおける特定の温度下での前記試料の活性化エネルギを,該特定の温度,該温度下での温度振幅及び該温度下での熱重量信号の一次導関数に基づくも,該一次導関数から導かれる非指数関数の対数に基づかずに算出するステップと;
を備え,
上記のごとく算出される活性化エネルギを,前記熱重量信号の一次導関数がゼロ又はゼロ近傍であっても該熱重量信号に含まれるノイズに関わらず有限値とする。
本発明の好適な実施形態において,温度プログラムは基礎加熱率を含む。
本発明の一実施形態において,温度プログラムの第1部分は基礎加熱率を含み,温度プログラムの第2部分は準等温操作を含む。
本発明の一実施形態において,試料の加熱条件は重量変化率に基づいて変化させる。
好適には,決定すべき動的パラメータ,又は動的パラメータの一つは,活性化エネルギ(Ea)である
活性化エネルギを決定するための分析手段を組み込んだ熱重量計測装置の一例を示す概念図である。 基礎温度の関数としての全温度範囲及び初期温度範囲についての,ある温度振幅及びあるノイズの下でシミュレートしたDTG信号を示すグラフである。 異なる温度振幅及びノイズの下でシミュレートしたDTG信号を示すグラフである。 異なる温度振幅及びノイズの下でシミュレートしたDTG信号を示すグラフである。 異なる温度振幅及びノイズの下でシミュレートしたDTG信号を示すグラフである。 基礎温度の関数としての返還のシミュレーション,即ち変換度を示すグラフである。 温度振幅5Kでノイズのないシミュレート曲線と,ノイズ2E-5を有するシミュレート曲線について,従来の標準方法(Estd)と本発明の一実施例に係る新規な線形方法(E)により計算した活性化エネルギを示すグラフである。 温度振幅20Kでノイズのないシミュレート曲線と,ノイズ2E-5を有するシミュレート曲線について,従来の標準方法(Estd)と本発明の一実施例に係る新規な非線形方法(Enonlin)により計算した活性化エネルギを示すグラフである。 計測された熱重量データ,即ち熱重量信号(TG信号)及びその一次導関数(DTG信号)を示すグラフである。 図9のデータから,従来の標準方法(Estd)と本発明の一実施例に係る新規な線形方法(E)により評価した活性化エネルギの決定結果を示すグラフである。
〔分析装置〕
一般的に,熱重量分析装置は,試料の重量変化(TG信号及び/又はDTG信号)を時間及び/又は温度の関数として計測するものである。通常,熱重量分析装置は試料の計測セルと,そのセルを加熱するための加熱炉と,試料の重量変化を記録する熱天秤と,試料温度の制御手段と,試料温度を計測・記録する手段とを備える。試料の重量及び温度を時間の関数として計測・追尾する通常の手段を使用することができる。例えば,試料の重量を計測するために既知の熱天秤や他の既知の,又は適切なセンサを使用することができる。温度計測のためには,既知である他の接触型又は非接触型温度計測法を使用することができる。
通常,温度プログラムは機器のオペレータにより与えられるものであり,典型的な温度範囲は -200°C〜1000°C,典型的な昇温速度は 1〜20K/minである。
温度プログラムは,線形又は非線形の加熱及び冷却又は等温条件を伴う幾つかのセグメントを含む。
本発明は,活性化エネルギ等の動的パラメータを,温度プログラムが振動部分を有する状況下で決定するための分析方法に関する。計測の間,試料は分解,蒸発,磁気特性の変化等の種々の理由から重量を変化させる。その重量変化は熱天秤により記録され,計測された試料温度は計測された経時的な信号(TG及び/又はDTG信号)として集められる。これらの計測データは,表示及び分析のためにコンピュータに直接的に供給することができ,また,システムにおける専用分析装置による事後の分析のために保存しておくこともできる。
図1は,活性化エネルギEaを決定すべく変調熱重量分析を行うための分析システムの一例を示す概念図である。
試料1を計測セル2内に配置する。そのセル2を加熱炉3により加熱し,加熱炉3は計測された試料温度に基づいて温度コントローラ7により制御する。試料の重量変化を熱天秤4により計測する。試料の温度信号と重量信号を電子装置5により収集し,パーソナルコンピュータ6に入力する。
本例において,コンピュータ6は,以下に詳述する本発明に係る方法に従って,試料1の活性化エネルギを決定する。
〔直接分析法〕
「直接分析法」の基礎は,DTG信号の直接的なフーリエ分析を行うことである。
この場合には活性化エネルギを,硬質的なトップ及びボトムの包絡線DTGtop, DTGbottomからではなく,DTG信号の主周波数の好適に規定される振幅ADTGから直接的に決定することが可能となり,これはノイズから独立しているか,又は殆ど従属しないものである。
数式(1)に変調温度T=T0+A sin(ωt)を代入する。ここに,T0は基礎線形温度,Aは温度振幅,ωは温度変調周波数である。例えば,温度振幅が5K,温度が500KであればA/T0 は1%となり,これは「小さいパラメータ」と考えることができる。級数の第3項は1E-6であって,多くの場合には熱重量信号(TG)における機器誤差以下であり,0.1 μg〜10 mgの質量変化に対応する機器誤差の最小値は典型的には約1E-5である。
即ち,TG計測の通常の精度では三次までの級数しか生成することができない。
数式(3)に対してフーリエ分析を適用すれば,次のフーリエ級数が得られる。
各周波数についての 振幅は,ノイズの存在下でも実験から好適に規定することができる。二通りの異なる解決手法がある。線形応答性に係る簡単な解決手法と,非線形応答に係る進歩的な解決手法である。
〔線形応答性〕
小さい温度振幅の場合,DTG信号は線形であり,DTG信号の形状は正弦波に非常に近似している。対応する方程式はS1項のみを含み,それ以降の全ての項は温度振幅Aに関して非線形である。その結果,方程式は非常に単純である。
反応率の非振動部分は,変調周期に亘る平均値として計算することができる。この場合の平均反応率は,変調を伴わない計測について数式(1)から得られる反応率と正確に一致する。非振動部分次式のとおり記述される。
これは,各時点において変調周期に亘る平均値として計算することができる。反応率信号の振幅は,次式のとおりに表すことができる。
熱重量分析に関し,DTG信号の振幅ADTGは平均値DTG0から絶対値の関数として次式のとおり表すことができる。
ここに,DTG0は基礎温度T0についての変調周期に亘るDTGの平均値,|DTG0|はDTG0の絶対値である。時点T0についての平均化範囲は,時点T0前の半周期で始まり,時点T0後の半周期で終わる。ADTGは,DTG信号の振幅である。これは,本発明において離散的なフーリエ分析を用いて計測データから求めることができる。
数式(15)から,線形近似について以下の結論が得られる。即ち,変調熱重量分析測定において,DTG信号の振幅は,温度振幅A,DTG0の平均値及びプロセスの現時点における活性化エネルギに比例する。DTGの主周波数の好適に規定される振幅ADTGから直接計算された,基準化された振幅Anormを導入することができる。
これを代入すれば,活性化エネルギEaは次式で表すことができる。
従って,本発明によれば,活性化エネルギを数式(17)に基づいて計算することができ,この場合にEa = (R T0 2 ADTG) / (A |DTG0|)である。この数式は,変調熱重量分析信号が正弦波に非常に近似する場合に有利に適用することができる。本発明に係るシステムにおいて,少なくとも1つの動的パラメータを決定するための手段は,数式(17)に基づく計算を行う演算手段として実現することができる。特記事項として,数式(17)は,上述した非指数関数の対数の計算に関与せず,必要とするものでもない。
〔非線形応答性:非振動部分〕
変調反応率の変調周期に亘る平均値を数式(11)からの非振動部分について記述すれば:
数式(18)は,変調計測についての平均反応率が,変調を伴わない場合の反応率よりも速く,平均反応率は温度振幅に対して非線形的に増加し,反応がより早期に終了することを示す。このような挙動は,温度変化に対する反応率の応答性の非線形性に由来するものである。経験則に基づき,例えば,温度が10Kだけ高くなれば,反応率が2〜4倍に増加し,周期的に変化する温度信号に対する平均的な反応率は非周期的な場合の反応率よりも高くなる。温度が10Kだけ低くされば,反応率が1/2〜1/4倍に減少する。数式(18)から,振幅T0の温度変調を適用すれば,平均反応率が次の係数だけ増加すると結論付けることができる。
数式(11)から,反応率の二次調波の振幅:
と,非振動の反応率:
が得られる。
上記二式の比は,S2/2に等しい。換言すれば,温度変調を適用すれば平均反応率は次式の係数だけ増加する。
熱重量分析の見地から,この係数は
として記述され,ここにA2DTGはDGT信号の二次調波の振幅である。
〔非線形応答性:振動部分〕
数式(11)から,一次調波についての反応率の振幅Ada/dtは次式のとおり表すことができる。
非線形部分は,第1次調の振幅が温度振幅と共に非線形に増加することを示す。数式(22)を数式(18)で除すれば,次式のとおりである。
数式(8)から,活性化エネルギは次式のとおり求められる。
これより,正弦波形状のDTG信号については線形部分のみが重要であることが判る。数式(2)の線形部分は,数式(17)と一致している。数式(24)で得られた活性化エネルギEaを数式(24)の線形部分に反復代入すれば,A2の精度下において次式で示す結果が得られる。
即ち,本発明によれば,活性化エネルギを上記の数式(25)に基づいても決定することができる。この数式は,変調熱重量分析信号が理想的な正弦波から顕著に乖離している場合に有利に適用することができる。本発明に係る分析システムにおいて,少なくとも1つの動的パラメータを決定するための手段は,数式(25)に基づく計算を行う演算手段として実現することができる。この場合にも,数式(25)は,上述した非指数関数の対数の計算に関与せず,必要とするものでもない。
〔分析データ〕
既知の分析方法と本発明に係る分析方法とを比較する検証テストとして,数組のシミュレーションデータセットを使用する。全てのシミュレーションは,指数化前係数1E10 s-1, 活性化エネルギ100 kJ/mol, 基礎加熱速度1 K/min, 初期温度80 °C, 変調周期60秒, 温度振幅5K及び20Kでの一次反応について,数式(1)の直接積分で行うものである。シミュレーションにおいては,変調周期毎に50のデータ点を用いた。
第1のシミュレーションデータセットはノイズを含まないものであり,全温度範囲及び85〜95°Cの温度範囲におけるシミュレーション変調曲線をその平均値,トップ曲線及びボトム曲線と共に図2及び図3に示す。
図2及び図3は,指数化前係数1E10 s-1, 活性化エネルギ100 kJ/mol, 平均温度振幅5K及び20Kでの一次反応についての,ノイズを含まないシミュレーションDTG信号を「%/min」の単位で示す。図示されている曲線は,シミュレーション周期信号,平均値,トップ曲線及びボトム曲線である。
図2及び図3において,下側の各グラフは関心温度範囲,図示例では85〜95°Cの温度範囲におけるそれぞれ上側のグラフのデータを示す。
温度振幅5Kについてのデータは,正弦波に近い視覚的形状を有する。振幅の非線形部分は無視することができるので,ここでは応答が線形であると仮定することができる。しかし,温度振幅20Kについては,信号が明らかに正弦波形状ではない。この振幅の場合には,各周期について信号の下側部分が非常に鋭敏であり,上側部分はより広く,かつ丸みを帯びている。平均赤曲線は,トップ曲線及びボトム曲線の中間には位置していない。従って,温度振幅20Kの場合のデータは正弦波形状とは認められない。温度振幅20Kの場合にはトップ曲線がゼロに非常に近い。これは,ノイズを含む実際の実験において,その対数が結果に大きな誤差を生じさせ得ることを意味している。
検証テストに使用した第2のシミュレーションデータセットは,TG計測のノイズを含むものである。
数学的に,第1のデータセットから計算した各変換値に対して,変換ノイズの振幅にランダム値(0〜1)を乗じた値を加える。第2データセットは,温度振幅5K及び20Kについての変調反応率のシミュレーションを含み,いずれもノイズを伴っている。第2データセットにおける変換ノイズは,振幅が2e-5である。5 mgの質量変化に対して,このノイズは0.1 mgに相当し,これは熱重量分析機器の実際のノイズと同等である。
図4及び図5は,温度振幅5K及び20K,ノイズ振幅2E-5の場合のシミュレーションデータを,全温度範囲(各図の上側グラフ)及び狭い温度範囲(各図の下側グラフ)について示す。トップ曲線DTGtopは,ノイズのために時にはゼロを超えており,従って反応率の比の対数を使用する既知の標準法はこの場合には役立たない。
これらのデータセットに対し,上述した数式(6)の標準的な計算と,本発明に係る数式(17)及び(24)を使用する新規な分析を適用する。数式(6)が役立てば,結果的に得られる活性化エネルギEaの曲線が全反応範囲に亘って100 kJ/molで一定となるものと予想できる。ノイズが結果に何らかの影響を及ぼす場合,これは計算された活性化エネルギが元の値100 kJ/molから乖離していることで見極められる。
〔分析結果:線形応答性〕
数式(17)による新規方法で活性化エネルギEaを計算し,数式(6)による標準計算と比較する。数式(17)は正弦波形状の信号のみについて役立つので,温度振幅5Kまでのデータ(図3に例示)に対して適用可能である。
温度振幅5Kまでのデータについての標準法による計算結果(Estd, 数式(2)で計算)と,新規な方法による計算結果(E, 数式(5)で計算)を図7に示す。
図7は,温度振幅5Kでノイズを含まない場合とノイズ2E-5を含む場合のシミュレーション曲線について標準法(Estd)及び新規な方法(E)で計算した活性化エネルギEaを示す。
いずれの振幅及びいずれの方法についても,計算に使用したデータ,すなわちノイズを含まない活性化エネルギ値100 kJ/molのデータとの間で,全範囲に亘って良い一致が見られた。新規な線形法の場合,活性化エネルギの誤差に対するノイズの影響は,全範囲に亘って標準法よりもはるかに小さい。ノイズを伴う振幅100 kJ/molの場合,新規方法による誤差は,標準法による誤差の少なくとも4〜5倍小さい。ノイズ2e-5の場合,数式(17)の新規方法で得られる曲線は,100〜150°Cの範囲内で正確なEa値(100〜105 kJ/mol)を示すが,標準計算法ではほぼ全範囲に亘って105 kJ/molを超える不正確な結果しか得られない。
〔分析結果−非線形応答性;非振動部分〕
数式(18)を検証するため,温度振幅10K及び20Kについての変調振幅を取り上げ,これについての平均値を計算する。得られた曲線をα0として図6に示す。更に,いずれの振幅についても非振動部分のみを数式(18)により直接計算し,得られた曲線をαnewとして図6に示す。
即ち,図6に示す変換シミュレーションは:α0 - 振動なし(数式(1)で計算);α0_5K及びα0_20K - 温度振幅5K及び20Kについて数式(1)で計算した変調信号の平均値;anew - 変調信号の非振動部分の数式(18)による直接計算値;である。
いずれの温度振幅についてもα0とαnewとの間で完全な一致が認められる。曲線α0は変調を伴わない反応についての変換結果を示し,この曲線と変調反応についての変換曲線との差異を,見極めるためのものである。
〔非線形応答性;振動部分〕
図8は,ノイズ2E-5及び振幅20Kについての第2反復の結果を示す。シミュレーションのため,活性化エネルギEaの値として再び100 kJ/molを適用し,従ってこの値は分析後の結果としても予想されたものである。
即ち,図8は,既知の標準法(Estd)及び本発明に係る非線形法(Enonlin)により計算された活性化エネルギEaを示し,これらは温度振幅A = 20Kでノイズがない場合,及びノイズ2E-5を伴う場合の先のシミュレーションDTG曲線についてのものである。
ノイズを伴わないデータの場合,検証テストに用いられた2つの温度振幅の各々について,いずれの方法も正確な結果を生成する。温度振幅20Kの場合にのみ,活性化エネルギEaの計算に軽微な問題があり,これはトップ曲線DTGtopがゼロに非常に近い反応周期においてである。
いずれの振幅についてもノイズが標準計算において大きな役割を演じ,反応中期の短い時間範囲のみで正確な結果を生成する。しかし,反応初期及び反応終期では活性化エネルギの計算値が100 kJ/molの予想値から大きく乖離している。対照的に,本発明方法にょれば,常により広範囲に亘って同一の精度でEaの計算結果が生成される。
標準法において,誤差は温度振幅Aに従属しない。しかし,本発明方法では,誤差が温度振幅に応じて減少する。ノイズが大きい場合,温度振幅A = 20Kについて本発明方法で計算した結果が最良である。
本発明方法による計算結果は,データシミュレーションに使用した100 kJ/molに対して,常により良好な一致を示した。20Kの非常に大きい温度振幅の場合には,ノイズが計測範囲の初期及び終期で大きい影響を及ぼす。これは,DTG信号がゼロに近く,小さいノイズであっても対数値,従ってEaの計算結果に大きな変化を生じさせるからである。ノイズは,本発明方法で計算した結果に殆ど影響を及ぼさない。
本発明方法の主要な利点は,温度振幅20Kでノイズが大きい場合に認められ,この場合にはDTG信号のトップ曲線DTGtopが正であり(例えば図5を参照),DTGtop/DTGbottom比が負である。
これは,95°C前の温度及び147°C後の温度についてのものである。
対数計算を含む数式(2)を使用する既知の標準法は,この比の計算に適用することができない。これは,不の値の対数値が規定されないからである。しかし,本発明方法は,このような範囲であっても活性化エネルギEaを有利に計算可能とするものであり,活性化エネルギEaの計算結果は,ほぼ全範囲に亘って一定に非常に近く,100 kJ/mol〜110 kJ/molの値を有している。
本発明に係る方法の利点を列記すれば,次のとおりである。
1.本発明方法によれば,ノイズが含まれるDTG曲線の場合でも正確な活性化エネルギEaを計算することができる。
2.本発明方法は,既知の標準法との対比において,ノイズが計算結果に及ぼす影響がはるかに小さい。
3.本発明方法によれば,トップ及びボトム曲線DTGtop及びDTGbottomの符号が異なり,従って標準法が適用できない場合であっても,活性化エネルギを計算することができる。
4.計算に使用する主周波数のための振幅ADTGを,ノイズが含まれる場合であっても,離散的フーリエ分析により実験から好適に規定することができる。
〔実験結果〕
変調DSC機能を有する計測装置NETZSCH STA449F3について計測を行った。温度振幅は5K,基礎加熱率は1K/min,周期は200sとした。CaOx一水和物の分解の第2段階についてのTG信号及びDTG信号を図9に示す。
図9は,計測された熱重量分析データを示す。
図9の計測結果を評価するための計算を,既知の標準法と,数式(14)を使用する本発明方法に基づき,手動で行った。
図10は評価した熱重量分析データを示す。T=473°Cにおいて,活性化エネルギEaは,本発明方法では210 kJ/mol,標準法では450 kJ/molである。これは,2倍以上も高い。更に,本発明方法では活性化エネルギEaのための,より低く,より水平な曲線部分を有する。共通点は,活性化エネルギが202 kJ/molとなるT=455°Cである。
本発明に係るシステム及び方法の更なる特徴及び利点を列記すれば,次のとおりである。
1.線形近似において変調信号TGの導関数の振幅ADTGが,非振動部分DTG0,温度振幅A及びプロセスの現時点での活性化エネルギEaに対して比例する。
2.変調計測の場合の平均反応率が,変調を伴わない場合の反応率よりも速く,変調により平均反応率がDTG信号の二次調波に応じて係数(1+A2DTG/|DTG0|)倍だけ増加する。
3.本発明方法によれば,変調DTG信号の主振幅ADTG又はAnormから活性化エネルギEaを直接的に求めることが可能である。
4.本発明方法によれば,特にノイズの多い計測曲線の場合でも,標準法よりも良好な精度をもって活性化エネルギEaを計算することができる。
5.本発明方法によれば,特にトップ及びボトム曲線DTGtop及びDTGbottomの符号が異なり,従って標準法が適用できない場合であっても,活性化エネルギEaを計算することができる。
以上詳述したとおり,本発明は,変調熱重量分析の計測結果を生成するための新規な分析方法を提供する。本発明方法は,数学的には直接フーリエ分析に基づくものであり,変調熱重量分析の計測のための活性化エネルギを計算可能とする。更に,本発明方法は,標準的な計算方法が適用できない,ノイズの多い計測データについても正確な結果を生成するものである。
A 温度振幅
A2 反応率二次調波の振幅
ADTG DTGの振幅;重量変化率の振幅
A2DTG DTG二次調波の振幅
Anorm DTGの規準化振幅
DTG 熱重量信号の一次導関数;重量変化率
DTG0 平均化されたDTG
|DTG0| DTG0の絶対値
DTGtop 変調信号の最大点を通るトップ曲線
DTGbottom 変調信号の最小点を通るボトム曲線
Ea 活性化エネルギ
T 絶対温度(K)
T0 絶対基礎温度(K)
Ti 状態の絶対温度
R ガス定数
t 反応形式の時間関数
S1, S2, S3 級数係数
Z 指数化前係数
α 変換度
αi 状態iの変換度
αnew 数式(18)で算出される変調信号に係る反応率の非振動部分
ω 変調周波数
0 信号の非振動部分

Claims (15)

  1. ・温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するためのヒータを有する加熱炉と;
    ・試料の重量に対応する熱重量信号を検出するための検出手段と;
    ・前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定する手段と;
    ・少なくとも1つの動的パラメータを決定する手段と;
    を備え
    前記動的パラメータである活性化エネルギを,
    次式により決定する,試料の動的パラメータである活性化エネルギを決定するためのシステム。
    Ea = (R T 0 2 A DTG ) / (A |DTG 0 |)
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    DTG 0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  2. ・温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するためのヒータを有する加熱炉と;
    ・試料の重量に対応する熱重量信号を検出するための検出手段と;
    ・前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定する手段と;
    ・少なくとも1つの動的パラメータを決定する手段と;
    を備え
    前記動的パラメータである活性化エネルギを,
    次式により決定する,試料の動的パラメータである活性化エネルギを決定するためのシステム。
    Ea = A norm R T 0 2 (1 + ( A / T 0 ) 2 / 8 x ((T 0 A norm ) 2 + 2T 0 A norm - 6))
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    A norm = (1 / A) x (A DTG / |DTG 0 |)
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    D TG0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  3. 温度プログラムは,基礎加熱を含む部分、及び/又は準等温振動を含む部分を含む,請求項1又は2記載のシステム。
  4. 前記温度プログラムが基礎加熱率を含む,請求項1又は2記載のシステム。
  5. 前記温度プログラムの第1部分が基礎加熱率を含み,前記温度プログラムの第2部分が準等温操作を含む,請求項1又は2記載のシステム。
  6. 前記試料の加熱条件を,前記熱重量信号の一次導関数に基づいて変化させるための手段を更に備える,請求項1又は2記載のシステム。
  7. 試料の動的パラメータを決定する方法であって,
    ・温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するステップと,
    ・試料の重量に対応する熱重量信号を検出するステップと;
    ・前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定するステップと;
    ・少なくとも1つの動的パラメータを決定するステップと;
    を備え
    動的パラメータである活性化エネルギを,
    次式で求める方法。
    Ea = (R T 0 2 A DTG ) / (A |DTG 0 |)
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    DTG 0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  8. 試料の動的パラメータを決定する方法であって,
    ・温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って試料を加熱するステップと,
    ・試料の重量に対応する熱重量信号を検出するステップと;
    ・前記温度プログラムに従う試料の加熱により該試料の重量が変化する際の熱重量信号の一次導関数及び該一次導関数の振幅を決定するステップと;
    ・少なくとも1つの動的パラメータを決定するステップと;
    を備え
    動的パラメータである活性化エネルギを,
    次式で求める方法。
    Ea = A norm R T 0 2 (1 + ( A / T 0 ) 2 / 8 x ((T 0 A norm ) 2 + 2T 0 A norm - 6))
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    A norm = (1 / A) x (A DTG / |DTG 0 |)
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    DTG 0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  9. 前記温度プログラムが基礎加熱率をも含む,請求項7又は8記載の方法。
  10. 前記温度プログラムの第1部分が基礎加熱率を含み,前記温度プログラムの第2部分が準等温操作を含む,請求項7又は8記載の方法。
  11. 前記試料の加熱条件を,前記熱重量信号の一次導関数に基づいて変化させるステップを更に備える,請求項7又は8記載の方法。
  12. a) 温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って材料試料を加熱するステップと,
    b) 該試料の加熱時の重量を計測して該重量を代表する熱重量信号を検出するステップと,
    c) 前記温度プログラムに従う前記試料の加熱に伴って前記試料の重量が変化する際の熱重量信号を観察するステップと,
    d) 前記温度プログラムにおける特定の温度下での前記試料の活性化エネルギを,算出するステップと,
    を備え,前記ステップd)で算出される活性化エネルギを次式で求め前記活性化エネルギを前記熱重量信号の一次導関数がゼロ又はゼロ近傍であっても該熱重量信号に含まれるノイズに関わらず有限値とする,材料試料の活性化エネルギを決定する方法。
    Ea = (R T 0 2 A DTG ) / (A |DTG 0 |)
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    DTG 0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  13. a) 温度振幅及び変調周期が含まれる,変調された温度プログラムに従って材料試料を加熱するステップと,
    b) 該試料の加熱時の重量を計測して該重量を代表する熱重量信号を検出するステップと,
    c) 前記温度プログラムに従う前記試料の加熱に伴って前記試料の重量が変化する際の熱重量信号を観察するステップと,
    d) 前記温度プログラムにおける特定の温度下での前記試料の活性化エネルギを算出するステップと,
    を備え,前記ステップd)で算出される活性化エネルギを次式で求め,前記活性化エネルギを前記熱重量信号の一次導関数がゼロ又はゼロ近傍であっても該熱重量信号に含まれるノイズに関わらず有限値とする,材料試料の活性化エネルギを決定する方法。
    Ea = A norm R T 0 2 (1 + ( A / T 0 ) 2 / 8 x ((T 0 A norm ) 2 + 2T 0 A norm - 6))
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    T 0 は絶対基礎温度,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅,
    A norm = (1 / A) x (A DTG / |DTG 0 |)
    A DTG は熱重量信号の一次導関数の振幅,
    DTG 0 は変調周期に亘る熱重量信号の一次導関数の平均値である。
  14. 前記ステップd)で算出される活性化エネルギは,次の標準式で算出される活性化エネルギと比較して,熱重量信号のノイズ変動に対する不感性が高い,請求項12又は13記載の方法。
    Ea = R x ln (dα1/dα2)(T2-A2)/2A
    ここに,
    Eaは活性化エネルギ,
    Rはガス定数,
    ln (dα1/dα2)は周期にわたる最小反応率と最大反応率の比の対数,
    Tは活性化エネルギEaを算出すべき特定の温度,
    Aは変調温度プログラムの温度振幅である。
  15. 前記ステップd)で算出される活性化エネルギは,前記標準式で算出される活性化エネルギと比較して,熱重量信号のノイズ変動に対する不感性が高い,請求項14記載の方法。
JP2014182402A 2013-09-13 2014-09-08 変調熱重量分析用の分析システム及び分析方法 Active JP5953348B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/026,741 US9389194B2 (en) 2013-09-13 2013-09-13 System and method for analysis in modulated thermogravimetry
US14/026,741 2013-09-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015055628A JP2015055628A (ja) 2015-03-23
JP5953348B2 true JP5953348B2 (ja) 2016-07-20

Family

ID=51453559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014182402A Active JP5953348B2 (ja) 2013-09-13 2014-09-08 変調熱重量分析用の分析システム及び分析方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9389194B2 (ja)
EP (1) EP2848926B1 (ja)
JP (1) JP5953348B2 (ja)
CN (1) CN104458478B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017000972A1 (en) * 2015-07-02 2017-01-05 Knauf Gips Kg Apparatus for simultaneously and continuously determining a change in length and a change in weight of heated samples and method therefore
CN111044405B (zh) * 2020-01-02 2022-06-28 西安建筑科技大学 一种针对热重曲线漂移误差的修正方法
CN113447389B (zh) * 2021-06-18 2024-04-05 营口理工学院 一种采用非线性等转化率法确定碳钢凝固过程活化能的方法
CN116297013B (zh) * 2023-05-19 2023-09-26 卡松科技股份有限公司 一种液压油粘度波动的监测方法及系统

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6153556A (ja) * 1984-08-22 1986-03-17 Mitsubishi Electric Corp 熱重量分析装置
SU1377698A1 (ru) * 1985-03-30 1988-02-28 Азербайджанский политехнический институт им.Ч.Ильдрыма Термогравиметрический влагомер
US4914297A (en) * 1987-12-23 1990-04-03 Nicolet Instrument Corporation Infrared spectrometer interface for thermogravimetric analysis
JP2760104B2 (ja) * 1989-11-30 1998-05-28 株式会社島津製作所 固体試料の熱重量分析法
US5224775C2 (en) 1992-03-02 2002-04-23 Ta Instr Inc Method and apparatus for modulated differential analysis
JP2909950B2 (ja) * 1993-09-24 1999-06-23 セイコーインスツルメンツ株式会社 熱分析装置
US6113261A (en) 1997-06-27 2000-09-05 Ta Instruments, Inc. Method and apparatus of modulated-temperature thermogravimetry
JP3370581B2 (ja) * 1997-11-28 2003-01-27 セイコーインスツルメンツ株式会社 高速熱分析装置
JP3370592B2 (ja) 1998-01-19 2003-01-27 セイコーインスツルメンツ株式会社 示差熱分析装置
US6007240A (en) * 1998-04-14 1999-12-28 Ta Instruments, Inc. Method and apparatus for modulated-temperature thermomechanical analysis
ATE313073T1 (de) * 2000-02-03 2005-12-15 Mettler Toledo Gmbh Modulationsverfahren und vorrichtung für die thermoanalyse eines materials
US6497509B2 (en) * 2000-06-08 2002-12-24 Perkinelmer Instruments Llc Method for measuring absolute value of thermal conductivity
US20030007542A1 (en) * 2001-06-22 2003-01-09 Thermo Cahn Corporation Thermogravimetric analyzer
JP3798673B2 (ja) * 2001-10-23 2006-07-19 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 熱重量測定装置
US7223603B2 (en) * 2002-05-10 2007-05-29 University Of Wyoming Research Corporation Continuous on-line process control of residua distillation
FR2850460B1 (fr) * 2003-01-23 2005-12-30 Toulouse Inst Nat Polytech Dispositif et procede de test par thermogravimetrie
US20050025212A1 (en) * 2003-08-01 2005-02-03 Carter Malika Dothresa Standards for the calibration of a vacuum thermogravimetric analyzer for determination of vapor pressures of compounds
US7416328B2 (en) * 2004-12-28 2008-08-26 Waters Investments Limited System and method for a thermogravimetric analyzer having improved dynamic weight baseline
JP4819829B2 (ja) * 2005-01-04 2011-11-24 メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト 物質を分析するための方法および装置
DE102007058390B4 (de) * 2007-12-03 2009-10-01 Sartorius Ag Vorrichtung zur thermogravimetrischen Materialfeuchtebestimmung
RU2469299C1 (ru) * 2011-09-02 2012-12-10 Открытое акционерное общество "Корпорация "Росхимзащита" (ОАО "Корпорация "Росхимзащита") Способ определения энергии активации процесса десорбции

Also Published As

Publication number Publication date
EP2848926B1 (en) 2015-12-23
US20150078415A1 (en) 2015-03-19
JP2015055628A (ja) 2015-03-23
CN104458478A (zh) 2015-03-25
CN104458478B (zh) 2017-03-22
US9389194B2 (en) 2016-07-12
EP2848926A1 (en) 2015-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5953348B2 (ja) 変調熱重量分析用の分析システム及び分析方法
Herbert et al. Measuring the constitutive behavior of viscoelastic solids in the time and frequency domain using flat punch nanoindentation
JP6585915B2 (ja) 温度変調式熱重量分析
RU2007140372A (ru) Устройство и способ прогнозирования температуры человека
JP2014514093A5 (ja) 検体センサを較正する方法及び該方法を実施するべく構成されたセンサシステム
US6497509B2 (en) Method for measuring absolute value of thermal conductivity
Labudová et al. Uncertainty of the thermal conductivity measurement using the transient hot wire method
Walter et al. On the wall slip phenomenon of elastomers in oscillatory shear measurements using parallel-plate rotational rheometry: II. Influence of experimental conditions
US7470058B2 (en) Method and device for a thermoanalytical material analysis
Veldman Implementation of an accelerometer transverse sensitivity measurement system
Moukhina Direct analysis in modulated thermogravimetry
Curà et al. Mechanical and thermal parameters for high‐cycle fatigue characterization in commercial steels
EP3546921A1 (en) Sample identification method based on chemical sensor measurement, sample identification device, and input parameter estimation method
Abramov et al. Determination of dynamic characteristics of heat fire detectors
JP4819829B2 (ja) 物質を分析するための方法および装置
Wen et al. Quantification of damage expansion influence on frequency response function of plate for structural health monitoring with integral differential method
Diniz et al. Methodology for estimating measurement uncertainty in the dynamic calibration of industrial temperature sensors
CN114787623A (zh) 用于运行气体传感器的方法和设备
CN110954687B (zh) 一种用于凝血检测的方法与设备
Defer et al. Determination of thermal properties in the frequency domain based on a non-integer model: application to a sample of concrete
Guba et al. Comparison of the accuracy of curve-fitting methods for the determination of gas permeability parameters of sheet polymer samples
Alshawaf A Novel Thermal Method for Pipe Flow Measurements Using a Non-invasive BTU Meter
RU1773164C (ru) Способ вибрационных испытаний объектов
San Millán-Castillo et al. A practical method for vibration frequency response characterization of handheld probes using Bootstrap in building acoustics
Doughty et al. Numerical enhancement of nonlinear model tracking for health monitoring

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5953348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250