WO2022180726A1

WO2022180726A1 - 香味吸引器

Info

Publication number: WO2022180726A1
Application number: PCT/JP2021/007021
Authority: WO
Inventors: 正実川邊; 吉高松本; 渓介春木
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2021-02-25
Filing date: 2021-02-25
Publication date: 2022-09-01
Also published as: JPWO2022180726A1

Abstract

消費材を除去するための新たな構造を備える香味吸引器を提供する。　消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器が提供される。この香味吸引器は、消費材が挿入される筒状の収容部と、喫煙可能物質を内部から加熱する加熱要素と、収容部の外周を囲み、周方向に回転可能な筒状部と、収容部と筒状部との間に設けられるスリーブ部材と、収容部及びスリーブ部材のいずれか一方に形成される螺旋ガイドと、螺旋ガイドが形成されていない収容部又はスリーブ部材に形成される、螺旋ガイドと係合する第１係合部と、を有する。収容部は、筒状部と係合する第２係合部を有する。第２係合部は、筒状部に対して収容部が消費材の挿入方向に移動可能であるように筒状部と係合する。

Description

香味吸引器

　本発明は、香味吸引器に関する。

　従来、材料の燃焼をすることなく香味等を吸引するための香味吸引器が知られている。このような香味吸引器として、例えば、喫煙物品を収容する被挿入部材をハウジング内に備えた電気加熱式エアロゾル発生システムが知られている（特許文献１）。

特許第５９６３３７５号

　特許文献１に開示された電気加熱式エアロゾル発生システムは、本体から分離した基材保持部を備える。喫煙物品を本体から除去するときは、基材保持部を引っ張ることで、喫煙物品がブレード状の加熱器から引き抜かれ、その後喫煙物品（消費材）が基材保持部から除去され得る。

　本発明の目的の一つは、消費材を除去するための新たな構造を備える香味吸引器を提供することである。

　第１形態によれば、消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器が提供される。この香味吸引器は、前記消費材が挿入される筒状の収容部と、前記喫煙可能物質を加熱する加熱要素と、前記収容部の外周を囲み、周方向に回転可能な筒状部と、前記収容部と前記筒状部との間に設けられるスリーブ部材と、前記収容部及び前記スリーブ部材のいずれか一方に形成される螺旋ガイドと、前記螺旋ガイドが形成されていない前記収容部又は前記スリーブ部材に形成される、前記螺旋ガイドと係合する第１係合部と、を有する。前記収容部は、前記筒状部と係合する第２係合部を有する。前記第２係合部は、前記筒状部に対して前記収容部が前記消費材の挿入方向に移動可能であるように前記筒状部と係合する。

　第１形態によれば、筒状部が周方向に回転することで、筒状部とともに収容部がスリーブ部材に対して周方向に回転し、第２係合部が螺旋ガイドに沿って移動する。その結果、収容部が、筒状部に対して消費材の挿入方向に移動することができ、消費材を容易に取り出すことができる。このように、第１形態によれば、消費材を除去するための新たな構造を備える香味吸引器が提供される。第２係合部は、筒状部に対して収容部が周方向に移動しないように、筒状部と係合してもよい。

　第２形態は、第１形態において、前記筒状部は、前記消費材が挿入される挿入端部を有し、前記スリーブ部材は、前記挿入方向において前記収容部よりも前記挿入端部と反対側に延在する、ことを要旨とする。

　第２形態によれば、加熱要素の熱がスリーブ部材に到達したときに、スリーブ部材が熱を収容部よりも挿入端部と反対側に伝達することができる。これにより、収容部の周囲に対応する筒状部が局所的に高温になることが一層抑制され得る。

　第３形態は、第１形態又は第２形態において、前記筒状部は、前記第２係合部が係合する前記挿入方向に延びる被係合部を有する、ことを要旨とする。

　第３形態によれば、筒状部に対して収容部を挿入方向にのみ移動させることができる。

　第４形態は、第３形態において、前記筒状部は、前記消費材の側面と接触して前記喫煙可能物質を前記加熱要素にガイドするガイド部を有する、ことを要旨とする。

　第４形態によれば、消費材を加熱要素に向けてスムーズに挿入することができる。

　第５形態は、第４形態において、前記被係合部は、前記ガイド部に設けられる、ことを要旨とする。

　筒状部のガイド部は、消費材の側面と接触することから、通常、筒状部の最外の周壁よりも内側に位置する。被係合部が、筒状部の最外の周壁に設けられる場合、筒状部の周壁の厚さが周方向において不均一になるので周壁の断熱性が不均一になる恐れがある。第５形態によれば、筒状部のガイド部に被係合部が設けられるので、筒状部の最外の周壁の断熱性が不均一になることを抑制することができる。

　第６形態は、第１形態から第５形態のいずれかにおいて、前記筒状部を周方向に回転可能であり且つ前記挿入方向に移動しないように支持する支持部を有し、前記筒状部は、前記支持部に対して着脱可能に取り付けられる、ことを要旨とする。

　第６形態によれば、筒状部を支持部から取り外すことで、スリーブ部材及び収容部が露出されるので、スリーブ部材及び収容部が容易にクリーニングされ得る。

　第７形態は、第６形態において、前記スリーブ部材は、前記支持部によって支持される、ことを要旨とする。

　第７形態によれば、支持部によって筒状部が周方向に回転可能に支持され、且つスリーブ部材も支持される。これにより、筒状部の周方向の回転に伴って収容部が支持部に対して周方向に回転したときに、収容部がスリーブ部材に対しても周方向に回転され得るので、螺旋ガイドに対して第１係合部が容易に摺動され得る。

　第８形態は、第１形態から第７形態のいずれかにおいて、前記収容部は、筒状の側壁と、底壁と、を有し、前記消費材が取り出される第１位置と、前記消費材が加熱される第２位置との間を移動可能である、ことを要旨とする。

　第８形態によれば、収容部が第１位置と第２位置との間を移動可能であるので、消費材の使用後に、喫煙可能物質が収容部内に配置された状態で収容部を第１位置に移動させることで、たばこ刻み等の喫煙可能物質が消費材からこぼれることを抑制しながら、加熱要素から喫煙可能物質を容易に除去することができる。

　第９形態は、第８形態において、前記筒状部は、前記消費材が挿入される挿入端部を有し、前記収容部が前記第１位置に位置するとき、前記収容部の前記側壁は、前記消費材の挿入方向において前記挿入端部から突出しない、ことを要旨とする。

　第９形態によれば、収容部の側壁が消費材の挿入方向において筒状部の挿入端部から突出しないので、収容部が消費材の挿入方向において露出されることが防止され得る。その結果、ユーザが収容部に触ることが防止され得、香味吸引器の安全性をより高くすることができる。また、被挿入部材内に加熱要素が位置する場合には、ユーザが収容部に触ることにより収容部を介して加熱要素に不要な力がかかり加熱要素が損傷することが防止され得る。

　第１０形態は、第８形態又は第９形態において、前記収容部に収容された前記消費材と前記収容部の前記側壁との間の全周に亘り空隙が設けられる、ことを要旨とする。

　第１０形態によれば、収容部と消費材との間に空隙が設けられるので、消費材の側面が収容部と接触する場合に比べて、加熱要素及び加熱された喫煙可能物質の熱が空隙を通じて被挿入部材の収容部及び筒状部に伝達されることが抑制され得る。その結果、筒状部表面の温度上昇を低減でき、且つ筒状部により喫煙可能物質から熱が奪われることを低減することができる。また、消費材の側面が収容部に接触しないので、消費材が収容部から取り出されるときに、収容部に不要な力が加わることが防止され得る。その結果、収容部内に加熱要素が位置する場合に、ユーザが収容部に触ることにより収容部を介して加熱要素に不要な力がかかり加熱要素が損傷することが防止され得る。

　第１１形態は、第８形態から第１０形態のいずれかにおいて、空気インレットと、前記空気インレットから前記収容部の内部への空気流路と、を有し、前記収容部の前記底壁は、開口を有し、前記空気流路は、前記収容部の前記底壁の前記開口に通じる、ことを要旨とする。

　第１１形態によれば、収容部の底壁の開口を通じて、喫煙可能物質の端部に空気が供給され得る。

　第１２形態は、第１１形態において、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記収容部が前記第１位置及び前記第２位置に位置するとき、前記底壁の前記開口内に位置するように構成される、ことを要旨とする。

　第１２形態によれば、収容部が第１位置及び第２位置に位置するときにおいて、底壁の開口の少なくとも一部が加熱要素によって閉鎖されるので、喫煙可能物質が底壁の開口を通じて香味吸引器の内部に入り込むことを抑制することができる。また、第７形態において収容部の側壁が挿入端部から突出しないように構成される場合には、ユーザが収容部に触ることが防止され得る。この場合、収容部が第１位置に位置するときに底壁の開口内に加熱要素の少なくとも一部が位置しても、ユーザが収容部に触ることにより収容部を介して加熱要素に不要な力がかかり加熱要素が損傷することが防止され得る。

　第１３形態は、第１形態から第１２形態のいずれかにおいて、前記加熱要素は、前記喫煙可能物質を内部から加熱するよう構成される、ことを要旨とする。

　第１３形態によれば、加熱要素が喫煙可能物質に挿入された状態における消費材の取出しを容易に行い得る。加えて本形態によれば、加熱要素を喫煙可能物質に挿入させることで収容部底部に喫煙可能物質が残留するなどした際、収容部を消費材の挿入方向に移動させることにより収容部底部が挿入口に近づき清掃を容易にし得る。

　第１４形態は、第１３において、前記加熱要素は、前記挿入方向と直交する断面において円形の断面形状を有するピンである、ことを要旨とする。

　第１形態において、筒状部とともに収容部がスリーブ部材に対して周方向に回転すると、これに伴って収容部に収容される消費材に対しても周方向に回転するための力が加わり得る。第１３形態によれば、加熱要素が円形の断面形状を有するピンであるので、ピンが消費材の中心軸上に挿入されていれば、消費材に周方向に回転する力が加わっても、消費材が加熱要素に対して周方向に回転することができ、加熱要素に力が加わることが抑制され得る。

本実施形態に係る加熱システムの概略側断面である。収容部の上側斜視図である。収容部の下側斜視図である。筒状部の斜視図を示す。スリーブ部材の斜視図である。

　以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。

　図１は、本実施形態に係る加熱システムの概略側断面である。本実施形態に係る加熱システムは、消費材１０と、香味吸引器１００とを有する。香味吸引器１００は、携帯デバイス又はハンドヘルド型デバイスであることが好ましい。図１に示すように、消費材１０は、香味吸引器１００によって加熱される喫煙可能物質１６と、センターホールフィルタ１５と、中空フィルタ１４と、フィルタ部１２とを有する。

　香味吸引器１００は、固体又は液体の喫煙可能物質１６を加熱して喫煙可能物質１６を霧化させるように構成される。喫煙可能物質１６は、例えば長手方向に沿って延びる柱状形状の消費材１０の一部を構成する。消費材１０は、例えば喫煙可能物質１６がたばこを含むたばこスティックであり得る。消費材１０に含まれる喫煙可能物質１６は、所定温度で加熱されてエアロゾルを発生するエアロゾル源を含有し得る。エアロゾル源の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び／又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル源として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、１，３－ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。喫煙可能物質１６としては、ラミナ、中骨等のたばこ、又はその他の公知の植物を使用し得る。また、たばこ等の喫煙可能物質１６の形状は、刻み状、シート状、紐状、粉状、粒状、ペレット状、スラリー状、又は多孔質状などであってもよい。

　香味吸引器１００は、第１部分２５と第２部分２２とを有する。第２部分２２は、少なくともバッテリ２３と、ＰＣＢ２４（Ｐｒｉｎｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ　Ｂｏａｒｄ）と、を有する。バッテリ２３は、香味吸引器１００で用いる電力を蓄積する。例えば、バッテリ２３は、リチウムイオン電池である。バッテリ２３は、外部電源によって充電可能であってもよい。

　ＰＣＢ２４は、ＣＰＵ及びメモリなどによって構成されており、香味吸引器１００の動作を制御する。例えば、ＰＣＢ２４は、図示しない押しボタンやスライド式スイッチ等の入力装置に対するユーザ操作に応じて喫煙可能物質１６の加熱を開始し、一定時間が経過したら喫煙可能物質１６の加熱を終了する。ＰＣＢ２４は、ユーザによるパフ動作の回数が一定値を超過した場合に、喫煙可能物質１６の加熱開始から一定時間が経過する前であっても喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。例えば、パフ動作は、図示しないセンサによって検出される。

　或いは、ＰＣＢ２４は、パフ動作の開始に応じて喫煙可能物質１６の加熱を開始し、パフ動作の終了に応じて喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。ＰＣＢ２４は、パフ動作の開始から一定時間が経過した場合に、パフ動作の終了前であっても喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。本実施形態では、ＰＣＢ２４は、バッテリ２３と第１部分２５との間に配置されている。ＰＣＢ２４は、第１部分２５に設けられてもよい。

　図示の例では、香味吸引器１００は、スティック状の消費材１０を受け入れるように構成される。また、図示のように、バッテリ２３、ＰＣＢ２４、及び第１部分２５は、消費材１０を香味吸引器１００に挿入する方向に配列され得る。本明細書において、消費材１０の挿入方向を軸方向ということがある。また、本明細書における周方向とは、軸方向における軸を中心とした周方向を意味する。

　第１部分２５は、筒状部３０と、収容部４２と、支持部５０と、加熱部６０と、スリーブ部材７０を有する。加熱部６０は、喫煙可能物質１６に挿入可能な形状を有し、喫煙可能物質１６を内部から加熱するように構成される。具体的には、加熱部６０は、喫煙可能物質１６に挿入されるピン６２（加熱要素の一例に相当する）と、ピン６２を支持部５０に固定するためのホルダ部６４とを有する。ピン６２は、例えば、その表面又は内部に抵抗加熱可能なヒーティングトラック等を有し得る。ピン６２は、消費材１０の挿入方向と直交する断面において円形の断面形状を有することが好ましい。これに限らず、加熱部６０は、ブレード状のヒータを有してもよい。ピン６２において、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に位置付けられた状態において喫煙可能物質１６と接触する部分が、加熱要素として機能する。

　ピン６２には、バッテリ２３からの電力が供給される。具体的には、ピン６２にはリード線６６が設けられ、リード線６６を介して第２部分２２のＰＣＢ２４及び／又はバッテリ２３に電気的に接続され得る。ピン６２は、インダクションコイルによって誘導加熱されるサセプタ（加熱要素の一例に相当する）を有してもよい。その場合、サセプタが喫煙可能物質１６の内部に挿入され、図示しないインダクションコイルによって誘導加熱されることで、喫煙可能物質１６が加熱される。ピン６２がサセプタを有する場合、筒状部３０及び／又は収容部４２は、透磁性及び非導電性（電気絶縁性）を有することが好ましい。これにより、インダクションコイルにより筒状部３０及び／又は収容部４２が発熱しにくく、効率よくサセプタを発熱させることができる。透磁性及び非導電性（電気絶縁性）を有する材料としては、例えば、ガラス、植物、木材、紙、ＰＥＥＫ等の樹脂等が挙げられる。インダクションコイルは、例えば平板コイルやシリンドリカルコイルであり得る。インダクションコイルは、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に位置決めされた状態において、収容部４２の後述する底壁４４を介して消費材１０の反対側に、又は収容部４２の後述する側壁４３を囲むように設けられ得る。

　支持部５０は、全体として略筒状をなしており、筒状部３０を支持する第１支持部分５２と、加熱部６０を支持する第２支持部分５４とを有する。第１支持部分５２は、略円筒状であり、一端の外周面に筒状部３０と係合するための複数の凸部５２ａを有する。複数の凸部５２ａは、支持部５０の軸方向（消費材１０の挿入方向）において同一の位置に位置し、周方向において互いに離間するように形成され得る。これにより、筒状部３０は、支持部５０に対して周方向に回転可能であり且つ消費材１０の挿入方向に移動しないように支持部５０によって支持される。第１支持部分５２は、複数の凸部５２ａに代えて、筒状部３０と係合するための周方向に延びる突条又は凹部若しくはスリットを有してもよい。筒状部３０は、支持部５０に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。この場合、筒状部３０を支持部５０から取り外すことで、スリーブ部材７０及び収容部４２が露出されるので、スリーブ部材７０及び収容部４２が容易にクリーニングされ得る。

　第２支持部分５４は、第１支持部分５２と一体に形成され得る。第２支持部分５４は、第１支持部分５２より小さい外径を有する略円筒状の部分であり、第１支持部分５２の内側に位置する。第２支持部分５４は、加熱部６０のホルダ部６４及びリード線６６近傍を支持する。

　また、支持部５０は、スリーブ部材７０を支持するように構成される。具体的には、支持部５０は、支持部５０に対してスリーブ部材７０が周方向に回転せず且つ軸方向に移動しないように、スリーブ部材７０を支持する。これにより、筒状部３０は、スリーブ部材７０に対して周方向に回転可能に支持部５０によって支持される。

　図２Ａは、収容部４２の上側斜視図である。図２Ｂは、収容部４２の下側斜視図である。図１、図２Ａ、及び図２Ｂに示すように、収容部４２は、全体的に筒状であり、消費材１０が挿入されるように構成され得る。具体的には収容部４２は、筒状の側壁４３と、底壁４４とを有する。底壁４４は、開口４４ａを有する。収容部４２は、消費材１０が収容部４２から取り出される第１位置と、消費材１０が加熱部６０によって加熱される第２位置との間を、消費材１０の挿入方向において移動可能である。消費材１０の使用後に、喫煙可能物質１６が収容部４２内に配置された状態で収容部４２を第１位置に移動させることで、たばこ刻み等の喫煙可能物質１６が消費材１０からこぼれることを抑制しながら、ピン６２から喫煙可能物質１６を容易に除去することができる。図１では、収容部４２が第２位置に配置されている状態が示されている。

　図１に示すように、収容部４２が第２位置に位置するとき、加熱部６０のピン６２は、底壁４４の開口４４ａを貫通し、ピン６２の一部が収容部４２の内部に位置する。ピン６２の少なくとも一部は、収容部４２が第１位置及び第２位置に位置するとき、底壁４４の開口４４ａ内に位置するように構成されることが好ましい。これにより、収容部４２が第１位置及び第２位置に位置するときにおいて、底壁４４の開口４４ａの少なくとも一部がピン６２によって閉鎖される。したがって、喫煙可能物質１６が底壁４４の開口４４ａを通じて香味吸引器１００の内部に入り込むことを抑制することができる。

　図１に示すように、収容部４２に収容された消費材１０（喫煙可能物質１６）と収容部４２の側壁４３との間の全周に亘り、空隙Ｓ２が設けられることが好ましい。これにより、消費材１０の側面が収容部４２と接触する場合に比べて、ピン６２及び加熱された喫煙可能物質１６の熱が収容部４２及び筒状部３０に伝達されることが抑制され得る。その結果、筒状部３０表面の温度上昇を低減でき、且つ収容部４２により喫煙可能物質１６から熱が奪われることを低減することができる。また、消費材１０の側面が収容部４２に接触しないので、消費材１０が収容部４２から取り出されるときに、収容部４２に不要な力が加わることが防止され得る。その結果、収容部４２内にピン６２が位置する場合に、ユーザが収容部４２に触ることにより収容部４２を介してピン６２に不要な力がかかりピン６２が損傷することが防止され得る。

　図１、図２Ａ、及び図２Ｂに示すように、本実施形態の収容部４２は、側壁４３の外周面に、スリーブ部材７０の後述する螺旋ガイド７２と係合する外側凸部４８（第１係合部の一例に相当する）を有する。図示の例では、収容部４２は２つの外側凸部４８を有し、２つの外側凸部４８は、側壁４３の中心軸に対して互いに反対側に位置する。また、収容部４２は、側壁４３の内周面に、筒状部３０と係合する内側凸部４６（第２係合部の一例に相当する）を有する。図示の例では、収容部４２は２つの内側凸部４６を有し、２つの内側凸部４６は、側壁４３の中心軸に対して互いに反対側に位置する。図示の例では、内側凸部４６と外側凸部４８とが、側壁４３の周方向において対応する位置に形成されるが、これに限らず、内側凸部４６と外側凸部４８は、それぞれ側壁４３の内周面と外周面の任意の位置に設けられ得る。

　図３は、筒状部３０の斜視図を示す。本実施形態において、筒状部３０は、加熱部６０、収容部４２、及びスリーブ部材７０の外周を囲み、周方向に回転可能に構成される。具体的には、筒状部３０は収容部４２及びスリーブ部材７０の外周を囲む周壁３１を有する。図１に示すように、筒状部３０は、加熱部６０に空気を供給するための空気インレット３２と、消費材１０が挿入される開口３４が形成された挿入端部３６と、を有する。図示の例では、空気インレット３２は、周壁３１に形成される。空気インレット３２は、周壁３１に周方向に沿って複数設けられ得る。筒状部３０の空気インレット３２から流入した空気は、収容部４２に形成された開口４４ａを通じて収容部４２の内部に流入する。即ち、香味吸引器１００は、空気インレット３２から収容部４２の底壁４４の開口４４ａに通じる空気流路を有する。これにより、収容部４２の底壁４４の開口４４ａを通じて、喫煙可能物質１６の端部に空気が供給され得る。

　挿入端部３６は、周壁３１の一端部を構成し、挿入端部３６から消費材１０が挿入される。筒状部３０は、さらに、挿入端部３６とは反対側の端部において、支持部５０の複数の凸部５２ａと係合する係合凹部３３を有する。係合凹部３３は、周方向に延びる溝であり得る。これにより、第１支持部分５２の複数の凸部５２ａが係合凹部３３に対して摺動し、筒状部３０は、支持部５０及びスリーブ部材７０に対して周方向に回転可能であり且つ消費材１０の挿入方向に移動しないように支持部５０によって支持される。第１支持部分５２が、複数の凸部５２ａに代えて、筒状部３０と係合するための凹部又はスリットを有する場合には、筒状部３０は、係合凹部３３に代えて第１支持部分５２の凹部又はスリットと係合する凸部を有してもよい。

　また、筒状部３０は、ガイド部３８を有し、ガイド部３８によって消費材１０が挿入される開口３４が画定される。ガイド部３８は、開口３４の一部を画定する挿入端部３６からバッテリ２３側に向かって延びる略筒状の部材であり、挿入端部３６と一体に形成され得る。ガイド部３８は、開口３４を通じて香味吸引器１００に挿入される消費材１０の側面と接触して喫煙可能物質１６をピン６２にガイドする内面を有する。

　図３に示すように、筒状部３０は、消費材１０の挿入方向に延び、収容部４２の内側凸部４６が係合する被係合部３８ａを有する。これにより、内側凸部４６は、筒状部３０に対して収容部４２が消費材１０挿入方向に移動可能であり且つ筒状部３０に対して収容部４２が周方向に移動しないように、筒状部３０と係合することができる。被係合部３８ａは、筒状部３０の周壁３１に設けられてもよいが、図３に示すようにガイド部３８に設けられることが好ましい。筒状部３０のガイド部３８は、消費材１０の側面と接触することから、通常、筒状部３０の最外の周壁３１よりも内側に位置する。被係合部３８ａが、筒状部３０の最外の周壁３１に設けられる場合、筒状部３０の側壁４３の厚さが周方向において不均一になるので周壁３１の断熱性が不均一になる恐れがある。本実施形態では、筒状部３０のガイド部３８に被係合部３８ａが設けられるので、筒状部３０の最外の周壁３１の断熱性が不均一になることを抑制することができる。図３に示す例では、被係合部３８ａは、貫通するスリットであるが、これに限らず、内側凸部４６が係合可能な有底の凹部であってもよい。

　筒状部３０は、ガイド部３８と周壁３１との間に、収容部４２の一部が入り込む空隙Ｓ１を有する。空隙Ｓ１は消費材１０の挿入方向に延びる。上述したように、収容部４２は、消費材１０の挿入方向に移動可能であり、空隙Ｓ１は、収容部４２が挿入端部３６に向かって移動したときの収容部４２の可動域となる。

　図４は、スリーブ部材７０の斜視図である。図１及び図４に示すように、スリーブ部材７０は、全体として略筒状の部材であり、収容部４２と筒状部３０との間に設けられる。スリーブ部材７０の材料は任意であるが、例えば、熱伝導性の良好な金属（ステンレス鋼、アルミニウム等）であることが好ましい。スリーブ部材７０が収容部４２と筒状部３０との間に位置することにより、収容部４２内で加熱部６０が加熱されたときの熱が、スリーブ部材７０によって挿入方向に拡散され得る。これにより、筒状部３０が局所的に高温になることが抑制され得る。図１に示すように、スリーブ部材７０は、消費材１０の挿入方向において収容部４２よりも第２部分２２側、即ち挿入端部３６と反対側に延在することが好ましい。これにより、ピン６２の熱が収容部４２を通じてスリーブ部材７０に到達したときに、スリーブ部材７０が熱を収容部４２よりも挿入端部３６と反対側に伝達することができる。これにより、収容部４２の周囲に対応する筒状部３０が局所的に高温になることが一層抑制され得る。

　スリーブ部材７０は、空気インレット３２からの空気が通過するための通気口７４を有する。これにより、筒状部３０の空気インレット３２から流入した空気は、通気口７４及び収容部４２に形成された開口４４ａを通じて収容部４２の内部に流入する。

　また、本実施形態では、スリーブ部材７０は、収容部４２の外側凸部４８が係合する螺旋ガイド７２を有する。螺旋ガイド７２は、筒状の螺旋ガイド７２の壁面に形成された、例えば図１及び図４に示すように貫通したスリットであり得る。螺旋ガイド７２は、有底の凹部であってもよい。図４に示すように、螺旋ガイド７２は、筒状のスリーブ部材７０の軸方向に沿ってスリーブ部材７０を巻くように形成される。螺旋ガイド７２は、第１終端部７２ａと、収容部４２の軸方向（消費材１０の挿入方向）において第１終端部７２ａより挿入端部３６側に位置する第２終端部７２ｂと、を有する。図１に示す収容部４２の外側凸部４８は、螺旋ガイド７２の第１終端部７２ａに位置し、その結果、収容部４２は、消費材１０が加熱部６０によって加熱されるときの第２位置に位置する。図示の例では、スリーブ部材７０は、収容部４２の２つの外側凸部４８に対応するように、２つの螺旋ガイド７２を有する。

　次に、収容部４２の第１位置と第２位置との間の移動について説明する。図１に示す状態において筒状部３０を周方向に回転させると、収容部４２の内側凸部４６が筒状部３０の被係合部３８ａと周方向において係合し、収容部４２が筒状部３０とともに周方向に回転する。その結果、収容部４２がスリーブ部材７０に対して周方向に回転して、収容部４２の外側凸部４８が螺旋ガイド７２に沿って移動する。収容部４２は、周方向に回転しながら挿入端部３６に向かって挿入方向に移動し、筒状部３０の外側凸部４８が螺旋ガイド７２の第２終端部７２ｂに到達すると、収容部４２は、消費材１０が収容部４２から取り出される第１位置に到達する。このとき、収容部４２の底壁４４が、消費材１０を挿入端部３６側に押し出し、喫煙可能物質１６がピン６２から引き抜かれ得る。ユーザは、収容部４２が第１位置に位置する状態において、香味吸引器１００から消費材１０を取り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、筒状部３０が消費材１０の挿入方向に移動することなく、収容部４２を消費材１０の挿入方向に移動させることができる。その結果、本実施形態では、筒状部３０が消費材１０の挿入方向に移動することに起因する収容部４２の露出が抑制され得、香味吸引器１００の安全性を向上させることができる。

　なお、筒状部３０とともに収容部４２がスリーブ部材７０に対して周方向に回転すると、これに伴って収容部４２に収容される消費材１０に対しても周方向に回転するための力が加わり得る。本実施形態では、ピン６２が円形の断面形状を有するので、ピン６２が消費材１０の略中心軸上に挿入されていれば、消費材１０に周方向に回転する力が加わっても、消費材１０がピン６２に対して周方向に回転することができ、ピン６２に力が加わることが抑制され得る。

　筒状部３０を逆方向に回転させることで、筒状部３０は、第１位置から第２位置に移動する。喫煙可能物質１６が収容部４２に収容されていない状態において、新たな消費材１０を開口３４に挿入して、喫煙可能物質１６を第２位置に位置する収容部４２内に配置させることができる。

　収容部４２が第１位置に位置するとき、収容部４２の側壁４３は、消費材１０の挿入方向において挿入端部３６から突出しないことが好ましい。これにより、収容部４２が消費材１０の挿入方向において露出されることが防止され得る。その結果、ユーザが比較的高温の収容部４２に触ることが防止され得、香味吸引器１００の安全性をより高くすることができる。また、第１の位置において収容部４２内にピン６２の少なくとも一部が位置する場合には、ユーザが収容部４２に触ることにより収容部４２を介してピン６２に不要な力がかかりピン６２が損傷することが防止され得る。

　以上で説明した実施形態では、螺旋ガイド７２がスリーブ部材７０に形成され、螺旋ガイド７２と係合する外側凸部４８が収容部４２に形成されるが、これに限られない。即ち、螺旋ガイド７２が収容部４２の側壁４３に形成されて、この螺旋ガイド７２と係合する凸部（第１係合部の一例に相当する）がスリーブ部材７０の内周面に形成されてもよい。即ち、螺旋ガイド７２は、収容部４２及びスリーブ部材７０のいずれか一方に形成され、この螺旋ガイド７２と係合する凸部は、螺旋ガイド７２が形成されていない収容部４２又はスリーブ部材７０に形成されればよい。また、螺旋ガイド７２は、収容部４２の側壁４３又はスリーブ部材７０の表面に形成される有底の凹部（溝）であってもよいし、収容部４２又はスリーブ部材７０を貫通するスリットであってもよい。

　また、本実施形態では、被係合部３８ａがガイド部３８に形成され、これと係合する内側凸部４６が収容部４２の側壁４３の内周面に形成されるが、これに限られない。即ち、ガイド部３８は、筒状部３０の周壁３１の内周面に、挿入方向に延びるように形成されてもよい。この場合、収容部４２の外側凸部４８が螺旋ガイド７２と、周壁３１に形成されたガイド部３８の両方と係合するように構成され得る。

　以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、加熱部６０は、抵抗加熱型に限らず、誘導加熱型であってもよい。その場合、香味吸引器１００に設けられるインダクションコイルにより、加熱部６０のピン６２が誘導加熱され得る。また、消費材１１０がサセプタを有する場合には、加熱部６０のインダクションコイルによって消費材１１０のサセプタが誘導加熱され得る。さらに、加熱部６０は、消費材１１０を外側から加熱する外側加熱式のヒータを有してもよい。

１０　　：消費材
１６　　：喫煙可能物質
３０　　：筒状部
３２　　：空気インレット
３６　　：挿入端部
３８　　：ガイド部
３８ａ　：被係合部
４２　　：収容部
４３　　：側壁
４４　　：底壁
４４ａ　：開口
４６　　：内側凸部
４８　　：外側凸部
５０　　：支持部
６２　　：ピン
７０　　：スリーブ部材
７２　　：螺旋ガイド
１００　：香味吸引器
Ｓ１　　：空隙
Ｓ２　　：空隙

Claims

　消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器であって、
　前記消費材が挿入される筒状の収容部と、
　前記喫煙可能物質を加熱する加熱要素と、
　前記収容部の外周を囲み、周方向に回転可能な筒状部と、
　前記収容部と前記筒状部との間に設けられるスリーブ部材と、
　前記収容部及び前記スリーブ部材のいずれか一方に形成される螺旋ガイドと、
　前記螺旋ガイドが形成されていない前記収容部又は前記スリーブ部材に形成される、前記螺旋ガイドと係合する第１係合部と、を有し、
　前記収容部は、前記筒状部と係合する第２係合部を有し、
　前記第２係合部は、前記筒状部に対して前記収容部が前記消費材の挿入方向に移動可能であるように前記筒状部と係合する、香味吸引器。
　請求項１に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部は、前記消費材が挿入される挿入端部を有し、
　前記スリーブ部材は、前記挿入方向において前記収容部よりも前記挿入端部と反対側に延在する、香味吸引器。
　請求項１又は２に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部は、前記第２係合部が係合する前記挿入方向に延びる被係合部を有する、香味吸引器。
　請求項３に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部は、前記消費材の側面と接触して前記喫煙可能物質を前記加熱要素にガイドするガイド部を有する、香味吸引器。
　請求項４に記載された香味吸引器において、
　前記被係合部は、前記ガイド部に設けられる、香味吸引器。
　請求項１から５のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部を周方向に回転可能であり且つ前記挿入方向に移動しないように支持する支持部を有し、
　前記筒状部は、前記支持部に対して着脱可能に取り付けられる、香味吸引器。
　請求項６に記載された香味吸引器において、
　前記スリーブ部材は、前記支持部によって支持される、香味吸引器。
　請求項１から７のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記収容部は、筒状の側壁と、底壁と、を有し、前記消費材が取り出される第１位置と、前記消費材が加熱される第２位置との間を移動可能である、香味吸引器。
　請求項８に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部は、前記消費材が挿入される挿入端部を有し、
　前記収容部が前記第１位置に位置するとき、前記収容部の前記側壁は、前記消費材の挿入方向において前記挿入端部から突出しない、香味吸引器。
　請求項８又は９に記載された香味吸引器において、
　前記収容部に収容された前記消費材と前記収容部の前記側壁との間の全周に亘り空隙が設けられる、香味吸引器。
　請求項８から１０のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　空気インレットと、
　前記空気インレットから前記収容部の内部への空気流路と、を有し、
　前記収容部の前記底壁は、開口を有し、
　前記空気流路は、前記収容部の前記底壁の前記開口に通じる、香味吸引器。
　請求項１１に記載された香味吸引器において、
　前記加熱要素の少なくとも一部は、前記収容部が前記第１位置及び前記第２位置に位置するとき、前記底壁の前記開口内に位置するように構成される、香味吸引器。
　請求項１から１２のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記加熱要素は、前記喫煙可能物質を内部から加熱するよう構成される、香味吸引器。
　請求項１３に記載された香味吸引器において、
　前記加熱要素は、前記挿入方向と直交する断面において円形の断面形状を有するピンである、香味吸引器。