WO2022196740A1

WO2022196740A1 - コネクタ及びコネクタセット

Info

Publication number: WO2022196740A1
Application number: PCT/JP2022/012075
Authority: WO
Inventors: 英生塩田; 誉仁大熊; 隆之新井; 大輔野口
Original assignee: イリソ電子工業株式会社
Priority date: 2021-03-17
Filing date: 2022-03-16
Publication date: 2022-09-22
Also published as: JPWO2022196740A1; JPWO2022195986A1; WO2022195986A1; WO2022195987A1; JPWO2022195987A1

Abstract

コネクタ１００，１００Ａ，１００Ｂは、信号端子３０と、接地端子４０と、ハウジング１０，５０と、を備える。そして、接地端子４０は、信号端子３０を挟むように配置された一対の対向配置部４１ａ，４２ａ，４３，４４ａ，４５，４６ａ，４７ａを有する。コネクタ２００，２００Ｂは、信号端子８０と、接地端子６０と、ハウジング７０と、を備える。接地端子６０は、信号端子８０を挟むように配置された一対の対向配置部６２ｂ、６２ｂを有する。

Description

コネクタ及びコネクタセット

　本開示は、フローティングコネクタ及びコネクタに関する。

　従来、特許文献１に記載されたようなフローティングコネクタが知られている。このフローティングコネクタは、取付対象物に固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して移動可能である可動ハウジングと、固定ハウジングに保持されていると共に可動ハウジングに保持された信号端子と、を備えている。

　信号端子は、固定ハウジングに保持された部分と可動ハウジングに保持された部分との間に、弾性変形容易な中間弾性部を有している。これにより、固定ハウジングに対して可動ハウジングが移動可能になっている。

特開２０１５－０３５２８３号公報特開２０１７－０３３８３２号公報

　上述のようなフローティングコネクタでは、信号端子の中間弾性部が変形するための空間が必要であるため、中間弾性部が空気中に露出している。このため、信号端子のインピーダンスが中間弾性部において上昇しやすい。信号端子の一部においてインピーダンスが上昇しやすいと、信号端子のインピーダンスの整合が困難になるという問題がある。

　本開示の第１の目的は、信号端子が中間弾性部を有する場合において、中間弾性部のインピーダンスの上昇を抑制することである。

　本開示では、物（コネクタ、その構成部品等）の構造、形状を説明する場合、当該物を基準とした方向概念であって互いに垂直な方向概念であるＸ方向、Ｙ方向及びＺ方向を用いる。

＜第１の態様＞
　第１－１の態様に係るフローティングコネクタは、取付対象物に固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能である可動ハウジングと、前記固定ハウジングに保持された固定側被保持部、前記可動ハウジングに保持された可動側被保持部、及び、前記固定側被保持部と前記可動側被保持部との間に位置する弾性変形容易な中間弾性部を有する信号端子と、前記中間弾性部をシールドする中間シールド部を有するシールド端子と、を備える。

　上記態様では、フローティングコネクタは、取付対象物に固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して移動可能である可動ハウジングと、信号端子と、を備える。信号端子は、固定ハウジングに保持された固定側被保持部、可動ハウジングに保持された可動側被保持部、及び、固定側被保持部と可動側被保持部との間に位置する弾性変形容易な中間弾性部を有する。

　ここで、フローティングコネクタは、中間シールド部を有するシールド端子を備える。中間シールド部は、中間弾性部をシールドする。このため、中間弾性部のインピーダンスの上昇が抑制される。

　第１－２の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記シールド端子は、前記固定ハウジングに保持されたシールド固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持されたシールド可動側被保持部と、前記シールド固定側被保持部と前記シールド可動側被保持部との間に位置する前記中間シールド部と、を有し、前記シールド端子は、前記中間シールド部と前記シールド固定側被保持部とを連結する弾性変形容易な固定側連結部、又は、前記中間シールド部と前記シールド可動側被保持部とを連結する弾性変形容易な可動側連結部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、固定ハウジングに保持されたシールド固定側被保持部と、可動ハウジングに保持されたシールド可動側被保持部と、シールド固定側被保持部とシールド可動側被保持部との間に位置する中間シールド部と、を有する。

　ここで、シールド端子は、中間シールド部とシールド固定側被保持部とを連結する弾性変形容易な固定側連結部、又は、中間シールド部とシールド可動側被保持部とを連結する弾性変形容易な可動側連結部を有する。このため、固定側連結部又は可動側連結部が変形することで、固定ハウジングに対する可動ハウジングの移動が許容される。

　第１－３の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２の態様において、前記固定側連結部又は前記可動側連結部は、前記中間シールド部よりも細幅である。

　上記態様では、固定側連結部又は可動側連結部は、中間シールド部よりも細幅である。
　このため、相対的に細幅である固定側連結部又は可動側連結部によって、固定ハウジングに対する可動ハウジングの移動が許容されると共に、相対的に太幅である中間シールド部によって、中間弾性部が広い範囲でシールドされる。

　第１－４の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記シールド端子は、前記固定ハウジングに保持されたシールド固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持されたシールド可動側被保持部と、前記シールド固定側被保持部と前記シールド可動側被保持部との間に位置する前記中間シールド部と、を有し、前記シールド端子は、前記中間シールド部と前記シールド固定側被保持部とを連結する弾性変形容易な固定側連結部、及び、前記中間シールド部と前記シールド可動側被保持部とを連結する弾性変形容易な可動側連結部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、中間シールド部とシールド固定側被保持部とを連結する弾性変形容易な固定側連結部、及び、中間シールド部とシールド可動側被保持部とを連結する弾性変形容易な可動側連結部を有する。
　このため、固定ハウジングに対する可動ハウジングの移動だけでなく、固定ハウジング及び可動ハウジングに対する中間シールド部の移動も許容される。

　第１－５の態様に係るフローティングコネクタは、第１－４の態様において、前記固定側連結部及び前記可動側連結部は、前記中間シールド部よりも細幅である。

　上記態様では、固定側連結部及び可動側連結部は、中間シールド部よりも細幅である。
　これにより、相対的に細幅である固定側連結部及び可動側連結部によって、固定ハウジングに対する可動ハウジングの移動、並びに、固定ハウジング及び可動ハウジングに対する中間シールド部の移動が許容されると共に、相対的に太幅である中間シールド部によって、信号端子の中間弾性部が広い範囲でシールドされる。

　第１－６の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－５の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を２以上の方向からシールドする。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部を２以上の方向からシールドする。このため、中間シールド部が中間弾性部を１方向からしかシールドしない態様と比べて、中間弾性部のインピーダンスを大きく低下させることができる。

　第１－７の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－６の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部及び他方の中間側方部を有する。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部及び他方の中間側方部を有する。このため、中間弾性部が、相対する２方向（Ｙ方向両側）からシールドされる。

　第１－８の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記一方の中間側方部及び前記他方の中間側方部の板厚方向は、Ｙ方向を向く。

　上記態様では、一方の中間側方部及び他方の中間側方部の板厚方向は、Ｙ方向を向く。これにより、中間側方部の圧延面が中間弾性部に対向するので、中間側方部が広い範囲でシールドされる。

　第１－９の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－８の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部を有する。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部を有する。このため、中間弾性部が、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－１０の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－８の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部をＹ方向に垂直な方向であって当該中間弾性部を挟み込む方向からシールドする一対の中間垂直方向部を有する。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部をＹ方向に垂直な方向であって当該中間弾性部を挟み込む方向からシールドする一対の中間垂直方向部を有する。このため、中間弾性部が、Ｙ方向に垂直な方向であって当該中間弾性部を挟み込む方向からシールドされる。

　第１－１１の態様に係るフローティングコネクタは、第１－９又は第１－１０の態様において、前記中間垂直方向部の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向であって前記中間弾性部側の方向を向く。

　上記態様では、中間垂直方向部の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向であって中間弾性部側の方向を向く。このため、中間垂直方向部の圧延面が中間弾性部に対向するので、中間弾性部が広い範囲でシールドされる。

　第１－１２の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－１１の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部が形成する信号経路を包囲する筒状部を備える。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部が形成する信号経路を包囲する筒状部を備える。このため、中間弾性部が、その信号経路を包囲する方向からシールドされる。
　なお、ここでいう「信号経路を包囲する筒状部」には、周方向に隙間が存在しない完全な筒状のもののほか、周方向に若干の隙間があるものも含まれる。

　第１－１３の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－１２の何れかの態様において、前記中間弾性部は、Ｙ方向に垂直な平面に沿って延び、前記中間弾性部の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向を向く。

　上記態様では、中間弾性部は、Ｙ方向に垂直な平面に沿って延び、中間弾性部の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向を向く。このため、中間弾性部の板幅方向はＹ方向を向く。

　第１－１４の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記中間弾性部は、Ｙ方向に垂直な平面に沿って延び、前記中間弾性部の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向を向く。

　上記態様では、一方の中間側方部及び他方の中間側方部によって、中間弾性部の板厚面がシールドされる。
　なお、板厚面とは、板厚方向に略平行な面をいい、例えば、板材の打ち抜き加工により形成された面が板厚面に該当する。

　第１－１５の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－１４の何れかの態様において、前記シールド端子は、前記固定側被保持部をシールドする固定側シールド部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、固定側被保持部をシールドする固定側シールド部を有する。このため、固定側被保持部のインピーダンスの上昇が抑制される。

　第１－１６の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１５の態様において、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有する。

　上記態様では、固定側シールド部は、固定側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有する。このため、固定側被保持部が、相対する２方向（Ｙ方向両側）からシールドされる。

　第１－１７の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１５の態様において、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有する。

　上記態様では、固定側シールド部は、固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有する。このため、固定側被保持部がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－１８の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１６の態様において、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有する。

　上記態様では、固定側被保持部が、Ｙ方向両側からシールドされると共に、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－１９の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１８の態様において、前記固定側垂直方向部は、前記一方の固定側側方部から延出された一方の固定側垂直方向部と、前記他方の固定側側方部から延出された他方の固定側垂直方向部と、から構成される。

　上記態様では、固定側垂直方向部は、一方の固定側側方部から延出された一方の固定側垂直方向部と、他方の固定側側方部から延出された他方の固定側垂直方向部と、から構成される。

　第１－２０の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１７～第１－１９の何れかの態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部のうち前記固定側被保持部に隣接する部分を、Ｙ方向に垂直な方向からシールドする追加中間垂直方向部を有し、前記追加中間垂直方向部は、前記固定側垂直方向部から延出される。

　上記態様では、中間シールド部は、中間弾性部のうち固定側被保持部に隣接する部分を、Ｙ方向に垂直な方向からシールドする追加中間垂直方向部を有する。追加中間垂直方向部は、固定側垂直方向部から延出される。
　このため、中間弾性部のうち固定側被保持部に隣接する部分が、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－２１の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記シールド端子は、前記固定側被保持部をシールドする固定側シールド部を有し、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向又は－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部又は他方の中間側方部を有し、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部を＋Ｙ方向又は－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部又は他方の固定側側方部を有し、前記固定側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記固定側被保持部の＋Ｙ方向端は、前記中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、前記固定側被保持部の－Ｙ方向端は、前記中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置し、前記一方の固定側側方部は前記一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置するか、又は、前記他方の固定側側方部は前記他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。

　上記態様では、固定側被保持部のＹ方向寸法は、中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きい。これにより、固定側被保持部の＋Ｙ方向端は、中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、固定側被保持部の－Ｙ方向端は、中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置する。
　ここで、一方の固定側側方部は一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置するか、又は、他方の固定側側方部は他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。このため、幅広に形成された固定側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－２２の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記シールド端子は、前記固定側被保持部をシールドする固定側シールド部を有し、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有し、前記固定側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記固定側被保持部の＋Ｙ方向端は、前記中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、前記固定側被保持部の－Ｙ方向端は、前記中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置し、前記一方の固定側側方部は前記一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、前記他方の固定側側方部は前記他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。

　上記態様では、一方の固定側側方部は一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、他方の固定側側方部は他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。
　このため、固定側被保持部及び中間弾性部をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された固定側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－２３の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記シールド端子は、前記固定側被保持部をシールドする固定側シールド部を有し、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有し、前記固定側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記一方の固定側側方部及び前記他方の固定側側方部のＹ方向間隔は、前記一方の中間側方部及び前記他方の中間側方部のＹ方向間隔よりも大きい。

　上記態様では、固定側被保持部のＹ方向寸法は、中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きい。そして、一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部のＹ方向間隔は、一方の中間側方部及び他方の中間側方部のＹ方向間隔よりも大きい。
　このため、固定側被保持部及び中間弾性部をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された固定側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－２４の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－２３の態様において、前記シールド端子は、前記可動側被保持部をシールドする可動側シールド部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、可動側被保持部をシールドする可動側シールド部を有する。このため、可動側被保持部のインピーダンスの上昇が抑制される。

　第１－２５の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２４の態様において、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有する。

　上記態様では、可動側シールド部は、可動側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有する。このため、可動側被保持部がＹ方向両側からシールドされる。

　第１－２６の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２４の態様において、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする可動側垂直方向部を有する。

　上記態様では、可動側シールド部は、可動側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする可動側垂直方向部を有する。このため、可動側被保持部がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－２７の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２５の態様において、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする可動側垂直方向部を有する。

　上記態様では、可動側被保持部が、Ｙ方向両側からシールドされると共に、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－２８の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１～第１－２７の何れかの態様において、前記信号端子は、接続対象物に接触する接触部が形成された先端側部を有し、前記シールド端子は、前記先端側部をシールドする先端側シールド部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、信号端子の先端側部をシールドする先端側シールド部を有する。このため、先端側部のインピーダンスの上昇が抑制される。

　第１－２９の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２８の態様において、前記先端側部は、前記接触部と、前記接触部を弾性支持する先端弾性部と、を有する。

　上記態様では、信号端子の先端側部は、接触部と、接触部を弾性支持する先端弾性部と、を有する。このため、信号端子の接触圧を確保できる。

　第１－３０の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２８又は第１－２９の態様において、前記先端側シールド部は、前記先端側部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の先端側側方部及び他方の先端側側方部を有する。

　上記態様では、先端側シールド部は、先端側部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の先端側側方部及び他方の先端側側方部を有する。このため、先端側部がＹ方向両側からシールドされる。

　第１－３１の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２８又は第１－２９の態様において、前記先端側シールド部は、前記先端側部をＹ方向に垂直な方向からシールドする先端側垂直方向部を有する。

　上記態様では、先端側シールド部は、先端側部をＹ方向に垂直な方向からシールドする先端側垂直方向部を有する。このため、先端側部がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－３２の態様に係るフローティングコネクタは、第１－３０の態様において、前記先端側シールド部は、前記先端側部をＹ方向に垂直な方向からシールドする先端側垂直方向部を有する。

　上記態様では、先端側部が、Ｙ方向両側からシールドされると共に、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　第１－３３の態様に係るフローティングコネクタは、第１－３０又は第１－３２の態様において、前記一方の先端側側方部には、接続対象物に接触する一方のシールド接触部が形成され、前記他方の先端側側方部には、接続対象物に接触する他方のシールド接触部が形成される。

　上記態様では、一方の先端側側方部には、接続対象物に接触する一方のシールド接触部が形成され、他方の先端側側方部には、接続対象物に接触する他方のシールド接触部が形成される。このため、先端側シールド部とは別に、シールド接触部を形成する必要がない。

　第１－３４の態様に係るフローティングコネクタは、第１－３３の態様において、前記一方の先端側側方部は、前記一方のシールド接触部と、前記一方のシールド接触部を弾性支持する一方のシールド先端弾性部と、を有し、前記他方の先端側側方部は、前記他方のシールド接触部と、前記他方のシールド接触部を弾性支持する他方のシールド先端弾性部と、を有する。

　上記態様では、一方の先端側側方部は、一方のシールド接触部と、一方のシールド接触部を弾性支持する一方のシールド先端弾性部と、を有し、他方の先端側側方部は、他方のシールド接触部と、他方のシールド接触部を弾性支持する他方のシールド先端弾性部と、を有する。
　このため、シールド端子の接触圧を確保できる。

　第１－３５の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２５の態様において、前記信号端子は、接続対象物に接触する接触部が形成された先端側部を有し、前記シールド端子は、前記先端側部をシールドする先端側シールド部を有し、前記先端側シールド部は、前記先端側部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の先端側側方部及び他方の先端側側方部を有し、前記一方の先端側側方部は、前記一方の可動側側方部から延出され、前記他方の先端側側方部は、前記他方の可動側側方部から延出される。

　上記態様では、先端側シールド部は、一方の先端側側方部及び他方の先端側側方部を有し、一方の先端側側方部は一方の可動側側方部から延出され、他方の先端側側方部は他方の可動側側方部から延出される。

　第１－３６の態様に係るフローティングコネクタは、第１－３１又は第１－３２の態様において、前記先端側垂直方向部のＹ方向寸法は、前記先端側部のＹ方向寸法よりも大きい。

　上記態様では、先端側垂直方向部のＹ方向寸法は、先端側部のＹ方向寸法よりも大きい。このため、先端側部が広い範囲でシールドされる。

　第１－３７の態様に係るフローティングコネクタは、第１－２６又は第１－２７の態様において、前記信号端子は、接続対象物に接触する接触部が形成された先端側部を有し、前記シールド端子は、前記先端側部をシールドする先端側シールド部を有し、前記先端側シールド部は、前記先端側部をＹ方向に垂直な方向からシールドする先端側垂直方向部を有し、前記先端側垂直方向部は、前記可動側垂直方向部から延出され、前記先端側垂直方向部は、前記可動側垂直方向部に対しＸ方向で離れる位置に位置する本体部と、前記本体部と前記可動側垂直方向部とを連結する基端部と、を有する。

　上記態様では、先端側垂直方向部は、可動側垂直方向部から延出される。
　ここで、先端側垂直方向部は、可動側垂直方向部に対しＸ方向で離れる位置に位置する本体部と、本体部と可動側垂直方向部とを連結する基端部と、を有する。このため、可動側垂直方向部を可動側被保持部に近づけることができると共に、先端側部と先端側垂直方向部との間隔を確保することができる。

　第１－３８の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記シールド端子は、前記可動側被保持部をシールドする可動側シールド部を有し、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向又は－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部又は他方の中間側方部を有し、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部を＋Ｙ方向又は－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部又は他方の可動側側方部を有し、前記可動側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記可動側被保持部の＋Ｙ方向端は、前記中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、前記可動側被保持部の－Ｙ方向端は、前記中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置し、前記一方の可動側側方部は前記一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置するか、又は、前記他方の可動側側方部は前記他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。

　上記態様では、可動側被保持部のＹ方向寸法は、中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きい。これにより、可動側被保持部の＋Ｙ方向端は、中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、可動側被保持部の－Ｙ方向端は、中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置する。
　ここで、一方の可動側側方部は一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置するか、又は、他方の可動側側方部は他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。このため、幅広に形成された可動側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－３９の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記シールド端子は、前記可動側被保持部をシールドする可動側シールド部を有し、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有し、前記可動側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記可動側被保持部の＋Ｙ方向端は、前記中間弾性部の＋Ｙ方向端よりも＋Ｙ方向側に位置し、前記可動側被保持部の－Ｙ方向端は、前記中間弾性部の－Ｙ方向端よりも－Ｙ方向側に位置し、前記一方の可動側側方部は前記一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、前記他方の可動側側方部は前記他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。

　上記態様では、一方の可動側側方部は一方の中間側方部よりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、他方の可動側側方部は他方の中間側方部よりも－Ｙ方向側に位置する。
　このため、可動側被保持部及び中間弾性部をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された可動側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－４０の態様に係るフローティングコネクタは、第１－７の態様において、前記シールド端子は、前記可動側被保持部をシールドする可動側シールド部を有し、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からをシールドする一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有し、前記可動側被保持部のＹ方向寸法は、前記中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きく、前記一方の可動側側方部及び前記他方の可動側側方部のＹ方向間隔は、前記一方の中間側方部及び前記他方の中間側方部のＹ方向間隔よりも大きい。

　上記態様では、可動側被保持部のＹ方向寸法は、中間弾性部のＹ方向寸法よりも大きい。そして、一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部のＹ方向間隔は、一方の中間側方部及び他方の中間側方部のＹ方向間隔よりも大きい。
　このため、可動側被保持部及び中間弾性部をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された可動側被保持部のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　第１－４１の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記シールド端子は、前記中間シールド部と、前記固定側被保持部をシールドする固定側シールド部と、前記可動側被保持部をシールドする可動側シールド部と、を有し、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部及び他方の中間側方部を有し、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有し、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有する。

　上記態様では、シールド端子は、中間シールド部と、固定側シールド部と、可動側シールド部と、を有する。そして、中間シールド部は、一方の中間側方部及び他方の中間側方部を有し、固定側シールド部は、一方の固定側側方部及び他方の固定側側方部を有し、可動側シールド部は、一方の可動側側方部及び他方の可動側側方部を有する。
　このため、信号端子の中間弾性部、固定側被保持部及び可動側被保持部が広い範囲でシールドされるので、信号端子のインピーダンスが適切に整合される。

　第１－４２の態様に係るフローティングコネクタは、第１－４１の態様において、前記中間シールド部は、前記固定側シールド部と前記可動側シールド部との間に位置し、前記シールド端子は、前記中間シールド部と前記固定側シールド部とを連結する弾性変形容易な固定側連結部、及び、前記中間シールド部と前記可動側シールド部とを連結する弾性変形容易な可動側連結部を有し、前記固定側連結部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側連結部及び他方の固定側連結部を有し、前記可動側連結部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側連結部及び他方の可動側連結部を有する。

　上記態様では、固定側連結部は、中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側連結部及び他方の固定側連結部を有し、可動側連結部は、中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側連結部及び他方の可動側連結部を有する。
　このため、固定側連結部及び可動側連結部によっても、信号端子の中間弾性部がシールドされるので、信号端子のインピーダンスがより適切に整合される。

　第１－４３の態様に係るフローティングコネクタは、第１－４１又は第１－４２の態様おいて、前記中間シールド部は、前記中間弾性部をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部を有し、前記固定側シールド部は、前記固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有し、前記可動側シールド部は、前記可動側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする可動側垂直方向部を有する。

　上記態様では、中間弾性部、固定側被保持部及び可動側被保持部のそれぞれが、Ｙ方向に垂直な方向からもシールドされるので、信号端子のインピーダンスがより適切に整合される。

　第１－４４の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部を有し、前記シールド端子は、前記可動ハウジングに対し、－Ｚ方向側から圧入され、前記中間垂直方向部は、前記中間弾性部の－Ｚ方向側に配置される。

　上記態様では、中間垂直方向部は、中間弾性部の－Ｚ方向側に配置される。
　このため、シールド端子が、可動ハウジングに対し－Ｚ方向側から圧入される場合において、信号端子を既に保持している状態の可動ハウジングに、シールド端子を圧入することができる。
　なお、後述の実施形態では、信号端子に対する可動ハウジングの保持は、圧入による保持である。しかし、この態様は、これに限定されず、信号端子に対する可動ハウジングの保持は、インサート成形による保持であってもよい。

　第１－４５の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記フローティングコネクタは、追加シールド部材を備え、前記追加シールド部材は、前記固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有する。

　上記態様では、フローティングコネクタは、追加シールド部材を備える。追加シールド部材は、固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部を有する。
　このため、シールド端子が固定側垂直方向部を有しない場合やシールド端子の固定側垂直方向部によるシールド効果が不充分な場合においても、固定側被保持部をＹ方向に垂直な方向からシールドすることができる。
　なお、シールド端子が固定側垂直方向部を有しないことには、シールド端子の形成を容易にする利点や、信号端子及びシールド端子を可動ハウジングに保持させる工程における作業性を向上させる利点などの利点がある。

　第１－４６の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記フローティングコネクタは、追加シールド部材を備え、前記追加シールド部材は、前記中間弾性部を－Ｘ方向側からシールドする部分を有する。

　上記態様では、フローティングコネクタは、追加シールド部材を備える。追加シールド部材は、中間弾性部を－Ｘ方向側からシールドする部分を有する。
　このため、シールド端子のみでは中間弾性部のシールドが充分でない場合でも、中間弾性部に対するシールド効果を高めることができる。
　なお、シールド端子の製造上の理由及びその他の理由から、シールド端子のみで中間弾性部を充分にシールドすることは容易でない場合がある。

　第１－４７の態様に係るフローティングコネクタは、第１－１の態様において、前記中間シールド部は、前記中間弾性部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部及び他方の中間側方部と、前記中間弾性部をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部と、を有し、前記中間垂直方向部は、前記一方の中間側方部に曲部を介して接続された一方の中間垂直方向部と、前記他方の中間側方部に曲部を介して接続された他方の中間垂直方向部と、を有し、前記一方の中間垂直方向部の端部と前記他方の中間垂直方向部の端部とは、Ｙ方向で対向しており、前記一方の中間垂直方向部の前記端部及び前記他方の中間垂直方向部の前記端部は、それらの板厚方向から見て、前記シールド端子の製造工程において一部が重なる状態を実現可能な形状である。

　上記態様では、一方の中間垂直方向部の端部と他方の中間垂直方向部の端部とは、Ｙ方向で対向している。
　ここで、両者の間の隙間は、小さい方がシールド効果の観点から好ましい。
　そこで、上記態様では、一方の中間垂直方向部の端部及び他方の中間垂直方向部の端部は、それらの板厚方向から見て、シールド端子の製造工程において一部が重なる状態を実現可能な形状である。
　このため、一方の中間垂直方向部の端部及び他方の中間垂直方向部の端部を、シールド端子の製造工程においてそれらの板厚方向から見て一部が重なる状態にすることで、上記隙間を小さくすることができる。

＜第２の態様＞
　第２－１の態様に係るコネクタは、内側導体部、前記内側導体部を包囲する外側導体部、及び、前記内側導体部と前記外側導体部との間に配置された誘電体部を有する基部と、相手コネクタの嵌合孔に対して－Ｚ方向に挿入可能な先端部と、を備えるコネクタであって、前記先端部は、前記内側導体部と接続され、前記相手コネクタの相手信号端子に接触する信号接触部と、前記外側導体部と接続され、前記相手コネクタの相手シールド端子に接触するシールド接触部と、を有し、－Ｚ方向に直交する断面積に関し、前記先端部は前記基部よりも小さい。

　上記態様では、コネクタは、基部と、相手コネクタの嵌合孔に対して－Ｚ方向に挿入可能な先端部と、を備える。基部は、内側導体部、内側導体部を包囲する外側導体部、及び、内側導体部と外側導体部との間に配置された誘電体部を有する。
　このため、内側導体部のインピーダンスが整合される。

　先端部は、相手コネクタの相手信号端子に接触する信号接触部と、相手コネクタの相手シールド端子に接触するシールド接触部と、を有する。信号接触部は内側導体部と接続されており、シールド接触部は外側導体部と接続されている。
　このため、先端部が相手コネクタの嵌合孔に挿入されることで、基部の外側導体部と相手コネクタの相手シールド端子とが接続されると共に、基部の内側導体部と相手コネクタの相手信号端子とが接続される。

　ここで、－Ｚ方向（先端部が嵌合孔に挿入される方向、以下、挿入方向ということがある。）に直交する断面積に関し、先端部は基部よりも小さい。換言すると、先端部の断面積（挿入方向に直交する断面積）は、基部の断面積（挿入方向に直交する断面積）よりも小さい。
　このため、先端部の断面積が基部の断面積と同一である態様と比較して、相手コネクタの嵌合孔の断面積（挿入方向に直交する断面積）が小さくて済む。その結果、基部の断面積を小さくすることなく、相手コネクタのうち嵌合孔が形成された部分（嵌合部）を挿入方向に垂直な方向において小型化することができる。

　第２－２の態様に係るコネクタは、第２－１の態様において、前記先端部は、Ｚ方向視で前記基部に隠れる形状である。

　上記態様では、先端部は、Ｚ方向視で基部に隠れる形状である。このため、挿入方向に直交する方向において、コネクタを小型化することができる。

　第２－３の態様に係るコネクタは、第２－１又は第２－２の態様において、前記先端部と前記基部とはＺ方向で隣接している。

　上記態様では、先端部と基部とはＺ方向で隣接している。このため、先端部と基部との間に他の構造が存在している態様と比べて、コネクタを小型化することができる。

　第２－４の態様に係るコネクタは、第２－３の態様において、前記基部の前記誘電体部は、前記相手コネクタに対向可能に露出する露出面を有する。

　上記態様では、基部の誘電体部は、相手コネクタに対向可能に露出する露出面を有する。このため、基部の誘電体部と相手コネクタとの間に他の構造が介在することとなる態様と比べて、コネクタを小型化することができる。

　第２－５の態様に係るコネクタは、第２－１～第２－４の何れかの態様において、前記信号接触部及び前記シールド接触部は、前記先端部の－Ｘ方向側の面に形成され、前記シールド接触部は、前記信号接触部の＋Ｙ方向側及び－Ｙ方向側に位置する一方のシールド接触部及び他方のシールド接触部を有する。

　上記態様では、信号接触部及びシールド接触部は、先端部の－Ｘ方向側の面に形成される。そして、シールド接触部は、信号接触部の＋Ｙ方向側及び－Ｙ方向側に位置する一方のシールド接触部及び他方のシールド接触部を有する。
　このため、信号接触部がＹ方向両側からシールドされる。

　第２－６の態様に係るコネクタは、第２－５の態様において、前記先端部は、先端部側誘電体部と、前記先端部側誘電体部の外面を覆う先端部側外側導体部と、を有し、前記先端部側外側導体部は、前記先端部側誘電体部を＋Ｘ方向及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方のＸ方向側部と、前記先端部側誘電体部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向から覆う一方及び他方のＹ方向側部と、を有し、前記一方のシールド接触部及び前記他方のシールド接触部は、前記他方のＸ方向側部に形成される。

　上記態様では、先端部は、先端部側誘電体部と、先端部側誘電体部の外面を覆う先端部側外側導体部と、を有する。先端部側外側導体部は、先端部側誘電体部を＋Ｘ方向及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方のＸ方向側部と、先端部側誘電体部を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向から覆う一方及び他方のＹ方向側部と、を有する。そして、一方のシールド接触部及び他方のシールド接触部は、他方のＸ方向側部に形成される。
　これにより、先端部側誘電体部を概ね包囲するように先端部側外側導体部が配置されるので、インピーダンスを更に下げることができる。

　第２－７の態様に係るコネクタは、第２－１の態様において、前記コネクタは、前記基部の前記内側導体部及び前記信号接触部が形成された信号端子と、前記基部の前記外側導体部及び前記シールド接触部が形成されたシールド端子と、前記基部の前記誘電体部である基部側誘電体部が形成されたハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記先端部の一部を構成する先端部側誘電体部が形成され、前記シールド端子は、前記基部側誘電体部を＋Ｘ方向側及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方の基部側Ｘ方向部と、前記先端部側誘電体部を＋Ｘ方向側及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方の先端側Ｘ方向部と、を有し、前記シールド端子は、板材に対し曲げ加工を施して形成されたものであり、前記一方の基部側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端部、又は前記他方の基部側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端部には、前記シールド端子の製造工程におけるキャリアとの接続部分を切断したキャリア切断部が形成され、前記一方の基部側Ｘ方向部を基準にして、前記シールド端子の曲げられた部分を展開した場合、前記一方の基部側Ｘ方向部、前記一方の先端部側Ｘ方向部、前記他方の先端部側Ｘ方向部及び前記他方の基部側Ｘ方向部は、Ｚ方向に沿ってこの順に並ぶ。

　上記態様では、コネクタは、信号端子と、シールド端子と、ハウジングと、を備える。信号端子には、基部の内側導体部及び信号接触部が形成されている。シールド端子には、基部の外側導体部及びシールド接触部が形成されている。ハウジングには、基部の誘電体部である基部側誘電体部と、先端部の一部を構成する先端部側誘電体部と、が形成されている。シールド端子は、一方及び他方の基部側Ｘ方向部と、一方及び他方の先端側Ｘ方向部と、を有する。シールド端子は、板材に対し曲げ加工を施して形成されたものである。

　ここで、一方の基部側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端部、又は他方の基部側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端部には、シールド端子の製造工程におけるキャリアとの接続部分を切断したキャリア切断部が形成されている。そして、一方の基部側Ｘ方向部を基準にして、シールド端子の曲げられた部分を展開した場合、一方の基部側Ｘ方向部、一方の先端部側Ｘ方向部、他方の先端部側Ｘ方向部及び他方の基部側Ｘ方向部は、Ｚ方向に沿ってこの順に並ぶ。
　このため、シールド端子の製造工程における曲げ加工を施す前の状態において、一方の基部側Ｘ方向部、一方の先端部側Ｘ方向部、他方の先端部側Ｘ方向部及び他方の基部側Ｘ方向部がキャリアの送り方向に垂直な方向に沿って配置されることとなる。したがって、キャリアの送り方向の寸法が小さい材料でシールド端子を形成できる。よって、材料のキャリア送り方向の寸法に対して効率よくシールド端子を製造することができる。

　第２－８の態様に係るコネクタは、第２－１の態様において、前記コネクタは、前記基部の前記内側導体部及び前記信号接触部が形成された信号端子と、前記基部の前記外側導体部及び前記シールド接触部が形成されたシールド端子と、前記基部の前記誘電体部である基部側誘電体部が形成されたハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記先端部の一部を構成する先端部側誘電体部が形成され、前記シールド端子は、前記先端部側誘電体部を＋Ｘ方向側及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方の先端側Ｘ方向部と、前記一方の先端側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端部と、前記他方の先端側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端部とを連結する先端側連結部と、を有し、前記シールド接触部は、前記他方の先端側Ｘ方向部に形成され、前記先端側連結部は、Ｙ方向から見て－Ｚ方向を凸とする湾曲形状に曲げられている。

　上記態様では、シールド端子は、一方の先端側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端部と、他方の先端側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端部とを連結する先端側連結部を有する。そして、先端側連結部は、Ｙ方向から見て－Ｚ方向を凸とする湾曲形状に曲げられている。
　このため、コネクタを相手コネクタと接続する際、相手コネクタの相手シールド端子が先端側連結部に接触した場合でも、シールド接触部が形成された他方の先端側Ｘ方向部へ相手シールド端子をスムーズに案内することができる。

　第２－９の態様に係るコネクタは、第２－１の態様において、前記コネクタは、前記基部の前記内側導体部及び前記信号接触部が形成された信号端子と、前記基部の前記外側導体部及び前記シールド接触部が形成されたシールド端子と、前記基部の前記誘電体部である基部側誘電体部が形成されたハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記先端部の一部を構成する先端部側誘電体部が形成され、前記シールド端子は、前記基部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆う他方の基部側Ｘ方向部と、前記先端部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆う他方の先端側Ｘ方向部と、前記他方の基部側Ｘ方向部と前記他方の先端側Ｘ方向部とを繋ぐ中間連結部と、を有し、前記他方の基部側Ｘ方向部と前記他方の先端側Ｘ方向部とは、Ｘ方向で異なる位置にあり、前記シールド接触部は、前記他方の先端側Ｘ方向部に形成され、前記中間連結部は、前記他方の基部側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端と、前記他方の先端側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端とを繋ぐ。

　上記態様では、中間連結部は、他方の基部側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端と、他方の先端側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端とを繋ぐ。
　このため、他方の基部側Ｘ方向部と他方の先端側Ｘ方向部とが短いルートで繋がれる。したがって、シールド端子により形成される電流経路を短くしやすい。

＜第３の態様＞
　第３－１の態様に係るコネクタは、相手コネクタと嵌合する先端部と、前記先端部に接続する基部と、を備えるコネクタであって、前記基部は、基部側内側導体部と、前記基部側内側導体部を包囲する筒状の基部側外側導体部と、前記基部側外側導体部と前記基部側内側導体部との間に配置された基部側誘電体部と、を有し、前記先端部は、前記基部側内側導体部に接続した信号接触部と、前記信号接触部が表面に配置された先端部側誘電体部と、を有し、前記信号接触部は、一方側の面で前記相手コネクタの信号端子と接触するように構成されると共に、他方側の面で前記先端部側誘電体部と接触している。

　上記態様では、コネクタは、相手コネクタと嵌合する先端部と、先端部に接続する基部と、を備える。基部は、基部側内側導体部と、基部側内側導体部を包囲する筒状の基部側外側導体部と、基部側外側導体部と基部側内側導体部との間に配置された基部側誘電体部と、を有する。
　このため、基部側内側導体部のインピーダンスが整合される。

　ここで、先端部は、基部側内側導体部に接続した信号接触部と、信号接触部が表面に配置された先端部側誘電体部と、を有する。そして、信号接触部は、一方側の面で相手コネクタの信号端子と接触するように構成されると共に、他方側の面で先端部側誘電体部と接触している。
　このため、信号接触部が相手コネクタの信号端子と接触して押圧されても、背後に位置する先端部側誘電体部が信号接触部の変形を抑制する。また、相手コネクタの信号端子に信号接触部を挟持させる必要が無いので、相手コネクタの信号端子を高速伝送に適した構造にしやすい。

　第３－２の態様に係るフローティングコネクタは、第３－１の態様において、前記先端部は、前記基部側外側導体部に接続したシールド接触部を有し、前記シールド接触部は、一方側の面で前記相手コネクタのシールド端子と接触するように構成されると共に、他方側の面で前記先端部側誘電体部と接触している。

　上記態様では、先端部は、基部側外側導体部に接続したシールド接触部を有する。シールド接触部は、一方側の面で相手コネクタのシールド端子と接触するように構成されると共に、他方側の面で先端部側誘電体部と接触している。
　このため、シールド接触部が相手コネクタのシールド端子と接触して押圧されても、背後に位置する先端部側誘電体部がシールド接触部の変形を抑制する。

＜第４の態様＞
　第４－１の態様に係るフローティングコネクタは、内側導体部と、内側導体部を包囲する筒状の外側導体部と、内側導体部と外側導体部との間に配置された誘電体部と、を備える相手コネクタと接続可能なフローティングコネクタであって、取付対象物に固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能である可動ハウジングと、前記内側導体部と接続する信号端子と、前記外側導体部と接続するシールド端子と、を備え、前記シールド端子は、前記可動ハウジングに保持されたシールド可動側被保持部と、前記シールド可動側被保持部から延出される弾性支持部であって前記外側導体部に接触するシールド接触部を弾性支持する前記弾性支持部と、を有する。

　ところで、従来、特許文献２に記載されたようなフローティングコネクタが知られている。このフローティングコネクタは、内側導体部と、内側導体部を包囲する筒状の外側導体部と、内側導体部と外側導体部との間に配置された誘電体部と、を備える相手コネクタと接続する。具体的には、コンタクト付きフローティング用バネが内側導体部に接続し、一対の弾性接触片部が外側導体部に接続する。
　しかし、このようなフローティングコネクタでは、大きく撓む一対の弾性接触片部が、位置ズレに対応する機能と、外側導体部に接触する機能とを担っている。そのため、特許文献２の図１２（ｂ）に示されるように、可動ハウジングが大きく移動すると、一方の弾性接触片が外側導体部から離れてしまう。このため、離れてしまった弾性接触片がアンテナのように作用してノイズの発生源となってしまうおそれがある。

　これに対し、上記態様では、シールド端子は、可動ハウジングに保持されるシールド可動側被保持部と、シールド可動側被保持部から延出される弾性支持部であって外側導体部に接触するシールド接触部を弾性支持する弾性支持部と、を有する。
　このため、シールド端子の一部（シールド可動側被保持部）が可動ハウジングと共に移動するので、可動ハウジングが大きく移動した場合でも、弾性支持部の基端側に位置するシールド可動側被保持部が可動ハウジングと共に移動するので、シールド接触部が外側導体部から離れてしまうことが防止される。

＜第５の態様＞
　第５の態様に係る曲げ加工品は、板材に対し曲げ加工が施されることで形成されたものであり、所定の対向方向で互いに対向する一対の端部を備え、前記一対の端部は、前記曲げ加工品の製造工程において前記端部の板厚方向から見て一部が重なる状態を実現可能な形状である。

　上記態様に係る曲げ加工品は、板材に対し曲げ加工が施されることで形成されたものである。曲げ加工品は、所定の対向方向で互いに対向する一対の端部を備える。
　ここで、一対の端部は、曲げ加工品の製造工程において端部の板厚方向から見て一部が重なる状態を実現可能な形状である。
　このため、一対の端部を、曲げ加工品の製造工程において端部の板厚方向から見て一部が重なる状態にすることで、一対の端部の間の隙間を小さくすることができる。
　なお、後述の実施形態では、曲げ加工品がシールド端子である例を説明するが、この態様はこれに限定されない。曲げ加工品は、信号端子であってもよいし、他のコネクタ部品であってもよいし、コネクタ部品でなくてもよい。

＜第６の態様＞
　第６－１の態様に係るコネクタは、信号端子と、接地端子と、ハウジングと、を備えるコネクタであって、前記接地端子は、前記信号端子を挟むように配置された一対の対向配置部を有する。

　上記態様では、コネクタは、信号端子と、接地端子と、ハウジングと、を備える。
　そして、接地端子は、信号端子を挟むように配置された一対の対向配置部を有する。このため、信号端子のインピーダンスを接地端子の一対の対向配置部によって所望の値に設定することができる。そのため、高速伝送に適したコネクタを実現することができる。

　なお、後述の実施形態では、一対の対向配置部が、一体に形成された接地端子に形成される例を説明する。しかし、本態様の一対の対向配置部は、これに限定されない。例えば、一対の対向配置部のうち一方の対向配置部と他方の対向配置部とは、互いに分離されていてもよい。
　また、後述の実施形態では、信号端子及び接地端子が、板金で構成される例を説明する。しかし、本態様の信号端子及び接地端子は、これに限定されず、例えば鋳造、切削などにより形成されてもよい。

　第６－２の態様に係るコネクタは、第６－１の態様において、前記信号端子と前記接地端子とは、板金で構成される。

　上記態様では、信号端子と接地端子とは板金で構成される。このため、切削加工で形成さるものと比べて、生産性が良い。そのため、生産性に適したコネクタを実現することができる。

　第６－３の態様に係るコネクタは、第６－１又は第６－２の態様において、前記接地端子は、前記信号端子のうち前記一対の対向配置部によって挟まれていない部分を包囲する包囲部を有する。

　上記態様では、接地端子の包囲部が、信号端子のうち対向配置部によって挟まれていない部分を包囲するので、包囲部でも信号端子のインピーダンス調整が行われると共に、ノイズ対策を行うことができる。

　第６－４の態様に係るコネクタは、第６－１又は第６－２の態様において、前記信号端子は、その全範囲にわたって、前記一対の対向配置部によって挟まれる。

　上記態様では、信号端子が、その全ての範囲にわたって、対向配置部に挟まれているので、信号端子の全範囲にわたってインピーダンスを適切な値に設定できる。

　第６－５の態様に係るコネクタは、第６－１～第６－３の何れかの態様において、前記コネクタは、相手信号端子を備える相手コネクタと接続可能であり、前記コネクタに対する前記相手コネクタの接続方向を＋Ｚ方向とし、前記コネクタと前記相手コネクタとが接続された状態で、前記信号端子に対して前記相手信号端子が配置される側の方向を－Ｘ方向としたとき、前記信号端子は、Ｚ方向に直線状に延びる第一部分と、前記第一部分の＋Ｚ方向側の端部から－Ｘ方向に延びる第二部分と、と有し、前記第一部分は、前記相手信号端子に接触する信号接触部と、前記信号接触部と前記第二部分との間に位置する中間部と、を有し、前記ハウジングは、前記中間部をＺ方向に垂直な方向から包囲する基部側誘電体部と、前記信号接触部のうち前記相手信号端子に接触する側の面である－Ｘ方向側の面を露出させた状態で当該信号接触部を保持する先端部側誘電体部と、を有し、前記接地端子は、前記基部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆う他方の基部側Ｘ方向部と、前記先端部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆うと共に、前記信号接触部のＹ方向両側に配置された前記一対の対向配置部としての他方の先端側Ｘ方向部と、前記他方の基部側Ｘ方向部と前記他方の先端側Ｘ方向部とを繋ぐ中間連結部と、を有し、前記中間連結部は、前記他方の基部側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端と、前記他方の先端側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端とをＸ方向で繋ぐ。

　上記態様では、中間連結部は、他方の基部側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端と、他方の先端側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端とをＸ方向で繋ぐ。このため、迂回して繋がれる態様（例えば、後述の第１実施形態）と比較して、他方の基部側Ｘ方向部と他方の先端側Ｘ方向部とが短いルートで繋がれる。

　なお、後述の実施形態では、信号端子の中間部及び基部側誘電体部が、接地端子によってＺ方向に垂直な方向から包囲される例を説明するが、本態様はこれに限定されず、包囲されなくてもよい。

　第６－６の態様に係るコネクタは、第６－１の態様において、前記ハウジングは、固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、を備え、前記信号端子は、前記固定ハウジングに対応する固定ハウジング対応部と、前記可動ハウジングに対応する可動ハウジング対応部と、前記固定ハウジング対応部と前記可動ハウジング対応部とを連結する中間弾性部と、を有し、前記接地端子は、前記固定ハウジング対応部、前記可動ハウジング対応部及び前記中間弾性部を挟むように配置された一対の対向配置部を有する。

　上記態様では、信号端子の固定ハウジング対応部、可動ハウジング対応部及び中間弾性部が接地端子の一対の対向配置部によって挟まれているので、信号端子のインピーダンスは接地端子の一対の対向配置部によって所望の値に設定される。そのため、高速伝送に適したフローティングコネクタを実現することができる。

　第６－７の態様に係るコネクタは、第６－６の態様において、前記一対の対向配置部は、前記固定ハウジング対応部を挟むように配置された一対の固定側対向配置部と、前記可動ハウジング対応部を挟むように配置された一対の可動側対向配置部と、前記中間弾性部を挟むように配置され、弾性変形可能な一対の中間対向配置部と、を有する。

　上記態様では、一対の対向配置部は、固定ハウジング対応部を挟むように配置された一対の固定側対向配置部と、可動ハウジング対応部を挟むように配置された一対の可動側対向配置部と、中間弾性部を挟むように配置され一対の中間対向配置部と、を有する。そして、中間対向配置部は、弾性変形可能である。このため、接地端子が弾性変形可能な部分を有しない場合と比較して、信号端子のインピーダンスを適切に維持することができる。
　なお、後述の実施形態では、一対の固定側対向配置部が、固定ハウジング対応部の全体を挟むように配置される例を説明する。しかし、本態様の一対の固定側対向配置部は、これに限定されず、固定ハウジング対応部の一部（例えば固定側被保持部）を挟むように配置されればよい。

　第６－８の態様に係るコネクタは、第６－７の態様において、前記固定ハウジング対応部は、前記固定ハウジングに保持される固定側被保持部を有し、前記可動ハウジング対応部は、前記可動ハウジングに保持される可動側被保持部と、相手コネクタの相手信号端子と接触する信号接触部と、前記可動側被保持部と前記信号接触部とを連結し、前記信号接触部を弾性支持する先端弾性部と、を有し、前記固定側被保持部、前記可動側被保持部、前記先端弾性部及び前記信号接触部の板幅方向は、前記一対の対向配置部が対向する方向と同じ方向であり、前記可動側被保持部の板幅寸法は、前記固定側被保持部の板幅寸法よりも大きく、前記可動側対向配置部のうち前記可動側被保持部を挟む部分が対向する距離は、前記固定側対向配置部のうち前記固定側被保持部を挟む部分が対向する距離よりも大きい。

　ところで、コネクタと相手コネクタとが接続された状態から意図せず接続が解除されないようにするための方法として、信号接触部の相手信号端子に対する接触圧を高くする方法がある。
　上記態様では、可動側被保持部の板幅寸法を固定側被保持部の板幅寸法よりも大きくすることで、可動側被保持部に続く先端弾性部の板幅寸法を確保することができ、その結果、接触圧を確保しやすい。
　しかし、可動側被保持部の板幅寸法が固定側被保持部の板幅寸法よりも大きい場合において、仮に、可動側対向配置部のうち可動側被保持部を挟む部分が対向する距離が、固定側対向配置部のうち固定側被保持部を挟む部分が対向する距離と同じであると、インピーダンスの整合に関して不利である。
　そこで、上記態様では、可動側対向配置部のうち可動側被保持部を挟む部分が対向する距離は、固定側対向配置部のうち固定側被保持部を挟む部分が対向する距離よりも大きい。このため、信号端子と一対の対向配置部との距離がなるべく一定に保たれやすくなるので、インピーダンスの整合に関して有利である。

　第６－９の態様に係るコネクタセットは、互いに接続可能な第一コネクタと第二コネクタとを備えるコネクタセットであって、前記第一コネクタは、第一信号端子と、第一接地端子と、第一ハウジングと、を備え、前記第二コネクタは、第二信号端子と、第二接地端子と、第二ハウジングと、を備え、前記第一信号端子は、前記第二信号端子と接触する第一接触部を有し、前記第二信号端子は、前記第一信号端子と接触する第二接触部を有し、前記第一接地端子は、前記第一信号端子を挟むように配置された一対の第一対向配置部を有し、前記第二接地端子は、前記第二信号端子を挟むように配置された一対の第二対向配置部を有する。

　上記態様では、第一接地端子は、第一信号端子を挟むように配置された一対の第一対向配置部を有し、第二接地端子は、第二信号端子を挟むように配置された一対の第二対向配置部を有する。
　このため、第一信号端子及び第二信号端子のインピーダンスを一対の第一対向配置部及び一対の第二対向配置部によって所望の値に設定することができる。そのため、高速伝送に適したコネクタセットを実現することができる。

　第６－１０の態様に係るコネクタセットは、第６－９の態様において、前記第一コネクタに対する前記第二コネクタの接続方向を－Ｚ方向とし、前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、前記第一接触部に対して前記第二接触部が配置される側の方向を＋Ｘ方向としたとき、前記第一接地端子は、前記第一接触部に対して－Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向他方側部と、前記第一接触部に対してＹ方向両側に配置された前記一対の第一対向配置部としての第一Ｙ方向両側部と、を有し、前記第一接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向一方側部を有さず、前記第二接地端子は、前記第二接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向一方側部と、前記第二接触部に対してＹ方向両側に配置された前記一対の第二対向配置部としての第二Ｙ方向両側部と、を有し、前記第二接触部に対して－Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向他方側部を有さず、前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態では、前記第一Ｘ方向他方側部が、前記第二接触部に対して－Ｘ方向側に配置され、かつ、前記第二Ｘ方向一方側部が前記第一接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された状態となる。

　上記態様では、第一接地端子は、第一接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向一方側部を有さず、第二接地端子は、第二接触部に対して－Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向他方側部を有さない。このため、これらのうち片方又は両方を有する態様と比較して、コネクタセットの構造を簡易にして低コスト化を図ることができる。
　また、第一コネクタと第二コネクタとが接続された状態では、第一Ｘ方向他方側部が、第二接触部に対して＋Ｘ方向側に配置され、かつ、第二Ｘ方向一方側部が第一接触部に対して－Ｘ方向側に配置された状態となる。このため、接続状態では、第一接触部及び第二接触部に対してＸ方向両側及びＹ方向両側の４方向に接地端子が配置された状態となる。そのため、高速伝送に適したコネクタセットとすることができる。

第一コネクタの分解斜視図である。第一コネクタの組立途中を示す斜視図である。接続前の第一コネクタ及び第二コネクタの斜視図である。接続後の第一コネクタ及び第二コネクタの斜視図である。接続前の第一コネクタ及び第二コネクタの断面図（信号接触部を通る断面）である。接続後の第一コネクタ及び第二コネクタの断面図（信号接触部を通る断面）である。接続前の第一コネクタ及び第二コネクタの断面図（シールド接触部を通る断面）である。接続後の第一コネクタ及び第二コネクタの断面図（シールド接触部を通る断面）である。第一コネクタの信号端子の斜視図である。第一コネクタのシールド端子の斜視図である。第一コネクタの信号端子とシールド端子との配置関係を示す斜視図である。可動ハウジングの正面図である。第二コネクタの分解斜視図である。第二コネクタの斜視図である。第二コネクタを別の方向から見た分解斜視図である。第二コネクタを別の方向から見た斜視図である。第二実施形態に係る第一コネクタの分解斜視図である。第二実施形態に係る第一コネクタのシールド端子の斜視図である。第二実施形態に係る信号端子とシールド端子との配置関係を示す斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタの分解斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタの組立途中の斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタの斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタの信号端子の斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタのシールド端子の斜視図である。第三実施形態に係る信号端子とシールド端子との配置関係を示す斜視図である。第三実施形態に係る信号端子、シールド端子及び固定用部材の配置関係を示す斜視図である。第三実施形態に係る信号端子、シールド端子及び固定用部材の配置関係を示す他の斜視図である。第三実施形態に係る信号端子、シールド端子及び固定用部材の配置関係を示す断面図である。第三実施形態に係る第一コネクタの信号端子の製造途中の状態を示す斜視図である。第三実施形態に係る第一コネクタの信号端子の拡大図である。第三実施形態に係る第二コネクタの分解斜視図である。第三実施形態に係る第二コネクタの斜視図である。第三実施形態に係る第二コネクタの他の分解斜視図である。第三実施形態に係る第二コネクタの他の斜視図である。第三実施形態に係る第二コネクタのシールド端子の製造工程を示す図である。

　以下、説明の便宜上、±Ｘ方向を前後方向、±Ｙ方向を幅方向、±Ｚ方向を上下方向として説明することがある。

［第一実施形態］
　図１～図１６を用いて、本開示の第一実施形態に係る第一コネクタ１００及び第二コネクタ２００について説明する。

　第一コネクタ１００は、第一基板９１（図５参照）に実装され、第二コネクタ２００は、第二基板９２に実装される。第一コネクタ１００と第二コネクタ２００とは、互いに接続可能に構成される。第一基板９１に実装された第一コネクタ１００と、第二基板９２に実装された第二コネクタ２００とが接続されることにより、第一基板９１と第二基板９２とが電気的に接続される（図６及び図８参照）。

＜第一コネクタ１００＞
　第一コネクタ１００は、フローティングコネクタである。第一コネクタ１００は、固定ハウジング１０と、可動ハウジング５０と、信号端子３０と、シールド端子４０と、固定用部材２０，２０と、を備える。

（固定ハウジング１０）
　固定ハウジング１０は、第一基板９１に固定されるハウジングである。固定ハウジング１０は、合成樹脂等の絶縁体で形成される。

　図１に示すように、固定ハウジング１０は、周壁部１１と、底壁部１２と、を有する。周壁部１１は、前壁部１１ａ、後壁部１１ｂ、及び一対の幅壁部１１ｃを有する。

　固定ハウジング１０は、信号端子３０の固定側被保持部３２を保持する。
　具体的には、固定ハウジング１０の前壁部１１ａには、信号端子３０の固定側被保持部３２が保持される。固定側被保持部３２が保持されるのは、前壁部１１ａの幅方向中央である。具体的には、前壁部１１ａの幅方向中央に、固定側被保持部３２が圧入されるための配置溝が形成される。当該配置溝に、信号端子３０の固定側被保持部３２が＋Ｚ方向側から圧入される。

　固定ハウジング１０は、シールド端子４０のシールド固定側被保持部４２を保持する。
　具体的には、固定ハウジング１０の前壁部１１ａには、シールド端子４０のシールド固定側被保持部４２が保持される。シールド固定側被保持部４２が保持されるのは、前壁部１１ａの幅方向中央である。

　固定ハウジング１０は、固定用部材２０，２０を保持する。
　具体的には、固定用部材２０の圧入部２３が圧入される圧入溝が、固定ハウジング１０の四隅に対応する位置に形成される。固定用部材２０，２０は、固定ハウジング１０に対して幅方向外側から圧入される。

　前壁部１１ａの幅方向中央部分では、前壁部１１ａの幅方向外側部分よりも上面が低く形成される。後壁部１１ｂ及び一対の幅壁部１１ｃの上面は、前壁部１１ａの幅方向外側部分の上面と同じ高さである。前壁部１１ａの幅方向中央部分（上面が低く形成された部分）に、信号端子３０の固定側被保持部３２及びシールド端子４０のシールド固定側被保持部４２が保持される。

（固定用部材２０）
　固定用部材２０，２０は、固定ハウジング１０を基板９１に固定するための部材であり、例えば、金属製である。

　図２に示すように、固定用部材２０，２０は、右側部材２０と左側部材２０とから構成される。右側部材２０と左側部材２０とは、同様の構造である。以下、右側部材２０と左側部材２０とを特に区別しないときは、固定用部材２０と称する。

　固定用部材２０は、一対のテール部２１と、一対の鉛直部２２と、一対の圧入部２３と、上制限部２４と、を有する。一対のテール部２１は、第一基板９１に半田付け等により固定される。一対の鉛直部２２は、一対のテール部２１から上方向へ向けて延びる。一対の圧入部２３は、それぞれ、一対の鉛直部２２からＹ方向に突出して形成される。一対の圧入部２３は、固定ハウジング１０に圧入される。上制限部２４は、一対の鉛直部２２の上端同士を繋いでいる。

　固定用部材２０は、板材に対し、打ち抜き加工及び曲げ加工等を施して作られる。固定用部材２０は、その全体において、板厚方向のＹ方向に垂直な方向に向けている。

　固定ハウジング１０及び固定用部材２０，２０によって、固定側部材１０，２０が構成される。

（可動ハウジング５０）
　可動ハウジング５０は、固定ハウジング１０に対して移動可能なハウジングである。可動ハウジング５０は、合成樹脂等の絶縁体で構成される。

　可動ハウジング５０は、嵌合部５１と、係合部５２と、を有する。

　嵌合部５１には、第二コネクタ２００の先端部２０２が挿入される嵌合孔５１ａが形成される。嵌合孔５１ａは、＋Ｚ方向側から挿入される第二コネクタ２００の先端部２０２を受入可能に構成される。嵌合孔５１ａは、幅方向を長手方向とする長方形の断面形状を有する。

　嵌合部５１の前側面には、後方向に窪むと共に上下方向に延びる凹部５１ｂが形成される。これにより、嵌合部５１の前壁部は、幅方向の一部において壁厚が薄くなっており、Ｚ方向視で、信号端子３０の基板接続部３１及びシールド端子４０の基板接続部４１が確認できるようになっている。

　嵌合孔５１ａの内面にうち後側の面には、信号端子３０の先端側部３５，３６が配置される配置溝５１ｃと、シールド端子４０の先端側部４７ａが配置される配置溝５１ｄと、が形成される。

　係合部５２は、嵌合部５１の下側に形成され、固定側部材１０，２０と係合するように構成される。係合部５２が固定側部材１０，２０と係合することで、固定ハウジング１０に対する可動ハウジング５０の移動範囲が制限される。

　図１２に示すように、係合部５２は、嵌合部５１から下方向に突出した中央部５３と、中央部５３の下部から幅方向外側に突出した一対の突出部５４と、を有する。

　可動ハウジング５０が上方向に移動すると、突出部５４が固定用部材２０の上制限部２４に当接する。可動ハウジング５０が下方向に移動すると、突出部５４が固定ハウジング１０の幅壁部１１ｃに当接する。可動ハウジング５０が幅方向に移動すると、中央部５３が固定用部材２０の上制限部２４に当接する。可動ハウジング５０が前後方向に移動すると、突出部５４が固定用部材２０の鉛直部２２に当接する。

　一方の突出部５４の先端（＋Ｙ方向端）から他方の突出部５４の先端（－Ｙ方向端）までの距離（Ｙ方向距離）は、嵌合部５１の幅寸法と同一である。

　中央部５３の前部における幅方向中央には、前方及び下方に向けて開放された配置凹部５２ａが形成される。配置凹部５２ａには、信号端子３０及びシールド端子４０の一部が配置される。

（信号端子３０）
　図９に示すように、信号端子３０は、基板接続部３１と、固定側被保持部３２と、中間弾性部３３と、可動側被保持部３４と、先端弾性部３５と、接触部３６と、を基端から先端に向けてこの順に有する。
　基板接続部３１は、第一基板９１に半田付け等により接続される。
　固定側被保持部３２は、固定ハウジング１０に保持される。固定側被保持部３２は、固定ハウジング１０に対し、上方向から圧入される。
　中間弾性部３３は、弾性変形容易に形成されており、固定側被保持部３２に対して可動側被保持部３４を移動可能とする。
　可動側被保持部３４は、可動ハウジング５０に保持される。可動側被保持部３４は、可動ハウジング５０に対し、下方向から圧入される。
　先端弾性部３５は、弾性変形容易に形成されており、可動側被保持部３４に対して接触部３６を移動可能にする。
　接触部３６は、接続対象物である第二コネクタ２００の信号端子８０に接触する。

　中間弾性部３３は、下方向に折り返す第一曲部３３ｂと、上方向に折り返す第二曲部３３ｄと、を有する。また、中間弾性部３３は、第一曲部３３ｂの基端側に位置する上方向に延びる第一直線部３３ａと、第一曲部３３ｂと第二曲部３３ｄとの間に位置すると共に直線状に延びる第二直線部３３ｃと、第二曲部３３ｄの先端側に位置する上方向に延びる第三直線部３３ｅと、を有する。

　中間弾性部３３には、中間弾性部３３が延びる方向に沿って延びるスリット３３ｓが形成される。スリット３３ｓは、中間弾性部３３の幅方向中央に形成される。スリット３３ｓは、第一曲部３３ｂ、第二直線部３３ｃ及び第二曲部３３ｄの全ての区間を含む、より長い区間に形成される。

　固定側被保持部３２の幅寸法の平均は、中間弾性部３３の幅寸法よりも大きい。
　可動側被保持部３４の幅寸法の平均は、中間弾性部３３の幅寸法よりも大きい。
　中間弾性部３３は、延在方向に沿って一定の幅寸法を有する。

　信号端子３０は、全体において、板厚方向をＹ方向に垂直な方向に向けており、板幅方向をＹ方向に向けている。

（シールド端子４０）
　図１０、図１１に示すように、シールド端子４０は、接続側シールド部４１と、固定側シールド部４２と、中間シールド部４４と、可動側シールド部４６と、先端側シールド部４７と、を有する。
　接続側シールド部４１は、信号端子３０の基板接続部３１をシールドする。
　固定側シールド部４２は、信号端子３０の固定側被保持部３２をシールドする。
　中間シールド部４４は、信号端子３０の中間弾性部３３をシールドする。
　可動側シールド部４６は、信号端子３０の可動側被保持部３４をシールドする。
　先端側シールド部４７は、信号端子３０の先端側部３５，３６をシールドする。

　接続側シールド部４１は、信号端子３０の基板接続部３１を幅方向外側からシールドする一対の接続側側方部４１ａを有する。接続側側方部４１ａは、板厚方向を幅方向に向ける。接続側シールド部４１は、第一基板９１に接続される基板接続部４１としても機能する。

　固定側シールド部４２は、固定側被保持部３２を幅方向両側からシールドする一対の固定側側方部４２ａと、固定側被保持部３２を板厚方向である＋Ｘ方向側からシールドする固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂと、を有する。
　固定側側方部４２ａ及び固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂは、その圧延面を固定側被保持部３２に対向させている。
　固定側シールド部４２は、固定ハウジング１０に保持されるシールド固定側被保持部４２としても機能する。

　中間シールド部４４は、中間弾性部３３を幅方向両側からシールドする一対の中間側方部４４ａ，４４ａと、中間弾性部３３をその板厚方向からシールドする中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂと、を有する。
　中間側方部４４ａ及び中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂは、その圧延面を中間弾性部３３に対向させている。

　可動側シールド部４６は、可動側被保持部３４を幅方向両側からシールドする一対の可動側側方部４６ａと、可動側被保持部３４をその板厚方向である－Ｘ方向側からシールドする可動側垂直方向部４６ｂと、を有する。
　可動側側方部４６ａ及び可動側垂直方向部４６ｂは、その圧延面を可動側被保持部３４に対向させている。

　先端側シールド部４７は、先端側部３５，３６を幅方向両側からシールドする一対の先端側側方部４７ａと、先端側部３５，３６をその板厚方向である－Ｘ方向側からシールドする先端側垂直方向部４７ｂと、を有する。
　先端側側方部４７ａ及び先端側垂直方向部４７ｂは、その圧延面を先端側部３５，３６に対向させている。

　固定側シールド部４２と中間シールド部４４とは、一対の固定側連結部４３で連結される。一方の固定側連結部４３は、一方の固定側側方部４２ａと一方の中間側方部４４ａとを連結し、他方の固定側連結部４３は、他方の固定側側方部４２ａと他方の中間側方部４４ａとを連結する。固定側連結部４３は、細幅に形成されることで、弾性変形容易に構成される。

　可動側シールド部４６と中間シールド部４４とは、一対の可動側連結部４５で連結される。一方の可動側連結部４５は、一方の可動側側方部４６ａと一方の中間側方部４４ａとを連結し、他方の可動側連結部４５は、他方の可動側側方部４６ａと他方の中間側方部４４ａとを連結する。可動側連結部４５は、細幅に形成されることで、弾性変形容易に構成される。

　一対の固定側側方部４２ａ同士の幅方向の距離は、一対の中間側方部４４ａ，４４ａ同士の幅方向の距離よりも大きい。このため、一対の固定側連結部４３の各々は、幅方向に変位する変位部４３ｈを有する。固定側連結部４３の変位部４３ｈは、固定側連結部４３における固定側側方部４２ａに隣接する位置に形成される。
　一対の可動側側方部４６ａ同士の幅方向の距離は、一対の中間側方部４４ａ，４４ａ同士の幅方向の距離よりも大きい。このため、一対の可動側連結部４５の各々は、幅方向に変位する変位部４５ｈを有する。可動側連結部４５の変位部４５ｈは、可動側連結部４５における可動側側方部４６ａに隣接する位置に形成される。

　一対の可動側側方部４６ａ同士の幅方向の距離は、一対の固定側側方部４２ａ同士の幅方向の距離よりも大きい。

　固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂは、一方の固定側側方部４２ａに曲部を介して接続された一方の固定側垂直方向部４２ｂと、他方の固定側側方部４２ａに曲部を介して接続された他方の固定側垂直方向部４２ｂと、から構成される。

　一方の固定側垂直方向部４２ｂの上側には、上方向に延長された追加中間垂直方向部４４ｃが形成される。追加中間垂直方向部４４ｃは、固定側側方部４２ａよりも上側に位置する。また、追加中間垂直方向部４４ｃは、一方の固定側垂直方向部４２ｂと一方の固定側側方部４２ａとの間の曲部よりも上側に位置する。
　他方の固定側垂直方向部４２ｂの上側には、上方向に延長された追加中間垂直方向部４４ｃが形成される。追加中間垂直方向部４４ｃは、固定側側方部４２ａよりも上側に位置する。また、追加中間垂直方向部４４ｃは、他方の固定側垂直方向部４２ｂと他方の固定側側方部４２ａとの間の曲部よりも上側に位置する。

　中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂは、一方の中間側方部４４ａに曲部を介して接続された一方の中間垂直方向部４４ｂと、他方の中間側方部４４ａに曲部を介して接続された他方の中間垂直方向部４４ｂと、から構成される。
　中間側方部４４ａの長さ（信号端子３０の延在方向に沿った長さ）と、中間垂直方向部４４ｂの長さは同一である。

　可動側垂直方向部４６ｂは、一体に形成される。可動側垂直方向部４６ｂは、一方の可動側側方部４６ａと曲部を介して接続され、他方の可動側側方部４６ａと曲部を介して接続される。

　一対の先端側側方部４７ａは、一対の可動側側方部４６ａから上方へ延びており、先端側垂直方向部４７ｂは、可動側垂直方向部４６ｂから上方へ延びている。
　先端側側方部４７ａは、細幅に形成されることで弾性変形容易に構成される。先端側側方部４７ａの先端部は、第二コネクタ２００のシールド端子６０に接触するシールド接触部４７ａ１となっている。

　先端側垂直方向部４７ｂは、本体部４７ｂ１と基端部４７ｂ２とを有する。先端側垂直方向部４７ｂの本体部４７ｂ１は、可動側垂直方向部４６ｂよりも－Ｘ方向側に位置する。基端部４７ｂ２は、可動側垂直方向部４６ｂと先端側垂直方向部４７ｂの本体部４７ｂ１を連結する。

＜第二コネクタ２００＞
　次に、第二コネクタ２００について説明する。

　図１３～図１６に示すように、第二コネクタ２００は、信号端子８０とハウジング７０とシールド端子６０とを備える。信号端子８０及びシールド端子６０がハウジング７０に保持されることで、第二コネクタ２００が形成される。

　第二コネクタ２００は、基部２０１と、基部２０１よりも断面積（Ｚ方向に垂直な断面積）が小さい先端部２０２と、を備える。基部２０１は、第二コネクタ２００の上部を構成し、先端部２０２は、第二コネクタ２００の下部を構成する。第二コネクタ２００の先端部２０２が第一コネクタ１００の嵌合孔５１ａに挿入される。

（信号端子８０）
　信号端子８０は、Ｚ方向に直線状に延びる第一部分８２と、Ｚ方向に垂直な方向に延びる第二部分８１と、第一部分８２と第二部分８１とを接続する曲部８３と、から構成される。第一部分８２の下部８２ｂが、第一コネクタ１００の信号端子３０に接触する信号接触部として機能し、第二部分８１が第二基板９２に接続される基板接続部として機能する。

　信号端子８０は、金属の板材に打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで作られる。信号端子８０は、板厚方向にのみ曲げられて形成される。信号端子８０の板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向を向いている。

（ハウジング７０）
　ハウジング７０は、第二基板９２に固定されるハウジングであり、合成樹脂等の絶縁体で構成される。

　ハウジング７０は、ハウジング基部７１と、ハウジング先端部７２と、を有する。
　ハウジング基部７１には、信号端子８０の第一部分８２の上部８２ａが配置される配置孔７４ａが形成される。ハウジング先端部７２には、信号端子８０の第一部分８２の下部８２ｂが配置される配置溝７４ｂが形成される。

　ハウジング基部７１の側方面７１ｃと、ハウジング先端部７２の側方面７２ｃとは、同一平面を形成する。
　ハウジング先端部７２の前後寸法は、ハウジング基部７１の前後寸法よりも小さい。ハウジング先端部７２は、前後方向を厚み方向とする板状に形成される。ハウジング先端部７２の前方面７２ａは、ハウジング基部７１の前方面７１ａよりも後側に位置し、ハウジング先端部７２の後方面７２ｂは、ハウジング基部７１の後方面７１ｂよりも前側に位置する。

　ハウジング先端部７２の後方面７２ｂには、上下方向に延びる一対の隔離壁７３が突出形成される。一対の隔離壁７３の間の部分が、信号端子８０の第一部分８２の下部８２ｂが配置される配置溝７４ｂとなっている。

　ハウジング７０は、シールド端子４０の圧入部６１ａ１が圧入される被圧入部７５を有する。被圧入部７５は、ハウジング基部７１に形成される。被圧入部７５は、ハウジング基部７１の一般面７１ａ，７１ｂ，７１ｃに対して膨出するように形成される。被圧入部７５には、シールド端子６０の２つの圧入部６１ａ１,６１ａ１が圧入されるように２つの溝が形成される。被圧入部７５は、ハウジング基部７１の前方面７１ａ側に形成される。

（シールド端子）
　図１３等に示すように、シールド端子６０は、金属の板材に打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで作られる。シールド端子６０は、シールド基部６１と、シールド先端部６２と、を有する。シールド基部６１は、ハウジング基部７１を覆い、シールド先端部６２は、ハウジング先端部７２を覆う。

　シールド基部６１は、ハウジング基部７１の一対の側方面７１ｃを覆う一対の側方部６１ｃと、ハウジング基部７１の前方面７１ａを覆う前方部６１ａ，６１ａと、ハウジング基部７１の後方面７１ｂを覆う後方部６１ｂと、を有する。

　シールド基部６１の前方部６１ａ，６１ａには、ハウジング基部７１の被圧入部７５に圧入される圧入部６１ａ１，６１ａ１が形成される。具体的には、前方部６１ａ，６１ａは、一方の前方部６１ａと他方の前方部６１ａから構成される。一方の前方部６１ａ及び他方の前方部６１ａには、それぞれ圧入部６１ａ１が形成される。

　シールド端子４０は、複数（４つ）の基板接続部６３を有する。４つの基板接続部６３のうち２つの基板接続部６３は、一対の圧入部６１ａ１のそれぞれから延出され、もう２つの基板接続部６３は、シールド基部６１の後方部６１ｂから延出される。

　シールド先端部６２は、ハウジング先端部７２の前方面７２ａを覆う前方部６２ａと、ハウジング先端部７２の後方面７２ｂを覆う後方部６２ｂと、ハウジング先端部７２の側方面７２ｃを覆う一対の側方部６２ｃと、を有する。

　図１５、図１６に示すように、シールド先端部６２の後方部６２ｂ,６２ｂは、幅方向に分離されており、一方の後方部６２ｂと他方の後方部６２ｂとから構成される。一方の後方部６２ｂと他方の後方部６２ｂとの間には、ハウジング先端部７２の一対の隔離壁７３，７３が配置される。シールド先端部６２の後方部６２ｂ,６２ｂのそれぞれが、第一コネクタ１００のシールド端子４０に接触するシールド接触部として機能する。

　ハウジング先端部７２は、一方の後方部６２ｂと他方の後方部６２ｂとの間の隙間部分を除いて、シールド先端部６２によって覆われる。

　シールド基部６１の一方の側方部６１ｃと、シールド先端部６２の一方の側方部６２ｃとが接続され、シールド基部６１の他方の側方部６１ｃと、シールド先端部６２の他方の側方部６２ｃとが接続されている。

＜作用効果＞
　次に、本実施形態の作用効果について説明する。

　本実施形態では、フローティングコネクタ１００は、取付対象物９１に固定される固定ハウジング１０と、固定ハウジング１０に対して移動可能である可動ハウジング５０と、信号端子３０と、を備える。信号端子３０は、固定ハウジング１０に保持された固定側被保持部３２、可動ハウジング５０に保持された可動側被保持部３４、及び、固定側被保持部３２と可動側被保持部３４との間に位置する弾性変形容易な中間弾性部３３を有する。
　ここで、フローティングコネクタ１００は、中間シールド部４４を有するシールド端子４０を備える。中間シールド部４４は、中間弾性部３３をシールドする。
　このため、中間シールド部４４によって、中間弾性部３３のインピーダンスの上昇が抑制される。

　また、本実施形態では、シールド端子４０は、固定ハウジング１０に保持されたシールド固定側被保持部４２と、可動ハウジング５０に保持されたシールド可動側被保持部４６と、シールド固定側被保持部４２とシールド可動側被保持部４６との間に位置する中間シールド部４４と、を有する。
　ここで、図１０に示すように、シールド端子４０は、中間シールド部４４とシールド固定側被保持部４２とを連結する弾性変形容易な固定側連結部４３，４３、及び、中間シールド部４４とシールド可動側被保持部４６とを連結する弾性変形容易な可動側連結部４５，４５を有する。
　このため、固定ハウジング１０に対する可動ハウジング５０の移動だけでなく、固定ハウジング１０及び可動ハウジング５０に対する中間シールド部４４の移動も許容される。

　また、本実施形態では、固定側連結部４３，４３及び可動側連結部４５，４５は、中間シールド部４４よりも細幅である。
　これにより、相対的に細幅である固定側連結部４３，４３及び可動側連結部４５，４５によって、固定ハウジング１０に対する可動ハウジング５０の移動、並びに、固定ハウジング１０及び可動ハウジング５０に対する中間シールド部４４の移動が許容されると共に、相対的に太幅である中間シールド部４４によって、信号端子３０の中間弾性部３３が広い範囲でシールドされる。

　また、本実施形態では、中間シールド部４４は、中間弾性部３３を２以上の方向からシールドする。このため、中間シールド部４４が中間弾性部３３を１方向からしかシールドしない態様と比べて、中間弾性部３３のインピーダンスを大きく低下させることができる。

　また、本実施形態では、中間シールド部４４は、中間弾性部３３を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の中間側方部４４ａ及び他方の中間側方部４４ａを有する。このため、中間弾性部３３が、相対する２方向（Ｙ方向両側）からシールドされる。

　また、本実施形態では、一方の中間側方部４４ａ及び他方の中間側方部４４ａの板厚方向は、Ｙ方向を向く。これにより、中間側方部４４ａの圧延面が中間弾性部３３に対向するので、中間側方部４４ａが広い範囲でシールドされる。

　上記態様では、中間シールド部４４は、中間弾性部３３をＹ方向に垂直な方向からシールドする中間垂直方向部４４ｂを有する。このため、中間弾性部３３が、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。
　なお、図示は省略するが、中間シールド部４４は、中間弾性部３３をＹ方向に垂直な方向であって当該中間弾性部３３を挟み込む方向からシールドする一対の中間垂直方向部を有してもよい。この場合、一対の中間垂直方向部によって、中間弾性部３３が、Ｙ方向に垂直な方向であって当該中間弾性部３３を挟み込む方向からシールドされる。
　また、図示は省略するが、中間シールド部４４は、中間弾性部３３が形成する信号経路を包囲する筒状部を備えてもよい。この場合、筒状部によって、中間弾性部が、信号経路を包囲する方向からシールドされる。
　これら変形例は、技術常識に基づいて実施可能である。

　また、本実施形態では、中間垂直方向部４４ｂの板厚方向は、Ｙ方向に垂直な方向であって中間弾性部側の方向を向く。このため、中間垂直方向部４４ｂの圧延面が中間弾性部３３に対向するので、中間弾性部３３が広い範囲でシールドされる。
　ところで、本実施形態では、中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂが、一方の中間垂直方向部４４ｂと他方の中間垂直方向部４４ｂとから構成されているところ、一方の中間垂直方向部４４ｂと他方の中間垂直方向部４４ｂとの間には、僅かな隙間が形成されている。ここで、本実施形態のこのような構成に代えて、一方の中間垂直方向部４４ｂと他方の中間垂直方向部４４ｂとを互いにカシメてもよい。一方の中間垂直方向部４４ｂと他方の中間垂直方向部４４ｂとを互いにカシメることで、上記隙間を無くすことができる。また、上記隙間は、シールド端子４０が弾性変形する際に大きな隙間になる問題があり得るところ、上記のようにカシメめて隙間を無くすことで、この問題を解消することができる。

　また、本実施形態では、中間弾性部３３が板幅方向をＹ方向に向けているので、一方の中間側方部４４ａ及び他方の中間側方部４４ａによって、中間弾性部３３の一方の板厚面及び他方の板厚面がシールドされる。また、中間垂直方向部４４ｂによって、中間弾性部３３の圧延面がシールドされる。

　また、本実施形態では、シールド端子４０は、固定側被保持部３２をシールドする固定側シールド部４２を有する。このため、固定側被保持部３２のインピーダンスの上昇が抑制される。

　また、本実施形態では、固定側シールド部４２は、固定側被保持部３２を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側側方部４２ａ及び他方の固定側側方部４２ａを有する。このため、固定側被保持部３２が、相対する２方向（Ｙ方向両側）からシールドされる。

　また、本実施形態では、固定側シールド部４２は、固定側被保持部３２をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部４２ｂを有する。このため、固定側被保持部３２がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。
　ところで、本実施形態では、固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂが、一方の固定側垂直方向部４２ｂと他方の固定側垂直方向部４２ｂとから構成されているところ、一方の固定側垂直方向部４２ｂと他方の固定側垂直方向部４２ｂとの間には、隙間が形成されている。ここで、本実施形態のこのような構成に代えて、一方の固定側垂直方向部４２ｂと他方の固定側垂直方向部４２ｂとを互いにカシメてもよい。一方の固定側垂直方向部４２ｂと他方の固定側垂直方向部４２ｂとを互いにカシメることで、上記隙間を無くすことができる。

　また、本実施形態では、中間シールド部４４は、中間弾性部３３のうち固定側被保持部３２に隣接する部分を、Ｙ方向に垂直な方向からシールドする追加中間垂直方向部４４ｃを有する。追加中間垂直方向部４４ｃは、固定側垂直方向部４２ｂから延出される。
　このため、中間弾性部のうち固定側被保持部に隣接する部分が、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　また、本実施形態では、一方の固定側側方部４２ａは一方の中間側方部４４ａよりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、他方の固定側側方部４２ａは他方の中間側方部４４ａよりも－Ｙ方向側に位置する。
　このため、固定側被保持部３２及び中間弾性部３３をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された固定側被保持部３２のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部３３のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　また、本実施形態では、シールド端子４０は、可動側被保持部３４をシールドする可動側シールド部４６を有する。このため、可動側被保持部３４のインピーダンスを低下させることができる。

　また、本実施形態では、可動側シールド部４６は、可動側被保持部３４を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側側方部４６ａ及び他方の可動側側方部４６ａを有する。このため、可動側被保持部３４がＹ方向両側からシールドされる。
　また、本実施形態では、可動側シールド部４６は、可動側被保持部３４をＹ方向に垂直な方向からシールドする可動側垂直方向部４６ｂを有する。このため、可動側被保持部３４がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。
　特に、本実施形態では、可動側被保持部３４が、Ｙ方向両側からシールドされると共に、Ｙ方向に垂直な方向からシールドされる。

　また、本実施形態では、シールド端子４０は、信号端子３０の先端側部３５，３６をシールドする先端側シールド部４７を有する。このため、先端側部３５，３６のインピーダンスを低下させることができる。

　また、本実施形態では、信号端子３０の先端側部３５，３６は、接触部３６と、接触部３６を弾性支持する先端弾性部３５と、を有する。このため、信号端子３０の接触圧を確保できる。

　また、本実施形態では、先端側シールド部４７は、先端側部３５，３６を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の先端側側方部４７ａ及び他方の先端側側方部４７ａを有する。このため、先端側部３５，３６がＹ方向両側からシールドされる。
　また、本実施形態では、先端側シールド部４７は、先端側部３５，３６をＹ方向に垂直な方向からシールドする先端側垂直方向部４７ｂを有する。このため、先端側部３５，３６がＹ方向に垂直な方向からシールドされる。
　特に、本実施形態では、先端側部３５，３６が、Ｙ方向両側からシールドされると共にＹ方向に垂直な方向からシールドされる。

　また、本実施形態では、一方の先端側側方部４７ａには、接続対象物２００に接触する一方のシールド接触部４７ａ１が形成され、他方の先端側側方部４７ａには、接続対象物２００に接触する他方のシールド接触部４７ａ１が形成される。このため、先端側シールド部４７とは別に、シールド接触部４７ａ１を形成する必要がない。

　また、本実施形態では、一方の先端側側方部４７ａは、一方のシールド接触部４７ａ１と、一方のシールド接触部４７ａ１を弾性支持する一方のシールド先端弾性部４７ａと、を有し、他方の先端側側方部４７ａは、他方のシールド接触部４７ａ１と、他方のシールド接触部４７ａ１を弾性支持する他方のシールド先端弾性部４７ａと、を有する。
　このため、シールド端子４０の接触圧を確保できる。

　また、本実施形態では、先端側垂直方向部４７ｂのＹ方向寸法は、先端側部３５，３６のＹ方向寸法よりも大きい。このため、先端側部３５，３６が広い範囲でシールドされる。

　また、本実施形態では、先端側垂直方向部４７ｂは、可動側垂直方向部４６ｂから延出される。
　ここで、先端側垂直方向部４７ｂは、可動側垂直方向部４６ｂに対しＸ方向で離れる位置に位置する本体部４７ｂ１と、本体部４７ｂ１と可動側垂直方向部４６ｂとを連結する基端部４７ｂ２と、を有する。
　このため、可動側垂直方向部４６ｂを可動側被保持部３４に近づけることができると共に、信号端子３０の先端側部３５，３６と先端側垂直方向部４７ｂとの間隔を確保することができる。

　また、本実施形態では、一方の可動側側方部４６ａは一方の中間側方部４４ａよりも＋Ｙ方向側に位置し、かつ、他方の可動側側方部４６ａは他方の中間側方部４４ａよりも－Ｙ方向側に位置する。
　このため、可動側被保持部３４及び中間弾性部３３をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された可動側被保持部３４のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部３３のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　また、本実施形態では、一方の可動側側方部４６ａ及び他方の可動側側方部４６ａのＹ方向間隔は、一方の中間側方部４４ａ及び他方の中間側方部４４ａのＹ方向間隔よりも大きい。
　このため、可動側被保持部３４及び中間弾性部３３をＹ方向両側からシールドすることで、幅広に形成された可動側被保持部３４のインピーダンスを低下させつつ、中間弾性部３３のインピーダンスを効果的に低下させることができる。

　また、本実施形態では、シールド端子４０は、中間シールド部４４と、固定側シールド部４２と、可動側シールド部４６と、を有する。そして、中間シールド部４４は、一方の中間側方部４４ａ及び他方の中間側方部４４ａを有し、固定側シールド部４２は、一方の固定側側方部４２ａ及び他方の固定側側方部４２ａを有し、可動側シールド部４６は、一方の可動側側方部４６ａ及び他方の可動側側方部４６ａを有する。
　このため、信号端子３０の中間弾性部３３、固定側被保持部３２及び可動側被保持部３４が広い範囲でシールドされるので、信号端子３０のインピーダンスが適切に整合される。

　また、本実施形態では、図１１に示すように、一対の固定側連結部４３，４３は、中間弾性部３３の第一直線部３３ａ及び第一曲部３３ｂのＹ方向両側に位置し、一対の可動側連結部４５，４５は、中間弾性部の第二曲部３３ｄ及び第三直線部３３ｅのＹ方向両側に位置する。
　すなわち、固定側連結部４３，４３は、中間弾性部３３を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の固定側連結部４３及び他方の固定側連結部４３を有し、可動側連結部４５，４５は、中間弾性部３３を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向からシールドする一方の可動側連結部４５及び他方の可動側連結部４５を有する。
　このため、固定側連結部４３，４３及び可動側連結部４５，４５によっても、信号端子３０の中間弾性部３３がシールドされるので、信号端子３０のインピーダンスがより適切に整合される。
　更に、本実施形態では、中間弾性部３３、固定側被保持部３２及び可動側被保持部３４のそれぞれが、中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂ、固定側垂直方向部４２ｂ，４２ｂ及び可動側垂直方向部４６ｂによって、Ｙ方向に垂直な方向からもシールドされるので、信号端子３０のインピーダンスがより適切に整合される。

　次に、本実施形態の作用効果について、別の観点から説明する。

　本実施形態では、コネクタ２００は、基部２０１と、相手コネクタ１００の嵌合孔５１ａに対して－Ｚ方向に挿入可能な先端部２０２と、を備える。図１３に示すように、基部２０１は、内側導体部８２ａ、内側導体部８２ａを包囲する外側導体部６１、及び、内側導体部８２ａと外側導体部６１との間に配置された誘電体部７１を有する。
　このため、内側導体部８２ａのインピーダンスが整合される。

　図１６に示すように、先端部２０２は、相手コネクタ１００の相手信号端子３０に接触する信号接触部８２ｂと、相手コネクタ１００の相手シールド端子４０に接触するシールド接触部６２ｂ，６２ｂと、を有する。信号接触部８２ｂは内側導体部８２ａと接続されており、シールド接触部６２ｂ，６２ｂは外側導体部６１と接続されている。
　このため、先端部２０２が相手コネクタ１００の嵌合孔５１ａに挿入されることで、基部２０１の外側導体部６１と相手コネクタ１００の相手シールド端子４０とが接続されると共に、基部２０１の内側導体部８２ａと相手コネクタ１００の相手信号端子３０とが接続される。

　ここで、－Ｚ方向（先端部２０２が嵌合孔５１ａに挿入される方向、以下、挿入方向ということがある。）に直交する断面積に関し、先端部２０２は基部２０１よりも小さい。換言すると、先端部２０２の断面積（挿入方向に直交する断面積）は、基部２０１の断面積（挿入方向に直交する断面積）よりも小さい。
　このため、先端部２０２の断面積が基部２０１の断面積と同一である態様と比較して、相手コネクタ１００の嵌合孔５１ａの断面積（挿入方向に直交する断面積）が小さくて済む。その結果、基部２０１の断面積を小さくすることなく、相手コネクタ１００のうち嵌合孔５１ａが形成された部分（嵌合部５１）を挿入方向に垂直な方向において小型化することができる。

　また、本実施形態では、先端部２０２は、Ｚ方向視で基部２０１に隠れる形状である。このため、挿入方向に直交する方向において、コネクタ２００を小型化することができる。

　また、本実施形態では、先端部２０２と基部２０１とはＺ方向で隣接している。このため、先端部２０２と基部２０１との間に他の構造が存在している態様と比べて、コネクタ２００を小型化することができる。

　また、本実施形態では、図１６に示すように、基部２０１の誘電体部７１は、相手コネクタ１００に対向可能に露出する露出面７１ｄを有する。このため、基部２０１の誘電体部７１と相手コネクタ１００との間に他の構造が介在することとなる態様と比べて、コネクタ２００を小型化することができる。

　また、本実施形態では、信号接触部８２ｂ及びシールド接触部６２ｂ，６２ｂは、先端部２０２の－Ｘ方向側の面に形成される。そして、シールド接触部６２ｂ，６２ｂは、信号接触部８２ｂの＋Ｙ方向側及び－Ｙ方向側に位置する一方のシールド接触部６２ｂ及び他方のシールド接触部６２ｂを有する。
　このため、信号接触部８２ｂがＹ方向両側からシールドされる。

　また、本実施形態では、先端部２０２は、先端部側誘電体部７２と、先端部側誘電体部７２の外面を覆う先端部側外側導体部６２と、を有する。先端部側外側導体部６２は、先端部側誘電体部７２を＋Ｘ方向及び－Ｘ方向側から覆う一方及び他方のＸ方向側部６２ａ，６２ｂと、先端部側誘電体部７２を＋Ｙ方向及び－Ｙ方向から覆う一方及び他方のＹ方向側部６２ｃ，６２ｃと、を有する。そして、一方のシールド接触部６２ｂ及び他方のシールド接触部６２ｂは、他方のＸ方向側部６２ａ，６２ｂに形成される。
　これにより、先端部側誘電体部７２を概ね包囲するように先端部側外側導体部６２が配置されるので、インピーダンスを更に下げることができる。

　次に、本実施形態の作用効果について、更に別の観点から説明する。

　本実施形態では、コネクタ２００は、相手コネクタ１００と嵌合する先端部２０２と、先端部２０２に接続する基部２０１と、を備える。基部２０１は、基部側内側導体部８２ａと、基部側内側導体部８２ａを包囲する筒状の基部側外側導体部６１と、基部側外側導体部６１と基部側内側導体部８２ａとの間に配置された基部側誘電体部７１と、を有する。
　このため、基部側内側導体部８２ａのインピーダンスが整合される。

　ここで、先端部２０２は、基部側内側導体部８２ａに接続した信号接触部８２ｂと、信号接触部８２ｂが表面に配置された先端部側誘電体部７２と、を有する。そして、信号接触部８２ｂは、一方側の面（－Ｘ方向側の面）で相手コネクタ１００の信号端子３０と接触するように構成されると共に、他方側の面（＋Ｘ方向側の面）で先端部側誘電体部７２と接触している。
　このため、信号接触部８２ｂが相手コネクタ１００の信号端子３０と接触して押圧されても、背後に位置する先端部側誘電体部７２が信号接触部８２ｂの変形を抑制する。また、相手コネクタ１００の信号端子３０に信号接触部８２ｂを挟持させる必要が無いので、相手コネクタ１００の信号端子３０を高速伝送に適した構造にしやすい。

　また、本実施形態では、先端部２０２は、基部側外側導体部６１に接続したシールド接触部６２ｂ，６２ｂを有する。シールド接触部６２ｂ，６２ｂは、一方側の面で相手コネクタ１００のシールド端子４０と接触するように構成されると共に、他方側の面で先端部側誘電体部７２と接触している。
　このため、シールド接触部６２ｂ，６２ｂが相手コネクタ１００のシールド端子４０と接触して押圧されても、背後に位置する先端部側誘電体部７２がシールド接触部６２ｂ，６２ｂの変形を抑制する。

　これに対し、本実施形態では、フローティングコネクタ１００のシールド端子４０は、可動ハウジング５０に保持されるシールド可動側被保持部４６と、シールド可動側被保持部４６から延出される弾性支持部４７ａであって外側導体部６０に接触するシールド接触部６２ｂ，６２ｂを弾性支持する弾性支持部４７ａと、を有する。
　このため、シールド端子４０の一部（シールド可動側被保持部４６）が可動ハウジング５０と共に移動するので、可動ハウジング５０が大きく移動した場合でも、弾性支持部４７ａの基端側に位置するシールド可動側被保持部４６が可動ハウジング５０と共に移動するので、シールド接触部６２ｂ，６２ｂが外側導体部６０から離れてしまうことが防止される。

［第二実施形態］
　次に、図１７～図１９を用いて、第二実施形態に係る第一コネクタ１００Ａ及び第二コネクタ２００について説明する。但し、第二実施形態が第一実施形態と相違する点は、第一コネクタの中間シールド部の構造のみであるため、他の部分の説明は適宜省略する。

　図１７に示すように、第二実施形態に係る第一コネクタ１００Ａは、固定ハウジング１０と、可動ハウジング５０と、信号端子３０と、シールド端子４０Ａと、固定用部材２０，２０と、を備える。

　図１８、図１９に示すように、シールド端子４０Ａは、中間シールド部４４Ａを有する。中間シールド部４４Ａは、信号端子３０の中間弾性部３３をシールドする。

　中間シールド部４４Ａは、中間弾性部３３を幅方向両側からシールドする一対の中間側方部４４ａ，４４ａを有し、中間弾性部３３を板厚方向からシールドする中間垂直方向部４４ｂを有しない。一対の中間側方部４４ａは、その圧延面を中間弾性部３３に対向させている。

［第三実施形態］
　次に、図２０～図３５を用いて、本開示の第三実施形態に係る第一コネクタ１００Ｂ及び第二コネクタ２００Ｂについて説明する。但し、第一実施形態と同一類似の構成については同じ符号を付して適宜説明を省略し、第一実施形態と異なる点について主に説明する。

＜第一コネクタ１００Ｂ＞
　図２０に示すように、第一コネクタ１００Ｂは、フローティングコネクタである。第一コネクタ１００Ｂは、固定ハウジング１０と、可動ハウジング５０と、信号端子３０と、シールド端子４０と、固定用部材２０と、を備える。

（固定ハウジング１０）
　固定ハウジング１０は、周壁部１１と、底壁部１２と、を有する。周壁部１１は、前壁部１１ａ、後壁部１１ｂ、及び一対の幅壁部１１ｃを有する。

　固定ハウジング１０は、信号端子３０の固定側被保持部３２を保持する。
　固定ハウジング１０は、シールド端子４０のシールド固定側被保持部４２を保持する。
　固定ハウジング１０は、固定用部材２０，２０を保持する。

　図２１，図２２に示すように、固定ハウジング１０は、可動ハウジング５０の前後方向の移動範囲を制限する前後制限部１１ｄを有する。前後制限部１１ｄは、幅壁部１１ｃから上方向に突出する。前後制限部１１ｄは、一対の幅壁部１１ｃの各々の前端及び後端に対応する位置に形成される。前後制限部１１ｄは、可動ハウジング５０が前後方向に移動すると可動ハウジング５０の一部（係合部５２）が前後制限部１１ｄに当接するように構成される。

（固定用部材２０）
　固定用部材２０は、第一実施形態のそれとは大きく構造が異なる。

　図２１に示すように、固定用部材２０（追加シールド部材）は、前側部材２０と後側部材２０とから構成される。前側部材２０と後側部材２０とは、同様の構造である。以下、前側部材２０と後側部材２０とを特に区別しないときは、固定用部材２０と称する。

　図２１に示すように、固定用部材２０は、一対のテール部２１と、一対の側板部２３，２４，２５と、連結板部２７と、を有する。

　一対のテール部２１は、第一基板９１に半田付け等により固定される。

　一対の側板部２３，２４，２５の各々は、固定ハウジング１０に圧入される圧入部２３を有する。圧入部２３は、側板部２３，２４，２５の基部２５から前後方向内側へ向けて突出する。
　一対の側板部２３，２４，２５の各々は、上制限部２４を有する。上制限部２４は、可動ハウジング５０の上方向の移動範囲を制限する。上制限部２４は、側板部２３，２４，２５の基部２５から前後方向内側へ向けて突出する。上制限部２４は、圧入部２３の上側に位置する。

　連結板部２７は、一対の側板部２３，２４，２５の前後方向外側の端同士を繋いでいる。連結板部２７の上部は、曲部を介して、側板部２３，２４，２５の基部２５の上部と接続している。

　前側部材２０の連結板部２７は、信号端子３０を＋Ｘ方向側からシールドする。特に、本実施形態では、後述するように、シールド端子４０が、固定側被保持部３２を＋Ｘ方向側からシールドする固定側垂直方向部（図１０の固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂ参照）を有しない（図２４参照）。このため、前側部材２０の連結板部２７が重要な役割を果たす。
　＋Ｘ方向側から見て、前側部材２０の連結板部２７は、信号端子３０の固定側被保持部３２及び中間弾性部３３を完全に隠す形状である。

　後側部材２０の連結板部２７は、信号端子３０を－Ｘ側からシールドする。特に、本実施形態では、シールド端子４０の中間シールド部４４の中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂが、中間弾性部３３に対して＋Ｘ方向側に配置される。このため、シールド端子４０による中間弾性部３３に対する－Ｘ方向側からのシールド効果が第一実施形態よりも低い。そのため、後側部材２０の連結板部２７が重要な役割を果たす。
　－Ｘ方向側から見て、後側部材２０の連結板部２７は、信号端子３０の中間弾性部３３を完全に隠す形状である。

（可動ハウジング５０）
　可動ハウジング５０は、嵌合部５１と、係合部５２と、を有する。

（信号端子３０）
　信号端子３０は、第一実施形態のコネクタ１００の信号端子３０とほぼ同様の構造である。但し、中間弾性部３３に形成されたスリット３３ｓは、第一実施形態と異なり、その延在方向において２つのスリットに分離されている。具体的には、図２８に示すように、中間弾性部３３の第二直線部３３ｃの中間位置で分離されている。これにより、信号端子３０の寸法精度が向上している。

（シールド端子４０）
　図２４に示すように、シールド端子４０は、接続側シールド部４１と、固定側シールド部４２と、中間シールド部４４と、可動側シールド部４６と、先端側シールド部４７と、を有する。

　固定側シールド部４２は、固定側被保持部３２を幅方向両側からシールドする一対の固定側側方部４２ａを有する。
　固定側シールド部４２は、第一実施形態と異なり、固定側被保持部３２をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部（図１０の固定側垂直方向部４２ｂ、４２ｂ参照）を有しない。これにより、シールド端子４０の可動ハウジング５０に対し圧入する際に、信号端子３０の基板接続部３１との干渉が起こらないようになっている。
　固定側シールド部４２は、固定ハウジング１０に保持されるシールド固定側被保持部４２としても機能する。

　中間シールド部４４は、中間弾性部３３を幅方向両側からシールドする一対の中間側方部４４ａ，４４ａと、中間弾性部３３を板厚方向からシールドする中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂと、を有する。
　中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂは、第一実施形態の中間垂直方向部４４ｂ，４４ｂ（図１０参照）と異なり、中間弾性部３３に対して下側に配置される。これにより、信号端子３０及びシールド端子４０の可動ハウジング５０に対する圧入順序を、信号端子３０が先の順序にできる。

　信号端子３０の可動側被保持部３４（図２３参照）の幅寸法は、一対の可動側連結部４５のうち変位部４５ｈよりも中間側方部４４ａ，４４ａ側の部分同士の幅方向の距離よりも大きい。信号端子３０の可動側被保持部３４の幅寸法を大きくすることで、可動側被保持部３４に続く先端弾性部３５の幅寸法も大きくでき、その弾性力を大きくできる。
　なお、一対の中間側方部４４ａ，４４ａ同士の幅方向の距離は、一対の可動側連結部４５のうち変位部４５ｈよりも中間側方部４４ａ，４４ａ側の部分同士の幅方向の距離と同一である。

　また、一対の可動側連結部４５のうち一対の可動側側方部４６ａ，４６ａ側の一部は、前後方向で、信号端子３０の可動側被保持部３４と同じ位置に配置される（図２８参照）。このため、可動ハウジング５０に対する信号端子３０及びシールド端子４０の圧入の順番は、信号端子３０が先になる。順番を逆にしてシールド端子４０を先に圧入すると、一対の可動側連結部４５のうち上記一部が邪魔をして信号端子３０を圧入できなくなるからである。また、順番を逆にしてシールド端子４０を先に圧入すると、一対の可動側連結部４５が邪魔をして、信号端子３０の可動側被保持部３４を下側から押圧して圧入する作業が困難になる。

　また、信号端子３０の中間弾性部３３の第三直線部３３ｅは、前後方向で、可動側被保持部３４と同じ位置に配置される。このため、一対の可動側連結部４５のうち上記一部は、前後方向で、信号端子３０の中間弾性部３３の第三直線部３３ｅと同じ位置に配置される。これにより、信号端子３０の中間弾性部３３を、シールド端子４０の一対の可動側連結部４５で適切にシールドできる。
　本実施形態では、図２８に示すように、中間弾性部３３の第二直線部３３ｃ、第二曲部３３ｄ、第三直線部３３ｅは、その全体が側面視でシールド端子４０に隠される状態となる。

　固定側連結部４３における固定側側方部４２ａに隣接する部分（本実施形態では変位部４３ｈが形成された部分）は、信号端子３０の固定側被保持部３２よりも－Ｘ方向側に配置される（図２８参照）。これにより、固定側被保持部３２を＋Ｚ側から押圧して固定ハウジング１０に圧入する際に、固定側連結部４３が当該圧入工程を邪魔しないようになっている。

　信号端子３０の中間弾性部３３のうち固定側被保持部３２に隣接する部分（例えば第一曲部３３ｂ）は、側面視で、固定側連結部４３に隠れない。しかし、本実施形態では、固定用部材２０の側板部２３，２４，２５が、側面視で、信号端子３０の中間弾性部３３のうち固定側被保持部３２に隣接する部分を隠す。これにより、信号端子３０の中間弾性部３３のうち固定側被保持部３２に隣接する部分が、＋Ｙ方向側及び－Ｙ方向側から充分にシールドされる。

　図３０に示すように、一方の中間垂直方向部４４ｂの端部と他方の中間垂直方向部４４ｂの端部とは互いにＹ方向に対向した状態であり、両者の間にはある程度の隙間が形成される。なぜなら、仮に当該隙間をゼロにするようにシールド端子４０を形成しようとしたとしても、スプリングバックにより、隙間は空いてしまうからである。しかし、この隙間は小さい方がシールド効果の観点から好ましい。
　そこで、本実施形態では、互いに対向する一方の中間垂直方向部４４ｂの端部と他方の中間垂直方向部４４ｂの端部とには、それぞれ傾斜端面４４ｂ１が形成される。傾斜端面４４ｂ１は、中間垂直方向部４４ｂの板厚方向に対して傾斜した端面である。一方の傾斜端面４４ｂ１と他方の傾斜端面４４ｂ１は、互いに略平行となる方向に傾斜している。これにより、スプリングバックが生じる場合でも、一方の中間垂直方向部４４ｂの端部と他方の中間垂直方向部４４ｂの端部との隙間を小さくできる。（ここでいう隙間は、一対の中間垂直方向部４４ｂの板厚方向から見たときの隙間である。）なぜなら、上記のような傾斜端面４４ｂ１を形成することで、シールド端子４０（「曲げ加工品」）を形成する際の曲げ工程において、一方の中間垂直方向部４４ｂと他方の中間垂直方向部４４ｂとが上記方向から見て一部重なる状態になるまで曲げることができるからである。曲げ工程において、一部重なる状態になるまで曲げることができるので、スプリングバッグが生じた後の状態において、両者の隙間をゼロにできるか、小さくすることができる。
　なお、本実施形態では、シールド端子４０の製造工程において、最後に曲げるのは、可動側垂直方向部４６ｂと一対の可動側側方部４６ａ，４６ａとの間の一対の曲部である。図２９は、最後の曲げ工程の直前の状態を示す。しかし、上述の傾斜端面４４ｂ１による効果は、この場合に限定されない。

　先端側垂直方向部４７ｂは、第一実施形態と異なり、可動側垂直方向部４６ｂよりも－Ｘ方向側に位置する本体部４７ｂ１（図１０参照）を有しない。先端側垂直方向部４７ｂは、その全体が、Ｘ方向で可動側垂直方向部４６ｂと同じ位置に位置する。
　但し、先端側垂直方向部４７ｂは、第一実施形態と同様に構成されてもよい。

＜第二コネクタ２００Ｂ＞
　図３１～図３４に示すように、第二コネクタ２００Ｂは、信号端子８０とハウジング７０とシールド端子６０とを備える。

（信号端子８０）
　信号端子８０の第一部分８２の上部８２ａの幅寸法は、下部８２ｂの幅寸法よりも小さい。ここでいう上部８２ａの幅寸法は、後述する圧入突起８２ａ１が形成されていない部分の幅寸法を意味する。上部８２ａは、ハウジング７０に四方から囲まれる部分であるためインピーダンスが低下しやすい部分であるところ、上述のように上部８２ａの幅寸法を小さくすることで、インピーダンスの過剰な低下を防止できる。

　第二部分８１及び曲部８３は、同一の幅寸法を有する。第二部分８１及び曲部８３の幅寸法は、第一部分８２の下部８２ｂよりは小さく、上部８２ａよりは大きい。

　信号端子８０の第一部分８２の上部８２ａには、圧入突起８２ａ１が形成される。圧入突起８２ａ１は、第一部分８２が延びる方向（上下方向）で異なる複数の箇所（図では３箇所）に形成される。一番上の一箇所の圧入突起８２ａ１は、ハウジング７０に喰い込まない部分であり、信号端子８０をハウジング７０に圧入する際に信号端子８０を押し込むための圧入肩として機能する。それ以外の圧入突起８２ａ１（下の２箇所）がハウジング７０に喰い込む部分である。

　一番下の圧入突起８２ａ１は、上部８２ａの下端に位置する。このため、一番下の圧入突起８２ａ１を境に第一部分８２の幅寸法が変化している。
　一番上の圧入突起８２ａ１は、上部８２ａの上端に位置する。このため、一番上の圧入突起を境に信号端子８０の幅寸法が変化している。

（ハウジング７０）
　ハウジング７０は、ハウジング基部７１の側方面７１ｃから幅方向外側に突出する突出壁７６を有する。この突出壁７６は、シールド端子６０を保持する。

（シールド端子６０）
　シールド端子６０は、シールド基部６１と、シールド先端部６２と、を有する。シールド基部６１は、ハウジング基部７１を覆い、シールド先端部６２は、ハウジング先端部７２を覆う。

　シールド基部６１は、ハウジング基部７１の一対の側方面７１ｃを覆う一対の側方部６１ｃと、ハウジング基部７１の前方面７１ａを覆う前方部６１ａと、ハウジング基部７１の後方面７１ｂを覆う後方部６１ｂと、を有する。

　シールド基部６１の側方部６１ｃは、ハウジング７０に保持される。具体的には、側方部６１ｃには、その上端から下方向に延びる切欠部６１ｃ１が形成される。当該切欠部６１ｃ１に、ハウジング基部７１の側方面７１ｃから幅方向外側に突出する突出壁７６が圧入される。

　シールド端子６０は、複数（８つ）の基板接続部６３を有する。基板接続部６３は、シールド基部６１の一対の側方部６１ｃ、前方部６１ａ及び後方部６１ｂのそれぞれに２つずつ形成される。基板接続部６３は、第一実施形態と異なり、板端面を基板９２側に向けた状態で基板９２に接続される。

　シールド先端部６２は、ハウジング先端部７２の前方面７２ａを覆う前方部６２ａと、ハウジング先端部７２の後方面７２ｂを覆う後方部６２ｂ,６２ｂと、を有し、ハウジング先端部７２の側方面７２ｃを覆う一対の側方部（図１４の側方部６２ｃ参照）を有しない。

　図３３に示すように、シールド先端部６２の後方部６２ｂ,６２ｂは、幅方向に分離されており、一方の後方部６２ｂと他方の後方部６２ｂとから構成される。一方の後方部６２ｂと他方の後方部６２ｂとの間には、ハウジング先端部７２の一対の隔離壁７３，７３が配置される。シールド先端部６２の後方部６２ｂ,６２ｂのそれぞれが、第一コネクタ１００Ｂのシールド端子４０に接触するシールド接触部として機能する。

　シールド先端部６２は、前方部６２ａの下端と後方部６２ｂの下端とを繋ぐ先端側連結部６２ｄ，６２ｄを有する。先端側連結部６２ｄ，６２ｄは、ハウジング先端部７２を－Ｚ方向から覆う。先端側連結部６２ｄ，６２ｄは、シールド端子４０の材料となる板材を曲げ加工することで形成され、－Ｚ方向を凸とする湾曲形状になっている。すなわち、先端側連結部６２ｄ，６２ｄは、前方部６２ａの下端から後方部６２ｂの下端までを湾曲形状で繋ぐ。これにより、接続の際、先端側連結部６２ｄ，６２ｄに接触したシールド接触部４７ａ１をスムーズに変位させることができる。先端側連結部６２ｄ，６２ｄは、後方部６２ｂ,６２ｂと同様、幅方向に分離されている。

　図３４に示すように、シールド基部６１は、シールド基部６１の前方部６１ａとシールド先端部６２の前方部６２ａとを繋ぐ中間前側連結部６１ｄと、シールド基部６１の後方部６１ｂとシールド先端部６２の後方部６２ｂとを繋ぐ中間後側連結部６１ｅと、を有する。
　このため、本実施形態では、第一実施形態と異なり、露出面（図１６の露出面７１ｄ参照）がシールド端子６０によって覆われる。

　シールド端子６０は、キャップ用凹部６１ｃ２を有する。キャップ用凹部６１ｃ２は、コネクタ２００の運搬時等にコネクタ２００を保護するためのキャップを取り付けるための凹部である。キャップ用凹部６１ｃ２は、シールド基部６１の一対の側方部６１ｃの各々に２つずつ形成される。

＜作用効果＞
　次に、本実施形態の作用効果について説明する。
　但し、第一実施形態と同様の作用効果、及び、既に説明した作用効果の説明は省略する。

　本実施形態では、図２３～図２５に示すように、シールド端子４０の中間垂直方向部４４ｂは、中間弾性部３３の－Ｚ方向側に配置される。
　このため、シールド端子４０が、可動ハウジング５０に対し－Ｚ方向側から圧入される場合において、信号端子３０を既に保持している状態の可動ハウジング５０に、シールド端子４０を圧入することができる。

　また、本実施形態では、図２１に示すように、フローティングコネクタ１００Ｂは、追加シールド部材２０を備える。図２８に示すように、追加シールド部材２０は、固定側被保持部３２をＹ方向に垂直な方向からシールドする固定側垂直方向部２７を有する。
　このため、シールド端子４０が固定側垂直方向部を有しない場合やシールド端子４０の固定側垂直方向部によるシールド効果が不充分な場合においても、固定側被保持部３２をＹ方向に垂直な方向からシールドすることができる。

　また、本実施形態では、図２８に示すように、追加シールド部材２０（後側部材２０）は、中間弾性部３３を－Ｘ方向側からシールドする部分２７（固定側垂直方向部、連結板部２７）を有する。
　このため、シールド端子４０のみでは中間弾性部３３のシールドが充分でない場合でも、中間弾性部３３に対するシールド効果を高めることができる。

　また、本実施形態では、図３０に示すように、一方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１と他方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１とは、Ｙ方向で対向している。
　ここで、両者の間の隙間は、小さい方がシールド効果の観点から好ましい。
　そこで、本実施形態では、一方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１及び他方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１は、それらの板厚方向から見て、シールド端子４０の製造工程において一部が重なる状態を実現可能な形状である。
　このため、一方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１及び他方の中間垂直方向部４４ｂの端部４４ｂ１を、それらの板厚方向から見て、シールド端子４０の製造工程において一部が重なる状態にすることで、上記隙間を小さくすることができる。

　また、本実施形態では、図３１等に示すように、コネクタ２００Ｂは、信号端子８０と、シールド端子６０と、ハウジング７０と、を備える。信号端子８０には、基部２０１の内側導体部８２ａ及び信号接触部８２ｂが形成されている。シールド端子６０には、基部２０１の外側導体部６１及びシールド接触部６２ｂが形成されている。ハウジング７０には、基部２０１の誘電体部７１である基部側誘電体部７１と、先端部２０２の一部を構成する先端部側誘電体部７２と、が形成されている。シールド端子６０は、一方及び他方の基部側Ｘ方向部６１ａ，６１ｂと、一方及び他方の先端側Ｘ方向部６２ａ，６２ｂと、を有する。シールド端子６０は、板材に対し曲げ加工を施して形成されたものである。

　ここで、図３２に示すように、一方の基部側Ｘ方向部６１ａの＋Ｚ方向側の端部には、シールド端子６０の製造工程（図３５参照）におけるキャリアＣとの接続部分を切断したキャリア切断部６４が形成されている。そして、一方の基部側Ｘ方向部６１ａを基準にして、シールド端子６０の曲げられた部分を展開した場合（図３５参照）、一方の基部側Ｘ方向部６１ａ、一方の先端部側Ｘ方部６２ａ、他方の先端部側Ｘ方向部６２ｂ及び他方の基部側Ｘ方向部６１ｂは、Ｚ方向に沿ってこの順に並ぶ。
　このため、図３５に示すように、シールド端子６０の製造工程における曲げ加工を施す前の状態において、一方の基部側Ｘ方向部６１ａ、一方の先端部側Ｘ方部６２ａ、他方の先端部側Ｘ方向部６２ｂ及び他方の基部側Ｘ方向部６１ｂがキャリアＣの送り方向に垂直な方向に沿って配置されることとなる。したがって、キャリアＣの送り方向の寸法が小さい材料でシールド端子６０を形成できる。よって、材料のキャリア送り方向の寸法に対して効率よくシールド端子６０を製造することができる。

　また、本実施形態では、図３３に示すように、シールド端子６０は、一方の先端側Ｘ方向部６２ａの－Ｚ方向側の端部と、他方の先端側Ｘ方向部６２ｂの－Ｚ方向側の端部とを連結する先端側連結部６２ｄを有する。そして、先端側連結部６２ｄは、Ｙ方向から見て－Ｚ方向を凸とする湾曲形状に曲げられている。
　このため、コネクタ２００Ｂを相手コネクタ１００Ｂと接続する際、相手コネクタ１００Ｂの相手シールド端子４０が先端側連結部６２ｄに接触した場合でも、シールド接触部６２ｂが形成された他方の先端側Ｘ方向部６２ｂへ相手シールド端子４０をスムーズに案内することができる。

　また、本実施形態では、図３４に示すように、シールド端子６０は、中間連結部６１ｅを有する。中間連結部６１ｅは、他方の基部側Ｘ方向部６１ｂの－Ｚ方向側の端と、他方の先端側Ｘ方向部６２ｂの＋Ｚ方向側の端とを繋ぐ。
　このため、他方の基部側Ｘ方向部６１ｂと他方の先端側Ｘ方向部６２ｂとが短いルートで繋がれる。したがって、シールド端子６０により形成される電流経路を短くしやすい。
　特に、本実施形態では、シールド端子６０の伝送経路長と信号端子８０のそれがほぼ同等になり、グランドと信号の位相ずれを抑制することができる。

〔上記実施形態の補足説明〕
　なお、上記実施形態では、第一コネクタ１００のシールド端子４０が中間シールド部４４を有するが、本開示の第一コネクタのシールド端子はこれに限定されない。

　また、上記実施形態では、第一コネクタ１００の信号端子３０の先端側部３５，３６が先端弾性部３５を有するが、本開示の第一コネクタの信号端子の先端側部は、これに限定されず、先端弾性部を有しなくてもよい。

　また、上記実施形態では、第一コネクタ１００の信号端子３０が、Ｙ方向に垂直な平面に沿って延びているが、本開示の第一コネクタの信号端子は、これに限定されない。また、上記実施形態では、中間弾性部３３が、Ｙ方向に垂直な平面に沿って延びているが、本開示の中間弾性部は、これに限定されない。

　また、上記実施形態では、第一コネクタ１００の信号端子３０が、全体において、板厚方向をＹ方向に垂直な方向に向けており、板幅方向をＹ方向に向けている。しかし、本開示の第一コネクタの信号端子は、これに限定されず、全体として平板状に形成され、板厚方向をＹ方向に向けていてもよい。

　また、上記実施形態では、第一コネクタ１００の信号端子３０が、一部材で構成されている。しかし、本開示の第一コネクタ１００の信号端子３０は、これに限定されず、例えば２部材で構成されてもよい。

　また、上記実施形態では、第一コネクタ１００が固定用部材２０，２０を備えるが、本開示の第一コネクタは、これに限定されず、固定用部材を備えなくてもよい。

　最後に、上記実施形態（以下、特に断らない限り第一実施形態～第三実施形態を意味する。）の作用効果を更に別の観点から説明する。

　上記実施形態では、コネクタ１００，１００Ａ，１００Ｂは、信号端子３０と、接地端子４０と、ハウジング１０，５０と、を備える。
　そして、接地端子４０は、信号端子３０を挟むように配置された一対の対向配置部４１ａ，４２ａ，４３，４４ａ，４５，４６ａ，４７ａを有する。このため、信号端子３０のインピーダンスを接地端子４０の一対の対向配置部によって所望の値に設定することができる。そのため、高速伝送に適したコネクタを実現することができる。

　上記実施形態では、コネクタ２００，２００Ｂは、信号端子８０と、接地端子６０と、ハウジング７０と、を備える。
　そして、接地端子６０は、信号端子８０を挟むように配置された一対の対向配置部６２ｂ、６２ｂを有する。このため、信号端子８０のインピーダンスを接地端子６０の一対の対向配置部６２ｂ、６２ｂによって所望の値に設定することができる。そのため、高速伝送に適したコネクタを実現することができる。

　上記実施形態では、信号端子３０，８０と接地端子４０，６０とは板金で構成される。このため、切削加工で形成されるものと比べて、生産性が良い。そのため、生産性に適したコネクタを実現することができる。

　上記実施形態では、接地端子６０の包囲部６１が、信号端子８０のうち対向配置部６２ｂ、６２ｂによって挟まれていない部分８２ａを包囲するので、包囲部６１でも信号端子８０のインピーダンス調整が行われると共に、ノイズ対策を行うことができる。

　なお、上記実施形態において、信号端子８０が、その全ての範囲にわたって、対向配置部に挟まれるように接地端子６０を構成してもよい。この場合、信号端子３０の全範囲にわたってインピーダンスを適切な値に設定できる。このような構成は、例えば、接地端子６０を信号端子８０と同様の形状（例えばＹ方向から見てＬ字状の形状）に変更することで実現できる。

　上記実施形態（第三実施形態に限る。）では、図３１～図３４に示すように、信号端子８０は、Ｚ方向に直線状に延びる第一部分８２と、第一部分８２の＋Ｚ方向側の端部から－Ｘ方向に延びる第二部分８１と、と有する。第一部分８２は、信号接触部８２ｂと、信号接触部８２ｂと第二部分８１との間に位置する中間部８２ａと、を有する。ハウジング７０は、中間部８２ａをＺ方向に垂直な方向から包囲する基部側誘電体部７１と、信号接触部８２ｂの－Ｘ方向側の面を露出させた状態で信号接触部８２ｂを保持する先端部側誘電体部７２と、を有する。接地端子６０は、基部側誘電体部７１を－Ｘ方向側から覆う他方の基部側Ｘ方向部６１ｂと、先端部側誘電体部７２を－Ｘ方向側から覆うと共に、信号接触部８２ｂのＹ方向両側に配置された「一対の対向配置部」としての他方の先端側Ｘ方向部６２ｂと、他方の基部側Ｘ方向部６１ｂと他方の先端側Ｘ方向部６２ｂとを繋ぐ中間連結部６１ｅと、を有する。
　ここで、中間連結部６１ｅは、他方の基部側Ｘ方向部６１ｂの－Ｚ方向側の端と、他方の先端側Ｘ方向部６２ｂの＋Ｚ方向側の端とをＸ方向で繋ぐ。このため、迂回して繋がれる態様（例えば、第一実施形態）と比較して、他方の基部側Ｘ方向部６１ｂと他方の先端側Ｘ方向部６２ｂとが短いルートで繋がれる。

　上記実施形態では、信号端子３０の固定ハウジング対応部３１，３２、可動ハウジング対応部３４，３５，３６及び中間弾性部３３が接地端子４０の一対の対向配置部４１ａ，４２ａ，４３，４４ａ，４５，４６ａ，４７ａによって挟まれているので、信号端子３０のインピーダンスは接地端子４０の一対の対向配置部によって所望の値に設定される。そのため、高速伝送に適したフローティングコネクタを実現することができる。

　上記実施形態では、一対の対向配置部は、固定ハウジング対応部３１，３２を挟むように配置された一対の固定側対向配置部４１ａ，４２ａと、可動ハウジング対応部３４，３５，３６を挟むように配置された一対の可動側対向配置部４６ａ，４７ａと、中間弾性部３３を挟むように配置され一対の中間対向配置部４４（但し、中間垂直方向部４４ｂを除いた部分）と、を有する。そして、中間対向配置部４４は、弾性変形可能である。このため、接地端子４０が弾性変形可能な部分を有しない場合と比較して、信号端子３０のインピーダンスを適切に維持することができる。

　ところで、コネクタと相手コネクタとが接続された状態から意図せず接続が解除されないようにするための方法として、信号接触部の相手信号端子に対する接触圧を高くする方法がある。特に、上記実施形態では、相手端子２００の信号接触部８２ｂ及び接地接触部６２ｂが共に接続方向（Ｚ方向）に垂直な平面でコネクタ１００の信号端子３０及び接地端子４０と接触するので、接触圧を高くする方法が有効である。
　上記実施形態では、図２３等に示すように、可動側被保持部３４の板幅寸法を固定側被保持部３２の板幅寸法よりも大きくすることで、可動側被保持部３４に続く先端弾性部３５の板幅寸法を確保することができ、その結果、接触圧を確保しやすい。
　しかし、可動側被保持部３４の板幅寸法が固定側被保持部３２の板幅寸法よりも大きい場合において、仮に、可動側対向配置部４６ａ，４７ａのうち可動側被保持部３４を挟む部分４６ａが対向する距離が、固定側対向配置部４１ａ，４２ａのうち固定側被保持部３２を挟む部分４２ａが対向する距離と同じであると、インピーダンスの整合に関して不利である。
　そこで、上記実施形態では、可動側対向配置部４６ａ，４７ａのうち可動側被保持部３４を挟む部分４６ａが対向する距離は、固定側対向配置部４１ａ，４２ａのうち固定側被保持部３２を挟む部分４２ａが対向する距離よりも大きい。このため、信号端子３０と一対の対向配置部との距離がなるべく一定に保たれやすくなるので、インピーダンスの整合に関して有利である。

　上記実施形態では、第一接地端子４０は、第一接触部３６に対して－Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向他方側部４７ｂと、第一接触部３６に対してＹ方向両側に配置された第一Ｙ方向両側部４７ａ１と、を有する。第二接地端子６０は、第二接触部８２ｂに対して＋Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向一方側部６２ａと、第二接触部８２ｂに対してＹ方向両側に配置された第二Ｙ方向両側部６２ｂと、を有する。
　ここで、図１１、図１９、図２５に示すように、第一接地端子４０は、第一接触部３６に対して＋Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向一方側部を有さず、図１６、図３４に示すように、第二接地端子６０は、第二接触部８２ｂに対して－Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向他方側部を有さない。このため、これらのうち片方又は両方を有する態様と比較して、コネクタセットの構造を簡易にして低コスト化を図ることができる。
　また、図６に示すように、第一コネクタ１００，１００Ａ，１００Ｂと第二コネクタ２００，２００Ｂとが接続された状態では、第一Ｘ方向他方側部４７ｂが、第二接触部８２ｂに対して＋Ｘ方向側に配置され、かつ、第二Ｘ方向一方側部６２ａが第一接触部３６に対して－Ｘ方向側に配置された状態となる。このため、接続状態では、第一接触部３６及び第二接触部８２ｂに対してＸ方向両側及びＹ方向両側の４方向に接地端子４０が配置された状態となる。そのため、高速伝送に適したコネクタセットとすることができる。

１０固定ハウジング
３０信号端子
３１基板接続部
３２固定側被保持部
３３中間弾性部
３４可動側被保持部
３５，３６先端側部
３５先端弾性部
３６接触部
４０シールド端子
４０Ａシールド端子
４１接続側シールド部（基板接続部）
４１ａ接続側側方部
４２固定側シールド部（シールド固定側被保持部）
４２ａ固定側側方部
４２ｂ固定側垂直方向部
４３固定側連結部
４３ｈ変位部
４４中間シールド部
４４Ａ中間シールド部
４４ａ中間側方部
４４ｂ中間垂直方向部
４４ｃ追加中間垂直方向部
４５可動側連結部
４５ｈ変位部
４６可動側シールド部（シールド可動側被保持部）
４６ａ可動側側方部
４６ｂ可動側垂直方向部
４７先端側シールド部
４７ａ先端側側方部（シールド先端弾性部、弾性支持部、先端側部）
４７ａ１シールド接触部
４７ｂ先端側垂直方向部
４７ｂ１本体部
４７ｂ２基端部
５０可動ハウジング
５１嵌合部
５１ａ嵌合孔
６０シールド端子（外側導体部）
６１シールド基部（基部側外側導体部、外側導体部）
６１ｂシールド基部の後方部（他方の基部側Ｘ方向部）
６１ｅ中間後側連結部（中間連結部）
６２シールド先端部（先端部側外側導体部）
６２ｂシールド先端部の後方部（シールド接触部、他方の先端側Ｘ方向部）
６２ｄ先端側連結部
７０ハウジング
７１ハウジング基部（基部側誘電体部、誘電体部）
７１ｄ露出面
７２ハウジング先端部（先端部側誘電体部）
７３，７３隔壁部
８０信号端子
８２第一部分
８２ａ上部（内側導体部、基部側内側導体部）
８２ｂ下部（信号接触部）
９１第一基板（取付対象物）
９２第二基板
１００第一コネクタ（フローティングコネクタ、相手コネクタ）
１００Ａ第一コネクタ（フローティングコネクタ、相手コネクタ）
２００第二コネクタ（コネクタ、接続対象物）
２０１基部
２０２先端部

Claims

　信号端子と、
　接地端子と、
　ハウジングと、を備えるコネクタであって、
　前記接地端子は、前記信号端子を挟むように配置された一対の対向配置部を有する、
　コネクタ。
　前記信号端子と前記接地端子とは、板金で構成される、
　請求項１に記載のコネクタ。
　前記接地端子は、前記信号端子のうち前記一対の対向配置部によって挟まれていない部分を包囲する包囲部を有する、
　請求項１又は請求項２に記載のコネクタ。
　前記信号端子は、その全範囲にわたって、前記一対の対向配置部によって挟まれる、
　請求項１又は請求項２に記載のコネクタ。
　前記コネクタは、相手信号端子を備える相手コネクタと接続可能であり、
　前記コネクタに対する前記相手コネクタの接続方向を＋Ｚ方向とし、
　前記コネクタと前記相手コネクタとが接続された状態で、前記信号端子に対して前記相手信号端子が配置される側の方向を－Ｘ方向としたとき、
　前記信号端子は、Ｚ方向に直線状に延びる第一部分と、前記第一部分の＋Ｚ方向側の端部から－Ｘ方向に延びる第二部分と、と有し、
　前記第一部分は、
　前記相手信号端子に接触する信号接触部と、
　前記信号接触部と前記第二部分との間に位置する中間部と、を有し、
　前記ハウジングは、
　前記中間部をＺ方向に垂直な方向から包囲する基部側誘電体部と、
　前記信号接触部のうち前記相手信号端子に接触する側の面である－Ｘ方向側の面を露出させた状態で当該信号接触部を保持する先端部側誘電体部と、を有し、
　前記接地端子は、
　前記基部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆う他方の基部側Ｘ方向部と、
　前記先端部側誘電体部を－Ｘ方向側から覆うと共に、前記信号接触部のＹ方向両側に配置された前記一対の対向配置部としての他方の先端側Ｘ方向部と、
　前記他方の基部側Ｘ方向部と前記他方の先端側Ｘ方向部とを繋ぐ中間連結部と、を有し、
　前記中間連結部は、前記他方の基部側Ｘ方向部の－Ｚ方向側の端と、前記他方の先端側Ｘ方向部の＋Ｚ方向側の端とをＸ方向で繋ぐ、
　請求項１～請求項３の何れか一項に記載のコネクタ。
　前記ハウジングは、固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、を備え、
　前記信号端子は、
　前記固定ハウジングに対応する固定ハウジング対応部と、
　前記可動ハウジングに対応する可動ハウジング対応部と、
　前記固定ハウジング対応部と前記可動ハウジング対応部とを連結する中間弾性部と、を有し、
　前記接地端子は、前記固定ハウジング対応部、前記可動ハウジング対応部及び前記中間弾性部を挟むように配置された一対の対向配置部を有する、
　請求項１に記載のコネクタ。
　前記一対の対向配置部は、
　前記固定ハウジング対応部を挟むように配置された一対の固定側対向配置部と、
　前記可動ハウジング対応部を挟むように配置された一対の可動側対向配置部と、
　前記中間弾性部を挟むように配置され、弾性変形可能な一対の中間対向配置部と、を有する、
　請求項６に記載のコネクタ。
　前記固定ハウジング対応部は、前記固定ハウジングに保持される固定側被保持部を有し、
　前記可動ハウジング対応部は、
　前記可動ハウジングに保持される可動側被保持部と、
　相手コネクタの相手信号端子と接触する信号接触部と、
　前記可動側被保持部と前記信号接触部とを連結し、前記信号接触部を弾性支持する先端弾性部と、を有し、
　前記固定側被保持部、前記可動側被保持部、前記先端弾性部及び前記信号接触部の板幅方向は、前記一対の対向配置部が対向する方向と同じ方向であり、
　前記可動側被保持部の板幅寸法は、前記固定側被保持部の板幅寸法よりも大きく、
　前記可動側対向配置部のうち前記可動側被保持部を挟む部分が対向する距離は、前記固定側対向配置部のうち前記固定側被保持部を挟む部分が対向する距離よりも大きい、
　請求項７に記載のコネクタ。
　互いに接続可能な第一コネクタと第二コネクタとを備えるコネクタセットであって、
　前記第一コネクタは、第一信号端子と、第一接地端子と、第一ハウジングと、を備え、
　前記第二コネクタは、第二信号端子と、第二接地端子と、第二ハウジングと、を備え、
　前記第一信号端子は、前記第二信号端子と接触する第一接触部を有し、
　前記第二信号端子は、前記第一信号端子と接触する第二接触部を有し、
　前記第一接地端子は、前記第一信号端子を挟むように配置された一対の第一対向配置部を有し、
　前記第二接地端子は、前記第二信号端子を挟むように配置された一対の第二対向配置部を有する、
　コネクタセット。
　前記第一コネクタに対する前記第二コネクタの接続方向を－Ｚ方向とし、
　前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、前記第一接触部に対して前記第二接触部が配置される側の方向を＋Ｘ方向としたとき、
　前記第一接地端子は、
　前記第一接触部に対して－Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向他方側部と、
　前記第一接触部に対してＹ方向両側に配置された前記一対の第一対向配置部としての第一Ｙ方向両側部と、を有し、
　前記第一接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された第一Ｘ方向一方側部を有さず、
　前記第二接地端子は、
　前記第二接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向一方側部と、
　前記第二接触部に対してＹ方向両側に配置された前記一対の第二対向配置部としての第二Ｙ方向両側部と、を有し、
　前記第二接触部に対して－Ｘ方向側に配置された第二Ｘ方向他方側部を有さず、
　前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態では、前記第一Ｘ方向他方側部が、前記第二接触部に対して－Ｘ方向側に配置され、かつ、前記第二Ｘ方向一方側部が前記第一接触部に対して＋Ｘ方向側に配置された状態となる、
　請求項９に記載のコネクタセット。