WO2022224337A1

WO2022224337A1 - 香味吸引器及び喫煙システム

Info

Publication number: WO2022224337A1
Application number: PCT/JP2021/015990
Authority: WO
Inventors: 正実川邊; 渓介春木; 吉高松本
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2021-04-20
Filing date: 2021-04-20
Publication date: 2022-10-27

Abstract

消費材を収容する収容部のクリーニングを容易に行う。　消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器が提供される。この香味吸引器は、消費材が挿入される筒状の収容部と、喫煙可能物質を加熱する加熱要素と、収容部の少なくとも一部を支持する支持部を備え、収容部の外周を囲む筒状部と、収容部の少なくとも一部を支持部と挟むように構成される、着脱可能なキャップ部と、を有する。

Description

香味吸引器及び喫煙システム

　本発明は、香味吸引器及び喫煙システムに関する。

　従来、材料の燃焼をすることなく香味等を吸引するための香味吸引器が知られている。このような香味吸引器として、例えば、喫煙物品を収容するチャンバをハウジング内に備えた電気加熱式エアロゾル発生システムが知られている（特許文献１）。

特許第５９６３３７５号

　特許文献１に開示された電気加熱式エアロゾル発生システムは、本体から分離した基材保持部を備える。喫煙物品を本体から除去するときは、基材保持部を引っ張ることで、喫煙物品がブレード状の加熱器から引き抜かれ、その後喫煙物品（消費材）が基材保持部から除去され得る。このような基材保持部には、喫煙物品の引き抜き方によっては使用済のたばこ葉（喫煙可能物質）が残留することがある。

　本発明の目的の一つは、消費材を収容する収容部のクリーニングを容易に行うことである。

　第１態様によれば、消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器が提供される。この香味吸引器は、前記消費材が挿入される筒状の収容部と、前記喫煙可能物質を加熱する加熱要素と、前記収容部の少なくとも一部を支持する支持部を備え、前記収容部の外周を囲む筒状部と、前記収容部の少なくとも一部を前記支持部と挟むように構成される、着脱可能なキャップ部と、を有する。

　第１態様によれば、筒状部の支持部とキャップ部によって収容部が挟み込まれているので、キャップ部を香味吸引器から取り外すことにより、収容部の保持が解放される。これにより、収容部を香味吸引器から取り外すことができるので、収容部に残留した喫煙可能物質等を除去し、収容部を容易にクリーニングすることができる。

　第２態様は、第１態様において、前記収容部は、前記支持部に支持される凸部を有し、前記支持部及び前記キャップ部は、前記収容部が前記筒状部の軸方向に移動しないように前記凸部を挟むように構成される、ことを要旨とする。

　第２態様によれば、支持部及びキャップ部により軸方向に移動しないように凸部が挟まれるので、消費材を安定して収容部に対して挿入又は除去することができる。

　第３態様は、第２態様において、前記収容部は、複数の前記凸部を有し、複数の前記凸部は、前記収容部の周方向に互いに離間して設けられる、ことを要旨とする。

　第３態様によれば、収容部が周方向に互いに離間した複数の凸部を有するので、複数の凸部を支持部及びキャップ部で挟むことで、周方向における複数の位置で収容部が保持され得る。これにより、周方向において単一の位置で収容部が保持される場合に比べて安定して収容部が保持され得る。

　第４態様は、第１態様から第３態様のいずれかにおいて、前記加熱要素は、前記喫煙可能物質に挿入されるように構成される、ことを要旨とする。

　喫煙可能物質を加熱要素から引き抜く際に、使用済の喫煙可能物質が収容部内に残留する可能性がある。第４態様によれば、収容部を香味吸引器から取り外すことができるので、収容部に喫煙可能物質等が残留しても、収容部を容易にクリーニングすることができる。

　第５態様は、第１態様から第４態様のいずれかにおいて、前記キャップ部は外周面に第１ねじを有し、前記筒状部は内周面に前記第１ねじと螺合する第２ねじを有する、ことを要旨とする。

　第５態様によれば、キャップ部と筒状部とが螺合するので、キャップ部と筒状部とに挟まれる収容部をよりしっかりと保持することができる。

　第６態様は、第２態様を引用する第５態様において、前記筒状部の前記第２ねじは、前記凸部が通過するための前記筒状部の軸方向に延びる切欠きを有する、ことを要旨とする。

　第２ねじが切欠きを備えない場合、収容部を筒状部の内部に挿入するためには、凸部が第２ねじに干渉しないように収容部の外径を小さくする必要がある。第６態様によれば、収容部の外径を小さくすることなく、凸部を切欠きに通過させながら収容部を筒状部の内部に挿入して配置し、その後、キャップ部を筒状部に螺合することで、収容部を保持することができる。

　第７態様は、第２態様を引用する第５態様又は第６態様において、前記筒状部の前記第２ねじは、前記支持部に支持された前記凸部の周方向の移動を制限するように構成される、ことを要旨とする。

　第７態様によれば、第２ねじによって凸部の周方向の移動が制限されるので、収容部が筒状部に対して周方向に移動することが抑制され得る。

　第８態様は、第１態様から第７態様のいずれかにおいて、前記キャップ部は、前記消費材を挿入するための開口と、前記開口に挿入された前記消費材の側面と接触して前記喫煙可能物質を前記加熱要素に向けてガイドするガイド部と、を有する、ことを要旨とする。

　第８態様によれば、消費材を加熱要素に向けてスムーズに挿入することができる。

　第９態様は、第８態様において、前記ガイド部は、前記筒状部の軸方向の位置において、前記収容部と重なる、ことを要旨とする。

　第９態様によれば、ガイド部が収容部まで延在するので、消費材を収容部まで確実にガイドすることができ、消費材がより所望の位置に配置され得る。

　第１０態様は、第８態様又は第９態様において、前記ガイド部は、前記筒状部の軸方向の位置において、前記加熱要素と重なる、ことを要旨とする。

　第１０態様によれば、ガイド部が加熱要素まで延在するので、消費材を加熱要素まで確実にガイドすることができ、消費材がより所望の位置に配置され得る。

　第１１態様は、第８態様から第１０態様のいずれかにおいて、前記開口の径は、前記消費材の外径よりも小さい、ことを要旨とする。

　第１１態様によれば、消費材が収容部内の所望の位置に配置されたとき、開口と消費材との間に隙間が生じないので、開口を通じて空気が消費材に供給されることが防止され得る。

　第１２態様は、第８形態から第１１態様のいずれかにおいて、前記ガイド部の前記開口側の端部から前記収容部の底部までの長さをＬ１とし、前記筒状部の軸方向における前記ガイド部の長さをＬ２としたとき、５ｍｍ＜Ｌ２、或いはＬ１×０．２＜Ｌ２である、ことを要旨とする。

　第１２態様によれば、消費材の挿入長さに対して十分なガイド部の長さを確保することができるので、消費材がより所望の位置に配置され得る。

　第１３態様は、第１態様から第１２態様のいずれかにおいて、前記収容部と前記筒状部との間に設けられるスリーブ部材を有する、ことを要旨とする。

　第１３態様によれば、喫煙可能物質が収容部内で加熱されたときの熱が、スリーブ部材によって軸方向に拡散され得る。これにより、筒状部が局所的に高温になることが抑制され得る。スリーブ部材は、金属等の伝熱性の高い材料で形成されることが好ましい。

　第１４態様は、第１３態様において、前記消費材が挿入される挿入端部を有し、前記スリーブ部材は、前記消費材の挿入方向において前記収容部よりも前記挿入端部と反対側に延在する、ことを要旨とする。

　第１４態様によれば、加熱要素の熱が収容部を通じてスリーブ部材に到達したときに、スリーブ部材が熱を収容部よりも挿入端部と反対側に伝達することができる。その結果、収容部の周囲に対応する筒状部が局所的に高温になることが一層抑制され得る。

　第１５態様は、第１態様から第１４態様のいずれかにおいて、前記筒状部が着脱可能に取り付けられる支持体を有し、前記筒状部、前記キャップ部、及び前記収容部は、一体となって前記支持体と着脱可能である、ことを要旨とする。

　第１５態様によれば、喫煙後に筒状部を支持体から取り外すことにより、収容部に収容された消費材を香味吸引器から除去することができる。

　第１６態様は、第１３態様又は第１４態様を引用する第１５態様において、前記スリーブ部材は、前記支持体によって支持される、ことを要旨とする。

　第１６態様によれば、スリーブの周方向の回転及び軸方向の移動を抑制することができる。

　第１７態様は、第１態様から第１６態様のいずれかにおいて、前記収容部は、前記収容部内の所望の位置に位置決めされた前記消費材の喫煙可能物質を取り囲むように構成される側壁を有し、前記収容部に収容された前記消費材の前記喫煙可能物質と前記収容部の前記側壁との間の全周に亘り空隙が設けられる、ことを要旨とする。

　第１７態様によれば、収容部と消費材との間に空隙が設けられる、即ち収容部と消費材との間にガイド部等が設けられないので、消費材の側面が収容部又はキャップ部のガイド部と接触する場合に比べて、加熱要素及び加熱された喫煙可能物質の熱が空隙を通じて収容部及び筒状部に伝達されることが抑制され得る。その結果、筒状部表面の温度上昇を低減でき、且つ筒状部により喫煙可能物質から熱が奪われることを低減することができる。

　第１８態様によれば、喫煙可能物質と、紙管部と、を有する前記消費材と、請求項１から１７のいずれか一項に記載された香味吸引器と、を有する喫煙システムが提供される。喫煙システムは、前記キャップ部は、前記収容部の所望の位置に配置された前記消費材の前記紙管部を保持する保持部を有する。

　消費材がセンターホールフィルタを有する場合、センターホールフィルタは、消費材の加熱により収縮する可能性がある。センターホールフィルタが喫煙可能物質に隣接して設けられる場合には、特にセンターホールフィルタの熱による収縮の恐れがある。キャップ部がセンターホールフィルタを保持する場合、センターホールフィルタが熱収縮すると、センターホールフィルタとキャップ部との間に隙間が生じ、適切に消費材を保持できなくなる恐れがある。第１８態様によれば、キャップ部の保持部は紙管部を保持するので、センターホールフィルタが熱収縮しても、消費材を適切に保持することができる。なお、本明細書において、消耗品が配置される「収容部の所望の位置」とは、消耗品からエアロゾルを発生させるのに適した、意図された位置をいう。具体的には、「収容部の所望の位置」は、例えば収容部が挿入された消耗品が突き当てられる底部を有している場合は、消耗品が底部の少なくとも一部に突き当てられたときの位置をいう。

本実施形態に係る喫煙システムの概略側断面である。収容部の上側斜視図である。筒状部の斜視図を示す。キャップ部の斜視図である。

　以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。

　図１は、本実施形態に係る喫煙システムの概略側断面である。本実施形態に係る喫煙システムは、消費材１０と、香味吸引器１００とを有する。香味吸引器１００は、携帯デバイス又はハンドヘルド型デバイスであることが好ましい。図１に示すように、消費材１０は、香味吸引器１００によって加熱される喫煙可能物質１６と、センターホールフィルタ１５と、紙管部１４と、フィルタ部１２とを有する。消費材１０のセンターホールフィルタ１５は、喫煙可能物質１６と紙管部１４との間に位置する。紙管部１４は、センターホールフィルタ１５を通過したエアロゾルを冷却する冷却部として機能し得る。紙管部１４の内部には、エアロゾルとの接触面積を増加させてエアロゾルの冷却を促進するためのシート等の材料が充填されてもよい。

　香味吸引器１００は、固体又は液体の喫煙可能物質１６を加熱して喫煙可能物質１６を霧化させるように構成される。喫煙可能物質１６は、例えば長手方向に沿って延びる柱状形状の消費材１０の一部を構成する。消費材１０は、例えば喫煙可能物質１６がたばこを含むたばこスティックであり得る。消費材１０に含まれる喫煙可能物質１６は、所定温度で加熱されてエアロゾルを発生するエアロゾル源を含有し得る。エアロゾル源の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び／又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル源として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、１，３－ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。喫煙可能物質１６としては、ラミナ、中骨等のたばこ、又はその他の公知の植物を使用し得る。また、たばこ等の喫煙可能物質１６の形状は、刻み状、シート状、紐状、粉状、粒状、ペレット状、スラリー状、又は多孔質状などであってもよい。

　香味吸引器１００は、バッテリ２３と、ＰＣＢ２４（Ｐｒｉｎｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ　Ｂｏａｒｄ）と、を有する。バッテリ２３は、香味吸引器１００で用いる電力を蓄積する。例えば、バッテリ２３は、リチウムイオン電池である。バッテリ２３は、外部電源によって充電可能であってもよい。本実施形態では、バッテリ２３及びＰＣＢ２４は、後述するストッパ９０、第２支持体５４、及びスリーブ部材７０によって囲まれる空間内に収容され得る。

　ＰＣＢ２４は、ＣＰＵ及びメモリなどによって構成されており、香味吸引器１００の動作を制御する。例えば、ＰＣＢ２４は、図示しない押しボタンやスライド式スイッチ等の入力装置に対するユーザ操作に応じて喫煙可能物質１６の加熱を開始し、一定時間が経過したら喫煙可能物質１６の加熱を終了する。ＰＣＢ２４は、ユーザによるパフ動作の回数が一定値を超過した場合に、喫煙可能物質１６の加熱開始から一定時間が経過する前であっても喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。例えば、パフ動作は、図示しないセンサによって検出される。

　或いは、ＰＣＢ２４は、パフ動作の開始に応じて喫煙可能物質１６の加熱を開始し、パフ動作の終了に応じて喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。ＰＣＢ２４は、パフ動作の開始から一定時間が経過した場合に、パフ動作の終了前であっても喫煙可能物質１６の加熱を終了してもよい。

　図示の例では、香味吸引器１００は、消費材１０が挿入される挿入端部１０１を有し、スティック状の消費材１０を受け入れるように構成される。挿入端部１０１は、後述するストッパ９０と反対側の端部ともいえる。また、図示のように、バッテリ２３、ＰＣＢ２４は、消費材１０を香味吸引器１００に挿入する方向に配列され得る。本明細書において、消費材１０の挿入方向を軸方向ということがある。また、本明細書における周方向とは、軸方向における軸を中心とした周方向を意味する。

　香味吸引器１００は、筒状部３０と、収容部４２と、支持体５０と、加熱部６０と、スリーブ部材７０と、キャップ部８０と、を有する。加熱部６０は、喫煙可能物質１６に挿入可能な形状を有し、喫煙可能物質１６を内部から加熱するように構成される。具体的には、加熱部６０は、喫煙可能物質１６に挿入されるピン６２（加熱要素の一例に相当する）と、ピン６２を支持体５０に固定するためのホルダ部６４とを有する。ピン６２は、例えば、その表面又は内部に抵抗加熱可能なヒーティングトラック等を有し得る。ピン６２は、消費材１０の挿入方向と直交する断面において円形の断面形状を有することが好ましい。これに限らず、加熱部６０は、ブレード状のヒータを有してもよい。ピン６２において、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に位置付けられた状態において喫煙可能物質１６と接触する部分が、加熱要素として機能する。

　ピン６２には、バッテリ２３からの電力が供給される。具体的には、ピン６２にはリード線６６が設けられ、リード線６６を介してＰＣＢ２４及び／又はバッテリ２３に電気的に接続され得る。ピン６２は、インダクションコイルによって誘導加熱されるサセプタ（加熱要素の一例に相当する）を有してもよい。その場合、サセプタが喫煙可能物質１６の内部に挿入され、図示しないインダクションコイルによって誘導加熱されることで、喫煙可能物質１６が加熱される。ピン６２がサセプタを有する場合、筒状部３０、収容部４２、及びキャップ部８０の少なくとも一つは、透磁性及び非導電性（電気絶縁性）を有することが好ましい。これにより、インダクションコイルにより筒状部３０、収容部４２、及びキャップ部８０の少なくとも一つが発熱しにくく、効率よくサセプタを発熱させることができる。透磁性及び非導電性（電気絶縁性）を有する材料としては、例えば、ガラス、植物、木材、紙、ＰＥＥＫ等の樹脂等が挙げられる。インダクションコイルは、例えば平板コイルやシリンドリカルコイルであり得る。インダクションコイルは、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に位置決めされた状態において、収容部４２の後述する底壁４４を介して消費材１０の反対側に、又は収容部４２の後述する側壁４３を囲むように設けられ得る。

　支持体５０は、全体として略筒状をなしており、筒状部３０を支持する第１支持体５２と、加熱部６０を支持する第２支持体５４とを有する。第１支持体５２は、略円筒状であり、一端の外周面に筒状部３０と係合するための複数の凸部５２ａを有する。複数の凸部５２ａは、支持体５０の軸方向（消費材１０の挿入方向）において同一の位置に位置し、周方向において互いに離間するように形成され得る。第１支持体５２は、複数の凸部５２ａに代えて、筒状部３０と係合するための凹部を有してもよい。筒状部３０は、支持体５０に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。第１支持体５２の凸部５２ａとは逆側の端部には、スリーブ部材７０が軸方向に移動しないようにスリーブ部材７０を支持するためのストッパ９０が取り付けられる。

　第２支持体５４は、第１支持体５２より小さい外径を有し、第１支持体５２の内側に位置する。第２支持体５４は、加熱部６０のホルダ部６４及びリード線６６近傍を支持する。第２支持体５４は、第１支持体５２に対して周方向及び軸方向に移動しないように固定される。また、支持体５０は、スリーブ部材７０を支持するように構成される。具体的には、支持体５０は、支持体５０に対してスリーブ部材７０が周方向に回転せず且つ軸方向に移動しないように、スリーブ部材７０を支持する。

　スリーブ部材７０は、全体として略筒状の部材であり、収容部４２と筒状部３０との間に設けられる。スリーブ部材７０の材料は任意であるが、例えば、熱伝導性の良好な金属（ステンレス鋼、アルミニウム等）であることが好ましい。スリーブ部材７０が収容部４２と筒状部３０との間に位置することにより、収容部４２内で喫煙可能物質１６が加熱されたときの熱が、スリーブ部材７０によって挿入方向に拡散され得る。これにより、筒状部３０が局所的に高温になることが抑制され得る。図１に示すように、スリーブ部材７０は、消費材１０の挿入方向において収容部４２よりもストッパ９０側、即ち香味吸引器１００の挿入端部１０１と反対側に延在することが好ましい。これにより、ピン６２の熱が収容部４２を通じてスリーブ部材７０に到達したときに、スリーブ部材７０が熱を収容部４２よりも挿入端部１０１と反対側に伝達することができる。その結果、収容部４２の周囲に対応する筒状部３０が局所的に高温になることが一層抑制され得る。

　スリーブ部材７０は、空気インレット３２からの空気が通過するための通気口７４を有する。これにより、筒状部３０の空気インレット３２から流入した空気は、通気口７４及び収容部４２に形成された開口４４ａを通じて収容部４２の内部に流入する。

　図２は、収容部４２の上側斜視図である。図１及び図２に示すように、収容部４２は、全体的に筒状であり、消費材１０が挿入されるように構成され得る。具体的には収容部４２は、筒状の側壁４３と、底壁４４とを有する。側壁４３は、収容部４２内の所望の位置に位置決めされた消費材１０の喫煙可能物質１６を取り囲む。図１に示すように、加熱部６０のピン６２は、底壁４４の開口４４ａを貫通し、ピン６２の一部が収容部４２の内部に位置する。

　図１に示すように、収容部４２に収容された消費材１０の喫煙可能物質１６と収容部４２の側壁４３との間の全周に亘り、空隙Ｓ２が設けられることが好ましい。これにより、消費材１０の側面が収容部４２と接触する場合に比べて、ピン６２及び加熱された喫煙可能物質１６の熱が収容部４２及び筒状部３０に伝達されることが抑制され得る。その結果、筒状部３０表面の温度上昇を低減でき、且つ収容部４２により喫煙可能物質１６から熱が奪われることを低減することができる。

　図１及び図２に示すように、本実施形態の収容部４２は、筒状部３０の後述する支持部３７に支持される凸部４６を有する。具体的には、収容部４２は、側壁４３の外周面に凸部４６を有する。収容部４２は、周方向に互いに離間して設けられる複数の凸部４６を有することが好ましい。図示の例では、収容部４２は、周方向に互いに離間して設けられる４つの凸部４６を有する。

　図３は、筒状部３０の斜視図を示す。筒状部３０は、少なくとも収容部４２の外周を囲む。具体的には、本実施形態において、筒状部３０は、加熱部６０、収容部４２、及びスリーブ部材７０の外周を囲む。筒状部３０は収容部４２及びスリーブ部材７０の外周を囲む周壁３１を有する。図１及び図３に示すように、筒状部３０は、加熱部６０に空気を供給するための空気インレット３２と、収容部４２及びキャップ部８０が挿入される開口３４が形成された端部３８とを有する。図示の例では、空気インレット３２は、周壁３１に形成される。空気インレット３２は、周壁３１に周方向に沿って複数設けられ得る。筒状部３０の空気インレット３２から流入した空気は、スリーブ部材７０の通気口７４及び収容部４２に形成された開口４４ａを通じて収容部４２の内部に流入する。即ち、香味吸引器１００は、空気インレット３２から収容部４２の底壁４４の開口４４ａに通じる空気流路を有する。これにより、収容部４２の底壁４４の開口４４ａを通じて、喫煙可能物質１６の端部に空気が供給され得る。

　端部３８は、周壁３１の一端部を構成する。香味吸引器１００の組立時に端部３８から収容部４２及びキャップ部８０が挿入される。図１及び図３に示すように、筒状部３０は、さらに、端部３８とは反対側の端部において、支持体５０の複数の凸部５２ａと係合する複数の係合凹部３３を有する。複数の係合凹部３３は、複数の凸部５２ａと対応するように周方向に互いに離間して設けられる。これにより、第１支持体５２の複数の凸部５２ａが係合凹部３３に対して係合し、筒状部３０が軸方向及び周方向に回転しないように支持体５０によって支持される。第１支持体５２が、複数の凸部５２ａに代えて、筒状部３０と係合するための凹部を有する場合には、筒状部３０は、係合凹部３３に代えて第１支持体５２の凹部と係合する凸部を有してもよい。

　また、図３に示すように、筒状部３０は、端部３８側の内周面に、キャップ部８０の後述する第１ねじ８２と螺合する第２ねじ３５を有し得る。また、図３に示すように、筒状部３０の第２ねじ３５は、収容部４２の凸部４６が通過するための筒状部３０の軸方向に延びる切欠き３６を有し得る。切欠き３６は、収容部４２の複数の凸部４６に対応するように、第２ねじ３５に複数設けられ得る。また、筒状部３０は、収容部４２の少なくとも一部を支持する支持部３７を備える。図３に示す例では、支持部３７は、筒状部３０の周壁３１の内面に形成されるリング状の板状体である。図３に示す例では、支持部３７は、筒状部３０の周壁３１の全周に渡って形成されるが、これに限らず、例えば切欠き３６に対応する位置にのみ設けられていてもよい。

　図４は、キャップ部８０の斜視図である。図１に示すように、キャップ部８０は、収容部４２の少なくとも一部、具体的には凸部４６を支持部３７と挟むように構成される。キャップ部８０は、香味吸引器１００に対して着脱可能である。具体的には、キャップ部８０は、筒状部３０に着脱可能に取り付けられ得る。図１及び図４に示すように、キャップ部８０は、全体として筒状体をなしており、その外周面に、筒状部３０の第２ねじ３５と螺合する第１ねじ８２を有する。また、キャップ部８０は、消費材１０を挿入するための開口８１と、開口８１に挿入された消費材１０の側面と接触して喫煙可能物質１６を加熱部６０に向けてガイドするガイド部８３と、を有する。これにより、消費材１０を加熱部６０に向けてスムーズに挿入することができる。なお、キャップ部８０のガイド部８３は、開口８１に挿入された消費材１０の側面と接触するキャップ部８０の内面部分に相当する。

　図１に示すように、キャップ部８０のガイド部８３は、筒状部３０の軸方向の位置において、収容部４２と重なることが好ましい。本実施形態では、ガイド部８３は、収容部４２の内側に延在するように、収容部４２と重なっている。これにより、ガイド部８３が収容部４２まで延在するので、消費材１０を収容部４２まで確実にガイドすることができ、消費材１０がより所望の位置に配置され得る。また、ガイド部８３は、筒状部３０の軸方向の位置において、加熱部６０と重なることが好ましい。本実施形態では、ガイド部８３は、ピン６２の先端とわずかに重なっている。これにより、ガイド部８３が加熱部６０まで延在するので、消費材１０を加熱部６０まで確実にガイドすることができ、消費材１０がより一層所望の位置に配置され得る。キャップ部８０の開口８１の径は、消費材１０の外径よりも小さいことが好ましい。これにより、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に配置されたとき、開口８１と消費材１０との間に隙間が生じないので、開口８１を通じて空気が消費材１０に供給されることが防止され得る。また、消費材１０を開口８１によってしっかりと保持することができる。

　キャップ部８０のガイド部８３は、収容部４２の所望の位置に配置された消費材１０の紙管部１４を保持するように構成されることが好ましい。即ち、ガイド部８３は、消費材１０の紙管部１４を保持する保持部の機能を有し得る。本実施形態のように、消費材１０がセンターホールフィルタ１５を有する場合、センターホールフィルタ１５は、消費材１０の加熱により収縮する可能性がある。センターホールフィルタ１５が喫煙可能物質１６に隣接して設けられる場合には、特にセンターホールフィルタ１５の熱による収縮の恐れがある。キャップ部８０がセンターホールフィルタ１５を保持する場合、センターホールフィルタ１５が熱収縮すると、センターホールフィルタ１５とキャップ部８０との間に隙間が生じ、適切に消費材１０を保持できなくなる恐れがある。これに対して、本実施形態によれば、キャップ部８０のガイド部８３が紙管部１４を保持するので、センターホールフィルタ１５が熱収縮しても、消費材１０を適切に保持することができる。

　図１に示すように、キャップ部８０のガイド部８３の開口８１側の端部から収容部４２の底部（底壁４４の内面）までの長さをＬ１とし、筒状部３０の軸方向におけるガイド部８３の長さをＬ２としたとき、５ｍｍ＜Ｌ２、或いはＬ１×０．２＜Ｌ２であることが好ましい。これにより、消費材１０の挿入長さに対して十分なガイド部８３の長さを確保することができるので、消費材１０がより所望の位置に配置され得る。また、ガイド部８３の内径は、消費材１０の外径よりも小さいことが好ましい。これにより、消費材１０が収容部４２内の所望の位置に配置されたときガイド部８３と消費材１０との間に隙間が生じないので、ガイド部８３を通じて空気が消費材１０に供給されることが防止され得る。また、消費材１０をガイド部８３によってしっかりと保持することができる。なお、本実施形態では、ガイド部８３は管状であるが、消費材１０をガイドすることができる形状であればよく、例えば軸方向に延びる複数のレール状の部材であってもよい。このようにガイド部８３の内面が円形断面でない場合のガイド部８３の内径は、ガイド部８３の内面に接する内接円の径をいう。

　上述したように、消費材１０が香味吸引器１００から除去されるとき、消費材１０の引き抜き方によっては使用済みの喫煙可能物質１６が収容部４２に残留することがある。そこで、本実施形態では、上述したように、キャップ部８０を香味吸引器１００に対して着脱可能に構成することにより、収容部４２のクリーニングを容易に行うことができる。具体的には、本実施形態では、図１に示すように、筒状部３０の支持部３７とキャップ部８０によって収容部４２が挟み込まれて保持されている。このため、キャップ部８０を香味吸引器１００から取り外すことにより、収容部４２の保持が解放される。これにより、収容部４２を香味吸引器１００から取り外すことができるので、収容部４２に残留した喫煙可能物質１６等を除去し、収容部４２を容易にクリーニングすることができる。

　図１に示した状態では、キャップ部８０が香味吸引器１００に取り付けられることで、筒状部３０、キャップ部８０、及び収容部４２は一体となる。これにより、筒状部３０を支持体５０から取り外すことで、筒状部３０、キャップ部８０、及び収容部４２は一体となって支持体５０から取り外され得る。即ち、筒状部３０、キャップ部８０、及び収容部４２は、一体となって支持体５０と着脱可能である。これにより、喫煙後に筒状部３０を支持体５０から取り外すことにより、収容部４２に収容された消費材１０を香味吸引器１００から除去することができる。また、この場合、スリーブ部材７０及び加熱部６０が露出されるので、スリーブ部材７０及び加熱部６０が容易にクリーニングされ得る。

　また、本実施形態では、図１及び図２に示したように、収容部４２が凸部４６を有し、支持部３７及びキャップ部８０が、収容部４２が筒状部３０の軸方向に移動しないように凸部４６を挟むことが好ましい。より具体的には、図１及び図３に示すように、キャップ部８０は、収容部４２の凸部４６と当接する当接面８４を有する。キャップ部８０を筒状部３０に螺合することにより、当接面８４が凸部４６と当接し、キャップ部８０の当接面８４と筒状部３０の支持部３７とにより凸部４６を挟み込んで収容部４２が保持される。言い換えれば、キャップ部８０の当接面８４が、凸部４６を支持部３７に押さえつけて固定することができる。これにより、支持部３７及びキャップ部８０により軸方向に移動しないように凸部４６が挟まれるので、消費材１０を安定して収容部４２に対して挿入又は除去することができる。

　また、本実施形態では、収容部４２は、収容部４２の周方向に互いに離間して設けられる複数の凸部４６を有することが好ましい。これにより、複数の凸部４６を支持部３７及びキャップ部８０で挟むことで、周方向における複数の位置で収容部４２が保持され得る。その結果、周方向における単一の位置で収容部４２が保持される場合に比べて安定して収容部４２が保持され得る。

　キャップ部８０は、筒状部３０に着脱可能に取り付けられることが好ましい。これにより、キャップ部８０を筒状部３０から取り外すことで、収容部４２の保持が解放される。その結果、収容部４２を香味吸引器１００から取り外すことができるので、収容部４２に残留した喫煙可能物質１６等を除去し、収容部４２を容易にクリーニングすることができる。また、上述したように、キャップ部８０は外周面に第１ねじ８２を有し、筒状部３０は内周面に第１ねじ８２と螺合する第２ねじ３５を有することが好ましい。言い換えれば、キャップ部８０が筒状部３０に対してねじにより螺合することが好ましい。これにより、キャップ部８０と筒状部３０とに挟まれる収容部４２をよりしっかりと保持することができる。

　また、本実施形態では、図３に示したように、第２ねじ３５が、筒状部３０の軸方向に延びる切欠き３６を有することが好ましい。第２ねじ３５が切欠き３６を備えない場合、収容部４２を筒状部３０の内部に挿入するためには、凸部４６が第２ねじ３５に干渉しないように収容部４２の外径を小さくする必要がある。本実施形態によれば、収容部４２の外径を小さくすることなく、凸部４６を切欠き３６に通過させながら収容部４２を筒状部３０の内部に挿入して配置し、その後、キャップ部８０を筒状部３０に螺合することで、収容部４２を保持することができる。

　本実施形態では、筒状部３０の第２ねじ３５は、支持部３７に支持された凸部４６の周方向の移動を制限するように構成されることが好ましい。具体的には、第２ねじ３５に形成される切欠き３６は、収容部４２の凸部４６の形状に対応することが好ましい。言い換えれば、軸方向からみた切欠き３６の形状は、軸方向からみた凸部４６の形状と略一致することが好ましい。これにより、収容部４２が周方向に移動しようとしたとき、第２ねじ３５のねじ山が収容部４２の凸部４６に干渉し、収容部４２が筒状部３０に対して周方向に移動することが抑制され得る。

　以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、加熱部６０は、抵抗加熱型に限らず、誘導加熱型であってもよい。その場合、香味吸引器１００に設けられるインダクションコイルにより、加熱部６０のピン６２が誘導加熱され得る。また、消費材１０がサセプタを有する場合には、加熱部６０のインダクションコイルによって消費材１０のサセプタが誘導加熱され得る。さらに、加熱部６０は、消費材１０を外側から加熱する外側加熱式のヒータを有してもよい。

１０　　：消費材
１４　　：紙管部
１５　　：センターホールフィルタ
１６　　：喫煙可能物質
３０　　：筒状部
３６　　：切欠き
３７　　：支持部
４２　　：収容部
４３　　：側壁
４６　　：凸部
５０　　：支持体
６０　　：加熱部
６２　　：ピン
７０　　：スリーブ部材
８０　　：キャップ部
８１　　：開口
８３　　：ガイド部
１００　：香味吸引器
１０１　：挿入端部
Ｓ２　　：空隙

Claims

　消費材に含まれる喫煙可能物質を加熱可能な香味吸引器であって、
　前記消費材が挿入される筒状の収容部と、
　前記喫煙可能物質を加熱する加熱要素と、
　前記収容部の少なくとも一部を支持する支持部を備え、前記収容部の外周を囲む筒状部と、
　前記収容部の少なくとも一部を前記支持部と挟むように構成される、着脱可能なキャップ部と、を有する、香味吸引器。
　請求項１に記載された香味吸引器において、
　前記収容部は、前記支持部に支持される凸部を有し、
　前記支持部及び前記キャップ部は、前記収容部が前記筒状部の軸方向に移動しないように前記凸部を挟むように構成される、香味吸引器。
　請求項２に記載された香味吸引器において、
　前記収容部は、複数の前記凸部を有し、複数の前記凸部は、前記収容部の周方向に互いに離間して設けられる、香味吸引器。
　請求項１から３のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記加熱要素は、前記喫煙可能物質に挿入されるように構成される、香味吸引器。
　請求項１から４のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記キャップ部は外周面に第１ねじを有し、
　前記筒状部は内周面に前記第１ねじと螺合する第２ねじを有する、香味吸引器。
　請求項２を引用する請求項５に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部の前記第２ねじは、前記凸部が通過するための前記筒状部の軸方向に延びる切欠きを有する、香味吸引器。
　請求項２を引用する請求項５又は請求項６に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部の前記第２ねじは、前記支持部に支持された前記凸部の周方向の移動を制限するように構成される、香味吸引器。
　請求項１から７のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記キャップ部は、前記消費材を挿入するための開口と、前記開口に挿入された前記消費材の側面と接触して前記喫煙可能物質を前記加熱要素に向けてガイドするガイド部と、を有する、香味吸引器。
　請求項８に記載された香味吸引器において、
　前記ガイド部は、前記筒状部の軸方向の位置において、前記収容部と重なる、香味吸引器。
　請求項８又は９に記載された香味吸引器において、
　前記ガイド部は、前記筒状部の軸方向の位置において、前記加熱要素と重なる、香味吸引器。
　請求項８から１０のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記開口の径は、前記消費材の外径よりも小さい、香味吸引器。
　請求項８から１１のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記ガイド部の前記開口側の端部から前記収容部の底部までの長さをＬ１とし、前記筒状部の軸方向における前記ガイド部の長さをＬ２としたとき、５ｍｍ＜Ｌ２、或いはＬ１×０．２＜Ｌ２である、香味吸引器。
　請求項１から１２のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記収容部と前記筒状部との間に設けられるスリーブ部材を有する、香味吸引器。
　請求項１３に記載された香味吸引器において、
　前記消費材が挿入される挿入端部を有し、
　前記スリーブ部材は、前記消費材の挿入方向において前記収容部よりも前記挿入端部と反対側に延在する、香味吸引器。
　請求項１から１４のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記筒状部が着脱可能に取り付けられる支持体を有し、
　前記筒状部、前記キャップ部、及び前記収容部は、一体となって前記支持体と着脱可能である、香味吸引器。
　請求項１３又は請求項１４を引用する請求項１５に記載された香味吸引器において、
　前記スリーブ部材は、前記支持体によって支持される、香味吸引器。
　請求項１から１６のいずれか一項に記載された香味吸引器において、
　前記収容部は、前記収容部内の所望の位置に位置決めされた前記消費材の喫煙可能物質を取り囲むように構成される側壁を有し、
　前記収容部に収容された前記消費材の前記喫煙可能物質と前記収容部の前記側壁との間の全周に亘り空隙が設けられる、香味吸引器。
　喫煙可能物質と、紙管部と、を有する前記消費材と、
　請求項１から１７のいずれか一項に記載された香味吸引器と、を有する喫煙システムであって、
　前記キャップ部は、前記収容部の所望の位置に配置された前記消費材の前記紙管部を保持する保持部を有する、喫煙システム。